JP2007212997A - 反射型液晶表示素子及び投射型表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示素子及び投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高いコントラストでの画像表示が可能な反射型液晶表示素子を提供する。
【解決手段】透明基板11とアクティブマトリクス基板12との間に液晶層13が挟持されている。液晶層13は誘電異方性が負のネマティック液晶からなる。基板11,12に平行な方向であって基板11,12に入射する偏光光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβを|α|+|β|≦10を満たす0または正数としたとき、液晶層13における基板側11での液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定し、液晶層13における基板12側の液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置に用いられる反射型液晶表示素子、及び反射型液晶表示素子を利用した投射型表示装置に係り、特に、表示画像のコントラストを高くすることができる反射型液晶表示素子及び投射型表示装置に関する。
近年、液晶を用いた投射型表示装置はプレゼンテーションやホームシアターにおける大画面表示機器として使用される機会が多くなっており、各種の方式が開発されている。特に、反射型液晶表示素子は、透明電極を表面に形成した一方の基板と画素毎の反射電極と駆動回路をマトリクス状に配置した他方の基板とを対向させ、その対向面間に液晶層を挟持させた構造を有しており、液晶の駆動回路を表示画素の下側に配置させて作り込むことができることから、反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置では高解像度で明るい画像表示が可能である。
ところで、液晶表示素子においては液晶分子の複屈折性を利用して光の透過制御を行っているため、液晶の配向方式が画像の表示品質に大きく影響する。反射型液晶表示素子においても従来から様々な動作モードでの配向方式が研究・提案されている。例えば、下記非特許文献1にはHFE(Hybrid Field Effect)モード、MTN(Mixed Twisted Nematic)モード、SCTN(Self-Compensated Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードでの各配向方式(入射偏光光の振動方向と入射側液晶配向と画素側液晶配向の関係)が紹介されており(図31(A)〜(D)参照)、下記特許文献1,2にはそれぞれ図31(E),(F)に記載の配向方式が開示されている。
また、それらの動作モードと配向方式においても、垂直配向型(ホメオトロピック配列モード)液晶は、高いコントラストが得られ、応答速度も速いことから注目されている。水平配向型(ホモジニアス配列モード)液晶では、各基板間に電圧を印加しない状態で液晶分子が基板面にほぼ水平に配列し、電圧を印加した状態で液晶分子がその誘電異方性に基づいて基板面に垂直に配列することにより白/黒の表示を実現する。水平配向型液晶では、垂直に配列した際にも各基板に施されている配向膜近傍の液晶分子は水平に近い角度を保つため、位相差を生じて黒レベルを悪くする(即ち、コントラストが悪くなる)という問題点がある。これに対して、垂直配向型液晶では、負の誘電異方性により、各基板間に電圧を印加しない状態では液晶分子が基板面にほぼ垂直な方向に配列し、電圧を印加した状態で基板面に水平に配列するために高いコントラストが得られると共に、小さい駆動電力で速い動作速度が実現できるという利点がある。
しかしながら、垂直配向といえども、電圧を印加しない状態で各液晶分子に一定方向へ僅かな傾斜(プレチルト角)を与えておかなければ、各液晶分子の倒れる方向がばらばらになってディスクリネーションが発生して画質の劣化を招くことになる。なお、プレチルト角は、図32に示すように、例えば、電圧が印加されていない状態において液晶分子の長軸方向と基板面との間のなす角度θpとして与えられる。但し、プレチルト角は、図32における基板面の垂線からの角度θp’(=90−θp)として定義される場合もある。
また、図32に記載されている角度αは液晶分子の長軸を基板面へ投影させた方位と基板上の所定軸とがなす方位角であり、上下の各基板(入射側と画素側)の方位角の差がツイスト角に相当する。例えば、下記特許文献2では、プレチルト角θpが75〜88°で、ツイスト角φが図31(F)に示すように90°である液晶の配向方式が開示されている。但し、特許文献2では、プレチルト角の定義が基板に立てた垂線に対する角度として与えられているため2〜15°と記載されている。
特許第2616014号公報 米国特許出願公開第2004/0165128号明細書 特開2002−72217号公報 Shin-Tson Wu and Deng-ke Yang著 「Reflective Liquid Crystal Displays」 JOHN WILEY & SONS, LTD 2001年1月1日
ところで、反射型液晶表示素子において、プレチルト角θpの付与は表示画像のコントラストを低下させる要因となる。即ち、高いコントラストを得るために垂直配向型液晶を用いるが、ディスクリネーションの発生を防止するために液晶分子にプレチルト角θpを付与しておくと位相のずれが発生して逆にコントラストの低下を招くことになる。
その問題に対して、通常は位相補償板を用いて位相のずれを補償することにより高いコントラストが得られるようにしている。偏光素子としてマクニール(MacNeille)型またはワイヤグリッド(wire grid)型のいずれの偏光ビームスプリッタを用いる場合でも、上記の位相補償のためには位相補償板はその面内での複屈折の異方性であるA成分を有することが必要である。
一方、反射型液晶表示素子を製造するに際しては、如何にしても個別素子毎に液晶層の厚みやプレチルト角θpに誤差が生じ、補償すべき液晶表示素子としてのA成分(プレチルト角θpや液晶層の厚みによって生じる位相差)が個別素子毎に異なる。従って、理想的な位相補償板を用いることはほぼ不可能である。また、液晶の屈折率及び屈折率の異方性はそれぞれ波長分散性(例えば、波長が短い方が液晶の屈折率の異方性が大きくなる)を有しており、位相補償板は位相ずれの補償だけでなく、波長分散性も考慮した補償特性が要求され、必然的に位相補償板の材料の選択余地が小さくなるという問題があった。
そこで、本発明は、液晶層の液晶として垂直配向型液晶を用いる反射型液晶表示素子において、液晶の配向条件を所定範囲に設定することで、A成分を補償する位相補償板を用いなくても高いコントラストでの画像表示が可能な反射型液晶表示素子及び投射型表示装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置において、照明光の絞り方式の適正化と位相補償板の採用の内の少なくとも一方を実施して、さらに高いコントラストで画像を表示させることができる投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、透明電極が形成され、偏光光が入射される第1の基板(11)と、前記第1の基板と隙間を介して平行に対向配置され、画素毎の反射電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有し、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を反射して前記第1の基板より射出させる第2の基板(12)と、前記第1及び第2の基板間に挟持され、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を変調する誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層(13)とを備え、前記第1及び第2の基板それぞれに平行な方向であって前記第1及び第2の基板それぞれに入射する偏光光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβを|α|+|β|≦10を満たす0または正数としたとき、前記液晶層における前記第1の基板側での液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定すると共に、前記液晶層における前記第2の基板側の液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする反射型液晶表示素子を提供する。
