JP2001348415A - ウレタンゴム組成物、クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法 - Google Patents

ウレタンゴム組成物、クリーニングブレード、クリーニングブレードの製造方法

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JP2001348415A
JP2001348415A JP2000167634A JP2000167634A JP2001348415A JP 2001348415 A JP2001348415 A JP 2001348415A JP 2000167634 A JP2000167634 A JP 2000167634A JP 2000167634 A JP2000167634 A JP 2000167634A JP 2001348415 A JP2001348415 A JP 2001348415A
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Masahiro Watabe
政弘 渡部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポットライフ15秒以下および型取時間1分以
下の条件下で、気泡の混入が抑制され、充填不良に起因
する、成形面の肌荒れ、流動ムラ、歪み等が抑制された
ウレタンゴム組成物を作製する。 【解決手段】イソシアネート化合物および活性水素化合
物を含有する硬化液1と、鎖延長剤および架橋剤を含有
する硬化液2と、所定量の促進触媒と、所定量の反応抑
制触媒とを含んでなる混合物を調製し、この混合物を硬
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に配
設されるトナー担持体上のクリーニングブレードにおい
て、トナー担持体当接部を作製するに好適なウレタンゴ
ム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置には、感光ドラム、転写ベ
ルト、中間転写体等のトナー担持体上に残留するトナー
を除去するために、種々のクリーニングブレードが配設
されている。そして、これらのクリーニングブレードの
トナー担持体当接部(単に、クリーニングブレードと記
載する場合もある)は、熱可塑性または熱硬化性のウレ
タンゴム組成物等により製造できるが、塑性変形や耐摩
耗性の観点から、主に熱硬化性ウレタンゴム組成物によ
り製造されている。
【0003】上記の様なウレタンゴム組成物には、クリ
ーニングブレードの生産性向上の観点から、短時間で硬
化することが求められている。
【0004】ウレタンゴム組成物を速い硬化速度で成形
する方法として、特開平7−18047号公報には、ブ
レード部形成用の成形空間を有する成形型を準備し、上
記ブレード部成形空間に液状弾性体成形組成物を注入し
て硬化させるクリーニングブレードの製法であって、上
記液状弾性体成形組成物が、(A)ポリイソシアネート
および分子量1500〜3000のポリオールからな
り、かつNCO%が10〜30%の範囲であるプレポリ
マーと、(B)分子量300以下のポリオール、上記
(A)に含まれるポリオールと同一のポリオールおよび
(C)トリエチレンジアミンを含む硬化剤と、を含有
し、上記(A)および(B)の配合割合が重量比で
(A)/(B)=100/40〜40/100の範囲で
あり、かつ上記(C)の配合割合が、上記液状弾性体成
形組成物全体の0.01〜0.50重量%の範囲に設定
されているクリーニングブレードの製法が開示されてい
る。
【0005】そして、当該公報に記載の方法によれば、
硬化時間を5分以内にできると記載されている。
【0006】また、特公平7−72222号公報には、
有機ポリイソシアネート化合物(a)とポリオキシテト
ラメチレングリコール(b)とから誘導され、イソシア
ネート基含有量が2.0〜8.0重量%であり、末端に
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(1)
100重量部および可塑剤(3)5〜20重量部からな
り、かつ80℃での粘度が1500センチポイズ以下で
あるA液と、フェニレンジアミンのアルキル置換体およ
びポリフェニルポリメチレンポリアミンのアルキル置換
体から選ばれる一種または二種以上である分子量110
〜500の芳香族ジアミン系鎖伸長剤(2)5〜20重
量部および可塑剤(3)5〜115重量部からなるB液
