JP2008058690A - 液晶装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ツイストネマチック型の液晶において、横電界によるリバースツイストの発生をなくし、高透過率でディスクリネーションなしの高品位表示を可能とする液晶装置及びそれを備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の画素電極9は、電圧無印加時での液晶の配向方向に対して垂直に突出する櫛歯形状部15を有し、相隣接する画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35が液晶の配向方向で互いに対向するとともに櫛歯形状部15,35が液晶の配向方向に沿って交互に存在するように配置され、隣接する画素電極9A,9Bにおいて、液晶の配向に延在する辺の長さの総和を、液晶の配向方向に垂直な方向に延在する辺の長さの総和よりも小さくすることにより横電界よりも強い電界Gを発生させる。
【選択図】図10
【解決手段】本発明の画素電極9は、電圧無印加時での液晶の配向方向に対して垂直に突出する櫛歯形状部15を有し、相隣接する画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35が液晶の配向方向で互いに対向するとともに櫛歯形状部15,35が液晶の配向方向に沿って交互に存在するように配置され、隣接する画素電極9A,9Bにおいて、液晶の配向に延在する辺の長さの総和を、液晶の配向方向に垂直な方向に延在する辺の長さの総和よりも小さくすることにより横電界よりも強い電界Gを発生させる。
【選択図】図10
Description
本発明は、液晶装置、及び電子機器に関するものである。
液晶表示素子を用いて映像を大画面に表示する装置として液晶プロジェクターがある。近年、プロジェクターは高精細化が進んでいるが、その反面、表示素子である石英基板チップサイズはコストダウンのためどんどんそのサイズは小さくなり、画素の急激な狭ピッチ化が進行している。その結果、液晶表示素子で白黒を画素単位で切り替え表示した場合、相隣接する画素電極間で横電界が生じる。その横電界により対向基板間-画素電極間に生じていた液晶配向制御用の縦電界が影響を受けて、液晶の配向不良を引き起こすという問題があった。
このような配向不良が発生すると液晶層の正常配向部分と異常配向部分との間にディスクリネーション(線欠陥)が形成されてしまう虞があった。
このような課題を解決するため、下記の技術が開示されている。
TN(Twist Nematic)−TFT型液晶表示装置でこの現象を防止し、安定な配向を得る技術として、特許文献1,2には、相隣接する画素電極間の間隙に凸部が形成されてなる電気光学装置が開示されている。これにより、相隣接する画素電極間において印加電圧の極性が異なるものの間で発生する横電界によって、液晶の配向状態が乱れることを低減することができるとしている。
特開2002−40455号公報
特開2005−121805号公報
TN(Twist Nematic)−TFT型液晶表示装置でこの現象を防止し、安定な配向を得る技術として、特許文献1,2には、相隣接する画素電極間の間隙に凸部が形成されてなる電気光学装置が開示されている。これにより、相隣接する画素電極間において印加電圧の極性が異なるものの間で発生する横電界によって、液晶の配向状態が乱れることを低減することができるとしている。
近年では、プロジェクターでも高開口率、高精細化が進み、画素間距離がどんどん小さくなってきている。その結果、上記したように、隣接する画素間の電位差により発生する横電界の影響が深刻な配向不良を誘発するようになってきた。液晶プロジェクターの配向方式としては、現在、TN型(ツイストネマチック型)の液晶装置が多用されている。しかし、相隣接する画素電極同士に異なる電圧を印加した際に発生する横電界によってツイストネマチック配向モードの液晶が本来のツイスト方向と異なった方向(逆方向)に配向してしまう配向欠陥が生じてしまうことが問題となっている。このような問題に対して、上記した特許文献1,2の手法では解決することができない。つまり、特許文献1,2の構成は、横電界が生じる画素電極間に凸形状を配設し、電極端を凸部平面上に設定することにより電極端と対向電極間距離を相対的に小さくすることにより横電界の影響を少なくしようとしているが、依然として横電界は存在する。また、電極面を凸部面上に積層させるため、面形状を反映して黒表示時の光漏れが大きくなる虞がある。また、配向不良部分を隠すためにブラックマスクを大きくする必要生じ、ブラックマスクを設ける領域が増えてしまうと、開口率が低下してしまうという問題もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ツイストネマチック型の液晶において、横電界による配向不良の発生をなくし、高透過率で配向欠陥(ディスクリネーション)なしの高品位表示を可能とする液晶装置及びそれを備えた画像表示装置を提供することにある。
本発明の液晶装置は、上記課題を解決するために、一対の基板間に、誘電率異方性が正の液晶からなる液晶層を挟持してなり、一対の基板のうち一方の基板の液晶層側に設けられる複数の画素電極と、一対の基板のうち他方の基板の液晶層側に設けられる対向電極と、を備え、画素電極は、一方の基板上における電圧無印加時での液晶の配向方向に対して画素電極形状のうち、平行な方向の辺を櫛歯状にすることを特徴とする。
