JP2001314764A - 触媒およびその製造方法 - Google Patents

触媒およびその製造方法

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JP2001314764A JP2000198199A JP2000198199A JP2001314764A JP 2001314764 A JP2001314764 A JP 2001314764A JP 2000198199 A JP2000198199 A JP 2000198199A JP 2000198199 A JP2000198199 A JP 2000198199A JP 2001314764 A JP2001314764 A JP 2001314764A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 担体表面にアルミナ薄膜を形成した触媒に関
し、それの圧力損失、耐熱性、耐洗浄性ならびに再生特
性に優れた触媒およびその製造方法を提案すること。 【解決手段】 けい素含有セラミック担体中の各粒子毎
の表面が、セリアの如き希土類酸化物含有アルミナ薄膜
にて被覆され、その薄膜表面に触媒活性成分を担持した
触媒であって、例えば、(a) 上記けい素含有セラミック
担体を、1000℃〜1500℃の温度に加熱してけい化物の酸
化膜を形成し、(b) アルミニウム含有金属化合物の溶液
中に浸漬し、(c) 加熱乾燥し、(d) 300 〜500 ℃以上の
温度に加熱焼成してアモルファスアルミナ薄膜を形成
し、100 ℃の熱水中に浸漬処理して乾燥し、(f) さらに
500〜1200℃にて本焼成し、そして担体表面のアルミナ
薄膜上に活性成分を担持する、ことによって製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス浄化用触
媒とその製造方法に関し、詳しくは、ディーゼルエンジ
ンの排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(H
C)を酸化除去、ならびに窒素酸化物(NOx) の還元除去を
効率よく行うことができる他、圧力損失が小さくかつデ
ィーゼルパティキュレートの捕集効率が高く、そして再
生率の良好な触媒について提案する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の排気ガス浄化用触媒、例
えば、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する触媒
(フィルタ) としては、図1(a),(b) に示すような排気
ガス通路となる各セル101 を、耐熱性および熱伝導性に
優れた多孔質炭化けい素焼結体にてハニカム状に形成
し、かつそれらのセル101 を交互に目封じしたハニカム
形フイルタ100 が用いられている。そして、このハニカ
ム形フイルタ100 をディーゼルエンジンの排気側に接続
し、このフィルタ内に堆積したPM (粒子状物質) やH
C, CO等を酸化分解する形式の触媒としたものが普通
である。
【0003】このような触媒としては、例えばコージェ
ライトなどをハニカム状に成形した耐熱性担体の濾過壁
(セル壁)102 の表面に、γ−アルミナからなる担持層
を形成し、さらにその担持層にPt, Pd, Rhなどの貴金属
からなる触媒活性成分を担持させたものがよく知られて
いる。
【0004】このような触媒に用いられる担体として
は、特開平5−68892号公報では、γ−アルミナに
無機質バインダを添加して混合, 粉砕して得た微粉末を
スラリーとし、このスラリーをコーディエライト製ハニ
カム担体の壁面に均一に吹き付けて被覆する、いわゆる
ウォッシュコートしてアルミナ層103 を形成したものが
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術、即ちウ
ォッシュコートされた前記アルミナ層103 ( ウォッシュ
コートアルミナ層) は、図2(a) に示すように、濾過壁
102 の壁面を均一に覆う薄膜で形造られ、図2(b) に示
した部分拡大図のような細孔構造を持っている。このよ
うな細孔構造における孔径は20〜500 オングストローム
が主体であり、通常、50〜300m/g の比表面積を示す
のが普通である。また、このようなアルミナ層103 は、
表面に貴金属等の触媒活性成分を分散支持するための触
媒担持層となることから、比表面積が大きくなければな
らないし、ある程度の厚み (50〜100μm 程度) も必要
である。
【0006】しかしながら、ウォッシュコートしたアル
ミナ層103 というのは、気孔径、気孔率が小さく、通気
する際の抵抗が大きいため、アルミナ層をもたない担体
に比べると、著しく圧力損失が増加するという問題があ
った。
【0007】さらに、ウォッシュコートしたアルミナ層
103 は、単に、濾過壁102 である担体表面に万遍なくコ
ートされているだけなので、密着性が悪く、排気ガスを
浄化する際に堆積する灰分 (アッシュ) を洗浄する際に
剥離するおそれがあった。また、前述したように、該ウ
ォッシュコートアルミナ層103 は細孔構造ではあるが、
孔径が20〜500 オングストロームと小さく、高温に長時
間さらされると焼結が進行し、α相に相転移して表面積
が小さくなるため耐熱性に劣るという問題もあった。さ
らには、表面積が小さいことから、アルミナ層103 上に
担持した触媒活性成分 (貴金属) の粒子間距離が小さく
なり、そのために焼結が進行した場合には比表面積がま
すます小さくなり、触媒作用そのものの低下を招くとい
う問題があった。
【0008】以上の説明から明らかなように、触媒の重
要な特性の1つとして、活性成分の担持層表面, とくに
その担体を覆うアルミナ担持層を、長時間にわたって安
定状態に維持することが重要である。そこで、本発明の
目的は、担体表面に形成するアルミナ薄膜の構造を改良
することにより、気孔径や気孔率が大きく、圧力損失が
小さくてディーゼルパティキュレート捕集効率が大きい
触媒およびそれの有利な製造方法を提案することにあ
る。本発明の他の目的は、触媒活性成分の担持特性 (固
定化特性) に優れ、かつ耐熱性と再生特性および洗浄耐
性に優れた触媒およびその製造方法を提案することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題解決の手段とし
て、本発明は基本的に、けい素含有セラミック担体と、
その表面に触媒活性成分を分散担持してなる触媒におい
て、そのけい素含有セラミック担体は、この担体を形造
る各粒子単位毎にその表面が希土類酸化物を含有するア
ルミナの薄膜にて被覆されたものであり、その希土類酸
化物含有アルミナ薄膜の凹凸表面に前記触媒活性成分が
担持された触媒を用いることが有利である。
【0010】前記けい素含有セラミック担体は、炭化け
い素、窒化けい素の如き非酸化物系セラミックス、また
はサイアロン, ムライト, コーディエライトの如き酸化
物系セラミックスを含むけい化物の担体にて構成したも
のが好ましい。
【0011】前記けい素含有セラミック担体は、多孔質
体、ファイバー成形体あるいはペレット成形体のいずれ
かであることを特徴とし、好ましくはハニカム状多孔質
炭化けい素焼結体にて形成され、とくに表面にSiO
を有し、かつ担体中に占めるそのSiO量が0.001 〜20m
ass%であるものを用いることが好ましい実施の形態で
ある。
【0012】また、本発明において、セラミック担体中
の各粒子表面を覆う前記アルミナ薄膜は、セリア (CeO
) やランタナ (LaO)等の希土類酸化物をその表面
および/または内部に含有しており、ミクロ断面形状
が、直径:2〜50nm、長さ:20〜300nm で、全長/直径
の比が5〜100 の形状を有する小繊維が林立した植毛構
造を呈し、比表面積が50〜300m/g であること、そし
て、このアルミナ薄膜は、担体に対し、アルミナ量で0.
