JP2001316275A - コラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用剤、コラゲナーゼ阻害剤、皮膚化粧料および飲食品 - Google Patents
コラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用剤、コラゲナーゼ阻害剤、皮膚化粧料および飲食品Info
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Abstract
コラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用剤、コラゲ
ナーゼ阻害剤、皮膚化粧料および飲食品を提供する。 【解決手段】 月桃、特に月桃の葉部および/または茎
部からの抽出物をコラーゲン産生促進剤、エストロゲン
様作用剤およびコラゲナーゼ阻害剤に含有せしめ、これ
らを皮膚化粧料および飲食品に配合する。
Description
細胞によるコラーゲンの産生を活発化する作用を有する
コラーゲン産生促進剤、女性ホルモンの一種であるエス
トロゲンと同様の作用を有するエストロゲン様作用剤、
およびコラーゲンの減少・変性に関与するコラゲナーゼ
活性を阻害するコラゲナーゼ阻害剤に関するものであ
る。また、本発明は、コラーゲン産生促進剤、エストロ
ゲン様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤を配合すること
により皮膚の老化予防・改善作用を付与した皮膚化粧料
および美容作用を付与した飲食品に関するものである。
維芽細胞、およびこれらの細胞の外にあって皮膚構造を
支持するエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリック
スにより構成されており、若い皮膚においてはこれら皮
膚組織の相互作用が恒常的を保つことにより水分保持、
柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶
があってみずみずしい状態に維持される。
度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり加
齢が進んだりすると、細胞外マトリックスの主要構成成
分であるエラスチンは分解・変質を起こし、またコラー
ゲンは産生量が減少すると共に架橋による弾性低下を起
こす。その結果、皮膚は保湿機能や弾力性が低下し、角
質は異常剥離を始めるから、肌は張りや艶を失い、荒
れ、シワ、くすみ等の老化症状を呈するようになる。
ち、シワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等には、
コラーゲン、エラスチン等の真皮マトリックス成分の減
少、変性が関与している。近年、この変化を誘導する因
子として、特にマトリックス系プロテアーゼの関与が指
摘されている。マトリックス系プロテアーゼの中でも、
コラゲナーゼ、即ちMMP1(マトリックスメタロプロ
テアーゼ)は、皮膚の真皮マトリックスの主な構成成分
であるタイプI,IIIコラーゲンを分解する酵素として
知られるが、その発現は紫外線の照射により大きく増加
し、紫外線によるコラーゲンの減少・変性の一因とな
り、皮膚のシワの形成等の大きな要因となると考えられ
る。したがって、コラーゲン産生の促進や、コラゲナー
ゼ活性の阻害は、皮膚の老化を防止・改善する上で重要
である。
・改善するために最も普通に行われているのは、天然保
湿因子(NMF)である糖、アミノ酸、有機酸、ピロリ
ドンカルボン酸塩、コラーゲン、ヒアルロン酸等のムコ
多糖類、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の
保湿作用を有する物質を塗布して皮膚の保湿性を高める
ことである。
を改善するだけのものであって、真皮内の張力保持機構
まで改善することは期待できない。また、保湿剤は皮膚
からの水分蒸発を遅くするものであるから概して使用感
が悪く、長期間使用すると皮膚障害を起こすことさえあ
る。
ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減退するこ
とにある。すなわち、エストロゲンは成人女性の健康維
持に深く関わっていて、その分泌不足は種々の内科的疾
患を招くほか、肌の過敏症、弾力性低下、潤いの減少
等、好ましくない肌の変化の原因となることが知られて
いる。
期以後の女性に対して、エストロゲンと同様の作用をす
る物質を経皮的または経口的に投与することが行われて
いる。そのためのエストロゲン様作用剤としては、従来
より、ステロイド系エストロゲン、非ステロイド系エス
トロゲン、フラボン系化合物等が使われている。
は、真皮層線維芽細胞におけるコラーゲン産生を促進し
て皮膚の老化を防止および/または改善し得る物質を見
出し、それを有効成分として含有するコラーゲン産生促
進剤を提供することにある。本発明の第二の目的は、エ
ストロゲン様作用を通じて皮膚の老化を防止および/ま
たは改善し得る物質を見出し、それを有効成分として含
有するエストロゲン様作用剤を提供することにある。本
発明の第三の目的は、コラゲナーゼ阻害作用を通じてコ
ラーゲンの減少・変性を抑制し、皮膚の老化を防止およ
び/または改善し得る物質を見出し、それを有効成分と
して含有するコラゲナーゼ阻害剤を提供することにあ
る。本発明の第四の目的は、コラーゲン産生促進作用、
エストロゲン様作用またはコラゲナーゼ阻害作用を有
し、皮膚の老化防止および/または改善に有用な皮膚化