このような構成によれば、相隣接する画素電極のうち、画素電極面近傍の液晶配向方向に対して垂直な方向に隣接する画素電極同士に異なる電圧を印加すると、各画素電極が有する突出部間に液晶の配向方向に平行な電界を生じさせることができる。そのとき、隣接する画素電極の櫛歯状の形状で、液晶の配向方向に延在する辺の長さの総和を、液晶の配向方向に対して垂直な方向に延在する辺の長さの総和よりも小さくすることで、液晶の配向方向に対して垂直な方向に生じる電界よりも液晶の配向方向に沿って生じる電界のほうが強くなる。この電界が発生することにより画素間に発生する本来の横電界を弱くすることができるため、電圧印加時に液晶を本来と異なる方向に回転(リバースツイスト)させることなく所望の方向に配向させることができる。その結果、電圧印加時における液晶の配向不良が防止され、高透過率を実現できるとともにディスクリネーションの発生を防止及び抑制することができる。上述したように、液晶の初期配向方向とは電圧無印加時での液晶の配向方向のことであり、以下単に液晶の配向方向ということもある。
このようにして、液晶のリバースツイストの発生を防止することができるので、液晶の配向不良に起因する表示上の不具合を解消することができる。したがって、本実施形態によれば、表示不良のない、高コントラストで且つ明るく均一な表示品質を有する液晶装置を提供することが可能となる。
電極の櫛歯形状部は、その櫛歯の長さ寸法が幅寸法よりも長く形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、櫛歯形状における長さ寸法が幅寸法よりも長く形成された櫛歯形状部同士が液晶の配向方向と平行な辺部で対向しているため、隣接する画素電極間に異なる電圧を印加した際に、各画素電極の櫛歯形状部同士の間に液晶の配向方向に沿った(平行な)電界を確実に生じさせることができる。上記したように、相隣接する画素電極の櫛歯形状部同士は液晶の配向方向に沿って交互に存在することから、これら櫛歯形状部同士の間に発生する電界は液晶の配向方向に一致したものとなる。つまり、液晶の配向方向に垂直な方向に隣接する画素電極間に生じる電界による作用よりも、液晶の配向方向に沿って隣接する画素電極間に生じる電界による作用の方が強くなる。これにより不本意な横電界の影響を抑制および防止することが出来るようになるため、液晶のリバースツイストをより確実に防ぐことができる。
画素電極には、複数の櫛歯形状部が互いに一定の間隔をおいて設けられていることも好ましい。
このような構成によれば、櫛歯形状部が互いに一定の間隔をおいて複数設けることで、液晶配向方向に対して垂直方向の辺の長さを大きくすることが出来、その結果、液晶配向方向に対して平行な電界を互いの電極間で全体に均一に生じさせることができ、液晶の配向不良が生じにくくなる。
このような構成によれば、櫛歯形状部が互いに一定の間隔をおいて複数設けることで、液晶配向方向に対して垂直方向の辺の長さを大きくすることが出来、その結果、液晶配向方向に対して平行な電界を互いの電極間で全体に均一に生じさせることができ、液晶の配向不良が生じにくくなる。
上記した本発明の液晶装置は、例えば、液晶テレビや携帯電話等の電子機器の表示画面、パソコンのモニター、液晶プロジェクタ(投射型表示装置)の光変調装置として用いることができる。このような用途に用いることで表示装置に優れた電子機器を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
[液晶装置]
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置1である。なお、本実施形態では、液晶に対して所望の方向の電界を生じさせて液晶の配向を制御することにより画像表示を行う表示方式のうち透過型の液晶装置を例に挙げて説明する。
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin-Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置1である。なお、本実施形態では、液晶に対して所望の方向の電界を生じさせて液晶の配向を制御することにより画像表示を行う表示方式のうち透過型の液晶装置を例に挙げて説明する。
以下に、本実施形態の液晶装置の構造について、図面を用いてさらに詳しく説明する。図1は液晶装置の概略構成を説明するためのTFTアレイ基板の平面図、図2は図1のH−H’断面図、図3,4は形態の異なる画素電極を示す平面図、図5はTFTアレイ基板上における画素電極の配設状態を示す平面図である。
そして、以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をx方向、水平面内においてx方向と直交する方向をy方向、x方向及びy方向のそれぞれに直交する方向をz方向とする。
そして、以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をx方向、水平面内においてx方向と直交する方向をy方向、x方向及びy方向のそれぞれに直交する方向をz方向とする。
液晶装置1は、図1,2に示すように、シール材52を介して貼り合わせられるTFTアレイ基板10及び対向基板20間に、配向膜13,14を介して誘電率異方性が正のネマチック液晶分子21(以下、単に液晶と呼ぶときもある。)からなる液晶層50を挟持して構成されている。TFTアレイ基板10に設けられる配向膜13及び対向基板20に設けられる配向膜14によって、ネマチック液晶は分子長軸方向が90°前後ねじれた配向をとっており、TN(ツイストネマチック)型の液晶装置1を構成している。配向膜13,14は、ネマチック液晶分子21の長軸方向を基板面に対して所定角度だけ傾斜配向(プレチルト)させている。
次に、TFTアレイ基板10上に形成された各構成要素について詳しく説明する。
図1において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52が対向基板20の縁に沿って設けられており、その内側に並行して第2遮光膜53が設けられている。この第2遮光膜53に囲まれた領域が液晶装置1の画像表示領域Aとなっている。また、シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
