JP2001326178A - 半導体装置及びその作製方法 - Google Patents

半導体装置及びその作製方法

Info

Publication number
JP2001326178A
JP2001326178A JP2001063900A JP2001063900A JP2001326178A JP 2001326178 A JP2001326178 A JP 2001326178A JP 2001063900 A JP2001063900 A JP 2001063900A JP 2001063900 A JP2001063900 A JP 2001063900A JP 2001326178 A JP2001326178 A JP 2001326178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor film
amorphous
region
polycrystalline semiconductor
tft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001063900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001326178A5 (ja
Inventor
Koichiro Tanaka
幸一郎 田中
Hideto Onuma
英人 大沼
Chiho Kokubo
千穂 小久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2001063900A priority Critical patent/JP2001326178A/ja
Publication of JP2001326178A publication Critical patent/JP2001326178A/ja
Publication of JP2001326178A5 publication Critical patent/JP2001326178A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】非晶質半導体膜の結晶化工程において、前記非
晶質半導体膜上に金属元素を導入して加熱処理を行なっ
た後、レーザアニールを行って得られた多結晶半導体膜
を基に作製された薄膜トランジスタ(TFT)の電気的
特性は非常に高いものとなるが、ばらつきが顕著になる
場合がある。 【解決手段】非晶質半導体膜上に金属元素を導入して加
熱処理を行なって連続的な結晶化領域の中に非晶質領域
が点在する第1の多結晶半導体膜を得る。このとき、前
記非晶質領域を所定の範囲に収めておく。そして、前記
結晶化領域より前記非晶質領域にエネルギーを加えるこ
とができる波長域にあるレーザビームを前記第1の多結
晶半導体膜に照射すると、前記結晶化領域を崩すことな
く前記非晶質領域を結晶化させることができる。以上の
結晶化工程を経て得られた第2の多結晶半導体膜を基に
TFTを作製すると、その電気的特性は高く、しかもば
らつきの少ないものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜トランジスタ
(以下、TFTと言う)で構成された回路を有する半導
体装置及びその作製方法に関する。例えば、液晶表示装
置に代表される電気光学装置、及び電気光学装置を部品
として搭載した電気機器の構成に関する。なお、本明細
書中において、半導体装置とは、半導体特性を利用する
ことで機能しうる装置全般を指し、上記電気光学装置及
び電気機器もその範疇にあるとする。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の絶縁基板上に形成された非晶
質半導体膜に対し、加熱、またはレーザアニール、また
は加熱とレーザアニールの両方を行い、結晶化させた
り、結晶性を向上させる技術が広く研究されている。上
記半導体膜には珪素膜がよく用いられる。
【0003】上記技術により得られた結晶質半導体膜は
多くの結晶粒からできているため、多結晶半導体膜と呼
ばれる。多結晶半導体膜は、非晶質半導体膜と比較し、
非常に高い移動度を有する。このため、多結晶半導体膜
を利用すると、例えば、従来の非晶質半導体膜を使って
作製した半導体装置では実現できなかったモノリシック
型の液晶電気光学装置(一枚の基板上に、画素駆動用と
駆動回路用の薄膜トランジスタ(TFT)を作製した半
導体装置)が作製できる。
【0004】このように、多結晶半導体膜は、非晶質半
導体膜と比較し、非常に電気的特性の高い半導体膜であ
る。これが、上記研究の行われる理由である。例えば、
加熱による非晶質半導体膜の結晶化を行うには、600
℃以上の加熱温度と10時間以上、好ましくは20時間
以上の加熱時間が必要であった。この結晶化条件に耐え
る基板には、例えば、石英基板がある。しかしながら、
石英基板は高価で加工性に乏しく、特に大面積に加工す
るのは非常に困難であった。基板の大面積化は特に生産
効率を上げるためには必要不可欠な要素である。近年、
生産効率の向上のために基板を大面積化する動きが著し
く、新しく建設される生産工場のラインは、基板サイズ
600mm×720mmが標準となりつつある。
【0005】このような大面積基板に石英基板を加工す
ることは現在の技術では難しく、たとえできたとしても
産業として成り立つ価格までは下がらないだろう。大面
積基板を容易に作製できる材料に、例えばガラスがあ
る。ガラス基板には、例えばコーニング7059と呼ば
れているものがある。コーニング7059は非常に安価
で加工性に富み、大面積化も容易である。しかしなが
ら、コーニング7059は歪点温度が593℃であり、
600℃以上の加熱には問題があった。
【0006】ガラス基板の1つに、歪点温度が比較的高
いコーニング1737というものがある。これの歪点温
度は667℃と高い。これに非晶質半導体膜を成膜し、
600℃、20時間の雰囲気に置くと、作製工程に影響
するほどの基板の変形は見られなかった。しかしなが
ら、20時間の加熱時間は量産工程としては長すぎ、加
熱温度600℃は、コストの面から考えると、少しでも
低い方が好ましかった。
【0007】このような問題を解決するため、新しい結
晶化の方法が考案された。前記方法の詳細は特開平7-
183540号公報に記載されている。ここで、前記方
法を簡単に説明する。まず、非晶質半導体膜にニッケル
または、パラジウム、または鉛等の元素を微量に添加す
る。添加の方法は、プラズマ処理法や蒸着法、イオン注
入法、スパッタ法、溶液塗布法等を利用すればよい。前
記添加の後、例えば550℃の窒素雰囲気に4時間、非
晶質半導体膜を置くと、電気的特性の良好な多結晶半導
体膜が得られる。結晶化に最適な加熱温度や加熱時間等
は、前記元素の添加量や、非晶質半導体膜の状態によ
る。
【0008】以上、加熱による非晶質半導体膜の結晶化
の方法の例を記した。一方、レーザアニールによる結晶
化は、基板の温度を余り上昇させずに、非晶質半導体膜
にのみ高いエネルギーを与えることが出来るため、歪点
の低いガラス基板には勿論、プラスチック基板等にも用
いることが出来る。
【0009】レーザアニールに用いられるレーザの種類
はエキシマレーザ、Arレーザ等が挙げられる。出力の
大きい、パルス発振のレーザビームを被照射面におい
て、数cm角の四角いスポットや、長さ10cm以上の
線状となるように光学系にて加工し、レーザビームを走
査させて(あるいはレーザビームの照射位置を被照射面
に対し相対的に移動させて)、レーザアニールを行う方
法が、生産性が高く工業的に優れているため、好んで使
用されている。
【0010】特に、被照射面においてレーザビームの形
状が線状であるレーザビーム(以下線状ビームと表記す
る)を用いると、前後左右の走査が必要なスポット状の
レーザビームを用いた場合とは異なり、線状ビームの線
方向に直角な方向だけの走査で被照射面全体にレーザビ
ームを照射することができるため、生産性が高い。線方
向に直角な方向に走査するのは、それが最も効率の良い
走査方向であるからである。この高い生産性により、現
在レーザアニールにはパルス発振のエキシマレーザを適
当な光学系で加工した線状ビームを使用することが主流
になりつつある。
【0011】また、非晶質半導体膜に対し、加熱による
結晶化を行った後にレーザアニールによる結晶化を行う
方法もある。この方法を行うと、加熱またはレーザアニ
ールのどちらかだけで結晶化を行う場合より半導体膜と
しての電気的特性が向上する場合がある。高い電気的特
性を得るためには、加熱条件とレーザアニール条件を最
適化する必要がある。前記方法を用いて得られた多結晶
半導体膜を使い、例えば公知の方法で薄膜トランジスタ
(TFT)を作製すると前記TFTの電気的特性が大き
く向上する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】より高い電気的特性を
持つ半導体膜を得るために、例えば、非晶質半導体膜に
対し、加熱による結晶化を行った後に、更にレーザアニ
ールを行う方法がある。前記方法を用いると、加熱また
はレーザアニールのどちらか一方だけで結晶化を行う場
合より、半導体膜としても電気的特性を向上させること
が出来る。高い電気的特性を得るためには、加熱条件と
レーザアニール条件を最適化する必要がある。前記方法
を用いて得られた多結晶半導体膜を薄膜トランジスタ
(TFT)の活性層とすれば、TFTの電気的特性は大
きく向上するが、同時に電気的特性のばらつきが顕著に
なる場合もあった。前記電気的特性のばらつきは、例え
ば、前記方法で得られた薄膜トランジスタ(TFT)を
使ってアクティブマトリクス型の液晶表示装置を作製す
ると、表示むら等の不良原因となった。本発明は、前記
ばらつきが抑えられた高品質のTFTを作製することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記TFT
の電気的特性のばらつきの原因が非晶質半導体膜の結晶
化の工程にあると考えた。前述したとおり、高い電気的
特性をもつTFTを得るためには、例えば、前記結晶化
の工程において、非晶質半導体膜を加熱し、さらにレー
ザアニールする段階を経る必要がある。これらの加熱の
工程と、レーザアニールの工程とを最適化すれば、前記
TFTの電気的特性のばらつきが抑えられる可能性があ
る。
【0014】まず、加熱の工程に着目し、前記工程の最
適化を行う。前記最適化の実験を行うにあたり、非晶質
半導体膜には、非晶質珪素膜を用いた。前記非晶質珪素
膜に加熱処理を行った後、加熱条件によっては結晶化部
分と非晶質部分の混在した多結晶珪素膜が得られる。前
記混在した状態を詳しく解析するために、次のような実
験を行った。
【0015】まず、非晶質珪素膜に加熱処理を行う際の
加熱時間を振った実験について述べる。5インチ角のガ
ラス基板(一辺5インチの正方形のガラス基板を指
す。)上にプラズマCVD装置により窒化酸化珪素膜1
00nm、非晶質珪素膜55nm成膜する。なお、本明
細書中において、窒化酸化珪素膜とはSiOxNyで表さ
れる絶縁膜であり、珪素、酸素、窒素を所定の割合で含
む絶縁膜を指す。次に、特開平7−183540号公報
に記載された方法を利用し、酢酸ニッケル水溶液(重量
換算濃度5ppm、体積5ml)を前記非晶質珪素膜表
面にスピンコート法にて塗布した。続いて、温度500
℃の窒素雰囲気で1時間、更に温度550℃の窒素雰囲
気で4時間、または8時間、または12時間加熱し、多
結晶珪素膜を形成した。前記多結晶珪素膜を光学顕微鏡
の明視野透過モード500倍で観察したものを図1に示
す。図1(a)には550℃で4時間加熱し得られた多
結晶珪素膜を、図1(b)には550℃で8時間加熱し
得られた多結晶珪素膜を、図1(C)には550℃で1
2時間加熱し得られた多結晶珪素膜をそれぞれ示す。
【0016】これらの条件での加熱による結晶化では、
結晶化領域(図5(b)5001;白い領域)と非晶質
領域(図5(b)5002;黒い領域)とが混在してい
る。ここで、結晶化領域と非晶質領域は、図1および図
5(b)を比較すると、加熱時間が長くなるにつれて黒
い領域が減少することが予想できる。そのため、図5
(b)において白い領域5001を結晶化領域、黒い領
域5002を非晶質領域と断定した。本明細書中では、
外周を多結晶の領域で囲まれている非晶質部分を非晶質
領域と呼称する。すなわち、図5(b)の黒い領域50
02は、非晶質領域の1つである。図5(b)に見られ
るような非晶質領域を無数に有する多結晶珪素膜をより
詳細に解析するため、非晶質領域の各々の面積を画像処
理により解析した。
【0017】ここで、画像処理の方法について説明す
る。光学顕微鏡の明視野透過モードでデジタルカメラに
より撮影した写真を図2(a)に示す。非晶質領域と結
晶化領域に分離するため、前記写真に対して画像処理を
行い2階調化する。前記写真を直接2階調化する方法も
あるが、写真の中央の明るさと、写真の端の明るさの違
いの影響までが強く現れてしまうことがある。このよう
な明暗の影響を抑えるために、前記写真をRGB(赤、
緑、青)やCMYK(シアン、マゼンダ、黄、黒)など
に分離してから2階調化する方が良い。前記写真ではR
GBで分離する方法を用いると、画像処理を容易に行う
ことが出来た。今回の実験では、RGBで分離したが、
解析する対象によってはCMYK等で分離してもよい。
【0018】図2(a)をR(赤)、G(緑)、B
(青)の3つに分離したものをそれぞれ、図2(b)、
図3(a)、図3(b)に示す。また、R(赤)、G
(緑)、B(青)に分離した各々の写真に基づく階調
(濃度)ヒストグラムを図4に示す。図4によると、R
(赤)とB(青)とG(緑)に分離する前はピークが2
つ現れている。しかしながら、R(赤)、G(緑)、B
(青)の3つに分離すると、R(赤)とB(青)ではピ
ークが1つしか現れていないが、G(緑)ではピークが
2つ現れていることから、G(緑)のみ非晶質の部分と
結晶化の部分の分離が出来ていることがわかる。そこで
G(緑)画像を非晶質の部分と結晶の部分とに分離する
ために2階調化した画像を図5(a)に示す。2階調に
分けるラインは、図4においてG(緑)の2つのピーク
の間にある極小値のところに設けた。
【0019】そこでG(緑)画像を図4で示した2つの
ピークの間に存在する極小値で分離して2階調化し、非
晶質領域と結晶化領域に分離したものを図5(a)に示
す。図5(a)における非晶質領域の面積を画像処理ソ
フト(NIH-Image)を用いて計算した。加熱時間と、珪
素膜の総面積に対する加熱処理後の前記非晶質領域の総
面積の割合との関係を表したのが図6(a)である。図
6(a)より、加熱時間が長い程、非晶質領域の総面積
の割合が低くなっている。
【0020】また、図5(a)に於ける各々の非晶質領
域の面積を画像処理ソフト(NIH-Image)を用いて計算
し、図6(b)に示す。図6(b)は確率統計分布図で
あり、横軸は非晶質領域の各々の面積を示し、縦軸は確
率を示している。図6(b)中、○印は、図1(a)に
示した多結晶珪素膜中に含まれる非晶質領域の各々の面
積を確率統計分布図に表したものであり、△印が、図1
(b)に示したものを同様に表したものであり、また、
×印が、図1(c)に示したものを同様に表したもので
ある。図6(b)より、4時間加熱したものには10μ
2以上の非晶質領域が存在しているが、8時間加熱し
たものと12時間加熱したものには存在していない。更
に、4時間加熱したものは他の場合に比べて前記非晶質
領域の面積のばらつきも大きい。
【0021】そして、図1(a)、図1(b)、図1
(C)で示した多結晶珪素膜に対してそれぞれレーザア
ニールを行う。前記多結晶珪素膜を基に薄膜トランジス
タ(TFT)を作製してnチャネルの電気的特性を測定
した。その結果を図7の確率統計分布図に示す。図7中
の○印、△印、×印は、図6(b)中に示した記号に対
応する。すなわち、○印は、温度550℃で4時間加熱
し得られた多結晶珪素膜を使い作製されたTFTの電気
的特性を、△印は、温度550℃で8時間加熱し得られ
た多結晶珪素膜を使い作製されたTFTの電気的特性
を、×印は、温度550℃で12時間加熱し得られた多
結晶珪素膜を使い作製されたTFTの電気的特性を示
す。図7(a)はVthの確率統計分布を示し、図7
(b)はS値の確率統計分布を示し、図7(c)は移動
度の確率統計分布を示している。4時間加熱して得られ
た多結晶珪素膜を用いてTFTを作製すると、その電気
的特性は、8時間加熱したものや12時間加熱したもの
と比較して大きなばらつきを生じている。つまり、図6
(a)および図7から、珪素膜の全面積に対する非晶質
領域の総面積の割合が最も高いと、電気的特性でばらつ
きが生じることがわかる。また、図6(b)および図7
から、非晶質領域の面積の比較的大きなものがあると、
電気的特性でばらつきが生じることがわかる。
【0022】次に他の実験に関して述べる。上述の実験
では、酢酸ニッケル水溶液の重量換算の濃度を5ppm
としたが、本実験では10ppmのものを使用する。ま
た、本実験では、加熱時間を振るのではなく、加熱温度
を振って、得られる多結晶珪素膜における非晶質領域の
面積の確率統計分布や、TFTの電気的特性との相関が
どうなるかを調べた。
【0023】まず、5インチ角のガラス基板上にプラズ
マCVD装置により窒化酸化珪素膜100nm、非晶質
珪素膜55nm成膜した後、酢酸ニッケル水溶液(重量
換算濃度10ppm、体積5ml)をスピンコート法に
て表面に塗布した。続いて、温度500℃の窒素雰囲気
で1時間加熱し、更に、連続的に温度550℃、また
は、温度575℃、または、温度600℃の窒素雰囲気
で4時間加熱し、多結晶珪素膜を形成した。前記多結晶
珪素膜を光学顕微鏡の明視野透過モードで500倍で観
察したものを図8に示す。図8(a)には550℃で加
熱し得られた多結晶珪素膜の写真を、図8(b)には5
75℃で加熱し得られた多結晶珪素膜の写真を、図8
(c)には600℃で加熱し得られた多結晶珪素膜の写
真をそれぞれ示す。
【0024】図8(a)〜(c)に、図2(a)に行っ
たものと同様の画像処理を行い、多結晶珪素膜を非晶質
領域と結晶化領域に分離した。加熱温度と、珪素膜全面
積に対する前記非晶質領域の総面積の割合との関係を図
9に示す。図9(a)より、加熱温度が高くなる程、非
晶質領域は観察されなくなることが分かる。特に、60
0℃で加熱し得られた多結晶珪素膜においては、光学顕
微鏡(500倍、明視野透過モード)での観察で、非晶
質領域はほとんど見られなかった。
【0025】また、前記画像処理により分離した非晶質
領域の各々の面積を確率統計分布図にしたものを図9
(b)に示す。図9(b)中の○は加熱温度550℃、
△は575℃、×は600℃で処理したものの確率統計
分布を示している。図9(b)より、550℃で加熱し
たものと575℃で加熱したものには0.3μm2以上
の非晶質領域が存在しているが、600℃で加熱したも
のには0.3μm2以上の非晶質領域は存在していな
い。
【0026】それぞれの加熱温度で得られた多結晶珪素
膜に対してレーザのエネルギーを振ってレーザアニール
を行なう。前記多結晶珪素膜を基にTFTを作製してn
チャネル型TFTの電気的特性を測定したものを図1
0、11に示す。図10 (a)〜(d)は温度500
℃の窒素雰囲気で1時間、更に連続的に温度550℃の
窒素雰囲気で4時間加熱し得られたTFTの電気的特性
の分布を示した。図10(e)〜(h)は温度500℃
の窒素雰囲気で1時間、更に連続的に温度575℃の窒
素雰囲気で4時間加熱し得られたTFTの電気的特性の
分布を示した。図11(a)〜(d)は温度500℃の
窒素雰囲気で1時間、更に連続的に温度600℃の窒素
雰囲気で4時間加熱し得られたTFTの電気的特性の分
布を示した。図10(a)、図10(e)、図11
(a)はレーザのエネルギー密度に対するVthを示
し、図10(b)、図10(f)、図11(b)はレーザのエ
ネルギー密度に対するS値を示し、図10(c)、図1
0(g)、図11(c)はレーザのエネルギー密度に対
するShiftを示し、図10(d)、図10(h)、
図11(d)はレーザのエネルギー密度に対する移動度
を示している。ここでShiftとは、ドレイン電流の
立ち上がるときのゲート電圧値のこととする。
【0027】図10、11を比較すると、温度500℃
の窒素雰囲気で1時間、更に連続的に温度600℃の窒
素雰囲気で4時間加熱して得られた多結晶珪素膜を基に
作製されたTFTの電気的特性がレーザのエネルギー変
動に対して最も敏感に影響を受けていることが分かる。
つまり、図9、11より、加熱処理後の多結晶珪素膜中
に非晶質領域がほとんどないと、レーザのエネルギー変
動によって電気的特性が大きく変動する。このように、
図9で示した加熱温度600℃で得られた多結晶珪素膜
に非晶質領域がほとんどないことと、図10、図11に
示したレーザのエネルギー条件によってTFTの電気的
特性が比較的大きく変動することとで相関が取れている
ことがわかる。
【0028】以上に述べたように、非晶質珪素膜に対す
る加熱処理後、結晶化しなかった非晶質領域の総面積と
TFTの電気的特性に相関があることが分かる。また、
結晶化しなかった非晶質領域の各々の面積とTFTの電
気的特性に相関があることが分かる。本発明は課題を解
決するために、以下の手段を用いて、結晶質珪素膜を得
る。非晶質珪素膜上に前記非晶質珪素膜の結晶化あるい
は結晶性の向上を助長する金属元素を導入し、前記非晶
質珪素膜に加熱処理を行い、結晶化させる。
【0029】具体的には、プラズマ処理や蒸着、スパッ
タ法、イオン注入、溶液塗布等を利用して前記非晶質珪
素膜上に微量な元素(結晶化を助長する金属元素)を導
入し、加熱処理を行って前記非晶質珪素膜を結晶化させ
る。特に本発明では前記加熱処理に於いて、前記非晶質
珪素膜全面を結晶化させるのではなく、1つのTFTの
活性層となる領域の中に含まれる非晶質領域の総面積が
前記1つのTFTの活性層となる領域の面積に対し、
1.0〜8.0%、好ましくは1.0〜6.0%となる
多結晶珪素膜を作製することが重要である。すなわち、
1つのTFTの活性層となる領域の92〜99%、好ま
しくは、94〜99%が結晶化している多結晶珪素膜を
作製することが重要である。このことは、電気的特性の
向上のために極めて重要である。但し、前記TFTの活
性層となる領域は、前記金属元素を導入した領域からそ
の周辺へと結晶成長が行われた領域内に作製されるもの
とする。
【0030】前記1つのTFTの活性層となる領域の中
に含まれる非晶質領域の総面積が活性層となる領域の面
積に対し、1.0〜8.0%、好ましくは1.0〜6.