とを反応反応射出成形法でポリウレタン系エラストマー
を製造する方法が開示されている。
【0007】即ち、反応射出型ポリウレタン系エラスト
マーの製造方法(RIM成形:Reaction In
jection Molding)において、フェニレ
ンジアミン系のアルキル置換体等の化合物を使用し、硬
化速度を向上することが提案されている。
【0008】また、特開平4−226308号公報に
は、分子量1000〜3000のポリオールとポリイソ
シアネートとから調製したイソシアネート基含量5〜8
%のウレタンプレポリマーからなる主剤を、イミダゾー
ル系硬化触媒の有効量と分子量60〜150の低分子量
ポリオールとからなる硬化剤成分と共に、イソシアネー
ト基/水酸基当量比1.0〜1.2にて、混合攪拌した
後、又は混合攪拌しつつ、予め加熱した型内に注入して
クリーニングブレードを製造することが開示されてい
る。
【0009】即ち、イミダゾール系の触媒を使用し、硬
化速度を向上することが試みられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
様な従来技術を使用してクリーニングブレードを製造し
た場合、以下の様な問題が生じる場合があった。
【0011】先ず、従来の方法によってクリーニングブ
レードを製造した場合、硬化時間が2分以上、即ち、成
形されたクリーニングブレードを型から取り出せる時間
(型取時間とも記載する)が2分以上となる場合があ
り、硬化速度を更に向上させる必要がある場合があっ
た。
【0012】一方、硬化の進行が速すぎる場合、クリー
ニングブレードの様な薄く細長い形状のウレタンゴム組
成物の製造を試みると、ブレード形状のキャビティー全
体に混合物が流れ、十分に充填される前に、硬化が進行
し、混合物の粘度が増加する場合があった。この結果、
キャビティー全体に混合物が流れず、充填不良が発生す
る場合があった。なお、背圧を高くし高速射出速度を行
って、十分な充填を実現することも考えられるが、RI
M成形においては、以下に述べる気泡の問題があり、高
速射出は有効ではない場合がある。
【0013】即ち、RIM成形によりクリーニングブレ
ードを製造した場合、以下の不具合が生じる場合があっ
た。通常のローター回転型等の混合方式では、混合物の
滞留箇所を回転混合機から無くすことが設計上困難であ
る場合があり、滞留部分に硬化物が堆積し、安定した攪
拌ができない場合がある。そこで、RIM成形において
は、それぞれの液を高圧で攪拌ユニットに導入し、細径
ノズルから高速で液を噴射し対抗する液同士を衝突させ
混合する方式が採用される場合が多い。その結果、液が
衝突する部分で気泡が発生する場合があった。
【0014】以上のような問題に鑑み、本発明の目的
は、ポットライフ15秒以下および型取時間1分以下の
条件で、ウレタンゴム組成物を製造することである。
【0015】更には、クリーニングブレードの製造にお
いて、気泡の混入を抑制し、充填不良に起因する、成形
面の肌荒れ、流動ムラ、歪み等を抑制することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によれば、少なくとも、イソシアネート化合物
および活性水素化合物を含有する硬化液1と、少なくと
も、鎖延長剤および架橋剤を含有する硬化液2と、該硬
化液1及び2の合計の100質量部に対して0.7質量
部以上1.5質量部以下の促進触媒と、該硬化液1及び
2の合計に対して10質量ppm以上50質量ppm以
下の反応抑制触媒と、を含んでなる混合物を調製し、該
混合物を硬化することにより得られるウレタンゴム組成
物が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について説明する。
【0018】本発明においては、促進触媒の添加量は、
硬化液1及び2の合計の100質量部に対して0.7質
量部以上とされ、より好ましくは0.9質量部以上とさ
れる。また、1.5質量部以下とされ、より好ましくは
1.2質量部以下とされる。
【0019】本発明においては、促進触媒の添加量を上
記の範囲とすることにより、15秒以下のポットライ
フ、および1分以下の型取時間が実現できるものであ
る。
【0020】なお、ポットライフとは、硬化反応の進行
に伴い、混合物の粘度が上昇して、成形型に混合物を注
入できなくなる時間を意味している。本発明において
は、硬化反応途中の混合物の粘度が10Pa・sとなる
時間をもって、ポットライフとする。
【0021】なお、ポットライフを決定する際の粘度測
