JP2003221546A - 中塗り兼用カチオン電着塗料組成物を用いる塗膜形成方法 - Google Patents

中塗り兼用カチオン電着塗料組成物を用いる塗膜形成方法

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JP2003221546A
JP2003221546A JP2002021835A JP2002021835A JP2003221546A JP 2003221546 A JP2003221546 A JP 2003221546A JP 2002021835 A JP2002021835 A JP 2002021835A JP 2002021835 A JP2002021835 A JP 2002021835A JP 2003221546 A JP2003221546 A JP 2003221546A
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壽市 村本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2コート塗装でも耐食性、耐溶剤性、耐候性
に優れ、上塗り塗膜との密着性も優れ、しかも3コート
塗装と同等の塗膜外観を実現できる中塗り兼用カチオン
電着塗料組成物を用いる塗膜形成方法を提供すること。 【解決手段】 水性媒体中に分散された、アクリル樹脂
(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、及びブロックド
ポリイソシアネート(c1)が、アクリル樹脂(a1)
及びブロックドポリイソシアネート(c1)を含むシェ
ル部とポリエステル樹脂(a2)及びブロックドポリイ
ソシアネート(c1)を含むコア部とで成る、コアシェ
ル構造のエマルション粒子を形成しており、これとは別
に、エポキシ樹脂(b)及びブロックドポリイソシアネ
ート(c2)がエマルション粒子を形成している中塗り
兼用カチオン電着塗料組成物を用いて電着塗装を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン電着塗料組
成物及び塗膜形成方法に関し、特に、下塗り塗膜と同時
に中塗り塗膜も形成できる中塗り兼用カチオン電着塗料
組成物、及びこれを用いる塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料産業、なかでも自動車車体塗装分野
においては、近年、省資源、省コストおよび環境負荷
(VOCおよびHAPS等)削減の課題を解決するた
め、塗装工程の短縮化が強く求められている。
【0003】例えば、自動車の塗装仕上げ手順として、
従来は電着プライマー塗装、中塗り塗装および上塗り塗
装の3コート塗装が主として行われてきた。しかしなが
ら、近年では、電着プライマー塗装後に上塗り塗装を直
接行う中塗りレス(2コートシステム)により塗装工程
数を削減することが試みられるようになってきた。当
然、2コート塗装においても3コート膜と同等の外観、
上塗りとの密着性、耐候性および耐食性等を保持するこ
とが求められる。
【0004】中塗りレスによる複層電着塗膜に関する技
術として、例えば特開2000−345394号公報及
び特開2001−140097号公報には、二層分離型
カチオン電着塗料組成物を用いる塗膜形成方法が記載さ
れている。
【0005】ここに記載のカチオン電着塗料組成物は、
水性媒体中に分散された、カチオン性アクリル樹脂、カ
チオン性エポキシ樹脂、ブロックドポリイソシアネー
ト、及び顔料を含有する。そして、カチオン性エポキシ
樹脂の溶解性パラメータがカチオン性アクリル樹脂より
も1以上大きいために、電着塗装後、硬化時の加熱によ
ってフローしても両樹脂は相溶せず、カチオン性エポキ
シ樹脂層の上にカチオン性アクリル樹脂層が分離して塗
膜が形成される。
【0006】このように、塗膜形成の際にカチオン変性
エポキシ樹脂の層が導電性基材に直接接触すれば、被塗
物である基材の耐食性が向上することとなる。また、そ
の上にカチオン性アクリル樹脂の層が形成されると基材
の耐候性、耐溶剤性が向上し、更に上塗り塗膜との密着
性も向上することとなる。しかも、顔料濃度について、
樹脂層ごとに勾配を付けることで塗膜外観の向上も図ら
れている。
【0007】しかしながら、この技術では塗膜の表面平
滑性までは改善されておらず、塗膜外観の向上が未だ不
十分である。すなわち、2コート塗装によって3コート
塗装と同等の塗膜外観を提供するためには、加熱時にお
いて電着塗膜のフロー性を制御し、表面平滑性を飛躍的
に向上させる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、2
コート塗装でも耐食性、耐溶剤性、耐候性に優れ、上塗
り塗膜との密着性も優れ、しかも3コート塗装と同等の
塗膜外観を実現できる中塗り兼用カチオン電着塗料組成
物、及びこれを用いる塗膜形成方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、水性媒体中に
分散された、数平均分子量2000〜20000のカチ
オン性アクリル樹脂(a1)、数平均分子量1000〜
3000のアニオン性ポリエステル樹脂(a2)、カチ
オン変性エポキシ樹脂(b)、ブロックドポリイソシア
ネート(c1)、ブロックドポリイソシアネート(c
2)、及び顔料(d)を少なくとも含有する中塗り兼用
カチオン電着塗料組成物において、アクリル樹脂(a
1)、ポリエステル樹脂(a2)、及びブロックドポリ
イソシアネート(c1)が、アクリル樹脂(a1)及び
ブロックドポリイソシアネート(c1)を含むシェル部
とポリエステル樹脂(a2)及びブロックドポリイソシ
アネート(c1)を含むコア部とで成る、コアシェル構
造のエマルション粒子を形成しており、これとは別に、
エポキシ樹脂(b)及びブロックドポリイソシアネート
(c2)がエマルション粒子を形成していることを特徴
とする電着塗料組成物を提供する。
【0010】また、本発明は、上記カチオン電着塗料組
成物に被塗物を浸漬する工程;上記被塗物を陰極として
電着塗装を行うことにより、被塗物表面に電着塗膜を形
成する工程;及び上記電着塗膜を焼付ける工程;を包含
する塗膜形成方法を提供する。
【0011】更に、本発明は、上記カチオン電着塗料組
成物に被塗物を浸漬する工程;上記被塗物を陰極として
電着塗装を行うことにより、被塗物表面に電着塗膜を形
成する工程;上記電着塗膜を焼付ける工程;硬化した電
着塗膜の上に上塗り塗料を塗布することにより、上塗り
塗膜を形成する工程;及び上記上塗り塗膜を焼付ける工
程;を包含する塗膜形成方法を提供する。
【0012】これらの手段により上記目的が達成され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】カチオン電着塗料組成物は、水性
媒体中に、バインダー、顔料、溶剤及び耐食性付与剤等
種々の添加剤を含有する。バインダーは熱硬化性樹脂組
成物であり、官能基を有するカチオン性樹脂とこれを硬
化させる硬化剤とを少なくとも含む。
【0014】本発明で用いる中塗り兼用カチオン電着塗
料組成物では、バインダーの構成成分として、カチオン
性アクリル樹脂(a1)、アニオン性ポリエステル樹脂
(a2)、カチオン変性エポキシ樹脂(b)、及びこれ
らを硬化させるブロックドポリイソシアネート(c
1)、及びブロックドポリイソシアネート(c2)を用
いる。
【0015】カチオン性アクリル樹脂(a1) カチオン性アクリル樹脂(以下「アクリル樹脂(a
1)」という。)は分子内にカチオン性基を有する。カ
チオン性基は、典型的にはアミノ基である。アミノ基の
量はアミン価が50〜150の範囲、好ましくは60〜
130の範囲となる量である。アクリル樹脂(a1)の
アミン価が50未満であるとアミン価が不足している為
に樹脂が充分な水分散性を発現できない。そのため、エ
マルション形成が困難になる。また、150を越えると
樹脂が極度に水溶性を呈する為、エマルション形成には
不利となる。また樹脂の親水性が高すぎる為に、塗膜の
耐水性が不足し、防錆製が低下する。
【0016】アクリル樹脂(a1)の数平均分子量は2
000〜20000、好ましくは2500〜15000
に調整する。アクリル樹脂(a1)の数平均分子量が2
000未満であるとエマルションの安定性が不足し、塗
料の貯蔵安定性が低下する。また、20000を越える
と樹脂粘度が高すぎる為に、乳化操作等のハンドリング
が困難となる。
【0017】かかるカチオン性アクリル樹脂は、複数の
エポキシ環および複数の水酸基を含んでいるアクリル樹
脂とアミンとの開環付加反応によって合成することがで
きる。開環付加反応では、アクリル樹脂のエポキシ環が
1級アミン、2級アミンまたは3級アミン酸塩との反応
によって開環されて、アクリル樹脂(a1)が提供され
る。
【0018】エポキシ環等を含むアクリル樹脂は、グリ
シジル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基を含有