0%であることが望ましいとした根拠について説明す
る。まず、下限値を1.0%としたことについて説明す
る。温度575℃の窒素雰囲気で4時間加熱した後の非
晶質領域の総面積は多結晶珪素膜の全面積の1.75%
であり、温度600℃の窒素雰囲気で4時間加熱した後
の非晶質領域の総面積は多結晶珪素膜の全面積に対して
0.00%であった。
【0031】また、図11より、温度600℃で加熱処
理した多結晶珪素膜をレーザアニールし、前記多結晶珪
素膜を基にTFTを作製したときの電気的特性はレーザ
アニール時のレーザのエネルギー変動に大きく影響を受
けている。現存するレーザアニールに適したレーザ発振
器は、レーザのエネルギー変動が大きく、作製する半導
体装置によっては歩留まりの低下の原因となっている。
よって、レーザのエネルギー変動に対し、TFTの電気
的特性が敏感に変動する珪素膜は、特に量産に適さな
い。
【0032】そのため、加熱処理後の非晶質領域の総面
積は多結晶珪素膜の全面積の1.0%以上が必要であ
る。さらに、局所的に前記多結晶珪素膜の表面観察を行
っても、観察領域に対し非晶質領域の総面積が1.0%
以上となるのが望ましい。そこで、最小観察領域を1つ
のTFTの活性層となる領域をとし、前記1つのTFT
の活性層となる領域の中に含まれる非晶質領域の総面積
は前記1つのTFTの活性層となる領域の面積に対して
1.0%以上とするとした。
【0033】次に、前記1つのTFTの活性層となる領
域の中に含まれる非晶質領域の総面積が前記1つのTF
Tの活性層となる領域の面積に対し、上限値を8.0
%、好ましくは6.0%としたことについて説明する。
温度550℃の窒素雰囲気で4時間加熱処理した後の非
晶質領域の面積は多結晶珪素膜の全面積の9.25%で
あり、温度550℃の窒素雰囲気で8時間加熱処理した
後の非晶質領域の面積は多結晶珪素膜の全面積の5.6
3%であった。図7より、4時間加熱処理した多結晶珪
素膜にレーザアニールを行い、前記多結晶珪素膜を基に
TFTを作製したときの電気的特性はばらつきが大きく
なることから、上限を8.0%、好ましくは6.0%と
した。ここでも、下限値を決定した場合と同様の理由
で、前記1つのTFTの活性層となる領域の中に含まれ
る非晶質領域の総面積を対象とする。
【0034】また、多結晶珪素膜の有する非晶質領域の
面積が10.0μm2以下であり、前記非晶質領域の少
なくとも1つの面積が0.30μm2以上である前記多
結晶珪素膜にレーザアニールし、これを基にTFTを作
製すると、前記TFTの電気的特性のばらつきが本実験
において最小になった。これを本発明の特徴の1つとす
る。
【0035】前記非晶質領域の面積の上限を10.0μ
2としたのは、図7で示したように、10.0μm2
上の非晶質領域を有する多結晶珪素膜をレーザアニール
し、これを基にTFTを作製した場合の、前記TFTの
電気的特性のばらつきが非常に大きくなっているためで
ある。前記非晶質領域の少なくとも1つの面積が0.3
0μm2以上であることを本発明の特徴とした理由は、
図10、図11で示したように、加熱処理後に0.30
μm2以上の面積の非晶質領域が全くなくなった多結晶
珪素膜にレーザアニールを行った場合、レーザのエネル
ギー変動によってTFTの電気的特性が大きく変化する
からである。現存するレーザアニールに適したレーザ発
振器は、レーザのエネルギー変動が大きく、作製する半
導体装置によっては歩留まりの低下の原因となってい
る。よって、レーザのエネルギー変動に対し、TFTの
電気的特性が敏感に変動する工程は、特に量産に適さな
い。
【0036】上記の工程を経て作製された多結晶珪素膜
を基に、半導体装置を作製する。半導体装置には、薄膜
トランジスタ(TFT)、ダイオード、光センサ等があ
るが、いずれも前記非晶質珪素膜を基に作製出来る。
【0037】上記では、非晶質珪素膜を加熱により結晶
化する方法を最適化した。次に、加熱により結晶化した
多結晶珪素膜をレーザアニールする方法を最適化する。
図12に多結晶珪素膜と非晶質珪素膜の吸収係数の波長
依存性を示す。非単結晶珪素膜のレーザアニールによく
用いられるエキシマレーザの波長域(351nm以下)
では、多結晶珪素膜と非晶質珪素膜とは、互いに高い吸
収係数を有する。これが多結晶珪素膜や非晶質珪素膜の
レーザアニールにエキシマレーザがよく用いられる理由
である。
【0038】前記金属元素を添加した加熱処理のみで得
られた多結晶珪素膜を使ってTFTを作製した場合は、
前記金属元素を添加した加熱処理後にさらにレーザアニ
ール処理をした多結晶珪素膜を使ってTFTを作製した
場合と比較して、高い電気的特性をもつTFTが得られ
ない。たとえば、本明細書に記載した実験にて600℃
の加熱温度で得られた多結晶珪素膜には、外見上ほとん
ど非晶質領域が残っていなかったが、これを基にTFT
を作製しても、高い電気的特性のものが得られていな
い。以上のことから、600℃以下の低い温度での12
時間以下の加熱処理のみでは、たとえ本明細書に記載し
た結晶化を助長する金属元素を使い、見かけ上ほとんど
結晶化したとしても微少な非晶質部分が残っており、そ
れが原因で高い電気的特性が出ないと推測できる。
【0039】図35(a)に、厚さ55nmの非晶質珪
素膜に重量換算で濃度10ppmの酢酸ニッケル水溶液
をスピンコート法にて添加し、550℃の窒素雰囲気に
て4時間加熱したもののSEM写真を示す。図35
(b)には図35(a)で示した珪素膜に、さらに波長
308nmのXeClエキシマレーザをエネルギー密度
400mJ/cm2にて照射し、レーザアニールしたもの
のSEM写真を示す。前記400mJ/cm2の条件は最
も高い電気的特性をもつTFTを得るために最適化して
いる。図35の写真では、表面の状態が判りにくいの
で、適当な画像処理により表面状態を強調したものを図
36に示す。図35(a)、(b)の写真は、それぞれ
図36(a)、(b)に対応している。
【0040】図36をみて判るように、加熱処理のみを
行い得られた多結晶珪素膜の表面には、不定形の連続的
な結晶化領域中に非晶質領域(図中、島状に見える領
域)が点在する様子が見られる。一方、加熱処理に加え
レーザアニールを行い得られた多結晶珪素膜の表面に
は、深い溝のようなものに囲まれた粒が多数見られた。
前記深い溝は、多結晶珪素膜に含まれる単結晶の粒の境
界である。前記境界においては、単結晶が不連続に互い
に接しており、これがTFTの電気的特性を低下させる
要因となっている。一方、加熱処理のみを行い得られた
多結晶珪素膜表面には目立った境界は見られず、結晶化
領域が連続的につながっており、隙間を埋めるように非
晶質領域が点在する状態となっている。このような状態
をもつ非単結晶珪素膜は、単結晶の粒同士の境界がはっ
きりしないので単結晶が多数存在する状態とは異なる
が、便宜上、本明細書中では、多結晶珪素膜と称すると
する。
【0041】前述した通り、非晶質珪素膜の加熱処理の
みでは、十分に高い電気的特性の多結晶珪素膜は得られ
なかった。その理由として、加熱処理のみでは、得られ
る多結晶珪素膜中の非晶質領域を完全に消すことができ
ないことがあげられる。加熱処理の後にレーザアニール
を行い得られる多結晶珪素膜の電気的特性が高いのは、
加熱処理の後に残った前記非晶質領域をレーザアニール
により結晶化しているからである。
【0042】しかしながら、加熱処理により得られた多
結晶珪素膜に、従来よく用いられるエキシマレーザを使
ってレーザアニールすると、レーザビームが加熱処理に
より結晶化した部分にまで十分に吸収されるので、加熱
処理による結晶化の履歴がほとんど消えてしまった。す
なわち、加熱処理により得られた多結晶珪素膜は、エキ
シマレーザによるレーザアニールによりほぼ完全に溶融
して、しかる後に結晶化した。これによって、加熱処理
により形成されていた単結晶の粒同士の境界がはっきり
しない多結晶珪素膜の形状が完全に消失した。
【0043】前述したように、多結晶珪素膜中の単結晶
の粒同士の境界がはっきりしないものを用いた方が、高
い電気的特性をもつTFTを得られる可能性が高い。よ
って、前記加熱処理によって得られた結晶化領域が連続
的につながっている多結晶珪素膜に含まれる非晶質領域
のみにエネルギーを与えることができれば、前記加熱処
理でできた連続的につながっている結晶化領域の形状を
崩さずに前記非晶質領域のみを結晶化させることができ
る。
【0044】本発明者は、多結晶珪素と非晶質珪素の吸
収係数の波長依存性に着目し、多結晶珪素膜に含まれる
非晶質領域に主にエネルギーを与える方法を考案した。
すなわち、結晶化領域と比較して、非晶質領域により多
くのエネルギーが与えられる波長の領域をもつレーザビ
ームを、レーザアニールの手段に用いれば、非晶質領域
のみを主にレーザアニールすることが可能となる。この
ようなことを可能にするレーザビームの波長域は、図1
2から判るように、360〜650nm、好ましくは4
00〜600nmの範囲にある。前記範囲は、レーザビ
ームの照射対象が、非晶質領域を有する多結晶珪素膜で
ある場合にのみ有効な範囲である。よって、照射対象と
なる半導体膜が異なれば、前記範囲は新たに設定しなけ
ればならない。本発明は、珪素膜のみでなく他の半導体
膜に対しても応用できることは容易に推測できる。
【0045】非晶質半導体膜として非晶質珪素膜を用い
る場合、加熱処理により生じる多結晶珪素膜の有する連
続的な結晶化領域の構造を残したまま、レーザアニール
を行うためには、用いるレーザビームの波長を360〜
650nm、好ましくは400〜600nmの範囲とす
ることが必須である。
【0046】上記の波長範囲にあるレーザビームには、
YAGレーザの第2高調波、ガラスレーザの第2高調
波、Arレーザ、YLFレーザの第2高調波、YVO4
レーザの第2高調波等がある。そのうち特に大出力のレ
ーザビームが得られるものは、YAGレーザの第2高調
波、ガラスレーザの第2高調波等がある。
【0047】上記の工程を経て作製された多結晶珪素膜
を用いて、半導体装置を作製する。半導体装置には、薄
膜トランジスタ(TFT)、ダイオード、光センサ等が
あるが、いずれも前記多結晶珪素膜を基に作製出来る。
【0048】本明細書で開示する本発明の作製方法の1
つは、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を
助長する金属元素を導入する第1の工程と、加熱処理に
より前記非晶質半導体膜を部分的に結晶化させて第1の
多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、前記第1の多
結晶半導体膜に波長が360〜650nmのレーザビー
ムを照射して第2の多結晶半導体膜を形成する第3の工
程と、を有し、前記第1の多結晶半導体膜のTFTの活
性層となる領域は、92〜99%が結晶化していること
を特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0049】本発明の作製方法の他の1つは、非晶質半
導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元
素を導入する第1の工程と、加熱処理により前記非晶質
半導体膜を部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜
を形成する第2の工程と、前記第1の多結晶半導体膜に
波長が360〜650nmのレーザビームを照射して第
2の多結晶半導体膜を形成する第3の工程と、を有し、
前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
域に於いて92〜99%が結晶化し、前記第2の多結晶
半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域に於いて9
9%以上結晶化することを特徴とする半導体装置の作製
方法である。
【0050】本発明の作製方法の他の1つは、非晶質半
導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元
素を導入する第1の工程と、加熱処理により前記非晶質
半導体膜を部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜
を形成する第2の工程と、前記第1の多結晶半導体膜に
波長が360〜650nmのレーザビームを照射して第
2の多結晶半導体膜を形成する第3の工程と、を有し、
前記第1の多結晶半導体膜のTFTの活性層となる領域
は、94〜99%が結晶化していることを特徴とする半
導体装置の作製方法である。
【0051】本発明の作製方法の他の1つは、非晶質半
導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元
素を導入する第1の工程と、加熱処理により前記非晶質
半導体膜を部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜
を形成する第2の工程と、前記第1の多結晶半導体膜に
波長が360〜650nmのレーザビームを照射して第
2の多結晶半導体膜を形成する第3の工程と、を有し、
前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
域に於いて94〜99%が結晶化し、前記第2の多結晶
半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域に於いて9
9%以上結晶化することを特徴とする半導体装置の作製
方法である。
【0052】本発明の作製方法の他の1つは、非晶質半
導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元
素を導入する工程と、前記非晶質半導体膜を加熱処理に
より部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜を形成
する工程と、前記第1の多結晶半導体膜に波長が360
〜650nmのレーザビームを照射して第2の多結晶半
導体膜とする工程と、を有し、前記第1の多結晶半導体
膜の有する非晶質領域の各々の面積は10.0μm2
下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は
0.30μm2以上であることを特徴とする半導体装置
の作製方法の作製方法である。
【0053】本発明の作製方法の他の1つは、非晶質半
導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元
素を導入する工程と、前記非晶質半導体膜を加熱処理に
より部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜を形成
する工程と、前記第1の多結晶半導体膜に波長が400
〜600nmのレーザビームを照射して第2の多結晶半
導体膜とする工程と、を有し、前記第1の多結晶半導体
膜の有する非晶質領域の各々の面積は10.0μm2
下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は
0.30μm2以上であることを特徴とする半導体装置
の作製方法である。
【0054】上記の発明において、前記波長は400〜
600nmであると、非晶質珪素膜と多結晶珪素膜との吸
収係数の差がより大きくなるので好ましい。
【0055】上記発明において、前記金属元素は、N
i、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、P
b、P、As、Sbから選ばれた一種または複数種類の
元素であると結晶成長が良好に行われるのでよい。
【0056】上記発明において、前記金属元素は、8
族、1B族、3B族、4B族、5B族元素から選ばれた
一種または複数種類の元素であると結晶成長が良好に行
われるのでよい。
【0057】上記発明において、前記レーザビームは、
YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、Arレ
ーザのいずれかであると所望の波長のレーザビームが得
られる。
【0058】上記発明において、前記レーザビームは、
YAGレーザの第2高調波、ガラスレーザの第2高調
波、YVO4レーザの第2高調波、YLFレーザの第2
高調波のいずれかであると所望の波長のレーザビームが
得られる。
【0059】上記発明において、前記半導体装置は、液
晶表示装置、または発光装置とすることができる。
【0060】上記発明において、前記半導体装置は、携
帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクタ
ー、ゴーグル型ディスプレイ、パーソナルコンピュー
タ、DVDプレイヤー、電子書籍、または携帯型情報端
末とすることができる。
【0061】本発明の構成を以下に示す。
【0062】本明細書に開示する本発明の構成は、非晶
質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金
属元素を導入させ、加熱処理によりTFTの活性層とな
る領域の92〜99%を結晶化させて第1の多結晶半導
体膜を形成させ、前記第1の多結晶半導体膜に波長が3
60〜650nmのレーザビームを照射して形成させた
第2の多結晶半導体膜をTFTの活性層としたことを特
徴とする半導体装置である。
【0063】本発明の他の構成は、非晶質半導体膜に前
記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入さ
せ、加熱処理により、TFTの活性層となる領域の94
〜99%を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成さ
せ、前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650
nmのレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶
半導体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導
体装置である。
【0064】本発明の他の構成は、非晶質半導体膜に前
記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入さ
せ、加熱処理によりTFTの活性層となる領域における
