JP2001295766A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機

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JP2001295766A
JP2001295766A JP2000111790A JP2000111790A JP2001295766A JP 2001295766 A JP2001295766 A JP 2001295766A JP 2000111790 A JP2000111790 A JP 2000111790A JP 2000111790 A JP2000111790 A JP 2000111790A JP 2001295766 A JP2001295766 A JP 2001295766A
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JP
Japan
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thrust bearing
oil
bearing
flange
lubricating oil
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JP2000111790A
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English (en)
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Satoshi Hiratsuka
聡 平塚
Hironari Akashi
浩業 明石
Takanori Ishida
貴規 石田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉型圧縮機に関し、インバータ化に伴う可
変運転速度域の拡大等に対応し、信頼性の向上を図る。 【解決手段】 クランクシャフト7のフランジ9の上端
面からシャフトスラスト面15に連通する給油経路25
を設けたことにより、低速回転時などスラスト軸受17
における油膜の巻き込みが困難な運転条件下において、
ピストンやコネクティングロッドの摺動部から排出され
た潤滑油を上端面から給油経路を経て、スラスト軸受1
7に直接給油することにより、スラスト軸受17への潤
滑油の給油量を増加させ、低速回転時などの潤滑特性を
向上させることにより、信頼性を向上することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍冷蔵装置や空調
機器等に使用される密閉型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷蔵庫などに用いられる密閉型圧
縮機においては、省エネルギーの観点からインバータ化
による可変運転速度域の拡大が図られている。また、密
閉型圧縮機のスラスト軸受においては、給油量が減少す
ると、油膜形成が困難となり、金属接触が発生すること
による摩耗が発生する恐れがある。このような状況下に
おいてインバータ化による速度領域の拡大に対するスラ
スト軸受の信頼性向上が望まれている。また、起動時に
は給油コーンによって吸い上げられた潤滑油がスラスト
軸受に到達するまでに時間がかかるために、潤滑条件が
厳しくなることから、起動時の給油特性の改善が望まれ
ている。従来の、スラスト軸受の潤滑特性の向上を目的
とした密閉型圧縮機としては特開平8−284833号
公報に示されているものがある。以下、図面を参照しな
がら従来の圧縮機について説明する。図8は、従来の密
閉型圧縮機の断面図であり、図9は、従来の密閉型圧縮
機のスラスト軸受の断面図である。1は密閉容器2内に
モーター部3と機械部4をブロック5にて一体化したコ
ンプレッサユニット6を収納した密閉型圧縮機である。
7はブロック5のベアリング8に枢支したクランクシャ
フトであり、上端のフランジ9から突出した偏心軸10
にはコネクティングロッド11の大端部が連結され、小
端部にはピストンピン12によりシリンダ13内で摺動
するピストン14が連結してある。フランジ9の下端面
はシャフトスラスト面15となっている。また、ベアリ
ング8の上端面はベアリングスラスト面16となってお
り、シャフトスラスト面15とベアリングスラスト面1
6でスラスト軸受17を構成し、クランクシャフト7等
の自重を支えている。偏心軸10の内部には偏心通路1
8が設けられている。19はクランクシャフト7の下端
