JP2002006323A - 液晶素子及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶素子及び液晶表示装置

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JP2002006323A
JP2002006323A JP2000187141A JP2000187141A JP2002006323A JP 2002006323 A JP2002006323 A JP 2002006323A JP 2000187141 A JP2000187141 A JP 2000187141A JP 2000187141 A JP2000187141 A JP 2000187141A JP 2002006323 A JP2002006323 A JP 2002006323A
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Yu Mizuno
祐 水野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 VAモードの液晶素子において、高コントラ
スト比を損なうことなく、ラビング処理に起因する筋状
ムラの発生を低減する。 【解決手段】 液晶層に接する配向制御層として、垂直
配向性ポリイミド膜に施したラビング処理方向を、上下
基板で反平行を0°として10〜30°の角度で交差さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データプロジェク
タ等に代表される投写型の液晶表示装置、該液晶表示装
置を構成する液晶素子に関し、特に、ホメオトロピック
配向液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶素子は、薄型、軽量など多くの利点
を有することから、フラットパネルディスプレイとして
様々な機器に搭載されている。しかしながら、直視型液
晶ディスプレイで20インチを超える大型ディスプレイ
への応用は、技術的にも困難なため、ほとんどの応用機
器が20インチ以下にとどまっているのが現状である。
そこで、近年、液晶素子を拡大光学系中に配し、大画面
の画像表示を可能とする液晶プロジェクタが着目されて
きている。
【0003】従来の液晶動作モードは、用途に限らず、
TN(ツイステッドネマチック)モードが大勢を占めて
いたが、最近では、反射型液晶素子を用いたデータプロ
ジェクタにおいて、ホメオトロピック配向を利用した、
いわゆるVA(Vertical Alignmen
t)モードが着目されている。VAモードの液晶素子
は、負の誘電異方性を有するn形ネマチック液晶を基板
面に対して法線方向に配列させ、電界印加時に液晶分子
を傾斜配向させることで消光比を得るものである。VA
モードの液晶素子は鋭いしきい値特性を持つ他、クロス
ニコル下で液晶パネルへの入射偏光方向と液晶層を通過
する常光成分の振動方向のなす角度を45°に配した場
合には、無電界下で入射偏光が複屈折をほとんど受け
ず、電界印加時に入射偏光の偏波面の変換が極めて効率
よく行われるため、無電界下での状態を暗状態とした時
には高い消光比が得られやすいといった、プロジェクタ
用途には好適な利点を多く持ち合わせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】VAモードの液晶素子
においても、TNモードと同様に液晶層に接する配向制
御層によって無電界下での配向状態が付与され、また、
該配向制御層にラビング処理等により配向軸を付与して
電界印加時の液晶分子の傾斜方向を規定する。VAモー
ドの液晶素子では、この配向軸が付与された際に、液晶
分子のダイレクタは基板面の法線方向より配向軸方向に
わずかに傾いた状態となる。この基板面の法線方向と液
晶分子のダイレクタとのなす角がプレチルト角と定義さ
れる。
【0005】VAモードの液晶素子において、基板の液
晶層との界面に垂直配向処理のみを施し、上記プレチル
ト角を付与しない場合、電界印加時の液晶分子は傾斜方
向が規定されないために安定した階調表示が得られず、
表示ムラやコントラスト比の低下、残像等の表示品位の
劣化を引き起こす。従って、VAモードの液晶素子で
は、配向制御層により液晶分子に対して1°〜5°程度
のプレチルト角を与え、液晶分子の傾斜方向を規定して
おく必要がある。