非晶質領域の各々の面積は10.0μm2以下であり、
前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は0.30μm
2以上である第1の多結晶半導体膜を形成させ、前記第
1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nmのレー
ザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導体膜を
TFTの活性層としたことを特徴とする半導体装置であ
る。
【0065】本発明の他の構成は、非晶質半導体膜に前
記非晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入さ
せ、加熱処理によりTFTの活性層となる領域における
非晶質領域の各々の面積は10.0μm2以下であり、
前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は0.30μm
2以上である第1の多結晶半導体膜を形成させ、前記第
1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nmのレー
ザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導体膜を
TFTの活性層としたことを特徴とする半導体装置であ
る。
【0066】本発明の他の構成は、絶縁表面上に半導体
膜と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する半導体装
置において、前記半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非
晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入させ、
加熱処理により、TFTの活性層となる領域の94〜9
9%を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、
前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
体膜であることを特徴とする半導体装置である。絶縁表
面上に半導体膜と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有
する半導体装置の作製方法は、実施例にて詳しく記載し
た。
【0067】本発明の他の構成は、絶縁表面上に半導体
膜と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する半導体装
置において、前記半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非
晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素を導入させ、
加熱処理により、TFTの活性層となる領域の94〜9
9%を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、
前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
体膜であることを特徴とする半導体装置である。
【0068】本発明の他の構成は、絶縁表面上に半導体
膜と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する半導体装
置において、前記半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非
晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素または前記金
属元素を含む化合物を添加し、加熱処理を行い部分的に
結晶化させ得られる第一の多結晶半導体膜に、レーザビ
ームを照射し得られる第二の多結晶半導体膜であり、前
記第一の多結晶半導体膜の有する非晶質領域の各々の面
積は10.0μm2以下であり、前記非晶質領域の少な
くとも1つの面積は0.30μm2以上であり、前記レ
ーザビームの波長は、360〜650nmであることを
特徴とする半導体装置である。絶縁表面上に半導体膜
と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する半導体装置
の作製方法は、実施例にて詳しく記載した。
【0069】本発明の他の構成は、絶縁表面上に半導体
膜と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する半導体装
置において、前記半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非
晶質半導体膜の結晶化を助長する金属元素または前記金
属元素を含む化合物を添加し、加熱処理を行い部分的に
結晶化させ得られる第一の多結晶半導体膜に、レーザビ
ームを照射し得られる第二の多結晶珪素膜であり、前記
第一の多結晶半導体膜の有する非晶質領域の各々の面積
は10.0μm2以下であり、前記非晶質領域の少なく
とも1つの面積は0.30μm2以上であり、前記レー
ザビームの波長は、400〜600nmであることを特
徴とする半導体装置である。絶縁表面上に半導体膜と、
ゲート絶縁膜と、ゲート電極とを有する半導体装置の作
製方法は、実施例にて詳しく記載した。
【0070】上記発明において、前記金属元素は、N
i、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、P
b、P、As、Sbから選ばれた一種または複数種類の
元素であると結晶成長が良好に行われるのでよい。
【0071】上記発明において、前記金属元素は、8
族、1B族、3B族、4B族、5B族元素から選ばれた
一種または複数種類の元素であると結晶成長が良好に行
われるのでよい。
【0072】上記発明において、前記半導体装置は、液
晶表示装置、または発光装置とすることができる。
【0073】上記発明において、前記半導体装置は、携
帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクタ
ー、ゴーグル型ディスプレイ、パーソナルコンピュー
タ、DVDプレイヤー、電子書籍、または携帯型情報端
末とすることができる。
【0074】
【発明の実施の形態】非晶質珪素膜を加熱処理により部
分的に結晶化させ、1つのTFTの活性層となる領域の
中に含まれる非晶質領域の総面積が、前記1つのTFT
の活性層となる領域に対し1.0〜8.0%となる多結
晶珪素膜を作製する方法について説明する。まず基板と
して、厚さ0.7mm、5インチ角のコーニング173
7基板を用意した。基板にプラズマCVD装置を用い
て、厚さ200nmの窒化酸化珪素膜を成膜し、窒化酸
化珪素膜表面に厚さ50nmの非晶質珪素膜を成膜し
た。前記非晶質珪素膜上に結晶化を助長する元素を重量
換算で10ppm含有させた溶液(体積5ml)を塗布
し、基板を温度500℃の窒素雰囲気に1時間、更に温
度550℃の窒素雰囲気で4時間の加熱を行った。
【0075】前記加熱処理により1つのTFTの活性層
となる領域の中に含まれる非晶質領域の総面積は前記1
つのTFTの活性層となる領域の面積に対し、1.0〜
8.0%となる多結晶珪素膜を得た。また、前記非晶質
領域の各々の面積は10.0μm2以下であり、前記非
晶質領域の少なくとも1つの面積は0.30μm2以上
である。上記の結晶化の諸条件は所望の多結晶珪素膜を
得るための目安である。実施者は本発明が示す範囲に非
晶質領域の面積が入るように諸条件を最適化しなければ
ならない。
【0076】次に、例えば図13に示す光学系を用いて
レーザ発振器から出たレーザビームを線状ビームに加工
してレーザアニールを行う。光学系の詳細は実施例1に
て示す。また、出力の比較的小さなレーザ発振器を使う
場合は、例えば長さ10.0cm以上の線状ビームに加
工するにはエネルギー密度が十分でないため、照射対象
を配置する面にてレーザビームを十分に集光して、基板
全面を網羅するようにして照射する。前記照射方法とし
て、例えばガルバノメータとf-θレンズを用いて照射す
る方法がある。出力の比較的小さなレーザ発振器が出す
レーザビームの例に、YVO4レーザ(第2高調波)、
YLFレーザ(第2高調波)、Arレーザ等が挙げられ
る。その後、例えば公知の方法や後の実施例で示す方法
でTFTを作製する。
【0077】また、出力の小さなレーザ発振器を使う場
合は、例えば長さ10.0cmの線状ビームに加工する
にはエネルギー密度が十分でないため、基板全面を点光
源で網羅するようにして照射する。その手段として、例
えばガルバノメータを用いて照射する方法がある。前記
方法の光学系の一例を図14に示す。前記光学系を用い
る際の現時点で代表的なレーザ発振器としてはArレー
ザ等が挙げられる。その他、出力の比較的小さなレーザ
発振器が出すレーザビームの例に、YVO4レーザ(第
2高調波)、YLFレーザ(第2高調波)等がある。
【0078】以上のような方法で非晶質領域を有する多
結晶珪素膜にレーザアニールを行う。前記多結晶珪素膜
を基にTFTを作製すると、前記TFTの電気的特性の
ばらつきは少なくなる。
【0079】本実施形態では、非晶質半導体膜の例とし
て非晶質珪素膜を用いた場合を記述したが、非晶質珪素
ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体
膜を適用しても本発明の本質に何ら影響しない。
【0080】
【実施例】[実施例1]本実施例は本発明のレーザアニ
ール工程において、YAGレーザの第2高調波を用いて
レーザアニールを行う場合について説明する。
【0081】基板として、厚さ0.7mm、5インチ角
のコーニング1737基板を用意した。基板にプラズマ
CVD装置を用いて、厚さ200nmの窒化酸化珪素膜
を成膜し、窒化酸化珪素膜表面に厚さ50nmの非晶質
珪素膜を成膜した。前記非晶質珪素膜上に結晶化を助長
する元素を含有させた溶液を塗布する。前記溶液とし
て、例えば酢酸ニッケル溶液を用いる場合、前記酢酸ニ
ッケル溶液(重量換算濃度10ppm、体積5ml)を
スピンコートにより膜上全面に塗布する。
【0082】次に、基板に対し、温度500℃の窒素雰
囲気に1時間、更に温度550℃の窒素雰囲気に4時間
の加熱を行った。前記加熱処理により部分的に結晶化さ
せ1つのTFTの活性層となる領域の中に含まれる非晶
質領域の総面積が前記1つのTFTの活性層となる領域
の面積に対し1.0〜8.0%となる多結晶珪素膜を得
る。また、前記非晶質領域の面積は10.0μm2以下
であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は0.
30μm2以上である。上記の結晶化の諸条件は所望の
多結晶珪素膜を得るための目安である。実施者は本発明
が示す範囲に非晶質領域の総面積が入るように諸条件を
最適化しなければならない。
【0083】前記多結晶珪素膜中に残留する微小な非晶
質領域を結晶化させるため、前記多結晶珪素膜に対し、
YAGレーザの第2高調波(波長532nm)を照射す
る。図12に示すように、YAGレーザの第2高調波に
おいては、非晶質珪素の吸収係数の方が多結晶珪素のそ
れより十分高いため、前記加熱処理によって得られた多
結晶珪素膜に含まれる非晶質領域のみにエネルギーを与
えることができる。すなわち、前記加熱処理でできた連
続的につながっている結晶化領域の形状を崩さずに前記
非晶質領域を結晶化することができる。
【0084】本実施例では、YAGレーザの第2高調波
を、被照射面において線状に加工したレーザビームを使
い、前記多結晶珪素膜をレーザアニールする例を示す。
被照射面において線状にレーザビームを加工するための
光学系は、図13にて示したものとする。
【0085】高い透過率、高い耐レーザ性を得るために
は、上記光学系の母材は例えばすべて石英とするとよ
い。また、コーティングは、使用するレーザビームの波
長(本実施例の場合は532nmである。)に対する透
過率が99%以上得られるものを使用するとよい。
【0086】図13は被照射面に於いてレーザビームの
形状を線状に加工するための光学系の構成の例である。
この構成は極めて一般的なものであり、あらゆる前記光
学系は図13の構成に準じている。この構成は、被照射
面に於けるレーザビームの形状を線状に変換するだけで
なく、同時に、被照射面に於けるレーザビームのエネル
ギー均質化を果たすものである。
【0087】まず、図13の側面図について説明する。
レーザ発振器1001から出たレーザビームは、シリン
ドリカルアレイレンズ1002aと1002bにより、
レーザビームの進行方向に対し直角方向に分割される。
前記方向を本明細書中では、縦方向と呼ぶことにする。
前記縦方向は、光学系の途中でミラーが入ったとき、前
記ミラーが曲げた光の方向に曲がるものとする。この構
成では、4分割となっている。これらの分割されたレー
ザビームは、シリンドリカルアレイレンズ1004によ
り、いったん1つのレーザビームにまとめられる。ミラ
ー1007で反射され、その後、ダブレットシリンドリ
カルレンズ1008により、被照射面1009にて再び
1つのレーザビームに集光される。ダブレットシリンド
リカルレンズとは、2枚のシリンドリカルレンズで構成
されているレンズのことを言う。これにより、線状ビー
ムの幅方向のエネルギー均質化がなされ、幅方向の長さ
が決定される。
【0088】次に、図13の上面図について説明する。
レーザ発振器1001から出たレーザビームは、シリン
ドリカルアレイレンズ1003により、レーザビームの
進行方向に対して直角方向で、かつ、縦方向に対して直
角方向に分割される。該方向を本明細書中では、横方向
と呼ぶことにする。前記横方向は、光学系の途中でミラ
ーが入ったとき、前記ミラーが曲げた光の方向に曲がる
ものとする。この構成では、7分割となっている。その
後、シリンドリカルレンズ1005にて、レーザビーム
は被照射面1009にて1つに合成される。これによ
り、線状ビームの長手方向のエネルギーの均質化がなさ
れ、また前記線状ビームの長さが決定される。前記光学
系を用いる際は、出力の大きいYAGレーザの第2高調波
(波長532nm)や、ガラスレーザの第2高調波(波
長530nm)等を用いる。
【0089】上述で説明したように、シリンドリカルレ
ンズアレイ1002aとシリンドリカルレンズアレイ1
002bとシリンドリカルレンズアレイ1003とがレ
ーザビームを分割するレンズとなる。これらの分割数
や、レーザ発振器から出るレーザビームのエネルギー分
布により、被照射面にて得られるレーザビームの均一性
が決まる。
【0090】線状のレーザビームをそのレーザビームの
幅方向に徐々にずらしながら重ねて照射することによ
り、例えば非単結晶珪素膜全面に対しレーザアニールを
行って結晶化させたり、結晶性を向上させることができ
る。
【0091】レーザ発振器は、非線形光学素子により第
2高調波を発生させたYAGレーザ(波長532nm、
パルス幅7ns)を使用する。前記レーザ発振器はパル
ス発振のレーザビームを発し、1パルスあたり800m
Jのエネルギーを出す能力を持っている。レーザビーム
の形状は円状であり、レーザビームの出口でのサイズは
直径9mm(半値幅)である。レーザビームの出口は、
本明細書中ではレーザ発振器からレーザビームが出た直
後における、レーザビームの進行方向に垂直な平面で定
義する。
【0092】レーザビームの強度は、レーザビームの中
央ほど強いガウシアンの分布を示す。前記レーザビーム
のサイズは、図13に示した光学系により、エネルギー
分布の一様な125mm×0.4mmの線状のレーザビ
ームに変換される。
【0093】一般的に、非単結晶珪素膜に対し線状ビー
ムを照射する場合、レーザビームのパルス間の重ね合わ
せのピッチは線状ビームの幅(半値幅における幅)の1
/10前後が最も適当である。これにより、より高い均
一性で前記非単結晶珪素膜のレーザアニールを行うこと
ができる。上記の例では、前記幅が0.4mmであるの
で、レーザ発振器のパルス周波数を30Hz、照射対象
である非単結晶珪素膜を配置するステージの走査速度を
1.0mm/sとし、レーザビームを照射する。このと
き、レーザビームの被照射面におけるエネルギー密度は
500mJ/cm 2とする。これまで述べた方法は線状
ビームを使って半導体膜を結晶化するために用いられる
極めて一般的なものである。
【0094】このようにして作製された多結晶珪素膜を
用いて、例えば公知の方法や後の実施例で示す方法でT
FTを作製する。前記TFTの電気的特性は良好であ
り、特に移動度が高く、S値の小さい電気的特性が得ら
れ、しかもばらつきの少ない電気的特性を持つものが得
られる。
【0095】[実施例2]本実施例では、非晶質珪素膜
に対し加熱処理を行った後、YVO4レーザの第2高調
波(波長532nm)を用いてレーザアニールを行う場
合の例について説明する。YVO4レーザは、レーザビ
ームの質が高いのが特徴で、レーザビームの質を表す1
つの指標であるM2が1に非常に近い。しかしながら、
現在、YVO4レーザの第2高調波で得られるレーザビ
ームのエネルギーは高くても1パルスあたり0.1mJ
程度であるため、ほとんど点光源に絞る必要がある。Y
VO4レーザのレーザビームの質は非常に高いので、適
当な凸レンズを用いて集光すれば、非常に小さな点光源
とすることができる。YVO4レーザの第2高調波はパ
ルスレーザであり、20000Hzの周波数で発振させる
ことができる。
【0096】実施例1で示した非晶質珪素膜の結晶化工
程において、レーザアニールをする前の加熱工程まで終
えた多結晶珪素膜に対し、YVO4レーザの第2高調波
のレーザビームを照射し、レーザアニールする例を図1
4に沿って説明する。
【0097】図14において、レーザ発振器1401か
ら出るレーザビームはビームエキスパンダ1402によ
り、非晶質領域を結晶化するに足るエネルギー密度をも
つレーザビームに変換される。ビームエキスパンダは一
般にビームの大きさを大きくするものであるが、本実施
例の場合、所望のエネルギー密度によっては、ビームを
小さくする方向で用いてもよい。前記レーザビームは更
にガルバノメータ1403、f-θシリンドリカルレンズ
1404を経て基板1405に達している。ガルバノメ
