JP2001308635A - 無線通信装置 - Google Patents

無線通信装置

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JP2001308635A
JP2001308635A JP2000118589A JP2000118589A JP2001308635A JP 2001308635 A JP2001308635 A JP 2001308635A JP 2000118589 A JP2000118589 A JP 2000118589A JP 2000118589 A JP2000118589 A JP 2000118589A JP 2001308635 A JP2001308635 A JP 2001308635A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、複数のアンテナ素子5及び6のいず
れかが何らかの影響を受けた場合でもアンテナ全体の特
性劣化を防止して良好な無線通信環境を維持できるよう
にする。 【解決手段】本発明は、複数のアンテナ素子5及び6の
いずれかが近傍物質の影響を受けたとき、当該影響を受
けたアンテナ素子6の入力インピーダンスZ2を所定電
気長の同軸ケーブル52によって無限大にして、アンテ
ナ部全体の入力インピーダンスZと無線回路部の特性イ
ンピーダンスZMとを近接した状態にすることにより、
アンテナ部全体を動作させることができると共に、近傍
物質の影響を受けた一方のアンテナ素子6がアンテナと
して動作しなくなったときでも、当該近傍物質の影響を
受けた一方のアンテナ素子6に供給する電力分を分岐導
体9を介して他方のアンテナ素子5に振り分けることが
でき、かくしてアンテナ部全体の特性劣化を防止して効
率良く電波を放射することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線通信装置に関
し、例えば複数のアンテナ素子が配列して構成されたア
レイアンテナを搭載する携帯無線機に適用して好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、図11に示すように携帯無線機1
においては、筐体2の正面側に液晶ディスプレイでなる
表示部3及び複数の操作ボタン群4が設けられると共
に、当該筐体2内部の正面側下部に板状逆Fアンテナで
なる第1のアンテナ素子5、背面側上部に板状逆Fアン
テナでなる第2のアンテナ素子6がアレイアンテナとし
て配設されている。
【0003】また携帯無線機1の筐体2内部には、図1
2に示すように上述の第1のアンテナ素子5及び第2の
アンテナ素子6で構成されたアレイアンテナを有する無
線通信装置20が設けられている。
【0004】この無線通信装置20においては、第1の
アンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6が給電線7及
び8を介して分岐導体9と接続され、当該分岐導体9か
らデュプレクサ10を介して無線回路部11の送信回路
12及び受信回路13と接続されている。
【0005】因みに無線通信装置20は、第1のアンテ
ナ素子5及び第2のアンテナ素子6と無線回路部11の
送信回路12や受信回路13とのインピーダンスが整合
していない場合、インピーダンスマッチングのための整
合回路(図示せず)を第1のアンテナ素子5及び第2の
アンテナ素子6にそれぞれ接続するようになされてい
る。
【0006】実際上、無線通信装置20は送信時、デュ
プレクサ10の切換操作により送信回路12と分岐導体
9とを接続することにより、当該送信回路12から供給
された送信信号の電力を分岐導体9によって振り分けた
後、第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6を
介して送信するようになされている。
【0007】また無線通信装置20は、受信時、デュプ
レクサ10の切換操作により受信回路13と分岐導体9
とを接続することにより、第1のアンテナ素子5及び第
2のアンテナ素子6を介してそれぞれ受信した受信信号
を分岐導体9を介して合成した後、受信回路13に供給
するようになされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
無線通信装置20においては、第1のアンテナ素子5又
は第2のアンテナ素子6のいずれもが近傍物質の影響を
受けていない場合、例えば第1のアンテナ素子5の入力
インピーダンスZ1及び第2のアンテナ素子6の入力イ
ンピーダンスZ2がそれぞれ100[Ω] であれば、アレイ
アンテナ全体の入力インピーダンスZは次式
