JP2000307327A - 双ループアンテナ - Google Patents

双ループアンテナ

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JP2000307327A
JP2000307327A JP11114763A JP11476399A JP2000307327A JP 2000307327 A JP2000307327 A JP 2000307327A JP 11114763 A JP11114763 A JP 11114763A JP 11476399 A JP11476399 A JP 11476399A JP 2000307327 A JP2000307327 A JP 2000307327A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドローブの低減及び小型化が可能であ
り、更に、全UHF帯を単独でカバーできる広帯域な双
ループアンテナを提供する。 【解決手段】 円環部4a,6aから一対の給電導入部
4b,6bが延設された中央給電タイプのループアンテ
ナ4,6を、その配列方向と給電導入部4b,6bの配
線方向とが直交するように配置し、両ループアンテナの
給電導入部4b,6b間を、2線式の並行給電線8によ
り接続する。また、並行給電線8を構成する一対の給電
線を、平行ではなく、線路間隔が漸次変化するように傾
斜して配線することにより、給電点P及び両端Tのイン
ピーダンスが、外部給電線及びループアンテナ4,6と
それぞれ整合し、且つ両者間のインピーダンスが連続的
に変化するように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UHF帯の電波を
送受する双ループアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、UHF帯の放送電波の送信に
用いられている水平偏波用の双ループアンテナとして、
図11に示すように、受波しようとする信号成分の1波
長分の周囲長を有する一対のループアンテナ104,1
06を、平行に配設された一対の給電線(以下、平行給
電線という)108にて接続し、この平行給電線108
の中心に給電点Pを設けた双ループアンテナ102が知
られてる。なお、図11(a)は双ループアンテナ10
2の正面図,(b)はその側面図である。
【0003】即ち、この水平偏波用双ループアンテナ1
02は、一対のループアンテナ104,106の配列方
向が上下方向と一致するように配置される。そして、各
ループアンテナ104,106では、その上辺と下辺と
で電流が同方向に流れることにより、配列方向(上下方
向)に沿った偏波面を有する垂直偏波成分が相殺され、
配列方向に対して直交する方向に沿った偏波面を有する
水平偏波成分のみが送受されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成された双ループアンテナ102においては、ループ
アンテナ104,106の配置間隔に応じて指向性が変
化し、具体的には、配置間隔が大きくなるほど、垂直面
内でのサイドローブレベルが高くなる。そして、サイド
ローブレベルが高いと、例えば電波を受信する場合に、
所望方向以外から入射する雑音(例えば地上からの反射
波等)が増大し、また電波を送信する場合に、所望方向
以外に不要な放射が行われることになり、送受信品質が
劣化してしまうため、これを抑えることが望ましい。
【0005】しかし、ループアンテナ104,106へ
の給電を効率良く行うためには、給電点Pからループア
ンテナ104,106の接続端に到る平行給電線108
の長さを、目標周波数となる信号成分の線路内波長をλ
L としてλL /4+n・λL/2付近に設定する必要が
ある。つまり、両ループアンテナ104,108の配置
間隔をλL /2より小さくすることができないため、サ
イドローブを十分に低減できないという問題があった。
【0006】また、双ループアンテナ102は、平面的
な構成を有しているため、建築材料などに組み込むこと
が可能であり、家庭用アンテナへの適用も考えられてい
るが、上述のように平行給電線108の長さが規定され
てしまうため、十分に小型化できない。また更に、帯域
幅が300MHzにも及ぶ全UHF帯(470MHz〜
770MHz)の全領域をカバーするには、一般に広帯
域(700MHz帯で100MHz以上)であることが
知られている双ループアンテナ102であっても、全帯