図1において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52が対向基板20の縁に沿って設けられており、その内側に並行して第2遮光膜53が設けられている。この第2遮光膜53に囲まれた領域が液晶装置1の画像表示領域Aとなっている。また、シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
更に、TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域Aの両側に設けられた走査線駆動回路104間を接続するための複数の配線105が設けられており、ここで、第2遮光膜53の下に隠れてプリチャージ回路を設けてもよい。また、対向基板20の4つのコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。本実施形態では4箇所全てに設けられている。
また、TFTアレイ基板10の内側には画素電極9がマトリクス状に複数形成されている。このようなTFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20の内側には、図2に示すように、複数の画素電極9に共通な対向電極28が形成されている。
次に、本実施形態の画素電極について述べる。
本実施形態では、画素電極9として、図3,4に示すような形状の異なる2形態の画素電極9A,9Bが用いられている。
図3に示すように、画素電極9Aは、平面視矩形状の画素電極本体16と、該画素電極本体16の四辺のうち対向する一組の辺16a,16aそれぞれから外方へと垂直に突出する複数の櫛歯形状部15とから構成されている。平面視矩形状を呈する櫛歯形状部15は、各辺16aに一対ずつ設けられ、辺16aに沿って互いに所定間隔をおいて櫛歯状に設けられている。また、櫛歯形状部15の突出方向寸法(以下、長辺15aとする。)は、幅寸法(以下、短辺15bとする。)よりも長く形成されている。
本実施形態では、画素電極9として、図3,4に示すような形状の異なる2形態の画素電極9A,9Bが用いられている。
図3に示すように、画素電極9Aは、平面視矩形状の画素電極本体16と、該画素電極本体16の四辺のうち対向する一組の辺16a,16aそれぞれから外方へと垂直に突出する複数の櫛歯形状部15とから構成されている。平面視矩形状を呈する櫛歯形状部15は、各辺16aに一対ずつ設けられ、辺16aに沿って互いに所定間隔をおいて櫛歯状に設けられている。また、櫛歯形状部15の突出方向寸法(以下、長辺15aとする。)は、幅寸法(以下、短辺15bとする。)よりも長く形成されている。
図4に示すように、画素電極9Bは、平面視矩形状の画素電極本体36と、該画素電極本体36の四辺のうち対向する一組の辺36b,36bから外方へと垂直に突出する複数の櫛歯形状部35とから構成されている。平面視矩形状を呈する櫛歯形状部35は、各辺36bに3つずつ設けられ、辺36に沿って互いに所定間隔をおいて櫛歯状に設けられている。また、櫛歯形状部35の突出方向寸法(以下、長辺35aとする。)は、幅寸法(以下、短辺35bとする。)よりも長く形成されている。
本実施形態において、画素電極本体16,36及び突出部15,35の大きさは同等のものとする。
本実施形態において、画素電極本体16,36及び突出部15,35の大きさは同等のものとする。
このような画素電極9A,9Bは、TFTアレイ基板10上にマトリクス状に配置される。その際、各画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35の突出方向が液晶の初期配向方向(電圧無印加時における液晶の配向方向)に対して垂直となるようにする。そして、電圧無印加時における液晶の配向方向に対して垂直となる方向に隣接する各画素電極9A,9Bは、図5に示すように、互いの櫛歯形状部15,35同士が組み合うように配置される。
つまり、画素電極9Aの櫛歯形状部15同士の各間隔S内に、隣接する画素電極9Bの櫛歯形状部35がそれぞれ存在するようになっている。そのため、各画素電極9A,9Bにおける櫛歯形状部15,35同士の配置間隔は、例えば、画素電極9Aの櫛歯形状部15同士の間に、隣接する画素電極9Bの櫛歯形状部35を配置可能とする間隔にしておく。そして、隣接する画素電極9A,9Bは、互いの隙間S内に櫛歯形状部15,35をそれぞれ位置させた状態でTFTアレイ基板10上に配置される。これにより、TFTアレイ基板10上では、各画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35が液晶の配向方向に沿って交互に存在することになる。
詳細には、図5に示すように、櫛歯形状部15の長辺15aと櫛歯形状部35の長辺35aとが液晶の配向方向(図中の実線矢印Tで示す)で対向している。これら長辺15a,35a同士の対向量(液晶の配向方向で長辺15a,35a同士が対向している長さ)は、隣接する画素電極9A,9Bに異なる電圧が印加された際に、櫛歯形状部15,35同士の間で液晶の配向方向に沿った電界を生じさせることができる範囲とする。長辺15a,35aの長さが短辺15b,35bより長くても、液晶の配向方向における長辺15a,35a同士の対向量が十分でない(言い換えれば、隣接する画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35同士が隙間Sの奥の方にまで組み合わせられておらず互いのかみ合い方が浅い状態のこと)と、この方向に電界を生じさせることができない虞がある。
そのため、例えば、液晶の配向方向における長辺15a,35a同士の対向量の総和が、液晶の対向方向に垂直な方向において対向する短辺15b,35b及び辺16a,36a同士の対向量(短辺15b,辺36b同士及び短辺35b,辺16a同士が対向している長さ)の総和よりも大きくなるように設定しておくことが必要である。このようにして、櫛歯形状部15,35同士の間に液晶の配向方向に沿う電界を確実に生じさせることができるような構成にする。なお、上述した対向量の総和が上述した関係になる理由については後述する。