ここで、α=β=0であることが好ましい。
上記の反射型液晶表示素子において、前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは3.5μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜85°であるか、前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2.6μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜87°であるか、前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜88°であることが好ましい。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、光を放射する光源(101)と、前記光源から放射された光が入射される照明光学系(102)と、前記照明光学系によって照明される光を偏光して偏光光として生成すると共に、変調光と非変調光とを分離する偏光ビームスプリッタ(107,112,115,151〜153)と、前記偏光光を画像信号に応じて変調して前記偏光ビームスプリッタへと戻す反射型液晶表示素子(108,112,115)と、前記偏光ビームスプリッタにより分離された変調光を表示面に投射する投射レンズ(118)を含む投射光学系とを備え、前記反射型液晶表示素子は、透明電極が形成され、前記偏光ビームスプリッタにより偏光された偏光光が入射される第1の基板(11)と、前記第1の基板と隙間を介して平行に対向配置され、画素毎の反射電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有し、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を反射して前記第1の基板を介して前記偏光ビームスプリッタへと射出させる第2の基板(12)と、前記第1及び第2の基板間に挟持され、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を変調する誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層(13)とを備え、前記第1及び第2の基板それぞれに平行な方向であって前記第1及び第2の基板それぞれに入射する偏光光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβを|α|+|β|≦10を満たす0または正数としたとき、前記液晶層における前記第1の基板側での液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定すると共に、前記液晶層における前記第2の基板側の液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
ここで、α=β=0であることが好ましい。
上記の投射型表示装置において、前記照明光学系の中または前記投射光学系の中の少なくとも一方に設けられ、前記照明光学系または前記投射光学系から発せられる光を通過させる開口の対角方向を狭くする開口絞り(121,122)を有することが好ましい。
また、前記反射型液晶表示素子と前記偏光ビームスプリッタとの間に設けられた位相補償器(131,132,133)を有することが好ましい。
さらに、前記位相補償器は、前記反射型液晶表示素子の複屈折率Δnと前記液晶層の厚みdの積であるリタデーションΔn・dが150nm〜500nmであり、面内の互いに直交する主屈折率をnx,ny、厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzという条件を満たすと共に、位相差を100nm〜650nmに設定した位相補償板であるか、前記反射型液晶表示素子の複屈折率Δnと前記液晶層の厚みdの積であるリタデーションΔn・dが300nm〜400nmであり、面内の互いに直交する主屈折率をnx,ny、厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzという条件を満たすと共に、位相差を300nm〜500nmに設定した位相補償板であることが好ましい。
さらにまた、前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは3.5μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜85°であるか、前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2.6μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜87°であるか、前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜88°であることが好ましい。
ここで、前記偏光ビームスプリッタは、ワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタとマクニール型偏光ビームスプリッタとカーテシアン型偏光ビームスプリッタとのいずれかであることが好ましい。なお、ワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタは特に好適である。
本発明の反射型液晶表示素子及び投射型表示装置は、以上の構成を有していることにより、次のような効果を奏する。
本発明に係る反射型液晶表示素子は、高いコントラストでの画像表示を可能にする。垂直配向型液晶(誘電異方性が負のネマティック液晶)を用いた場合には、ディスクリネーションの発生を防止するために液晶分子にプレチルト角θpを付与しておく必要があり、従来の反射型液晶表示素子ではそれによって位相のずれが発生して逆にコントラストの低下を招き、位相補償板によって位相のずれを補償しなければならなかったが、本発明によれば反射型液晶表示素子毎に異なるA成分を補償する必要がなく、A成分補償用の位相補償板を用いずに極めて高いコントラストを実現できる。また、そのことは、3色(R,G,B)に係る変調光を合成してカラー画像を得る投射型表示装置において、色相互間の表示特性の差をなくして(または低減させて)、投射画像の品質を高くすることができる。
また、開口絞りを用いることで、投射画像の明るさの低下を抑制しながら高いコントラストを得ることができ、所定特性の位相補償器を用いることにより、さらに高いコントラストを実現することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の反射型液晶表示素子及び投射型表示装置の各種の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
まず、図1〜13を参照して、第1の実施形態を説明する。図1は本発明の反射型液晶表示素子を適用した投射型表示装置の内の単色処理部の光学系の概略構成を示す。
図1に示すように、この単色処理部は、反射型液晶表示素子1、ワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタ(WG-PBS)2、及び、検光子である偏光板3を備える。WG-PBS2へ入射した照明光は、反射型液晶表示素子1への入射光となるP偏光と反射光となるS偏光に分離され、透過光であるP偏光が反射型液晶表示素子1へ垂直に入射される。反射型液晶表示素子1では入射したP偏光を画像信号に応じて変調し、その反射変調光はWG-PBS2へ戻る。WG-PBS2では変調されたS偏光のみを反射して、P偏光は透過させて照明光に逆行した戻り光とする。WG-PBS2で反射された変調S偏光は偏光板3を通じて色合成プリズム(図示せず)へ入射され、この色合成プリズムで他の2色に係る変調入射光と合成された後、投射レンズ(図示せず)によりスクリーンにカラー画像が投影表示される。