域を低域,中域,高域に3分割して、各領域毎に適合さ
せた3種類の双ループアンテナを用いなければならず、
構成が大型化してしまうという問題があった。
【0007】そこで本発明は、上記問題点を解決するた
めに、サイドローブの低減及び小型化が可能な双ループ
アンテナを提供することを第1の目的とし、更に、全U
HF帯を単独でカバーできる広帯域な双ループアンテナ
を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1記載の発明は、円環状に形成された
導体からなる一対のループアンテナと、該一対のループ
アンテナへの給電を行う2線式の並行給電線とを備え、
偏波面が前記一対のループアンテナの配列方向と直交し
た直線偏波を送受信する双ループアンテナであって、前
記各ループアンテナは、該ループアンテナの中心点から
見て前記直線偏波の偏波面に沿った方向に位置する該ル
ープアンテナ上の一対の地点を接続点とし、該接続点か
ら前記中心点に向けて延設された一対の給電導入部を備
え、前記並行給電線の両端部は、前記一対のループアン
テナに設けられた各一対の給電導入部にそれぞれ接続さ
れ、且つ前記並列給電線は、前記両端部から等距離の地
点が給電点にされていることを特徴とする。
【0009】このように構成された本発明の双ループア
ンテナによれば、並行給電線が従来の双ループアンテナ
と同じ長さであっても、ループアンテナの配列方向(以
下、単に配列方向という)に沿った全長を、ループアン
テナの半径2個分だけ短縮することができる。また、ル
ープアンテナ間の間隔が狭くなり、これに伴って垂直面
内でのサイドローブが低減されるため、当該アンテナを
受信用とした時には、所望方向(メインローブの指向)
外から受信される雑音の低減を、また送信用とした時に
は、所望方向外へ放射される不要電波の低減を図ること
ができ、送受信品質を向上させることができる。
【0010】なお、このようにループアンテナに給電導
入部を設け、この給電導入部を介して給電を行う場合
(以下、中央給電タイプという)、請求項2記載のよう
に、ループアンテナの周囲長Lcを、送受する目標周波
数の中心波長をλとして、1.1λ≦Lc≦1.4λに
設定することが望ましい。
【0011】即ち、従来の水平偏波用双ループアンテナ
のように一方の端部から給電を行う端部給電タイプのも
のは、ループアンテナの周囲長を、目標周波数となる信
号成分の1波長とほぼ等しい長さに設定した場合に、イ
ンピーダンスのリアクタンス成分がほぼ零となりインピ
ーダンス整合の取り易い純抵抗に近くなることが知られ
ている。つまり、本発明に用いる中央給電タイプのルー
プアンテナは、半円環状をした端部給電タイプのループ
アンテナが並列接続されているものとして見なすことも
できるため、この半円環状部分の周囲長が1波長となる
近傍で優れた特性が得られるのである。
【0012】次に、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の双ループアンテナにおいて、前記並行
給電線は、前記給電点では該給電点に接続される外部給
電線と整合し、前記両端部では前記一対のループアンテ
ナとそれぞれ整合するように、前記両端部と前記給電点
との間のインピーダンスが連続的に変化するよう構成さ
れていることを特徴とする。
【0013】このように構成された本発明の双ループア
ンテナでは、並行給電線の周波数特性は、従来のループ
アンテナのように並行給電線を平行に配線した時のよう
な急峻な通過特性を持たず、つまり広帯域化される。し
かも、並行給電線の両端と給電点とは、それぞれループ
アンテナ及び外部給電線と整合するようなインピーダン
スに設定されているため、給電点から並行給電線の両端
までの長さをλ/4+n・λ/2以外に設定しても、イ
ンピーダンスの不整合による反射が発生することがな
い。従って、設計の自由度が大きくなり、要求に応じ
て、ループアンテナの持つゲインと帯域幅とのバランス
が好適なものとなるように、一対のループアンテナの配
置間隔を適宜設定することができる。
【0014】また、ループアンテナと外部給電線とでイ
ンピーダンスが異なっている場合、並行給電線とループ
アンテナとでインピーダンスを整合させ、給電点に外部
給電線とのインピーダンス整合をとるため、従来の水平
偏波用双ループアンテナでは、図11(b)に示すよう
に、給電点Pにトラップ回路TC等を設けることが行わ
れていたが、本発明では、この給電点に設けるインピー