1 〜15mass%の割合であることが好ましい実施形態であ
る。
【0013】また、本発明において、担体を覆う前記希
土類酸化物を含有するアルミナ薄膜は、担体に対してア
ルミナ量で換算して0.1 〜15mass%の割合で被覆されて
おり、アルミナ薄膜中に含まれる希土類酸化物はそのア
ルミナに対して10〜80mass%の含有量であることが好ま
しい実施形態である。
【0014】また、本発明において、前記希土類酸化物
は、少なくともそれの一部がジルコニウムとの複合酸化
物を形成しているものであることが好ましい実施形態で
ある。
【0015】そして、本発明において、希土類酸化物と
ジルコニウムとの複合酸化物の粒子径は、1〜30nm
の大きさであることが好ましい実施形態である。
【0016】次に、本発明にかかる前記触媒は、けい素
含有セラミック担体を構成する各粒子の表面に、下記の
(a) 〜(e) 工程を経て希土類酸化物含有アルミナ薄膜を
形成し、次いでその希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹
凸表面に、貴金属などの触媒活性成分を担持させること
によって製造することができる。 (a) 溶液含浸工程:上記担体を希土類酸化物およびアル
ミニウムを含有する金属化合物の溶液中に浸漬する。 (b) 乾燥工程:上記担体を加熱乾燥する。 (c) 仮焼成工程:上記担体を300 〜500 ℃以上の温度に
加熱焼成することにより、希土類酸化物を含有するアモ
ルファスアルミナ薄膜を形成する。 (d) 熱処理工程:上記担体を100 ℃の熱水中に浸漬処理
したのち乾燥する。 (e) 本焼成工程:500 〜1200℃にて本焼成する。
【0017】また、本発明にかかる担体の他の製造方法
は、けい素含有セラミック担体を構成する各粒子の表面
に、下記の(a) 〜(f) 工程を経て希土類酸化物含有アル
ミナ薄膜を形成し、次いでその希土類酸化物含有アルミ
ナ薄膜の凹凸表面に、貴金属などの触媒活性成分を担持
させることによって製造することができる。 (a) 予備処理工程:上記けい化物セラミック担体を1000
℃〜1500℃の温度に加熱してけい化物の酸化膜を形成す
る。 (b) 溶液含浸工程:上記担体をアルミニウムおよび希土
類酸化物を含有する金属化合物の溶液中に浸漬する。 (c) 乾燥工程:上記担体を加熱乾燥する。 (d) 仮焼成工程:上記担体を300 〜500 ℃以上の温度に
加熱焼成することにより、希土類酸化物を含有するアモ
ルファスアルミナ薄膜を形成する。 (e) 熱処理工程:上記担体を100 ℃の熱水中に浸漬処理
したのち乾燥する。 (f) 本焼成工程:500 〜1200℃にて本焼成する。
【0018】なお、上記各製造方法において、けい素含
有セラミック担体の成分組成、構造、特性については、
上述したとおりのものであり、また、各セラミック粒子
表面を覆う希土類酸化物含有アルミナ薄膜も、上述した
ものと同一である。さらに、希土類酸化物は、少なくと
もその一部または全部がジルコニウムとの複合酸化物を
形成したものであり、その粒子径は1〜30nmの大き
さのものが用いられることも、上述したとおりのもので
ある。
【0019】上記触媒活性成分としては、Pt, Rh, Pd,
Ce, Cu, V, Fe, Tu, Ag のうちから選ばれるいずれか少
なくとも1種の金属, 合金, その化合物が用いられる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明にかかる触媒は、担体をけ
い素含有セラミック, 例えば炭化けい素を好適例とする
多孔質なけい素含有セラミック焼結体(以下、単に「多
孔質SiC 焼結体」という。もちろん、これに限られるも
のではない)にて濾過壁2を形造り、その濾過壁2の表
面、とくに各SiC 粒子表面のそれぞれに、触媒担持層と
なるアルミナ薄膜3を所定の厚みで個別に被覆し、そし
て、このアルミナ薄膜3上にPtやPdなどの触媒活性成分
(以下、単に「活性成分」という) を担持させたもので
ある。
【0021】本発明にかかる触媒に用いられる前記けい
素含有セラミック担体としては、炭化けい素粉末の他、
窒化けい素、粉末のような酸化物系セラミックス、また
はサイアロンやムライト、コーディエライトなどのよう
な酸化物系に属するセラミックス粉末に、有機バイン
ダ、潤滑剤、可塑剤および水を配合して混練し、押出し
成形したのち焼結したものを用いることができる。この
ようにして、図1に示すような、ウォールフローハニカ
ム型フィルタが形成される。以下、けい素含有セラミッ
ク担体として、SiC焼結体を用いた例について説明す
る。
【0022】上記担体(フィルタ)1は、複数の貫通孔
(セル) がその軸線方向に沿って規則的に形成された断
面略正方形状をなすSiC 焼結体で構成されている。前記
セルは、濾過壁2 (以下、“セル壁”ともいう) によっ
て互いに隔てられており、各セルの開口部は一方の端面
側においては封止体104 により封止されており、該当す
るセルの他方の端面は開放され、全体としては各端面と
も解放部と封止部とがそれぞれ市松模様状を呈するよう
に配置されている。そして、該SiC 焼結体からなる担体
(フィルタ)1には、断面四角形状をした多数のセル10
1 が形成されている。言い換えると、これらのフィルタ
はハニカム構造を備えている。なお、前記セル101 の密
度は200 〜350 個/平方インチである。即ち、多数ある
セル101 のうち、約半数のものは上流側端面において開
口し、残りのものは下流側端面において開口しており、
各セル101 を隔てるセル壁2の厚さは0.4mm 前後に設定
されている。
【0023】このように、SiC 焼結体からなる担体1
は、図3(a) に示すような多孔質のセル壁2によって仕
切られた構造を有するものであって、その多孔質セル壁
2の気孔は、水銀圧入法によって測定された気孔径の平
均値が5μm 〜15μm の範囲内にあり、その気孔径を常
用対数で表した場合の気孔径分布における標準偏差の値
が0.20以下であるものが好適である。セル壁2がこの程
度の気孔径を有すると微細なパティキュレートの捕集に
も好適である。即ち、セル壁2の平均気孔径を上記範囲
内に設定することで、ディーゼルパティキュレートを確
実に捕集することができる。一方、このセル壁2の気孔
径の平均値が5μm 未満だと、内壁を排気ガスが通過す
る際の圧力損失が極端に大きくなり、エンジンの停止を
引き起こしかねない。また、気孔径の平均値が15μm を
超えると、微細なパティキュレートを効率よく捕集する
ことができなくなる。
【0024】このような担体1の製造は、例えば、原料
として、10μm 程度の平均粒子径を有する炭化けい素粉
末70重量部に、0.5 μm 程度の平均粒子径を有する炭化
けい素粉末約30重量部、バインダーとしてのメチルセル
ロースをセラミック粉末100重量部に対して約6重量
部、その他、有機溶媒および水からなる分散媒液をセラ
ミック粉末100 重量部に対して約25重量部を配合したも
のを原料とする。次いで、この配合原料を混練したのち
押し出し成形によってハニカム状に成形してから、前記
セル101 の一部を市松模様状に封止する。次いで、その
成形体を乾燥脱脂した後、不活性雰囲気下にて2200℃、
4時間にわたって焼成をすることにより、所望のセラミ
ック担体とする。
【0025】本発明において最も特徴的な構成は、上記
セラミック担体1を実質的に構成してなるセル壁2の表
面、とくに該セル壁2を構成する各粒子の表面を希土類
酸化物含有アルミナ薄膜で被覆することにある。このこ
とをもっと正確に言うと、該セル壁2を構成しているSi
C 焼結体の各粒子を対象として、それぞれの粒子表面を
個別に、各種の方法によって希土類酸化物含有アルミナ
の薄膜にて被覆したことにある。なお、図2(b) は、前
記セル壁102 表面に一様に、ウォッシュコート法によっ