【0006】また、同時に、プレチルト角を大きくする
ことで、画素電極面での隣接画素の横電界により生ずる
ディスクリネーションの発生を抑制する効果を発現させ
ることができる。一方で、プレチルト角を与えると、無
電界時の入射偏光にわずかながら複屈折を与えることに
なり、プレチルト角を大きくしすぎた場合には、逆にコ
ントラスト比が低下するという問題が発生する。そのた
め、プレチルト角の付与に際しては、その手法の選択及
びプレチルト角の設計に細心の配慮を要する。
【0007】VAモードの液晶素子における、配向制御
層の垂直配向性及びプレチルト角の付与は、TNモード
の液晶素子と同様に、ポリイミド膜をラビングすること
によって実施することができる。しかしながら、ラビン
グ処理を施されたポリイミド膜を配向制御層として用い
た場合、表示画像に筋状のムラが現れ、表示品位を劣化
してしまう問題がある。特に、データプロジェクタ等の
ように拡大投影すると、ラビング処理による筋状ムラは
特に顕著に投影されて大きな問題となる。
【0008】一方、反射型の液晶素子では画素電極とし
てアルミニウムや誘電体多層膜等からなる反射電極を構
成して反射ミラーとする。この反射ミラー上にポリイミ
ド膜を成膜し、ラビング処理を施して配向制御層とした
場合、透明電極を用いた透過型の液晶素子よりも、ラビ
ング処理による筋状ムラが目立つという問題がある。
【0009】本発明者は、ポリイミド膜にラビング処理
を施した場合の筋状ムラを軽減するため、種々の垂直配
向性ポリイミド膜を用い、さらに、ラビング条件を検討
した。しかしながら、反射型液晶素子での拡大投影時の
筋状ムラを解消するまでには至っていない。
【0010】また、この問題を解決するために、ポリイ
ミド膜等の垂直配向制御層と基板との間に無機材料層を
形成する非接触方式によるプレチルト角付与方法が検
討、実用化されている。しかしながら、液晶パネル製造
工程において、ポリイミド膜をラビング処理することに
よりプレチルト角を付与する手法は、簡素な方法として
最も実績がある。そのため、当該方法を用いる場合に
は、既存の設備を用いることができ、工程の安定化や液
晶パネルの品質の維持向上も容易であり、製造コストを
抑えることも容易である。
【0011】本発明の課題は、新たな設備や煩雑な工程
を加えることなく、ラビング処理による筋状ムラの問題
を解消したVAモードの液晶素子、特に、反射型の液晶
素子を構成し、さらには、該液晶素子を用いて表示特性
に優れた投写型の液晶表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、一対の
基板と、該基板間に挟持されたn形ネマチック液晶と、
該液晶に電圧を印加するための電極とを有する液晶素子
であって、上記一対の基板の液晶との界面に、垂直配向
処理が施され、且つ、液晶の傾斜方向を規定する配向軸
がラビング処理により付与され、該配向軸が、上下基板
で互いに交差するように構成されたことを特徴とする液
晶素子である。
【0013】上記本発明は、上記配向軸の交差角が、ラ
ビング処理方向が平行且つ逆向きの場合を0°として1
0〜30°であること、反射型液晶素子であること、上
記垂直配向処理及びラビング処理がポリイミド膜に施さ
れていること、上記配向軸の交差角の中心軸と偏光軸と
のなす角度が45°となるように偏光子を配置したこ
と、を好ましい態様として含むものである。
【0014】また本発明の第二は、上記本発明の液晶素
子を複数個と、該液晶素子に光を照射するための光源
と、複数個の液晶素子からの光を重ねて表示するための
手段とを備えたことを特徴とする液晶表示装置である。
【0015】前記したように、データプロジェクタ等の
投写型の液晶表示装置に用いる液晶素子の製造過程で液
晶の配向及びプレチルト角の付与方法としてポリイミド
膜のラビング処理を用いると、ラビング処理に起因する
筋状ムラが発生し、表示品位の劣化を招いてしまう。こ
の筋状ムラがラビング処理によって発生する配向制御層
の傷が原因で引き起こされることは明白である。さら
に、配向軸の方位と傷の向きが一致しており、該筋状ム
ラは電界印加により液晶分子を傾斜させても消失しな
い。
【0016】基板との界面から離れた液晶層の中央部
(バルク層)の液晶分子のダイレクタは液晶自身の自己
配向規制力によりパネル面内で均一に配向しており、筋
状ムラの原因とはなりえず、また、バルク層の液晶分子
は電界印加により傾斜してもダイレクタの乱れはなく、