するアクリルモノマーと、その他のアクリル系および/
または非アクリルモノマーとを共重合することによって
得られる。ヒドロキシル基を含有するアクリルモノマー
には、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ま
たは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのよう
な水酸基含有(メタ)アクリレートとε−カプロラクト
ンとの付加生成物等が含まれる。
【0019】その他のアクリル系モノマーの例として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、非
アクリルモノマーの例としては、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリルニトリ
ル、(メタ)アクリルアミドおよび酢酸ビニルを挙げる
ことができる。
【0020】エポキシ環等を含むアクリル樹脂のエポキ
シ環を開環してアミノ基を導入するためのアミン類の例
としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、トリエチルアミン酸塩、N,N−ジメチル
エタノールアミン酸塩などの1級、2級または3級アミ
ン酸塩を挙げることができる。
【0021】また、アミノエチルエタノールアミンメチ
ルイソブチルケチミンの様なケチミンブロック1級アミ
ノ基含有2級アミンも使用することができる。これらの
アミン類は、全てのエポキシ環を開環させるために、エ
ポキシ環に対して少なくとも当量で反応させる必要があ
る。
【0022】アクリル樹脂(a1)は、アミノ基を有す
るアクリルモノマーを他のモノマーと共重合することに
よって合成してもよい。この方法では、上記のグリシジ
ル(メタ)アクリレートの代りにN,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ−t−ブチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有
アクリルモノマーを使用し、これをヒドロキシル基含有
アクリルモノマーおよび他のアクリル系および/または
非アクリル系モノマーと共重合することによってアクリ
ル樹脂(a1)を得ることができる。
【0023】かくして得られたアクリル樹脂(a1)
は、特開平8−333528号公報に記載のように、必
要に応じてハーフブロックジイソシアネート化合物との
付加反応によってブロックイソシアネート基を導入し、
自己架橋型とすることもできる。
【0024】アニオン性ポリエステル樹脂(a2) アニオン性ポリエステル樹脂(以下「ポリエステル樹脂
(a2)」という。)は分子内にアニオン性基を有す
る。アニオン性基は、典型的には酸基である。この酸基
の量は、酸価で3〜20、好ましくは5〜15の範囲と
なる量であることが好ましい。ポリエステル樹脂(a
2)の酸価が3未満であると、上塗り塗膜との密着性が
劣る恐れがある。一方、20を超えると、ブロックドポ
リイソシアネートを硬化剤として用いた場合の硬化不良
や顔料ペースト化が困難となる恐れがある。
【0025】また、ポリエステル樹脂(a2)の水酸基
価は50〜150の範囲であることが好ましい。水酸基
価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、反対に150
を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存する結
果、塗膜の耐水性が低下することがある。
【0026】ポリエステル樹脂(a2)の数平均分子量
は1000〜10000の範囲が好ましい。数平均分子
量が1000未満では硬化形成塗膜の耐溶剤性等の物性
が劣る。反対に10000を超えると、樹脂溶液の粘度
が高いため、得られた樹脂の乳化分散等の操作上ハンド
リングが困難なばかりか、得られた電着塗膜の膜外観が
著しく低下してしまうことがある。
【0027】ポリエステル樹脂(a2)は、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエ
リスリトール等のポリオール成分;フタル酸、イソフタ
ル酸、トリメリット酸、テレフタル酸、ピロメリット
酸、ヘキサヒドロフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸等の多塩基酸;およびそれらの無水物;必要に
応じてδ―ブチロラクトン、ε―カプロラクトン等のラ
クトン類;さらに変性剤としてヤシ油脂肪酸、キリ油脂
肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸等の各種飽和およ
び/または不飽和脂肪酸;それらのモノ、ジあるいはト
リグリセライド;及びカージュラーE−10(炭素数1
0の分岐状アルキル基を有するモノエポキシド、シェル
化学社製)等を常法に従い脱水縮合することによって製
造されるものである。
【0028】また、ポリエステル樹脂(a2)はウレタ
ン結合を一部適量含んでいてもよい。このようなウレタ
ン結合の導入は、例えば分子鎖の両末端に水酸基を有す
るポリδ―ブチロラクトンあるいはポリε−カプロラク
トン等のポリエステルポリオールの両末端に、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネ−ト等のジイソシアネートをウレタン
結合させ、一部鎖延長して、これを上記ポリオール成分
の一部として使用すればよい。
【0029】さらにポリエステル樹脂(a2)は、分子
内部に3級カルボキシル基を有していることが好まし
い。3級カルボキシル基とは、そのカルボキシル基が直
接結合している炭素原子に水素がひとつも結合していな
いものである。3級カルボキシル基は酸基としての活性
度は低く、これをポリエステル樹脂(a2)に導入する
ことにより、SP値の調節を容易に行うことができる。
【0030】また、ポリエステル樹脂(a2)が分子内
部に3級カルボキシル基を有することにより、樹脂中に
おける酸性基間の相互作用が低くなって塗膜の熱フロー
性が向上するため、加熱硬化時に膜平滑性が確保され、
塗膜外観を向上させることができる。
【0031】分子内部に3級カルボキシル基を有するポ
リエステル樹脂(a2)は、3級カルボキシル基を有す
るジオール化合物、例えば、2,2’―ジメチロールプ
ロピオン酸、2,2’―ジメチロールブタン酸、2,
2’―ジメチロールヘキサン酸、2,2’−ジメチロー
ルオクタン酸あるいは2,2’−ジメチロールデカン酸
等を上記ポリオール成分の一部として使用することによ
り製造することができる。この3級カルボキシル基を有
するジオール化合物の使用量は、上記酸価、すなわちポ
リエステル樹脂(a2)の全酸価に占める3級カルボキ
シル基の割合が80%以上となる量が好ましく、そのほ
とんど全てになるように調整することがさらに好まし
い。
【0032】ポリエステル樹脂(a2)は、必要に応じ
てハーフブロックジイソシアネート化合物との付加反応
やメラミン樹脂の一部共縮合を行うことにより、自己架
橋型樹脂とすることもできる。このように自己架橋型と
したものは硬化反応性に優れるため、本発明において好
適に用いられる。
【0033】カチオン変性エポキシ樹脂(b) カチオン変性エポキシ樹脂(以下「エポキシ樹脂
(b)」という。)は、カチオン電着塗料の分野では導
電性基材に対して防錆性を発現する樹脂として良く知ら
れている。エポキシ樹脂(b)は分子内にカチオン性基
を有する。カチオン性基は、典型的にはアミノ基であ
る。アミノ基の量はアミン価が30〜100の範囲、好
ましくは40〜80の範囲となる量である。エポキシ樹
脂(b)のアミン価が30未満であるとアミン価が不足
している為に樹脂が充分な水分散性を発現できない。そ
のため、エマルション形成が困難になる。また、100
を越えると樹脂が高い水溶性を呈する為にエマルション
形成には不利となる。また、樹脂の親水性が高すぎる為
に、塗膜の耐水性が不足し、防錆性が低下する。
【0034】エポキシ樹脂(b)の数平均分子量は15
00〜5000の範囲に調整することが好ましい。エポ
キシ樹脂(b)の数平均分子量が1500未満の場合
は、硬化塗膜の耐溶剤性および耐食性等の物性が劣るこ
とがある。反対に5000を超える場合は、樹脂溶液の
粘度制御が難しく合成が困難なばかりか、得られた樹脂
の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難となることが
ある。さらに高粘度であるがゆえに加熱・硬化時のフロ
ー性が悪く塗膜外観を著しく損ねる場合がある。
【0035】また、エポキシ樹脂(b)はヒドロキシル
価が50〜250の範囲となるように分子設計すること
が好ましい。ヒドロキシル価が50未満では塗膜の硬化
不良を招き、反対に250を超えると硬化後塗膜中に過
剰の水酸基が残存する結果、耐水性が低下することがあ