粧料を提供することにある。本発明の第五の目的は、エ
ストロゲン様作用を有し、皮膚の老化防止および/また
は改善に有用な飲食品を提供することにある。
に、本発明のコラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作
用剤およびコラゲナーゼ阻害剤は、月桃からの抽出物を
有効成分として含有することを特徴とし、本発明の皮膚
化粧料は、本発明のコラーゲン産生促進剤、エストロゲ
ン様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤を配合してなるこ
とを特徴とし、本発明の飲食品は、本発明のエストロゲ
ン様作用剤を配合してなることを特徴とする。
ゲン様作用剤およびコラゲナーゼ阻害剤の好ましい実施
形態において、前記抽出物は、極性溶媒を抽出溶媒に用
いて得られる月桃の葉部および/または茎部からの抽出
物であり、さらに好ましい実施形態において、前記極性
溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、
1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレン
グリコールまたはこれらの混合物である。
作用剤・コラゲナーゼ阻害剤〕本発明のコラーゲン産生
促進剤、エストロゲン様作用剤およびコラゲナーゼ阻害
剤の有効成分である「月桃からの抽出物」には、抽出処
理によって月桃から得られる抽出液、該抽出液の希釈液
もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、
またはこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含
まれる。
のは、月桃(学名:Alpinia nutansまたは Alpinia spe
ciosa)、特に月桃の葉部および/または茎部である。
nia speciosa)は、ショウガ科のAlpinia属に属し、九
州南部からインドにまで分布している多年生常緑草木で
ある。従って、月桃はこれらの地域から容易に入手が可
能である。月桃は、夏に美しい花を開くため観賞用に栽
培されている例もあるが、薬用に利用されることはな
く、また生理活性物質が含まれているという報告もな
い。
ちに乾燥し粉砕したものが適当である。乾燥は、天日で
行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行って
もよい。月桃は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒に
よって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用
してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、月桃の
極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
媒を使用するのが好ましい。月桃(特に月桃の葉部およ
び/または茎部)に含まれるコラーゲン産生促進作用、
エストロゲン様作用またはコラゲナーゼ阻害作用を示す
成分は、極性溶媒を抽出溶媒とする抽出処理によって容
易に抽出することができる。
級脂肪族アルコール、含水の低級脂肪族アルコール等を
例示でき、これらを単独で、又はこれらの2種類以上の
混合物として使用することができる。好適な低級脂肪族
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール等を例示することができ
る。
として使用する場合、その混合比は適宜調整することが
できる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液
を使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混
合比を7:3〜2:8(重量比)とすることができる。
抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、常法に従
って行うことができる。抽出処理の際には、特殊な抽出
方法を採用する必要はなく、室温ないし還流加熱下にお
いて任意の装置を使用することができる。
原料を投入し、時々攪拌しながら可溶性成分を溶出させ
る。この際、抽出条件は抽出原料量等に応じて適宜調節
し得るが、抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量
(重量比)あり、抽出時間は通常1〜3時間であり、抽
出温度は通常、常温〜95℃である。
後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得
ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液
若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精
製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、
濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。得られた抽
出液はそのままでもコラーゲン産生促進剤、エストロゲ
ン様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤として使用するこ
とができるが、濃縮液またはその乾燥物としたものの方