本実施形態においては、図6に示すように、櫛歯形状部15,35の長辺15a,35aの長さcは2.5μm、対向する長辺15a,35a同士の間隔dは0.5μm、対向していない長辺15a,35a同士の間隔fは2μmとする。
このようなTFTアレイ基板上の画素構成により、液晶の配向方向に垂直な方向に隣接する画素電極9A,9Bに異なる電圧が印加された場合に、各画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,16同士の間に液晶の配向方向に垂直な方向に生じる電界よりも強い電界を液晶の配列方向に沿って生じさせることができる。
なお、櫛歯形状部の数、櫛歯形状部同士の配置間隔、櫛歯形状部の寸法形状、対向する長辺同士の対向量、及びその他諸条件は、画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35間に、液晶の配向方向に沿った電界を確実に生じさせることができるように、適宜設定されるものとする。
(平面構造)
次に、TFTアレイ基板の画像表示領域内の平面構造について図7に基づいて詳細に説明する。図7(a)はTFTアレイ基板側から見た平面図であって、図7(b)は画素スイッチング用TFT素子の拡大図である。
図7(a)に示すように、液晶装置1のTFTアレイ基板10上の画像表示領域A(図1参照)内には、複数の透明な画素電極9(上記した形状の異なる画素電極9A,9B)がマトリクス状に設けられている。これら各画素電極9A,9Bの画素電極本体16,36の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
次に、TFTアレイ基板の画像表示領域内の平面構造について図7に基づいて詳細に説明する。図7(a)はTFTアレイ基板側から見た平面図であって、図7(b)は画素スイッチング用TFT素子の拡大図である。
図7(a)に示すように、液晶装置1のTFTアレイ基板10上の画像表示領域A(図1参照)内には、複数の透明な画素電極9(上記した形状の異なる画素電極9A,9B)がマトリクス状に設けられている。これら各画素電極9A,9Bの画素電極本体16,36の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
TFTアレイ基板10上には、y方向に延在する複数本のデータ線6aがx方向に所定間隔をおいて設けられている。また、これらデータ線6aに交差してx方向に延在する複数本の走査線3aがy方向に所定間隔をおいて設けられている。そして、隣り合う2本のデータ線6a及び走査線3aにより囲まれた領域が画素領域C(図中の一点差線9’で示す領域)となっている。このような画素領域CがTFTアレイ基板10上にマトリクス状に形成されている。
そして、各画素領域C内には、例えばインジウム錫酸化物(以下、「ITO」と略す)等の透明導電性材料からなる画素電極9A,9Bのうち、平面視略正方形状の画素電極本体16,36が位置することになる。この各画素領域C内の画素電極本体16,36が画像表示部として機能する。
画素スイッチング用TFT素子30は、図7(a)に示すように、データ線6a及び走査線3aとの交差部の近傍に設けられている。より詳しくは、図7(b)に示すように、例えば、走査線3aからy方向に分岐して形成したゲート電極26と、アモルファスシリコンからなる半導体層1aと、半導体層1aと走査線3aの平面領域内において一部平面的に重なって形成されたソース電極25と、を備えて構成されている。ソース電極25は、データ線6aからx方向に分岐して形成されている。
画素電極9Aは、画素スイッチング用TFT素子30を構成する例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち、後述のドレイン領域1dにコンタクトホール8を介して電気的に接続されており、データ線6aは、半導体層1aのうち、後述のソース領域1eにコンタクトホール5を介して電気的に接続されている。
櫛歯形状部15,35は、図7(a)に示すように、平面視においてデータ線6a上に位置するよう形成されており、該データ線6aの延在方向(y方向)に沿って各櫛歯形状部15,35が交互に存在している。なお、これら櫛歯形状部15,35は、後述する第1遮光膜11aの遮蔽領域内に位置する。
(断面構造)
次に、図8に基づいて、本実施形態の液晶装置の断面構造について詳しく説明する。図8では、画素スイッチング用TFT素子等の一部の構成要素を図面の視認性を考慮して省略してある。
次に、図8に基づいて、本実施形態の液晶装置の断面構造について詳しく説明する。図8では、画素スイッチング用TFT素子等の一部の構成要素を図面の視認性を考慮して省略してある。
本実施形態の液晶装置1においては、図8に示すように、TFTアレイ基板10と、これに対向配置される対向基板20との間に液晶層50が挟持されている。液晶層50は、電界に沿って配向する誘電率異方性が正のネマチック液晶分子21からなるもので、液晶装置1はツイストネマチック型の表示装置である。TFTアレイ基板10及び対向基板20は、ガラスや石英、プラスチック等の透光性材料から形成されている。
TFTアレイ基板10において、基板本体10Aの液晶層50側の表面上には、TFTアレイ基板10を透過し、TFTアレイ基板10の図示下面(TFTアレイ基板10と空気との界面)で反射されて、液晶層50側に戻る戻り光を部分的に遮蔽するための第1遮光膜11aが設けられている。この第1遮光膜11aは、画素スイッチング用TFT素子30に上記した戻り光が入射することを防止するために備えられ、画素スイッチング用TFT素子30への遮光効果が得られる範囲に設けられる。