る。さらにエポキシ樹脂(b)の軟化点は、80℃以
上、さらに好ましくは100℃以上とすることが、硬化
塗膜の耐溶剤性、耐候性、耐食性あるいは塗膜外観の高
次元における両立化を達成する上で望ましい。
【0036】一般にエポキシ樹脂(b)は、原料エポキ
シ樹脂分子内のエポキシ環を、1級アミン、2級アミン
あるいは3級アミン酸塩等のアミン類との反応によって
開環して製造される。原料エポキシ樹脂の典型例は、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の
多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応
生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂である。
【0037】また他の原料エポキシ樹脂の例として、特
開平5−306327号公報に記載されたオキサゾリド
ン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。このエポ
キシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシ
アネート化合物のNCO基をメタノール、エタノール等
の低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン
化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られ
るものである。
【0038】原料エポキシ樹脂は、アミン類によるエポ
キシ環の開環反応の前に、2官能のポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2
塩基性カルボン酸等により鎖延長して用いることができ
る。また同じくアミン類によるエポキシ環の開環反応の
前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改
良等を目的として、一部のエポキシ環に対して2−エチ
ルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコー
ルモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリ
コールモノ−2−エチルヘキシルエーテルのようなモノ
ヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。
【0039】原料エポキシ樹脂のエポキシ環を開環して
アミノ基を導入するためのアミン類としては、カチオン
性アクリル樹脂(a1)で説明したものを同様の量で用
いてよい。
【0040】ブロックドポリイソシアネート(c1)及
び(c2) ブロックドポリイソシアネートとは、ポリイソシアネー
トのイソシアネート基を封止剤で保護した化合物をい
う。ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシア
ネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル
イソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香
族ジイソシアネートが挙げられる。
【0041】上記封止剤の例としては、n−ブタノー
ル、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノー
ル、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メ
チルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(または
芳香族)アルコール類、エチレングリコールモノヘキシ
ルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシ
ルエーテル等のセロソルブ類、フェノール、パラーt−
ブチルフェノール、クレゾール等のフェノール類、ジメ
チルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチル
イソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、
シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、およびε−
カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラク
タム類が好ましく用いられる。とくにオキシム類および
ラクタム類の封止剤は低温で解離するため、樹脂硬化性
の観点から好適である。
【0042】上記封止剤は単独あるいは複数種を使用す
ることができる。ブロック化率については、樹脂成分
(a1)、(a2)あるいは(b)と反応させる目的が
なければ、塗料の貯蔵安定性確保のためにも100%に
しておくことが好ましい。
【0043】本発明には、少なくとも2種類のブロック
ドポリイソシアネート((c1)成分および(c2)成
分)を用いることが好ましい。ブロックドポリイソシア
ネート(c1)及び(c2)はそれら固有の溶解性パラ
メータが以下に説明する配合条件を満足するように、各
々独立して選択される。
【0044】用いる複数のブロックドポリイソシアネー
トのうち、少なくとも1種類((c1)成分)について
は、以下の溶解性パラメータについての条件を満たして
いなければならない。すなわちブロックドポリイソシア
ネート(c1)のSPは、前記樹脂(a1)および前記
樹脂(a2)の平均値と前記樹脂(b)の中間、すなわ
ち{(a1)+(a2)}/2≦(c1)≦(b)であ
ることが好ましい。このようにブロックドポリイソシア
ネートの溶解性パラメータを設定することによって、二
層分離後の分配溶解を可能とし、樹脂成分(a1)およ
び(a2)と樹脂成分(b)を含む層の同時硬化を両立
化することができる。上記の目的のためには、ブロック
ドポリイソシアネート(c1)は、予め本発明のコアシ
ェル型第1エマルション(主に樹脂(a1)および(a
2)から成る)内部に導入されていることが好ましい。
【0045】また、もう一方のブロックドポリイソシア
ネート(c2)については、基材に直接接する層の架橋
性を調節し、主に防錆性を向上させるために樹脂(b)
を選択的に硬化させるように配合されるものである。そ
のために(c2)成分は、樹脂(b)に溶解する必要が
ある。したがって、以下の溶解性パラメータについての
条件を満たしていなければならない。すなわち(c2)
−(b)≦±0.5であることが好ましい。上記の目的
のためには、ブロックドポリイソシアネート(c2)
は、予め本発明の第2エマルション(主に樹脂(b)か
ら成る)内部に導入されていることが好ましい。
【0046】顔料(d) 顔料は、電着塗料に通常使用されるものならば特に制限
なく使用することができる。その例としては、カーボン
ブラック、二酸化チタン、グラファイト等の着色顔料、
カオリン、ケイ酸アルミ(クレー)、タルク等の体質顔
料、リンモリブデン酸アルミ等の防錆顔料が挙げられ
る。
【0047】これらの中でも、特に重要なものは、二酸
化チタン、カーボンブラック、ケイ酸アルミ(クレー)
およびリンモリブデン酸アルミである。特に二酸化チタ
ンは着色顔料として隠蔽性が高く、しかも安価であるこ
とから、電着塗膜用に最適である。なお、上記顔料は単
独で使用することもできるが、目的に合わせて複数使用
するのが一般的である。
【0048】顔料を電着塗料の成分として用いる場合、
一般に顔料を予め高濃度で水性媒体に分散させてペース
ト状にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料で用い
る低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だから
である。一般にこのようなペーストを顔料分散ペースト
という。
【0049】顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂
と共に水性媒体中に分散させて調製する。顔料分散樹脂
としては、一般に、カチオン性またはノニオン性の低分
子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級ス
ルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のような、カ
チオン性重合体を用いる。
【0050】中塗り兼用カチオン電着塗料組成物 本発明で用いるカチオン電着塗料組成物の調製は、通常
通り樹脂成分を水性エマルション化し、残りの成分と配
合する方法による。但し、本発明では、2種類のエマル
ションを調製する必要がある。
【0051】第1のエマルションはアクリル樹脂(a
1)、ポリエステル樹脂(a2)、及びブロックドポリ
