JP2001520018A - 低pHの乳酸発酵 - Google Patents

低pHの乳酸発酵

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Abstract

(57)【要約】 酸寛容性のラクテート産生微生物、例えば酸寛容性のホモ乳酸型細菌を栄養培地中でインキュベートして、高レベルの遊離乳酸を含む発酵ブロスを得ることを含んでなる乳酸の製造方法が提供される。また、高レベルの遊離乳酸を産生することができる単離された酸寛容性のホモ乳酸型細菌も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 乳酸およびその塩は、これまで、化学、化粧品、食品および医薬工業における
種々の応用分野において広く利用されている。より最近になって、ラクテートに
基づく新規な生物工学材料(例えば、生分解性ラクチドポリマー)が、ラクテート
(特に、遊離酸形態のL-またはD-ラクテート)の需要の増加を高めている。
【0002】 (背景技術) 種々の工業用ポリマーの製造における乳酸の使用は、例えば、米国特許No.5
,142,023、No.5,247,058、No.5,258,488、No.5,35 7,035、No.5,338,822、No.5,446,123、No.5,539,0 81、No.5,525,706、No.5,475,080、No.5,359,026、
No.5,484,881、No.5,585,191、No.5,536,807、No.5
,247,059、No.5,274,073、No.5,510,526およびNo.5, 594,095に記載されている[本出願の譲受人であるカーギル・インコーポレ
イテッド(ミネソタ州ミネアポリス)が所有しているこれら17件の特許の全開示
が本明細書の一部を構成する]。
【0003】 乳酸の製造に化学的方法を使用することができるが、石油化学供給原料の価格
の上昇および通常の化学的方法によって製造されるラセミ体ラクテート混合物を
分割する必要性が、発酵法を、光学異性体の一方に富むラクテートを製造するた
めの魅力的な代替法にしている。生分解性のラクチドポリマーの製造に使用する
方法は、出発原料として遊離酸型のL-またはD-ラクテートのいずれかを必要と
するのが普通である。しかし、ほとんどの有機酸発酵を用いたときには、有機酸
(本件の場合には乳酸)による最終生成物抑制が、効率的な発酵に対する大きな障
害になりうる。ラクテート発酵に通常使用される細菌株は、ラクテート濃度の他
に低pHによっても抑制されうる。この問題を克服するために、工業的なラクテ
ート発酵法は、比較的高いpH(例えば少なくとも約5.0、さらに6.0または それ以上であることも多い)で行われるのが普通である。これは、実質的に全て が塩の形態で存在するラクテート生成物を製造する結果になる。追加の工程が、
カチオン対イオンの除去および所望の遊離乳酸の単離のために必要になるのが普
通である。さらに、高濃度のある種の塩(例えばナトリウムカチオン)は発酵に対
して抑制効果を有することもあるので、存在する塩の種類および/または量も、
発酵効率に影響を与えうる。
【0004】 ラクトバシラス・アミロボラス(Lactobacillus amylovolus)を用いる、酵素減
少させたコーンスターチからのラセミ体ラクテートの製造が報告されている。4
.2程度のpHにおいて、比較的高い生産レベルが報告されているが、この発酵 はどちらかの光学異性体に富むラクテートを与えるものではない。
【0005】 ラクテート発酵の効率を改善するための多くの方法が報告されている。これら
のいくつかは、連続的に発酵ブロスから遊離乳酸を除去することを包含する。例
えば、発酵ブロスからラクテートを除去することによって最終生成物抑制を低下
させるために電気透析が使用されている。低ラクテート勾配と組合わせる透析膜
の高コストが、一般にこの方法の魅力を低下させている。また、発酵培地からラ
クテートを除去するためのポリビニルピリジンの使用およびイオン交換も報告さ
れている。最近になって記載されたさらに別の方法は、多段階抽出操作を包含す
る。この方法は、さらなるラクテート生成を抑制する値にまでブロスのpHが低
下することを抑制する目的で、第三アミンを用いてブロスからラクテートを抽出
することを包含する。しかし、その報告によれば、この方法によって達成される
ラクテート生産レベルは、なお非常に低いレベルである。また、この方法の使用
は、抽出された発酵ブロスを第2の抽出にかけて、第三アミン抽出体の残留濃度
を少なくとも低下させ、次いで、抽出されたブロスを発酵反応に戻して再使用す
ることをも必要とするであろう。
【0006】 ラクトバシラスの発酵に基づいて遊離酸形態にある乳酸を製造するためのこれ
ら全ての方法は、1またはそれ以上の欠点を有している。他のさらに酸寛容性の
微生物の発酵に基づく代替法も報告されている。サッカロミセス・セレビジエ(S
accharomyces cerevisiae)などの酵母は、ラクトバシラスよりもさらに低いpH
で増殖することができる。サッカロミセス・セレビジエ中に細菌(ラクトバシラ ス)または哺乳動物(ウシ)供給源からのラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子を導 入することによって、組換え酵母株が調製されている。この組換え酵母株は、そ
の報告によれば、乳酸のpKa(約3.8)以下においてラクテートを産生すること ができる。しかし、これらの組換え酵母株によって得られる主な発酵生成物はエ
タノールである。これは、ラクテート産生の効率を低下させ、遊離乳酸の分離お
よび精製に関する追加の潜在的な問題を提起する。また、ペレット形態の菌類、
リゾプス・オルギゼ(Rhizopus orgyzae)による乳酸の製造も報告されている。こ
の菌類の発酵は、主な副生成物としてグリセロールおよび/またはエタノールを
も産生するのが普通である。この場合、遊離乳酸の収率は、ポリビニルピリジン
(「PVP」)カラムを用いる発酵ブロスからの連続除去によって最適化されてい
る。約25g/Lより高いラクテート濃度が、リゾプス/PVP法を用いて低発
酵pHにおいて得られたとは報告されていない。
【0007】 (発明の開示) 本発明は、発酵によるラクテートの製造に関する。特に本発明は、酸寛容性の
ラクテート産生微生物(例えば酸寛容性の細菌)による発酵によって、高レベルの
遊離乳酸を含む発酵ブロスを生成させることに関する。高レベルの遊離乳酸の存
在は、ブロスから遊離酸の形態でラクテートを単離するのに必要になる下流の処
理を容易にすることができる。
【0008】 一般的に、発酵ブロス(または他の乳酸/乳酸塩混合物)を約4.8またはそれ 以下(好ましくは4.5またはそれ以下、最も好ましくは4.3またはそれ以下、 通常は3.5〜4.2)のpHにするように行われる方法を用いて、全体的に効率 的な方法を開発することができることがわかった。この際、生成した乳酸をポリ
マー製造に使用することができ、所望により、回収された乳酸塩を、緩衝剤とし
て発酵系に再循環させることができるか、またはpH制御のために使用すること
ができる。
【0009】 乳酸製造のために本発明において提供される方法は、酸寛容性のラクテート産
生微生物(例えば、酸寛容性のホモ乳酸型ラクトバシラス)を、ラクテート生成物
の大きな部分を遊離酸形態で与えるpHの栄養培地中でインキュベートすること
を包含する。本明細書において、「酸寛容性」なる用語を細菌に関連して用いる
ときには、ラクテート生成物の大きな部分を遊離酸形態で与えるのに充分なpH
においてラクテートを産生することができる細菌を指すことを意味する。通常、
酸寛容性の細菌は、少なくとも約25g/Lの遊離乳酸を産生することができる
。通常、このような細菌は、約4.2以下の「平均インキュベートpH」の栄養 培地中で、少なくとも約50g/Lのラクテート(即ち、50g/Lの合計ラク テート)を産生することができる。
【0010】 限界ラクテート濃度に到達する点まで発酵を行わないときには、「平均インキ
ュベートpH」は、発酵中に10またはそれ以上の等しい時間間隔で測定したp
H値の平均に基づいて決定される。本発明の発酵方法は、連続的に行うことがで
きる。このような条件下では、最初の始動相が終了した後に、定常状態条件(p H、ラクテート濃度および栄養濃度の点で)が達成され、そして維持されるのが 普通である。発酵をこのように行うときには、平均インキュベートpHは、最初
の始動相が終了した後のブロスの平均pHである(即ち、始動相におけるpHは 、平均インキュベートpHを決定する際には無視される)。
【0011】 pHおよび/または乳酸濃度がさらなるラクテート産生を抑制する点まで発酵
を行うときには、「平均インキュベートpH」は、限界ラクテート濃度の90%
を産生するのに必要な時間内に10またはそれ以上の等しい時間間隔で測定した
pH値の平均に基づいて決定される。本明細書中で用いる「限界ラクテート濃度