定は、以下の通り行われる。即ち、130℃のオイルバ
スにより予め保温された鉄製カップに、33.3g/秒
のスピードで混合物を3秒間吐出し、ブルックフィール
ド回転粘度計で3番スピンドルを用い、スピンドルを回
転させた状態で混合物の粘度を測定する。
【0022】また、型取時間とは、硬化反応が十分進行
し、ウレタンゴム組成物の粘度(硬度)が成形型から取
出すに必要な値に達する時間を意味している。本発明に
おいては、硬化反応の進行に伴い、混合物の粘度が、最
終的に得られるウレタンゴム組成物の粘度の90%とな
る時間(T90)をもって、型取時間とする。
【0023】本発明における型取時間とは、以下の測定
方法により決定されるものである。即ち、硬化反応の開
始と同時に、混合物の粘度の経時変化を、粘度が最終的
に一定となるまで測定し、混合物の粘度が最終粘度の9
0%の値となる時間を、型取時間とする。なお、型取時
間を決定する際の粘度測定は、130℃のオイルバスに
より予め保温されたポリプロピレンカップに、33.3
g/秒のスピードで混合物を3秒間吐出し、吐出された
混合物の1gを使用して、針振動式の粘度計(RAPR
A社(英国)製SVNC粘度測定器)を用い、行う。
【0024】更に、反応抑制触媒の添加量は、硬化液1
及び2の合計に対して、10質量ppm以上とされ、よ
り好ましくは15質量ppm以上とされる。また、50
質量ppm以下とされ、より好ましくは40質量ppm
以下とされる。
【0025】本発明においては、反応抑制触媒の添加量
を上記の範囲とすることによって、硬化速度が制御され
る。その結果、クリーニングブレードの様な薄く細長い
形状のウレタンゴム組成物を作製する際においても、ブ
レード形状のキャビティー全体に混合物が流れ、十分に
充填される前に、硬化が進行し、混合物の粘度が増加す
ることが抑制される。そのため、キャビティー全体に混
合物が流れず、充填不良が発生することが抑制される。
よって、クリーニングブレードの製造において、気泡の
混入が抑制され、充填不良に起因する、成形面の肌荒
れ、流動ムラ、歪み等が抑制される。
【0026】一般に、硬化反応を速くし、ポットライフ
及び型取時間を短縮するためには、イソシアネート基含
有量(NCO%)を高くすればよい。この場合、2つの
硬化液を混合した後に、イソシアネート基が反応してウ
レタン結合等を生成するが、その際の反応熱が硬化反応
を加速するため好ましい。
【0027】しかしながら、例えばRIM成形等のワン
ショット法の場合、NCO%が高すぎると充填不良が発
生する場合がある。また、所望とするクリーニングブレ
ードのゴム硬度によっては、NCO%に上限が存在する
場合もある。
【0028】以上のような観点から、硬化液1における
NCO%は、10%以上が好ましく、15%以上がより
好ましく、30%以下が好ましく、20%以下がより好
ましい。
【0029】なお、イソシアネート基含有量(NCO
%)とは、イソシアネート化合物を含有する100gの
硬化液1中に含まれる、イソシアネート官能基(NC
O、分子量は42として計算する)の質量%であり、以
下の式により計算される;NCO%=(イソシアネート
官能基の質量g/100g)×100。
【0030】本発明で使用されるイソシアネート化合物
の具体例としては、4,4’−メチレンジイソシアネー
ト(MDIとも記載する)、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等を挙
げることができる。
【0031】なお、硬化液1に占めるイソシアネート化
合物の割合は20質量%以上50質量%以下の範囲とさ
れ、NCO%を前記の範囲内とすることが好ましい。
【0032】本発明で使用される活性水素化合物の具体
例としては、エチレンアジペート系ポリエステルジオー
ル、ブチレンアジペート系ポリエステルジオール、ヘキ
サメチレンアジペート系ポリエステルジオール、カプロ
ラクトンジオール、エチレンブチレンアジペート系ポリ
エステルジオール等の共重合ポリオールから選ばれる1
種類以上のポリオールを挙げることができる。
【0033】なお、これらのポリオールの重量平均分子
量は、混合物の粘度を適当な値とする観点から、500
以上が好ましく、1000以上がより好ましく、500
0以下が好ましく、3000以下がより好ましい。
【0034】また、硬化液1に占める活性水素化合物の
割合は、NCO%を前記の範囲内とするよう、10質量
%以上50質量%以下の範囲内とされることが好まし
い。