ータ1403が振動することにより、ガルバノメータの
ミラーの角度が時間変化し、基板上でのレーザビームの
位置が1407で示した矢印の方向へ移動する。ガルバ
ノメータが半周期振動すると、基板の幅の端から端まで
レーザビームが移動するように調整されている。このと
き、基板上でのレーザビームの位置が移動しても、レー
ザビームのエネルギー密度が基板上で常に一定になるよ
うにf-θシリンドリカルレンズ1404は調整されてい
る。ガルバノメータが半周期振動すると、基板の幅の端
から端までレーザビームが移動する。これにより、レー
ザビームの照射された部分がレーザアニールされる。レ
ーザビームはパルス発振であるから、アニール位置が断
続的にならないように、ガルバノメータの振動の速度を
調整する。その後、ステージが1408で示した矢印の
方向に移動して、再び基板上で1407で示した方向へ
のレーザビームの移動が始まる。これらの動作を繰り返
させることにより、基板全面をレーザアニールすること
ができる。すなわち、ガルバノメータの回転による照射
位置の移動とステージの移動とを繰り返すことで基板全
面にレーザが照射される。
【0098】図12に示すように、YVO4レーザの第
2高調波(波長532nm)においては、非晶質珪素の
方が多結晶珪素より吸収率が十分高いため、加熱処理に
よって得られた多結晶珪素膜が有する連続的な結晶化領
域の形状を崩すことなく、非晶質領域の結晶化を行うこ
とが出来る。
【0099】このようにして作製された多結晶珪素膜を
用いて、例えば公知の方法や後の実施例で示す方法でT
FTを作製する。前記TFTの電気的特性は良好であり、
特に移動度が高く、S値の小さい電気的特性が得られ、
しかもばらつきの少ない電気的特性を持つものが得られ
る。
【0100】[実施例3]本実施例では、非晶質珪素膜
に対し加熱処理を行った後、YLFレーザの第2高調波
(波長527nm)を用いてレーザアニールを行う場合
の例について説明する。YLFレーザの第2高調波は、
レーザビームの出口でのサイズを直径5mm程度にでき
る。よって、レーザビームの形状やエネルギー密度を調
整することは、他の点光源に近いレーザビームと比較
し、遙かに容易である。しかしながら、現在、YLFレ
ーザの第2高調波で得られるレーザビームのエネルギー
は高くても1パルスあたり20mJ程度であるため、被
照射面にて直径2mm程度、もしくはそれ以下のサイズ
にレーザビームを絞り込まねば、非晶質領域を結晶化さ
せるのに十分なエネルギー密度は得られない。また、現
存するYLFレーザのパルス発振の周波数はkHzオーダ
ーまで達している。
【0101】実施例1で示した非晶質珪素膜の結晶化工
程において、レーザアニールをする前の加熱工程まで終
えた多結晶珪素膜に対し、YLFレーザの第2高調波の
レーザビームを照射する。照射の方法は、例えば、実施
例2に示した方法に沿って行えばよい。YLFレーザの
周波数は、例えば1kHz程度であるので、その周波数
に合わせガルバノメータの振動の速度を調整する必要が
ある。
【0102】図12に示すように、YLFレーザの第2
高調波(波長527nm)においては、非晶質珪素の方
が多結晶珪素より吸収率が高いため、加熱処理によって
得られた多結晶珪素膜が有する連続的な結晶化領域の形
状を崩すことなく、非晶質領域の結晶化を行うことが出
来る。
【0103】このようにして作製された多結晶珪素膜を
用いて、例えば公知の方法や後の実施例で示す方法でT
FTを作製する。前記TFTの電気的特性は良好であ
り、特に移動度が高く、S値の小さい電気的特性が得ら
れ、しかもばらつきの少ない電気的特性を持つものが得
られる。
【0104】[実施例4]本実施例では、非晶質珪素膜
に対し加熱処理を行った後、Arレーザを用いてレーザ
アニールを行う場合の例について説明する。Arレーザ
は、連続発光のものとパルス発振のものがあり、本実施
例においては、連続発光のものを使う。パルス発振のA
rレーザを用いても、本発明の本質にはなんら影響をも
たらさない。パルス発振ではなく連続発光のレーザを使
う利点は、レーザビームを高速で移動させても、レーザ
アニールの均一性が失われないことにある。パルス発振
のレーザビームにおいては、レーザビームをあまりに高
速で移動させると、パルス間で隣り合うレーザビーム同
士が分離する。これによりレーザアニールの均一性が失
われる。現在、連続発光のArレーザで得られるレーザ
ビームのエネルギーは20W程度であるため、被照射面
にて直径数十μm程度のサイズにレーザビームを絞れ
ば、非晶質領域を結晶化するに足るエネルギーが得られ
る。
【0105】実施例1で示した非晶質珪素膜の結晶化工
程において、レーザアニールをする前の加熱工程まで終
えた多結晶珪素膜に対し、Arレーザを照射する。照射
の方法は、例えば、実施例2に示した方法に沿って行え
ばよい。本実施例にて使用するArレーザは、連続発光
であるから、照射対象である多結晶珪素膜のレーザアニ
ールが十分に行えるように、ガルバノメータの振動の速
度を調整する必要がある。ガルバノメータがある速度以
上で振動した場合、多結晶珪素膜に与えられるレーザエ
ネルギーが不十分となるからである。
【0106】Arレーザの強い発振波長は488.0n
mと514.5nmであり、これらの波長においては、
図12に示すように非晶質珪素の方が多結晶珪素より吸
収率が十分に高いため、加熱処理によって得られた多結
晶珪素膜が有する連続的な結晶化領域の形状を崩すこと
なく、非晶質領域の結晶化を行うことが出来る。
【0107】このようにして作製された多結晶珪素膜を
用いて、例えば公知の方法や後の実施例で示す方法でT
FTを作製する。前記TFTの電気的特性は良好であり、
特に移動度が高く、S値の小さい電気的特性が得られ、
しかもばらつきの少ない電気的特性を持つものが得られ
る。
【0108】[実施例5]本実施例は非晶質珪素膜を結
晶化させるときの加熱温度を575℃にした場合について
説明する。
【0109】実施例1と同様の方法でSiO2膜、非晶
質珪素膜を成膜し、前記非晶質珪素膜上に結晶化を助長
する元素を含有させた溶液を塗布する。次に、基板に対
し、温度500℃の窒素雰囲気に1時間、更に連続的に
温度575℃の窒素雰囲気に1時間の加熱を行う。これ
により前記非晶質珪素膜は多結晶珪素膜に変化する。前
記多結晶珪素膜は非晶質領域を含んでいる。
【0110】前記加熱処理により部分的に結晶化させ1
つのTFTの活性層となる領域の中に含まれる非晶質領
域の総面積が前記1つのTFTの活性層となる領域の面
積に対し1.0〜8.0%となる多結晶珪素膜を得る。
また、前記非晶質領域の各々の面積は10.0μm2
下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は
0.30μm2以上である。上記の結晶化の諸条件は所
望の多結晶珪素膜を得るための目安である。実施者は本
発明が示す範囲に非晶質領域の総面積が入るように諸条
件を最適化しなければならない。
【0111】この後、実施例1〜実施例4にて示したレ
ーザアニールの方法により、前記非晶質領域を結晶化さ
せる。これにより得られた多結晶珪素膜を基に、例えば
公知の方法や後の実施例で示す方法でTFTを作製す
る。前記TFTの電気的特性は良好で、特に移動度が高
く、S値の小さい電気的特性が得られ、しかもばらつき
の少ない電気的特性を持つものが得られる。
【0112】[実施例6]本発明の実施例を図15〜図
17に沿って説明する。ここでは、画素部の画素TFT
および保持容量と、画素部の周辺に設けられる駆動回路
のTFTを同時に作製する方法について工程に従って詳
細に説明する。
【0113】図15(A)において、基板101にはコ
ーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなど
に代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウ
ケイ酸ガラスなどのガラス基板や石英基板などを用い
る。ガラス基板を用いる場合には、ガラス歪み点よりも
10〜20℃程度低い温度であらかじめ熱処理しておい
ても良い。そして、基板101のTFTを形成する表面
に、基板101からの不純物拡散を防ぐために、酸化珪
素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜か
ら成る下地膜102を形成する。例えば、プラズマCV
D法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化
珪素膜102aを10〜200nm(好ましくは50〜1
00nm)、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒
化水素化珪素膜102bを50〜200nm(好ましくは
100〜150nm)の厚さに積層形成する。ここでは下
地膜102を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単
層膜または2層以上積層させて形成しても良い。
【0114】酸化窒化珪素膜は平行平板型のプラズマC
VD法を用いて形成する。酸化窒化珪素膜102aは、
SiH4を10SCCM、NH3を100SCCM、N2Oを20S
CCMとして反応室に導入し、基板温度325℃、反応圧
力40Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数6
0MHzとした。一方、酸化窒化水素化珪素膜102b
は、SiH4を5SCCM、N2Oを120SCCM、H2を12
5SCCMとして反応室に導入し、基板温度400℃、反応
圧力20Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数
60MHzとした。これらの膜は、基板温度を変化させ、
反応ガスの切り替えのみで連続して形成することができ
る。
【0115】このようにして作製した酸化窒化珪素膜1
02aは、密度が9.28×1022/cm3であり、フッ化
水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化
アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液
(ステラケミファ社製、商品名LAL500)の20℃
におけるエッチング速度が約63nm/minと遅く、緻密で
硬い膜である。このような膜を下地膜に用いると、この
上に形成する半導体層にガラス基板からのアルカリ金属
元素が拡散するのを防ぐのに有効である。
【0116】次に、25〜100nm(好ましくは30〜
70nm)の厚さで非晶質構造を有する半導体層103a
を、プラズマCVD法やスパッタ法などの方法で形成す
る。非晶質構造を有する半導体膜には、非晶質半導体層
や微結晶半導体膜があり、非晶質珪素ゲルマニウム膜な
どの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良
い。プラズマCVD法で非晶質珪素膜を形成する場合に
は、下地膜102と非晶質半導体層103aとは両者を
連続形成することも可能である。例えば、前述のように
酸化窒化珪素膜102aと酸化窒化水素化珪素膜102
bをプラズマCVD法で連続して成膜後、反応ガスをS
iH4、N2O、H2からSiH4とH2或いはSiH4のみ
に切り替えれば、一旦大気雰囲気に晒すことなく連続形
成できる。その結果、酸化窒化水素化珪素膜102bの
表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製するTFTの
電気的特性のバラツキやしきい値電圧の変動を低減させ
ることができる。
【0117】そして、結晶化の工程を行い非晶質半導体
層103aから結晶質半導体層103bを作製する。そ
の方法としてレーザアニール法や熱アニール法(固相成
長法)、またはラピットサーマルアニール法(RTA
法)を適用することができる。前述のようなガラス基板
や耐熱性の劣るプラスチック基板を用いる場合には、特
にレーザアニール法を適用することが好ましい。RTA
法では、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライ
ドランプ、キセノンランプなどを光源に用いる。或いは
特開平7−130652号公報で開示された技術に従っ
て、金属元素を用いる結晶化法で結晶質半導体層103
bを形成することもできる。結晶化の工程ではまず、非
晶質半導体層が含有する水素を放出させておくことが好
ましく、400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い
含有する水素量を前記非晶質半導体層に含まれる全原子
数の5%以下にしてから結晶化させると膜表面の荒れを
防ぐことができるので良い。
【0118】また、プラズマCVD法で非晶質珪素膜の
形成工程において、反応ガスにSiH4とアルゴン(A
r)を用い、成膜時の基板温度を400〜450℃とし
て形成すると、非晶質珪素層の含有水素濃度を前記非晶
質半導体層に含まれる全原子数の5%以下にすることも
できる。このような場合において水素を放出させるため
の熱処理は不要となる。
【0119】結晶化をレーザアニール法にて行う場合に
は、エキシマレーザやYAGレーザ、アルゴンレーザ等を
その光源とする。パルス発振型のエキシマレーザを用い
る場合には、レーザ光を線状に加工してレーザアニール
を行う。レーザアニール条件は実施者が適宣選択するも
のであるが、例えば、レーザーパルス発振周波数30H
zとし、レーザエネルギー密度を100〜500mJ/cm2
(代表的には300〜400mJ/cm2)とする。そして線
状ビームを基板全面に渡って照射し、この時の線状ビー
ムの重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%
として行う。このようにして図15(B)に示すように
結晶質半導体層103bを得ることができる。
【0120】そして、結晶質半導体層103b上に第1
のフォトマスク(PM1)を用い、フォトリソグラフィ
ーの技術を用いてレジストパターンを形成し、ドライエ
ッチングによって結晶質半導体層を島状に分割し、図15
(C)に示すように島状半導体層104〜108を形成
する。結晶質珪素膜のドライエッチングにはCF4とO2
の混合ガスを用いる。
【0121】このような島状半導体層に対し、TFTの
しきい値電圧(Vth)を制御する目的でp型を付与する
不純物元素を1×1016〜5×1017/cm3程度の濃度で
島状半導体層の全面に添加しても良い。半導体に対して
p型を付与する不純物元素には、ホウ素(B)、アルミ
ニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律表第13
族の元素が知られている。その方法として、イオン注入
法やイオンドープ法(或いはイオンシャワードーピング
法)を用いることができるが、大面積基板を処理するに
はイオンドープ法が適している。イオンドープ法ではジ
ボラン(B26)をソースガスとして用いホウ素(B)
を添加する。このような不純物元素の注入は必ずしも必
要でなく省略しても差し支えないが、特にnチャネル型
TFTのしきい値電圧を所定の範囲内に収めるために好
適に用いる手法である。
【0122】ゲート絶縁膜109aはプラズマCVD法
またはスパッタ法を用い、膜厚を40〜150nmとして
珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120nm
の厚さで酸化窒化珪素膜から形成する。また、SiH4
とN2OにO2を添加させて作製された酸化窒化珪素膜
は、膜中の固定電荷密度が低減されているのでこの用途
に対して好ましい材料となる。また、SiH4とN2Oと
2とから作製する酸化窒化珪素膜はゲート絶縁膜との
界面欠陥密度を低減できるので好ましい。勿論、ゲート
絶縁膜はこのような酸化窒化珪素膜に限定されるもので
なく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造とし
て用いても良い。例えば、酸化珪素膜を用いる場合に
は、プラズマCVD法で、TEOS(Tetraethyl Orth
osilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温
度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電
力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成すること
ができる。このようにして作製された酸化珪素膜は、そ
の後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜
として良好な電気的特性を得ることができる。
【0123】そして、図15(D)に示すように、第1の
形状のゲート絶縁膜109a上にゲート電極を形成する
ための耐熱性導電層111を200〜400nm(好まし
くは250〜350nm)の厚さで形成する。耐熱性導電
層は単層で形成しても良いし、必要に応じて二層あるい
は三層といった複数の層から成る積層構造としても良
い。本明細書でいう耐熱性導電層にはTa、Ti、Wか
ら選ばれた元素、または前記元素を成分とする合金か、
前記元素を組み合わせた合金膜が含まれる。これらの耐
熱性導電層はスパッタ法やCVD法で形成されるもので
あり、低抵抗化を図るために含有する不純物濃度を低減
させることが好ましく、特に酸素濃度に関しては30p
pm以下とすると良い。本実施例ではW膜を300nmの
厚さで形成する。W膜はWをターゲットとしてスパッタ
法で形成しても良いし、6フッ化タングステン(W
6)を用いて熱CVD法で形成することもできる。い
ずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗
化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下
にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすること
で低抵抗率化を図ることができるが、W中に酸素などの
不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化す
る。このことより、スパッタ法による場合、純度99.
