JP2001315646A - 荷物運搬用手押し二輪車の階段昇降用無端ベルトの制動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 階段昇降時に無端ベルトと階段との間の接触
抵抗が大きくなるように無端ベルトを制動する。 【解決手段】 後端に把持部２を備えた主体フレーム１
の先端に、物品載置台３を該主体フレーム１に対して立
設する。さらに、車輪６と一対のプーリ１１，１１´を
回動自在にして前記主体フレーム１に軸支し、前記プー
リ１１，１１´には階段昇降用の無端ベルト７を張架す
る。そして、周縁に受止歯１２ａ，…を列設した規制片
１２を、前記プーリと同軸にしてプーリ支軸１０に一体
的に取付ける。また、該規制片１２の前記受止歯１２ａ
を係離する係止片１３を前記主体フレーム１に設けた操
作装置に備え、該操作装置の操作レバー１７を前記主体
フレーム１の後端部に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、荷物運搬用手押し二輪
車の階段昇降用無端ベルトの制動装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】後端に把持部を備えた主体フレームの先
端に、物品載置台を該主体フレームに対して立設し、さ
らに、車輪と一対のプーリを回動自在にして前記主体フ
レームに軸支し、前記プーリには、階段昇降用の無端ベ
ルトを張架した荷物運搬用手押し二輪車は具体例を挙げ
るまでもなく公知であり、この二輪車は、主体フレーム
の先端側に転動自在に軸支した一対の車輪を利用して荷
物の運搬に通常供するが、駅などの階段を昇降するとき
は、無端ベルトを階段のへり間にわたして回動させなが
ら全荷重を把持部で受けて階段を昇降するようにしてい
る。

【０００３】従って、従来例は階段昇降時に、荷物を含
めた手押し二輪車の重量が無端ベルトに負荷されるた
め、無端ベルトは階段を降下する方向に常に回動しよう
とし、その為、階段昇降途中で昇降動作を中断したとき
（疲労などで）、手先に二輪車の前記重量が必要以上に
負荷されることになる。

【０００４】例えばこのような従来例の欠点に着目し、
無端ベルトの回動（プーリ間の移動）を規制して、前記
のような階段昇降時に無端ベルトと階段との間の接触抵
抗が大きくなるようにして二輪車の階段に沿う落下を可
及的に防止することを目的として本発明を創案したので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】後端に把持部を備えた主
体フレームの先端に、物品載置台を該主体フレームに対
して立設し、さらに、車輪と一対のプーリを回動自在に
して前記主体フレームに軸支し、前記プーリには階段昇
降用の無端ベルトを張架した荷物運搬用手押し二輪車に
おいて、周縁に受止歯を列設した規制片を、前記プーリ
と同軸にしてプーリ支軸に一体的に取付け、該規制片の
前記受止歯を係離する係止片を前記主体フレームに設け
た操作装置に備え、該操作装置の操作レバーを前記主体
フレームの後端部に設けて構成するのである。

【０００６】

【実施例】図面は本発明に係る荷物運搬用手押し二輪車
の階段昇降用無端ベルトの制動装置の一実施例を示し、
図１は正面図、図２は図１の側面図、図３は操作装置の
略示説明図、図４は階段昇降時の正面図である。

【０００７】図中、１は主体フレームで、主体フレーム
１は金属パイプを折り曲げて構成したＵ字形体の中央杆
を後端側に配して把持部２と成し、一対の側杆１ａ，１
ａの中間部に補強杆１ｃをわたして構成したもので、こ
の主体フレーム１の先端には、物品載置台３を該主体フ
レーム１に対して立設してある。

【０００８】物品載置台３は一片をフレーム側杆１ａと
直交する方向に配し、他の一片を前記側杆１ａに重ね合
わせて熔着したＬ字形に屈曲した金属平板の前記一片で
構成したもので、この物品載置台に載せた荷物ｎは該載
置台３に受支され、その重量は、概し、該載置台３と側
杆１ａに負荷される。

【０００９】図示４は、物品載置台３の前記他の一片を
介して前記側杆１ａに止着して（溶接手段によって）、
主体フレーム１の前記先端側に配した車輪枠で、該車輪
枠４，４間に車軸５を回動自在に架設し、該車軸５の両
端に車輪６を組付け、該車輪６の転動によって実施例の
荷物運搬用手押し二輪車Ａの通常路での移動が行われ
る。