【0035】更に、必要に応じて、硬化液2にも活性水
素化合物を添加して構わない。その際には、硬化液1が
含有するものと同じ活性水素化合物を添加して構わな
い。
【0036】本発明で使用される鎖延長剤としては、
1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等を例示する
ことができる。
【0037】なお、硬化液2に占める鎖延長剤の割合
は、2質量%以上5質量%以下が好ましい。
【0038】本発明で使用される架橋剤としては、トリ
メチロールプロパン(TMP)等の3官能の化合物を例
示することができる。
【0039】なお、硬化液2に占める架橋剤の割合は、
1質量%以上3質量%以下が好ましい。
【0040】以上に示した様な化合物を用いて調製され
た硬化液1及び2は、硬化速度、得られるウレタンゴム
組成物の特性等の観点から、硬化液1/硬化液2が質量
比で、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以
上、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下
の範囲となるよう混合される。
【0041】本発明で使用される促進触媒としては、ジ
ブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等のス
ズ系触媒、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニ
ジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルイ
ミダゾール、テトラメチルプロパンジアミン等のアミン
系触媒等を例示することができるが、反応性が速い等の
理由により、トリエチレンジアミンが好ましい。
【0042】本発明で使用される反応抑制触媒として
は、ブロックドアミン、塩酸、ベンゾイルクロライド、
P−トルエンスルホン酸等を例示することができるが、
反応抑制効果が高い等の理由により、塩酸、ベンゾイル
クロライド、P−トルエンスルホン酸等が好ましい。
【0043】本発明のウレタンゴム組成物は、15秒以
下のポットライフ及び1分以下の型取時間と言う、短い
硬化時間で作製することができるため、トナー担持体上
に残留するトナーを摺擦して除去するためのクリーニン
グブレードにおいて、トナー担持体当接部の製造に好適
である。
【0044】特に、混合物を調製直後に、これを冷却固
化する工程と、冷却固化物を、所定ブレード形状のキャ
ビティーに充填する工程と、充填された冷却固化物を溶
融し、キャビティー内全体に加圧流動させる工程と、加
圧流動された混合物を硬化して、トナー担持体当接部を
作製する工程とを含んでなる方法により、クリーニング
ブレードを製造することにより、トナー担持体当接部の
気泡の混入を抑制し、充填不良に起因する、成形面の肌
荒れ、流動ムラ、歪み等を抑制することができる。
【0045】以上の様に、混合物の調製直後に、これを
冷却固化することにより、硬化反応が停止される。その
結果、ブレードの様な細長く薄い形状のウレタンゴム組
成物を作製した場合においても、成形型であるキャビテ
ィー全体に混合物が流動する前に、混合物の粘度が急速
に上昇し、充填不良が発生することが抑制される。
【0046】従って、硬化反応を殆ど進行させることな
く硬化反応を停止するため、混合物の冷却固化は、混合
物の調製直後から5秒以内に行うことが好ましい。
【0047】また、硬化反応を十分に停止するために、
冷却温度は−20℃以下が好ましい。
【0048】更に、上記の方法によれば、混合物を固体
として取扱えるため、ブレード形状等の成形型用キャビ
ティーに、固体の混合物を充填し、型締めの圧力で瞬時
に溶解、キャビティー全体に溶融した混合物を流動させ
る。このため、充填不良が抑制され、液の衝突に起因す
る気泡が発生を抑制することができる。
【0049】加えて、本発明における混合物は冷却固化
されているため、冷却保存が可能であり、必要時に必要
量のみを使用することが可能である。
【0050】以上より、本発明によって、混合物を調製
直後に冷却固化し、冷却固化物を所定ブレード形状のキ
ャビティーに充填し、溶融し、キャビティー内全体に加
圧流動し、硬化して作製されるトナー担持体当接部を有
するクリーニングブレードが提供される。
【0051】なお、混合物を調製するための混合方法は
特に限定されないが、硬化液1および硬化液2のそれぞ
れを一定温度に保持し、真空脱泡機能を備える2液混合