一様な方向に配向するものと考えられる。よって、上記
筋状ムラの原因は、両基板界面付近の液晶分子が均一に
配向していないためと考えられる。
【0017】そこで、n形ネマチック液晶としてメルク
・ジャパン製「MLC−6609」を用い、セル厚6μ
mの透過型液晶素子を構成し、基板界面近傍の液晶分子
のプレチルト角のばらつきの透過率への影響をシミュレ
ーションした。具体的には、クロスニコル下で液晶素子
への入射偏光方向と液晶層を通過する常光成分の振動方
向のなす角度を45°に配した素子を想定し、電界印加
時の液層分子の方位角方向の傾斜角度は一様であるが、
極角方向のプレチルト角に数度のばらつきが生じた場合
についてシミュレーションを行った。その結果、無電界
下での液晶分子のプレチルト角を5°と設定し、このプ
レチルト角が極角方向に±25°ばらついていた場合
に、平均透過率が20%となる電界を印加したときの透
過率変化は±20%に、さらに、プレチルト角のばらつ
きが極角方向に±1.0°となると透過率変化がおおよ
そ±40%にも達することがわかった。
【0018】また、上記シミュレーションを極角方向の
プレチルト角を一様とした条件下で方位角方向の傾斜方
向がばらついた場合についても行ったところ、方位角方
向の傾斜角度が5°ずれても透過率差は3%のずれで収
まることがわかった。
【0019】本発明者が以前行った官能試験の結果よ
り、投写型ディスプレイでの透過率バラツキは±3.0
%以内であれば、人間の目には判別が困難であることが
わかっている。従って、方位角方向の傾斜角度のずれで
は輝度バラツキは問題とならない。よって、ラビング処
理により筋状ムラは極角方向のプレチルト角のバラツキ
を主原因とするものであると考察された。
【0020】液晶素子の筋状ムラを示す部分を偏光顕微
鏡で詳細に観察したところ、筋状部分には消光位が存在
するものの、他のドメインと比較して極めてコントラス
トが低い。また、当該部分では消光位ずれも生じてお
り、上記考察とも整合する。
【0021】上記考察より、筋状ムラを示す部分は、液
晶素子の配向制御層界面にある液晶分子ダイレクタの極
角成分が一様な角度を示しておらず、筋状ムラを示す部
分の液晶分子ダイレクタの極角成分は、周辺の液晶分子
ダイレクタの極角成分よりも異なった角度を持つ状態に
あると推察される。
【0022】従って、ラビング処理により配向制御層に
深く刻み込まれた溝部分にある液晶分子のダイレクタ方
向、特に極角方向のダイレクタ成分が、配向制御層上の
他の部分にある液晶分子のダイレクタ方向の極角方向の
ダイレクタ成分の方向とは異なり、それぞれの部分が示
す複屈折成分の大きさ、即ち、レタデーション量の差が
強調されて筋状ムラとなって表示画像に現れるものと考
えられる。
【0023】そのため、両基板の配向制御層に形成され
た深い溝近傍での液晶分子の極角方向のダイレクタ成分
の差による複屈折成分の差を相殺もしくは低減すること
ができれば、筋状ムラによる表示不良を軽減することが
可能であると考えられる。
【0024】先にも述べたとおり、基板界面から離れた
液晶バルク層の液晶分子には液晶自身の自己配向規制力
が働くため、一様に配向しようとする力が働く。特に、
基板界面より離れれば離れるほどその傾向は強い。一方
で基板界面近傍の液晶分子はラビング処理等による配向
制御で規制された方向に液晶分子のダイレクタが配列す
る。そのため、上述したプレチルト角のバラツキを持つ
状態は界面近傍のみに限定され、相殺されるべき複屈折
成分は界面近傍及び界面からわずかに離れた領域までに
限定されるものと考えられる。また、先述のシミュレー
ションより液晶分子の方位角方向のダイレクタ成分のバ
ラツキが透過率バラツキ、即ちレタデーション量のバラ
ツキに与える影響は少ない。
【0025】また、一方で、前記したように、VAモー
ドの液晶素子の優れた表示特性を発現させるには、クロ
スニコル下で液晶パネルへの入射偏光方向と液晶層を通
過する常光成分の振動方向のなす角度を45°にする必
要がある。
【0026】以上のことを鑑み、本発明者は、通常上下
基板で反平行(平行で且つラビング処理方向が逆向き)
に設定される配向軸を上下基板でそれぞれ互いに逆方向
に回転させることで交差させ、その中心軸に対して入射
偏光方向が45°の角度をなすように偏光子を配置する
ことによって、VAモードの優れた表示特性を損なうこ
となく、ラビング処理に起因する筋状ムラを解消できる
のではないかとの考えに至り、本発明を達成した。