【0009】
【数3】
【0010】に従って理論上50 [Ω] と算出される。
【0011】そして無線通信装置20は、このとき無線
回路部11のインピーダンスZMが50 [Ω] であれ
ば、アレイアンテナ全体の入力インピーダンスZと無線
回路部11のインピーダンスZMとが完全に一致するの
で、当該無線回路部11から第1のアンテナ素子5及び
第2のアンテナ素子6に供給した電力の反射がなく、最
も効率良く電波を放射し得るようになされている。
【0012】すなわちに無線通信装置20は、アレイア
ンテナ全体の入力インピーダンスZと無線回路部11の
インピーダンスZMとが近接する程に反射係数が小さく
なって電波を効率良く放射し得、アレイアンテナ全体の
入力インピーダンスZと無線回路部11のインピーダン
スZMとが離れる程に反射係数が大きくなって電波を放
射し得なくなる。
【0013】実際上、無線通信装置20においては、第
1のアンテナ素子5又は第2のアンテナ素子6のいずれ
もが近傍物質の影響を受けていない場合(例えば第2の
アンテナ素子6だけで考えたとき)、使用周波数 1.75
[GHz]〜2.25[GHz] の範囲における第2のアンテナ素子
6の入力インピーダンスZ2の軌跡は図13に示すよう
なスミスチャートで表される。
【0014】この場合、無線通信装置20は▽マークの
M1で示された実際の使用周波数 2.04[GHz]における第
2のアンテナ素子6の入力インピーダンスZ2が中心近
くの50 [Ω] 近傍の値を示すことになる。
【0015】このとき、アレイアンテナ全体の入力イン
ピーダンスZは、無線回路部11のインピーダンスZM
の値(50 [Ω] )とほぼ等しくなることにより、反射
係数が中心近くの「0」に近い値で電力の反射が殆ど無
くほぼ正常にアンテナとして動作する。
【0016】これに対して無線通信装置20において
は、例えば第2のアンテナ素子6がユーザの手に覆われ
て影響を受けると、第2のアンテナ素子6の入力インピ
ーダンスZ2がほぼ0 [Ω] に近くなってしまう。
【0017】ここで、板状逆Fアンテナでなる第2のア
ンテナ素子6は、図14(A)に示すように、グランド
地板21と、当該グランド地板21に対してほぼ平行に
配設され周囲長(2L1+2L2)が波長λの1/2に
形成された放射導体22とが短絡板23を介して短絡さ
れると共に、当該放射導体22上の所定位置に給電線8
を介して給電するように構成されている。
【0018】なお第1のアンテナ素子5については、第
2のアンテナ素子6と同様の構成であるため、ここでは
説明を省略する。
【0019】このような第2のアンテナ素子6は、図1
4(B)に示すように等価回路的には、放射導体22及
びグランド地板21間の実効静電容量Ca、放射導体2
2を表す実効抵抗Ra及び実効インダクタンスLaの直
列回路と、短絡板23を表すインダクタンスLpとで表
され、例えばユーザの手で当該第2のアンテナ素子6が
覆われると、空気よりも人体の方が誘電率が高いので実
効静電容量Caの値が大きくなることにより、当該第2
のアンテナ素子6の入力インピーダンスZ2が0 [Ω]
に近づくことになる。
【0020】この場合、(3)式に従ってアレイアンテ
ナ全体の入力インピーダンスZを算出してみると、第2
のアンテナ素子6の入力インピーダンスZ2が0 [Ω]
になるとアレイアンテナ全体の入力インピーダンスZは
0 [Ω] になる。
【0021】実際上、無線通信装置20は、第2のアン
テナ素子6がユーザの手に覆われて影響を受けた場合、
図15のスミスチャートに示すように、▽マークのM1
で示された実際の使用周波数 2.04[GHz]における第2の
アンテナ素子6の入力インピーダンスZ2が中心から最
も離れた最外周付近の0 [Ω] 近傍の値を示す。
【0022】その結果、無線通信装置20はアレイアン
テナ全体の入力インピーダンスZが無線回路部11のイ
ンピーダンスZM(50 [Ω] )から大きく離れること
により、反射係数が「1」に近い値となって電力が殆ど
全反射する状態になり、アンテナとして正常に動作しな
くなる。
【0023】このように無線通信装置20は、第1のア
ンテナ素子5又は第2のアンテナ素子6のいずれかが近
傍物質の影響を受けた場合には、アレイアンテナ全体の
入力インピーダンスZが悪化して良好な無線通信環境を
維持し得ないという問題があった。
【0024】また図12との対応部分に同一符号を付し
て示す図16に示すように、無線通信装置30は無線通
信装置20(図12)の分岐導体9に代えてウィルキン
ソン分配器等で構成される等分配器構成の電力分配器3
1を用いた場合、当該電力分配器9によって無線回路部
11の送信回路12から供給される電力を50%ずつ均