9999%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相
中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を
形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現す
ることができる。
【0124】一方、耐熱性導電層111にTa膜を用い
る場合には、同様にスパッタ法で形成することが可能で
ある。Ta膜はスパッタガスにArを用いる。また、ス
パッタ時のガス中に適量のXeやKrを加えておくと、
形成する膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止するこ
とができる。α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度で
ありゲート電極に使用することができるが、β相のTa
膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とする
には不向きであった。TaN膜はα相に近い結晶構造を
持つので、Ta膜の下地にTaN膜を形成すればα相の
Ta膜が容易に得られる。また、図示しないが、耐熱性
導電層111の下に2〜20nm程度の厚さでリン(P)
をドープした珪素膜を形成しておくことは有効である。
これにより、その上に形成される導電膜の密着性向上と
酸化防止を図ると同時に、耐熱性導電層111が微量に
含有するアルカリ金属元素が第1の形状のゲート絶縁膜
109aに拡散するのを防ぐことができる。いずれにし
ても、耐熱性導電層111は抵抗率を10〜50μΩcm
の範囲ですることが好ましい。
【0125】次に、第2のフォトマスク(PM2)を用
い、フォトリソグラフィーの技術を使用してレジストに
よるマスク112〜117を形成する。そして、第1の
エッチング処理を行う。本実施例ではICPエッチング
装置を用い、エッチング用ガスにCl2とCF4を用い、
1Paの圧力で3.2W/cm2のRF(13.56MHz)電力を投
入してプラズマを形成して行う。基板側(試料ステー
ジ)にも224mW/cm2のRF(13.56MHz)電力を投入
し、これにより実質的に負の自己バイアス電圧が印加さ
れる。この条件でW膜のエッチング速度は約100nm/m
inである。第1のエッチング処理はこのエッチング速度
を基にW膜が丁度エッチングされる時間を推定し、それ
よりもエッチング時間を20%増加させた時間をエッチ
ング時間とした。
【0126】第1のエッチング処理により第1のテーパ
ー形状を有する導電層118〜123が形成される。テ
ーパー部の角度は15〜30°が形成される。残渣を残
すことなくエッチングするためには、10〜20%程度
の割合でエッチング時間を増加させるオーバーエッチン
グを施すものとする。W膜に対する酸化窒化珪素膜(第
1の形状のゲート絶縁膜109a)の選択比は2〜4
(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理
により、酸化窒化珪素膜が露出した面は20〜50nm程
度エッチングされ第1のテーパー形状を有する導電層の
端部近傍にテーパー形状が形成された第2の形状のゲー
ト絶縁膜109bが形成される。
【0127】そして、第1のドーピング処理を行い一導
電型の不純物元素を島状半導体層に添加する。ここで
は、n型を付与する不純物元素添加の工程を行う。第1
の形状の導電層を形成したマスク112〜117をその
まま残し、第1のテーパー形状を有する導電層118〜
123をマスクとして自己整合的にn型を付与する不純
物元素をイオンドープ法で添加する。n型を付与する不
純物元素をゲート電極の端部におけるテーパー部とゲー
ト絶縁膜とを通して、その下に位置する半導体層に達す
るように添加するためにドーズ量を1×1013〜5×1
14/cm2とし、加速電圧を80〜160kVとして行
う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元
素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる
が、ここではリン(P)を用いた。このようなイオンド
ープ法により第1の不純物領域124〜128には1×
1020〜1×1021/cm3の濃度範囲でn型を付与す
る不純物元素が添加され、テーパー部の下方に形成され
る第2の不純物領域(A)には同領域内で必ずしも均一
ではないが1×1017〜1×1020/cm3の濃度範囲
でn型を付与する不純物元素が添加される。
【0128】この工程において、第2の不純物領域
(A)125〜133において、少なくとも第1の形状
の導電層118〜123と重なった部分に含まれるn型
を付与する不純物元素の濃度変化は、テーパー部の膜厚
変化を反映する。即ち、第2の不純物領域(A)125
〜133へ添加されるリン(P)の濃度は、第1の形状
の導電層に重なる領域において、該導電層の端部から内
側に向かって徐々に濃度が低くなる。これはテーパー部
の膜厚の差によって、半導体層に達するリン(P)の濃
度が変化するためである。
【0129】次に、図16(b)に示すように第2のエ
ッチング処理を行う。エッチング処理も同様にICPエ
ッチング装置により行い、エッチングガスにCF4とC
2の混合ガスを用い、RF電力3.2W/cm2(1
3.56MHz)、バイアス電力45W/cm2 (1
3.56MHz)、圧力1.0Paでエッチングを行
う。この条件で形成される第2の形状を有する導電層1
40〜145が形成される。その端部にはテーパー部が
形成され、該端部から内側にむかって徐々に厚さが増加
するテーパー形状となる。第1のエッチング処理と比較
して基板側に印加するバイアス電力を低くした分等方性
エッチングの割合が多くなり、テーパー部の角度は30
〜60°となる。また、第2の形状のゲート絶縁膜10
9bの表面が40nm程度エッチングされ、新たに第3の
形状のゲート絶縁膜109cが形成される。
【0130】そして、第1のドーピング処理よりもドー
ズ量を下げ高加速電圧の条件でn型を付与する不純物元
素をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120
kVとし、1×1013/cm2のドーズ量で行い、第2
の形状を有する導電層140〜145と重なる領域の不
純物濃度を1×1016〜1×1018/cm3となるよう
にする。このようにして、第2の不純物領域(B)14
6〜150を形成する。
【0131】そして、pチャネル型TFTを形成する島
状半導体層104、106に一導電型とは逆の導電型の
不純物領域156、157を形成する。この場合も第2
の形状の導電層140、142をマスクとしてp型を付
与する不純物元素を添加し、自己整合的に不純物領域を
形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島
状半導体層105、107、108は、第3のフォトマ
スク(PM3)を用いてレジストのマスク151〜15
3を形成し全面を被覆しておく。ここで形成される不純
物領域156、157はジボラン(B26)を用いたイ
オンドープ法で形成する。不純物領域156、157の
p型を付与する不純物元素の濃度は、2×1020〜2×
1021/cm3となるようにする。
【0132】この不純物領域156、157はn型を付
与する不純物元素を含有する3つの領域に分けて見るこ
とができる。第3の不純物領域156a、157aは1
×1020〜1×1021/cm3の濃度でn型を付与する不純
物元素を含み、第4の不純物領域(A)156b、15
7bは1×1017〜1×1020/cm3の濃度でn型を
付与する不純物元素を含み、第4の不純物領域(B)1
56c、157cは1×1016〜5×1018/cm3
濃度でn型を付与する不純物元素を含んでいる。しか
し、これらの不純物領域156b、156c、157
b、157cのp型を付与する不純物元素の濃度を1×
1019/cm3以上となるようにし、第3の不純物領域
156a、157aにおいては、p型を付与する不純物
元素の濃度を1.5から3倍となるようにすることによ
り、第3の不純物領域はpチャネル型TFTのソース領
域およびドレイン領域として機能する。また、第4の不
純物領域(B)156c、157cは一部が第2のテー
パー形状を有する導電層140または142と一部が重
なって形成される。
【0133】その後、図17(A)に示すように、ゲー
ト電極およびゲート絶縁膜上から第1の層間絶縁膜15
8を形成する。第1の層間絶縁膜は酸化珪素膜、酸化窒
化珪素膜、窒化珪素膜、またはこれらを組み合わせた積
層膜で形成すれば良い。いずれにしても第1の層間絶縁
膜158は無機絶縁物材料から形成する。第1の層間絶
縁膜158の膜厚は100〜200nmとする。ここで、
酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTE
OSとO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度3
00〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密
度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成すること
ができる。また、酸化窒化珪素膜を用いる場合には、プ
ラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製され
る酸化窒化珪素膜、またはSiH4、N2Oから作製され
る酸化窒化珪素膜で形成すれば良い。この場合の作製条
件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜40
0℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.
0W/cm2で形成することができる。また、SiH4
2O、H2から作製される酸化窒化水素化珪素膜を適用
しても良い。窒化珪素膜も同様にプラズマCVD法でS
iH4、NH3から作製することが可能である。
【0134】そして、それぞれの濃度で添加されたn型
またはp型を付与する不純物元素を活性化する工程を行
う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニー
ル法で行う。その他に、レーザアニール法、またはラピ
ッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することが
できる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好
ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜7
00℃、代表的には500〜600℃で行うものであ
り、本実施例では550℃で4時間の熱処理を行った。
また、基板101に耐熱温度が低いプラスチック基板を
用いる場合にはレーザアニール法を適用することが好ま
しい。
【0135】活性化の工程に続いて、雰囲気ガスを変化
させ、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜
450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層
を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された
水素により島状半導体層にある1016〜1018/cm3のダ
ングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の
手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起され
た水素を用いる)を行っても良い。いずれにしても、島
状半導体層104〜108中の欠陥密度を10 16/cm
3以下とすることが望ましく、そのために島状半導体層
が含む全原子数の0.01〜0.1%程度の水素を付与
すれば良い。
【0136】その後、有機樹脂からなる第2の層間絶縁
膜159を1.0〜1.5μmの厚さに形成する。有機
樹脂としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポ
リイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使
用することができる。ここでは、基板に塗布後、熱重合
するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形
成した。
【0137】このように、第2の層間絶縁膜を有機絶縁
物材料で形成することにより、表面を良好に平坦化させ
ることができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が
低いので、寄生容量を低減することができる。しかし、
吸湿性があり保護膜としては適さないので、本実施例の
ように、第1の層間絶縁膜158として形成した酸化珪
素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜などと組み合わせて
用いると良い。
【0138】その後、第4のフォトマスク(PM4)を
用い、所定のパターンのレジストマスクを形成し、それ
ぞれの島状半導体層に形成されソース領域またはドレイ
ン領域とする不純物領域に達するコンタクトホールを形
成する。コンタクトホールはドライエッチング法で形成
する。この場合、エッチングガスにCF4、O2、Heの
混合ガスを用い有機樹脂材料から成る第2の層間絶縁膜
159をまずエッチングし、その後、続いてエッチング
ガスをCF4、O2として第1の層間絶縁膜158をエッ
チングする。さらに、島状半導体層との選択比を高める
ために、エッチングガスをCHF3に切り替えて第3の
形状のゲート絶縁膜109cをエッチングすることによ
りコンタクトホールを形成することができる。
【0139】そして、導電性の金属膜をスパッタ法や真
空蒸着法で形成し、第5のフォトマスク(PM5)によ
りレジストマスクパターンを形成し、エッチングによっ
てソース線160〜164とドレイン線165〜168
を形成する。画素電極169はドレイン線と一緒に形成
される。画素電極171は隣の画素に帰属する画素電極
を表している。図示していないが、本実施例ではこの配
線を、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半
導体層のソースまたはドレイン領域を形成する不純物領
域とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミ
ニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成(図1
7(B)において160a〜169aで示す)し、さら
にその上に透明導電膜を80〜120nmの厚さで形成
(図17(B)において160b〜169bで示す)し
た。透明導電膜には酸化インジウム酸化亜鉛合金(In
23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であ
り、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリ
ウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)など
を好適に用いることができる。
【0140】こうして5枚のフォトマスクにより、同一
の基板上に、駆動回路のTFTと画素部の画素TFTと
を有した基板を完成させることができる。駆動回路には
第1のpチャネル型TFT200、第1のnチャネル型
TFT201、第2のpチャネル型TFT202、第2
のnチャネル型TFT203、画素部には画素TFT2
04、保持容量205が形成されている。本明細書では
便宜上このような基板をアクティブマトリクス基板と呼
ぶ。
【0141】駆動回路の第1のpチャネル型TFT20
0には、第2のテーパー形状を有する導電層がゲート電
極220としての機能を有し、島状半導体層104にチ
ャネル形成領域206、ソース領域またはドレイン領域
として機能する第3の不純物領域207a、ゲート電極
220と重ならないLDD領域を形成する第4の不純物
領域(A)207b、一部がゲート電極220と重なる
LDD領域を形成する第4の不純物領域(B)207c
を有する構造となっている。
【0142】第1のnチャネル型TFT201には、第
2のテーパー形状を有する導電層がゲート電極221と
しての機能を有し、島状半導体層105にチャネル形成
領域208、ソース領域またはドレイン領域として機能
する第1の不純物領域209a、ゲート電極221と重
ならないLDD領域を形成する第2の不純物領域(A)
209b、一部がゲート電極221と重なるLDD領域
を形成する第2の不純物領域(B)209cを有する構
造となっている。チャネル長2〜7μmに対して、第2
の不純物領域(B)209cがゲート電極221と重な
る部分の長さは0.1〜0.3μmとする。前記長さは
ゲート電極221の厚さとテーパー部の角度から制御す
る。nチャネル型TFTにおいてこのようなLDD領域
を形成することにより、ドレイン領域近傍に発生する高
電界を緩和して、ホットキャリアの発生を防ぎ、TFT
の劣化を防止することができる。
【0143】駆動回路の第2のpチャネル型TFT20
2は同様に、第2のテーパー形状を有する導電層がゲー
ト電極222としての機能を有し、島状半導体層106
にチャネル形成領域210、ソース領域またはドレイン
領域として機能する第3の不純物領域211a、ゲート
電極222と重ならないLDD領域を形成する第4の不
純物領域(A)211b、一部がゲート電極222と重
なるLDD領域を形成する第4の不純物領域(B)21
1cを有する構造となっている。
【0144】駆動回路の第2のnチャネル型TFT20
3には、第2のテーパー形状を有する導電層がゲート電
極223としての機能を有し、島状半導体層107にチ
ャネル形成領域212、ソース領域またはドレイン領域
として機能する第1の不純物領域213a、ゲート電極
223と重ならないLDD領域を形成する第2の不純物
領域(A)213b、一部がゲート電極223と重なる
LDD領域を形成する第2の不純物領域(B)213c
を有する構造となっている。第2のnチャネル型TFT
201と同様に第2の不純物領域(B)213cがゲー
ト電極223と重なる部分の長さは0.1〜0.3μm
とする。
【0145】駆動回路はシフトレジスタ回路、バッファ
回路などのロジック回路やアナログスイッチで形成され
るサンプリング回路などで形成される。図17(B)では
これらを形成するTFTを一対のソース・ドレイン間に
一つのゲート電極を設けたシングルゲートの構造で示し
たが、複数のゲート電極を一対のソース・ドレイン間に
設けたマルチゲート構造としても差し支えない。
【0146】画素TFT204には、第2のテーパー形
状を有する導電層がゲート電極224としての機能を有
し、島状半導体層108にチャネル形成領域214a、
214b、ソース領域またはドレイン領域として機能す
る第1の不純物領域215a、217、ゲート電極22
4と重ならないLDD領域を形成する第2の不純物領域
(A)215b、一部がゲート電極224と重なるLD
D領域を形成する第2の不純物領域(B)215cを有
する構造となっている。第2の不純物領域(B)215
cがゲート電極224と重なる部分の長さは0.1〜
0.3μmとする。また、第1の不純物領域217から
延在し、第2の不純物領域(A)219a、第2の不純
物領域(B)219b、導電型を決定する不純物元素が
添加されていない領域218を有する半導体層と、第3
の形状を有するゲート絶縁膜と同層で形成される絶縁層
と、第2のテーパー形状を有する導電層から形成される
容量配線225から保持容量205が形成されている。
【0147】図23は画素部のほぼ一画素分を示す上面
図である。図中に示すA−A'断面が図17(B)に示
す画素部の断面図に対応している。画素TFTにおい
て、ゲート電極224は図示されていないゲート絶縁膜
を介してその下の島状半導体層108と交差し、さらに
複数の島状半導体層に跨って延在してゲート配線を兼ね
ている。図示はしていないが、島状半導体層には、図1
7(B)で説明したソース領域、ドレイン領域、LDD
領域が形成されている。また、230はソース配線16
4とソース領域215aとのコンタクト部、231は画
素電極169とドレイン領域217とのコンタクト部で
ある。保持容量205は、画素TFT204のドレイン
領域217から延在する半導体層とゲート絶縁膜を介し
て容量配線225が重なる領域で形成されている。この
構成において半導体層218には、価電子制御を目的と
した不純物元素は添加されていない。
【0148】以上の様な構成は、画素TFTおよび駆動
回路が要求する仕様に応じて各回路を構成するTFTの
構造を最適化し、半導体装置の動作性能と信頼性を向上
させることを可能としている。さらに、耐熱性を有する
導電性材料でゲート電極を形成することによりLDD領
域やソース領域およびドレイン領域の活性化を容易とし
ている。さらに、ゲート電極にゲート絶縁膜を介して重
なるLDD領域を形成する際に、導電型を制御する目的
で添加した不純物元素に濃度勾配を持たせてLDD領域
を形成することで、特にドレイン領域近傍における電界
緩和効果が高まることが期待できる。
【0149】アクティブマトリクス型の液晶表示装置の
場合、第1のpチャネル型TFT200と第1のnチャ
ネル型TFT201は高速動作を重視するシフトレジス
タ回路、バッファ回路、レベルシフタ回路などを形成す
るのに用いる。図17(B)ではこれらの回路をロジッ
ク回路部として表している。第1のnチャネル型TFT
201の第2の不純物領域(B)209cはホットキャ
リア対策を重視した構造となっている。さらに、耐圧を
高め、動作を安定化させるために、図21(A)で示す
ようにこのロジック回路部のTFTを第1のpチャネル
型TFT280と第1のnチャネル型TFT281で形
成しても良い。このTFTは、一対のソース・ドレイン
間に2つのゲート電極を設けたダブルゲート構造であ
り、このようなTFTは本実施例の工程を用いて同様に
作製できる。第1のpチャネル型TFT280には、島
状半導体層にチャネル形成領域236a、236b、ソ
ースまたはドレイン領域として機能する第3の不純物領
域238a、239a、240a、LDD領域となる第
4の不純物領域(A)238b、239b、240b及
びゲート電極237と一部が重なりLDD領域となる第
4の不純物領域(B)238c、239c、240cを
有した構造となっている。第1のnチャネル型TFT2
81には、島状半導体層にチャネル形成領域241a、
241b、ソースまたはドレイン領域として機能する第
1の不純物領域243a、244a、245aとLDD
領域となる第2の不純物領域(A)243b、244
b、245b及びゲート電極242と一部が重なりLD
D領域となる第2の不純物領域(B)243c、244
c、245cを有している。チャネル長は3〜7μmと
して、ゲート電極と重なるLDD領域のチャネル長方向
の長さは0.1〜0.3μmとする。
【0150】また、アナログスイッチで構成するサンプ
リング回路には、同様な構成とした第2のpチャネル型
TFT202と第2のnチャネル型TFT203を適用
することができる。サンプリング回路はホットキャリア
対策と低オフ電流動作が重視されるので、図21(B)
で示すようにこの回路のTFTを第2のpチャネル型T
FT282と第2のnチャネル型TFT283で形成し
ても良い。この第2のpチャネル型TFT282は、一
対のソース・ドレイン間に3つのゲート電極を設けたト
リプルゲート構造であり、このようなTFTは本実施例
の工程を用いて同様に作製できる。第2のpチャネル型
TFT282には、島状半導体層にチャネル形成領域2
46a、234b、246cソースまたはドレイン領域
として機能する第3の不純物領域249a、250a、
251a、252a、LDD領域となる第4の不純物領
域(A)249b、250b、251b、252b及び
ゲート電極247と一部が重なりLDD領域となる第4
の不純物領域(B)249c、250c、251c、2
52cを有した構造となっている。第2のnチャネル型
TFT283には、島状半導体層にチャネル形成領域2
53a、253b、ソースまたはドレイン領域として機
能する第1の不純物領域255a、256a、257a
とLDD領域となる第2の不純物領域(A)255b、
256b、257b及びゲート電極254と一部が重な
りLDD領域となる第2の不純物領域(B)255c、
256c、257cを有している。チャネル長は3〜7
μmとして、ゲート電極と重なるLDD領域のチャネル
長方向の長さは0.1〜0.3μmとする。
【0151】TFTのゲート電極の構成をシングルゲー
ト構造とするか、複数のゲート電極を一対のソース・ド
レイン間に設けたマルチゲート構造とするかは、回路の
特性に応じて実施者が適宣選択すれば良い。そして、本
実施例で完成したアクティブマトリクス基板を用いるこ
とで反射型の液晶表示装置を作製することができる。
【0152】[実施例7]実施例6ではゲート電極の材
料にWやTaなどの耐熱性導電材料を用いる例を示し
た。このような材料を用いる理由は、ゲート電極形成後
に導電型の制御を目的として半導体層に添加した不純物
元素を400〜700℃の熱アニールによって活性化さ
せる必要があり、その工程を実施する上でゲート電極に
耐熱性を持たせる必要があるからである。しかしなが
ら、このような耐熱性導電材料は面積抵抗で10Ω程度
あり、画面サイズが4インチクラスかそれ以上の表示装
置には必ずしも適していない。ゲート電極に接続するゲ
ート線を同じ材料で形成すると、基板上における引回し
長さが必然的に大きくなり、配線抵抗の影響による配線
遅延の問題を無視することができなくなる。
【0153】例えば、画素密度がVGAの場合、480
本のゲート配線と640本のソース線が形成され、XG
Aの場合には768本のゲート配線と1024本のソー
ス配線が形成される。表示領域の画面サイズは、13イ
ンチクラスの場合対角線の長さが340mmとなり、1
8インチクラスの場合には460mmとなる。本実施例
ではこのような液晶表示装置を実現する手段として、ゲ
ート配線をAlや銅(Cu)などの低抵抗導電性材料で
形成する方法について図18を用いて説明する。
【0154】まず、実施例6と同様にして図15(A)
〜図16(C)に示す工程を行う。そして導電型の制御
を目的として、それぞれの島状半導体層に添加された不
純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネ
スアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、
レーザアニール法、またはラピッドサーマルアニール法
(RTA法)を適用することができる。熱アニール法で
は酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以
下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には50
0〜600℃で行うものであり、本実施例では500℃
で4時間の熱処理を行う。
【0155】この熱処理において、第2のテーパー形状
を有する導電層140〜145は表面から5〜80nmの
厚さで導電層(C)172a〜172fが形成される。
例えば、第2のテーパー形状を有する導電層がWの場合
には、窒化タングステンが形成され、Taの場合には窒
化タンタルが形成される。さらに、3〜100%の水素