が利用しやすい。抽出液の乾燥物を得るに当たっては、
吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキスト
リン等のキャリアーを添加してもよい。
しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱
色、脱臭等を目的とする精製を行うことが可能である
が、化粧料や飲食品に添加する場合には大量に使用する
ものではないから、未精製のままでも実用上支障はな
い。
物は、コラーゲン産生促進作用、エストロゲン様作用ま
たはコラゲナーゼ阻害作用を有する。月桃からの抽出物
は、そのままでもコラーゲン産生促進剤、エストロゲン
様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤として使用すること
ができるが、常法に従って製剤化して使用することもで
きる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするため
に、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許
容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加すること
ができる。月桃からの抽出物は、製剤化により粉末状、
顆粒状、錠剤状等、任意の剤形とすることができる。
に吸収されて線維芽細胞に達し、コラーゲン産生を活発
化して真皮層に十分なコラーゲンを補給することによっ
て、皮膚の老化を防止および/または改善することがで
きる。また、本発明のコラーゲン産生促進剤は、コラー
ゲン産生促進作用とともにエストロゲン様作用を併有す
るので、皮膚の老化防止と改善に多面的に作用して皮膚
の老化を防止および/または改善することができる。
ロゲン様作用を通じてエストロゲン分泌の衰えによる皮
膚の老化を防止および/または改善することができる。
ーゼ阻害作用を通じてコラゲナーゼによるコラーゲンの
減少、変性等を抑制し、コラーゲンの減少、変性等によ
って生じる皮膚の老化を防止および/または改善するこ
とができる。
進剤、エストロゲン様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤
は、皮膚の老化を防止および/または改善することがで
きるとともに、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に
優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適であ
る。皮膚化粧料には、コラーゲン産生促進剤、エストロ
ゲン様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤のいずれか1種
を配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合して
もよい。
ゲン様作用剤またはコラゲナーゼ阻害剤を配合し得る皮
膚化粧料は特に限定されないが、その具体例としては、
軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤等
を例示することができる。
生促進剤、エストロゲン様作用剤またはコラゲナーゼ阻
害剤の配合量は、皮膚化粧料の種類や抽出物の生理活性
等によって適宜調整することができるが、好適な配合率
は標準的な月桃抽出物に換算して約0.01〜10重量
%である。
促進作用、エストロゲン様作用またはコラゲナーゼ阻害
作用の妨げにならない限り、皮膚化粧料の製造に通常使
用される各種主剤および助剤、その他の任意の助剤を配
合することができ、皮膚の老化防止・改善に関し本発明
のコラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用剤または
コラゲナーゼ阻害剤のみが主剤となるものに限られるわ
けではない。
ラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用またはコラゲ
ナーゼ阻害剤とともに構成成分として利用可能なものと
しては、例えば、グリセリン、コラーゲン、ヒアルロン
酸およびその塩、コンドロイチン酸およびその塩、キチ
ン、キトサン等の保湿剤;パラジメチルアミノ安息香酸
アミル等の紫外線吸収剤;グリセロリン脂質、スフィン
ゴリン脂質等の複合脂質;β−カロチン、油溶性甘草エ
キス、リコカルコンA、バイカリン、バイカレインその
他の活性酸素消去作用を有する物質;アズレン、グリチ
ルリチン酸およびその塩類、グリチルレチン酸およびそ
の誘導体、酸化亜鉛等の抗炎症作用物質;リボフラビ
ン、トコフェロール、アスコルビン酸、葉酸等のビタミ
ンおよびその誘導体類;ホホバ油、ラノリン、流動パラ
フィン、スクワラン、イソステアリルアルコール等の油
性成分;ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ジエタ
ノールアミン、ステアリン酸グリセリン等の界面活性
剤;エリソルビン酸ナトリウム等の酸化防止剤;エチル
パラベン等の防腐剤;オウバク抽出物、カミツレ抽出
物、カンゾウ根抽出物、ローズマリー抽出物、マロニエ
抽出物等の植物性抽出物;コラーゲン、加水分解コンキ
オリン、エラスチン等の動物性抽出物;アミノ酸、コレ
ステロール類;植物ステロール類;リポプロテイン類;
ビフィズス菌培養物、乳酸菌培養物、酵母抽出物、ブク
リョウ抽出物等の微生物由来成分;褐藻抽出物、紅藻抽
出物等の藻類抽出物;γ−オリザノール等の血行促進
剤;硫黄等の抗脂漏剤;香料;アルコール;カルボキシ