ここで、反射型液晶表示素子1は、上記のように、表面に透明電極を形成した透明基板11と、画素毎の反射電極と駆動回路をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス基板12とを、透明電極と反射電極とが向き合うように互いに対向して配置させて、その隙間に液晶層13を挟持させたものである。透明基板11とアクティブマトリクス基板12における液晶層13側の各表面には蒸着表面処理方法によりSiOx化合物の配向膜14,15が施されており、液晶に所定の配向条件が付与されている。そして、液晶層13には、誘電異方性が負であるネマティック液晶であって、複屈折率Δnが光の波長を550nm(Green)とした場合に0.085のものが適用されており、反射型液晶表示素子1はノーマリーブラックモードとして使用される。
以上の基本的構成を有する投射型表示装置の単色処理部において、照明光の波長λ、液晶分子のプレチルト角θp、ツイスト角φ、液晶層13の各基板に直交する方向の厚み(以下、セル厚という)dを各種条件で変化させて、偏光板3を通過した反射光(S偏光)の出力を測定するという各実験を行った。なお、この実施形態におけるツイスト角φは、図2に示すように、入射偏光光(P偏光)の振動方向と45°をなす方向(この方向を基準方向と呼び、この基準方向に沿った線を基準線と呼ぶ)を中心として時計回り方向と反時計回り方向へφ/2の角度をなす方向にそれぞれ画素側液晶配向方向と入射側液晶配向方向とを設定した場合に、それらの各液晶配向方向のなす角度として定義する。
<実験1>
照明光の波長λ=550nm、液晶分子のプレチルト角θp=82°、セル厚d=3.5μmとして設定し、ツイスト角φをパラメータとして0°,30°,60°,90°,100°,110°,120°,130°,150°に選択したそれぞれの条件で、透明基板11とアクティブマトリクス基板12の全反射電極との間に印加する電圧を0〜5[V]の範囲で変化させ、その場合におけるWG−PBS2での反射光(S偏光)の光量を測定した。その結果は、図3に示されるような印加電圧−出力(光量)特性(但し、出力(光量)は対数目盛)となり、φ=120°で最大のコントラストが得られる。
また、φ=110°では104:1以上のコントラスト比が得られており、φ=130°では印加電圧0[V]で105:1より少し低い程度のコントラスト比が得られ、また印加電圧1[V]付近で出力(光量)が極小となって、106:1以上の高いコントラスト比が得られている。なお、ツイスト角φ=130°のように、コントラスト比がある印加電圧で極小値をもつような場合には、その極小値を与える電圧を黒レベルの電圧として設定すればよいことになる。
一方、WG-PBS2をマクニール型偏光ビームスプリッタに代えて、前記と同様の実験を行ったところ、図4に示すように、入射偏光光(P偏光)のコーンアングルが10°を超えると、いずれのツイスト角でもコントラスト比が著しく低下して200:1程度になった。これは、マクニール型偏光ビームスプリッタではスキュー角が発生するためであり、コントラスト比を高めるためには、偏光ビームスプリッタと反射型液晶表示素子の間にA成分を補正するためのλ/4波長板を介装する必要があった。
<実験2>
照明光の波長λ=550nm、液晶分子のプレチルト角θp=82°として設定し、セル厚dをパラメータとして2.6〜4.0μmの範囲で0.2μmずつ変化させて選択したそれぞれの条件で、ツイスト角φを100〜150°の範囲で変化させて印加電圧0[V]での黒の明るさと印加電圧5[V]での白の明るさとを測定し、それらの比を求めた。この実験によれば、図5に示すように、セル厚dが変化しても黒レベルは常にツイスト角φ=120°で最小になり、またφ=110〜130°の範囲では比較的良好な黒レベルになった。
<実験3>
液晶分子のプレチルト角θp=82°、セル厚d=3.5μmとして設定し、照明光のR色,G色,B色のそれぞれの光(各中心波長は620nm,550nm,450nm)についてツイスト角φ=90〜150°まで変化させて黒レベル(Light Leakage)を測定した。この実験によれば、図6に示すように、照明光の波長の如何によらずツイスト角φが120°で最小になり、またφ=110〜130°の範囲では比較的低いレベルに収まっている。
<実験4>
照明光の波長λ=550nm、セル厚d=3.5μmとして設定し、液晶分子のプレチルト角θpを75〜86°の範囲で変化させ、そのプレチルト角θp毎にツイスト角φを100〜150°の範囲で変化させて印加電圧0[V]での黒の明るさを測定した。この実験においても、図7に示すように、ツイスト角φが120°で明るさは最小になり、またφ=110〜130°の範囲では比較的低いレベルに収まっている。しかし、電圧を印加して得られる最大の出力光量は、図8に示すように、プレチルト角θpが小さくなっても、ツイスト角φが大きくなっても減少することが明らかになった。従って、明るさの観点からは、プレチルト角θpは75°以上、ツイスト角φは150°以下としておく必要がある。
また、上記の各条件において、水平走査方向に2画素の白と1画素の黒とが連続的に構成された画像を実際に拡大投影表示させて観察したところ、次の表1に示す結果が得られた。
Figure 2007212997
表1に示されるように、プレチルト角θpが86°以上になると画質が悪化する現象が確認された。これは、反射型液晶表示素子1のアクティブマトリクス基板12における隣接画素の電圧差によりディスクリネーションが発生するからである。具体的には、図9に示すように、黒画素と白画素の境界部分で本来黒であるべき領域に白いラインが現れ、逆に白であるべき画素の一部が黒になっている現象が見られた。
次に、液晶層に誘電率異方性が負であるネマティック液晶であって、複屈折率Δnが光の波長を550nmとした場合に0.132のもの及び0.155のものを適用して、上記の実験1〜4と同様の実験を行った。
<実験5>
照明光の波長λ=550nm、液晶分子のプレチルト角θp=82°、セル厚d=2μmとして設定し、ツイスト角φをパラメータとして0°,30°,60°,90°,100°,110°,120°,130°,150°に選択したそれぞれの条件で、透明基板11とアクティブマトリクス基板12の全反射電極との間に印加する電圧を0〜5[V]の範囲で変化させ、その場合におけるWG-PBS2での反射光(S偏光)の光量を測定した。その結果は、実験1と同様の印加電圧−出力(光量)特性となり、φ=120°で最大のコントラストが得られる。また、φ=110°では104:1以上のコントラスト比が得られ、φ=130°では印加電圧0[V]で105:1より少し低い程度のコントラスト比が得られ、また印加電圧1[V]付近で出力(光量)が極小となって、106:1以上の高いコントラスト比が得られる。なお、ツイスト角φ=130°のように、コントラスト比がある印加電圧で極小値をもつような場合には、その極小値を与える電圧を黒レベルの電圧として設定すればよいことになる。
一方、WG-PBS2をマクニール型偏光ビームスプリッタに代えて、上記の実験5と同様の実験を行ったところ、実験1と同様に、入射偏光光(P偏光)のコーンアングルが10°を超えると、いずれのツイスト角でもコントラスト比が著しく低下して200:1程度になった。これは、マクニール型偏光ビームスプリッタではスキュー角が発生するためであり、コントラスト比を高めるためには、そのビームスプリッタと反射型液晶表示素子の間にA成分を補正するためのλ/4波長板を介装する必要があった。
<実験6>
照明光の波長λ=550nm、液晶分子のプレチルト角θp=82°として設定し、セル厚dをパラメータとして1.4〜2.6μmの範囲で0.2μmずつ変化させて選択したそれぞれの条件で、ツイスト角φを100〜150°の範囲で変化させて印加電圧0[V]での黒の明るさと印加電圧5[V]での白の明るさとを測定し、それらの比を求めた。この実験によれば、図10及び図11に示すように、セル厚dが変化しても黒レベルは常にツイスト角φ=120°で最小になり、また、このツイスト角φ=110〜130°の範囲では比較的良好な黒レベルになった。
<実験7>
液晶分子のプレチルト角θp=82°、セル厚d=2μmとして設定し、照明光のR色,G色,B色のそれぞれの光(各中心波長は620nm,550nm,450nm)についてツイスト角φ=90〜150°まで変化させて黒レベル(Light Leakage)を測定した。この実験によれば、実験3と同様に、照明光の波長の如何によらずツイスト角φが120°で最小になり、またφ=110〜130°の範囲では比較的低いレベルに収まっている。
<実験8>
照明光の波長λ=550nm、セル厚d=2μmとして設定し、液晶分子のプレチルト角θpを75〜88°の範囲で変化させ、そのプレチルト角θp毎にツイスト角φを100〜150°の範囲で変化させて印加電圧0[V]での黒の明るさを測定した。この実験においても、実験4と同様に、ツイスト角φが120°で明るさは最小になり、またφ=110〜130°の範囲では比較的低いレベルに収まっている。しかし、電圧を印加して得られる最大の出力光量は、実験4と同様に、プレチルト角θpが小さくなっても、ツイスト角φが大きくなっても減少することが明らかになった。従って、明るさの観点からは、プレチルト角θpは75°以上、ツイスト角φは150°以下としておく必要がある。