ダンス整合用の設備が不要となり、装置構成を簡易化で
きる。
【0015】なお、並行給電線のインピーダンスを連続
的に変化させる方法としては、例えば、請求項4記載の
ように、並行給電線を構成する1対の給電線の線路間隔
を連続的に変化させてもよいし、請求項5記載のよう
に、並行給電線を構成する一対の給電線の各線路幅を連
続的に変化させてもよいし、両者を組み合わせてもよ
い。
【0016】但し、並行給電線は、一対の給電線の線路
幅が同じであれば線路間隔を広くするほど、また線路間
隔が一定であれば線路幅を狭くするほどインピーダンス
は高くなるため、実際には、給電点側からループ側に向
けて線路間隔が除々に広く、又は線路幅が徐々に狭くな
るように設定すればよい。
【0017】ところで、本発明者らは、各種実験を重ね
た結果、図10に示すように、ループアンテナのインピ
ーダンスを、ループアンテナの円環部分の線路幅Bと、
給電導入部の線路幅Aとの比A/Bを変化させることに
より調整できることを見いだした。
【0018】なお、図10に示すグラフは、目標周波数
を585MHz(440MHz〜770MHzの位相変
化を考えた場合の中心周波数)として、ループアンテナ
の周囲長を、目標周波数となる信号の波長をλとして、
1.26λに設定し、給電導入部の先端に、入力端子の
インピーダンスが75Ωである測定装置を、1:4バル
ンを介して取り付けて、電圧定在波比(VSWR)を測
定した結果を表したものである。ループアンテナのイン
ピーダンスが、300(=75×4)Ωの純抵抗に近づ
くほど、VSWR=1(即ちインピーダンスが完全に整
合した状態)に近づくことになる。
【0019】つまり、請求項1〜5に記載された本発明
の双ループアンテナによれば、給電導入部の線路幅を調
整する等して、ループアンテナの線路幅比A/Bを変化
させるだけでループアンテナのインピーダンスを調整で
きるため、ループアンテナと並行給電線とのインピーダ
ンス整合がとれた双ループアンテナを簡単に設計でき
る。
【0020】しかも、従来の水平偏波用双ループアンテ
ナでは、図11(b)に示すように、ループアンテナ1
04,106の配列方向両端部に、受端短絡回路SCを
設けることにループアンテナのインピーダンスを調整し
ていたが、本発明の双ループアンテナでは、この受端短
絡回路SCを省略することができ、装置構成をより簡易
なものとすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1(a)は、本実施例のUHF帯の電波
を送受する双ループアンテナの全体構成を表す平面図で
あり、図1(b)はその側面図である。
【0022】図1に示すように、本実施例の双ループア
ンテナ2は、円環状に形成された一対のループアンテナ
4,6を備えており、各ループアンテナ4,6には、ル
ープアンテナの中心点を挟んで対向する円環部4a,6
a上の一対の接続点から前記中心点に向けて、一対の給
電導入部4b,6bがそれぞれ延設されている。
【0023】そして、各ループアンテナ4,6は、給電
導入部4b,6bの配線方向(図中X方向)とループア
ンテナ4,6の配列方向(図中Y方向)とが直交するよ
うに配置され、両ループアンテナの給電導入部4b,6
bは、2線式の並行給電線8により互いに接続されてい
る。
【0024】また、ループアンテナ4,6の背面側に
は、反射板10が配置されており、並行給電線8は、ル
ープアンテナ4,6と反射板10との間に配線されてい
る。また、並行給電線8は、その中心に給電点Pが設け
られている。なお、本実施例の双ループアンテナ2にお
いて、各部の寸法は、送受信すべきUHF帯の電波の中
心周波数620[MHz]を目標周波数として以下のよ
うに設定されている。
【0025】即ち、並行給電線8は、この目標周波数に
おけるインピーダンスが、給電用の同軸ケーブル(特性
インピーダンス:75[Ω])が接続される給電点Pで
は150[Ω]となり、ループアンテナ4,6が接続さ
れる両端部では300[Ω]となると共に、その間のイ
ンピーダンスが連続的に変化するようにされている。
【0026】具体的には、並行給電線8を構成する一対
の給電線として、線路幅が10[mm]のものを用い、
両給電線の給電点Pでの線路間隔がWp=2[mm],
両端部でので線路間隔がWt=15[mm]となり、給
電点Pから両端部に向けて徐々に広くなるように傾斜し
て配線されている。なお、並行給電線8の全長は、給電
点Pから両端部までの長さLpt=16[cm]、即ち両