等に振り分けた後、第1のアンテナ素子5及び第2のア
ンテナ素子6を介して送信するようになされている。
【0025】しかしながら無線通信装置30において
は、等分配器でなる電力分配器31を用いたことによ
り、単なる分岐導体9を用いた無線通信装置20と比較
して回路規模が大きくなるという問題があった。
【0026】また無線通信装置30においては、例えば
第2のアンテナ素子6が何らかの近傍物質の影響を受け
たことによりアンテナ特性が劣化してアンテナとして正
常に動作し得なくなった場合、電力分配器31が常に電
力を均等に等分配してしまうことにより、正常に動作し
得なくなった第2のアンテナ素子6に供給する電力分を
第1のアンテナ素子5に振り分けることができず、アレ
イアンテナ全体の電力の半分を無駄に損失して良好な無
線通信環境を維持し得ないという問題があった。
【0027】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、複数のアンテナ素子のいずれかが何らかの影響を受
けた場合でもアンテナ全体の特性劣化を防止して良好な
無線通信環境を維持し得る小型の無線通信装置を提案し
ようとするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、同一周波数帯で動作する複数のア
ンテナ素子によって構成されたアンテナ部と、複数のア
ンテナ素子と接続された分岐導体と、当該分岐導体を介
して複数のアンテナ素子に給電する無線回路部と、複数
のアンテナ素子と上記分岐導体との間にそれぞれ設けら
れ、上記複数のアンテナ素子のいずれかが近傍物質の影
響を受けたとき、上記アンテナ部全体の入力インピーダ
ンスを上記無線回路部のインピーダンスに近づけるよう
に上記影響を受けたアンテナ素子に対する給電位相を移
相する所定電気長の移相手段とを設けるようにする。
【0029】複数のアンテナ素子のいずれかが近傍物質
の影響を受けたとき、当該影響を受けたアンテナ素子の
入力インピーダンスを所定電気長の移相手段によって無
限大にして、アンテナ部全体の入力インピーダンスと無
線回路部のインピーダンスとを近接した状態にすること
により、アンテナ部全体を動作させることができると共
に、近傍物質の影響を受けた一方のアンテナ素子がアン
テナとして動作しなくなったときでも、当該近傍物質の
影響を受けた一方のアンテナ素子に供給する電力分を分
岐導体を介して他方のアンテナ素子に振り分けることが
でき、かくしてアンテナ部全体の特性劣化を防止して効
率良く電波を放射することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施の形態を詳述する。
【0031】(1)原理 従来の無線通信装置20(図12)においては、例えば
第1のアンテナ素子5の入力インピーダンスZ1及び第
2のアンテナ素子6の入力インピーダンスZ2がそれぞ
れ100[Ω] で、ユーザの手で第2のアンテナ素子6が覆
われたときに、当該第2のアンテナ素子6の入力インピ
ーダンスZ2がほぼ0 [Ω] 近くになると、アレイアン
テナ全体の入力インピーダンスZが無線回路部11のイ
ンピーダンスZM(50 [Ω] )から大きく離れて反射
係数が「1」に近い値になることにより、電力が殆ど全
反射してしまってアンテナとして動作しなくなる。
【0032】このことから本発明の無線通信装置におい
ては、例えばユーザの手で第2のアンテナ素子が覆われ
たときでも、当該第2のアンテナ素子の入力インピーダ
ンスZ2を無限大に近づけることができれば、アレイア
ンテナ全体の入力インピーダンスZを無線回路部11の
インピーダンスZMとほぼ近い値に維持すると共に反射
係数を「0」に近づけて、アンテナとして正常に動作さ
せることができると考えられる。
【0033】すなわち本発明の無線通信装置において
は、ユーザの手で第2のアンテナ素子が覆われたとき
に、当該第2のアンテナ素子の入力インピーダンスZ2
を無限大にした場合のアレイアンテナ全体の入力インピ
ーダンスZを考えてみたとき、(3)式の分母及び分子
をそれぞれ入力インピーダンスZ2で割ると、(3)式
は次式
【0034】
【数4】
【0035】で表される。
【0036】そして(4)式は、次式
【0037】
【数5】
【0038】に変形され、第2のアンテナ素子の入力イ
ンピーダンスZ2が無限大であるとき(5)式は、次式
【0039】
【数6】
【0040】で表される。
【0041】このように無線通信装置は、ユーザの手で
第2のアンテナ素子が覆われたときに、当該第2のアン
テナ素子の入力インピーダンスZ2を無限大になるよう
にした場合、アレイアンテナ全体の入力インピーダンス