装置のローター部に、硬化液1および硬化液2を供給す
る方法等を例示することができる。なお、ダイナミック
攪拌が可能なローター部を有する2液混合装置を使用す
れば、硬化液1および硬化液2を連続的に混合できるた
め、好ましい。
【0052】また、混合後の冷却方法としては、混合機
から下向きに紐状に吐出される混合物を、吐出口下部に
円筒状に配置した管に、冷却されたドライエアーを同時
に吹き込み冷却固化させ、窒素でパージされ冷却された
容器に、一定質量で切断し収納する方法等を例示するこ
とができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではな
い。なお、以下特に明記しない限り、試薬等は市販の高
純度品を用いた。
【0054】(実施例1)ウレタンゴム組成物1 4,4’−メチレンジイソシアネート(MDIとも記載
する)30.7質量%と、重量平均分子量が1300の
エチレンブチレンアジペートポリエステルグリコール1
9.3質量%とを混合し、NCO%が18.4%となる
よう硬化液1を調製した。他方、上記ポリエステルグリ
コール44.3質量%と、鎖延長剤として1,4−ブタ
ンジオール(1,4−BD)3.7質量%と、架橋剤と
してトリメチロールプロパン(TMP)2質量%とを配
合して硬化液2を調製した。
【0055】次に、50質量部の硬化液1と、50質量
部の硬化液2を混合し、促進触媒として0.8質量部の
トリエチレンジアミンと、反応抑制触媒として20質量
ppmのベンゾイルクロライドとを添加し、回転攪拌式
の混合機で混合して、混合物1を作製した。その後、混
合物1を80℃に保温して硬化反応を進行させ、ウレタ
ンゴム組成物1を作製した。なお、硬化液1、硬化液
2、促進触媒および反応抑制触媒の各温度は、混合前に
予め80℃としておいた。
【0056】ポットライフとして、硬化反応途中の混合
物1の粘度が10Pa・sとなる時間を測定したとこ
ろ、14秒であった。
【0057】また、型取時間として、硬化反応途中の混
合物1の粘度がT90となる時間を測定したところ、5
8秒であった。
【0058】以上より、15秒以下のポットライフ及び
1分以下の型取時間が実現できることが分かった。
【0059】(実施例2)ウレタンゴム組成物2 トリエチレンジアミンの添加量を1.0質量部とする以
外は、混合物1の場合と同様にして混合物2を調製し、
ウレタンゴム組成物1の場合と同様にしてウレタンゴム
組成物2を作製した。この時のポットライフは11秒で
あり、型取時間は51秒であった。
【0060】以上より、15秒以下のポットライフ及び
1分以下の型取時間が実現できることが分かった。
【0061】(比較例1)ウレタンゴム組成物3 トリエチレンジアミンの添加量を0.5質量部とし、反
応抑制触媒を使用しない以外は、混合物1の場合と同様
にして混合物3を調製し、ウレタンゴム組成物1の場合
と同様にして、ウレタンゴム組成物3を作製した。この
時のポットライフは23秒であり、型取時間は115秒
であった。
【0062】(実施例3)クリーニングブレード1 混合物1を調製直後に、混合機から下向きに1.7g/
秒の速度で押出しながら、−20℃のドライエアーによ
って、混合物1を紐状に冷却固化した。そして、得られ
た冷却固化物を一定質量に切断してペレットとし、窒素
でパージされ−20℃に冷却された容器に収納した。
【0063】次に、図1に示すクリーニングブレードの
トナー担持体当接部1を作製するための、長さ210m
mの細長く薄い形状のキャビティーに、混合物1のペレ
ットを5g充填し、型を閉めた後に、130℃で60秒
間プレス圧縮成形により硬化反応を行い、クリーニング
ブレード1を作製した。なお、キャビティーは、予め1
30℃としておいた。
【0064】プレス圧縮成形終了後、脱型し、クリーニ
ングブレード1のトナー担持体当接部1を切断して、断
面を光学顕微鏡で50倍に拡大し、気泡の有無を目視で
確認した。また、キャビティー全体の充填性も、目視に
より評価した。
【0065】(比較例2)クリーニングブレード2 図1に示すクリーニングブレードのトナー担持体当接部
1を作製するための、長さ210mmの細長く薄い形状
のキャビティーに、混合物3を3秒間で注入し、硬化反
応を60秒間行って、クリーニングブレード2を作製し
た。
【0066】その後、クリーニングブレード1の場合と
同様にして、クリーニングブレード2のトナー担持体当
接部1について、気泡の有無と充填性を評価した。
【0067】クリーニングブレード1及び2に関する評
価結果を表1に示した。