また、セル厚d=2μm及び2.6μmとして設定し、液晶分子のプレチルト角θpを75〜88°の範囲で変化させ、そのプレチルト角θp毎にツイスト角φを110〜130°の範囲で変化させて、水平走査方向に2画素の白と1画素の黒とが連続的に構成された画像を実際に拡大投影表示させて観察した。この結果、実験4では、プレチルト角θpが86°以上になるとディスクリネーションにより画質が悪くなる現象が確認されたが、実験4よりもセル厚を薄くしたため、隣接画素からの横電界の影響が低減され、セル厚d=2.6μmではプレチルト角θp=87°まで、セル厚d=2μmではプレチルト角θpが88°まではほぼ良好な画像が得られた。
<検討と考察>
以上の実験結果に基づくと、誘電率異方性が負のネマティック液晶の複屈折率Δn、セル厚dを変化させても黒レベルはツイスト角:φ=120°で最小になり、φ=110から130°の範囲で良好な黒レベルが得られる。高コントラストで良質な画質を得るためにはプレチルト角θp=75°〜85°が望ましい。これはセル厚d=3.5μmの場合である。セル厚d=2.6μm以下に設定することにより、ディスクリネーションによる影響が大幅に軽減され、さらに良質な画質が得られる。表2〜表5に示すように、良質な画質が得られるプレチルト角θpの範囲もセル厚d=2.6μmでは75°〜87°、セル厚d=2μmでは75°〜88°まで広げることができる。表2〜表5における○,△,×,−の意味は表1と同じである。
従って、セル厚dは3.5μm以下が適用範囲であるが、2.6μm以下に設定することがより望ましい。セル厚dが3.5μm以下であれば、プレチルト角θpは75°〜85°の範囲が望ましく、セル厚dが2.6μm以下であればプレチルト角θpは75°〜87°の範囲が望ましく、セル厚dが2μm以下であればプレチルト角θpは75°〜88°の範囲が望ましい。
Figure 2007212997
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また、上記の実験結果に基づいた理想的な配向条件は図12(A)に示す配向条件となるが、光学的には図12(B),(C),(D)のように基準線を90°,180°,270°回転させた関係での各液晶配向条件も等価であり、さらには、図13(A)〜(D)に示すように、図12(A)〜(D)における入射側液晶配向方向と画素側液晶配向方向とを逆にした場合も等価な条件である。
そして、ツイスト角φについては、入射偏光光(P偏光)の振動方向と角度45°をなす基準線に対して時計回りと反時計回りにφ/2の角度をなす方向にそれぞれ画素側液晶配向方向と入射側液晶配向方向をとり、それら各方向のなす角度として定義しているが、この基準線の入射偏光光(P偏光)の振動方向に対する角度45°は±5°の範囲を持たせてもよい。ツイスト角φを110〜130°に保った状態で入射側液晶配向方向と画素側液晶配向方向とがその範囲で回転しても、明るさに影響があってもコントラスト自体にはほとんど影響しない。
また、ツイスト角φは110〜130°の範囲で採用し得るが、その場合、単に入射側液晶配向方向と画素側液晶配向方向とが上記の基準線に対してそれぞれ55〜65°の角度範囲で設定されるだけでなく、αとβを|±α±β|≦10(符号順不同)を満たす0または正数として、入射側液晶配向方向が基準線となす角度を(60±α)°、画素側液晶配向方向が基準線となす角度を(60±β)°として設定することができる。
なお、この基準線とのなす角度を設定するパラメータα,βについては、|α|+|β|≦10に設定することが好ましい。
以上のように、第1の実施形態による反射型液晶表示素子1によれば、A成分を補償する位相補償板を用いなくても高いコントラストでの画像表示が可能となる。なお、これは反射型液晶表示素子1そのものの特性によって高いコントラストでの画像表示を可能とするということである。後述する実施形態のように、コントラストをさらに高くするために、反射型液晶表示素子1とA成分を補償する位相補償板とを組み合わせて投射型表示装置を構成してもよいことは当然である。
<第2の実施形態>
図14〜19、及び、必要に応じて既出の図を参照して、本発明に係る第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態は、照明光を絞る開口絞りの使用に関する。
図4に示したように、コーンアングルが10°以下の入射偏光光を用いると、コントラストが著しく高くなる傾向が認められる。従って、そのコーンアングルが10°以下の入射偏光光を用いることが望ましい。例えば、コーンアングルを9°とした場合にはF値を3.2にする開口絞りに相当し、コーンアングルを8°とした場合にはF値を3.6にする開口絞りに相当する。実際に開口絞りを設けて照明光を絞ると、コントラストが向上する効果が得られた。
しかし、開口絞りを設けて照明光を絞ると必然的に明るさが低下することになる。この問題点については、図14に示すように4隅を対角方向へ絞る方式が有効であり、明るさをあまり低下させずにコントラストを高めることができた。従って、前述した第1の実施形態の反射型液晶表示素子を投射型表示装置に適用するに際して、照明光に対する開口絞りを採用する場合には、図14に示す絞り方式を採用することが望ましい。
以下、本発明に係る投射型表示装置であって、上述した開口絞りを搭載した例を説明する。なお、最初に、この投射型表示装置の一般的な構成を説明した上で、本実施形態に特有の開口絞りの特徴を説明する。
図15は投射型表示装置の構成を示す平面図である。また、図16に、図15に示した投射型表示装置における光源101からスクリーン140(図16のみに図示)までの光学系経路を模式的に示す。図16において、色分解光学系やワイヤグリッド偏光ビームスプリッタなどの偏光系、色合成光学系、及び光路折曲げの光学系などは省略している。
図15に示す投射型表示装置は、照明光学系として、フライアイインテグレータ102を使用している。即ち、この投射型表示装置においては、光源101から発せられた照明光は、照明光学系を構成する、開口絞り121及びフライアイインテグレータ102を透過し、コンデンサレンズ103を経て、第1の色分解光学系となるクロスダイクロイックミラー104に入射される。
このフライアイインテグレータ102は、1対の平板状の透明基材のそれぞれに小径の凸レンズがマトリクス状に形成して構成される。このフライアイインテグレータ102では光源像が多数形成されるので、これら光源像を重ね合わせることにより、この照明光の照度分布が均一化される。
クロスダイクロイックミラー104は、2枚のダイクロイックミラーが十字状に組み合わされて構成され、一方のダイクロイックミラーが青色光Bを反射させ、他方のダイクロイックミラーが赤色光R及び緑色光Gを反射させるという特性を有している。このクロスダイクロイックミラー104において、光源101からの照明光の内、青色光B成分が一方向に反射され、かつ、赤色光R及び緑色光G成分が、青色光B成分が反射される方向の反対側の方向(他方向)に反射される。
クロスダイクロイックミラー104において一方向に反射された青色光Bは、第1のミラー105により反射されて向きを変え、フィールドレンズ106を経て、第1のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107に入射する。この第1のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107は、光路に対して略45°傾斜されて設置されており、第1のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107に対するP偏光成分のみを透過させる。この第1のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107への入射に先立って、プリポラライザ126によって予めP偏光に変換される。これにより、表示する画像のコントラストをさらに向上させることができる。この第1のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107を透過した青色光Bは、この青色光Bに対応した第1の反射型液晶表示素子108に入射する。この反射型液晶表示素子108は、例えば反射型液晶ライトバルブである。反射型液晶表示素子108の具体的構成は第1の実施形態における反射型液晶表示素子1と同様である。