Zは、第1のアンテナ素子の入力インピーダンスZ1と
ほぼ等価になる。
【0042】従って無線通信装置は、アレイアンテナ全
体の入力インピーダンスZが第1のアンテナ素子の入力
インピーダンスZ1(100[Ω] )と等価になったとき、
スミスチャート(図13又は図15)からも判るように
反射係数が確実に「1」を下回ることになり、電力を伝
達することが可能でアンテナとして動作させることがで
きる。
【0043】そこでスミスチャート(図13)上で考え
たとき、中心からの距離が反射係数の振幅で入力インピ
ーダンスを示す横軸を始点としたときの角度が位相(d
φ)を表しているので、第2のアンテナ素子が手で覆わ
れたときに当該第2のアンテナ素子の入力インピーダン
スZ2が無限大に近づくような位相になれば良いと考え
られる。
【0044】(2)本発明における無線通信装置の構成 図12との対応部分に同一符号を付して示す図1に示す
ように、本発明の無線通信装置50は、互いに相互結合
の無い板状逆Fアンテナでなる第1のアンテナ素子5及
び第2のアンテナ素子6で構成されたアレイアンテナを
有し、小型化を図るために等分配器でなる電力分配器3
1(図16)を用いることなく、給電線として分布定数
回路である所定電気長の同軸ケーブル51及び52を介
して第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6と
分岐導体9とを電気的に接続するようになされている。
【0045】ここで図14(A)との対応部分に同一符
号を付して示す図2に示すように、第1のアンテナ素子
5及び第2のアンテナ素子6は、グランド地板21と、
当該グランド地板21に対してほぼ平行に配設され周囲
長(2L1+2L2)が波長λの1/2に形成された放
射導体22とが短絡板23を介して短絡されると共に、
当該放射導体22上の所定位置に同軸ケーブル51及び
52を介して給電するように構成されている。
【0046】また、図3に示すように給電線としての同
軸ケーブル51及び52は、外導体61及び内導体62
によって構成され、内導体62を介して第1のアンテナ
素子5及び第2のアンテナ素子6の放射導体22に給電
すると共に、外導体61をグランド地板21に短絡する
ようになされている。
【0047】この同軸ケーブル51及び52は、第1の
アンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6が手で覆われ
たことにより実効静電容量Caが通常使用時と比較して
大きな値になったときでも、当該第1のアンテナ素子5
及び第2のアンテナ素子6の入力インピーダンスZ1及
びZ2がそれぞれ無限大に近づくように給電電流の位相
(以下、これを給電位相と呼ぶ)を移相するような所定
の電気長に選定されている。
【0048】すなわち同軸ケーブル51及び52は、そ
の電気長が波長λに相当していれば位相の移相量は
「0」であり、その電気長が波長λよりも短ければ(あ
るいは長ければ)、その分だけ給電位相が移送された状
態で第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6に
供給されることになる。
【0049】なお同軸ケーブル51及び52は、外導体
61の内部に所定の誘電率をもつ誘電体が装填されてい
ても良く、この場合には誘電体の波長短縮効果によって
その分だけケーブル長さを短くすることができる。
【0050】ところで同軸ケーブル51及び52は、第
1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6が手で覆
われたときに、当該第1のアンテナ素子5及び第2のア
ンテナ素子6の入力インピーダンスZ1及びZ2がそれ
ぞれ無限大に近づくように給電位相を移相するが、給電
位相の半周期が、反射係数の1周期に相当しているので
移相量としては実際の移相分λ/4π・dφ(dφ:実
際の移相量を表す弧度)に加えてその分のn・λ/2
(n=0、1、2、……)の移相量を加算した値として
示すことができる。
【0051】従って同軸ケーブル51及び52において
は、その電気長が次式
【0052】
【数7】
【0053】で表される。
【0054】このような無線通信装置50においては、
第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6に移相
手段として所定電気長に選定された同軸ケーブル51及
び52がそれぞれ接続された状態で、近傍物質の影響を
何ら受けていないときには、第2のアンテナ素子6のイ
ンピーダンスZ2の軌跡は図4に示すようなスミスチャ
ートで表される。
【0055】この場合、第2のアンテナ素子6において