てアルミナ層103 を被覆形成した従来技術を示したもの
であるが、図3(b),(c)は、本発明で用いている担体の
説明図であって、セル壁2を構成する各SiC 粒子4・・
・のそれぞれの表面に、希土類酸化物含有アルミナ薄膜
3 (以下、この「希土類酸化物含有アルミナ薄膜」を、
単に「アルミナ薄膜」と略記する) が個別に被覆された
状態のものを示している。
【0026】このように、本発明にかかる触媒において
特徴的な構成である担持膜 (アルミナ薄膜) は、従来の
ように、単に排気ガスの濾過壁である前記セル壁2の壁
面をアルミナ層103 で一様に被覆したものではない。た
とえば、従来のように、壁面を一様に被覆すると、粒子
間の間隙が封塞され、目封じされて通気性を阻害するこ
とになる。これに対し、本発明で用いる担体の場合、セ
ル壁2を構成している各SiC 粒子4の表面を、個別にア
ルミナ薄膜3にて被覆した構造にしてある。従って、本
発明については、セル壁2自体の気孔, 即ち各粒子間に
生じた間隙を完全に塞ぐようなことなく、気孔は気孔と
してそのまま維持されることになるから、従来のアルミ
ナ層103 に比べると圧力損失が著しく小さい。しかも、
耐熱性にも優れ、さらにはアルミナ薄膜3が各SiC 粒子
自体を個別に被覆しているので、例えば、洗浄に当たっ
て該薄膜がセル壁から剥落するようなことがなく、耐洗
浄性に優れたものになる。そこで以下に、本発明にかか
る触媒に用いられる担持膜としてのアルミナ薄膜の圧力
損失特性, 耐熱性, 耐洗浄性ならびに再生特性について
説明する。
【0027】アルミナ薄膜の圧力損失特性について;一
般に、濾過壁である前記セル壁を排ガスが通過するとき
の圧力損失特性は、次のように考えられる。即ち、前記
担体 (フィルタ) をディーゼル排気ガスが通過するとき
の圧力損失は、図4のように示すことができる。この場
合、抵抗ΔP1、ΔP2、ΔP3はそれぞれフィルタの
セル構造に依存するものであって、ディーゼルパティキ
ュレートの堆積など時間経過によらない一定の値Δpi
=(ΔP1+ΔP2+ΔP3)であり、初期圧力損失と
いう。また、ΔP4は堆積したディーゼルパティキュレ
ートを通過するときの抵抗であり、初期圧力損失の2〜
3倍以上の値となる。
【0028】14/200 のセル構造をもつ担体の表面積
は、8.931cm/cmであり、この担体の密度は0.675g/c
mであるので、セル壁表面積は0.0013m/gとなる。一
方、セル壁内の細孔表面積は、水銀ポロシメーターの測
定によると0.12m/gであり、約100倍の表面積をもつ。
このことは、同じ重量のアルミナをセル壁表面に被覆し
て薄膜を形成する場合、単にセル壁の表面を一様に覆う
ように被覆するよりも、このセル壁を構成している各粒
子の表面を個別に被覆した方が、同じ効果を得るための
アルミナの厚みを1/100 にすることができる。即ち、
ウォッシュコートのような従来技術の下でアルミナ薄膜
を一様に形成する場合、触媒の活性に必要な3mass%程
度のアルミナを被覆するには、アルミナ層の厚みは50μ
m が必要である。このときの圧力損失は、セル壁内を通
過する抵抗ΔP3に加え、アルミナ層を通過する抵抗が
増加する。さらに、開口が小さくなりΔP1も大きくな
る。そのため、アルミナコートをしていないフィルタに
比較して圧力損失が著しく大きくなり、その傾向は、フ
ィルタにパティキュレートが堆積した場合に、より一層
顕著になる。この点、本発明において用いる担体のよう
に、セル壁を構成するSiC 各粒子の表面にアルミナをコ
ートする場合、触媒の活性化に必要な3mass%程度のア
ルミナコート層にするには、その厚みは最大でも0.5 μ
m 程度である。このときの圧力損失の増加は、抵抗ΔP
3をわずかに増加させるが、その他の圧力損失は実質的
に無視できる程度であり、従来のウォッシュコートアル
ミナ層に比べると、圧力損失特性は飛躍的に向上する。
【0029】このアルミナ薄膜の耐熱性について;一般
に、アルミナは高い比表面積を有し、触媒担持膜として
好適である。とくに、より高温で安定に作動する耐熱性
の高い触媒の開発が望まれている現在、それに伴って、
アルミナ担持膜についても、より高い耐熱性が要求され
ている。この点について本発明においては、アルミナの
耐熱性を向上させるべく、各アルミナ粒子の形状を小
繊維状にすると共に、セリア等の希土類酸化物を含有
させることにした。とくに、前者の構成を採用するこ
とにより、各アルミナ粒子間の接点を減らすことがで
き、焼結速度の低下を通じて粒成長を抑制し、もって比
表面積を大きくすることができ、ひいては耐熱性が向上
する。即ち、本発明においては、担体の各粒子表面を覆
うアルミナ薄膜は、ミクロ断面形状が各アルミナ粒子が
小繊維状か林立した植毛構造を呈しており、それ故に隣
接するアルミナ小繊維の互いの接触点が減少するため
に、著しく耐熱性が向上するのである。
【0030】次に、について、セリア等の添加によっ
ても耐熱性は改善される。その理由は、アルミナを構成
する結晶粒子の表面に新しく化合物を形成し、アルミナ
粒子どうしの成長を妨げる効果によるものである。
【0031】なお、本発明の場合、SiC やこのSiC のご
く表層に存在するSiOから、熱処理時にSiが供給さ
れ、物質移動経路を遮断する作用を担うことからも耐熱
性が向上する。発明者らの研究によれば、故意にSiC を
高温で処理して酸化膜を形成させると、耐熱性がさらに
向上することがわかっている。
【0032】アルミナ薄膜の耐洗浄性について;セル壁
表面に堆積したパティキュレートの主体はカーボンであ
り、これは、燃焼などの方法により酸化除去できる。と
ころが燃焼後も灰分として残る物質がある。これは、エ
ンジンオイル中に中和剤あるいは、潤滑剤などの役割を
持たすために添加してあるCa, Mg, Znなどの化合物が酸
化されたり、硫酸塩になったりしたものと、あらかじ
め、燃料中にCeOやCuO などのカーボン燃焼のために
混入してある触媒がパティキュレートと一緒に堆積した
ものとがある。これらの灰分は、車両の長時間走行に伴
って堆積していき、フィルターの圧力損失を増加させて
いくので、高圧水などによる洗浄が必要である。このと
き30Kg/cm以上の圧力で洗浄すると灰分が完全に除去
できる。
【0033】この点に関し、セル壁表面にウォッシュコ
ートによって形成した従来のアルミナ均一膜の場合、セ
ル壁表面全体に物理吸着による厚いコート層があるた
め、上記洗浄時に剥離することが多い。これに対し、本
発明において用いる上記担持膜 (アルミナ薄膜) では、
アルミナがSiC 担体を構成する各粒子の表面に薄く個別
に被覆されており、しかも、担体を構成しているSiC か
らはSiが供給されて化学的にも結合していることから、
粒子個々と硬く密着した状態となっている。従って、密
着性が高く、それ故に洗浄に対する抵抗も高く、被膜と
しての耐久性が強力である。
【0034】アルミナ薄膜の再生特性について;本発明
においては、上記アルミナ薄膜は、その中にセリア (Ce
O) やランタナ (LaO)の如き希土類酸化物を、Al
Oに対して10〜80mass%程度、好ましくは20〜40mas
s%程度添加して、薄膜の表面や内部にこれらの酸化物
を均一分散させたものである。アルミナ薄膜中にセリア
等を添加すると (好ましくはPt等の触媒活性成分と共に
添加することの方が望ましい) 、セリアのもつ酸素濃度
調節作用により、排ガス中への酸素の供給を活発にし
て、フィルタに付着した“すす (ディーゼルパティキュ
レート) ”の燃焼除去効率が向上し、ひいては触媒担体
の再生率が著しく向上することになる。
【0035】即ち、セリア等の希土類酸化物は、アルミ
ナの耐熱性を向上させるだけではなく、触媒表面での酸
素濃度を調節する役割も果たす。一般に、排ガス中に存
在する炭化水素や一酸化炭素は酸化反応により、またN