また、クロスダイクロイックミラー104において他方向に反射された赤色光R及び緑色光Gは、第2のミラー109により反射されて向きを変え、第2の色分解光学系となるダイクロイックミラー110に入射する。このダイクロイックミラー110への入射に先立って、プリポラライザ127によって予めP偏光に変換される。これにより、上述と同様にコントラストを向上させることができる。ダイクロイックミラー110において、赤色光Rが透過し、かつ、緑色光Gが反射されることにより、赤色光Rと緑色光Gとが色分解される。
ダイクロイックミラー110を透過した赤色光Rは、フィールドレンズ111を経て、第2のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ112に入射する。この第2のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ112は、光路に対して略45°傾斜されて設置されている。このため、この第2のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ112に対するP偏光成分のみを透過させる。この第2のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ112を透過した赤色光Rは、この赤色光Rに対応した第2の反射型液晶表示素子113に入射する。反射型液晶表示素子113の具体的構成は第1の実施形態における反射型液晶表示素子1と同様である。
また、ダイクロイックミラー110で反射された緑色光Gは、フィールドレンズ114を経て、第3のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ115に入射する。この第3のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ115は、光路に対して略45°傾斜されて設置されている。このため、この第3のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ115に対するP偏光成分のみを透過させる。このワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ115への入射に先立って、プリポラライザ127によって予めP偏光に変換することにより、コントラストをさらに向上させることができる。この第3のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ115を透過した緑色光Gは、この緑色光Gに対応した第3の反射型液晶表示素子116に入射する。反射型液晶表示素子116の具体的構成は第1の実施形態における反射型液晶表示素子1と同様である。
各反射型空間光変調素子108,113,116に入射した青色光B,赤色光R,緑色光Gは、それぞれの画像信号に応じて、各反射型偏光板107,112,115に対するS偏向に偏光変調された画像光を含んで反射される。これら画像光は、図15に示すように、それぞれワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107,112,115により反射されて、色合成光学系となるクロスダイクロイックプリズム117に3方向から入射される。
なお、各色光用のワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107,112,115とクロスダイクロイックプリズム117の間には、各ワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107,112,115により反射された各色の画像光から不要な偏光成分を除去するために、各色光用のアナライザ123,124,125を設置してもよい。アナライザ123,124,125を設けることによって画像のコントラストが向上する。このアナライザとしては偏光板を用いるが、ワイヤグリッド偏光板であってもよい。
クロスダイクロイックプリズム117は、4つの三角柱状プリズムが接合されて立方体状に構成されたプリズムであって、各三角柱状プリズムの接合面には、ダイクロイック膜が形成されている。このダイクロイック膜は、2つの平面がクロスダイクロイックプリズム117の中心において十字状に交差した状態に形成されている。このクロスダイクロイックプリズム117において一方の平面をなすダイクロイック膜は、青色光B成分を反射し、赤色光R及び緑色光G成分を透過させる。また、このクロスダイクロイックプリズム117において他方の平面をなすダイクロイック膜は、赤色光R成分を反射し、青色光B及び緑色光G成分を透過させる。
従って、このクロスダイクロイックプリズム117において、一側面から入射された青色光Bが一方の平面をなすダイクロイック膜により反射されて前方に射出され、他側面から入射された赤色光Rが他方の平面をなすダイクロイック膜により反射されて前方に射出され、後面から入射された緑色光Gが各ダイクロイック膜を透過して前方に射出される。これにより、これら青色光B、赤色光R及び緑色光Gが合成される。
このようにしてクロスダイクロイックプリズム117において合成された青色光B、赤色光R及び緑色光Gは、投射レンズ118を含む投射光学系に入射される。この投射レンズ118は、入射された各画像光をスクリーン140(図16参照)上に結像させ、画像表示を行う。図15に示すように、投射レンズ118は複数枚のレンズよりなる。
この投射レンズ118の光路には、上述した開口絞り121に加えて、開口絞り122が追加的に設けられている。具体的には、複数枚のレンズの間に開口絞り122が配置されている。これらの開口絞り121,122は、例えば、カメラのシャッタのように、複数枚の板とギヤ及びモータとを組み合わせて構成される。なお、図15及び図16には、開口絞り121,122を同時に設けた構成を示しているが、これらの開口絞り121,122は選択的にいずれか一方を使用してもよい。
以上のように、投射型表示装置において、開口絞りを照明光学系及び/又は投射光学系の中に追加することによって、投影画像のコントラストをさらに向上させることができる。前述のように、開口絞りを設けて照明光を絞ると明るさが必然的に低下するが、図14で説明したように、開口面の4隅を対角方向へ絞る方式を採用することによって、明るさをあまり低下させずにコントラストを高めることができる。
そして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、プレチルト角θp及びツイスト角φを前述のように設定することにより、反射型液晶表示素子108,113,116の視野角特性を広げることができる。一般的な反射型液晶表示素子の視野角特性は図17のような特性である。この視野角特性から、開口絞り121(122)の開口の対角方向の角度成分の光はコントラストが低いことがわかる。
図15,図16に示す開口絞り121では、その照明光の角度毎の強度分布は、光源101側から見て2枚目のフライアイインテグレータ102上にできる光源像の強度分布として捉えることができる。この開口絞り121は、その照明光を受ける矩形状の開口面を有し、フライアイインテグレータ102の近傍に配置されている。
従来の場合、この開口絞り121の開口面における光源像の強度分布は2枚目のフライアイインテグレータ102の正面方向から見て対角方向の4隅に至るほど、強度が弱くなるように設定されている。この様子を模式的に示したのが図18(従来例に相当)である。色の濃いところほど強度の強くなるように設定されている。図18から分かるように、角度の大きい成分である4隅はその強度が低くなっている。この4隅の部分は強度が弱いにもかかわらず、コントラストを低下させる成分が多く含まれている。
これに対して、本実施形態に係る開口絞り121,122の開口面は、その光源像の強度分布が図19に示すように設定されている。即ち、矩形状の開口面の4隅の部分には図19に示すように遮蔽膜(4箇所の矩形状の領域)が形成され、他の残りの領域と比べて光線を優先的に除去する。このため、照明光の明るさをあまり低下させずにコントラストを高めることできるのである。
なお、開口絞りを照明光学系の中に設ける構成においては、不要な光線を色分解光学系から先に侵入させないようにすることができるので、反射型液晶表示素子108,113,116や他の光学部品の温度上昇を抑えることができる。