ポリマー等の増粘剤;チタンイエロー、ベニバナその他
着色料等を例示することができる。
の有効成分は、消化管で消化されるようなものではない
ことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食
品に配合するのに好適である。特に、本発明のエストロ
ゲン様作用剤は、エストロゲン様作用を通じて皮膚の老
化を防止及び/又は改善することができるので、美容用
飲食品に配合するのに好適である。ここで、「美容用飲
食品」とは、美肌または皮膚の老化防止・改善を図るこ
とを目的とした飲食物を意味する。
様作用剤をその生理活性を妨げないような任意の飲食品
に配合したものであってもよいし、本発明のエストロゲ
ン様作用剤を主成分とする栄養補助食品であってもよ
い。
飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デン
プン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシ
タンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソ
ロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等
の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂
類、等の任意の助剤を添加して任意の剤形に製剤化する
ことができる。
用剤の配合量は、添加対象飲食品の一般的な摂取量を考
慮して成人1日当たり月桃抽出物の摂取量が1日あたり
約1〜1000mg程度となるように調整することが好
ましい。
る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、
清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等
の飲料(これら飲料の濃縮液および調製用粉末を含
む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等
の氷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、シュ
ウマイの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディ
ー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、
ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かま
ぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工
乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、天ぷら油、マーガリ
ン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、
ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、た
れ等の調味料;錠剤状、顆粒状等の種々の形態の健康・
栄養補助食品類;その他スープ、シチュー、サラダ、惣
菜、漬物、等を例示することができる。
剤、エストロゲン様作用剤、コラゲナーゼ阻害剤、皮膚
化粧料および飲食品は、ヒトに対して好適に適用される
ものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒ
ト以外の動物に対して適用することもできる。
説明する。
または Alpinia speciosa)の葉または茎の粗砕物30
0gを抽出溶媒2000mlに投入し、ゆるく攪拌しな
がら3時間、70℃に保った。その後、濾過し、濾液を
40℃で減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥し
て、月桃抽出物を得た。4種類の抽出溶媒を用いて上記
抽出を行なったところ、抽出物の収率は表1のとおりで
あった。なお、抽出溶媒が混合物の場合、以下に示す混
合比は重量基準によるものである。
月桃の葉または茎の粗砕物300gを抽出溶媒200m
lに投入し、攪拌しながら80℃に3時間保持した後、
濾過して抽出液を得た。4種類の抽出溶媒を用いて上記
抽出を行い、表2に示した固形分濃度の抽出液約150
0mlを得た。なお、抽出溶媒が混合物の場合、以下に
示す混合比は重量基準によるものである。
験 製造例1および2で得られた試料1〜14について、We
bsterらの方法(Anal.Biochem.,Vol.96, 220, 1979)に
よりコラーゲン産生促進作用を試験した。具体的には、
以下のようにして試験を行った。
7℃、5%二酸化炭素下、試料添加培地(試料濃度:2
00ppmまたは50ppm)で数日間培養した後、β
−アミノプロピオニトリルと[3H]−プロリンとを添
加し、更に24時間培養した。当該培養液全体にペプシ
ン/酢酸溶液を加えて4℃下で16時間消化し、次いで
この消化液にキャリアーを加えて0.7M食塩で沈殿さ
せ、更に中性条件下で再溶解させて、4.2M食塩で再
沈殿させた。得られた沈殿物を20%エタノールで洗浄
した後、その沈殿物の放射活性を測定した。
放射活性を100%として算出した。各試料のコラーゲ
ン産生促進率(%)を表3に示す。なお、試料が製造例
2による抽出液の場合、「試料濃度」は固形分換算濃度
である。
は茎部からの抽出物が線維芽細胞のコラーゲン産生を促