は、還元反応により除去されるが、排ガス組成は燃
料のリッチ域とリーン域との間で絶えず変動しているた
め、触媒表面の作用雰囲気も激しく変動することにな
る。ところで、触媒に添加されるセリアは、Ce3+とCe
4+の酸化還元電位が比較的小さく、下記式; 2CeO ⇔ CeO+1/2O の反応が可逆的に進行する。即ち、排ガスがリッチ域に
なると上記の反応は右に進行して雰囲気中に酸素を供給
するが、逆にリーン域になると左に進行して雰囲気中の
余剰酸素を吸蔵する。このようにして、雰囲気中の酸素
濃度を調節することにより、該セリアは、炭化水素や一
酸化炭素あるいはNOを効率よく除去できる空燃比の
幅を広げる作用を担う。
【0036】図12は、セリア (CeO) を添加してい
ないAlO薄膜 (a) と、セリアを添加した場合のAl
O薄膜 (b) とをそれぞれ担持膜とする触媒につい
て、それぞれの酸化速度のメカニズムを説明するもので
ある。図に示すように、CeOが存在しない触媒 (a)
は、排ガス中の酸素を活性化することにより、すす
(煤) を酸化させる。この反応は、流体中の酸素を活性
化させなければならないために効率が悪い。一方、CeO
が存在する触媒 (b) については、次のような反応; CeO ⇔ CeO2−x+x/2O によって、酸素が供給される。つまり、雰囲気中に吐き
出された酸素および排ガス中の酸素は、触媒 (貴金属)
によって活性化されてすす (カーボン) と反応し、CO
となる (CeO2−xは、酸化して元のCeOに戻る) 。ま
た、CeOとすすは、直接接触するために、吐き出され
る酸素量は少量であっても、この煤を効率よく酸化でき
るのである。しかも、この場合のCeOは、触媒 (貴金
属) を担持することによりOSC (酸素貯蔵機能) を増
大させる。というのは、触媒 (貴金属) は、排ガス中の
酸素を活性化し、貴金属近傍のCeO表面の酸素も活性
化すため、前記OSCが増大するのである。
【0037】また、図13, 図14は、アルミナ薄膜中
へのセリア等希土類酸化物の添加効果について、Pt/Ce
O/針状AlO触媒 (発明例) 、Pt/針状AlO
(比較例)およびPt/AlO (ウォッシュコート) 触媒
の再生特性に関して実験した結果を示すものである。こ
の実験は、すす (媒) が付着したディーゼルパティキュ
レートフィルタ (DPF,全長=150mm)を電気炉中に収
容して 650℃に加熱する一方、1100rpm , 3.9 Nmのディ
ーゼルエンジンを接続し、その排ガス(350℃) を該フィ
ルターに導入したときのフィルタ温度 (導入口より 145
mmの位置での測温)の推移 (図13) 、および再生 (燃焼)
速度 (上昇温度ΔTと経過時間Δtの比、図14) を調
べたものである。図13に示すように、従来例 (ウォッ
シュコートアルミナ) はOが律速となって 50sec−70
0 ℃でピーク温度を迎え、そして比較例 (セリアなし)
でもOが律速になって、 80sec−800 ℃でピーク温度
を迎えるが、本発明例では 45sec−900 ℃という速い速
度で高いピーク温度を迎えており、すすの酸化除去効率
が高く、高い再生率を示していることがわかる。このこ
とはまた、図14の再生 (燃焼) 速度の差としても明白
に現れている。また、図15は、再生率そのものを比較
したものであるが、本発明例 (セリア含有触媒) の効果
が際立っていることが明らかである。
【0038】なお、上記希土類酸化物については、上述
した例にある単独酸化物 (CeO)の他に、例えば、希土
類元素とジルコニウムとの複合酸化物を用いることがよ
り好ましい。それは、希土類酸化物中にジルコニウム酸
化物を含有していることで、該希土類酸化物の粒成長の
抑制を通じて酸素濃度の制御特性が向上するからである
と考えられる。
【0039】ジルコニウムとの複合酸化物の形態をとる
前記希土類酸化物は、その粒子径が1〜30nm程度にする
ことが好ましく、より好ましくは2〜20nmの大きさが好
適である。その理由は、粒子径が1nm未満の複合酸化物
は製造上困難である。一方、粒子径が30nm超になると、
粒子がシンタリングしやすくなり、粒子表面積が小さく
なり、ひいては排気ガスとの接触面積が小さくなって、
活性が弱まるという問題が残るからである。しかも、排
気ガス通過時の圧力損失も大きくなるという問題も懸念
される。
【0040】アルミナ薄膜の構造について;図5は、各
SiC 粒子表面にアルミナ薄膜を被覆した担体 (本発明)
の電子顕微鏡写真 (×10K)、 (×30K)と、セル壁表面に
アルミナの膜を均一に被覆した担体(従来技術) の電子
顕微鏡写真 (×10K)、 (×30K)とを比較したものである
が、本発明担体の場合、各SiC 粒子表面に針状 (小繊維
状) のアルミナが林立して、あたかも図3(c) に示すよ
うな植毛構造を呈していることが明らかに見てとれる。
【0041】本発明の触媒において求められているかか
るアルミナ薄膜の構造、即ち、各SiC 等の各粒子の表面
を被覆することによって形成されたアルミナ薄膜の結晶
構造は、γ−AlO、δ−AlO、θ−AlOの少
なくとも1つが含まれ、アルミナ薄膜を構成する小繊維
突起状アルミナの直径は、2〜50nmであり、長さが20〜
300nm で全長/直径の比が5〜50の形状を有するもので
ある。そして、このような構造からなる薄膜の厚みは0.
5 μm 以下で、アルミナ基準のアルミナの比表面積は、
50〜300m/g であることが好ましい。ここで言うアル
ミナ薄膜の厚みとは、SiC 粒子表面から小繊維突起状の
アルミナのSiC 粒子表面からの最遠部までの距離の平均
である。なお、アルミナの直径は5〜20 nm がより望ま
しく、全長/直径の比は10〜30がより望ましい。
【0042】上記小繊維突起状アルミナ薄膜の特性を上
記のように限定する理由は、小繊維突起状アルミナの長
さは20nmよりも小さいと必要な比表面積を確保すること
がむずかしくなり、一方、300 nmよりも大きいと構造的
にもろくなるからである。また、直径については、これ
が2nmより小さいと貴金属などの触媒の大きさと同等以
下となり、担持層として機能しなくなり、一方、50nmよ
り大きくなると望ましい大きさの比表面積の確保が難し
くなるからである。また、全長/直径の比については、
この比が5より小さいと必要な比表面積を確保すること
が難しく、一方、50より大きくなると構造的にもろくな
り、洗浄作業などにより小繊維状突起が折れる場合が生
じるからである。
【0043】また、アルミナ薄膜の比表面積について、
上記のように限定する理由は、50m /gより小さいと小
繊維突起状アルミナのシンタリングが過剰に進むため耐
久性が劣る。一方、比表面積が300m/g より大きくな
ると小繊維突起状アルミナが微細になりすぎることを意
味し、いわゆる担持層として機能しなくなるか、構造的
にもろくなる。なお、好ましい比表面積は50〜200 m/
gの範囲である。
【0044】次に、上記のようなセラミック担体におい
て、担持膜となるアルミナ薄膜の量は、アルミナ比率で
0.1 〜15mass%が好ましい。この理由は、0.1 mass%よ
り小さいと耐熱性向上効果が小さく、一方15mass%より
大きいと圧力損失が増大し、フィルタ機能が低下するか
らである。より好ましくは1〜4mass%である。
【0045】次に、このセラミック担体において、この
担体が、例えば多孔質炭化けい素 (SiC ) の場合、けい
素の含有量は0.01〜10mass%とすることが好ましい。こ
の理由は、けい素の含有量が0.01mass%より小さいとSi
供給能力が不足して耐熱性向上効果が少なく、一方、け
い素の含有量が10mass%より多いと、ハニカムフィルタ
の強度が低下するからである。このけい素の含有量は、
他のけい素含有セラミックスについても同様の理由で0.