ループアンテナ4,6の中心点間の間隔が32[cm]
となるように設定されている。この中心点間の間隔32
[cm]は、利得,サイドローブ特性から設定されてい
る。
【0027】また、各ループアンテナの円環部4a,6
aの周囲長Lcは、目標周波数となる信号成分の波長
(以下、目標波長という)λの1.26倍となるよう
に、Lc=61[cm](直径19.4[cm])に設
定され、更に、ループアンテナの給電導入部4b,6b
の線路幅(以下、導入線路幅という)A及び円環部4
a,6aの線路幅(以下、エレメント幅という)Bは、
上記並行給電線8の両端部におけるインピーダンスと整
合するように、A=30[mm],B=10[mm]
(従って、A/B=3)に設定されている。
【0028】更に、ループアンテナ4,6の形成面と反
射板10との間隔はWh=λ/4(=12.1[c
m])、またループアンテナ4,6の形成面と並行給電
線8との間隔はWg=λ/50(=9.7[mm])以
下に設定されている。次に、このように構成された本実
施例の双ループアンテナ2の特性を測定した結果につい
て説明する。
【0029】なお、比較例として、図2(b)に示すよ
うに、ループアンテナ34,36の周囲長が1λ(=4
8.4[cm])に設定された端部給電タイプの双ルー
プアンテナ32についても同様の測定を行った。但し、
比較例の双ループアンテナ32でも、給電点Pでのイン
ピーダンス整合を容易にするため、本実施例と同様に、
並行給電線38として、給電点Pから両端部に向けて線
路間隔が除々に広がるように設定したものを用いた。
【0030】図3は、給電導入部4b,6bの配線方向
に沿った水平面,及びループアンテナ4,6の配列方向
に沿った垂直面での指向性を測定した結果を表すグラ
フ、また、図4は、UHF帯の全領域について動作利
得,定在波比,前後比,半値角度を測定した結果を表す
グラフである。
【0031】図3に示すように、水平面内での指向性
は、本実施例と比較例とでほぼ同じであるのに対し、垂
直面内での指向性は、比較例に対して本実施例の双ルー
プアンテナ2では、サイドローブの強度が最大(770
MHzの場合)で−3dBから−10dBへ、即ち7d
B低減されている。
【0032】また、図4に示すように、比較例に対して
本実施例の双ループアンテナ2では、低域(470〜5
60MHz)にて、動作利得及び定在波比が改善されて
おり、UHF帯の全領域に渡ってほぼ均一な特性が得ら
れている。次に、本実施例の双ループアンテナ2、及び
図5に示す本実施例の変形例の双ループアンテナ2a,
2b,2cについて、定在波比の周波数特性をシミュレ
ーションにて求めた結果を、図6,図7に示す。
【0033】なお、変形例としては、図5に示すよう
に、一対の給電線の線路間隔が実施例の並行給電線8と
同様に設定された並行給電線8aを、ループアンテナ
4,6を挟んで反射板10とは反対側に設けた双ループ
アンテナ2a(変形例1)、並行給電線8aが150
[Ω]の均一なインピーダンスを有するように、一対の
給電線を2[mm]の一定な線路間隔で平行に配線した
双ループアンテナ2b(変形例2)、更に並行給電線8
cが300[Ω]の均一なインピーダンスを有するよう
に、一対の給電線を15[mm]の一定な線路間隔で平
行に配線した双ループアンテナ2c(変形例3)を用い
た。
【0034】但し、並行給電線8a,8b,8cを構成
する一対の給電線の線路幅を10[mm]とし、各双ル
ープアンテナ2a,2b,2cにおいて、並行給電線8
a,8b,8cの両端とループアンテナ4,6とは、イ
ンピーダンスが整合しているものとして求めた。
【0035】本実施例の双ループアンテナ2では、図6
(a)に示すように、並行給電線を傾斜配線し、線路の
インピーダンスを連続的に変化させた場合には、UHF
帯の全領域に渡って定在波比が2以下となり、優れた特
性を示している。また、並行給電線をループアンテナ
4,6の前面側に配線した変形例1の双ループアンテナ
2aでは、図6(b)に示すように、高域側の特性がわ
ずかに劣化しているが、実施例の双ループアンテナ2と
同様に、UHF帯の全領域に渡って定在波比が2以下と
なり、優れた特性を示している。
【0036】一方、一対の給電線が平行に配線された並
行給電線8b,8cを有する変形例2及び変形例3の双
ループアンテナ2b,2cでは、図7(a)及び(b)
に示すように、いずれも、高域側の特性が劣化してい
る。つまり、図7,図8に示すシミュレーション結果か
ら、インピーダンスが連続的に変化する並行給電線を用