また、照明光学系にはフライアイインテグレータの代わりにライトパイプ型のインテグレータを用いることも可能である。この場合も、開口絞りの光路への挿入位置は、光源像の近傍とすることが好ましい。
上記のように、開口絞りの挿入位置としては、照明系以外に投射光学系の中にとすることも可能である。投射レンズ118の中にも2次光源像ができるので、図15及び図16の開口絞り122は投射レンズ118の中の2次光源像ができる位置またはその近傍に設置した状態で示している。この開口絞り122も、前述した開口絞り121と同様の効果を得ることができる。投射レンズ118の中の2次光源像の方が光源像よりも小さいので、開口絞りの部品を小さく低コストに作れるという利点がある。
従って、第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の反射型液晶表示素子1(108,113,116)を投射型表示装置に適用するに際し、上述のような開口絞り121,122を採用することにより、明るさをあまり低下させずにコントラストを高めることができる。
なお、開口絞り121,122は、固定パターンでもよいが、図20に示すようにさらに小さく絞ってもよい。また、図21に示すように、開口絞り121,122を可動の構造とすることにより、画像の明るさやコントラストをダイナミックに調整することができる。図21は可動の開口絞り121,122を図20よりもさらに開口を狭めるよう動かすことにより、明るさを落としてコントラストを向上させた状態を示す。図22は開口絞り121,122の変形例である。
<第3の実施形態>
図23〜29を参照して、第3の実施形態に係る、反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置を説明する。この第3の実施形態は、入射する偏光光の位相補償に関する。
第1の実施形態で説明した反射型液晶表示素子1を用いた投射型表示装置(図1参照)においては、液晶層13に対する入射偏光光の入射角が0°になっていることが理想的である。しかしながら、一般に、反射型液晶表示素子1へ照明光を入射させる照明装置は、高い光利用効率を得るためにインテグレータ光学系が採用されており、入射偏光光にコーンアングルが生じる。そして、コーンアングルが大きくなると液晶層13での複屈折による位相差が大きくなって表示画像のコントラストを悪化させる。
この問題に関しては、従来から位相補償板を用いて解消する方法が採用されており、第1の実施形態の投射型表示装置においても、図23に示すようにWG-PBS2と反射型液晶表示素子1との間に位相補償器として位相補償板16を挿入することにより、さらに高いコントラストが得られる。例えば、液晶層13における液晶分子のプレチルト角θpとセル厚dとを固定し、照明光の波長を550nm、F値を2.4、ポーラアングル(極角)を12.4°に設定した条件で、液晶層13におけるツイスト角φを0°,90°,120°として、それぞれ位相補償板16の位相差を変化させて黒状態における光漏れを計測した。この結果、図24に示すように、位相差が約250nmで最も光漏れのない黒レベルとなって高いコントラストが得られ、130〜400nmの範囲で良好な黒レベル状態になっていることが確認できた。
但し、位相補償板16には、面内方向の屈折率nx=nyよりも膜厚方向の屈折率nzが小さいもの(具体的には、nx=ny=1.5225,nz=1.51586)を用いた。これは、位相補償板16における補償のための位相差は入射偏光光の入射角が大きくなると増大するが、同じ位相差ΔP=2π×(nx−nz)×(d/λ)(但し、dは膜厚、λは偏光光の波長)であっても、面内での平均的な屈折率(nx+ny)/2が大きい場合には、スネルの法則に基づいて位相補償板16を通過する際の屈折角が小さくなり、結果的に位相補償の実効性が小さくなるからである。
ところで、図25は、横軸には位相補償板16に対する入射偏光光の基板面に対する入射角であるポーラアングルをとり、縦軸にはその入射角が0°の場合の位相差(常光と異常光の位相差)からの差分をとったグラフである。図25には、実験的に高いコントラストが得られている位相補償板のサンプル(屈折率:約1.5,位相差:260nm)に係る計測値と、屈折率がnx=ny=1.5225,nz=1.51586であって、位相差を66nm,130nm,200nm,265nm,330nm,400nmとする各条件の位相補償板を用いたと仮定した場合でのシミュレーション値とが示されている。
図25から明らかなように、計測値とシミュレーション値とは極めて良好な一致関係がある。しかも、図24において最適範囲として確認できた、位相補償板16における位相差が130〜400nmのものを適用した条件では、ポーラアングルが30°の入射偏光光に係る位相差の差分は31〜52nmの範囲になると推察できる。このことから、位相補償板16としては、入射偏光光の基板面に対する入射角を30°とした場合に、その入射角が0°の場合に生じる位相差に対して31〜52nmだけ変化する光学的特性を有したものを適用すれば、高いコントラストが得られることになる。
図15に示す投射型表示装置は、上述した位相補償板を各カラーのチャンネルにそれぞれ配置した例を示している。即ち、カラー用の位相補償板131〜133のそれぞれを、各カラー用の反射型液晶表示素子108,113,116とワイヤグリッド偏光ビームスプリッタ107,112,115の間に配置して位相補償し、これにより、コントラストを向上させている。
これらの位相補償板131〜133は、それぞれ、位相補償板131〜133の面に対して垂直な膜厚方向の屈折率を面内方向の屈折率以下に設定した、いわゆるCプレートと呼ばれる位相補償板として形成されている。Cプレートは、面内の互いに直交する主屈折率をnx,ny、厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzという条件を満たす位相補償板であると定義される。なお、ここではnx=nyとしているが、多少のばらつき(誤差)を有するものであり、nxとnyとが実質的に同じ値であるということである。nxとnyとは、液晶の複屈折率Δnとセル厚dとの積であるリタデーションΔn・dが0.5nm以下が望ましい。
B用位相補償板131,G用位相補償板132,R用位相補償板133は、それぞれ各波長帯域に最適な位相差を補償するように、位相差が予め与えられている。各位相補償板131〜133の空気との界面(位相補償板131〜133の表面)にはAR(anti-reflection)コーティングが施され、反射光が極力減らされている。
前述のように、図5には、液晶層13のセル厚dとダークステートにおける光出力の関係について示した。さらに、セル厚dを薄くすることによって、図9に示したディスクリネーションや液晶の応答速度特性なども改善されることが分かっている。但し、セル厚dを薄くしすぎると、液晶を駆動するための電圧が非常に高くなり、ドライブ回路などを構成しにくくなる。そのため、反射型液晶表示素子1の駆動電圧や液晶層13の液晶の応答速度が適正な範囲になるように、液晶材料の複屈折率Δn及びセル厚dを最適化する必要がある。
図26,図27,図28は、それぞれ、複屈折率Δnの異なる3種類の液晶において(Δn=0.085,0.132,0.155)、コーンアングルを12.4°に設定した条件で、セル厚dをパラメータにして位相補償板の位相差と光漏れの関係を示した図である。前述のように、ツイスト角φは液晶の複屈折率Δnやセル厚dによらずに、φ=120°で光出力が最小となる。これに対し、位相補償板の位相差は、光漏れが極小値を取る値が複屈折率Δnやセル厚dによって異なる。
セル厚dの液晶層13を光が通る際に生じる液晶層13のリタデーションをΔn・dで表し、図26,図27,図28の各曲線の最小値を採る位相補償板の位相差(リターダンス)をRthで表した時、液晶層13のΔn・dと位相補償板の位相差Rthとの関係は図29のようになる。
ここで、Δn・dが150nmのとき、最適な位相補償板の位相差Rthは200nmである。また、Δn・dが500nmのとき、最適な位相補償板の位相差Rthは600nmである。しかしながら、実際のシステムでは、液晶層13と位相補償板の特性にはばらつきがあるので、Δn・dが150nm〜500nmであるとき、位相差Rthは100nm〜650nmが適当な特性である。さらに、Δn・dが300nm〜400nmのとき、最適な位相補償板の位相差Rthは300nm〜500nmである。
以上のように、液晶の複屈折率Δnとセル厚dによってリタデーションΔn・dが変化するので、これに最適な位相補償板を用いることによって、画像のコントラストをさらに向上させることができる。