01〜10mass%とすることが好ましく、より好ましくは0.
01〜5 mass%、さらに好ましくは0.01〜2 mass%であ
る。
【0046】上記のSiC 粒子の各々の表面がアルミナ薄
膜にてそれぞれ個別に被覆され、あたかも担体表面がア
ルミナ薄膜 (担持膜) にて完全に被覆されているかの如
き様相を呈する上記セラミック担体に対し、活性成分で
あるPt, Rh, Pd, Ce, Cu, V,Fe, Au, Ag などを担持さ
せて触媒とする。これらの活性成分のアルミナ担持膜へ
の担持には、種々の方法が考えられるが、本発明に有利
に適合する方法としては、含浸法, 例えば蒸発乾固法、
平衡吸着法、インシピアント・ウェットネス法あるいは
スプレー法が適用できる。なかでもインシピアント・ウ
ェットネス法が有利である。この方法は、所定量の活性
成分を含む水溶液を担体に向けて少しずつ滴下し、担体
表面が均一にわずかに濡れはじめた状態 (インシピアン
ト:Incipient)となった時点で、活性成分の担体細孔中
への含浸を停止させ、その後、乾燥、焼成して担持する
方法である。即ち、担体表面にビュレットや注射器を用
いて活性成分含有溶液を滴下することによって行う。担
持量は、その溶液の濃度を調節することによって行う。
【0047】なお、触媒活性成分として有用な上記貴金
属成分は、Pt/Rh系、Pt/Rh/Pd系などの二元系, 三元
系合金が用いられ、これらは上述したように助触媒とし
て作用する (セリアやランタナの如き希土類酸化物とと
もに用いた方が有利であり、こうした触媒は被毒劣化
(鉛被毒, 燐被毒, 硫黄被毒) が少なく、かつ熱劣化も
小さいので耐久性に優れる。
【0048】次に、本発明にかかる触媒担体の製造方法
について説明する。本発明にかかる触媒の製造方法の特
徴は、上記けい素含有セラミック担体の凹凸表面に、ゾ
ル−ゲル法によって希土類酸化物を含有するアルミナ薄
膜を形成すること、特に溶液の浸漬によるセル壁を形造
るSiC 等の各セラミック粒子各々の表面に対し、希土類
酸化物含有アルミナ薄膜をそれぞれ個別に被覆し、そし
て仮焼成の後に、熱水処理工程を経ることにより、前記
アルミナ薄膜のミクロ断面構造をセリア等が分散してい
るアルミナの小繊維を林立させたような植毛構造を呈す
るアルミナ薄膜 (担持膜) に変化させ、次いで、そのア
ルミナ担持膜の表面に所定量の活性成分を吸着させて固
定化 (担持) させる点にある。以下に各工程 ((1) 担体
の形成、(2) 活性成分の担持) について詳しく説明す
る。
【0049】(1) けい素含有セラミック担体へのアルミ
ナ薄膜の被覆 a.予備処理工程 この工程は、SiC 等のけい素含有セラミック粒子各々の
表面に、アルミナとの化学的な結合を助成するためのSi
量を提供すべく、800 〜1600℃に5〜100 時間加熱して
酸化する処理である。もちろん、上記セラミック粒子の
表面に十分な酸化膜があれば、この工程は省略が可能で
ある。例えば、SiC 焼結体はそもそも、0.8 mass%程度
のSiOを含んでいる。これらは、SiC の表面や粒界に
存在しており、そのSiが供給されることが容易に推測さ
れる。さらに、耐熱性を向上させるべく、SiOを増加
する意味もあり、この場合、酸化雰囲気で800 〜1600℃
で5〜100 時間、加熱することが望ましい。これは、80
0 ℃未満だと、酸化反応が起こり難く、一方1600℃を越
えると酸化反応が進みすぎて、フィルタの強度低下を招
くからである。推奨条件は1000〜1500℃、5〜20hrであ
る。それは、この条件であれば、Siを供給するのに十分
なSiOを表面に形成することができ、かつ、フィルタ
の気孔率、気孔径を殆ど変化させないので、圧力損失特
性を損なうことがないからである。
【0050】b.溶液含浸工程 この工程は、セル壁を構成する各セラミック粒子の表面
にそれぞれ、アルミニウムと希土類元素とを含有する金
属化合物の溶液、たとえば、硝酸アルミニウムと硝酸セ
リウムとの混合水溶液などを用いてゾル−ゲル法により
含浸させることにより、希土類酸化物含有アルミナ薄膜
を被覆するための処理である。
【0051】上記混合水溶液のうち、アルミニウム含有
化合物の溶液については、出発金属化合物としては、金
属無機化合物と金属有機化合物とがある。金属無機化合
物としては、Al(NO)、AlCl、AlOCl 、AlPO、Al
(SO)、AlO、Al(OH)、Alなどが用いられ
る。なかでも特に、Al(NO)やAlClは、アルコー
ル、水などの溶媒に溶解しやすく扱い易いので好適であ
る。金属有機化合物の例としては、金属アルコキシド、
金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレートがあ
る。具体例としてはAl(OCH)、Al(OCH)、Al(i
so-OCH)などがある。
【0052】一方、上記混合水溶液のうち、セリウム含
有化合物の溶液については、Ce(NO ), CeCl, Ce
(SO), CeO, Ce(OH), Ce(CO)などが用い
られる。
【0053】上記混合溶液の溶媒としては、水、アルコ
ール、ジオール、多価アルコール、エチレングリコー
ル、エチレンオキシド、トリエタノールアミン、キシレ
ンなどから上記の金属化合物の溶解を考慮し少なくとも
1つ以上を混合して使う。また、溶液を作成するときの
触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸を加え
ることもある。さらに、アルミナ薄膜の耐熱性を向上さ
せるために、希土類酸化物の他に、Li, K,Ca, Sr, B
a, La, Pr, Nd, Si, Zrの単体および化合物を、出発原
料に添加してもよい。
【0054】本発明において、好ましい金属化合物の例
としては、Al(NO)およびCe(NO )をあげることが
できるが、これらは比較的低温で溶媒に溶解し、原料溶
液の作製が容易である。また、好ましい溶媒の例として
は、1,3ブタンジオールを推奨する。推奨の第一の理
由は、粘度が適当であり、ゲル状態でSiC 粒子上に適当
な厚みのゲル膜をつけることが可能だからである。第2
の理由は、この溶媒は、溶液中で金属アルコキシドを形
成するので酸素・金属・酸素の結合からなる金属酸化物
重合体、すなわち金属酸化物ゲルの前駆体を形成しやす
いからである。
【0055】かかるAl(NO)の量は、10〜50mass%で
あることが望ましい。10mass%未満だと触媒の活性を長
時間維持するだけの表面積をもつアルミナ量を担持する
ことができず、一方、50mass%より多いと溶解時に発熱
量が多くゲル化しやすくなるからである。また、Ce(NO
)の量は1〜30mass%であることが好ましい。その
理由は、1mass%未満だとすす酸化を促進することがで
きず、30mass%より多いと焼成後CeOの粒成長が起こ
るからである。一方、Al(NO)とCe(NO)との配合
割合は、10:2とすることが好ましい。その理由は、Al
(NO)をリッチにすることにより、焼成後のCeO
子の分散度を向上できるからである。
【0056】上記金属化合物の含浸溶液を作製するとき
の温度は、50〜130 ℃が望ましい。50℃未満だと溶質の
溶解度が低いからであり、一方130 ℃より高いと反応が
急激に進行しゲル化に至るため、塗布溶液として使用で
きないからである。撹拌時間は1〜9時間が望ましい。
この理由は、前記範囲内では溶液の粘度が安定している
からである。
【0057】上記のセリウム含有金属化合物 (Al(NO)
およびCe(NO)) については、上述した例の他、ジ
ルコニウムとの複合酸化物または固溶体を生成させるた
めに、ジルコニウム源として、例えばZrO(NO)やZrO
を用い、これらを水やエチレングリコールに溶解して
混合溶液とし、その混合溶液に含浸させた後、乾燥,焼