」とは、発酵によって得られるpHおよび/または乳酸濃度がさらなるラクテー
ト産生を抑制する、所与の組のインキュベート条件下(栄養培地、温度、曝気度)
でのラクテート濃度である。本明細書で用いる「限界インキュベートpH」なる
用語は、pHおよび/または乳酸濃度がさらなるラクテート産生を抑制する、所
与の組のインキュベート条件に対する発酵ブロスのpHを意味する。ラクテート
産生の抑制は、産生されるラクテートの量が、同一条件下での約12時間までの
さらなるインキュベートによって、約3%を越えて増加しないときに起こってい
ると見なされる。この定義は、ラクテート産生のための充分な栄養が発酵ブロス
においてなお利用可能であると仮定している。
【0012】 本明細書における「栄養培地」および「発酵ブロス」なる用語は交換可能に用
いる。これらの用語は、(i)栄養供給源として酸寛容性の細菌に最初に供給され
る形態の培地、および(ii)最初に供給された栄養の一部または全部が消費され、
ラクテートを含む発酵生成物が細菌によって培地中に分泌された後に得られる培
地の両方を指す。
【0013】 本発明の方法においては、酸寛容性の細菌をインキュベートしてラクテートを
産生させた後の発酵ブロスのpHは、約4.2以下であるのが普通である(「最終
インキュベートpH」)。本明細書中で言及する「最終インキュベートpH」と は、酸寛容性の細菌の増殖および/またはラクテート産生が止まった時点での発
酵ブロスのpHである。増殖および/またはラクテート産生の停止は、反応温度
の変化、発酵ブロス中の1またはそれ以上の必要な栄養の枯渇、pHの意図的な
変化、または細菌細胞からの発酵ブロスの分離の結果であることもある。ラクテ
ート産生を停止させるためにブロスに充分な酸または塩基を添加することによっ
て発酵を抑制する場合には、最終インキュベートpHは、この添加の直前の栄養
培地のpHであると定義される。また、増殖および/またはラクテート産生は、
1またはそれ以上の発酵生成物の蓄積および/または発酵生成物の蓄積に起因す
るブロスpHの変化によって停止することもある(即ち、発酵反応が、所与の組 のインキュベート条件に対して自己限界点に到達する)。上記のように、乳酸な どの有機酸を産生する細菌発酵にとって、最終生成物抑制を受けることは全く普
通のことである。
【0014】 本出願において使用する「ラクテート」なる用語は、遊離酸または塩のいずれ
かの形態にある2-ヒドロキシプロピオネート(即ち、「全ラクテート」)を意味 する。「乳酸」および「遊離乳酸」なる用語は、本明細書においては交換可能に
用い、酸形態、即ち2-ヒドロキシプロピオン酸を指す。塩形態のラクテートを 、本明細書においては特に乳酸塩(例えば、乳酸のナトリウム塩または乳酸ナト リウム)と言う。
【0015】 また本発明は、酸寛容性のホモ乳酸型細菌を提供するものである。この酸寛容
性のホモ乳酸型細菌は、通常、少なくとも約40℃のインキュベート温度で少な
くとも約25g/Lの遊離乳酸を産生することができる。本発明の酸寛容性細菌
の別の態様は、約4.2以下の平均インキュベートpHおよび約40℃を越える 温度で、少なくとも約50g/Lのラクテートを産生することができる。通常、
酸寛容性細菌は、ラクテート生産性のこれら尺度の両方を満たすことができる。
【0016】 (発明を実施するための最良の形態) 細菌学的系による、5.0またはそれ以下、好ましくは4.8またはそれ以下、
通常は3.5〜4.5のpHを有する乳酸溶液の生成は、より高い割合(%)の乳酸
形態にあるラクテート物質の生産を導く。乳酸塩ではなく乳酸の形態で発酵過程
から比較的大量の生成物を得ることは、酸性化および/または「塩分割」のよう
なある種の後処理工程の必要性またはその程度を軽減することができるので有利
である。即ち、比較的大量の物質が遊離乳酸として生成するときには、ラクテー
トから乳酸を生成させる処理工程ならびにそれに伴う費用および結果が、軽減ま
たは回避される。ある種の酸性化を行うときであっても、高pH系の場合と比較
すると、相当に少ない酸添加でよいであろう。一般的に、発酵ブロスを約4.8 またはそれ以下(好ましくは4.5またはそれ以下、最も好ましくは4.3または それ以下、通常は3.5〜4.2)のpHにするように行われる方法を用いて、全 体的に効率的な方法を開発することができることがわかった。この際、生成した
乳酸をポリマー製造に使用することができ、回収された乳酸塩を、緩衝剤として
発酵系に再循環させることができるか、またはpH制御のために使用することが
できる。
【0017】 本発明の方法は、適当な栄養培地中での酸寛容性のホモ乳酸型細菌のインキュ
ベートにより、ラクテートの効率的な製造、特に、高濃度の遊離乳酸の効率的な
製造を可能にする。酸寛容性のホモ乳酸型細菌は、工業用トウモロコシ製粉設備
のコーンスチープ水から単離することができる。この種類の異なる細菌がラセミ
体ラクテートまたはD-もしくはL-異性体のどちらかに富むラクテートを産生す
ることができるが、本発明の方法は、好ましくはL-もしくはD-ラクテートを多
く産生するホモ乳酸型細菌、最も好ましくは光学的に純粋な形態でL-ラクテー トを産生するホモ乳酸型細菌を使用する。
【0018】 本発明の方法は、高濃度の遊離酸形態の乳酸の光学異性体の効率的な製造を可
能にする。発酵ブロス中の遊離乳酸の濃度は、方法の全体的な生産性の1つの尺
度となる。本発明の方法は、通常は少なくとも約25g/L、好ましくは少なく
とも約30g/L、さらに好ましくは少なくとも約40g/Lの遊離乳酸を含む
溶液を生成する。最も好ましくは、本方法は、これらレベルの遊離L-乳酸また は遊離D-乳酸のどちらかを産生する。製造されるラクテート(および遊離乳酸) の光学純度は、好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約
80%であり、最も好ましくは、ラクテートの一方の光学異性体が実質的に純粋
な形態で製造される。
【0019】 上記のように、本発明の方法によって製造されるラクテートは、多くがL-ラ クテートの形態にあるのが普通である。例えば、本方法の1つの態様は、酸寛容
性のホモ乳酸型細菌を栄養培地中でインキュベートして、少なくとも約75重量
%のL-ラクテート(即ち、少なくとも約50%の光学純度を有するL-ラクテー ト)を含むラクテートを生成させる。好ましくは、本発明の方法によって製造さ れるラクテートの光学純度は少なくとも約80%であり、さらに好ましくは少な
くとも約90%(例えば、少なくとも約95重量%のL-ラクテートを含む)であ る。最も好ましくは、本発明の方法は、実質的に光学的に純粋な形態にあるL- またはD-ラクテートを与える(即ち、製造されるラクテートは、99重量%また
はそれ以上の単一の光学異性体を含有する)。
【0020】 発酵ブロスが3.0〜4.5のpH値を有するときには、相当な量の乳酸が未解
離の形態で存在するであろう(図6を参照)。実際のところ、pH3.0において は、遊離乳酸(未解離)とラクテートイオンの25℃でのモル比は約7.0であり 、pH約4.5においては、25℃でのこのモル比は約0.23である。溶液中に
存在する遊離乳酸の合計量は、溶液のpHおよび混合物中のラクテートの合計濃
度の両方の関数である。即ち、所与の溶液(例えば発酵ブロス)に対するこれら2
種類のパラメーターを特定することによって、遊離乳酸の濃度が有効に特定され
る。本発明の方法は、比較的低いpHにおいて、少なくとも約50g/L、好ま
しくは少なくとも約80g/L、さらに好ましくは少なくとも約100g/Lの
ラクテートを含む溶液を生成することができる。溶液のpHが低くなるにつれて
、遊離酸の形態で存在するラクテートの割合(%)が高くなる。例えば、培地pH
が乳酸のpKa(約3.8)に等しいときには、50%のラクテートが遊離酸の形態 で存在する。pH4.2では約31%のラクテートが遊離酸として、また、pH 4.0および3.9ではそれぞれ約41%および47%のラクテートが遊離酸の形
態で存在する。遊離乳酸の割合は、さらに高いpHではさらに低くなり、pH4
.5では18%であり、pH5.0では6.6%である。
【0021】 インキュベート工程中のブロスのpHを、いくつかの異なる方法(例えば、平 均インキュベートpHまたは最終インキュベートpH)で表すことができる。本 発明の発酵方法は、通常は約4.3以下、好ましくは約4.2以下、さらに好まし
くは約4.0以下の平均インキュベートpHにおいて、高レベルのラクテートを 製造することができる。別法によれば、インキュベート中のブロスのpHを、最
終インキュベートpHで表すことができる。本発明の方法は、通常は約4.2以 下、好ましくは約4.0以下、さらに好ましくは約3.9以下の最終インキュベー
トpHにおいて、高ラクテート濃度の製造を可能にする。本発明の発酵方法の特
に効率的な態様は、約4.0以下の平均インキュベートpHおよび/または約3.