を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の
熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。
この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダン
グリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手
段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された
水素を用いる)を行っても良い(図18(A))。
【0156】活性化および水素化処理の後、ゲート線を
低抵抗導電材料で形成する。低抵抗導電材料はAlやC
uを主成分とするものであり、このような材料から形成
される低抵抗導電層からゲート線を形成する。例えば、
Tiを0.1〜2重量%含むAl膜を低抵抗導電層とし
て全面に形成する(図示せず)。低抵抗導電層は200
〜400nm(好ましくは250〜350nm)の厚さで形
成する。そして、所定のレジストパターンを形成し、エ
ッチング処理して、ゲート線173、174を形成す
る。このとき同じ材料で画素部に設ける保持容量と接続
する容量線175も形成する。低抵抗導電層がAlを主
成分とする材料である場合には、エッチング処理はリン
酸系のエッチング溶液によるウエットエッチングで、下
地との選択加工性を保ってゲート線を形成することがで
きる。第1の層間絶縁膜176は実施例6と同様にして
形成する(図18(B))。
【0157】その後、実施例6と同様にして有機絶縁物
材料から成る第2の層間絶縁膜159、ソース線160
〜164、ドレイン線165〜168、画素電極16
9、171を形成してアクティブマトリクス基板を完成
させることができる。図19(A)、(B)はこの状態
の上面図を示し、図19(A)のB−B'断面および図
19(B)のC−C'断面は図18(C)のB−B'およ
びC−C'に対応している。図19(A)、(B)では
ゲート絶縁膜、第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜を
省略して示しているが、島状半導体層104、105、
108の図示されていないソースおよびドレイン領域に
ソース線160、161、164とドレイン線165、
166、及び画素電極169がコンタクトホールを介し
て接続している。また、図19(A)のD−D'断面お
よび図19(B)のE−E'断面を図20(A)と(B)
にそれぞれ示す。ゲート線173はゲート電極220
と、またゲート線174はゲート電極225と島状半導
体層104、108の外側で重なるように形成され、ゲ
ート電極と低抵抗導電層とがコンタクトホールを介さず
に接触して電気的に導通している。このようにゲート線
を低抵抗導電材料で形成することにより、配線抵抗を十
分低減できる。従って、画素部(画面サイズ)が4イン
チクラス以上の表示装置に適用することができる。
【0158】[実施例8]実施例6で作製したアクティ
ブマトリクス基板はそのまま反射型の表示装置に適用す
ることができる。一方、透過型の液晶表示装置とする場
合には画素部の各画素に設ける画素電極を透明電極で形
成すれば良い。本実施例では透過型の液晶表示装置に対
応するアクティブマトリクス基板の作製方法について図
22を用いて説明する。
【0159】アクティブマトリクス基板は実施例6と同
様に作製する。図22(A)では、ソース配線とドレイ
ン配線は導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形
成する。ドレイン線256を例としてこの構成を図22
(B)で詳細に説明すると、Ti膜256aを50〜1
50nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたは
ドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成す
る。そのTi膜256a上に重ねてAl膜256bを3
00〜400nmの厚さで形成し、さらにTi膜256
cまたは窒化チタン(TiN)膜を100〜200nm
の厚さで形成して3層構造とする。その後、透明導電膜
を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処
理およびエッチング処理により画素電極257を形成す
る。画素電極257は、有機樹脂材料から成る第2の層
間絶縁膜上に形成され、コンタクトホールを介さずに画
素TFT204のドレイン線256と重なる部分を設け
電気的な接続を形成している。
【0160】図22(C)では最初に第2の層間絶縁膜
上に透明導電膜を形成し、パターニング処理およびエッ
チング処理をして画素電極258を形成した後、ドレイ
ン線259を画素電極258とコンタクトホールを介さ
ずに接続部を形成した例である。ドレイン線259は、
図22(D)で示すようにTi膜259aを50〜15
0nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたはド
レイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、
そのTi膜259a上に重ねてAl膜259bを300
〜400nmの厚さで形成して設ける。この構成にする
と、画素電極258はドレイン配線259を形成するT
i膜259aのみと接触することになる。その結果、透
明導電膜材料とAlとが直接接し反応するのを確実に防
止できる。
【0161】透明導電膜の材料は、酸化インジウム(I
23)や酸化インジウム酸化スズ合金(In23―S
nO2;ITO)などをスパッタ法や真空蒸着法などを
用いて形成して用いることができる。このような材料の
エッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特
にITOのエッチングは残渣が発生しやすいので、エッ
チング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛
合金(In23―ZnO)を用いても良い。酸化インジ
ウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITOに対して
熱安定性にも優れているので、図29(A)、(B)の構
成においてドレイン配線256の端面で、Al膜256
bが画素電極257と接触して腐蝕反応をすることを防
止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料で
あり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガ
リウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)な
どを用いることができる。
【0162】実施例6では反射型の液晶表示装置を作製
できるアクティブマトリクス基板を5枚のフォトマスク
により作製したが、さらに1枚のフォトマスクの追加
(合計6枚)で、透過型の液晶表示装置に対応したアク
ティブマトリクス基板を完成させることができる。本実
施例では、実施例6と同様な工程として説明したが、こ
のような構成は実施例7で示すアクティブマトリクス基
板に適用することができる。
【0163】[実施例9]本実施例では実施例6で作製
したアクティブマトリクス基板から、アクティブマトリ
クス型液晶表示装置を作製する工程を説明する。まず、
図24(A)に示すように、図17(B)の状態のアク
ティブマトリクス基板に柱状スペーサから成るスペーサ
を形成する。スペーサは数μmの粒子を散布して設ける
方法でも良いが、ここでは基板全面に樹脂膜を形成した
後これをパターニングして形成する方法を採用した。こ
のようなスペーサの材料に限定はないが、例えば、JS
R社製のNN700を用い、スピナーで塗布した後、露
光と現像処理によって所定のパターンに形成する。さら
にクリーンオーブンなどで150〜200℃で加熱して
硬化させる。このようにして作製されるスペーサは露光
と現像処理の条件によって形状を異ならせることができ
るが、好ましくは、スペーサの形状は柱状で頂部が平坦
な形状となるようにすると、対向側の基板を合わせたと
きに液晶表示パネルとしての機械的な強度を確保するこ
とができる。形状は円錐状、角錐状など特別の限定はな
いが、例えば円錐状としたときに具体的には、高さを
1.2〜5μmとし、平均半径を5〜7μm、平均半径
と底部の半径との比を1対1.5とする。このとき側面
のテーパー角は±15°以下とする。
【0164】スペーサの配置は任意に決定すれば良い
が、好ましくは、図24(A)で示すように、画素部に
おいては画素電極169のコンタクト部231と重ねて
その部分を覆うように柱状スペーサ406を形成すると
良い。コンタクト部231は平坦性が損なわれこの部分
では液晶がうまく配向しなくなるので、このようにして
コンタクト部231にスペーサ用の樹脂を充填する形で
柱状スペーサ406を形成することでディスクリネーシ
ョンなどを防止することができる。また、駆動回路のT
FT上にもスペーサ405a〜405eを形成してお
く。このスペーサは駆動回路部の全面に渡って形成して
も良いし、図24で示すようにソース線およびドレイン
線を覆うようにして設けても良い。
【0165】その後、配向膜407を形成する。通常液
晶表示素子の配向膜にはポリイミド樹脂を用いる。配向
膜を形成した後、ラビング処理を施して液晶分子がある
一定のプレチルト角を持って配向するようにした。画素
部に設けた柱状スペーサ406の端部からラビング方向
に対してラビングされない領域が2μm以下となるよう
にした。また、ラビング処理では静電気の発生がしばし
ば問題となるが、駆動回路のTFT上に形成したスペー
サ405a〜405eにより静電気からTFTを保護す
る効果を得ることができる。また図では説明しないが、
配向膜407を先に形成してから、スペーサ406、4
05a〜405eを形成した構成としても良い。
【0166】対向側の対向基板401には、遮光膜40
2、透明導電膜403および配向膜404を形成する。
遮光膜402はTi膜、Cr膜、Al膜などを150〜
300nmの厚さで形成する。そして、画素部と駆動回路
が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とを
シール剤408で貼り合わせる。シール剤408にはフ
ィラー(図示せず)が混入されていて、このフィラーと
スペーサ406、405a〜405eによって均一な間
隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両
基板の間に液晶材料409を注入する。液晶材料には公
知の液晶材料を用いれば良い。例えば、TN液晶の他
に、電場に対して透過率が連続的に変化する電気光学応
答性を示す、無しきい値反強誘電性混合液晶を用いるこ
ともできる。この無しきい値反強誘電性混合液晶には、
V字型の電気光学応答特性を示すものもある。このよう
にして図24(B)に示すアクティブマトリクス型液晶
表示装置が完成する。
【0167】図25はこのようなアクティブマトリクス
基板の上面図を示し、画素部および駆動回路部とスペー
サおよびシール剤の位置関係を示す上面図である。実施
例6で述べたガラス基板101上に画素部604の周辺
に駆動回路として走査信号駆動回路605と画像信号駆
動回路606が設けられている。さらに、その他CPU
やメモリなどの信号処理回路607も付加されていても
良い。そして、これらの駆動回路は接続配線603によ
って外部入出力端子602と接続されている。画素部6
04では走査信号駆動回路605から延在するゲート配
線群608と画像信号駆動回路606から延在するソー
ス配線群609がマトリクス状に交差して画素を形成
し、各画素にはそれぞれ画素TFT204と保持容量2
05が設けられている。
【0168】図24において画素部において設けた柱状
スペーサ406は、すべての画素に対して設けても良い
が、図25で示すようにマトリクス状に配列した画素の
数個から数十個おきに設けても良い。即ち、画素部を構
成する画素の全数に対するスペーサの数の割合は20〜
100%とすることが可能である。また、駆動回路部に
設けるスペーサ405a〜405eはその全面を覆うよ
うに設けても良いし各TFTのソースおよびドレイン配
線の位置にあわせて設けても良い。図25では駆動回路部
に設けるスペーサの配置を610〜612で示す。そし
て、図25示すシール剤619は、基板101上の画素部
604および走査信号駆動回路605、画像信号駆動回
路606、その他の信号処理回路607の外側であっ
て、外部入出力端子602よりも内側に形成する。
【0169】このようなアクティブマトリクス型液晶表
示装置の構成を図26の斜視図を用いて説明する。図26
においてアクティブマトリクス基板は、ガラス基板10
1上に形成された、画素部604と、走査信号駆動回路
605と、画像信号駆動回路606とその他の信号処理
回路607とで構成される。画素部604には画素TF
T204と保持容量205が設けられ、画素部の周辺に
設けられる駆動回路はCMOS回路を基本として構成さ
れている。走査信号駆動回路605と画像信号駆動回路
606からは、それぞれゲート線(ゲート電極と連続し
て形成されている場合は図17(B)の224に相当す
る)とソース線164が画素部604に延在し、画素T
FT204に接続している。また、フレキシブルプリン
ト配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)613
が外部入力端子602に接続していて画像信号などを入
力するのに用いる。FPC613は補強樹脂614によ
って強固に接着されている。そして接続配線603でそ
れぞれの駆動回路に接続している。また、対向基板40
1には図示していない、遮光膜や透明電極が設けられて
いる。
【0170】このような構成の液晶表示装置は、実施例
6〜8で示したアクティブマトリクス基板を用いて形成
することができる。実施例6で示すアクティブマトリク
ス基板を用いれば反射型の液晶表示装置が得られ、実施
例8で示すアクティブマトリクス基板を用いると透過型
の液晶表示装置を得ることができる。
【0171】[実施例10]図27は実施例6〜8で示
したアクティブマトリクス基板の回路構成の一例であ
り、直視型の表示装置の回路構成を示す図である。この
アクティブマトリクス基板は、画像信号駆動回路60
6、走査信号駆動回路(A)(B)605、画素部60
4を有している。尚、本明細書中において記した駆動回
路とは、画像信号駆動回路606、走査信号駆動回路6
05を含めた総称である。
【0172】画像信号駆動回路606は、シフトレジス
タ回路501a、レベルシフタ回路502a、バッファ
回路503a、サンプリング回路504を備えている。
また、走査信号駆動回路(A)(B)185は、シフト
レジスタ回路501b、レベルシフタ回路502b、バ
ッファ回路503bを備えている。
【0173】シフトレジスタ回路501a、501bは
駆動電圧が5〜16V(代表的には10V)であり、こ
の回路を形成するCMOS回路のTFTは、図17
(B)の第1のpチャネル型TFT200と第1のnチ
ャネル型TFT201で形成する。或いは、図21
(A)で示す第1のpチャネル型TFT280と第1の
nチャネル型TFT281で形成しても良い。また、レ
ベルシフタ回路502a、502bやバッファ回路50
3a、503bは駆動電圧が14〜16Vと高くなるの
で図21(A)で示すようなマルチゲートのTFT構造
とすることが望ましい。マルチゲート構造でTFTを形
成すると耐圧が高まり、回路の信頼性を向上させる上で
有効である。
【0174】サンプリング回路504はアナログスイッ
チから成り、駆動電圧が14〜16Vであるが、極性が
交互に反転して駆動される上、オフ電流値を低減させる
必要があるため、図17(B)で示す第2のpチャネル
型TFT202と第2のnチャネル型TFT203で形
成することが望ましい。或いは、オフ電流値を効果的に
低減させるために図21(B)で示す第2のpチャネル
型TFT282と第2のnチャネル型TFT283で形
成しても良い。
【0175】また、画素部は駆動電圧が14〜16Vで
あり、低消費電力化の観点からサンプリング回路よりも
さらにオフ電流値を低減することが要求され、図17
(B)で示す画素TFT204のようにマルチゲート構
造を基本とする。
【0176】尚、本実施例の構成は、実施例1〜8に示
した工程に従ってTFTを作製することによって容易に
実現することができる。本実施例では、画素部と駆動回
路の構成のみを示しているが、実施例6〜8の工程に従え
ば、その他にも信号分割回路、分周波回路、D/Aコン
バータ、γ補正回路、オペアンプ回路、さらにメモリ回
路や演算処理回路などの信号処理回路、あるいは論理回
路を同一基板上に形成することが可能である。このよう
に、本発明は同一基板上に画素部とその駆動回路とを含
む半導体装置、例えば信号制御回路および画素部を具備
した液晶表示装置を実現することができる。
【0177】[実施例11]本実施例では、上述の実施
例で作成の例を示したアクティブマトリクス基板を用い
て発光装置の例として、エレクトロルミネッセンス(E
L:Electro Luminescence)材料を用いた自発光型の表
示パネル(以下、EL表示装置と記す)を作製する例に
ついて説明する。図28(A)は本発明を用いたEL表示
パネルの上面図である。図29(A)において、10は基
板、11は画素部、12はソース側駆動回路、13はゲ
ート側駆動回路であり、それぞれの駆動回路は配線14
〜16を経てFPC17に至り、外部機器へと接続され
る。
【0178】発光装置とは、電場を加えることで発生す
るルミネッセンスが得られる有機化合物を含む層(発光
素子)を光源とする装置である。有機化合物における発
光素子には、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発
光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発
光(リン光)があり、これらのうちどちらか、あるいは
両方の発光を含む。
【0179】図28(B)は図28(A)のA−A'断
面を表す図であり、このとき少なくとも画素部上、好ま
しくは駆動回路及び画素部上に対向板80を設ける。対
向板80はシール材19でTFTとEL層が形成されて
いるアクティブマトリクス基板と貼り合わされている。
シール剤19にはフィラー(図示せず)が混入されてい
て、このフィラーによりほぼ均一な間隔を持って2枚の
基板が貼り合わせられている。さらに、シール材19の
外側とFPC17の上面及び周辺は封止剤81で密封す
る構造とする。封止剤81は珪素樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ブチルゴムなどの材料を用いる。
【0180】このように、シール剤19によりアクティ
ブマトリクス基板10と対向基板80とが貼り合わされ
ると、その間には空間が形成される。その空間には充填
剤83が充填される。この充填剤83は対向板80を接
着する効果も合わせ持つ。充填剤83はPVC(ポリビ
ニルクロライド)、エポキシ樹脂、珪素樹脂、PVB
(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニル
アセテート)などを用いることができる。また、EL層
は水分をはじめ湿気に弱く劣化しやすいので、この充填
剤83の内部に酸化バリウムなどの乾燥剤を混入させて
おくと吸湿効果を保持できるので望ましい。また、EL
層上に窒化珪素膜や酸化窒化珪素膜などで形成するパッ
シベーション膜82を形成し、充填剤83に含まれるア
ルカリ元素などによる腐蝕を防ぐ構造としていある。
【0181】対向板80にはガラス板、アルミニウム
板、ステンレス板、FRP(Fiberglass-Reinforced Pl
astics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィル
ム、マイラーフィルム(デュポン社の商品名)、ポリエ
ステルフィルム、アクリルフィルムまたはアクリル板な
どを用いることができる。また、数十μmのアルミニウ
ム箔をPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造
のシートを用い、耐湿性を高めることもできる。このよ
うにして、EL素子は密閉された状態となり外気から遮
断されている。
【0182】また、図28(B)において基板10、下
地膜21の上に駆動回路用TFT(但し、ここではnチ
ャネル型TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたC
MOS回路を図示している。)22及び画素部用TFT
23(但し、ここではEL素子への電流を制御するTF
Tだけ図示している。)が形成されている。これらのT
FTの内特にnチャネル型TFTにははホットキャリア
効果によるオン電流の低下や、Vthシフトやバイアスス
トレスによる特性低下を防ぐため、本実施例で示す構成
のLDD領域が設けられている。
【0183】例えば、駆動回路用TFT22とし、図1
7(b)に示すpチャネル型TFT200、202とn
チャネル型TFT201、203を用いれば良い。ま
た、画素部用TFT23には図17(B)に示す画素T
FT204またはそれと同様な構造を有するpチャネル
型TFTを用いれば良い。
【0184】図17(B)または図18(C)の状態の
アクティブマトリクス基板からEL表示装置を作製する
には、ソース線、ドレイン線上に樹脂材料でなる層間絶
縁膜(平坦化膜)26を形成し、その上に画素部用TF
T23のドレインと電気的に接続する透明導電膜でなる
画素電極27を形成する。透明導電膜としては、酸化イ
ンジウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼ばれる)ま
たは酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いること
ができる。そして、画素電極27を形成したら、絶縁膜
28を形成し、画素電極27上に開口部を形成する。
【0185】次に、EL層29を形成する。EL層29
は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、
電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合わせて積
層構造または単層構造とすれば良い。どのような構造と
するかは公知の技術を用いれば良い。また、EL材料に
は低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料がある。
低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子
系材料を用いる場合には、スピンコート法、印刷法また
はインクジェット法等の簡易な方法を用いることが可能
である。
【0186】EL層はシャドーマスクを用いて蒸着法、
またはインクジェット法、ディスペンサー法などで形成
する。いずれにしても、画素毎に波長の異なる発光が可
能な発光層(赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層)
を形成することで、カラー表示が可能となる。その他に
も、色変換層(CCM)とカラーフィルターを組み合わ
せた方式、白色発光層とカラーフィルターを組み合わせ
た方式があるがいずれの方法を用いても良い。勿論、単
色発光のEL表示装置とすることもできる。
【0187】EL層29を形成したら、その上に陰極3
0を形成する。陰極30とEL層29の界面に存在する
水分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従っ
て、真空中でEL層29と陰極30を連続して形成する
か、EL層29を不活性雰囲気で形成し、大気解放しな
いで真空中で陰極30を形成するといった工夫が必要で
ある。本実施例ではマルチチャンバー方式(クラスター
ツール方式)の成膜装置を用いることで上述のような成
膜を可能とする。
【0188】なお、本実施例では陰極30として、Li
F(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜の積
層構造を用いる。具体的にはEL層29上に蒸着法で1
nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形成し、その上に
300nm厚のアルミニウム膜を形成する。勿論、公知
の陰極材料であるMgAg電極を用いても良い。そして
陰極30は31で示される領域において配線16に接続
される。配線16は陰極30に所定の電圧を与えるため
の電源供給線であり、異方性導電性ペースト材料32を
介してFPC17に接続される。FPC17上にはさら
に樹脂層80が形成され、この部分の接着強度を高めて
いる。
【0189】31に示された領域において陰極30と配
線16とを電気的に接続するために、層間絶縁膜26及
び絶縁膜28にコンタクトホールを形成する必要があ
る。これらは層間絶縁膜26のエッチング時(画素電極
用コンタクトホールの形成時)や絶縁膜28のエッチン
グ時(EL層形成前の開口部の形成時)に形成しておけ
ば良い。また、絶縁膜28をエッチングする際に、層間
絶縁膜26まで一括でエッチングしても良い。この場
合、層間絶縁膜26と絶縁膜28が同じ樹脂材料であれ
ば、コンタクトホールの形状を良好なものとすることが
できる。
【0190】また、配線16はシーリル19と基板10
との間を隙間(但し封止剤81で塞がれている。)を通
ってFPC17に電気的に接続される。なお、ここでは
配線16について説明したが、他の配線14、15も同
様にしてシーリング材19の下を通ってFPC17に電
気的に接続される。
【0191】ここで画素部のさらに詳細な断面構造を図
29に、上面構造を図30(A)に、回路図を図30
(B)に示す。図29(A)において、基板2401上
に設けられたスイッチング用TFT2402は実施例6
の図17(B)の画素TFT204と同じ構造で形成さ
れる。ダブルゲート構造とすることで実質的に二つのT
FTが直列された構造となり、オフ電流値を低減するこ
とができるという利点がある。なお、本実施例ではダブ
ルゲート構造としているがトリプルゲート構造やそれ以
上のゲート本数を持つマルチゲート構造でも良い。
【0192】また、電流制御用TFT2403は図17
(B)で示すnチャネル型TFT201を用いて形成す
る。このとき、スイッチング用TFT2402のドレイ
ン線35は配線36によって電流制御用TFTのゲート
電極37に電気的に接続されている。また、38で示さ
れる配線は、スイッチング用TFT2402のゲート電
極39a、39bを電気的に接続するゲート線である。
【0193】このとき、電流制御用TFT2403が本
発明の構造であることは非常に重要な意味を持つ。電流
制御用TFTはEL素子を流れる電流量を制御するため
の素子であるため、多くの電流が流れ、熱による劣化や
ホットキャリアによる劣化の危険性が高い素子でもあ
る。そのため、電流制御用TFTにゲート電極と一部が
重なるLDD領域を設けることでTFTの劣化を防ぎ、
動作の安定性を高めることができる。
【0194】また、本実施例では電流制御用TFT24
03をシングルゲート構造で図示しているが、複数のT
FTを直列につなげたマルチゲート構造としても良い。
さらに、複数のTFTを並列につなげて実質的にチャネ
ル形成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で行え
るようにした構造としても良い。このような構造は熱に