成することにより、前記複合酸化物を得るようにするこ
とが好ましい。
【0058】本発明において重要なことは、上記のよう
にして調整した金属化合物の溶液を、セル壁内の各セラ
ミック粒子間の間隙である総ての気孔内に行き渡らせて
侵入させることである。そのために、例えば、容器内に
触媒担体(フィルタ)を入れて前記金属化合物溶液を満
たして脱気する方法や、フィルタの一方から該溶液を流
し込み、他方より脱気する方法等を採用することが好ま
しい。この場合、脱気する装置としては、アスピレータ
の他に真空ポンプ等を用いるとよい。このような装置を
用いると、セル壁内の気孔中の空気を抜くことができ、
ひいては各セラミック粒子の表面に上記金属化合物の溶
液をまんべんなく行き渡らせることができる。
【0059】c.乾燥工程 この工程は、NOなどの揮発成分を蒸発除去し、溶液を
ゲル化してセラミック粒子表面に固定すると同時に、余
分の溶液を除去する処理であって、120 〜170℃×2hr
程度の加熱を行う。それは、加熱温度が120 ℃よりも低
いと揮発成分が蒸発し難く、一方170 ℃よりも高いとゲ
ル化した膜厚が不均一になる。
【0060】d.仮焼成工程 この工程は、残留成分を除去して、アモルファスのアル
ミナ薄膜を形成するための仮焼成の処理であり、300 〜
500 ℃の温度に加熱することが望ましい。仮焼成の温度
が300 ℃より低いと残留有機物を除去し難く、一方500
℃より高いとAl Oが結晶化し、その後の熱水処理に
より、小繊維突起状のベーマイトが形成できなくなるか
らである。
【0061】e.熱水処理工程 この工程では、上述した本発明に特有のアルミナ薄膜の
構造を形造るため、仮焼成した触媒担体を熱水中へ浸漬
する処理を行う。このような熱水処理を行うと、その直
後にアモルファスアルミナ薄膜表面の粒子が解膠作用を
受けてゾル状態で溶液中に放出され、また水和によって
生じたベーマイト粒子が小繊維状突起となって凝縮し、
解膠に対して安定な状態をつくる。即ち、この熱水処理
により、各セラミック粒子の表面に個別に付着した希土
類酸化物含有アルミナは、小繊維状 (針状粒子) となっ
て林立し、いわゆる植毛構造を呈して粗い表面となる。
それ故に高い比表面積の薄膜が形成される。一般に、ア
ルミナの焼結は主に表面拡散で進行し、α−アルミナに
相転移するときに急激に比表面積が減少する。しかし、
前記アルミナ粒子にシリカが取り込まれているため、こ
のシリカが熱処理過程においてアルミナの空孔サイトを
埋め、あるいは針状粒子表面に移動して表面拡散や粒子
間の焼結を抑制すると考えられる。したがって、担体の
焼結初期には、針状粒子間の接触点からの焼結による粘
性流動機構が支配的であるが、後期ではシリカが針状粒
子間の物質移動経路を遮断するためにα−アルミナへの
転移が阻害され、それ以上の焼結が進行せずに高い比表
面積を維持するものと考えられる。
【0062】上記熱水処理の温度は50〜100 ℃が望まし
い。50℃より低いとアモルファスアルミナ薄膜の水和が
進行せず、小繊維突起状のベーマイトを形成しないから
である。一方、100 ℃より高いと水が蒸発し、工程を長
時間維持しがたい。処理時間については1時間以上が望
ましい。1時間より短いとアモルファスアルミナの水和
が不十分になるからである。
【0063】d.本焼成工程 この工程では、水和によって生じたベイマイトを膜水さ
せてアルミナ結晶とするための処理を行う。好ましい本
焼成の温度は500 〜1000℃で、5〜20hrの処理を行う。
この温度が500 ℃より低いと結晶化が進まないからであ
り、一方、1000℃よりも高いと、焼結が進行しすぎて、
表面積が低下する傾向にあるからである。
【0064】(2) 活性成分の担持 a.溶液調整工程 SiCセラミック担体 (フィルタ) の表面に、図3(c) に
示すような植毛構造を有する希土類酸化物含有アルミナ
薄膜 (担持膜) を被覆し、そのアルミナ薄膜の凹凸状表
面に対しにPtなどの活性成分を担持する。この場合、活
性成分の担持量は、Pt等を含む水溶液を担体の吸水量だ
け滴下して含浸させ、表面がわずかに濡れ始める状態に
なるようにして決定する。例えば、SiCセラミック担体
が保持する吸水量というのは、乾燥担体の吸水量測定値
を22.46 mass%とし、この担体の質量が110 g、容積が
0.163 l を有するものであれば、この担体は24.7 g/lの
水を吸水する。ここで、Ptの出発物質としては、例えば
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液 ( [Pt(NH)(NO)
]HNO、Pt濃度 4.53 mass%) を使用する。所定の
量 1.7g/l のPtを担持させるためには、担体に1.7(g/l)
0.163(l)=0.272 g のPtを担持すれば良いので、蒸留
水によりジニトロジアンミン白金硝酸溶液 (Pt濃度 4.5
3 %)を希釈する。即ち、ジニトロジアンミン白金硝酸
溶液 (Pt濃度 4.53 mass%) /蒸留水の重量比率X
(%)は、X=0.272(Pt量g)/24.7 (含水量g)/4.53
(Pt濃度mass%) で計算され、24.8mass%となる。
【0065】b.液含浸工程 上記のようにして調整した所定量のジニトロジアンミン
白金硝酸水溶液を、上記担体の両端面にピペットにて定
間隔に滴下する。例えば、片面に40〜80滴づつ定間隔に
滴下し、SiC担体を覆うアルミナ担持膜表面にPtを均一
に分散固定化させる。
【0066】c.乾燥、焼成工程 水溶液の滴下が終わった担体は、110 ℃、2時間程度の
処理にて乾燥して水分を除去したのち、デシケータの中
に移し1時間放置し、電子天秤などを用いて付着量を測
定する。次いで、N雰囲気中で、約500 ℃−1時間程
度の条件の下で焼成を行いPtの金属化を図る。
【0067】本発明にかかる触媒は、排気ガス浄化用フ
ィルタとしての用途に用いられ、その1つの用途は、素
通しハニカム担体の例として、ガソリンエンジン用酸化
触媒、三元触媒およびディーゼルエンジン用酸化触媒で
あり、他の1つの用途は、ハニカムを市松模様に交互に
目封じしたディーゼルパティキュレートフィルタがあ
る。このディーゼルパティキュレートフィルタ (以下、
単に「DPF」と略記する) は、それ自体ではパティキ
ュレート (浮遊粒状物質:PM)を濾過壁 (セル壁102)
で捕集する機能しか持たないが、これに触媒活性成分を
担持することにより、排気ガス中の炭化水素、一酸化炭
素を酸化することができる。また、ディーゼル排ガスの
ような酸化雰囲気においてもNOを還元できるNO
選択還元型触媒成分や吸蔵型触媒成分を担持すればNO
の還元も可能である。なお、このDPF中に捕集され
る前記PMは、堆積とともに上記DPFの圧力損失の増
加を招くため、通常は燃焼処理などにより除去して再生
する必要がある。通常のディーゼル排ガス中に含まれる
PMの主成分であるすす (炭素) の燃焼が開始される温
度は約550 〜630 ℃である。この点、触媒活性成分をD
PFに担持すると、そのすすの燃焼反応パスが変わり、
エネルギー障壁を低くすることができ、ひいては燃焼温
度を 300〜400 ℃と大幅に低下させることができ、再生
に要するエネルギーを削減でき、いわゆる上述したセリ
アの作用とも相俟って、再生効率の高いDPFシステム
を構築できるようになる。
【0068】以上説明したように、本発明にかかる触媒
は、とくにディーゼル排ガス処理システムに応用するこ
とが好ましいと言えるが、それぞれの次のような機能が
期待できる。 A.ディーゼル排ガス用酸化触媒としての機能 排気ガス浄化機能・・・THC、CO酸化 エンジンの運転を妨げない機能・・・圧力損失 B.触媒付きディーゼルパティキュレートフィルタとし
ての機能 排気ガス浄化機能・・・すすの燃焼温度、THC,
CO酸化 エンジンの運転を妨げない機能・・・圧力損失
【0069】