イソシアネート(c1)を含んで成る樹脂エマルション
である。図1は第1のエマルション粒子の構造を模式的
に示した断面図である。この樹脂エマルションの粒子
は、アクリル樹脂(a1)及びブロックドポリイソシア
ネート(c1)を含むシェル部1がポリエステル樹脂
(a2)及びブロックドポリイソシアネート(c1)を
含むコア部2を包摂するコアシェル構造を有している必
要がある。
【0052】アクリル樹脂(a1)のコア部としてポリ
エステル樹脂(a2)を挿入することで、空気に接する
樹脂層の熱フロー性が向上し、塗膜の表面平滑性が高ま
ることとなるからである。従って、アクリル樹脂(a
1)及びポリエステル樹脂(a2)は比較的低溶融粘度
であることが好ましい。
【0053】アクリル樹脂(a1)及びポリエステル樹
脂(a2)の溶融粘度は、別種類の樹脂を添加すること
によって低下させてもよい。低溶融粘度化を目的として
アクリル樹脂(a1)及びポリエステル樹脂(a2)に
添加する樹脂としては、ポリエーテル樹脂が好ましい。
【0054】ポリエーテル樹脂とは、主鎖としてエーテ
ル結合鎖を有する樹脂を言う。本発明に使用されるポリ
エーテル樹脂(a3)は、式
【0055】
【化1】H−[O−(CHR)mn−OR
【0056】[式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、
炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基であり、
mは2〜4の整数であり、nは4〜70の整数であ
る。]で示される構造のポリアルキレンポリオールであ
る。
【0057】末端水酸基の量は水酸基価が30〜500
の範囲、好ましくは100〜350の範囲となる量であ
る。ポリエーテル樹脂の水酸基価が30未満であると塗
膜硬化時の架橋反応性が不足するため、架橋密度が低下
する結果、塗膜物性および防錆性が損なわれる。また、
500を越えると架橋反応性が高すぎるため、塗膜表層
の硬化歪を招く結果、膜外観が損なわれる。
【0058】ポリエーテル樹脂(a3)は、数平均分子
量200〜2000、好ましくは400〜1000に調
製する。ポリエーテル樹脂の数平均分子量が200未満
であると沸点が低下する結果、塗膜焼付け時に、空気中
に散逸し、充分なレベリング効果が期待できない。ま
た、気散したポリエーテルが加熱炉内でヤニとなり、汚
れの原因になりうる。また、2000を越えると樹脂の
粘度が高くなる結果、膜表層のレベリング効果が充分に
期待できなくなる。
【0059】ポリエーテル樹脂(a3)の具体例は、ポ
リオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシテトラメチレングリコールフェニルエーテル、ポ
リオキシプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレングリコールフェニルエーテル、ポリオキ
シテトラメチレングリコールブチルエーテル、ポリオキ
シプロピレングリコールブチルエーテル、ポリオキシエ
チレングリコールブチルエーテルである。
【0060】この中で最も好ましいものは、ポリオキシ
プロピレングリコールおよびその片末端アルキルもしく
はフェニルエーテルである。これらは、カチオン変性エ
ポキシ樹脂には不溶であり、かつカチオン変性アクリル
樹脂およびアニオン性ポリエステル樹脂に対しては相溶
性を有しているために、空気に直接接する樹脂層を選択
的に可塑化することで表層のフロー性を向上させる効果
が高いので好都合である。また、最近ポリオキシプロピ
レングリコールには少なくとも分子構造の片末端にジオ
ールを付加させるなどして両末端の水酸基を共に1級化
したものがあるが、本発明においては、それもまた好適
に用いることができる。
【0061】第1のエマルションの調製は、アクリル樹
脂(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ブロックドポ
リイソシアネート(c1)、及び要すればポリエーテル
樹脂(a3)を有機溶媒中で均一に混合し、中和剤を含
む水性媒体中に分散させて行う。中和剤としては、塩
酸、硝酸、リン酸等の無機酸および蟻酸、酢酸、乳酸、
スルファミン酸、アセチルグリシン酸等の有機酸を使用
できる。次いで、分散体に含まれる有機溶媒を蒸発させ
て、第1のエマルションを得る。
【0062】第2のエマルションはエポキシ樹脂(b)
及びブロックドポリイソシアネート(c2)を含んで成
る樹脂エマルションである。第2のエマルションの調製
は、第1のエマルションと同様にして行うことができ
る。その後、第1のエマルション及び第2のエマルショ
ンを混合して電着塗料のメインエマルションを調製す
る。
【0063】また第2のエマルション中に、本来ならば
第1のエマルション中に導入すべきポリエステル樹脂
(a2)の一部を導入してもかまわない。このようにし
て本発明の目的とする効果が損なわれない限りは、各エ
マルションの一部組成を変更することがあってもかまわ
ない。
【0064】ここで、アクリル樹脂(a1)、ポリエス
テル樹脂(a2)、エポキシ樹脂(b)、ブロックドポ
リイソシアネート(c1)の溶解性パラメータは、式
【0065】
【数4】 (b)−{(a1)+(a2)}/2≧±1.0 I (a1)−(a2)≦±0.2 II {(a1)+(a2)}/2≦(c1)≦(b) III (c2)−(b)≦±0.5 IV [式中、(a1)、(a2)、(b)、(c1)、及び
(c2)は各樹脂成分の溶解性パラメータの値を示
す。]
【0066】の関係を満足することが好ましい。アクリ
ル樹脂(a1)及びポリエステル樹脂(a2)が安定な
コアシェル構造を形成し、ブロックドポリイソシアネー
ト(c1)が第1のエマルジョンのコア部及びシェル
部、及びエポキシ樹脂(b)に均等に含有されるように
し、更に熱硬化時、アクリル樹脂(a1)とポリエステ
ル樹脂(a2)による層、及びエポキシ樹脂(b)層に
分離するようにするためである。また、ブロックドポリ
イソシアネート(c2)に関しては、樹脂(b)を選択
的に硬化させる目的を達成するために、樹脂(b)に溶
解する必要がある。
【0067】各樹脂成分の配合比は、固形分重量比で、
【0068】
【数5】 {(a1)+(a2)}/(b)=3/7〜7/3 V (a2)/{(a1)+(a2)}=1/9〜1/2 VI [式中、(a1)、(a2)、及び(b)は各樹脂成分
の固形分重量を示す。]
【0069】の関係を満足することが好ましい。式Vの
値が3/7を下回るか、あるいは7/3を超えると、二
層分離構造を形成することが困難となり、多量成分を連
続相(海)とする海島構造(ミクロドメイン構造)を形
成してしまう。式VIの値が1/9を下回ると、硬化時の
充分なフロー性が確保できない。また1/2を超える
と、乳化分散が困難となり、塗料へ導入できない。
【0070】また、第1のエマルションにおいて、ブロ
ックドポリイソシアネート(c1)の配合量は、アクリ
ル樹脂(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、要すれば
ポリエーテル樹脂(a3)を塗膜として硬化させるため
に当業者が通常の方法で決定する量とすればよい。通常
は、これらの樹脂に含まれる活性水素含有基(例えば水
酸基)とブロックドポリイソシアネート(c)のイソシ
アネート基とが当量関係になる量である。
【0071】第2のエマルションにおけるブロックドポ
リイソシアネート(c2)の配合量も同様に、エポキシ
樹脂(b)を塗膜として硬化させるために当業者が通常
の方法で決定する量とすればよい。
【0072】また、ポリエーテル樹脂(a3)を使用す
る場合、その配合比は、固形分重量比で、式
【0073】
【数6】 (a3)/{(a1)+(a2)+(a3)}≦0.1 VII [式中、(a1)、(a2)、及び(a3)は各樹脂成
分の固形分重量を示す。]
【0074】を満足する量とすることが好ましい。式VI
Iの値が0.1を越えると、膜物性が低下する恐れがあ
るためである。
【0075】次いで、得られたメインエマルションと顔
料分散ペーストとを配合する。両者の配合比は、顔料が
電着塗料組成物の全固形分の1〜35重量%を占める量
とする。更に、常用の硬化触媒、可塑剤、界面活性剤、
酸化防止剤、及び紫外線吸収剤等を必要に応じて配合し
て、本発明で用いる中塗り兼用カチオン電着塗料組成物
が得られる。
【0076】塗膜形成方法 電着塗装は、電着槽浴に、上記中塗り兼用カチオン電着
塗料組成物を満たし、被塗物を陰極として陽極との間
に、通常、50〜450Vの電圧を印加して行う。印加
電圧が50V未満であると電着が不充分となり、450
Vを超えると、消費電力が大きくなり、不経済である。
【0077】上記電圧を印加する場合の電着塗料組成物
が満たされた浴液の温度は、通常、10〜45℃が好ま
しい。
【0078】電着過程は、(i)電着塗料組成物に被塗
物を浸漬する過程、及び(ii)上記被塗物を陰極して、