また、基板本体10Aの表面上には、第1遮光膜11aを覆うようにして略全面に形成される第1層間絶縁膜12を介して、画素電極9(9A)をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT素子30が配設されている。第1層間絶縁膜12は、酸化シリコン等からなり、第1遮光膜11aと画素スイッチング用TFT素子30との間に介在させることによって双方を電気的に絶縁している。
画素スイッチング用TFT素子30は、第1層間絶縁膜12上に形成される半導体層1a、ゲート電極26、データ線6aとを備えている。半導体層1aは、ゲート電極26からの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、半導体層1aのドレイン領域1d及びソース領域1eとから構成され、表面を覆うゲート絶縁膜2によりゲート電極26と絶縁されている。
また、半導体層1aのうち、チャネル領域1a’に対向するようにゲート電極26が配置されている。
上記ゲート電極26上、ゲート絶縁膜2上を含む基板本体10A上には、ドレイン領域1dへ通じるコンタクトホール8、及びソース領域1eへ通じるコンタクトホール5が開孔した第2層間絶縁膜4が形成されている。つまり、データ線6aは、第2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介してソース領域1eに電気的に接続されている。
さらに、データ線6a上及び第2層間絶縁膜4上には、ドレイン領域1dへ通じるコンタクトホール8が開孔した第3層間絶縁膜7が形成されている。つまり、ドレイン領域1dは、第2層間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8を介して、第3層間絶縁膜7上に形成された画素電極9Aと電気的に接続されている。
基板本体10A上には、画素電極9を覆うようにして、ポリイミド等からなる配向膜13が形成されている。この配向膜13には、図中y方向に沿ってラビング処理が施されている。ラビング法としては、レーヨン、ナイロン、ポリエステルなどからなる布をローラーに貼り付けたラビングマシンによって擦る手法が多く用いられている。なお、SiO2等を用いて配向膜13を形成してもよい。
一方、対向基板20は、その内面側(液晶層50側)に、データ線6a、走査線3a(不図示)、画素スイッチング用TFT素子30の半導体層1aのチャネル領域1a’やドレイン領域1d、ソース領域1eに入射光が侵入することを防止するための第2遮光膜19が設けられている。
さらに、第2遮光膜19の表面(液晶層50側の面)の略全面には、TFTアレイ基板10に設けられている全ての画素電極9に共通した対向電極28が設けられている。対向電極28は、画素電極9に対向してネマチック液晶分子21を駆動する機能を果たす。
さらに、対向電極28が設けられた基板本体20Aの液晶層50側には、対向電極28を覆って配向膜14が形成されている。配向膜14には、図中x方向に沿ってラビング処理が施されている。
配向膜13,14は、各々に形成されたラビングにより、電圧無印加時において、膜面に対してネマチック液晶分子21をツイストネマチック配向させるものである。各配向膜13,14のラビング方向は互いに直交しており、平面視において90°ずれている。また、本実施形態においては、配向膜13,14がネマチック液晶分子21に与えるプレチルト角は8°である。プレチルト角を付与し基板面に対してネマチック液晶分子21を若干傾斜させることにより、ネマチック液晶分子21が立ち上がる方向(ネマチック液晶分子21の配向方向)を一方向に安定化させることができる。
配向膜13,14を形成する際、ポリイミドまたはSiO2等の材料をスピンコート法等の液相法により成膜する手法を採用することができる。また、材料によっては公知の蒸着法を用いて成膜し、表面に斜めに起立する柱状微細構造体を有したものであってもよい。
上記したTFTアレイ基板10及び対向基板20は、図8には図示されていないが、互いにシール材を介して貼り合わせられ、さらにシール材に形成した液晶注入口から誘電率異方性が正のネマチック液晶分子21(ポジ型ネマチック液晶材料)を注入して液晶パネル40を得るものとする。
ネマチック液晶分子21は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子21の他にもキラルネマチック液晶材料等が挙げられる。
液晶パネル40には、対向基板20及びTFTアレイ基板10の外面側に、それぞれ偏光板22,23が設けられており、図7(a)に示すように互いの光透過軸L,Nが直交するように配置されている。偏光板22,23は、電圧無印加状態における液晶装置1の光透過率が0%、電圧印加時における液晶装置1の光透過率が100%となるように、光透過軸L,Nがそれぞれ走査線3a及びデータ線6aに沿う方向に配置されている。このように、TFTアレイ基板10及び対向基板20の両外側にこれらTFTアレイ基板10及び対向基板20を挟みこむようにして、偏光板22,23をクロスニコル状態で貼り合せて本実施形態の液晶装置1としている。
次に、本実施形態のTFTアレイ基板の作成方法について説明する。
図9は、TFTアレイ基板の作成方法について模式的に示した説明図である。
図9は、TFTアレイ基板の作成方法について模式的に示した説明図である。
まず、図9(a)に示すように、ガラス等からなる透光性の基板本体10Aを用意し、これに第1層間絶縁膜、第2層間絶縁膜、半導体層、各種配線(以上、図示略)を形成する。そして、データ線を含む第2層間絶縁膜上に第3層間絶縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7は、例えば、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)、低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、スパッタリング法などの成膜法によって形成することができる。