▽マークのM1で示された使用周波数 2.04[GHz]におけ
る入力インピーダンスZ2は、中心の50 [Ω] に近い
値を示している。
【0056】次に無線通信装置50は、第1のアンテナ
素子5及び第2のアンテナ素子6に移相手段として所定
電気長に選定された同軸ケーブル51及び52がそれぞ
れ接続された状態で、ユーザの手によって第2のアンテ
ナ素子6が覆われたときには、第2のアンテナ素子6の
入力インピーダンスZ2の軌跡は図5に示すようなスミ
スチャートで表される。
【0057】この場合、第2のアンテナ素子6において
▽マークのM1で示された使用周波数 2.04[GHz]におけ
る入力インピーダンスZ2は、無限大に近い値を示して
いる。
【0058】従って無線通信装置50は、第1のアンテ
ナ素子5及び第2のアンテナ素子6に移相手段として所
定電気長に選定された同軸ケーブル51及び52がそれ
ぞれ接続された状態で、第1のアンテナ素子5及び第2
のアンテナ素子6が近傍物質の影響を何ら受けていない
とき、アレイアンテナ全体としての入力インピーダンス
Zの軌跡は図6に示すようなスミスチャートで表され
る。
【0059】この場合、無線通信装置50は▽マークの
M1で示された使用周波数 2.04[GHz]におけるアレイア
ンテナ全体の入力インピーダンスZは、中心の50
[Ω] に近い値を示している。
【0060】このとき無線通信装置50のアンテナ放射
効率としては、図7に示すように第1のアンテナ素子5
及び第2のアンテナ素子6共に−3[dB](すなわち50
[%] )の放射効率であり、均等に50 [%] ずつ割り
振られて放射されていることを示している。
【0061】一方、無線通信装置50においては、第1
のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6に移相手段
として所定電気長に選定された同軸ケーブル51及び5
2がそれぞれ接続された状態で、例えば第2のアンテナ
素子6がユーザの手で覆われたとき、アレイアンテナ全
体としての入力インピーダンスZの軌跡は図8に示すよ
うなスミスチャートで表される。
【0062】この場合、無線通信装置50は▽マークの
M1で示された使用周波数 2.04[GHz]におけるアレイア
ンテナ全体の入力インピーダンスZは、中心の50
[Ω] から若干離れるが、それでもかなり近い値を示し
ており、アレイアンテナ全体として完全に動作しなくな
るようなことはない。
【0063】従って無線通信装置50のアンテナ放射効
率としては、図9に示すように第2のアンテナ素子6に
対して供給される電力が減少し、その分が第1のアンテ
ナ素子5に対して振り分けられることにより、当該第1
のアンテナ素子5の放射効率がほぼ0[dB](すなわち1
00 [%] )の放射効率になる。
【0064】このように本発明の無線通信装置50は、
第2のアンテナ素子6がユーザの手に覆われて影響を受
けた場合でも、アレイアンテナ全体としての入力インピ
ーダンスZが0 [Ω] になることはなく、無線回路部1
1のインピーダンスZMに近接した状態で電力の反射を
発生させることなくアンテナとして動作させ得るように
なされている。
【0065】(3)動作及び効果 以上の構成において、無線通信装置50は移相手段とし
て所定電気長に選定された同軸ケーブル51及び52を
介して第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6
と分岐導体9とを接続するようにしたことにより、例え
ば第2のアンテナ素子6が近傍物質の影響を受けた場合
でも、当該第2のアンテナ素子6の入力インピーダンス
Z2を無限大に近づけることができる。
【0066】これにより無線通信装置50は、アレイア
ンテナ全体としての入力インピーダンスZを近傍物質の
影響を受けていない方の第1のアンテナ素子5の入力イ
ンピーダンスZ1と等価にすることができ、その結果と
してアレイアンテナ全体としての入力インピーダンスZ
と無線回路部11のインピーダンスZMとを近接させて
電力の反射を発生させることなくアンテナとして動作さ
せることができる。
【0067】このとき無線通信装置50は、電力分配器
を用いることなく分岐導体9を用いたことにより、その
分だけ回路構成を簡素化することができる。
【0068】また無線通信装置50は、単なる分岐導体
9を用いたことにより、近傍物質の影響を受けた第2の
アンテナ素子6の入力インピーダンスZ2が無限大に近
づいて電力の供給が困難になったときに、当該第2のア
ンテナ素子6に供給する分の電力を第1のアンテナ素子
5に振り分けて供給することができ、かくしてアレイア
ンテナ全体の電力の半分を無駄に損失することなく、良