陽極との間に電圧を印加し、被膜を析出させる過程、か
ら構成される。また、電圧を印加する時間は、電着条件
によって異なるが、一般には、2〜4分とすることがで
きる。
【0079】上述のようにして得られる電着被膜は、電
着過程の終了後、そのまま又は水洗して乾燥させる。こ
こで、特に良好な仕上がり外観が要求される場合は焼付
け工程を行う前に電着塗膜をプレヒートしてもよい。プ
レヒートは、80〜120℃で1〜10分間電着塗膜を
加熱することにより行う。その後、電着塗膜を焼付け処
理して塗装を完了する。焼付けは140〜260℃、好
ましくは160〜220℃で、10〜30分間電着塗膜
を加熱することにより行う。
【0080】図2は焼付け処理の前後で塗膜の構造が変
化する態様を模式的に示した断面図である。図2(i)
は焼付け処理前の電着塗膜である。本発明で用いる中塗
り兼用カチオン電着塗料組成物は被塗物(導電性基材)
3に電着塗装され、電着塗膜(未硬化状態のウェット塗
膜)4を形成する。被塗物としては導電性のあるもので
あれば特に限定されず、例えば、鉄板、銅板、アルミニ
ウム板及びこれらを表面処理したもの、これらの成型物
等を挙げることができる。
【0081】図2(ii)は電着塗膜を焼付け処理した後
の塗膜である。焼付け処理の際、加熱によってエマルシ
ョン樹脂粒子が溶解し、樹脂がフローする。ここで、各
樹脂は溶解性パラメータが制御されており、フロー状態
で、アクリル樹脂(a1)及びポリエステル樹脂(a
2)は相溶しているが、これらとエポキシ樹脂(b)と
は相溶せず、被塗物(導電性基材)3の上にカチオン性
エポキシ樹脂層5、その上にアニオン性ポリエステル樹
脂及びカチオン性アクリル樹脂の層6が分離して、2層
分離電着膜7が形成される。
【0082】その後、加熱を継続して2層分離電着膜7
を完全に硬化させる。2層分離電着膜7の膜厚は10〜
30μmとすることが好ましい。膜厚が10μm未満で
あると塗膜の耐食性等が不十分となり、30μmを越え
ると塗料の浪費につながる。
【0083】本発明の方法で電着塗装された被塗物は塗
膜の表面平滑性に優れており、中塗り塗装を必要としな
い。従って、通常、目的に応じて必要な上塗り塗装等が
更に施される。上塗り塗装は、硬化した電着塗膜の上に
上塗り塗料を塗布することにより上塗り塗膜を形成し、
この上塗り塗膜を焼付け硬化させて行われる。
【0084】使用する上塗り塗料の種類は特に限定され
ないが、具体例としては、特開2001−311043
号公報、及び同2001−311035号公報等に記載
の水性塗料;及び特開2001−316630号公報、
及び同2001−240791号公報等に記載の機能性
上塗り塗料;より具体的には「AR−2000」の商品
名で日本ペイント社より市販されている環境対応型の水
性塗料等が推奨される。
【0085】上塗り塗料の塗布及び焼付けは通常行われ
る方法で行なえばよい。自動車塗装方法としては、上塗
り塗料では通常霧化塗装法が一般的である。上塗り塗料
は例えば、ベース、クリアから成るメタリック塗料の場
合、ベース部分の塗布量は焼付け後の上塗りベース塗膜
の膜厚が10〜17μm、好ましくは13〜15μmと
なるように調節する。膜厚が10μm未満であると塗膜
の耐候性等が不十分となり、17μmを越えると塗料の
浪費につながる。また、クリア塗料の適性膜厚は25〜
40μm、好ましくは30〜35μmである。膜厚が2
5μm未満であると、塗膜耐候性および外観の不良を招
き、40μmを越えると塗料の浪費につながる。上塗り
塗膜の焼付けは、一般に100〜180℃、好ましくは
120〜160℃で、20〜60分間塗膜を加熱するこ
とにより行われる。
【0086】
【発明の効果】本発明の中塗り兼用カチオン電着塗料組
成物及び塗膜形成方法で形成した塗膜は耐食性、耐溶剤
性、耐候性、及び耐チッピング性に優れ、上塗り塗膜と
の密着性も優れ、しかも中塗り塗装を省略した2コート
塗装でも3コート塗装と同等の塗膜外観を有する。
【0087】
【実施例】以下に製造例、実施例および比較例を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。各例中の「部」は「重量
部」を表し、「%」は「重量%」を意味する。
【0088】製造例1 (アクリル樹脂(a1)の製造)撹拌機、冷却器、窒素
導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容器
に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲
気下110℃に加熱保持した。さらに2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート18.6部、2−エチルヘキシルメ
タクリレート34.2部、N,N―ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート30部、n―ブチルアクリレート2.
2部、スチレン15部およびt―ブチルパーオクトエー
ト4部の混合物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、
その後さらにt−ブチルパーオクトエート0.5部を滴
下して110℃で1.5時間保持した。
【0089】得られたカチオン変性アクリル樹脂溶液の
固形分は65%であり、その樹脂の数平均分子量は74
00、ヒドロキシル価は80、アミン価は107、そし
て溶解性パラメータ(SP)は1 0.0であつた。
【0090】製造例2 (アクリル樹脂(a1)の製造)撹拌機、冷却器、窒素
導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容器
に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲
気下110℃に加熱保持した。さらに2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート18.6部、2―エチルヘキシルメ
タクリレート22.1部、N,N―ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート30部、n―ブチルアクリレート9.
5部、メチルメタクリレート4.8部、スチレン15部
およびt−ブチルパーオクトエート4部の混合物を滴下
ロートから3時間かけて滴下し、その後さらにt−ブチ
ルパーオクトエート0.5部を滴下して110℃で1.
5時間保持した。
【0091】得られたカチオン変性アクリル樹脂溶液の
固形分は65%であり、その樹脂の数平均分子量は73
00、ヒドロキシル価は80、アミン価は107、そし
て溶解性パラメータ(SP)は10.2であった。
【0092】製造例3 (アクリル樹脂(a1)の製造)撹拌機、冷却器、窒素
導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容器
に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲
気下110℃に加熱保持した。さらに2―ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート20.6部、2−エチルヘキシル
メタクリレート22.1部、N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート
8.2部、ラウリルメタクリレート12.3部、スチレ
ン20部およびt−ブチルパーオクトエート4部の混合
物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、その後さらに
t−ブチルパーオクトエート0.5部を滴下して110
℃で1.5時間保持した。
【0093】得られたカチオン変性アクリル樹脂溶液の
固形分は65%であり、その樹脂の数平均分予量は74
00、ヒドロキシル価は80、アミン価は71、そして
溶解性パラメータ(SP)は9.8であった。
【0094】製造例4 (アクリル樹脂(a1)の製造)撹拌機、冷却器、窒素
導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容器
に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲
気下110℃に加熱保持した。さらに2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート18.6部、2−エチルヘキシルメ
タクリレート22.1部、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート30部、n−ブチルアクリレート9.
5部、メチルメタクリレート4.8部、スチレン15部
およびt−ブチルパーオクトエート4部の混合物を滴下
ロートから3時間かけて滴下し、その後さらにt−ブチ
ルパーオクトエート0.5部を滴下して110℃で1.