次に、図9(b)に示すように、この第3層間絶縁膜7に、コンタクトホール8として円筒形状の微細な孔を形成する。このコンタクトホール8は、不図示のドレイン領域に通じる孔である。なお、コンタクトホール8の微細孔は、所定の孔径で形成されるとともに円筒形状以外の形状(例えば角柱状など)としても良い。
次に、図9(c)に示すように、第3層間絶縁膜上に画素電極9を公知の方法で形成する。このとき、画素電極9の画素電極本体16,36と各々の櫛歯形状部15(不図示),35とが同時に且つ一体的に形成される。画素電極9A,9Bは、互いに所定の間隔をおいて形成される。そして、同図においては、画素電極9Aがコンタクトホール8を介して不図示の画素スイッチング用TFT素子のドレイン領域と繋がっている。
次に、図9(d)に示すように、画素電極9A,9Bを覆うようにして、基板本体10A上に配向膜13を形成する。スピンコート法を用いて、ポリイミド或いはSiO2等を成膜することにより配向膜13としている。以上のような工程を経て、TFTアレイ基板10が作成される。
次に、本実施形態の液晶装置に表示用電気信号を入れた際、液晶の配向状態が如何なる配向の仕方を示すのか以下に詳しく説明する。図10は、電圧印加時における液晶の配列状態を示す説明図である。
図10の実線矢印Tは、TFTアレイ基板10上におけるネマチック液晶分子の配向方向を示している。
図10に示すように、ネマチック液晶分子21の配向方向に対して垂直な方向に異なる形状の画素電極9が連設している。各画素電極9A,9Bは、櫛歯形状部15,35の長手方向を、液晶の初期配向方向(電圧無印加時における液晶の配向方向)に対して垂直な方向に沿わせた状態で配置されており、平面視において、櫛歯形状部15,35同士が液晶の配向方向に沿って交互に存在している。
図10に示すように、ネマチック液晶分子21の配向方向に対して垂直な方向に異なる形状の画素電極9が連設している。各画素電極9A,9Bは、櫛歯形状部15,35の長手方向を、液晶の初期配向方向(電圧無印加時における液晶の配向方向)に対して垂直な方向に沿わせた状態で配置されており、平面視において、櫛歯形状部15,35同士が液晶の配向方向に沿って交互に存在している。
ここで、液晶の配向方向に対して垂直な方向に隣接する画素電極9A,9Bに異なる電圧を印加する。本実施形態においては、画素電極9Aに0V、画素電極9Bに5Vを印加するものとする。すると、図10に示すように、互いに異なる電圧が印加された画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35間には、液晶の配向方向に沿った電界G(図中の破線矢印で示す)が発生する。
画素電極9Aに印加される電圧は0V、つまり電圧が印加されないから、画素電極9A上に位置するネマチック液晶分子21の配向は、電圧無印加時における初期配向状態(すなわち、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で略均一にねじれた状態)と変わらない。一方、画素電極9Bに印加される電圧は5Vであるため、対向電極28との間に生じる電界により、基板面に対してネマチック液晶分子21が垂直に配向する。
本実施形態の液晶装置1は、上述したように誘電率異方性が正のネマチック液晶分子21を用いている。誘電率異方性が正のネマチック液晶分子21は、その長軸方向を電界の方向に沿って配向しようとする性質を有している。
誘電率異方性が正のネマチック液晶分子を用いた従来のTN型液晶装置では、図11,12に示すように、TFTアレイ基板10に設けられた相隣接する画素電極9に異なる電圧を印加した際、各電極端で発生する電界(特に、液晶の配向方向に垂直な方向に発生する横電界E)によって、不本意な方向に液晶分子が配向してしまう配向不良が発生していた。
このように配向不良となる液晶分子21の多くは画素領域Cの端部で生じる傾向にある。ネマチック液晶分子21の配向不良が生じると、液晶同士の干渉に起因するディスクリネーション(線欠陥)が発生してしまう。このディスクリネーションの発生及びその消失にはヒステリシスを伴うため、例えば、残像等が発生して画像の表示品位が低下するという心配があった。
所望とする配向状態でないネマチック液晶分子21の配向不良は、図7(a)に示したように、液晶パネル40に二枚の偏光板22,23(偏光板22,23をクロスニコルに配置して、配向膜13のラビング方向に対して偏光板22の光透過軸Lが平行をなすように配置するとともに、配向膜14のラビング方向に対して偏光板23の光透過軸Nが平行をなすように配置した場合)を配置したときに局所的に透過率変化が著しく変化するように見えてしまう。
しかしながら、本実施形態によれば、図10(a)に示すように、TFTアレイ基板10における画素領域Cの境界に位置するネマチック液晶分子21の配向を、画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35間に発生する電界Gによって制御することができる。詳しくは以下に述べる。
本実施形態の液晶装置1は、液晶の配向方向に隣接する画素領域C同士の境界となる画素間領域Dに、隣接する画素電極9A,9Bの櫛歯形状部15,35同士が液晶の配向方向に沿って交互に存在する構成となっている。そのため、図10(b)に示すように、隣接する画素電極9A,9Bに異なる電圧を印加した際、櫛歯形状部15,35の長辺15a,35a間には、液晶の配向方向に沿う電界Gが発生する。また、画素電極9Aの櫛歯形状部15の短辺15bと、画素電極9Bの画素電極本体36の辺36bとの間には、液晶の配向方向に垂直な方向に横電界Eが発生する。さらに、画素電極9Aの画素電極本体16の辺16aと、画素電極9Bの櫛歯形状部35の短辺35bとの間には、液晶の配向方向に垂直な方向に横電界Eが発生する。