【0027】本発明者の検討によれば、配向軸を交差さ
せることで筋状ムラが軽減され、その効果はある角度以
上で飽和される。また、さらに検討を進めたところ、V
Aモードの液晶素子の表示特性、特にコントラスト比と
配向軸の交差角には相関関係があり、配向軸の交差角を
大きくした場合、無電界下では入射偏光が受ける複屈折
成分が増加して液晶素子の消光状態での光抜けが発生し
やすく、また、電界印加時には複屈折成分の低下に伴う
P−S変換性能に効率低下が生じることが確認された。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の液晶素子の一実
施形態の基本構成を示す断面模式図である。図中、11
a,11bは基板、12a,12bは電極、13a,1
3bは配向制御層、14は液晶層である。
【0029】本発明において、基板11a,11bのう
ち少なくとも一方はガラス等からなる透明基板であり、
基板11aを透明基板とすると、該基板にはIn23
ITO(インジウム・チン・オキサイド)等透明導電材
からなる電極12aが形成されている。また、本発明の
液晶素子が透過型の場合には、基板11bも透明基板で
あり、該基板11b上に形成される電極12bも透明電
極である。また、本発明の液晶素子が反射型の場合、電
極12bをアルミニウムや無機誘電体多層膜より構成さ
れる反射電極としたり、或いは基板11aが反射能を有
する素材で形成されたり、もしくは、別途反射層が形成
される。両基板11a,11bともに厚さは特に規定さ
れるものではない。
【0030】さらに、両基板11a,11bの液晶層1
4との界面には配向制御層12a,12bが形成されて
いる。該配向制御層12a,12bの素材としては従来
のポリイミド膜が好ましく用いられ、例えば、JSR製
「JALS−682−R3」や日産化学製「RN−78
3」等に代表される垂直配向性ポリイミドまたはポリイ
ミド前駆体溶液をスピンコートまたは印刷により塗布
し、焼成することにより得られ、さらに、それぞれ一方
向にラビング処理が施されて配向軸が付与されている。
【0031】本発明においては、上記配向制御層12
a,12bに付与された配向軸が上下基板で交差するよ
うに設定される。その様子を図2に例示する。図2中、
22a、22bは配向制御層12a、12bの配向軸で
それぞれラビング処理方向で示している。また、23は
配向軸22aと22bの中心軸、24は偏光子の偏光軸
である。
【0032】図2に示されるように、本発明では配向軸
22a、22bを交差させる。配向軸22a、22bの
両ラビング処理方向は図2の逆向きでも良い。
【0033】本発明において、配向軸22a、22bの
交差角θ1は、ラビング処理方向が互いに平行で且つ逆
向き(反平行)の場合を0°として、好ましくは10°
〜30°である。10°未満では筋状ムラの解消効果が
小さく、また、30°を超えるとコントラスト比が低下
して好ましくない。
【0034】基板11aと11bとの間の距離(セルギ
ャップ、セル厚)dは、n形ネマチック液晶の屈折率異
方性Δnと両基板間の距離dの積、Δn・dの値により
最適化され、周辺シール材により該距離dが所望の値と
なるように貼り合わせて液晶セルが構成される。本発明
においては、dは1.5〜8.0μm程度に設定され
る。また、所望の距離を保持するためには、通常、スペ
ーサー材及び微粒子接着剤を基板全面に散布してセルが
形成されるが、1画素面積が極めて小さく、画素電極の
サイズがスペーサーの断面サイズよりも小さい場合など
には、スペーサー材や微粒子接着剤が1画素全面を覆い
隠してしまい、表示装置上ではあたかも画素の欠陥が生
じたように見える場合がある。そのため、本発明におい
て好ましくは、周辺シール材のみにスペーサー材を混合
し、平坦度の高い基板を貼り合わせて所望のセルギャッ
プを持つセルを形成することが好ましい。
【0035】本発明で液晶層14に用いられる液晶材料
としては、一般に用いられているn形ネマチック液晶が
好ましく用いられるが、例えば、メルク・ジャパン製
「MLC−6609」、「MJ−9667」が挙げら
れ、上記セルに減圧下で注入して液晶素子とする。
【0036】さらに、本発明の液晶素子には、その外
側、反射型の場合には透明基板側に偏光子が配置され
る。液晶層14を通過する常光成分の振動方向は、図2
に23で示した配向軸22a、22bの交差角の中心軸
にあり、偏光子の偏光軸21は当該中心軸とのなす角度