5時間保持した。
【0095】得られたカチオン変性アクリル樹脂溶液の
固形分は65%であり、その樹脂の数平均分子量は75
00、ヒドロキシル価は80、アミン価は107、そし
て溶解性パラメータ(SP)は10.3であった。
【0096】製造例5 (アクリル樹脂(a1)の製造)撹拌機、冷却器、窒素
導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容器
に、メチルイソブチルケトン50部を仕込み、窒素雰囲
気下110℃に加熱保持した。さらに2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート20.6部、2−エチルヘキシル
メタクリレート20.5部、N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート
1.8部、ラウリルメタクリレート17.2部、スチレ
ン20部およびt−ブチルパーオクトエート4部の混合
物を滴下ロートから3時間かけて滴下し、その後さらに
t―ブチルパーオクトエート0.5部を滴下して110
℃で1.5時間保持した。
【0097】得られたカチオン変性アクリル樹脂溶液の
固形分は65%であり、その樹脂の数平均分子量は74
00、ヒドロキシル価は80、アミン価は71、そして
溶解性パラメータ(SP)は9.7であった。
【0098】製造例6 (ポリエステル樹脂(a2)の製造)攪拌機、冷却器、
デカンター、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備
え付けた反応容器に、ネオペンチルグリコール21.6
部、トリメチロールプロパン95.2部、無水フタル酸
328.5部、イソフタル酸157.8部、2,2’−
ジメチロールブタン酸26.2部および反応触媒として
ジブチル錫オキシド0.6部と還流溶剤としてキシレン
60部を仕込み、窒素雰囲気下150℃に加熱保持し
た。さらにカージュラーE−10(シェル化学社製、分
岐状アルキル(C―10)基を有するモノエポキシド)
598.5部を滴下ロートから30分間かけて滴下し、
その後210〜で230℃に昇温し、脱水縮合反応を約
5時間行った。その後、希釈溶剤としてメチルイソブチ
ルケトン240部を加えた。
【0099】得られたアニオン性ポリエステル樹脂溶液
の固形分は80%であり、その樹脂の数平均分子量は1
600、酸価は8、ヒドロキシル価は70、そして溶解
性パラメータ(SP)は10.0であった。
【0100】製造例7 (エポキシ樹脂(b)の製造)攪拌機、デカンター、窒
素導入管、温度計および滴下ロートを備え付けた反応容
器に、エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)
2400部とメタノール141部、メチルイソブチルケ
トン168部、ジラウリン酸ジブチル錫0.5部を仕込
み、40℃で攪拌し均一に溶解させた後、2,4−/
2,6−トリレンジイソシアネート(80/20重量比
混合物)320部を30分間かけて滴下したところ発熱
し、70℃まで上昇した。これにN,N−ジメチルベン
ジルアミン5部を加え、系内の温度を120℃まで昇温
し、メタノールを留去しながらエポキシ当量が500に
なるまで120℃で3時間反応を続けた。さらに、メチ
ルイソブチルケトン644部、ビスフェノールA341
部、2−エチルヘキサン酸413部を加え、系内の温度
を120℃に保持し、エポキシ当量が1070になるま
で反応させた後、系内の温度が110℃になるまで冷却
した。
【0101】ついでジエチレントリアミンジケチミン
(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)241
部とN−メチルエタノールアミン192部の混合物を添
加し110℃で1時間反応させることによりカチオン変
性エポキシ樹脂溶液(固形分81%)を得た。この樹脂
の数平均分子量は2100、アミン価は50、水酸基価
は160であり、樹脂軟化点はJIS−K−5665に
基づいて測定したところ130℃であった。赤外吸収ス
ペクトル等の測定から、樹脂中にオキサゾリドン環(吸
収波数;1750cm-1)を有していることが確認され
た。また溶解性パラメータ(SP)は11.4であっ
た。
【0102】製造例8 (ブロックドポリイソシアネート(c1)の製造)攪拌
機、窒素導入管、冷却管および温度計を備え付けた反応
容器にヘキサメチレンジイソシアネートの3量体199
部を入れ、メチルイソブチルケトン39部で希釈した
後、ブチル錫ラウレート0.2部を加え、50℃まで昇
温の後、メチルケトオキシム44部、エチレングリコー
ルモノ2−エチルヘキシルエーテル87部を内容物温度
が70℃を超えないように加えた。そして赤外吸収スペ
クトルによりイソシアネート残基の吸収が実質上消滅す
るまで70℃で1時間保温し、その後n−ブタノール4
3部で希釈することによって固形分80%の目的のブロ
ックドポリイソシアネート(溶解性パラメータSP=1
0.7)を得た。
【0103】製造例9 (ブロックドポリイソシアネート(c2)の製造)攪拌
機、窒素導入管、冷却管および温度計を備え付けた反応
容器にイソホロンジイソシアネート222部を入れ、メ
チルイソブチルケトン56部で希釈した後ブチル錫ラウ
レート0.2部を加え、50℃まで昇温の後、メチルエ
チルケトオキシム17部を内容物温度が70℃を超えな
いように加えた。そして赤外吸収スペクトルによりイソ
シアネート残基の吸収が実質上消滅するまで70℃で1
時間保温し、その後n−ブタノール43部で希釈するこ
とによって固形分70%の目的のブロックドポリイソシ
アネート(溶解性パラメータ(SP)11.8)を得
た。
【0104】製造例10 (顔料分散樹脂の製造)攪拌機、冷却管、窒素導入管、
温度計を備えた反応容器にエポキシ当量198のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(商品名エポン829、シェ
ル化学社製)710部、ビスフェノールA289.6部
を仕込んで、窒素雰囲気下150〜160℃で1時間反
応させ、ついで120℃まで冷却後、2−エチルヘキサ
ノール化ハーフブロック化トリレンジイソシアネートの
メチルイソブチルケトン溶液(固形分95%)406.