9以下の最終インキュベートpHにおいて、少なくとも約80g/Lのラクテー
トを製造することができる。
【0022】 本発明の発酵方法を連続的に実施することができ、この場合には、発酵の進行
に伴って発酵ブロスの一部を取出す。これは、連続的にまたは定期的な間隔で行
うことができる。通常は、充分な栄養培地を反応器に加えて一定の液量を維持す
る。このような発酵条件下では、最初の始動相が終了した後に、定常状態条件( pH、ラクテート濃度および栄養濃度の点で)が達成され、そして維持されるの が普通である。発酵をこのように行うときには、ブロスの平均インキュベートp
H(始動相におけるpHは無視される)および最終インキュベートpHは、本質的
に同一である。このような条件下で、発酵を、通常は約4.2以下、好ましくは 約4.0以下、さらに好ましくは約3.9以下のpHで行う。
【0023】 本発明のインキュベート法を比較的低い温度、例えば約30〜38℃で行うこ
ともできるが、酸寛容性のホモ乳酸型細菌を、通常は少なくとも約43℃、より
好ましくは約45〜52℃の温度の適当な栄養培地中でインキュベートする。最
も好ましくは、発酵を約47〜50℃で行う。発酵をこのような温度で行うと多
くの利点が存在する。この温度範囲においては、他の競合生物の増殖による複雑
化の機会が減少する。さらに、比較的高い温度では、一般に反応がより速い速度
で進行し、方法の装置の効率的な利用を可能にする。発酵を高すぎる温度、通常
は約54℃またはそれ以上の温度で行うと、ホモ乳酸型細菌の増殖および/また
はラクテート産生がないに等しくなるであろう。しかし、通常の選択方法を用い
て、55℃またはそれ以上の温度で増殖およびラクテート産生が可能な突然変異
のホモ乳酸型細菌株を同定することが可能であろう。
【0024】 本明細書中に記載する「栄養培地」とは、本発明の細菌の増殖に必要な無機物
およびその塩を含む水を基本とする組成物を指す。通常、この栄養培地は、有効
量の炭素源、窒素源、ホスフェート源、スルフェート源、カルシウムおよび微量
元素を含有する。「微量元素」なる用語は、痕跡濃度で、即ち1%よりもさらに
低い濃度(1000ppmまたはそれ以下)で、増殖に必須である元素を指す。
【0025】 通常、本発明の細菌は、増殖および/またはラクテート産生に多くの炭素およ
びエネルギー源、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、メリビオー
ス、スクロース、ラフィノースおよび/またはスタキオースを利用することがで
きる。一部の細菌は、これら糖の全てまたは大部分を炭素およびエネルギーの供
給源として利用することができるが、他の菌株には選択性があり、列挙した糖の
1つまたは2つにおいてのみ増殖することができることもある。他の場合には、
デンプン(例えばコーンスターチ)またはその加水分解物を、主な炭水化物供給源
として使用することができる。
【0026】 本明細書において使用する「コーンスチープ水」とは、トウモロコシ浸出タン
クから得られる水、ならびに、これから導かれる実質的に同一の栄養スペクトル
を有する他の溶液を指す。例えば、コーンスチープ液(「重スチープ水」と呼ば れることもある)は、通常は真空下で水および他の揮発性成分を除去することに よって得られる濃縮形態のコーンスチープ水である。通常、コーンスチープ液は
、約35〜50重量%の乾燥固形分含量を有する。本明細書中の実施例に記載さ
れた実験において使用されるコーンスチープ液は、36重量%の乾燥固形分含量
を有しており、本明細書中では「CSL」と言う。コーンスチープ液を製造する
ために濃縮する直前にトウモロコシ浸出タンクおよび/または関連のラインから
直接得たコーンスチープ水は、約10〜15重量%の範囲の乾燥固形分含量を有
するのが普通であり、これを本明細書中では「軽スチープ水」(「LSW」)と言
う。軽スチープ水は、約500ppm以下のSO2含量を有するのが普通である 。本発明の方法において使用する栄養培地を補足するために使用するスチープ水
は、好ましくは約300ppm以下、さらに好ましくは約200ppm以下のS
2含量を有する。本明細書中の実施例に記載された実験において使用される軽 スチープ水は、12重量%の乾燥固形分含量を有する。
【0027】 コーンスチープ水から単離した1またはそれ以上のホモ乳酸型菌株を用いてラ
クテートを製造しようとする場合には、栄養培地は、少なくとも約15g/Lの
スチープ水乾燥固形分に相当するコーンスチープ水を含有するのが普通である。
栄養培地は、好ましくは少なくとも約25g/L、さらに好ましくは少なくとも
約30g/Lのスチープ水乾燥固形分に相当するコーンスチープ水を含有する。
【0028】 本発明の発酵方法に使用するのに適する栄養培地の1つの例は、MRS培地[ 例えば、ベクトン・ディッキンソン社(Becton Dickinson & Co.)から市販されて
いるMRS培地]などである。通常、このMRS培地に、栄養の一般的供給源お よび窒素供給源を与えるためにコーンスチープ水を追加し、そして、炭素および
エネルギー供給源としてさらに炭水化物(例えばグルコースまたはフルクトース)
を追加する。また、本発明の方法に使用するのに適する典型的な培地は、マグネ
シウム塩、マンガン塩、リン酸塩、カリウム塩および/またはクエン酸塩をも含
有する。しかし、特定量のこのような塩を培地に加える必要はないであろう。ま
た、栄養培地は、非イオン性界面活性剤、例えばソルビタンのポリオキシエチレ
ン誘導体の脂肪酸モノエステル[例えば、ツイーン(TweenR)80;これはポリオ キシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートである]をも含有する。
【0029】 種々の無機成分のそれぞれの供給源として別々の塩を用いて、培地を調製する
ことができる。別法によれば、1を越える成分の供給源として働く1つの塩を用
いて、栄養培地を調製することもできる。例えば、リン酸水素カリウム(K2HP
4)を、カリウムカチオンおよびリン酸アニオンの両方の供給源として添加する
ことができる。栄養培地の調製中に種々の成分を水に溶解した後に、存在する種
々の溶解塩の間でカチオンおよびアニオンの交換が起こることは理解されるであ
ろう。例えば、培地の調製中に硫酸マグネシウムおよびクエン酸アンモニウムを
水に添加すると、得られる溶液は、硫酸マグネシウムおよびクエン酸アンモニウ
ム種に加えて、ある程度の硫酸アンモニウムおよびクエン酸マグネシウム種をも
含有するであろう。本発明の発酵方法に使用するのに特に適する1つの種類の栄
養培地には、追加の炭素およびエネルギー供給源としてグルコースおよび/また
はフルクトースを追加したコーンスチープ水が含まれる。
【0030】 本発明において使用するのに適する培地の1つの例は、以下に挙げる成分を含
有する: 約30〜45g/Lのスチープ水乾燥固形分に相当するコーンスチープ水; 約80〜120g/Lのグルコース、フルクトースまたはこれらの混合物; 約0〜10g/Lの酵母抽出物; 約0〜1g/Lの非イオン性界面活性剤(ツイーン80など); 約0〜2g/Lのリン酸水素カリウム(K2HPO4); 約0〜0.2g/Lの硫酸マグネシウム(MgSO4); 約0〜0.05g/Lの硫酸マンガン(MnSO4); 約0〜2g/Lのクエン酸アンモニウム;および 所望により、約10〜50g/Lの炭酸カルシウム(CaCO3)。
【0031】 上記した理由から、これら量は、培地を得るために添加した種々の原料の量を
意味し、栄養培地中のこれら種の実際の濃度を意味しない。このような栄養培地
を調製する際には、一般に、非イオン性界面活性剤および炭酸カルシウムを除く
全ての成分を適当量の水に溶解し、オートクレーブ滅菌する。非イオン性界面活
性剤は、なお約100℃近辺の温度にあるオートクレーブ処理した培地に添加す
るのが普通である。次いで、得られた溶液を、通常は約60℃またはそれ以下に
冷却し、次いで炭酸カルシウムを添加する。
【0032】 本発明の方法において使用する適当な栄養培地は、少なくとも約50g/Lの