いることにより、双ループアンテナの特性が広帯域化さ
れることがわかる。
【0037】以上説明したように、本実施例の双ループ
アンテナ2では、中央給電タイプのループアンテナ4,
6を用いているため、端部給電タイプのループアンテナ
を用いた従来の双ループアンテナと比較して、ループア
ンテナ4,6の配置間隔を狭くすることができる。
【0038】その結果、本実施例の双ループアンテナ2
では、ループアンテナ4,6の配列方向に沿った全長を
小さくできるだけでなく、垂直面内での指向性における
サイドローブレベルが低くなり、受信時には、地上から
の反射波等、所望方向以外からの不要な信号成分(即ち
雑音)の受信を低減できると共に、送信時には、投入し
た電力を効率よく所望方向に放射できるため、送受信品
質を向上させることができる。なお、この効果は、各変
形例の双ループアンテナ2a〜2cでも、同様に得るこ
とができる。
【0039】また、本実施例の双ループアンテナ2で
は、給電点Pにて外部給電線と、両端にてループアンテ
ナ4,6とそれぞれインピーダンスが整合し、しかも、
給電点Pから両端(ループアンテナ4,6)に到る間の
インピーダンスが連続的に変化するように設定された並
行給電線8を用いているため、並行給電線8の周波数特
性が広帯域化し、単一の双ループアンテナ2にて、UH
F帯の全領域の電波や、現在計画中の地上波デジタル放
送の電波を送受信することができる。なお、この効果
は、変形例1の双ループアンテナ2aでも、同様に得る
ことができる。
【0040】このため、本実施例の双ループアンテナ2
によれば、例えば、小型化が強く要求される家庭用のテ
レビ放送電波の受信アンテナとして好適に用いることが
できる。なお、本実施例では、並行給電線8の給電点P
からループアンテナ4,6が接続された両端に到る長さ
をLpt=16[mm]としたが、給電点P及び両端での
インピーダンスが、それぞれ外部給電線及びループアン
テナ4,6のインピーダンスと整合するように設定され
ていれば、どのような長さにも設定可能である。
【0041】ここで、図8は、中央給電タイプのループ
アンテナを用いた双ループアンテナ(図2(a)参照)
及び端部給電タイプのループアンテナを用いた双ループ
アンテナ(図2(b)参照)の各並行給電線8,38の
長さを変化させ、両者の動作利得を測定した結果を表す
グラフである。なお、パラメータとしては、給電点Pか
らループアンテナの中心点までの距離dを用いた。
【0042】図示されているように、いずれのタイプの
ループアンテナを用いた場合も、距離d(ループ間隔)
を狭くするに従って動作利得が低下するが、中央給電タ
イプの双ループアンテナは、端部給電タイプの双ループ
アンテナより、利得が低下する割合が小さい。
【0043】つまり、本実施例のように中央給電タイプ
のループアンテナ4,6を用い、且つインピーダンスが
連続的に変化する並行給電線8を用いた場合、ループ間
隔を任意に設定できるため、設計の自由度が大きくなる
だけでなく、サイドローブを低減させるためにループ間
隔を接近させた時には、端部給電タイプのループアンテ
ナ34,36を用いた場合より大きな動作利得を得るこ
とができ、よりバランスのよい特性を得ることができ
る。
【0044】なお、上記実施例では、配列方向を上下方
向に一致させることにより、水平偏波からなる電波を送
受する双ループアンテナとして構成したが、配列方向を
水平方向に一致させることにより、即ち、図1(a)に
示す双ループアンテナ2を90°回転させた状態で用い
ることにより、垂直偏波からなる電波を送受する双ルー
プアンテナとしてもよい。
【0045】また、上記実施例では、並行給電線8のイ
ンピーダンスを変化させるために、並行給電線8を構成
する一対の給電線の線路間隔を変化させているが、線路
間隔を一定として、一対の給電線の線路幅を変化させる
ようにしてもよい。この場合、並行給電線は、インピー
ダンスが高いほど線路幅を細くすればよく、このような
並行給電線路を上記実施例に適用した場合には、図9に
示すような形状のものを用いればよい。
【0046】更に、上記実施例では、ループアンテナの
導入線路幅Aとエレメント幅Bとの線路幅比が、A/B
=3となるように設定されているが、この線路幅比A/
Bは、適宜、並行給電線8の両端部におけるインピーダ
ンスと整合するように設定すればよい。
【0047】なお、家庭用受信アンテナ等に適用する場
合、装置を薄型化するために、反射板10をよりループ