θ2が45°となるように配置される。
【0037】尚、図1に示した構成は、本発明の液晶素
子の一実施形態の基本構成を示すものであり、VAモー
ドの液晶素子においては、通常、該構成を1画素とし
て、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)等スイッチン
グ素子を配置したアクティブマトリクス駆動型の液晶素
子とする。
【0038】また、本発明の液晶素子のプレチルト角に
ついては、液晶素子が透過型の場合には、中央精機製
「OMS−3」で測定した。また、液晶素子が反射型の
場合には、一対のガラス基板間に当該液晶素子と同様の
配向処理を施した透過型の液晶素子を作製して測定し
た。
【0039】図3に、本発明の液晶表示装置の一実施形
態の構成を模式的に示す。本発明の液晶表示装置は、前
記した、本発明の液晶素子を複数個と、該液晶素子に光
を照射する光源と、複数個の液晶素子からの光を重ねて
表示するための手段とを備えたことを特徴とする、投写
型ディスプレイである。図中、31はスクリーンに投影
する投影レンズ、32a〜32cは反射型に構成した本
発明の液晶素子、33a〜33cは例えばS偏光を透過
し、P偏光を反射する偏光ビームスプリッタ、34は光
源からの光を集光するインテグレーター、35は楕円リ
フレクター、36はメタルハライド、UHP等のアーク
ランプ、37a,37bは高反射ミラー、38はG/R
光反射ダイクロイックミラー、39はG光反射ダイクロ
イックミラー、40はダイクロイックミラーにより分離
された全色光を再び合成する色合成プリズムである。
【0040】ここで、光束の進行過程に従って説明す
る。先ず、光源のランプ36からの出射光束は白色光で
あり、楕円リフレクター35によりその前方のインテグ
レーター34の入り口に集光され、光束の空間的強度分
布が均一化される。そして、インテグレーター34を出
射した光束は高反射ミラー37aにより直角に反射さ
れ、先ずG/R光反射ダイクロイックミラー38に至
る。G/R光反射ダイクロイックミラー38ではG/R
光が反射され、G光反射ダイクロイックミラー39に向
かう。G光反射ダイクロイックミラー39ではG光が反
射され、偏光ビームスプリッタ33bを通じて偏光化さ
れた後、液晶素子32bを照明する。また、R光はG光
反射ダイクロイックミラー39を通過し、偏光ビームス
プリッタ33cに向かい、偏光ビームスプリッタ33c
を通じて偏光化された後、液晶素子32cを照明する。
一方、B光はG/R光反射ダイクロイックミラー38を
通過し、高反射ミラー37bにより直角に反射され、偏
光ビームスプリッタ33aを通じて偏光化された後、液
晶素子32aを照明する。
【0041】そして、反射型の液晶素子32a〜32c
にて各R、G、B光はそれぞれ反射及び偏光変調され、
偏光ビームスプリッタ33a〜33cを通過する。偏光
ビームスプリッタ33a〜33cを通過した光束は合成
プリズム40で再び画像光となり、投影レンズ31を通
じてスクリーン(不図示)に拡大投影される。
【0042】
【実施例】ガラス基板に厚さ140μmのITO膜を、
他方の基板には厚さ500nmのアルミ反射電極を形成
した。両基板の表面に、垂直配向膜としてJSR(株)
製「JALS−2022」を塗布し、200℃で120
分間焼成して厚さ500μmのポリイミド膜を形成し、
ラビング処理を施した。ラビング処理は、コットン植毛
布を直径130mmのローラに巻き付けたラビングロー
ラーを用い、押し込み量0.1mm、基板の移動速度1
0mm/sec、ローラーの回転速度600rpmで2
回行った。一方の基板上に直径3.0μmのスペーサー
を分散させたシール材を描画し、ラビング方向が上下基
板で平行且つ逆方向となる場合を交差角0°として0〜
45°の範囲で交差させて両基板を貼り合わせ、液晶と
してメルク・ジャパン製「MLC−6609」を注入し
て、セルギャップ3.0μmの液晶素子を作製した。得
られた液晶素子のITO膜を形成した基板の外側に、上
記ラビング方向の交差角の中心軸と偏光軸とが45°を
なすように偏光子を配置させた。得られた反射型液晶素
子と同条件にて作製した透過型液晶素子のプレチルト角
は2°であった。
【0043】得られた液晶素子を用いて、図3に示した
構成の投影型液晶表示装置を構成し、拡大投影された画
像の平均輝度に対する筋状ムラの不良部分の相対輝度に
より評価を行った。また、拡大投影された画像の暗状態