4部を加えた。反応混合物を110〜120℃で1時間
保持した後、エチレングリコールモノn−ブチルエーテ
ル1584.1部を加えた。そして85〜95℃に冷却
して均一化させた。
【0105】上記反応物の製造と平行して、別の反応容
器に2−エチルヘキサノール化ハーフブロック化トリレ
ンジイソシアネートのメチルイソブチルケトン溶液(固
形分95%)384部にジメチルエタノールアミン10
4.6部を加えたものを80℃で1時間攪拌し、ついで
75%乳酸水141.1部を仕込み、さらにエチレング
リコールモノn−ブチルエーテル47.0部を混合、3
0分攪拌し、4級化剤(固形分85%)を製造しておい
た。そしてこの4級化剤620.46部を先の反応物に
加え酸価1になるまで混合物を85から95℃に保持
し、顔料分散樹脂ワニス(樹脂固形分56%、平均分子
量2200、溶解性パラメータ(SP)11.3)を得
た。
【0106】製造例11 (顔料分散ペーストの製造)サンドミルを用いて、製造
例10で得られた顔料分散樹脂を含む下記配合の顔料ペ
ースト(固形分50%)を調製した。
【0107】
【表1】 配合 部 製造例10の顔料分散樹脂ワニス 53.6 イオン交換水 46.4 二酸化チタン 88.0 カーボンブラック 2.0リンモリブデン酸アルミ 10.0
【0108】製造例12 (コアシェル型第1エマルションの製造)製造例1で得
られたアクリル樹脂(a1)溶液108.2部、製造例
6で得られたポリエステル樹脂(a2)溶液37.5
部、及び製造例8で得られたブロックドポリイソシアネ
ート(c1)溶液46部を加えて30分間攬絆した。そ
の後、エチレングリコールモノn―ブチルエーテル10
部、酢酸3部を加え、イオン交換水で不揮発分32%ま
で希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カ
チオン変性アクリル樹脂を主体とする水性エマルション
を得た。
【0109】製造例13 (コアシェル型第1エマルションの製造)製造例1で得
られたアクリル樹脂(a1)溶液の配合量を139.1
部とし、製造例6で得られたポリエステル樹脂(a2)
溶液の配合量を12.5部とすること以外は製造例12
と同様にして水性エマルションを得た。
【0110】製造例14 (コアシェル型第1エマルションの製造)製造例1で得
られたアクリル樹脂(a1)溶液の配合量を77.3部
とし、製造例6で得られたポリエステル樹脂(a2)溶
液の配合量を62.5部とすること以外は製造例12と
同様にして水性エマルションを得た。
【0111】製造例15 (コアシェル型第1エマルションの製造)製造例1で得
られたアクリル樹脂(a1)溶液の代わりに製造例2で
得られたアクリル樹脂(a1)溶液を用いること以外は
製造例12と同様にして水性エマルションを得た。
【0112】製造例16 (コアシェル型第1エマルションの製造)製造例1で得
られたアクリル樹脂(a1)溶液の代わりに製造例3で
得られたアクリル樹脂(a1)溶液を用いること以外は
製造例12と同様にして水性エマルションを得た。
【0113】製造例17 (コアシェル型第1エマルションの製造)製造例1で得
られたアクリル樹脂(a1)溶液69.5部、製造例6
で得られたポリエステル樹脂(a2)溶液62.5部、
ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量40
0、水酸基価280、三洋化成製「ニューポールPP−
400」)5部、製造例8で得られたブロックドポリイ
ソシアネート(c1)溶液46部を加えて30分間撹拌
した。その後、エチレングリコールモノn―ブチルエー
テル10部、酢酸3部を加え、イオン交換水で不揮発分
32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃
縮し、カチオン変性アクリル樹脂を主体とする水性エマ
ルションを得た。
【0114】製造例18 (比較例用第1エマルションの製造)製造例1で得られ
たアクリル樹脂(a1)溶液の配合量を154.5部と
し、製造例6で得られたポリエステル樹脂(a2)溶液
を使用しないこと以外は製造例12と同様にして水性エ
マルションを得た。
【0115】製造例19 (比較例用第1エマルションの製造)製造例1で得られ
たアクリル樹脂(a1)溶液の代わりに製造例4で得ら
れたアクリル樹脂(a1)溶液を用いること以外は製造
例12と同様にして水性エマルションを得た。
【0116】製造例20 (比較例用第1エマルションの製造)製造例1で得られ
たアクリル樹脂(a1)溶液の代わりに製造例5で得ら
れたアクリル樹脂(a1)溶液を用いること以外は製造
例12と同様にして水性エマルションを得た。
【0117】製造例21 (第2エマルションの製造)製造例7で得られたエポキ
シ樹脂(b)溶液中へ、製造例9で製造したブロックド
ポリイソシアネート硬化剤(c2)1834部、酢酸9
0部を加えた後、イオン交換水で不揮発分32%まで希
釈した後、減圧下で不揮発分36%まで濃縮し、カチオ
ン変性エポキシ樹脂を主体とする水性エマルションを得
た。
【0118】実施例1 製造例12で得られたコアシェル型第1エマルション2
78部、製造例21で得られた第2エマルション270
部、製造例11で得られた顔料分散ペースト127部、
ジブチル錫オキシド2.6部、及びイオン交換水64
0.9部を混合してカチオン電着塗料組成物を得た。こ
のカチオン電着塗料組成物の固形分は20%、アクリル
樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との固形分配
合重量比は70/30、そして両者のSP差は0であっ
た。
【0119】得られたカチオン電着塗料組成物を、リン
酸亜鉛処理した冷延鋼板に対して焼き付け後の電着塗膜
厚が20μmになるような電圧で電着塗装し、160℃
で15分間焼付けを行った。得られた硬化塗膜に対して
以下に説明する各種性能評価を行った。結果を表2に示
す。
【0120】塗料粘度 UBM社製ソリキッドメーターを用いて、160℃にお
ける未硬化塗膜の膜溶融粘度(Pas)を測定した。
【0121】塗膜断面観察 ビデオマイクロスコープで塗膜断面の目視観察を行っ
た。塗膜が透明であれば均一であり「○」と判定し、不
透明であれば不均一であり「×」と判定した。また、複
層に分離した各層を構成する主樹脂はFTIR−ATR
分析により同定した。
【0122】SWH1000H 塗板をサンシャインウエザオメーターへ取り付け、10
00時間照射後60度グロスを測定し、初期値に対する
保持率(%)を求めた。
【0123】SDT 塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れた。こ
の塗板を塩水(5%食塩水、50℃)に840時間浸漬
し、その後水洗、乾燥させた。塗膜表面のカット部に沿
って粘着テープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を
指でしっかり貼付け、塗装面に対して90°方向に一気
に剥離した。剥離した塗膜の最大幅(mm)を評価値と
した。
【0124】耐溶剤性 キシレンを含ませた布を用いて塗板の塗装面を手で10
往復摩擦した。塗膜表面に変化がなかったものを
「○」、溶解、変色、傷等が生じたものを「×」と評価
した。
【0125】2コート仕上がり性 硬化電着塗膜上に水性メタリックベース塗料(日本ペイ
ント社製「AR−2000/199Bシルバー」)およ
びクリア塗料(日本ペイント社製「MAC‐O‐180
0W」)をそれぞれ乾燥膜厚13μm/30μmとなる
ようにウェットオンウェットにおいてスプレー塗装し、
140℃で20分間焼き付けて2コート塗膜を得た。得
られた塗膜の表面平滑性を独国BYK−Gardner
社製「ウェーブスキャン−T」を用いて測定した。W1
及びW3の値を評価値とし、W1が10以下、かつW3
が15以下の場合を「○」(良好)、それ以外の場合を
「×」(不良)と評価した。
【0126】上塗り碁盤目密着 硬化電着塗膜上に水性メタリックベース塗料(日本ペイ
ント社製「AR−2000/199Bシルバー」)およ
びクリア塗料(日本ペイント社製「MAC−O−180
0W」)をそれぞれ乾燥膜厚13μm/30μmとなる
ようにウェットオンウェットにおいてスプレー塗装し、
140℃で20分間焼き付けて2コート塗膜を得た。得
られた塗膜に、ナイフで切れ目を入れて2mm×2mm
の碁盤目100個を作った。その碁盤目の部分に粘着テ
ープ(ニチバン社製「セロハンテープ」)を指でしっか
り貼付け、塗装面に対して90°方向に一気に剥離し
た。粘着テープを剥離した後、塗面に残った碁盤目の数
を評価値とした。
【0127】実施例2 製造例13で得られたコアシェル型第1エマルション2
78部、製造例21で得られた第2エマルション270
部、製造例11で得られた顔料分散ペースト127部、
ジブチル錫オキシド2.6部、及びイオン交換水64
0.9部を混合してカチオン電着塗料組成物を得た。こ
のカチオン電着塗料組成物の固形分は20%、アクリル
樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との固形分配
合重量比は90/10、そして両者のSP差は0であっ
た。得られたカチオン電着塗料組成物を実施例1と同様
にして評価した。結果を表2に示す。
【0128】実施例3 製造例14で得られたコアシェル型第1エマルション2
78部、製造例21で得られた第2エマルション270
部、製造例11で得られた顔料分散ペースト127部、
ジブチル錫オキシド2.6部、及びイオン交換水64
0.9部を混合してカチオン電着塗料組成物を得た。こ
のカチオン電着塗料組成物の固形分は20%、アクリル
樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との固形分配
合重量比は50/50、そして両者のSP差は0であっ
た。得られたカチオン電着塗料組成物を実施例1と同様
にして評価した。結果を表2に示す。