進する作用を有することが確認された。また、かかる月
桃抽出物のコラーゲン産生促進作用の強さは月桃抽出物
の濃度に依存して変化し、月桃抽出物の濃度を調節する
ことによりコラーゲン産生促進作用の強さを調節できる
ことが確認された。
ストロゲン依存性細胞の増殖に対する影響を調べるTh
omasらの方法(In Vitro Cell.Dev.Biol.28A,5
95-602,1992)により、エストロゲン様作用の試験を行
った。具体的には、以下のようにして試験を行った。
m3フラスコでコンフルエント様になるまで培養し、ト
リプシン処理によりこのMCF−7細胞を集め、10%
活性炭処理したFBS、1%NEAAおよび1mMピル
ビン酸ナトリウムを含みフェノールレッドを含まない最
少栄養培地を用いて、3×104個/mlに調製した。
プレートに0.9mlづつ播種し、これを定着させるた
めに37℃、5%二酸化炭素下で培養した。6時間後
(0日目)、フェノールレッドを含まない最少栄養培地
で終濃度の10倍の濃度に調製した試料溶液100μl
(試料濃度:125ppmまたは62.5ppm)を上
記マイクロプレートに添加し、培養を続けた。
胞数を測定するために、上記最少栄養培地をMTT培地
に交換し、2−プロパノールを添加することで細胞内に
生成したブルーホルマザンを抽出し、570nmの吸光
度を測定した。それとともに、濁度として650nmの
吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン量
とした。陽性対照としては、0.02ppmエチニルエ
ストラジオールを使用した。エストロゲン様作用(エス
トロゲン依存性増殖作用)の強さは、試料無添加時の吸
光度を100%として算出した。各試料のエストロゲン
様作用(エストロゲン依存性増殖作用)の強さを表4に
示す。
は茎部からの抽出物がエストロゲン様作用を有すること
が確認された。また、かかる月桃抽出物のエストロゲン
様作用の強さは月桃抽出物の濃度に依存して変化し、月
桃抽出物の濃度を調節することによりエストロゲン様作
用の強さを調節できることが確認された。
以下の方法によりコラゲナーゼ阻害作用を試験した。
Mトリス塩酸緩衝液(pH7.1)に試料を溶解した試
料溶液50μl、コラゲナーゼ溶液(濃度:0.1g/
ml)50μlおよび基質溶液(濃度:0.5M)40
0μlを混合し、37℃で30分間インキュベーション
した。次いで、25mMクエン酸溶液1mlを加えて反
応を停止し、酢酸エチル5mlで抽出した。得られた抽
出液について、波長320nmにおける吸光度(対照
液:酢酸エチル)を測定した。以下、この吸光度を「試
料溶液添加・酵素添加時の吸光度」という。
塩酸緩衝液を用いる他は、上記(1)と同様にして吸光
度を測定した。以下、この吸光度を「試料溶液添加・酵
素無添加時の吸光度」という。
のトリス塩酸緩衝液を用いる他は、上記(1)と同様に
して吸光度を測定した。以下、この吸光度を「試料無添
加・酵素添加時の吸光度」という。
塩酸緩衝液を用いるとともに、試料溶液の代わりに試料
溶液と等量のトリス塩酸緩衝液を用いる他は、上記
(1)と同様にして吸光度を測定した。以下、この吸光
度を「試料無添加・酵素無添加時の吸光度」という。
てコラゲナーゼ阻害率(%)を算出した。
/(C−D)〕×100
加時の吸光度を、「B」は試料溶液添加・酵素無添加時
の吸光度を、「C」は試料無添加・酵素添加時の吸光度
を、「D」は試料無添加・酵素無添加時の吸光度を表
す。
阻害率の測定を行い、コラゲナーゼ活性を50%阻害す
る試料溶液濃度(ppm)を内挿法により求めた。試料
1〜3および5〜7についてのコラゲナーゼ活性50%
阻害濃度(ppm)を表5に示す。
は茎部からの抽出物がコラゲナーゼ阻害作用を有するこ
とが確認された。また、かかる月桃抽出物のコラゲナー
ゼ阻害作用の強さは月桃抽出物の濃度に依存して変化
し、月桃抽出物の濃度を調節することによりコラゲナー
ゼ阻害作用の強さを調節できることが確認された。
防止・改善作用)の試験 製造例1で得られた月桃葉部50%エタノール抽出物
(試料2)を配合した乳液(以下「実施例乳液」とい
う。)を常法に従って調製した。実施例乳液の組成を以
下に示す。
は実施例乳液と同じ組成からなる比較例乳液とについ
て、下記の評価試験を行った。 被験者:22〜43歳の女性多数の中から、皮溝・皮丘
が消え、広範囲の角質がめくれている(表6に示す評点
が1)、または皮溝・皮丘が不鮮明で、角質が部分的に
めくれている(表6に示す評点が2)、肌荒れと判定さ
れた20名を選抜して被験者とした。塗布試験:各被験
者に、顔の右半分には実施例乳液を、左半分には比較例
乳液を、朝夕各1回、30日間塗布させた。
後、シルフロ(FLEXICL DEVELOPMENTS LTD製)によるレ
プリカ法を用いて顔のレプリカをとり、50倍の顕微鏡
で皮紋の状態および角質剥離の状態を観察し、表6に示
す評価基準で肌の状態を判定した。判定結果を表7に示
す。
した領域は、比較例乳液を塗布した領域に比べて顕著に
肌荒れ(皮膚の老化)が改善された。
について、実施例乳液と比較例乳液とを比較した場合の
優劣を被験者全員に質問した。回答の集計結果を表8に
示す。
ても、上記判定1と同様の効果と、優れた使用感とが確
認された。判定1および2の結果より、月桃抽出物を配
合した皮膚化粧料が皮膚の老化防止・改善作用(肌荒れ
改善作用)を有するとともに、皮膚に適用した場合の使
用感と安全性に優れていることが確認された。