よる劣化対策として有効である。
【0195】また、図30(A)に示すように、電流制
御用TFT2403のゲート電極37となる配線は24
04で示される領域で、電流制御用TFT2403のド
レイン線40と絶縁膜を介して重なる。このとき、24
04で示される領域ではコンデンサが形成される。この
コンデンサ2404は電流制御用TFT2403のゲー
トにかかる電圧を保持するためのコンデンサとして機能
する。なお、ドレイン線40は電流供給線(電源線)2
501に接続され、常に一定の電圧が加えられている。
【0196】スイッチング用TFT2402及び電流制
御用TFT2403の上には第1パッシベーション膜4
1が設けられ、その上に樹脂絶縁膜でなる平坦化膜42
が形成される。平坦化膜42を用いてTFTによる段差
を平坦化することは非常に重要である。後に形成される
EL層は非常に薄いため、段差が存在することによって
発光不良を起こす場合がある。従って、EL層をできる
だけ平坦面に形成しうるように画素電極を形成する前に
平坦化しておくことが望ましい。
【0197】また、43は反射性の高い導電膜でなる画
素電極(EL素子の陰極)であり、電流制御用TFT2
403のドレインに電気的に接続される。画素電極43
としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀合金膜
など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用いること
が好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造としても良
い。また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成されたバン
ク44a、44bにより形成された溝(画素に相当する)
の中に発光層45が形成される。なお、ここでは一画素
しか図示していないが、R(赤)、G(緑)、B(青)
の各色に対応した発光層を作り分けても良い。発光層と
する有機EL材料としてはπ共役ポリマー系材料を用い
る。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニ
レンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール
(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられる。
なお、PPV系有機EL材料としては様々な型のものが
あるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Gelsen,E.Klug
e,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers for Light E
mitting Diodes”,Euro Display,Proceedings,1999,p.3
3-37」や特開平10−92576号公報に記載されたよ
うな材料を用いれば良い。
【0198】具体的な発光層としては、赤色に発光する
発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光
する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光す
る発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアル
キルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150n
m(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。但
し、以上の例は発光層として用いることのできる有機E
L材料の一例であって、これに限定する必要はまったく
ない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組
み合わせてEL層(発光及びそのためのキャリアの移動
を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、本実
施例ではポリマー系材料を発光層として用いる例を示し
たが、低分子系有機EL材料を用いても良い。また、電
荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用
いることも可能である。これらの有機EL材料や無機材
料は公知の材料を用いることができる。
【0199】本実施例では発光層45の上にPEDOT
(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)で
なる正孔注入層46を設けた積層構造のEL層としてい
る。そして、正孔注入層46の上には透明導電膜でなる
陽極47が設けられる。本実施例の場合、発光層45で
生成された光は上面側に向かって(TFTの上方に向か
って)放射されるため、陽極は透光性でなければならな
い。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズとの
化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いる
ことができるが、耐熱性の低い発光層や正孔注入層を形
成した後で形成するため、可能な限り低温で成膜できる
ものが好ましい。
【0200】陽極47まで形成された時点でEL素子2
405が完成する。なお、ここでいうEL素子2405
は、画素電極(陰極)43、発光層45、正孔注入層4
6及び陽極47で形成されたダイオードを指す。図30
(A)に示すように画素電極43は画素の面積にほぼ一
致するため、画素全体がEL素子として機能する。従っ
て、発光の利用効率が非常に高く、明るい画像表示が可
能となる。
【0201】ところで、本実施例では、陽極47の上に
さらに第2パッシベーション膜48を設けている。第2
パッシベーション膜48としては窒化珪素膜または窒化
酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外部とEL素子と
を遮断することであり、有機EL材料の酸化による劣化
を防ぐ意味と、有機EL材料からの脱ガスを抑える意味
との両方を併せ持つ。これによりEL表示装置の信頼性
が高められる。
【0202】以上のように本発明を用いて作製するEL
表示パネルは図30のような構造の画素からなる画素部
を有し、オフ電流値の十分に低いスイッチング用TFT
と、ホットキャリア注入に強い電流制御用TFTとを有
する。従って、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表
示が可能なEL表示パネルが得られる。
【0203】図29(B)はEL層の構造を反転させた
例を示す。電流制御用TFT2601は図17(B)の
pチャネル型TFT200を用いて形成される。作製プ
ロセスは実施例6を参照すれば良い。本実施例では、画
素電極(陽極)50として透明導電膜を用いる。具体的
には酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物でなる導電膜
を用いる。勿論、酸化インジウムと酸化スズとの化合物
でなる導電膜を用いても良い。
【0204】そして、絶縁膜でなるバンク51a、51
bが形成された後、溶液塗布によりポリビニルカルバゾ
ールでなる発光層52が形成される。その上にはカリウ
ムアセチルアセトネート(acacKと表記される)で
なる電子注入層53、アルミニウム合金でなる陰極54
が形成される。この場合、陰極54がパッシベーション
膜としても機能する。こうしてEL素子2602が形成
される。本実施例の場合、発光層53で発生した光は、
矢印で示されるようにTFTが形成された基板の方に向
かって放射される。本実施例のような構造とする場合、
電流制御用TFT2601はpチャネル型TFTで形成
することが好ましい。
【0205】尚、本実施例の構成は、実施例1〜7のT
FTの構成を自由に組み合わせて実施することが可能で
ある。また、実施例13の電子機器の表示部として本実
施例のEL表示パネルを用いることは有効である。
【0206】[実施例12]本実施例では、図30
(B)に示した回路図とは異なる構造の画素とした場合
の例について図31に示す。なお、本実施例において、
2701はスイッチング用TFT2702のソース配
線、2703はスイッチング用TFT2702のゲート
配線、2704は電流制御用TFT、2705はコンデ
ンサ、2706、2708は電流供給線、2707はE
L素子とする。
【0207】図31(A)は、二つの画素間で電流供給
線2706を共通とした場合の例である。即ち、二つの
画素が電流供給線2706を中心に線対称となるように
形成されている点に特徴がある。この場合、電源供給線
の本数を減らすことができるため、画素部をさらに高精
細化することができる。
【0208】また、図31(B)は、電流供給線270
8をゲート配線2703と平行に設けた場合の例であ
る。なお、図31(B)では電流供給線2708とゲー
ト配線2703とが重ならないように設けた構造となっ
ているが、両者が異なる層に形成される配線であれば、
絶縁膜を介して重なるように設けることもできる。この
場合、電源供給線2708とゲート配線2703とで専
有面積を共有させることができるため、画素部をさらに
高精細化することができる。
【0209】また、図31(C)は、図31(B)の構
造と同様に電流供給線2708をゲート配線2703と
平行に設け、さらに、二つの画素を電流供給線2708
を中心に線対称となるように形成する点に特徴がある。
また、電流供給線2708をゲート配線2703のいず
れか一方と重なるように設けることも有効である。この
場合、電源供給線の本数を減らすことができるため、画
素部をさらに高精細化することができる。図31
(A)、図31(B)では電流制御用TFT2403のゲ
ートにかかる電圧を保持するためにコンデンサ2404
を設ける構造としているが、コンデンサ2404を省略
することも可能である。
【0210】電流制御用TFT2403として図29
(A)に示すような本発明を用いて作製するnチャネル
型TFTを用いているため、ゲート絶縁膜を介してゲー
ト電極(と重なるように設けられたLDD領域を有して
いる。この重なり合った領域には一般的にゲート容量と
呼ばれる寄生容量が形成されるが、本実施例ではこの寄
生容量をコンデンサ2404の代わりとして積極的に用
いる点に特徴がある。この寄生容量のキャパシタンスは
上記ゲート電極とLDD領域とが重なり合った面積で変
化するため、その重なり合った領域に含まれるLDD領
域の長さによって決まる。また、図31(A)、
(B)、(C)の構造においても同様にコンデンサ27
05を省略することは可能である。
【0211】尚、本実施例の構成は、実施例1〜11の
TFTの構成を自由に組み合わせて実施することが可能
である。また、実施例13の電子機器の表示部として本
実施例のEL表示パネルを用いることは有効である。
【0212】[実施例13]本発明を実施して形成され
たCMOS回路や画素部は様々な電気光学装置(アクテ
ィブマトリクス型液晶ディスプレイ、アクティブマトリ
クス型発光ディスプレイ、アクティブマトリクス型EC
ディスプレイ)に用いることができる。即ち、それら電
気光学装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本発明
を実施できる。
【0213】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフ
ロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型
ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、
パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコン
ピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられ
る。それらの一例を図32、図33及び図34に示す。
【0214】図32(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体3001、画像入力部3002、表示部30
03、キーボード3004等を含む。本発明を画像入力
部3002、表示部3003やその他の信号制御回路に
適用することができる。
【0215】図32(B)はビデオカメラであり、本体
3101、表示部3102、音声入力部3103、操作
スイッチ3104、バッテリー3105、受像部310
6等を含む。本発明を表示部3102やその他の信号制
御回路に適用することができる。
【0216】図32(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体3201、カメラ部
3202、受像部3203、操作スイッチ3204、表
示部3205等を含む。本発明は表示部3205やその
他の信号制御回路に適用できる。
【0217】図32(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体3301、表示部3302、アーム部330
3等を含む。本発明は表示部3302やその他の信号制
御回路に適用することができる。
【0218】図32(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体3401、表示部3402、スピーカ部340
3、記録媒体3404、操作スイッチ3405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部3402やその
他の信号制御回路に適用することができる。
【0219】図32(F)はデジタルカメラであり、本
体3501、表示部3502、接眼部3503、操作ス
イッチ3504、受像部(図示しない)等を含む。本発
明を表示部3502やその他の信号制御回路に適用する
ことができる。
【0220】図33(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置3601、スクリーン3602等を含
む。本発明は投射装置3601の一部を構成する液晶表
示装置3808やその他の信号制御回路に適用すること
ができる。
【0221】図33(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体3701、投射装置3702、ミラー370
3、スクリーン3704等を含む。本発明は投射装置3
702の一部を構成する液晶表示装置3808やその他
の信号制御回路に適用することができる。
【0222】なお、図33(C)は、図33(A)及び
図33(B)中における投射装置3601、3702の
構造の一例を示した図である。投射装置3601、37
02は、光源光学系3801、ミラー3802、380
4〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズ
ム3807、液晶表示装置3808、位相差板380
9、投射光学系3810で構成される。投射光学系38
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図33(C)中において矢印
で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能
を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0223】また、図33(D)は、図33(C)中に
おける光源光学系3801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクタ
ー3811、光源3812、レンズアレイ3813、3
814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で
構成される。なお、図33(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0224】ただし、図33に示したプロジェクターに
おいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示して
おり、反射型の電気光学装置及び発光装置での適用例は
図示していない。
【0225】図34(A)は携帯電話であり、本体39
01、音声出力部3902、音声入力部3903、表示
部3904、操作スイッチ3905、アンテナ3906
等を含む。本発明を音声出力部3902、音声入力部3
903、表示部3904やその他の信号制御回路に適用
することができる。
【0226】図34(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体4001、表示部4002、4003、記憶媒
体4004、操作スイッチ4005、アンテナ4006
等を含む。本発明は表示部4002、4003やその他
の信号回路に適用することができる。
【0227】図34(C)はディスプレイであり、本体
4101、支持台4102、表示部4103等を含む。
本発明は表示部4103に適用することができる。本発
明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利
であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)の
ディスプレイには有利である。
【0228】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能であ
る。また、本実施例の電子機器は実施例1〜12のどの
ような組み合わせからなる構成を用いても実現すること
ができる。
【0229】
【発明の効果】非晶質半導体膜に加熱により結晶化ある
いは結晶性の向上を行うとき、加熱処理により部分的に
結晶化させ得られる非晶質領域の任意の一塊の面積が1
0.0μm2以下であり、かつ0.30μm2以上の前記
一塊が存在する状態とすることで、TFTの電気的特性
の向上とばらつきの制御が可能になった。また、非晶質
領域の総面積は半導体膜の総面積に対して、2.0〜
8.0%、好ましくは2.0〜6.0%にするのが望ま
しい。
【0230】また、非晶質半導体膜として非晶質珪素膜
を用いる場合、非晶質珪素膜に結晶化あるいは結晶性向
上のための加熱処理を行った後、レーザアニールを施す
際の波長を360〜650nm、好ましくは400〜6
00nmに限定すると、非晶質珪素膜の吸収係数は多結
晶珪素膜の吸収係数より高いので、出来るだけ結晶化し
た領域を冒すことなく、結晶化を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)非晶質珪素膜に加熱処理550℃で4時
間行った写真。 (b)非晶質珪素膜に加熱処理550℃で8時間行った
写真。 (c)非晶質珪素膜に加熱処理550℃で12時間行っ
た写真。
【図2】(a)光学顕微鏡にて明視野透過モードで表面
を観察した写真。 (b)図 2(a)のR(赤)に分離した写真。
【図3】(a)図 2(a)のG(緑)に分離した写
真。 (b)図 2(a)のB(青)に分離した写真。
【図4】図2(a)の各モードの階調(濃度)ヒストグ
ラム。
【図5】(a)図 3(a)を2階調化した写真。 (b)非晶質領域と結晶化領域を説明した図。
【図6】(a)図1の非晶質部分の各塊の面積の比率。 (b)図1の非晶質領域の確率統計分布図。
【図7】(a)加熱処理時間を振った場合のVthの確
率統計分布図。 (b)加熱処理時間を振った場合のS値の確率統計分布
図。 (c)加熱処理時間を振った場合の移動度の確率統計分
布図。
【図8】(a)非晶質珪素膜に加熱処理550℃で4時
間行った写真。 (b)非晶質珪素膜に加熱処理575℃で4時間行った
写真。 (c)非晶質珪素膜に加熱処理600℃で4時間行った
写真。
【図9】(a)図8の非晶質部分の各塊の面積の比率。 (b)図8の非晶質領域の確率統計分布図。
【図10】(a)〜(d)非晶質珪素膜に加熱処理55
0℃で4時間行い、レーザのエネルギーを振ってレーザ
アニールを行ったときの電気的特性の分布図。(e)〜
(h)非晶質珪素膜に加熱処理575℃で4時間行い、
レーザのエネルギーを振ってレーザアニールを行ったと
きの電気的特性の分布図。
【図11】(a)〜(d)非晶質珪素膜に加熱処理60
0℃で4時間行い、レーザのエネルギーを振ってレーザ
アニールを行ったときの電気的特性の分布図。
【図12】非晶質珪素膜と多結晶珪素膜の波長に対する
吸収係数の変化を示す図。
【図13】線状ビームを形成する光学系の一例。
【図14】ガルバノメータとf-θ レンズを用いた光学
系の一例。
【図15】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程
を示す断面図。
【図16】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程
を示す断面図。
【図17】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程
を示す断面図。
【図18】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程
を示す断面図。
【図19】 駆動回路のTFTと画素TFTの構造を示
す上面図。
【図20】 駆動回路のTFTと画素TFTの構造を示
す断面図。
【図21】 駆動回路のTFTの構成を示す断面図。
【図22】 画素TFTの構成を示す断面図。
【図23】 画素部の画素を示す上面図。
【図24】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の作
製工程を示す断面図。
【図25】 液晶表示装置の入出力端子、配線、回路配
置、スペーサ、シール剤の配置を説明する上面図。
【図26】 液晶表示装置の構造を示す斜視図。
【図27】 アクティブマトリクス型表示装置の回路構
成を説明するブロック図。
【図28】 発光装置の構造を示す上面図及び断面図。
【図29】 発光装置の画素部の断面図。
【図30】 発光装置の画素部の上面図と回路図。
【図31】 発光装置の画素部の回路図の例。
【図32】 半導体装置の例を示す図。
【図33】 半導体装置の例を示す図。
【図34】 半導体装置の例を示す図。
【図35】 多結晶珪素膜の表面のSEM写真を示す図。
【図36】 多結晶珪素膜の表面のSEM写真を画像処理
し、表面の模様を強調した図。
【符号の説明】
5001 結晶化領域 5002 非晶質領域 1001 レーザ発振器 1002a シリンドリカルアレイレンズ 1002b シリンドリカルアレイレンズ 1003 シリンドリカルアレイレンズ 1004 シリンドリカルアレイレンズ 1005 シリンドリカルレンズ 1007 ミラー 1008 ダブレットシリンドリカルレンズ 1009 被照射面 1401 レーザ発振器 1402 凸レンズ 1403 ガルバノメータ 1404 f-θ レンズ 1405 基板 1406 ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 29/78 627G 21/336

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を含む化合物を導入する工程
    と、前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶
    化させて結晶化領域と非晶質領域の混在した多結晶半導
    体膜とする工程と、前記多結晶半導体膜を波長が360
    〜650nmのレーザビームによりレーザアニールする
    工程と、を有することを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を含む化合物を導入する工程
    と、前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶
    化させて結晶化領域と非晶質領域の混在した多結晶半導
    体膜とする工程と、前記多結晶半導体膜を波長が400
    〜600nmのレーザビームによりレーザアニールする
    工程と、を有することを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域において92〜99%が結晶化していることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、前記第2の工程により形成さ
    れた第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域において92〜99%が結晶化し、前記第3の工程に
    より形成された第2の多結晶半導体膜は、前記TFTの
    活性層となる領域において99%以上結晶化することを
    特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域において94〜99%が結晶化していることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第2の工程により形成された第1の多結晶半導体膜
    は、TFTの活性層となる領域において94〜99%が
    結晶化し、前記第3の工程により形成された第2の多結
    晶半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域において
    99%以上結晶化することを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  7. 【請求項7】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域において92〜99%が結晶化していることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第2の工程により形成された第1の多結晶半導体膜
    は、TFTの活性層となる領域において92〜99%が
    結晶化し、前記第3の工程により形成された第2の多結
    晶半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域において
    99%以上結晶化することを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  9. 【請求項9】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の
    結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域において94〜99%が結晶化していることを特徴と
    する半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第2の工程により形成された第1の多結晶半導体膜
    は、TFTの活性層となる領域において94〜99%が
    結晶化し、前記第3の工程により形成された第2の多結
    晶半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域において
    99%以上結晶化することを特徴とする半導体装置の作
    製方法。
  11. 【請求項11】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜において、TFTの活性層と
    なる領域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性