炭水化物を含んでいるのが好ましいことがわかった。より好ましくは、この栄養
培地は、少なくとも約70g/Lの、さらに好ましくは、少なくとも約90g/
Lの炭水化物を含有する。通常、この炭水化物は、グルコース、フルクトース、
ガラクトース、メリビオース、スクロース、ラフィノース、スタキロースまたは
これらの混合物から構成される。グルコース、フルクトースおよびスクロースが
、栄養培地中の炭素およびエネルギー供給源として使用するのに特に適する。一
般に、約150g/Lを越える炭水化物を培地中に導入するのは有用ではない。
【0033】 例えば、炭酸カルシウム(CaCO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化ア ンモニウム(NH4OH)および/または炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)などの 塩基を含有させるのが有利になることもあることがわかった。通常、少なくとも
約30g/Lの炭酸カルシウム(または当量の他の塩基)を栄養培地に添加する。
本方法の一部の態様、例えば比較的高レベルのラクテートを産生させる態様にお
いては、栄養培地中に約40g/Lまでの炭酸カルシウムを含有させるのが好ま
しいであろう。さらに高レベルの塩基を使用することもできるが、炭酸カルシウ
ム塩の溶解性の制限および比較的低いブロスpHを維持する必要性のゆえに、一
般に、約100g/Lを越える炭酸カルシウムを培地中に導入するのは有用では
ない。存在する炭酸カルシウムの全体量が、最初は栄養培地に溶解しないことが
非常に多いであろう。発酵が進行するにつれて、炭酸カルシウムの一部が乳酸と
反応して、乳酸カルシウムを生成するであろう。これが起こるにつれて、未溶解
の炭酸カルシウムの追加部分が溶液中に取込まれるであろう。全体的な効果は、
生成する乳酸の一部を中和すること、およびブロスのpHが所望のレベル以下( 例えば、約3.8〜3.9以下)に低下するのを防止することである。
【0034】 この効果を達成するために炭酸カルシウムなどの塩基を添加する必要はないで
あろう。乳酸塩(例えば、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウムまたは乳酸アンモニ ウム)を含む溶液を添加して、発酵ブロスのpHを緩衝させる助けとすることが できる。これが起こるであろう過程の1つの例は、インキュベート細菌からの発
酵ブロスの分画の分離、および、この分画中に含まれる遊離乳酸の一部または全
部を除去した後のこの分画の発酵への再循環を包含するであろう。別法によれば
、乳酸カルシウムが発酵ブロスから単離(例えば、固体形態で)され、発酵に添加
される栄養培地と混合されるであろう。一般に、緩衝塩として乳酸塩を添加する
のが有利になりうる。その理由は、これにより発酵ブロスに添加される中和用塩
基の量が最少化され、塩形態に変換される産生ラクテートの量が最少化されるた
めである。
【0035】 少なくとも約70g/Lのグルコースおよび/またはフルクトースならびに少
なくとも約20g/Lの炭酸カルシウムを含む栄養培地が、本発明の方法におい
て使用するのに特に適する。また、本方法に使用する細菌株に依存して、コーン
スチープ水(例えば、少なくとも約25g/Lのコーンスチープ水乾燥固形分に 等しい量にある)をこの栄養培地に導入するのが好ましいであろう。発酵過程に よって生成させるラクテートの同一キラル形態のみを含むコーンスチープ水を添
加するのが特に有用である。
【0036】 ホモ乳酸型細菌の菌株および発酵条件は、通常、遊離乳酸が、少なくとも約0
.5g/L/時、好ましくは少なくとも約1.0g/L/時、さらに好ましくは少
なくとも約2.0g/L/時、最も好ましくは少なくとも約4.0g/L/時の全
体速度で産生されるように選択する。本発明においては、ラクテートまたは遊離
乳酸(またはラクテート)のいずれかの産生の全体速度は、産生された遊離乳酸( ラクテート)の全体量をインキュベート時間で割ることによって計算される。限 界ラクテート濃度が得られる発酵に対しては、遊離乳酸(ラクテート)の全体産生
速度は、遊離乳酸(ラクテート)濃度の限界の90%を産生するのに必要な時間で
計算される。
【0037】 また、本発明の方法の生産性を、ラクテートの全体産生速度として表すことも
できる。本発明の発酵方法は、通常、少なくとも約1.0g/L/時、好ましく は少なくとも約2.0g/L/時、さらに好ましくは少なくとも約3.0g/L/
時の全体速度でラクテートを産生する条件下で行う。本明細書中に示したように
、好ましくはラクテートを、平均インキュベートpHが約4.1以下、さらに好 ましくは約4.0以下であるブロスにおいて、上記速度で産生させる。
【0038】 本発明の発酵方法において使用するホモ乳酸型細菌の適当な例は、コーンスチ
ープ水の試料(例えば、工業用トウモロコシ製粉設備において見い出される)から
容易に単離することができる。さらに、異なる供給源から単離されたある種の他
のホモ乳酸型細菌も、高レベルの遊離乳酸の効率的な低pH産生を可能にする必
要な能力を有するであろう。
【0039】 コーンスチープ水中で見い出されるホモ乳酸型細菌は、増殖のためにコーンス
チープ水を含む栄養培地を必要とするのが普通であるので、このような細菌を同
定および単離するための方法における最初の工程は、通常、スチープ水含有培地
(例えば、10容量%CSL-MRS寒天)に試料をプレーティングし、次いで接 種された培地を嫌気的に約45〜50℃でインキュベートすることを包含する。
細菌単離体は、低い方の相にスチープ水のみを含む二相培地に単離体を通すこと
によって、ヘテロ乳酸型産生を容易に調べることができる。次いで、増殖性の菌
株を、二相試験管の底部におけるガスの生成についてモニターする。単離した菌
株は、低温(例えば、4℃またはそれ以下)で好都合に保存するか、または、スチ
ープ水/トマトジュース/MRS寒天増殖培地中の卓上保存物として維持するこ
とができる。所望により、コーンスチープ水からこのように単離した1またはそ
れ以上の酸寛容性の菌株を、乳酸発酵における接種体として使用することができ
る。
【0040】 このような方法を用いて、米国内の5カ所の異なるトウモロコシ製粉設備なら
びにトルコ、イギリスおよびニユージーランドにある3カ所のトウモロコシ製粉
設備から入手したスチープ水試料につき、ラクテート産生微生物を調べた。初め
に、単離した微生物をヘテロ乳酸型(即ち、ラクテートに加えて他の発酵生成物 を産生することができる)またはホモ乳酸型として特徴付けた。ホモ乳酸型の菌 株を、特に、全ラクテート産生、産生されるラクテートの光学活性、および多く
の場合には、発酵培地に添加した塩基(CaCO3)の非存在下での最終インキュベ
ートpHに基づいてさらに特徴付けた。合計して155の細菌株が単離された。
特徴付けた109の菌株のうち、98菌株(90%)が唯一の発酵生成物としてラ
クテートを産生した(「ホモ乳酸型」菌株)。本明細書中で使用する「ホモ乳酸型
」なる用語は、発酵生成物として実質的に乳酸のみを産生する細菌株を指す。残
りの11菌株(11%)は、ラクテートに加えて他の発酵生成物を産生した(「ヘ テロ乳酸型」菌株)。98のホモ乳酸型菌株のうち、22株がL-ラクテート産生
体であり、18株がD-ラクテート産生体であり、58株がラセミ体ラクテート を産生した。
【0041】 本発明のホモ乳酸型細菌は、通常、少なくとも約25g/Lの遊離乳酸を産生
することができる。最も好ましくは、これら細菌は、少なくとも約30g/Lの
遊離L-乳酸を産生することができるホモ乳酸型細菌である。本発明の別の態様 においては、これらホモ乳酸型細菌は、約4.3以下の平均インキュベートpH において、少なくとも約40g/L、好ましくは少なくとも約75g/L、さら
に好ましくは少なくとも約90g/Lのラクテートを含む溶液を生成することが
できる。本明細書中の他の箇所に記載したように、本発明のホモ乳酸型細菌の特
に効率的な菌株は、約4.0以下の平均インキュベートpHおよび/または約3.