好な無線通信環境を維持することができる。
【0069】以上の構成によれば、無線通信装置50は
移相手段として所定電気長に選定された同軸ケーブル5
1及び52を介して第1のアンテナ素子5及び第2のア
ンテナ素子6と分岐導体9とを接続するようにしたこと
により、第2のアンテナ素子6が近傍物質の影響を受け
た場合でも、アレイアンテナ全体としての入力インピー
ダンスZを無線回路部11のインピーダンスZMに近接
した状態で電力の反射を発生させることなくアンテナと
して動作させて、良好な無線通信環境を維持することが
できる。
【0070】(4)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、無線通信装置50が
第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6の2本
のアンテナ素子によって構成されたアレイアンテナを用
いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、3本又は4本程度のアンテナ素子によって構成
されたアレイアンテナを用いるようにしても良い。
【0071】この場合にも、上述の実施の形態と同様に
1本のアンテナ素子が近傍物質の影響を受けたときに、
移相手段として所定電気長さに選定された同軸ケーブル
によって当該アンテナ素子の入力インピーダンスを無限
大に近づけさせるようにすれば良い。
【0072】また上述の実施の形態においては、移相手
段として所定電気長に選定された分布定数回路でなる同
軸ケーブル51及び52を用いるようにした場合につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、図10(A)及び
(B)に示すような同軸ケーブル51及び52と等価的
に表されるコンデンサとコイルの集中定数回路で構成さ
れるチップ部品55及び56を同軸ケーブル51及び5
2の代わりに用いるようにしても良い。
【0073】ところで、第1のアンテナ素子5及び第2
のアンテナ素子6が手で覆われたときに、当該第1のア
ンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6の入力インピー
ダンスZ1及びZ2がそれぞれ無限大に近づくように送
信信号の位相を移相するが、同軸ケーブル51及び52
の代わりに用いたチップ部品55及び56は互いに移相
方向が逆なので、移相量としては実際の移相分λ/4π
・dφ(dφ:実際の移相量を表す弧度)に加えて給電
位相の半周期分に相当するn・λ/2(n=0、1、
2、……)の移相量を加算又は減算した値として示すこ
とができる。
【0074】従ってチップ部品55及び56において
は、その電気長が次式
【0075】
【数8】
【0076】で表される。
【0077】さらに上述の実施の形態においては、第1
のアンテナ素子5及び6に板状逆Fアンテナを用いるよ
うにした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、放射導体とグランド地板との間に静電容量を持つも
のであればヘリカルアンテナ等の他の種々のアンテナ素
子を用いるようにしても良い。
【0078】さらに上述の実施の形態においては、第1
のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6によって構
成されるアレイアンテナを用いるようにした場合につい
て述べたが、本発明はこれに限らず、複数のアンテナ素
子によって構成されるものであれば八木アンテナ等の他
の種々のアンテナを用いるようにしても良い。
【0079】さらに上述の実施の形態においては、分布
定数回路でなる同軸ケーブル51及び52を用いるよう
にした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
導波管等の他の種々の分布定数回路を用いるようにして
も良い。
【0080】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、複数のア
ンテナ素子のいずれかが近傍物質の影響を受けたとき、
当該影響を受けたアンテナ素子の入力インピーダンスを
所定電気長の移相手段によって無限大にして、アンテナ
部全体の入力インピーダンスと無線回路部の特性インピ
ーダンスとを近接した状態にすることにより、アンテナ
部全体を動作させることができると共に、近傍物質の影
響を受けた一方のアンテナ素子がアンテナとして動作し
なくなったときでも、当該近傍物質の影響を受けた一方
のアンテナ素子に供給する電力分を分岐導体を介して他
方のアンテナ素子に振り分けることができ、かくしてア