り製造した。 ホホバオイル 4g オリーブオイル 2g スクワラン 2g セタノール 2g モノステアリン酸グリセリル 2g ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0) 2.5g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 2g 1,3−ブチレングリコール 3g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g 香料 0.05g 月桃抽出物(製造例1の試料3) 0.1g 月桃抽出物(製造例2の試料9) 1g 精製水 残部(全量を100gとする)
より製造した。 グリセリン 3g 1,3−ブチレングリコール 3g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 0.5g パラオキシ安息香酸メチル 0.15g クエン酸 0.1g クエン酸ソーダ 0.1g 香料 0.05g 月桃抽出物(製造例1の試料1) 0.2g 月桃抽出物(製造例2の試料9) 2g 精製水 残部(全量を100gとする)
により製造した。 流動パラフィン 5g サラシミツロウ 4g セタノール 3g スクワラン 10g ラノリン 2g ステアリン酸 1g オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.0) 1.5g モノステアリン酸グリセリル 3g 1,3−ブチレングリコール 6g パラオキシ安息香酸メチル 1.5g 香料 0.1g 月桃抽出物(製造例1の試料3) 0.1g 月桃抽出物(製造例2の試料9) 1g 精製水 残部(全量を100gとする)
より製造した。 ポリビニルアルコール 15g ポリエチレングリコール 3g プロピレングリコール 7g エタノール 10g パラオキシ安息香酸エチル 0.05g 香料 0.05g 月桃抽出物(製造例2の試料9) 5g 精製水 残部(全量を100gとする)
剤状の栄養補助食品とした。 月桃抽出物(製造例1の試料2) 50重量部 粉糖(ショ糖) 188重量部 グリセリン脂肪酸エステル 12重量部
して、栄養補助食品とした。 月桃抽出物(製造例1の試料1) 34重量部 ビートオリゴ糖 1000重量部 ビタミンC 167重量部 ステビア抽出物 10重量部
エストロゲン様作用剤およびコラゲナーゼ阻害剤が提供
される。本発明のコラーゲン産生促進剤、エストロゲン
様作用剤およびコラゲナーゼ阻害剤は、皮膚の老化を防
止および/または改善するのに有用である。また、本発
明により、コラーゲン産生促進剤、エストロゲン様作用
剤またはコラゲナーゼ阻害剤が配合された皮膚化粧料が
提供される。本発明の皮膚化粧料は、コラーゲン産生促
進作用、エストロゲン様作用またはコラゲナーゼ阻害作
用を有しており、しかも皮膚に適用した場合の使用感と
安全性に優れているので、皮膚の老化を防止および/ま
たは改善するのに有用である。さらに、本発明により、
エストロゲン様作用剤が配合された飲食品が提供され
る。本発明の飲食品は、皮膚の老化を防止および/また
は改善するのに有用である。
Claims (11)
- 【請求項1】 月桃からの抽出物を有効成分として含有
することを特徴とするコラーゲン産生促進剤。 - 【請求項2】 前記抽出物が、極性溶媒を抽出溶媒に用
いて得られる月桃の葉部および/または茎部からの抽出
物であることを特徴とする請求項1記載のコラーゲン産
生促進剤。 - 【請求項3】 前記極性溶媒が、水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、
グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの混合
物であることを特徴とする請求項2記載のコラーゲン産
生促進剤。 - 【請求項4】 月桃からの抽出物を有効成分として含有
することを特徴とするエストロゲン様作用剤。 - 【請求項5】 前記抽出物が、極性溶媒を抽出溶媒に用
いて得られる月桃の葉部および/または茎部からの抽出
物であることを特徴とする請求項4記載のエストロゲン
様作用剤。 - 【請求項6】 前記極性溶媒が、水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、
グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの混合
物であることを特徴とする請求項5記載のエストロゲン
様作用剤。 - 【請求項7】 月桃からの抽出物を有効成分として含有
することを特徴とするコラゲナーゼ阻害剤。 - 【請求項8】 前記抽出物が、極性溶媒を抽出溶媒に用
いて得られる月桃の葉部および/または茎部からの抽出
物であることを特徴とする請求項7記載のコラゲナーゼ
阻害剤。 - 【請求項9】 前記極性溶媒が、水、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、1,3−ブチレングリコール、
グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの混合
物であることを特徴とする請求項8記載のコラゲナーゼ
阻害剤。 - 【請求項10】 請求項1〜3のいずれかに記載のコラ
ーゲン産生促進剤、請求項4〜6のいずれかに記載のエ
ストロゲン様作用剤、または請求項7〜9のいずれかに
記載のコラゲナーゼ阻害剤を配合してなる皮膚化粧料。 - 【請求項11】 請求項4〜6のいずれかに記載のエス
トロゲン様作用剤を配合してなる飲食品。
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