9以下の最終インキュベートpHにおいて、上記レベルのL-ラクテート(または
D-ラクテート)を産生することができる。
【0042】 本発明の酸寛容性のホモ乳酸型細菌は、通常、約35〜53℃の温度で増殖お
よび乳酸産生を行うことができる。増殖のための最適温度は、通常、約43〜5
2℃、好ましくは約47〜50℃の範囲内であるが、ホモ乳酸型細菌は室温また
はその近辺の温度で増殖できることがわかった。温度が約53℃を越えるかまた
は約30℃を下回ると、細菌による無視される量のラクテート産生が起こるのが
普通である。この発酵過程を約47〜52℃で行うのが好ましいが、これは、酵
母およびヘテロ乳酸型ラクトバシラスの耐熱性が低く、一般にこれら温度では増
殖するとしても充分には増殖しないであろうためである。即ち、ラクテート産生
の増強に加えて、高温での酸寛容性ホモ乳酸型細菌の発酵は、他の生物による汚
染に関連した問題の可能性を減少させることができる。
【0043】 本発明のホモ乳酸型細菌は、通常、少なくとも約3.7〜6.5のpH範囲内で
、好ましくは少なくとも約3.8〜5.0のpH範囲内で、増殖およびラクテート
産生を行うことができる。細菌が中性に近いpH(例えば、6.0〜6.5)でラク
テートを産生することができる場合であっても、本発明の方法において使用する
細菌は、ラクテートの大きな部分が遊離酸の形態で存在するpHにおいて、高レ
ベルのラクテートを産生することができる。酸寛容性ホモ乳酸型細菌の好ましい
形態は、4.2またはそれ以下のpHにおいて、相当な量のラクテート産生(例え
ば、少なくとも約50g/L)が可能である。
【0044】 種々の反応器の配置(充填ベッド反応器、連続撹拌タンク反応器、回転式生物 学的接触反応器、順次バッチ反応器および流動床反応器を含む)を、本発明の方 法に用いることができる。全反応を、発酵ブロスの温度を制御するための適当な
手段を有する単一容器中で行うことができ、また別法によれば、発酵を第1容器
中で行い、ブロスを、熱交換器(例えば、プレート熱交換器)に通すことによって
所望の温度に維持し、発酵反応に再循環させることもできる。後者の配置は、反
応混合物のより迅速な冷却を与えることができ、ある場合には、ブロスを膜分離
モジュールに通してブロスの一部を除去するのと同時に行うことができる(例え ば、熱交換器および膜モジュールを連続して結合しているところで)。
【0045】 1つの普通に使用される配置には、膜再循環バイオリアクターが含まれる。こ
の種の反応器は、通常、2つのモジュール、即ち発酵容器10および膜モジュー
ル15を含んでいる(例えば、図1を参照)。これら2つのモジュールは、パイプ
によって結合することができ、また、単一装置の一部であることができる。
【0046】 本発明の1つの態様においては、酸寛容性のホモ乳酸型細菌を、発酵容器中の
栄養培地の第1部分においてインキュベートして、少なくとも約25g/Lの遊
離L-乳酸を含む第1生成物溶液を生成させることができる。得られた発酵ブロ スを分離して、遊離乳酸を含み、細菌細胞を実質的に含まない第1分画を得るこ
とができる。これは、細胞分離器(例えば、中空ファイバー細胞分離器)を通して
発酵の一部をポンプ輸送することによって行うことができる。細胞を含む分画は
発酵容器に再循環させるのが普通であり(例えば、図1を参照)、一方、乳酸を含
む分画はさらに処理するために分離する。通常は、追加の栄養培地を添加して、
発酵容器中の液容量を一定レベルに維持する。発酵をこのようにして行うと、最
初の始動相が終了した後に、定常状態条件(pH、ラクテート濃度および栄養濃 度の点で)が達成され、そして維持されるのが普通である。このように発酵を行 うときには、本発明の発酵を、ブロスのpHが約4.2またはそれ以下、好まし くは約3.7〜4.0の範囲内に維持されるように行うのが普通である。
【0047】 分離した乳酸含有分画を、多数の既知の方法を用いて処理して、溶液の他成分
から遊離乳酸を分離することができる。例えば、乳酸を、第三アミンを含む抽出
物質を用いて溶液から抽出することができる。適当な抽出物質の1つの例は、オ
クチルアルコール中のアラミン(Alamine)336の溶液である。乳酸の単離に使 用することができる他の方法には、溶液と固体吸着物質(例えばイオン交換樹脂 、例えばポリビニルピリジンカラム)との接触、乳酸を含む分画の蒸留、または 膜分離による除去が含まれる。任意のこれら種類の分離方法を用いて乳酸含有分
画を処理して、乳酸を激減させた分画およびラクテート単離体の分画を生成させ
ることができる。乳酸を激減させた分画は、一部のラクテートを乳酸塩(例えば 乳酸カルシウム)の形態で含むことができる。ラクテート単離体の分画は、任意 の種々の既知方法を用いてさらに処理して、より純粋な形態の遊離乳酸を得るこ
とができる。
【0048】 また、乳酸含有分画を処理して、乳酸塩(例えば乳酸カルシウム)を固体または
溶液の形態で分離し、遊離乳酸に富む溶液を残すこともできる。乳酸塩を、適当
な方法、例えば抽出、結晶化、膜分離および固体材料(例えばアニオン交換樹脂)
への吸着を用いて分離することができる。乳酸塩を発酵容器に戻すこともでき、
ここで乳酸塩は、溶液のpHを緩衝するように、およびブロスのpHが所望のレ
ベル以下に低下するのを防止するように働くことができる。例えば、緩衝剤とし
て充分量の乳酸カルシウムを再循環させることによって、発酵ブロスのpHを、
乳酸のpKaに近い値に維持することができる。理論に基づくと、乳酸塩は、p H3.85において当量の新規乳酸産生の産生を緩衝するであろう。pH4.0に
おいては、1当量の乳酸塩が、0.7当量の新規乳酸産生の産生を緩衝するであ ろう。
【0049】 種々の方法が、ラクテート/乳酸溶液の処理のために利用可能である[大量の 乳酸の生成を含む;例えば、発酵ブロスからのpH約4.8以下(好ましくは約4
.2または4.3以下)の溶液において;乳酸塩(通常は、乳酸カルシウム、乳酸カ
リウム、乳酸ナトリウムおよび/または乳酸アンモニウム)の同時の単離(および
所望により再循環)を伴う]。このような方法は、例えば、共通して譲渡された同
時出願の米国特許出願に記載されている[即ち、ミネソタ州ミネトンカのカーギ ル社に譲渡された「LACTIC ACID PROCESSING; METHODS; ARRANGEMENTS; AND, PR
ODUCTS」と題する米国特許出願;発明者は、John N. Starr、Aharon M. Eyal、R
iki Canari、Betty HazanおよびRod Fisherである;以下においては、Starrら の出願と言う]。このStarrらの出願は、本出願と同じ日付(1997年10月1
4日)で出願されたものであり、本明細書の一部を構成する。有利な全体的過程 は、大規模装置において全体的にコスト効率の高い効率的な処理スキームを最も
容易に助けるものを、種々のアプローチの中で選択することに、部分的には依存
するであろう。
【0050】 全体的過程を選択する際の要点は、以下に挙げる2つの目的を調整するように
システムを設計することに関係する: 1.後処理のために、例えばポリマーを生成させるために乳酸生成物を単離す
ること;および 2.好ましくは発酵ブロスに再循環させるのに望ましい形態で乳酸塩を単離す
ること。
【0051】 以下に挙げる3つの一般的アプローチが関係する: 1.溶液から乳酸を分離して乳酸塩を後に残すこと;および所望により、該分
離後に乳酸塩を含む残留溶液を発酵器に向けること; 2.溶液から乳酸塩を単離すること;所望により乳酸塩を発酵器に向けること
;および乳酸塩分離の後に、残留溶液から乳酸生成物を後単離すること;および 3.乳酸を一方の流れに、および乳酸塩を別の流れに同時分離して、残留混合
物を残すこと。
【0052】 上記目的の一方または両方を達成するためにStarrらが記載している方法を、
ラクテート物質の種々の溶液(即ち、乳酸および溶解した乳酸塩の溶液)に対して
実施することができる。これらの溶液は、発酵ブロス、または発酵器から取出さ
れ、ある種の方法(例えば、濾過またはpH調節)によって修飾されたブロスを含
んでなることができる。実際的には、これらの方法を、同じように他の方法によ
って調製された溶液にも適用することができる。
【0053】 しかし、これに記載された方法および提案は、特に、発酵ブロス溶液(特に、 比較的酸性度の高い溶液)の効率的な処理に焦点を当てて開発されており、ここ では、酸の添加によるpH修飾は必要ではなく、好ましくは行わない。これらの
方法を適用することができる典型的な組成物は、pHについては少なくとも0. 86および6.0未満であろう。即ち、これらの方法が実施されるであろう典型 的な組成物は、この範囲内のpHを有するであろう。このような組成物に対して
は、遊離乳酸と解離した酸または溶解した乳酸塩との25℃でのモル比は、約1
,000:1〜0.007:1である。さらに好ましい処理は、約1.98〜5.0
0程度のpHを有する溶液(HLA:LA比が約75:1〜0.070:1の範囲
内である)が関係し、最も好ましい処理は、約3.0〜4.5の範囲内のpHを有 する溶液(HLA:LA比が約7.0:1〜0.23:1の範囲内である)が関係す
る。
【0054】 上に示したように、上記の最も好ましいpH範囲内の溶液は、本発明の発酵方
法により、高濃度のラクテート物質をその中に含んで容易に得られる。別法によ
れば、他の発酵ブロスを用いることもできる(例えば、最も好ましいpH範囲が 得られるように、通常は酸の添加によるpH調節を伴う)。
【0055】 本明細書において、乳酸および乳酸塩を含む組成物からの乳酸の「優先分離」
、または、乳酸および乳酸塩を含む組成物からの乳酸塩の「優先分離」について
言及することがある。本明細書におけるこの「優先分離」なる用語およびその変
形用語は、2種類の成分(乳酸または乳酸塩)の一方を他方に対して優先的に除去
する分離方法を意味する。本発明に従う典型的に好ましい処理においては、乳酸
および乳酸塩の混合物を2つの「生成物流」に分ける。一方の生成物流(即ち、 遊離乳酸に富む流れ)においては、得られる遊離乳酸と乳酸塩のモル比は、好ま しくは少なくとも2/1であり、さらに好ましくは少なくとも3/1である。上