<第4の実施形態>
図30を参照して、第4の実施形態に係る、反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置を説明する。この第4の実施形態は、偏光ビームスプリッタの別の例に関する。
前述した各種の実施形態に係る投射型表示装置は、偏光ビームスプリッタ(PBS)としてワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタを採用し、これと本発明に係る反射型液晶表示素子とをそれぞれ合わせて用いることで、従来に比べて非常に高いコントラスト比を実現している。
本発明に係る反射型液晶表示素子108,113,115は、それぞれ、ワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタを用いない場合、ワイヤグリッド型のそれとの組み合わせほどの高性能は得られないとしても、従来よりも高いコントラスト比を得ることができる。例えば、偏光ビームスプリッタとして最も広く用いられているマクニール型偏光ビームスプリッタを採用することもできる。従来のマクニール型偏光ビームスプリッタを採用した光学エンジンの外観上の構成を変える必要がないので、同様の製造設備を用いて低コストに製造できる利点がある。
図30に、そのような光学エンジンを搭載した投射型表示装置の平面図を示す。なお、図30に示す投射型表示装置の構成において、第2の実施形態で説明した図15,図16と同一または同等の作用効果を発揮する構成要素には同一の参照符号を用いてその説明を省略または簡略化する。
図30に示す投射型表示装置において、光源101から色分解光学系にかけては、第2の実施形態の構成と同様である。これに加え、マクニール型偏光ビームスプリッタ151〜153に対してはS偏光で入射するようにプリポラライザ126,127の偏光面を設定する。マクニール型偏光ビームスプリッタ151〜153は2個のプリズムを貼り合せて構成されている。入射照明光のS偏光を反射し、反射した照明光は反射型液晶表示素子108,113,115にそれぞれ向かう。位相補償板として1/4波長板141〜143を用いている。
反射型液晶表示素子108,113,115のそれぞれの液晶で画像に応じて変調された光は、変調光となって反射し、再び1/4波長板141〜143をそれぞれ経て、マクニール型偏光ビームスプリッタ151〜153をP偏光の変調成分として透過する。各色の変調光をクロスダイクロイックプリズム117で合成して投射レンズ118によってスクリーンに投射する。
なお、マクニール型偏光ビームスプリッタを、カーテシアン(Cartesian)型偏光ビームスプリッタとすることもできる。
なお、本発明に係る反射型液晶表示素子及び投射型表示装置は、上述して実施形態及びその変形例に係る構成に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、公知の技術を用いて更に変形可能である。
本発明の第1の実施形態に係る反射型液晶表示素子を用いた投射型表示装置の単色処理部の光学系を示す図である。 入射偏光光の振動方向に対する画素側液晶配向方向と入射側液晶配向方向の関係を示す説明図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長、液晶分子のプレチルト角、及びセル厚を固定し、液晶分子のツイスト角をパラメータとしたときの、印加電圧とその出力(光量)との関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長、液晶分子のプレチルト角、及びセル厚を固定し、液晶分子のツイスト角をパラメータとしたときの、入力光のコーンアングルと平均的コントラスト比との関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長及び液晶分子のプレチルト角を固定し、セル厚をパラメータとしたときの、液晶分子のツイスト角とコントラスト比との関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子について、液晶分子のプレチルト角及びセル厚を固定し、照明光のR色,G色,B色のそれぞれの光をパラメータとしたときの、液晶分子のツイスト角と黒レベルとの関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長及びセル厚を固定し、プレチルト角をパラメータとしたときの、ツイスト角と黒レベルとの関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長及びセル厚を固定し、ツイスト角をパラメータとしたときの、プレチルト角と白レベルとの関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子において、プレチルト角θpが86°以上である場合に、アクティブマトリクス基板における隣接画素の電圧差によりディスクリネーションが発生している状態を示す拡大図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長及び液晶分子のプレチルト角を固定し、複屈折率Δn=0.132に設定し、セル厚をパラメータとしたときの、液晶分子のツイスト角とコントラスト比との関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子について、照明光の波長及び液晶分子のプレチルト角を固定し、複屈折率Δn=0.155に設定し、セル厚をパラメータとしたときの、液晶分子のツイスト角とコントラスト比との関係を示す特性図である。 実験結果に基づいた理想的な液晶配向条件それと等価な液晶配向条件を示す説明図である。 図12の液晶配向条件と等価な液晶配向条件を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る投射型表示装置で採用している開口絞り方式を示す説明図である。 第2の実施形態に係る投射型表示装置の概略を示す構成図である。 図15に示す投射型表示装置を簡略化して模式的に説明する構成図である。 反射型液晶表示素子の視野角特性を説明するための図である。 従来のフライアイインテグレータ上の光源像を説明する図である。 第2の実施形態に係る投射型表示装置のフライアイインテグレータ上の光源像に基づく開口絞りの絞り特性を示す図である。 第2の実施形態に係る投射型表示装置のフライアイインテグレータ上の光源像に基づく開口絞りの絞り特性の別の例を示す図である。 第2の実施形態に係る投射型表示装置のフライアイインテグレータ上の光源像に基づく開口絞りの絞り特性のさらに別の例を示す図である。 第2の実施形態に係る投射型表示装置のフライアイインテグレータ上の光源像に基づく開口絞りの絞り特性のさらにまた別の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る投射型表示装置の単色処理部の光学系を示す図である。 第3の実施形態の投射型表示装置について、液晶層の液晶分子のプレチルト角及びセル厚を固定し、液晶層のツイスト角をパラメータとしたときの、位相補償板の位相差と黒状態における光漏れ量との関係を示す特性図である。 横軸に位相補償板に対する入射偏光光の基板面に対する入射角(ポーラアングル)を、縦軸にその入射角が0°の場合の位相差からの差分をとり、位相補償板のサンプルに係る計測値と、屈折率がnx=ny=1.5225,nz=1.51586であって、位相差をパラメータとしたときのシミュレーション結果とを示す特性図である。 反射型液晶表示素子の複屈折率Δnをある値に設定し、セル厚をパラメータとしたときの、位相補償板の位相差と光漏れとの関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子の複屈折率Δnを別の値に設定し、セル厚をパラメータとしたときの、位相補償板の位相差と光漏れとの関係を示す特性図である。 反射型液晶表示素子の複屈折率Δnを別の値に設定し、セル厚をパラメータとしたときの、位相補償板の位相差と光漏れとの関係を示す特性図である。 図26,図27,図28の各曲線に基づいて求めた、各曲線の最小値をとる位相補償板の位相差(リターダンス)Rthと液晶層のリタデーションΔn・dとの関係を示すグラフである。 第4の実施形態に係る投射型表示装置の概略を示す構成図である。 従来例で開示されている液晶の動作モードと配向方式を説明するための図である。 液晶分子のプレチルト角θpと方位角αとを示す模式的に説明するための図である。