【実施例】実施例1 この実施例は、担体表面に被覆形成したセリア含有アル
ミナ薄膜についての作用・効果を確認するために行った
ものである。表1に示す条件の下に製造した触媒担体
(本発明実施例1−1,1−2、比較例1)を、ディー
ゼル車の排ガス浄化装置におけるパティキュレートフィ
ルタ (DFP) に取付けて浄化試験を行った。この試験
によって該フィルタの圧力損失特性、耐熱性、洗浄耐性
について調査した。その調査結果を同表の中に示すと共
に図6、図7および図8に示した。
【0070】
【表1】
【0071】a. 図6に示すように、パティーキュレー
ト(浮遊粒子状物質:PM)が蓄積する前では本発明実施
例1-1 は、アルミナ薄膜がないときとほとんど同じ圧力
損失特性を示し、蓄積後も比較例1に比べると、同じガ
スを流通させたときの圧力損失は著しく小さいことがわ
かった。 b. また図7に示すように、比較例1に比べると、本発
明実施例1-1, 1-2は、同じ温度で熱処理したときのアル
ミナ比表面積の低下が小さく、耐熱性に優れていること
がわかった。 c. また、洗浄耐性については、表1に示すように、本
発明実施例1-1, 1-2は、比較例1よりも格段に優れるこ
とが判明した。 d. また、図15は、再生率 (再生フィルタから除去さ
れたC量/再生前のフィルタに付着していたC量) を示
すものであるが、セリアを含有するアルミナ薄膜の場
合、45%ものカーボンが除去されているのに対し、ウ
ォッシュコートアルミナ均一膜の場合、僅か20%に止
まった。
【0072】実施例2 この実施例は、ディーゼルパティキュレートフィルタ
(DPF)に、活性成分として白金 (Pt) をセラミック
担体に担持させたときの諸特性について試験した結果を
示すものである。実施の条件および特性については表2
に示す。その結果をまた、図8、図9、図10に示し
た。なお、この実施例は、担体の粒子表面にアルミナ担
持膜 (8g/l) を有するものであり、参考例は、担体表面
にいかなる担持膜もないもの、比較例は、担体表面にウ
ォッシュコートアルミナ均一膜を形成したものである。
【0073】
【表2】
【0074】 圧力損失特性;図8に示すように、実
施例、参考例、比較例とを比較すると、本発明に適合す
る実施例は担持膜をもたない参考例の場合とほぼ同じ圧
力損失特性を示し、比較例に比べると格段に効果が認め
られる。
【0075】 耐熱性;図9(a),(b) に示すように、
実施例と比較例とについて、1200℃に加熱したときのア
ルミナ薄膜の比表面積の推移と、900 ℃に加熱したとき
の平衡温度の推移を比較すると、本発明に適合する実施
例の効果が顕著であることがわかる。
【0076】 すす燃焼特性;触媒のすすを燃焼させ
る性能を平衡温度試験法によって評価した。この試験方
法は次のような試験である。即ち、試験装置にディーゼ
ルエンジンを設置し、その排気管の途中に触媒 (DP
F)を挿入設置し、この状態で運転を開始する。する
と、運転時間とともにDPFにはすすが捕集されるため
圧力損失が増大する。この場合に、何らかの方法により
排気温度を上昇させていくと、ある温度において、すす
が堆積する速度とすすの酸化反応速度が平衡する点 (平
衡温度) が現れると共に、このときの圧力 (平衡圧力)
が測定できる。この平衡温度、平衡圧力共に低いほど優
れた触媒であると言える。なお、この試験において、排
気ガス温度を上昇させる方法としては、ディーゼルエン
ジンとDPFの間に電気ヒーターを挿入して行った。こ
の方法では、エンジン回転数、負荷を一定にできるの
で、ディーゼル排ガスの組成が試験中に変化せず、平衡
温度、平衡圧力が精度よく求められるという特長があ
る。試験条件は、ディーゼルエンジン排気量273cc 、回
転数1250 RPM、負荷3Nmで定常運転を実施し、供試した
フィルタの堆積は□34×150 mmL で0.16 Literである。
【0077】上記試験の結果を図10に示す。図10
中、触媒を担持しない担体の例を参考例とした。図より
わかるように、排気ガスの温度上昇とともにフィルタ温
度は上昇していくが、500 ℃程度で平衡点が見られる。
本発明に適合する実施例と比較例とを比較すると、平衡
温度は、それぞれ 400℃、410 ℃でわずかな優位差であ
ったが、そのときの平衡圧力は11KPa 、9.2KPaと20%近
く向上している。また、850 ℃−20hrの酸化雰囲気中で
のエージングを実施した後、同様の試験を実施したとこ
ろ、本発明実施例はほとんど平衡温度、圧力が劣化しな
かったのに対し、比較例では触媒を担持していないとき
と同じ状態にまで劣化していた。
【0078】 THC,CO浄化率;この特性は、酸
化触媒を評価する場合の一般的方法である。いわゆるT
HC(全炭化水素) のCOと水への浄化およびCOの
COへの浄化の温度との関係を調査したものである。
この特性は、低温より転換率が高くなる方が優れた触媒
システムと言える。測定方法としては、エンジンとフィ
ルタを用い、フィルタ前後のTHCおよびCOの量を排
ガス分析計にて測定し、温度に対する浄化率を測定する
ことにより行った。図11に示すように、本発明実施例
は比較例に対してCO、THCのいずれの浄化温度も約
30℃低下しており優れた性能を示す。これは、本発明実
施例は壁内の粒子に均一に触媒が分散されているため、
ウオッシュコートを通過する時間に対して、壁内を通過
する時間は明らかに長く、それだけPtの活性点にCO,
THCが吸着する機会が増したためと考えられる。
【0079】 再生率;DPFは、排ガス中のすすを
濾過する。そのため、DPF内にはすすが堆積する。そ
の堆積したすすを除去する行為を再生と呼ぶ。そこで、
再生したすす重量と堆積したすす重量との比を百分率で
表し、これを再生率と定義する。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディーゼルパティキュレートの捕集効率が大きいと共
に、一方で圧力損失が小さく、かつ耐熱性に優れる他、
洗浄耐性や再生特性にも優れる排ガス浄化用触媒の提供
と、その有利な製造技術の確立を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的な触媒担体の略線図である。
【図2】従来のウォッシュコートアルミナ層の概念図で
ある。
【図3】本発明のアルミナ薄膜の概念図である。
【図4】圧力損失特性の説明図である。
【図5】触媒担体の粒子構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図6】実施例1における圧力損失特性の比較説明図で
ある。
【図7】実施例1における耐熱性の比較説明図である。
【図8】実施例2における圧力損失特性の比較説明図で
ある。
【図9】実施例2におけアルミナ薄膜と触媒の耐熱性の
比較説明図である。
【図10】実施例2におけるすす燃焼特性の比較説明図
である。
【図11】実施例2におけるTHC、CO浄化特性の比
較説明図である。
【図12】CeO添加による酸化速度向上のメカニズム
を説明する模式図である。
【図13】DPFの再生特性に影響するすすの酸化特性
の比較グラフである。
【図14】DPFの再生特性に影響する再生 (燃焼) 速
度の比較グラフである。
【図15】DPFの再生率の比較グラフである。
【符号の説明】