に設けたクランクシャフト7より小径の給油コーンであ
る。密閉容器2の底部には潤滑油20が溜まっている。
ベアリングスラスト面16の内周側にはテーパー部21
が設けられ、ベアリングスラスト面16の面上には油溝
22が設けられている。クランクシャフト7の内部には
シャフト内給油通路23が設けられ、側面には溝24が
設けられている。以上のように構成された密閉型圧縮機
のスラスト軸受において、以下その動作を説明する。ク
ランクシャフト7に設けられた給油コーン19から吸い
上げられた潤滑油20は、シャフト内給油通路23、溝
24を通り、ベアリングスラスト面16の内周側に設け
られたテーパー部21に貯えられる。このうちの一部は
偏心軸10の内部に設けられた偏心通路18を通り、偏
心軸10の上部及び側面に設けられた穴から排出され、
コネクティングロッド11、ピストン14などに供給さ
れる。残りの潤滑油20はベアリングスラスト面16に
設けられた油溝22にて外周側に排出される。この時、
クランクシャフト7の回転に伴い、スラスト軸受17に
潤滑油20が供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成は、低速回転時においてスラスト軸受17に分
配される潤滑油20が減少し、スラスト軸受17に油溝
22を伝わって供給される潤滑油20が不十分となる
と、スラスト軸受17において油膜を形成するのが困難
となるため、潤滑状態が悪化して、摩耗などが生じる可
能性があった。
【0004】本発明は、従来の課題を解決するもので、
このようなインバータを用いた幅広い速度域で運転され
る密閉型圧縮機において、低速回転時のスラスト軸受へ
の給油量を確保することにより、信頼性を確保できる密
閉型圧縮機を提供することを目的とする。また、停止中
にスラスト軸受17に潤滑油20を十分に保持すること
が困難であり、起動時にスラスト軸受17に潤滑油20
が供給されるまでの時間は、スラスト軸受17の潤滑状
態が悪化して、摩耗などが生じる可能性があった。
【0005】本発明のほかの目的は、起動時のスラスト
軸受における潤滑油を確保することにより、信頼性を確
保できる密閉型圧縮機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、クランクシャフトに設けられたフランジと、
前記フランジの下端面に設けられたシャフトスラスト面
と、前記フランジの上端面と前記シャフトスラスト面を
連通する給油経路からなり、低速回転時などのスラスト
軸受の油溝からの油膜の巻き込みが困難な運転条件下に
おいて、ピストンやコネクティングロッドの摺動部から
排出された潤滑油を上端面から給油経路にて供給するこ
とにより、スラスト軸受への潤滑油の供給を増加させ、
低速回転時などの潤滑特性を向上させるという作用を有
する。請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明
に、さらにフランジの上端面で、かつ給油経路の内側に
凹部を備えたものであり、低速回転時などのスラスト軸
受の油溝からの油膜の巻き込みが困難な運転条件下にお
いて、上端面において、ピストンやコネクティングロッ
ドの摺動部から排出された潤滑油の供給することによ
り、スラスト軸受への潤滑油の供給を増加させ、潤滑特
性を向上させる作用を有する。さらに、停止時に凹部に
たまった潤滑油が起動時に遠心力で給油経路に達し、ス
ラスト面に到達することにより、起動時の潤滑特性を向
上させる作用を有する。請求項3に記載の発明は、請求
項1記載の発明に、さらにフランジの上端面で、かつ給
油経路の外周側に上方に伸びる壁を備えたものであり、
低速回転時などのスラスト軸受の油溝からの油膜の巻き
込みが困難な運転条件下において、上端面において、ピ
ストンや偏心軸の摺動部から排出された潤滑油を効率よ
く回収することにより、スラスト軸受への潤滑油の供給
をさらに増加させ、低速回転時などの潤滑特性を向上さ
せる作用を有する。請求項4に記載の発明は、請求項2
記載の発明に、さらにフランジの上端面で、給油通路の
外周側に上方に伸びる壁を備えたものであり、低速回転
時などのスラスト軸受の油溝からの油膜の巻き込みが困
難な運転条件下において、上端面において、ピストンや
コネクティングロッドの摺動部から排出された潤滑油を
効率よく回収することにより、スラスト軸受への潤滑油
の供給をさらに増加させ、低速回転時などの潤滑特性を
向上させる作用を有する。さらに、停止時に凹部にたま
った潤滑油が起動時に遠心力で効率よく給油経路に達
し、スラスト面に到達することにより、起動時の潤滑特