記した方法のいずれかを用いて、少なくとも5/1の比、さらに10/1または
それ以上の比も容易に得ることができる。
【0056】 他方の生成物流は、乳酸塩に富む流れである。この流れにおいては、遊離乳酸
と乳酸塩のモル比は、好ましくは0.5を越えない。本明細書中に記載した典型 的に好ましい処理を用いて、0.3以下、好ましくは0.2以下、最も好ましくは
0.1またはそれ以下の比を容易に得ることができる。
【0057】 上記の2つのパラグラフに示したように使用するときの本明細書中の「流れ」
なる用語は、単離された相または生成物セグメントが溶液、固体または物質混合
物であるか否かにかかわりなく、これら相または生成物セグメントを意味する。
即ち、「乳酸に富む流れ」とは、単に、処理された最初の混合物と比較して、乳
酸に富む(乳酸塩に対して)相または混合物であり、「乳酸塩に富む流れ」とは、
処理された最初の混合物と比較して、乳酸塩に富む(乳酸に対して)流れである。
【0058】 遊離乳酸に富む生成物流が、混合物(例えば発酵ブロス)からの遊離乳酸の分離
の結果として得られたときには、遊離乳酸の除去後の残存する水性混合物は、遊
離乳酸が「激減した」と言うこともある。同様に、乳酸塩に富む流れが、遊離乳
酸および乳酸塩を含む混合物からの乳酸塩の分離の結果として得られたときには
、残存する混合物は、乳酸塩が「激減した」と言うこともある。
【0059】 好ましくは、処理される溶液が発酵ブロスであるときには、乳酸塩に富む生成
物流を提供および生成させて、発酵器からの不純物とその中の乳酸塩との重量比
が、発酵ブロス中の重量比よりも、好ましくは少なくとも5のファクターで低く
なるようにする。これは、乳酸塩の単離に対して選択した特定のアプローチの制
御に関連して本明細書中に記載した方法によって、ならびに、バック洗浄または
再結晶などの種々の精製方法として用いることによって行うことができる。
【0060】 好ましくは、最終的にラクテート生成物流を、発酵系に好都合に再循環させる
ために、水溶液または水性相と固体相の混合物として単離して、水バランスを維
持する。ブロス中の水バランスを助けるために水溶液の濃縮を用いるときには、
好ましくは逆浸透および蒸気再圧縮などの比較的低コストの濃縮方法を用いる。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。これら実施例は、説明
のためのものであり、本明細書中に記載した本発明の範囲を限定するものではな
い。本発明の概念の範囲内での変更が明らかであろう。
【0062】 実施例1 標準の発酵条件 他に記載することがなければ、以下の実施例に記載する発酵反応は、以下に挙
げる標準プロトコールに従い、種々の増殖培地を用いて行った。 細胞(250μl)を、40%トマトジュース/40%LSW-MRS寒天ボトム
相/MRSトップ相の二相培地(TJ-SW-MRS二相培地)中の特定菌株のベン
チストック(bench stock)から、新鮮なTJ-SW-MRS二相培地に通し、静的 条件下に47℃で18〜24時間インキュベートした。
【0063】 MRS培地(pH=6.2) 10g/Lのゼラチンの膵液消化物 8g/Lの牛肉抽出物 4g/Lの酵母抽出物 20g/Lのグルコース 2g/LのK2HPO4 1g/Lのツイーン(TweenR)80 5g/Lの酢酸ナトリウム 5g/Lのクエン酸アンモニウム 0.2g/LのMgSO4 0.05g/LのMnSO4
【0064】 新鮮なTJ-SW-MRS二相培地中のインキュベート物の一部(1.0ml)を 、シールした血清びん中の、10%CSL、グルコース(60g/Lの全体濃度)
および炭酸カルシウム(20g/L)を追加した培地B(80ml)に接種し、周囲
振盪器中にて47℃で18時間撹拌しながらインキュベートした。
【0065】 培地B(pH=4.7) 8〜12容量%のコーンスチープ液 5g/Lの酵母抽出物 50〜100g/Lのグルコース 2g/LのK2HPO4 1g/Lのツイーン(TweenR)80 2g/Lのクエン酸アンモニウム 0.2g/LのMgSO4 0.05g/LのMnSO4 20〜40g/LのCaCO3
【0066】 所望のレベルのグルコースおよび炭酸カルシウム(例えば、90g/Lのグル コースおよび33.4g/Lの炭酸カルシウム)を含む培地Bを入れた発酵器に、
10%(v/v)の18時間経過した培養物を接種した。発酵ジャーを70〜80 %充填にし、150rpmで撹拌しながら、47〜49℃で発酵を行った。この
液量レベルで発酵ジャーを操作することによって、培地が高度に好気的にならな
いことを確実にした。
【0067】 実施例2 pH制御をしない酸寛容性のホモ乳酸型菌株の単離 ホモ乳酸型の細菌株を、8つの異なる工業用トウモロコシ製粉設備から入手し
たコーンスチープ水の試料から単離した。これらの設備は、Blair(ネブラスカ 州)、Edyville(アイオワ州)、Cedar Rapids(アイオワ州)、Dayton(オハイオ 州)、Memphis(テネシー州)、Istanbul(トルコ)、Tillbury(イギリス)、およ びBergen Op Zoon(ニュージーランド)に存在していた。
【0068】 工業用トウモロコシ製粉設備からスチープ水の試料を入手することによって菌
株を単離した。試料を10%CSL-MRS寒天プレート(pH=5.0)にプレー
ティングし、47℃で嫌気的にインキュベートした。コロニーを、10%CSL
-MRS寒天プレート上で単離のために再度画線した。次いで、単離体を、維持 の目的で、40%LSW-40%トマトジュース-MRSボトム相/MRSトップ
相の二相培地(pH6.0)に通した。これら単離した菌株を、試験管の底部にお けるガス(CO2)の生成をモニターすることによって、ヘテロ乳酸型の産生につ いてスクリーニングした。次いで、ホモ乳酸型の単離体を、10容量%のCSL
および30g/Lのグルコースを追加したMRS培地において、ラクテート収量
および産生されたラクテートの光学純度についてスクリーニングした。これらの
結果を以下の表1に示す。
【0069】 単離した細菌株を、ホモラクテート産生体(「ホモ乳酸型」)またはヘテロラク
テート産生体(「ヘテロ乳酸型」)のどちらかとして同定した。10容量%のコー
ンスチープ液(「CSL」)を追加したMRS培地における発酵に基づいて、単離
したホモ乳酸型の細菌株を、全ラクテート産生、最終発酵pHおよび産生された
L-ラクテートの%の項目で特徴付けた(以下の表1を参照)。添加したコーンス チープ液(「CSL」)中の約50%のラクテートがD-ラクテートであるのが普 通であるので、少なくとも約70%のL-ラクテートを産生した菌株を、L-ラク
テート産生菌株であると考えた。この仮定を、栄養培地中に存在するスチープ水
から生成する生成物中のD-ラクテート汚染のレベルが比較的低かった条件下[例
えば、より高いラクテート産生レベルまたは80%を越えるL-ラクテート(全ラ
クテートの関数として)を有するコーンスチープ水を用いる]でのその後の実験に
よって確認した。 発酵は、実施例1に記載した標準条件下に48℃で行った。これらの結果を以
下の表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】 実施例3 添加塩基を用いる酸寛容性のホモ乳酸型菌株の単離 別組のホモ乳酸型菌株を、Edyville(アイオワ州)、Cedar Rapids(アイオワ 州)、およびBlair(ネブラスカ州)のトウモロコシ製粉設備から入手したコーン スチープ水試料から単離した。使用した単離操作は実施例2の記載と同様であっ
た。単離したホモ乳酸型菌株を、10容量%のCSL、90g/Lのグルコース
および33g/LのCaCO3を追加した培地B中で行った発酵に基づいて特徴付
けた。全ラクテート産生および/または産生されたL-ラクテートの割合(%)を 、この組の菌株について測定した。これらの結果を以下の表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】 実施例4 ラクテート産生に対する添加塩基の効果 L-ラクテート産生体と同定された実施例2に記載した多数の菌株をスクリー ニングして、ラクテート産生に対する添加塩基(CaCO3)の効果を調べた。発酵
は、10%CSLおよび30g/Lグルコースを追加したMRS培地中、48℃
で行った。添加塩基の存在下に行った測定のためには、10%CSL、30g/
Lグルコースおよび20g/L CaCO3を追加したMRS培地を用いた。
【0074】
【表3】
【0075】 実施例5 L-ラクテート産生 実施例2に記載した多数の菌株につき、L-ラクテート産生のレベルを調べた 。発酵は、10%CSL、30g/Lグルコースおよび20g/L CaCO3を 追加したMRS培地中、48℃で行った。
【0076】
【表4】
【0077】 実施例6 ATCCに寄託されたラクトバシラス菌株によるラクテート産生 コーンスチープ水以外の供給源から単離した多数の既知のラクトバシラス菌株
のラクテート生産性を調べた。11種類の異なる菌株の試料を、アメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクション(ATCC:Rockville, Maryland)から入手し 、75g/Lグルコースおよび30g/L炭酸カルシウムを追加したMRS培地
中での37℃の発酵に基づいて、合計ラクテート産生および最終インキュベート
pHについてスクリーニングした。これらの結果を以下の表5に示す。全ての菌
株が、47℃での増殖に劣ることを示し、栄養培地中のコーンスチープ水の存在
によって阻害された。ATCC寄託された菌株の栄養要求は、コーンスチープ水
から単離された菌株とは異なっていたが、ATCC寄託された菌株のいくつかは
、比較的高濃度の遊離乳酸を産生することができるようである。特に、Lactobac
illus helviticus (ATCC#15009;最終インキュベートpH4.03に おいて66g/Lのラクテート)、Lactobacillus paracasei tolerans (ATC C#25599;最終インキュベートpH4.04において66g/Lのラクテ ート)およびLactobacillus salivarius salivarius (ATCC#11741;最