ンテナ部全体の特性劣化を防止して効率良く電波を放射
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による無線通信装置の回路構成を示すブ
ロツク図である。
【図2】アンテナ素子の構成を示す略線的斜視図であ
る。
【図3】同軸ケーブルの構成を示す略線的斜視図であ
る。
【図4】移相手段に接続された第2のアンテナ素子が近
傍物質の影響を受けていないときのインピーダンス特性
を示すスミスチャートである。
【図5】移相手段に接続された第2のアンテナ素子が近
傍物質の影響を受けたときのインピーダンス特性を示す
スミスチャートである。
【図6】近傍物質の影響を受けていない無線通信装置全
体のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【図7】近傍物質の影響を受けていない無線通信装置の
アンテナ放射効率を示す特性曲線図である。
【図8】近傍物質の影響を受けた無線通信装置全体のイ
ンピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【図9】近傍物質の影響を受けた無線通信装置のアンテ
ナ放射効率を示す特性曲線図である。
【図10】他の実施の形態における移相手段の構成を示
す回路図である。
【図11】従来の携帯無線機のアンテナ配置を示す略線
的断面図である。
【図12】従来の無線通信装置の回路構成(1)を示す
ブロック図である。
【図13】近傍物質の影響を受けていない第2のアンテ
ナ素子のインピーダンス特性を示すスミスチャートであ
る。
【図14】第2のアンテナ素子の構成を示す略線図であ
る。
【図15】近傍物質の影響を受けた第2のアンテナ素子
のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【図16】従来の無線通信装置の回路構成(2)を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1……携帯無線機、5……第1のアンテナ素子、6……
第2のアンテナ素子、9……分岐導体、10……デュプ
レクサ、11……無線回路部、12……送信回路、13
……受信回路、21……グランド地板、22……放射導
体、23……短絡板、51、52……同軸ケーブル、5
5、56……チップ部品、61……外導体、62……内
導体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 7/06 H04B 7/06 7/08 7/08 B Fターム(参考) 5J021 AA02 AA06 AB06 CA04 CA06 DB03 FA05 FA32 GA01 GA08 HA05 HA10 5J047 AA04 AB13 FD01 5K011 BA03 DA02 EA02 JA01 KA13 5K059 CC02 CC03 DD03 DD07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一周波数帯で動作する複数のアンテナ素
    子によって構成されたアンテナ部と、 上記複数のアンテナ素子に接続された分岐導体と、 上記分岐導体を介して上記複数のアンテナ素子に給電す
    る無線回路部と、 上記複数のアンテナ素子と上記分岐導体との間にそれぞ
    れ設けられ、上記複数のアンテナ素子のいずれかが近傍
    物質の影響を受けたとき、上記アンテナ部全体の入力イ
    ンピーダンスを上記無線回路部のインピーダンスに近づ
    けるように上記影響を受けたアンテナ素子に対する給電
    位相を移相する所定電気長の移相手段とを具えることを
    特徴とする無線通信装置。
  2. 【請求項2】上記移相手段は、上記影響を受けたアンテ
    ナ素子の入力インピーダンスを無限大に近づけるように
    上記給電位相を移相することにより、上記アンテナ部全
    体の入力インピーダンスを上記無線回路部のインピーダ
    ンスに近づけることを特徴とする請求項1に記載の無線
    通信装置。
  3. 【請求項3】上記移相手段は、次式 【数1】 で表される上記所定電気長を有する分布定数回路である
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 【請求項4】上記移相手段は、次式 【数2】 で表される上記所定電気長を有する集中定数回路である
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
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