【0068】
【表1】 なお、表中において、○は良好、△は僅かに不良、×は
不良を意味する。
【0069】表1より明らかな通り、クリーニングブレ
ード2においては、細長く薄いブレード形状のキャビテ
ィーを混合物3が注入され流れていく際に、キャビティ
ー内の空気を巻き込み、型面に接触した部分から硬化反
応が進行して粘度が上昇し、更に流動方向に半硬化状態
で流動していくため、気泡の混入、成形面の肌荒れ、流
動ムラ、混合物の硬化速度の違いに起因する歪み等が発
生している。
【0070】一方、クリーニングブレード1において
は、混合物1が調製直後に冷却されて硬化反応が停止
し、固体の状態でブレード形状のキャビティーに充填さ
れるため、冷却状態の混合物を型に充填してから温度が
上昇し硬化反応が再開するまでのタイムラグを取ること
ができ、更に、反応抑制触媒の効果により、一定時間粘
度上昇を遅らせることができる。
【0071】以上の結果、空気の巻き込み、型面に接触
した部分から硬化反応が進行することによる粘度上昇、
半硬化状態での流動等が抑制され、気泡の混入、成形面
の肌荒れ、流動ムラ、歪み等が抑制される。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、イソシ
アネート化合物および活性水素化合物を含有する硬化液
1と、鎖延長剤および架橋剤を含有する硬化液2と、所
定量の促進触媒と、所定量の反応抑制触媒とを含んでな
る混合物を調製し、この混合物を硬化することにより、
ポットライフ15秒以下および型取時間1分以下の条件
で、ウレタンゴム組成物を製造することが可能となり、
気泡の混入を抑制し、充填不良に起因する、成形面の肌
荒れ、流動ムラ、歪み等が抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるクリーニングブレードの形状例
を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 トナー担持体当接部 2 支持部材
フロントページの続き Fターム(参考) 2H034 BF03 4F204 AA42 AA45 AB01 AB03 AH33 FA01 FB01 FF01 FN17 4J034 BA08 CA04 CA05 CC03 DA01 DF12 DF16 DF20 DG03 DG04 DG06 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC64 HC67 HC71 KB04 KC17 KD02 KD12 KD22 KD25 RA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、イソシアネート化合物およ
    び活性水素化合物を含有する硬化液1と、少なくとも、
    鎖延長剤および架橋剤を含有する硬化液2と、該硬化液
    1及び2の合計の100質量部に対して0.7質量部以
    上1.5質量部以下の促進触媒と、該硬化液1及び2の
    合計に対して10質量ppm以上50質量ppm以下の
    反応抑制触媒と、を含んでなる混合物を調製し、該混合
    物を硬化することにより得られるウレタンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 トナー担持体上に残留するトナーを摺擦
    して除去するためのクリーニングブレードであって、該
    クリーニングブレードのトナー担持体当接部は、請求項
    1記載の混合物の硬化物よりなることを特徴とするクリ
    ーニングブレード。
  3. 【請求項3】 前記トナー担持体当接部は、前記混合物
    を調製直後に冷却固化し、該冷却固化物を所定ブレード
    形状のキャビティーに充填し、溶融し、該キャビティー
    内全体に加圧流動し、硬化して作製されることを特徴と
    する請求項2記載のクリーニングブレード。
  4. 【請求項4】 前記混合物を調製直後に、これを冷却固
    化する工程と、該冷却固化物を、所定ブレード形状のキ
    ャビティーに充填する工程と、充填された冷却固化物を
    溶融し、該キャビティー内全体に加圧流動させる工程
    と、加圧流動された混合物を硬化して、前記トナー担持
    体当接部を作製する工程と、を含んでなることを特徴と
    する請求項3記載のクリーニングブレードの製造方法。
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