終インキュベートpH4.12において64g/Lのラクテート)が、高生産性の
遊離乳酸産生体としての可能性を供するようである。多数の菌株によって産生さ
れるラクテートの光学純度を調べた。比較的高濃度の遊離乳酸を産生することが
できる菌株のいずれも、L-ラクテート産生菌株ではなかった。
【0078】
【表5】
【0079】 実施例7 ホモ乳酸型菌株#41のSO2寛容性 ホモ乳酸型菌株#41のラクテート生産性に対する変化量の二酸化イオウ(S O2)の効果を調べた。ラクテート産生に対する変化する二酸化イオウ濃度の効果
を、菌株#41を用いて調べた。発酵は、実施例1に記載した標準の発酵プロト
コールにより、10容量%CSL、30g/Lグルコースおよび20g/L Ca
CO3を追加したMRS培地中で行った。これらの結果を以下の表6に示すが、 菌株#41は、少なくとも約600ppmまでのSO2濃度の存在下にラクテー トを産生することができることを示した。800ppmの存在下に行った同様の
発酵において、菌株#41は、144時間の休眠相の後にラクテートを産生し始
めた。
【0080】
【表6】
【0081】 実施例8 ラクテート産生に対する温度の効果 ホモ乳酸型菌株#41のラクテート生産性を、41〜54℃の温度範囲にわた
って調べた。発酵は、10容量%CSL、60g/Lグルコースおよび20g/
L炭酸カルシウムを追加した培地B中で行った。これらの結果を以下の表7に示
すが、菌株#41によるラクテート産生の最適温度範囲は44〜54℃であるこ
とがわかった。
【0082】
【表7】
【0083】 実施例9 ラクテート産生に対するスチープ水濃度の効果 実施例2に記載した多数のL-ラクテート産生菌株を用いる発酵を行って、ラ クテート産生に対する、変化量の増殖培地中のコーンスチープ液の効果を調べた
。発酵は、50g/Lグルコース、20g/L CaCO3および1%、5%また は10%CSLを追加した培地A(以下を参照)中で48℃にて行った。
【0084】 培地A(pH=5.0) 10g/Lの酵母抽出物 0.2%のK2HPO4 1g/Lのツイーン(TweenR)80 0.2%のクエン酸アンモニウム 0.005%のMnSO4 4H2O 0.02%のMgSO4 7H2O 炭素/エネルギー源を添加 窒素源を添加 pH調整のためにCaCO3を添加
【0085】
【表8】
【0086】 実施例10 リボタイプに基づくホモ乳酸型菌株の特性化 コーンスチープ水から単離した多数のL-ラクテート産生ホモ乳酸型細菌株を 、リボプリント(riboprint)パターン分析[例えば、Jaquetら(Zbl.Bakt., 276, 3
56-365 (1992))を参照]に基づいて分類した。この方法は、EciRI制限酵素を 用いる上記菌株の単一コロニー由来のDNAの消化、ならびに、大腸菌由来の化
学的にラベルしたrRNAオペロンとの、アガロースゲルにおいてサイズ分離し
た後のハイブリダイゼーションに基づいている。得られるパターンは、生物間の
遺伝的関係の直接の指標となり、このパターンを用いて、細菌の4種類の属[サ モネラ(Samonella)、リステリア(Listeria)、スタフィロコッカス(Staphylococc
us)および大腸菌(E.coli)]の間の同定ならびに密接に関連したグラム陽性および
グラム陰性菌株の分類学的同定を行った。
【0087】 コーンスチープ水から単離した7種類のラクテート産生菌株のリボタイプ試験
の結果を図2に示す。同一のリボグループの識別を与えた菌株は、同一の分類群
レベルに同定される可能性が高い。図2に示した7種類の菌株が示すリボタイプ
は、市販されている実験室コンピューターデータベース中の30種類の異なる乳
酸細菌株のいずれのパターンとも一致しなかった。一致を与えなかったデータベ
ース中の菌株には、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus animalis、Lac
tobacillus delbrueckii、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus amylovor
usおよびLactobacillus salivariusが含まれる。また、図2に挙げた菌株のリボ
タイプは、Lactobacillus agilis、Lactobacillus brevis、Lactobacillus buch
neri、Lactobacillus confusus、Lactobacillus coryniformis、Lactobacillus
curvatus、Lactobacillus farciminis、Lactobacillus kefir、Lactobacillus m
urinus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus s
akeおよびLactobacillus suebicusからのパターンとの一致をも与えなかった。 さらに、図2に示すリボタイプパターンは、Lactococcus garviae、Lactococcus
lactisおよびLactococcus raffinolactisとの一致、あるいは、Leuconostoc ca
rnosum、Leuconostoc citreum、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc para
mesenteroides、Pediococcus acidilactici、Pediococcus dextrinicusおよびPe
diococcus pentoxaceusとの一致をも与えなかった。
【0088】 図2に示す7種類の菌株のリボタイプパターンは、3種類のリボグループに分
類される。2つの菌株(#114および#119)は同一リボタイプを有する。こ
れら菌株の一方はヘテロ乳酸型菌株(#119)であり、他方はラセミ体ラクテー
トを産生するホモ乳酸型菌株(#114)である。1つのD-ラクテート産生菌株(
#79)は、他の6種類とは異なるリボタイプパターンを示した。残りの4種類 の菌株(#90、127、132および140)は同じリボグループに分類され、
これらのリボタイプパターンが同一ではないという事実にもかかわらず、同一の
分類群レベルに同定される可能性が高いと考えられた。MIL 4-1132パタ
ーンを有する4種類の菌株のうち、3種類はL-ラクテート産生菌株(#90、1
32および140)であり、一方、第4の菌株(#127)はラセミ体ラクテート を産生した。
【0089】 実施例11 ラクテート産生に対する添加塩基の効果 ホモ乳酸型菌株#41のラクテート生産性に対する、変化量のCaCO3の添加
の効果を調べた。実験は、8容量%CSL、200g/Lグルコースおよび変化
量の添加炭酸カルシウム(30〜90g/L)を追加した培地A中で47℃にて行
った。これらの結果を以下の表9に示す。
【0090】
【表9】
【0091】 実施例12 12%のCSL、90g/Lのグルコースおよび33.4g/L のCaCO3を含む菌株#41の発酵プロフィール 図3は、代表的な発酵実験の経過中の時間の関数として、発酵ブロス中の有機
成分およびpHのプロフィールを示すものである。図3に示すプロフィールは、
10容量%のCSL、100g/Lのグルコースおよび33.4g/Lの炭酸カ ルシウムを追加した培地B中での、菌株#41の47℃でのインキュベートによ
って得られる結果に基づくものである。
【0092】 実施例13 90g/Lのグルコース、33.4g/LのCaCO3および12 %CSL/36%LSWを含む菌株#41の発酵プロフィール 図4は、菌株#41を用いる代表的な発酵実験の経過中の時間の関数として、
ラクテート産生を示すものである。図4に示すプロフィールは、90g/Lのグ
ルコース、33.4g/Lの炭酸カルシウム、および12容量%のCSL(36重
量%の乾燥固形分)または36容量%のLSW(12重量%の乾燥固形分)のどち らかを追加した培地C中での、47℃での菌株#41のインキュベートによって
得られる結果に基づくものである。以下の表10にまとめた結果は、コーンスチ
ープ水のどちらかの供給源を用いたときの約40g/Lの最終遊離乳酸レベルを
示す。ラクテートがL-ラクテート産生菌株(#41)によって産生されるので、 少なくとも約35g/Lの遊離L-乳酸がこれら発酵の終了時に存在する(この残
りは、添加したスチープ水中に存在する遊離D-ラクテートである)。
【0093】
【表10】
【0094】 実施例14 8〜12%のCSL、90g/Lのグルコースおよび36.6g /LのCaCO3を含む菌株#41のラクテート産生 図5は、菌株#41を用いる代表的な発酵実験の経過中の時間の関数として、
ラクテート産生を示すものである。この発酵は、実施例1に記載した方法を修飾
して行った。菌株#41の細胞を、800mlの培地中で予備増殖させ、次いで
培地から分離した。次いで、予備増殖させた細胞を、800mlの新鮮な培地に
再懸濁させた。図5に示すプロフィールは、90g/Lのグルコース、36.6 g/Lの炭酸カルシウム、および8容量%のCSL(36重量%の乾燥固形分)、
12容量%のCSL、24容量%のLSW(12重量%の乾燥固形分)または36
容量%のLSWのいずれかを追加した培地B中での、47℃での予備増殖させた
細胞のインキュベートによって得られる結果に基づくものである。
【0095】
【表11】
【0096】 実施例15 ラクテート産生に対する添加グルコースの効果 ラクテート産生に対する変化量の添加炭水化物供給源(グルコース)の効果を、
ホモ乳酸型菌株#41について調べた。発酵は、実施例1に記載した標準の発酵
方法を用いて、10容量%のCSL、20g/LのCaCO3および表示した量の
グルコースを追加した培地A中での、48℃での菌株#41のインキュベートに
よって行った。また、この培地は、コーンスチープ液に由来するさらに1〜15
g/Lの発酵可能な糖(主に、グルコースおよびフルクトース)を含んでいた。こ