【００１０】そして、実施例の二輪車Ａは階段昇降用の
無端ベルト７を備えたものであって、図示、８はこの無
端ベルト７を主体フレーム１に装置するためのベルト支
持枠で、ベルト支持枠８は、コの字形の枠体で成り、前
記金属平板の他の一片と前記側杆１ａ，１ａ間に架設し
た補強片９に両端を取付けてこれらを介して前記主体フ
レーム１に相対設したもので、このベルト支持枠８には
該支持枠８に回動自在に組付けた前後一対のプーリ支軸
１０，１０´によって前後各一対のプーリ１１，１１´
を軸支し、該前後一対のプーリ１１，１１´に階段昇降
用の前記無帯ベルト７を張架してある。

【００１１】無帯ベルト７は表面に凹凸を設けて階段と
の接触抵抗を増大させ、階段の昇降を円滑に行うように
してある。

【００１２】この無帯ベルト７を張架した後方側のプー
リ１１´のプーリ支軸１０´にはプーリ１１´と同軸に
して規制片１２を一体的に取り付け、この規制片１２に
係止片１３を適宜係止することにより、プーリ１１´の
回動すなわち無帯ベルト７の動きを規制するようにして
ある。

【００１３】規制片１２は、所謂歯車状を成し、周縁に
列設した受止歯１２ａ，…に操作装置Ｂの前記係止片１
３が係止することによりその回動は正逆（左右）いずれ
の方向にもその回動が規制される。前記操作装置Ｂは、
前記主体フレーム１に間接的に設けた前記係止片１３と
操作レバー１７及びこれら１３，１７を連結したピアノ
線１６を主要部材とする。

【００１４】係止片１３は、先細状にして先端を係止爪
１３ａとした主体部片１３Ａの後部側に連けい部片１３
Ｂを突設して構成し、主体部片１３Ａを組付枠１４の側
部片１４ａ，１４ａ間に介在させて該側部片１４ａ，１
４ａに支軸１５によって回動自在に枢着する。

【００１５】組付枠１４は、前記側部片１４ａ，１４ａ
を相対して、また、これら側部片１４ａ，１４ａ間に中
央部片１４ｃを介在させてそれぞれ基部片１４ｂに立設
して構成し、前記支持枠８，８間に架設した支持片２３
に前記基部片１４ｂにおいて止着して配設したものであ
る。

【００１６】この組付枠１４の側部片１４ａより突出す
る前記中央部片１４ｃの先端部と、側部片１４ａに組み
付けた係止片１３の前記連けい部片１３Ｂを相対向させ
て配置し、連けい部片１３Ｂに、先端を組み付けたピア
ノ線（接続線）１６の後端を中央部片１４ｃを通じて主
体フレーム１の前記把持部２近傍に回動自在に枢着した
操作レバー１７に取り付けてある。

【００１７】ピアノ線１６の先端は、前記連けい部片１
３Ｂに設けた案内孔１８に移動自在に組付けた移動子１
９の筒体部１９ａに係止して該移動子１９を介して連け
い部片１３Ｂに前記の通り取り付けたものである。

【００１８】移動子１９は、前記筒体部１９ａの、前記
連けい部片１３Ｂを介する両端に移動子１９に対して鍔
状にして第一、第二の係止部片１９ｂ，１９ｂ´を取付
けて構成したもので、前記操作レバー１７の操作によっ
てピアノ線１６を引っ張ると、筒体部１９ａが案内孔１
８に沿って移動して第一係止部片１９ｂが連けい部片１
３Ｂを押圧して係止片１３を回動させて係止爪１３ａを
受止歯１２ａより離脱させ、また、前記操作レバー１７
によるピアノ線１６の引っ張り操作を中止したとき、第
二係止部片１９ｂ´と中央部片１４ｃとの間に介在さ
せ、かつ、ピアノ線１６を導通させた復帰スプリング２
０の作用により第二係止部片１９ｂ´が連けい部片１３
Ｂを押圧して係止片１３を回動させ係止爪１３ａを受止
歯１２ａに係止するようにしてある。