既に述べたように、隣接する画素電極9A,9Bは、液晶の配向方向で対向する辺の長さ(対向量)の総和が、液晶の配向方向に垂直な方向で対向する辺の長さ(対向量)の総和よりも大きくなるよう構成されている。そのため、液晶の配向方向に垂直な方向に発生する横電界Eの大きさの総和よりも、液晶の配向方向に沿って発生する電界Gの大きさの総和の方が大きくなる。すなわちこれは、液晶の配向方向に垂直な方向に発生する横電界Eよりも、液晶の配向方向に沿って発生する電界Gの方が強い電界であることを意味する。したがって、電圧印加時に画素間領域Dに発生する電界を液晶の配向方向に平行な電界Gとすることができる。
以上によれば、電界Gの作用による配向規制力によって、ネマチック液晶分子21を横電界による配向不良を生じることなく配向させることができる。よって、画素領域C間及び画素電極9の端部上に生じていた液晶の配向不良を防止することができる。
また、図14に示すように、櫛歯形状部15,35の上方は、画素電極9A上で初期配向状態の液晶群と、画素電極9B上で垂直配向する液晶群との境目となるのでネマチック液晶分子21の配向に乱れが生じてしまう。しかしながら、本実施形態では、ネマチック液晶分子21の配向不良が画素電極9a,9b上では発生していない。そのため、画素領域C全体を十分に表示に活用することができる。
さらに、配向不良が生じる画素間領域Dは画素間における遮光部分に対応する。つまり、画素間に第1遮光膜11a及び第2遮光膜19を格子状に設けることによって、櫛歯形状部15,35の上方で発生するノイズ光がシャットアウトされる。よって、画素間領域Dの光透過率が表示に影響することはなく、これら第1遮光膜11a及び第2遮光膜19によってより画像のコントラストを向上させることができる。また、従来の液晶装置に比べて液晶分子の配向不良が遼に少ないため、第1遮光膜11a及び第2遮光膜19を設ける領域を削減することができる。これにより、開口率を向上させることができる。
このように、ネマチック液晶分子21の配向方向を制御することによって配向不良の発生が防止され、画素領域C内における略全てのネマチック液晶分子21をノーマル配向させることができる。よって、画素領域Cにおけるネマチック液晶分子21の配列が安定して液晶分子同士の干渉が防止され、ディスクリネーションの発生を防止及び抑制することができる。したがって、高透過率が実現され、高コントラストで明るく均一な表示品質を有する液晶装置1とすることができる。
また、ネマチック液晶分子21のリバースツイストを防止することでネマチック液晶分子21の配向制御が迅速に行われ、これにより、ネマチック液晶分子21の応答時間が向上するので画像の残像発生を抑制することができる。これにより、残像等が発生することもなく光の透過率を高度に保つことができる。よって、画像の表示品位が向上し、視認性の良い画像を提供することができる。
なお、図13に示すように、上述した櫛歯形状部15,35の寸法における条件を満たしていても、隣接する画素電極9A,9Bにおいて、図中の実線矢印Tで示す、液晶の配向方向に沿って交互に存在する櫛歯形状部15,35同士の間隔が一定で場合には、画素間に液晶の配向方向に沿った電界を発生させることができない虞がある。
つまり、隣接する画素電極9A,9Bにおいて、液晶の配向方向で対向する辺(長辺15a,35a)の長さの総和が、液晶の配向方向に垂直な方向で対向する辺(短辺15b,辺36、及び短辺35b,辺16a)の長さの総和よりも小さい構成であると、液晶の配向方向に垂直な方向に発生する電界Gよりも、液晶の配向方向に垂直な方向に発生する横電界Eの方が強い電界となってしまう。図13に示すように、電界Gと横電界Eとが直交するようにして生じる箇所(二点差線の丸印O,Pで示す)においては、対向する辺同士の対向距離が短い方の電界が強くなる。丸印Oで示す箇所では、対向する辺16a,36b同士の対向距離よりも、長辺15a,35a同士の対向距離の方が短いため、電界Gが発生する。丸印Pで示す箇所では、対向する長辺15a,35a同士の対向距離よりも、辺16a,36b同士の対向距離の方が短いため、横電界Eが発生してしまう。
なお、図中では、実線矢印で示す電界G,Eのうち、強い電界の方を太線矢印で示してある。
なお、図中では、実線矢印で示す電界G,Eのうち、強い電界の方を太線矢印で示してある。
そのため、画素電極9の形状及びTFTアレイ基板上への配置条件等は、画素領域間に、液晶の配向方向に沿う電界Gを確実に生じさせることができるように、隣接する画素電極9A,9Bにおいて、液晶の配向方向で対向する辺(長辺15a,35a)の長さの総和が、液晶の配向方向に垂直な方向で対向する辺(短辺15b,辺36、及び短辺35b,辺16a)の長さの総和よりも大きい構成にしなければならない。また、画素領域間に、液晶の配向方向に沿う電界Gを確実に生じさせることができる構成であれば、櫛歯形状部の数、櫛歯形状部同士の配置間隔、櫛歯形状部の寸法形状等は、上述した実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明の一実施形態としての液晶装置1を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、且つ当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、本実施形態では、画像表示用スイッチングTFT素子30を用いたアクティブマトリクス型液晶装置についてのみ説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、TFD(Thin-Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス型液晶装置にも適用可能である。また、本実施形態では、透過型の液晶装置についてのみ説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、反射型や半透過反射型の液晶装置にも適用可能である。このように、本実施形態はいかなる構造の液晶装置にも適用することができる。