れらの結果を以下の表12に示す。この実験の結果は、少なくとも添加した塩基
の量(20g/LのCaCO3)については、ラクテートの生産性を、少なくとも約
50g/Lの炭水化物供給源(例えばグルコース)の添加によって高めうることを
示唆する。
【0097】
【表12】
【0098】 本発明を、種々の特定の好ましい態様および方法を参照しながら説明した。し
かし、本発明は、明細書中に記載した特定の態様に限定されるものとみなすべき
ではない。本発明の思想および範囲内で多くの変更および修飾を行いうることを
理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一体化した遊離乳酸の除去を含む発酵過程の流れ図である。
【図2】 コーンスチープ水から単離した多数のラクテート産生細菌株のリ
ボタイプパターンを示すグラフである。
【図3】 10容量%のコーンスチープ液、100g/Lのグルコースおよ
び33.4g/Lの炭酸カルシウムを含む栄養培地中での菌株#41のインキュ ベートに対する、グルコース、フルクトースおよびラクテートの発酵プロフィー
ルを示すグラフである。
【図4】 90g/Lのグルコース、33.4g/Lの炭酸カルシウム、お よび12容量%のコーンスチープ液または36容量%の軽スチープ水を含む栄養
培地中での菌株#41のインキュベートからのラクテート産生を示すグラフであ
る。
【図5】 90g/Lのグルコース、36.6g/Lの炭酸カルシウムおよ び変化量のコーンスチープ水を含む栄養培地中でのホモ乳酸型菌株#41のイン
キュベートに対する、グルコース、フルクトースおよびラクテートの発酵プロフ
ィールを示すグラフである。
【図6】 未解離の乳酸(「遊離乳酸」)の割合(%)をpHの関数として示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B064 AD33 CC03 CC07 CD02 CD09 DA01 DA10 DA16 4B065 AA30X AC05 AC14 BA22 BB02 BB15 BB16 BC02 BC03 CA10 CA41 CA44 CA50 CA54

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸の製造方法であって、 酸寛容性のラクテート産生微生物を栄養培地中でインキュベートして、約4. 8以下の最終インキュベートpHにおいて、少なくとも約50%の光学純度を有
    する少なくとも約40g/Lのラクテートを含む溶液を得ることを含んでなる方
    法。
  2. 【請求項2】 酸寛容性のホモ乳酸型細菌を栄養培地中でインキュベートし
    て、約4.5以下の最終インキュベートpHにおいて、少なくとも約40g/L のL-ラクテートまたは少なくとも約40g/LのD-ラクテートを含む溶液を得
    ることを含んでなる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 栄養培地が、少なくとも約15g/Lのコーンスチープ水乾
    燥固形分を含む請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 栄養培地が、少なくとも約50g/Lの、グルコース、フル
    クトース、ガラクトース、メリビオース、スクロース、ラフィノース、スタキオ
    ースまたはこれらの混合物を含む炭水化物を含んでなる請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 細菌を約35〜53℃でインキュベートすることからなる請
    求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 細菌を、約4.5以下の平均インキュベートpHの栄養培地 中でインキュベートして、少なくとも約75g/LのL-ラクテートを含む溶液 を得ることを含んでなる請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 栄養培地が塩基を含んでなる請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 塩基が、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモ
    ニウム、炭酸水素ナトリウムまたはこれらの混合物を含んでなる請求項7に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 栄養培地が乳酸塩を含んでなる請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 乳酸塩が、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸アンモ
    ニウムまたはこれらの混合物を含んでなる請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 乳酸の製造方法であって、 酸寛容性のホモ乳酸型細菌を、約4.3以下の平均インキュベートpHの栄養 培地中でインキュベートして、少なくとも約50%の光学純度を有する少なくと
    も約40g/Lのラクテートを含む溶液を得ることを含んでなる方法。
  12. 【請求項12】 細菌を栄養培地中でインキュベートして、少なくとも約8
    0%の光学純度を有するL-ラクテートを産生させることを含んでなる請求項1 1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 細菌を栄養培地中でインキュベートして、少なくとも約2
    .0g/L/時の全体速度でラクテートを産生させることを含んでなる請求項1 1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 酸寛容性のホモ乳酸型細菌を栄養培地中でインキュベート
    して、約4.0以下の最終インキュベートpHにおいて、少なくとも約40g/ LのL-ラクテートまたは少なくとも約40g/LのD-ラクテートを含む溶液を
    得ることを含んでなる請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 乳酸の製造方法であって、 酸寛容性のホモ乳酸型細菌を栄養培地中でインキュベートして、少なくとも約
    25g/Lの遊離L-乳酸または少なくとも約25g/Lの遊離D-乳酸を含む溶
    液を得ることを含んでなる方法。
  16. 【請求項16】 細菌を、約4.2以下の平均インキュベートpHを有する 栄養培地中でインキュベートすることを含んでなる請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 約4.8以下の最終インキュベートpHにおいて、少なく とも約50%の光学純度を有する少なくとも約40g/Lのラクテートを含む溶
    液を生成することができる酸寛容性のホモ乳酸型細菌。
  18. 【請求項18】 約4.3以下の平均インキュベートpHを有する栄養培地 中でインキュベートして、少なくとも約50%の光学純度を有する少なくとも約
    40g/Lのラクテートを含む溶液を生成することができる請求項17に記載の
    ホモ乳酸型細菌。
  19. 【請求項19】 桿状のグラム陽性のエアー・インディファレント細菌であ
    る請求項17に記載のホモ乳酸型細菌。
  20. 【請求項20】 少なくとも約80%の光学純度を有するラクテートを産生
    することができる請求項17に記載のホモ乳酸型細菌。
  21. 【請求項21】 約4.2以下の平均インキュベートpHおよび少なくとも 約47℃のインキュベート温度において、少なくとも約80g/LのL-ラクテ ートを産生することができる請求項17に記載のホモ乳酸型細菌。
  22. 【請求項22】 少なくとも約15g/Lのコーンスチープ水乾燥固形分を
    含む栄養培地中でインキュベートしたときに、少なくとも約40g/Lのラクテ
    ートを産生することができる請求項17に記載のホモ乳酸型細菌。
  23. 【請求項23】 少なくとも約25g/Lの遊離L-乳酸または少なくとも 約25g/Lの遊離D-乳酸を含む溶液を生成することができる酸寛容性のホモ 乳酸型細菌。
  24. 【請求項24】 乳酸の製造方法であって、以下の工程を含んでなる方法: 酸寛容性のラクテート産生微生物を第1部分の栄養培地中でインキュベートし
    て、約4.8以下の最終インキュベートpHにおいて、少なくとも約50%の光 学純度を有する少なくとも約40g/Lのラクテートを含む第1生成物溶液を生
    成させ、 該第1生成物溶液を分離して、(i)ラクテートを含み、微生物を実質的に含ま
    ない第1分画、および(ii)微生物を含む第2分画を生成させ、 該第1分画を処理して、乳酸を激減させた第3分画および乳酸を豊富化した第
    4分画を生成させる。
  25. 【請求項25】 以下の工程をさらに含んでなる請求項24に記載の方法: (i)第3分画の少なくとも一部、(ii)第2部分の栄養培地、および(iii)微生 物を含む混合物を生成させ、 該混合物をインキュベートして、約4.8以下の最終インキュベートpHにお いて、少なくとも約50%の光学純度を有する少なくとも約40g/Lのラクテ
    ートを含む第2生成物溶液を生成させる。
  26. 【請求項26】 乳酸を激減させた第3分画が乳酸塩を含む請求項24に記
    載の方法。
  27. 【請求項27】 乳酸の製造方法であって、以下の工程を含んでなる方法: 酸寛容性のラクテート産生微生物を第1部分の栄養培地中でインキュベートし
    て、約4.8以下の最終インキュベートpHにおいて、少なくとも約50%の光 学純度を有する少なくとも約40g/Lのラクテートを含む第1生成物溶液を生
    成させ、 該第1生成物溶液を処理して、乳酸を激減させた第3分画および乳酸を豊富化
    した第4分画を生成させる。
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