【００１９】実施例の移動子１９は、筒体部１９ａを螺
子筒状（第二係止部片１９ｂ´と筒体部１９ａとが成す
ボルト体に貫通孔を設けてある）と成し、これに第一係
止部片１９ｂを螺合し、第一係止部片１９ｂを筒体部１
９ａに沿う適所に移動させ、該第一係止部片１９ｂと連
けい部片１３Ｂとの離開時（すなわち、係止爪１３ａが
受止歯１２ａに係止している時）の離開距離（幅）を調
節できるようにしてある。

【００２０】前記操作レバー１７は、前記主体フレーム
１の把持部２近傍に取り付けた支枠２１に先端側の中間
部を回動自在に枢着し、先端部にピアノ線１６の後端
（一端）を取り付けてある。

【００２１】なお、把持部２の近傍に操作レバー１７を
配してあるのは、操作レバー１７の操作を円滑に行うた
めで把持部２それ自体に操作レバー１７を取り付けるよ
うにしても良く、要は、把持部２を手にした状態で操作
レバー１７を操作できる位置に配してあれば良い。

【００２２】しかして、通常路を移動中においては車輪
６が転動して物品載置台３に載せた積荷の運搬が円滑に
行われ、このとき、復帰スプリング２０の作用により第
二係止部片１９ｂ´が連けい部片１３Ｂを押圧し、該連
けい部片１３Ｂを構成材とする係止片１３の係止爪１３
ａは受止歯１２，１２間に係合して係止片１３に圧接
し、係止片１３が回動しようとしても係止爪１３ａが受
止歯１２に係止して該回動を規制する。

【００２３】そして、階段昇降時に、操作レバー１７を
支軸を中心に回動させてピアノ線１６を引っ張ると、第
二係止部片１９ｂ´が復帰スプリング２０を押圧して組
付枠１４の中央部片１４ｃ方向に移動し、これと同時に
第一係止部片１９ｂも前記中央部片１４ｃ方向に移動し
て係止片１３の連けい部片１３Ｂを押圧し、この結果、
係止片１３は支軸１５を中心に回動し、該回動に伴って
係止爪１３ａは受止歯１２ａより外れ、規制片１２すな
わちプーリ１１，１１´はその回動規制が開放され、無
帯ベルト７は自由に回動（移動）できることになり、階
段昇降を無端ベルト７の該回動によって円滑に行うこと
ができる。

【００２４】そして、必要に応じて操作レバー１７から
手を離すと、第二係止部片１９ｂ´による復帰スプリン
グ２０の押圧状態が解放されるため、復帰スプリング２
０の押圧によって第二係止部片１９ｂ´は原位置方向に
移動して係止片１３の連けい部片１３Ｂを押圧し、この
結果、係止片１３は支軸１５を中心に移動し、係止爪１
３ａは再び受止歯１２ａに係止し、この係止によってプ
ーリ支軸１０´すなわちプーリ１１，１１´の回動が規
制され、無帯ベルト７はその回動を規制され停止状態に
おかれるのである。

【００２５】

【発明の効果】本発明は前記の通りの構成であるから、
荷物運搬用手押し二輪車の階段昇降用無端ベルトの制動
を簡単な構造で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】正面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】操作装置の略示説明図。

【図４】階段昇降時の正面図。

【符号の説明】

１ 主体フレーム ２ 把持部 ３ 物品載置台 ６ 車輪 ７ 無端ベルト １１，１１´ プーリ １２ 規制片 １２ａ 受止歯 １３ 係止片 １７ 操作レバー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後端に把持部を備えた主体フレームの先
   端に、物品載置台を該主体フレームに対して立設し、さ
   らに、車輪と一対のプーリを回動自在にして前記主体フ
   レームに軸支し、前記プーリには階段昇降用の無端ベル
   トを張架した荷物運搬用手押し二輪車において、周縁に
   受止歯を列設した規制片を、前記プーリと同軸にしてプ
   ーリ支軸に一体的に取付け、該規制片の前記受止歯を係
   離する係止片を前記主体フレームに設けた操作装置に備
   え、該操作装置の操作レバーを前記主体フレームの後端
   部に設けた、荷物運搬用手押し二輪車の階段昇降用無端
   ベルトの制動装置。