アンテナ4,6に接近させ、即ち、両者の間隔をWh<
λ/4に配置することが考えられる。但し、ループアン
テナ4,6のインピーダンスは、間隔Whに応じて変化
するため、両者のインピーダンスを整合させるには、両
者を接近させるほど、線路幅比A/Bを低めに設定する
必要がある。このように、反射板10とループアンテナ
4,6との間隔を接近させた場合も考慮すると、ループ
アンテナの線路幅比A/Bは、1≦A/B≦3の範囲内
となるように設定することが好ましい。
【0048】また更に、上記実施例では、ループアンテ
ナ4,6の形成面と並行給電線8との間隔をWg=λ/
50以下に設定しているが、Wg>λ/50に設定して
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の双ループアンテナの全体構成を表す
正面図,側面図、及び各部の拡大図である。
【図2】 特性の測定に用いた実施例及び比較例の双ル
ープアンテナの概略構成を表す説明図である。
【図3】 実施例及び比較例について指向性を測定した
結果を表すグラフである。
【図4】 実施例及び比較例について各種周波数特性を
測定した結果を表すグラフである。
【図5】 実施例の変形例の概略構成を表す説明図であ
る。
【図6】 実施例及び変形例について定在波比の周波数
特性を測定した結果を表すグラフである。
【図7】 変形例について定在波比の周波数特性を測定
した結果を表すグラフである。
【図8】 ループ間隔に対する動作利得の特性を測定し
た結果を表すグラフである。
【図9】 並行給電線の変形例を示す説明図である。
【図10】 ループアンテナの線路幅比に対する定在波
比の特性を測定した結果を表すグラフである。
【図11】 従来の水平偏波用双ループアンテナの全体
構成を表す正面図,及び側面図である。
【符号の説明】
2,2a〜2c…双ループアンテナ 4,6…ループ
アンテナ 4a,6a…円環部 4b,6b…給
電導入部 8,8a〜8c…並行給電線 10…反射板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状に形成された導体からなる一対の
    ループアンテナと、 該一対のループアンテナへの給電を行う2線式の並行給
    電線とを備え、偏波面が前記一対のループアンテナの配
    列方向と直交した直線偏波を送受信する双ループアンテ
    ナであって、 前記各ループアンテナは、該ループアンテナの中心点か
    ら見て前記直線偏波の偏波面に沿った方向に位置する該
    ループアンテナ上の一対の地点を接続点とし、該接続点
    から前記中心点に向けて延設された一対の給電導入部を
    備え、 前記並行給電線の両端部は、前記一対のループアンテナ
    に設けられた各一対の給電導入部にそれぞれ接続され、
    且つ前記並行給電線は、前記両端部から等距離の地点が
    給電点にされていることを特徴とする双ループアンテ
    ナ。
  2. 【請求項2】 前記ループアンテナの周囲長Lcは、送
    受する目標周波数の中心波長をλとして、1.1λ≦L
    c≦1.4λに設定されていることを特徴とする請求項
    1記載の双ループアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記並行給電線は、前記給電点では該給
    電点に接続される外部給電線と整合し、前記両端部では
    前記一対のループアンテナとそれぞれ整合するように、
    前記両端部と前記給電点との間のインピーダンスが連続
    的に変化するよう構成されていることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の双ループアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記並行給電線は、該並行給電線を構成
    する1対の給電線の線路間隔が連続的に変化するよう構
    成されていることを特徴とする請求項3記載の双ループ
    アンテナ。
  5. 【請求項5】 前記並行給電線は、該並行給電線を構成
    する一対の給電線の各線路幅が連続的に変化するよう構
    成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記
    載の双ループアンテナ。
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