時の平均輝度に対する暗状態時の平均相対輝度によりコ
ントラスト比の評価を行った。結果を表1に示す。輝度
は交差角0°での暗状態時の輝度を1とした相対輝度で
表した。また、配向軸の交差角と筋状ムラのレベルとの
関係を図4に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1、図4に示したように、本発明におい
て配向軸を交差させることによって、筋状ムラのレベル
を低減することができる。当該効果は配向軸の交差角を
10°以上とすることでより顕著となるが、30°を超
えるとVAモードの液晶素子に特有の高いコントラスト
比が損なわれることが認められる。よって、ラビング処
理に起因した筋状ムラを改善しながらVAモードの液晶
素子に特有の優れた表示特性の発現を維持するには、配
向軸の交差角を10°〜30°に設定することが好まし
いことがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればV
Aモードの液晶素子において、高コントラスト比などの
優れた表示特性を損なうことなく、ラビング処理に起因
する筋状ムラを低減し、表示特性の向上を図ることがで
きる。特に、液晶素子が反射型の場合、さらに、該液晶
素子による画像を拡大投影する投写型の液晶表示装置を
構成した際に、該筋状ムラが顕著になることから、本発
明においては、このような構成において特にその効果が
高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一実施形態の基本構成を示
す断面模式図である。
【図2】本発明の液晶素子における、配向軸の交差角、
及び、該交差角の中心軸と偏光子の偏光軸との関係を示
す図である。
【図3】本発明の液晶表示装置の一実施形態の構成を模
式的に示す図である。
【図4】本発明の実施例における、配向軸の交差角と筋
状ムラのレベルとの関係を示す図である。
【符号の説明】
11a,11b 基板 12a,12b 電極 13a,13b 配向制御層 14 液晶層 22a,22b 配向軸 23 配向軸の交差角の中心軸 24 偏光軸 31 投影レンズ 32a〜32c 液晶素子 33a〜33c 偏光ビームスプリッタ 34 インテグレーター 35 楕円リフレクター 36 アークランプ 37a,37b 高反射ミラー 38 G/R光反射ダイクロイックミラー 39 G光反射ダイクロイックミラー 40 色合成プリズム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板と、該基板間に挟持されたn
    形ネマチック液晶と、該液晶に電圧を印加するための電
    極とを有する液晶素子であって、上記一対の基板の液晶
    との界面に、垂直配向処理が施され、且つ、液晶の傾斜
    方向を規定する配向軸がラビング処理により付与され、
    該配向軸が、上下基板で互いに交差するように構成され
    たことを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 上記配向軸の交差角が、ラビング処理方
    向が互いに平行且つ逆向きの場合を0°として10〜3
    0°である請求項1に記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 反射型液晶素子である請求項1または2
    に記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 上記垂直配向処理及びラビング処理がポ
    リイミド膜に施されている請求項1〜3のいずれかに記
    載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 上記配向軸の交差角の中心軸と偏光軸と
    のなす角度が45°となるように偏光子を配置した請求
    項1〜4のいずれかに記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の液晶素
    子を複数個と、該液晶素子に光を照射するための光源
    と、複数個の液晶素子からの光を重ねて表示するための
    手段とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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