符号の説明
1,108,112,115 反射型液晶表示素子
2,107,112,115 ワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタ
3 偏光板(検光子)
11 透明基板
12 アクティブマトリクス基板
13 液晶層
16,131〜133 位相補償器(位相補償板)
121,122 開口絞り
141〜143 1/4波長板(位相補償板)
151〜153 マクニール型偏光ビームスプリッタ

Claims (15)

  1. 透明電極が形成され、偏光光が入射される第1の基板と、
    前記第1の基板と隙間を介して平行に対向配置され、画素毎の反射電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有し、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を反射して前記第1の基板より射出させる第2の基板と、
    前記第1及び第2の基板間に挟持され、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を変調する誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層とを備え、
    前記第1及び第2の基板それぞれに平行な方向であって前記第1及び第2の基板それぞれに入射する偏光光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβを|α|+|β|≦10を満たす0または正数としたとき、前記液晶層における前記第1の基板側での液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定すると共に、前記液晶層における前記第2の基板側の液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする反射型液晶表示素子。
  2. α=β=0であることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示素子。
  3. 前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは3.5μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜85°であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型液晶表示素子。
  4. 前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2.6μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜87°であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型液晶表示素子。
  5. 前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜88°であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型液晶表示素子。
  6. 光を放射する光源と、
    前記光源から放射された光が入射される照明光学系と、
    前記照明光学系によって照明される光を偏光して偏光光として生成すると共に、変調光と非変調光とを分離する偏光ビームスプリッタと、
    前記偏光光を画像信号に応じて変調して前記偏光ビームスプリッタへと戻す反射型液晶表示素子と、
    前記偏光ビームスプリッタにより分離された変調光を表示面に投射する投射レンズを含む投射光学系とを備え、
    前記反射型液晶表示素子は、
    透明電極が形成され、前記偏光ビームスプリッタにより偏光された偏光光が入射される第1の基板と、
    前記第1の基板と隙間を介して平行に対向配置され、画素毎の反射電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有し、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を反射して前記第1の基板を介して前記偏光ビームスプリッタへと射出させる第2の基板と、
    前記第1及び第2の基板間に挟持され、前記第1の基板を介して入射された前記偏光光を変調する誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層とを備え、
    前記第1及び第2の基板それぞれに平行な方向であって前記第1及び第2の基板それぞれに入射する偏光光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβを|α|+|β|≦10を満たす0または正数としたとき、前記液晶層における前記第1の基板側での液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定すると共に、前記液晶層における前記第2の基板側の液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする投射型表示装置。
  7. α=β=0であることを特徴とする請求項6記載の投射型表示装置。
  8. 前記照明光学系の中または前記投射光学系の中の少なくとも一方に設けられ、前記照明光学系または前記投射光学系から発せられる光を通過させる開口の対角方向を狭くする開口絞りを有することを特徴とする請求項6または7に記載の投射型表示装置。
  9. 前記反射型液晶表示素子と前記偏光ビームスプリッタとの間に設けられた位相補償器を有することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
  10. 前記位相補償器は、前記反射型液晶表示素子の複屈折率Δnと前記液晶層の厚みdの積であるリタデーションΔn・dが150nm〜500nmであり、面内の互いに直交する主屈折率をnx,ny、厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzという条件を満たすと共に、位相差を100nm〜650nmに設定した位相補償板であることを特徴とする請求項9記載の投射型表示装置。
  11. 前記位相補償器は、前記反射型液晶表示素子の複屈折率Δnと前記液晶層の厚みdの積であるリタデーションΔn・dが300nm〜400nmであり、面内の互いに直交する主屈折率をnx,ny、厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzという条件を満たすと共に、位相差を300nm〜500nmに設定した位相補償板であることを特徴とする請求項9記載の投射型表示装置。
  12. 前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは3.5μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜85°であることを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載の反射型液晶表示素子。
  13. 前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2.6μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜87°であることを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載の反射型液晶表示素子。
  14. 前記第1及び第2の基板の対向方向における前記液晶層の厚さは2μm以下で、かつ前記液晶の分子の前記第1及び第2の基板の面からの角度として与えられるときのプレチルト角は75°〜88°であることを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載の反射型液晶表示素子。
  15. 前記偏光ビームスプリッタは、ワイヤグリッド型偏光ビームスプリッタとマクニール型偏光ビームスプリッタとカーテシアン型偏光ビームスプリッタとのいずれかであることを特徴とする請求項6ないし14のいずれか1項に記載の投射型表示装置。

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