また、液晶装置の構造において、ツイスト角が90°前後のTN型でなくてもよく、ねじれを有する構造であればツイスト角に規定はない。
[電子機器]
上記実施の形態の液晶装置を備えた電子機器の例について説明する。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記実施形態の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
上記実施の形態の液晶装置を備えた電子機器の例について説明する。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記実施形態の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
図14(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14(b)において、符号600は情報処理装置、符号601はキーボードなどの入力部、符号603は情報処理装置本体、符号602は上記実施形態の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
図14(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図14(c)において、符号700は時計本体を示し、符号701は上記実施形態の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
このように図14に示す電子機器は、表示部に上述の本実施形態の一例たる液晶装置を適用したものであるので、例えばラビング処理を施したときのようなラビング筋が表示される不具合がなく、また高コントラストで明るく品質の高い表示を長期に渡って維持することが可能な表示装置となる。
[投射型表示装置]
次に、上記実施形態の液晶装置を光変調手段として備えた投射型表示装置(プロジェクタ)の構成について、図15を参照して説明する。図15は、上記実施形態の液晶装置を光変調装置として用いた投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。図15において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は液晶光変調装置、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投写レンズを示す。
次に、上記実施形態の液晶装置を光変調手段として備えた投射型表示装置(プロジェクタ)の構成について、図15を参照して説明する。図15は、上記実施形態の液晶装置を光変調装置として用いた投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。図15において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は液晶光変調装置、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投写レンズを示す。
光源810はメタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。青色光、緑色光反射のダイクロイックミラー813は、光源810からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、上述の本実施形態の一例たる液晶装置を備えた赤色光用液晶光変調装置822に入射される。
一方、ダイクロイックミラー813で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー814によって反射され、上述の本実施形態の一例たる液晶装置を備えた緑色光用液晶光変調装置823に入射される。なお、青色光は第2のダイクロイックミラー814も透過する。青色光に対しては、光路長が緑色光、赤色光と異なるのを補償するために、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられ、これを介して青色光が上述の本実施形態の一例たる液晶装置を備えた青色光用液晶光変調装置824に入射される。
各光変調装置により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム825に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
1…液晶装置、9…画素電極、10…TFTアレイ基板、13…配向膜、14…配向膜、15,35…櫛歯形状部、28…対向電極、20…対向基板、21…ネマチック液晶、ネマチック液晶分子、50…液晶層、A…画像表示領域、C…画素領域、D…画素間領域、E…電界、L…透過軸、N…透過軸
Claims (4)
- 一対の基板間に、誘電率異方性が正の液晶からなる液晶層を挟持してなり、前記一対の基板のうち一方の基板の前記液晶層側に設けられる複数の画素電極と、前記一対の基板のうち他方の基板の前記液晶層側に設けられる対向電極と、を備え、
前記画素電極は、画素電極上の液晶の配向方向に対して平行な方向の画素電極の一辺の形状が隣接する画素電極と互いに櫛歯状をなしていることを特徴とする液晶装置。 - 前記画素の櫛歯形状は、その長さ寸法が幅寸法よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の液晶装置。
- ツイストネマチック型であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
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-
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