    層となる領域の面積に対して1〜8%とすることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性層とな
    る領域の面積に対して1〜8%とし、前記第2の多結晶
    半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域のうち非晶
    質領域の総面積が1%以下とすることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜において、TFTの活性層と
    なる領域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性
    層となる領域の面積に対して1〜6%とすることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  14. 【請求項14】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性層とな
    る領域の面積に対して1〜6%とし、前記第2の多結晶
    半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域のうち非晶
    質領域の総面積が1%以下とすることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜において、TFTの活性層と
    なる領域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性
    層となる領域の面積に対して1〜8%とすることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、前記第1の多結晶半導体膜
    は、TFTの活性層となる領域のうち非晶質領域の総面
    積が前記TFTの活性層となる領域の面積に対して1〜
    8%とし、前記第2の多結晶半導体膜は、前記TFTの
    活性層となる領域のうち非晶質領域の総面積が1%以下
    とすることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜において、TFTの活性層と
    なる領域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性
    層となる領域の面積に対して1〜6%とすることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  18. 【請求項18】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入する第1の工程と、 前記非晶質半導体膜を加熱処理により部分的に結晶化さ
    せて第1の多結晶半導体膜を形成する第2の工程と、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して第2の多結晶半導体膜を形成
    する第3の工程とを有し、 前記第1の多結晶半導体膜は、TFTの活性層となる領
    域のうち非晶質領域の総面積が前記TFTの活性層とな
    る領域の面積に対して1〜6%とし、前記第2の多結晶
    半導体膜は、前記TFTの活性層となる領域のうち非晶
    質領域の総面積が1%以下とすることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素または前記金属元素を含む
    化合物を導入する工程と、前記非晶質半導体膜を加熱処
    理により部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜を
    形成する工程と、前記第1の多結晶半導体膜に波長が3
    60〜650nmのレーザビームを照射して第2の多結
    晶半導体膜とする工程と、を有し、前記第1の多結晶半
    導体膜の有する非晶質領域の各々の面積は10.0μm
    2以下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積
    は0.30μm2以上であることを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  20. 【請求項20】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素または前記金属元素を含む
    化合物を導入する工程と、前記非晶質半導体膜を加熱処
    理により部分的に結晶化させて第1の多結晶半導体膜を
    形成する工程と、前記第1の多結晶半導体膜に波長が4
    00〜600nmのレーザビームを照射して第2の多結
    晶半導体膜とする工程と、を有し、前記第1の多結晶半
    導体膜の有する非晶質領域の各々の面積は10.0μm
    2以下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積
    は0.30μm2以上であることを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至20のいずれか一項に於
    いて、前記金属元素は、Ni、Pd、Pt、Cu、A
    g、Au、Al、In、Sn、Pb、P、As、Sbか
    ら選ばれた一種または複数種類の元素であることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至20のいずれか一項に於
    いて、前記金属元素は、8族、1B族、3B族、4B
    族、5B族元素から選ばれた一種または複数種類の元素
    であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至20のいずれか一項に於
    いて、前記レーザビームはYAGレーザの第2高調波、
    ガラスレーザの第2高調波、Arレーザ、YLFレーザ
    の第2高調波、YVO4レーザの第2高調波から選ばれ
    た一種であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至23のいずれか一項に於
    いて、前記半導体装置は、液晶表示装置、または発光装
    置であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至23のいずれか一項に於
    いて、前記半導体装置は、携帯電話、ビデオカメラ、デ
    ジタルカメラ、プロジェクター、ゴーグル型ディスプレ
    イ、パーソナルコンピュータ、DVDプレイヤー、電子
    書籍、または携帯型情報端末であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  26. 【請求項26】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の92〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  27. 【請求項27】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の94〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  28. 【請求項28】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の92〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  29. 【請求項29】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の94〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  30. 【請求項30】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜8%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  31. 【請求項31】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜6%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  32. 【請求項32】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜8%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  33. 【請求項33】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜6%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、 前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nm
    のレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導
    体膜をTFTの活性層としたことを特徴とする半導体装
    置。
  34. 【請求項34】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、加熱処理によ
    りTFTの活性層となる領域における非晶質領域の各々
    の面積は10.0μm2以下であり、前記非晶質領域の少な
    くとも1つの面積は0.30μm2以上である第1の多結晶
    半導体膜を形成させ、前記第1の多結晶半導体膜に波長
    が360〜650nmのレーザビームを照射して形成さ
    せた第2の多結晶半導体膜をTFTの活性層としたこと
    を特徴とする半導体装置。
  35. 【請求項35】 非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜
    の結晶化を助長する金属元素を導入させ、加熱処理によ
    りTFTの活性層となる領域における非晶質領域の各々
    の面積は10.0μm2以下であり、前記非晶質領域の少な
    くとも1つの面積は0.30μm2以上である第1の多結晶
    半導体膜を形成させ、前記第1の多結晶半導体膜に波長
    が400〜600nmのレーザビームを照射して形成さ
    せた第2の多結晶半導体膜をTFTの活性層としたこと
    を特徴とする半導体装置。
  36. 【請求項36】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の92〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、前
    記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nmの
    レーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導体
    膜であることを特徴とする半導体装置。
  37. 【請求項37】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の92〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、前
    記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nmの
    レーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導体
    膜であることを特徴とする半導体装置。
  38. 【請求項38】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の94〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、前
    記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650nmの
    レーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導体
    膜であることを特徴とする半導体装置。
  39. 【請求項39】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域の94〜99
    %を結晶化させた第1の多結晶半導体膜を形成させ、前
    記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600nmの
    レーザビームを照射して形成させた第2の多結晶半導体
    膜であることを特徴とする半導体装置。
  40. 【請求項40】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜8%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650
    nmのレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶
    半導体膜であることを特徴とする半導体装置。
  41. 【請求項41】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜8%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600
    nmのレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶
    半導体膜であることを特徴とする半導体装置。
  42. 【請求項42】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜6%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、前記第1の多結晶半導体膜に波長が360〜650
    nmのレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶
    半導体膜であることを特徴とする半導体装置。
  43. 【請求項43】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素を導入させ、 加熱処理によりTFTの活性層となる領域のうち非晶質
    領域の総面積が前記TFTの活性層となる領域の面積に
    対して1〜6%である第1の多結晶半導体膜を形成さ
    せ、前記第1の多結晶半導体膜に波長が400〜600
    nmのレーザビームを照射して形成させた第2の多結晶
    半導体膜であることを特徴とする半導体装置。
  44. 【請求項44】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素または前記金属元素を含む化合
    物を導入し、加熱処理を行い部分的に結晶化させ得られ
    る第1の多結晶半導体膜に、レーザビームを照射し得ら
    れる第2の多結晶半導体膜であり、前記第1の多結晶半
    導体膜の有する非晶質領域の各々の面積は10.0μm2
    下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は0.
    30μm2以上であり、前記レーザビームの波長は、36
    0〜650nmであることを特徴とする半導体装置。
  45. 【請求項45】 絶縁表面上に半導体膜と、ゲート絶縁
    膜と、ゲート電極とを有する半導体装置において、前記
    半導体膜は、非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結
    晶化を助長する金属元素または前記金属元素を含む化合
    物を導入し、加熱処理を行い部分的に結晶化させ得られ
    る第1の多結晶半導体膜に、レーザビームを照射し得ら
    れる第2の多結晶半導体膜であり、前記第1の多結晶半
    導体膜の有する非晶質領域の各々の面積は10.0μm2
    下であり、前記非晶質領域の少なくとも1つの面積は0.
    30μm2以上であり、前記レーザビームの波長は、40
    0〜600nmであることを特徴とする半導体装置。
  46. 【請求項46】 請求項26乃至45のいずれか一項に
    於いて、前記金属元素は、Ni、Pd、Pt、Cu、A
    g、Au、Al、In、Sn、Pd、P、As、Sbか
    ら選ばれた一種または複数種類の元素でなることを特徴
    とする半導体装置。
  47. 【請求項47】 請求項26乃至45のいずれか一項に
    於いて、前記金属元素は、8族、1B族、3B族、4B
    族、5B族元素から選ばれた一種または複数種類の元素
    でなることを特徴とする半導体装置。
  48. 【請求項48】 請求項26乃至45のいずれか一項に
    於いて、前記レーザビームはYAGレーザの第2高調
    波、ガラスレーザの第2高調波、Arレーザ、YLFレ
    ーザの第2高調波、YVO4レーザの第2高調波から選
    ばれた一種であることを特徴とする半導体装置。
  49. 【請求項49】 請求項26乃至48のいずれか一項に
    於いて、前記半導体装置は、液晶表示装置、または発光
    装置であることを特徴とする半導体装置。
  50. 【請求項50】 請求項26乃至48のいずれか一項に
    於いて、前記半導体装置は、携帯電話、ビデオカメラ、
    デジタルカメラ、プロジェクター、ゴーグル型ディスプ
    レイ、パーソナルコンピュータ、DVDプレイヤー、電
    子書籍、または携帯型情報端末であることを特徴とする
    半導体装置。
JP2001063900A 2000-03-08 2001-03-07 半導体装置及びその作製方法 Withdrawn JP2001326178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063900A JP2001326178A (ja) 2000-03-08 2001-03-07 半導体装置及びその作製方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-63000 2000-03-08
JP2000064186 2000-03-08
JP2000-64186 2000-03-08
JP2000063000 2000-03-08
JP2001063900A JP2001326178A (ja) 2000-03-08 2001-03-07 半導体装置及びその作製方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012161138A Division JP5483763B2 (ja) 2000-03-08 2012-07-20 液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001326178A true JP2001326178A (ja) 2001-11-22
JP2001326178A5 JP2001326178A5 (ja) 2008-02-28

Family

ID=27342606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001063900A Withdrawn JP2001326178A (ja) 2000-03-08 2001-03-07 半導体装置及びその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001326178A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003224070A (ja) * 2001-11-26 2003-08-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法
US6916693B2 (en) * 2000-03-08 2005-07-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7098084B2 (en) 2000-03-08 2006-08-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7179756B2 (en) 2001-05-21 2007-02-20 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting device and method of manufacturing thereof
US8119188B2 (en) 2001-06-08 2012-02-21 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Process of manufacturing luminescent device
JP2015111744A (ja) * 2007-12-03 2015-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
CN109097545A (zh) * 2018-10-08 2018-12-28 吉林大学 激光预热与高频振动耦合非晶合金表面改性装置与方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000068207A (ja) * 1999-09-13 2000-03-03 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000068207A (ja) * 1999-09-13 2000-03-03 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6916693B2 (en) * 2000-03-08 2005-07-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7098084B2 (en) 2000-03-08 2006-08-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7183145B2 (en) 2000-03-08 2007-02-27 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7638377B2 (en) 2000-03-08 2009-12-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method thereof
US7179756B2 (en) 2001-05-21 2007-02-20 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light emitting device and method of manufacturing thereof
US8119188B2 (en) 2001-06-08 2012-02-21 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Process of manufacturing luminescent device
JP2003224070A (ja) * 2001-11-26 2003-08-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法
JP2015111744A (ja) * 2007-12-03 2015-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
CN109097545A (zh) * 2018-10-08 2018-12-28 吉林大学 激光预热与高频振动耦合非晶合金表面改性装置与方法
CN109097545B (zh) * 2018-10-08 2023-09-15 吉林大学 激光预热与高频振动耦合非晶合金表面改性装置与方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5483763B2 (ja) 液晶表示装置
JP2003152086A (ja) 半導体装置
JP2001156017A (ja) レーザー装置及びレーザー光を用いた熱処理方法並びに半導体装置の作製方法
JP2003229578A (ja) 半導体装置、表示装置およびその作製方法
JP4776766B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4637376B2 (ja) レーザ照射装置及び半導体装置の作製方法
JP4076720B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4986332B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4801249B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5046439B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5244274B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2001326178A (ja) 半導体装置及びその作製方法
JP4896286B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2001290171A (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP4463374B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5292453B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2001085320A (ja) 露光装置および露光方法および半導体装置の作製方法
JP2000349299A (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP4463377B2 (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP2005322935A (ja) 半導体装置およびその作製方法
JP4472082B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4397582B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4618842B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5159005B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2003224083A (ja) レーザ照射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120720

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20120723