【0129】実施例4 製造例15で得られたコアシェル型第1エマルション2
78部、製造例21で得られた第2エマルション270
部、製造例11で得られた顔料分散ペースト127部、
ジブチル錫オキシド2.6部、及びイオン交換水64
0.9部を混合してカチオン電着塗料組成物を得た。こ
のカチオン電着塗料組成物の固形分は20%、アクリル
樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との固形分配
合重量比は70/30、そして両者のSP差((a1)
−(a2))は0.2であった。得られたカチオン電着
塗料組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0130】実施例5 製造例16で得られたコアシェル型第1エマルション2
78部、製造例21で得られた第2エマルション270
部、製造例11で得られた顔料分散ペースト127部、
ジブチル錫オキシド2.6部、及びイオン交換水64
0.9部を混合してカチオン電着塗料組成物を得た。こ
のカチオン電着塗料組成物の固形分は20%、アクリル
樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)との固形分配
合重量比は70/30、そして両者のSP差((a1)
−(a2))は−0.2であった。得られたカチオン電
着塗料組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を
表2に示す。
【0131】実施例6 製造例17で得られたコアシェル型第1エマルション2
78部、製造例21で得られた第2エマルション270
部、製造例11で得られた顔料分散ペースト127部、
ジブチル錫オキシド2.6部、及びイオン交換水64
0.9部を混合してカチオン電着塗料組成物を得た。こ
のカチオン電着塗料組成物の固形分は20%、アクリル
樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)とポリエーテ
ル樹脂(a3)との固形分配合重量比は45/50/
5、そしてアクリル樹脂(a1)とポリエステル樹脂
(a2)のSP差は0であった。得られたカチオン電着
塗料組成物を実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0132】比較例1 製造例18で得られた第1エマルション278部、製造
例21で得られた第2エマルション270部、製造例1
1で得られた顔料分散ペースト127部、ジブチル錫オ
キシド2.6部、及びイオン交換水640.9部を混合
してカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着
塗料組成物の固形分は20%であった。得られたカチオ
ン電着塗料組成物を実施例1と同様にして評価した。結
果を表3に示す。
【0133】比較例2 製造例19で得られた第1エマルション278部、製造
例21で得られた第2エマルション270部、製造例1
1で得られた顔料分散ペースト127部、ジブチル錫オ
キシド2.6部、及びイオン交換水640.9部を混合
してカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着
塗料組成物の固形分は20%、アクリル樹脂(a1)と
ポリエステル樹脂(a2)との固形分配合重量比は70
/30、そして両者のSP差((a1)−(a2))は
0.3であった。得られたカチオン電着塗料組成物を実
施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0134】比較例3 製造例20で得られた第1エマルション278部、製造
例21で得られた第2エマルション270部、製造例1
1で得られた顔料分散ペースト127部、ジブチル錫オ
キシド2.6部、及びイオン交換水640.9部を混合
してカチオン電着塗料組成物を得た。このカチオン電着
塗料組成物の固形分は20%、アクリル樹脂(a1)と
ポリエステル樹脂(a2)との固形分配合重量比は70
/30、そして両者のSP差((a1)−(a2))は
−0.3であった。得られたカチオン電着塗料組成物を
実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1のエマルション粒子の構造を模式的に示
した断面図である。
【図2】 焼付け処理の前後で塗膜の構造が変化する態
様を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1…コアシェル型第1エマルションのシェル部、 2…コアシェル型第1エマルションのコア部、 3…被塗物(導電性基材)、 4…電着塗膜(未硬化状態のウェット塗膜)、 5…カチオン性エポキシ樹脂層 6…アニオン性ポリエステル樹脂及びカチオン性アクリ
ル樹脂の層、 7…2層分離電着膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/00 C09D 167/00 171/00 171/00 175/04 175/04 (72)発明者 横井 誠治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 児玉 敏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB28Z CA13 CA32 CA33 CA48 DA23 DB03 DC12 EA07 EA19 EB22 EB33 EB35 EB38 EB52 EB56 4J038 CG001 CP001 DD002 DF002 DG262 DG302 MA08 MA10 MA14 PA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中に分散された、数平均分子量
    2000〜20000のカチオン性アクリル樹脂(a
    1)、数平均分子量1000〜3000のアニオン性ポ
    リエステル樹脂(a2)、カチオン変性エポキシ樹脂
    (b)、ブロックドポリイソシアネート(c1)、ブロ
    ックドポリイソシアネート(c2)、及び顔料(d)を
    少なくとも含有する中塗り兼用カチオン電着塗料組成物
    において、アクリル樹脂(a1)、ポリエステル樹脂
    (a2)、及びブロックドポリイソシアネート(c1)
    が、アクリル樹脂(a1)及びブロックドポリイソシア
    ネート(c1)を含むシェル部とポリエステル樹脂(a
    2)及びブロックドポリイソシアネート(c1)を含む
    コア部とで成る、コアシェル構造のエマルション粒子を
    形成しており、 これとは別に、エポキシ樹脂(b)及びブロックドポリ
    イソシアネート(c2)がエマルション粒子を形成して
    いることを特徴とする電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂成分の溶解性パラメータが、式 【数1】 (b)−{(a1)+(a2)}/2≧±1.0 I (a1)−(a2)≦±0.2 II {(a1)+(a2)}/2≦(c1)≦(b) III (c2)−(b)≦±0.5 IV [式中、(a1)、(a2)、(b)、(c1)、及び
    (c2)は各樹脂成分の溶解性パラメータの値を示
    す。]の関係を満足する請求項1記載の中塗り兼用カチ
    オン電着塗料組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂(a1)、ポリエステル樹
    脂(a2)及びエポキシ樹脂(b)の配合比が、固形分
    重量比で、式 【数2】 {(a1)+(a2)}/(b)=3/7〜7/3 V (a2)/{(a1)+(a2)}=1/9〜1/2 VI [式中、(a1)、(a2)、及び(b)は各樹脂成分
    の固形分重量を示す。]の関係を満足する請求項1記載
    の中塗り兼用カチオン電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記アクリル樹脂(a1)が主として2
    級水酸基を有し、その水酸基価が50〜150である請
    求項1記載の中塗り兼用カチオン電着塗料組成物。
  5. 【請求項5】 前記コアシェル構造のエマルション粒子
    が数平均分子量200〜2000のポリエーテル樹脂
    (a3)を更に含有する請求項1記載の中塗り兼用カチ
    オン電着塗料組成物。
  6. 【請求項6】 アクリル樹脂(a1)、ポリエステル樹
    脂(a2)及びポリエーテル樹脂(a3)の配合比が、
    固形分重量比で、式 【数3】 (a3)/{(a1)+(a2)+(a3)}≦0.1 VII [式中、(a1)、(a2)、及び(a3)は各樹脂成
    分の固形分重量を示す。]の関係を満足する請求項5記
    載の中塗り兼用カチオン電着塗料組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載のカチオン
    電着塗料組成物に被塗物を浸漬する工程;該被塗物を陰
    極として電着塗装を行うことにより、被塗物表面に電着
    塗膜を形成する工程;及び該電着塗膜を焼付ける工程;
    を包含する塗膜形成方法。
  8. 【請求項8】 前記電着塗膜を焼付ける工程の前に電着
    塗膜をプレヒートする工程を包含する請求項7記載の塗
    膜形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか記載のカチオン
    電着塗料組成物に被塗物を浸漬する工程;該被塗物を陰
    極として電着塗装を行うことにより、被塗物表面に電着
    塗膜を形成する工程;該電着塗膜を焼付ける工程;硬化
    した電着塗膜の上に上塗り塗料を塗布することにより、
    上塗り塗膜を形成する工程;及び該上塗り塗膜を焼付け
    る工程;を包含する塗膜形成方法。
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