1 触媒担体 2 セル壁 3 アルミナ薄膜 4 SiC 粒子 101 セル 102 セル壁 103 アルミナ層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/10 F01N 3/28 301P 3/28 301 B01D 53/36 104A 104B (72)発明者 田岡 紀之 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社内 (72)発明者 角田 範義 愛知県豊橋市北山町字東浦2−1 高師住 宅4−302 (72)発明者 長谷川 章 青森県八戸市大字田面木字上野平16−1 上野平宿舎404号 Fターム(参考) 3G090 AA02 3G091 GB06W GB10X GB17X 4D048 AA06 AA13 AA18 AB01 AB02 AB05 BA03X BA03Y BA06X BA06Y BA08X BA08Y BA10X BA10Y BA18Y BA19X BA41X BA41Y BA42X BA42Y BB03 BB04 BB08 BB17 4G069 AA01 AA03 AA08 BA01A BA01B BA02A BA02B BA05A BA05B BA13A BA13B BB06A BB06B BB11A BB15A BC38A BD04A BD05A BD05B CA03 CA07 CA08 CA09 CA18 EA03X EA08 EB01 EB18X EB18Y EC02X EC03X EC03Y FB16 FB23 FB30

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けい素含有セラミック担体の表面に触媒
    活性成分を分散担持してなる触媒において、そのセラミ
    ック担体は、この担体を形造る各粒子単位毎にその表面
    が希土類酸化物を含有するアルミナの薄膜にて被覆され
    たものであり、その希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹
    凸表面に前記触媒活性成分が担持されていることを特徴
    とする触媒。
  2. 【請求項2】 前記けい素含有セラミック担体が、炭化
    けい素、窒化けい素の如き非酸化物系セラミックス、ま
    たはサイアロン, ムライト, コーディエライトの如き酸
    化物系セラミックスを含む、多孔質体、ファイバー成形
    体あるいはペレット成形体のいずれかで構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の触媒。
  3. 【請求項3】 前記けい素含有セラミック担体は、この
    担体を形造る各粒子の表面にはSiO層を有し、かつ担
    体中に占めるそのSiO量が0.001 〜20mass%であるこ
    とを特徴とする請求項1または2項に記載の触媒。
  4. 【請求項4】 けい素含有セラミック担体中の各粒子表
    面を覆う前記希土類酸化物含有アルミナ薄膜は、ミクロ
    断面形状が、直径:2〜50nm、長さ:20〜300nm で、全
    長/直径の比が5〜100 の形状を有する小繊維が林立し
    た植毛構造からなる凹凸表面を有し、その表面の比表面
    積が50〜300m/g であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. 【請求項5】 担体を覆う前記希土類酸化物を含有する
    アルミナ薄膜は、担体に対してアルミナ量で換算して0.
    1 〜15mass%の割合で被覆されており、アルミナ薄膜中
    に含まれる希土類酸化物の量はそのアルミナに対して10
    〜80mass%の含有量であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の触媒。
  6. 【請求項6】 前記希土類酸化物は、少なくともそれの
    一部がジルコニウムとの複合酸化物を形成しているもの
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の触媒。
  7. 【請求項7】 希土類酸化物とジルコニウムとの複合酸
    化物の粒子径は、1〜30nmの大きさであることを特
    徴とする請求項6に記載の触媒。
  8. 【請求項8】 けい素含有セラミック担体を構成する各
    粒子の表面に、下記(a) 〜(e) 工程; (a) 溶液含浸工程:上記担体をアルミニウムおよび希土
    類酸化物を含有する金属化合物の溶液中に浸漬する、 (b) 乾燥工程:上記担体を加熱乾燥する、 (c) 仮焼成工程:上記担体を300 〜500 ℃以上の温度に
    加熱焼成することにより、アモルファスアルミナ薄膜を
    形成する、 (d) 熱処理工程:上記担体を100 ℃の熱水中に浸漬処理
    したのち乾燥する。 (e) 本焼成工程:500 〜1200℃にて本焼成する、工程を
    経て希土類酸化物含有アルミナ薄膜を形成し、次いでそ
    の希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹凸表面に、触媒活
    性成分を分散担持させることを特徴とする触媒の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 けい素含有セラミック担体を構成する各
    粒子の表面に、下記(a) 〜(f) 工程; (a) 予備処理工程:上記けい素含有セラミック担体を10
    00℃〜1500℃の温度に加熱してけい化物の酸化膜を形成
    する、 (b) 溶液含浸工程:上記担体をアルミニウムおよび希土
    類酸化物を含有する金属化合物の溶液中に浸漬する、 (c) 乾燥工程:上記担体を加熱乾燥する、 (d) 仮焼成工程:上記担体を300 〜500 ℃以上の温度に
    加熱焼成することにより、アモルファスアルミナ薄膜を
    形成する、 (e) 熱処理工程:上記担体を100 ℃の熱水中に浸漬処理
    したのち乾燥する、 (f) 本焼成工程:500 〜1200℃にて本焼成する、工程を
    経て希土類酸化物含有アルミナ薄膜を形成し、次いでそ
    の希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹凸表面に、触媒活
    性成分を分散担持させてなることを特徴とする触媒の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記けい素含有セラミック担体は、炭
    化けい素、窒化けい素の如き非酸化物系セラミックス、
    またはサイアロン, ムライト, コーディエライトの如き
    酸化物系セラミックスを含む、多孔質体、ファイバー成
    形体あるいはペレット成形体のいずれかで構成されてい
    ることを特徴とする請求項8または9に記載の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記けい素含有セラミック担体は、こ
    の担体を形造る各粒子の表面にはSiO層を有し、かつ
    担体中に占めるそのSiO量が0.001 〜20mass%である
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 担体を覆う前記希土類酸化物を含有す
    るアルミナ薄膜は、担体に対してアルミナ量で換算して
    0.1 〜15mass%の割合で被覆されており、アルミナ薄膜
    中に含まれる希土類酸化物の量はそのアルミナに対して
    10〜80mass%の含有量であることを特徴とする請求項8
    〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記希土類酸化物は、少なくともそれ
    の一部がジルコニウムとの複合酸化物を形成しているも
    のであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 希土類酸化物とジルコニウムとの複合
    酸化物の粒子径は、1〜30nmの大きさであることを
    特徴とする請求項13に記載の製造方法。
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