性を向上させる作用を有する。請求項5に記載の発明
は、ベアリングスラスト面の外周側の全周であり、かつ
前記ベアリングスラスト面以上の高さの壁を備えたもの
であり、低速回転時など供給油量が不十分な条件下にお
いて、スラスト軸受における油面を向上させることによ
り、スラスト軸受における油膜の巻き込みを容易にし、
低速運転時などの潤滑特性を向上させる作用を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明に、さ
らにベアリングスラスト面の内周側の全周に、かつベア
リングスラスト面以上の高さの壁を備えたものであり、
低速回転時など供給油量が不十分な条件下において、ス
ラスト軸受における油面を向上させることにより、スラ
スト軸受における油膜の巻き込みを容易にし、低速運転
時などの潤滑特性を向上させる作用を有する。さらに、
停止時に壁に遮られることにより、スラスト軸受に潤滑
油がたまるため、起動時の潤滑特性を向上させる作用を
有する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明による密閉型圧縮機
の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、従来と同一構造につては、同一符号を付して詳細
な説明を省略する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1による密
閉型圧縮機の断面図である。図2は、同実施の形態によ
るスラスト軸受の断面図である。図1、図2において、
25はクランクシャフト7の上端、すなわち機械側端部
に設けられたフランジ9に設けられた給油経路であり、
フランジ9の上端面から、シャフトスラスト面15に連
通している。また、この構成においてはベアリングスラ
スト面16に油溝を設けていない。以上のように構成さ
れた密閉型圧縮機のスラスト軸受について、以下その動
作を説明する。潤滑油20は、クランクシャフト7に設
けられた給油コーン19から吸い上げられ、ベアリング
スラスト面16の内周側に設けられたテーパー部21に
貯えられる。さらに、偏心軸10の内部に設けられた偏
心通路18を通り、偏心軸10の上部及び側面に設けら
れた穴から排出され、コネクティングロッド11、ピス
トン14などに供給される。コネクティングロッド11
やピストン14などに供給された潤滑油20の一部は各
部品によってはねかえり、フランジ9の上端面に降りか
かる。この降りかかった潤滑油20は給油経路25を通
って、スラスト軸受17に到達する。ここで、従来のよ
うにテーパー部21に到達した潤滑油20を、スラスト
軸受17とコネクティングロッド11やピストン14な
どの摺動部に分配する必要が無く、いったんコネクティ
ングロッド11やピストン14などの潤滑に用いられた
潤滑油20を回収することにより、低速回転時など給油
コーン19から吸い上げられる総給油量が少ない条件に
おいても、スラスト軸受17への給油量を増すことによ
り、潤滑特性を向上させることができる。以上のように
本実施の形態の密閉型圧縮機は、フランジ9の上端面か
らシャフトスラスト面15に連通する給油経路25を備
え、他の摺動部から排出された潤滑油20をスラスト軸
受17に直接給油することにより、給油量を増加させ、
低速回転時などにおける潤滑特性を向上させることによ
り、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができ
る。なお、ここでは密閉型圧縮機の一例として往復式圧
縮機を示したが、スクロール圧縮機や、ロータリー圧縮
機など、回転軸が縦方向であるほかの種類の圧縮機にお
いても同じ効果が期待できる。 (実施の形態2)図3は本発明の実施の形態2による密閉
型圧縮機のスラスト軸受の断面図である。図3におい
て、25はクランクシャフト7のフランジ9に設けられ
た給油経路であり、フランジ9の上端面から、シャフト
スラスト面15に連通している。また、この構成におい
てはベアリングスラスト面16に油溝を設けていない。
フランジ9の上端面でかつ給油経路25の内周側に凹部
26を備えている。以上のように構成された密閉型圧縮
機について、以下その動作を説明する。潤滑油20は、
クランクシャフト7に設けられた給油コーン19から吸
い上げられ、ベアリングスラスト面16の内周側に設け
られたテーパー部21に貯えられる。さらに、偏心軸1
0の内部に設けられた偏心通路18を通り、偏心軸10
の上部及び側面に設けられた穴から排出され、コネクテ
ィングロッド11、ピストン14などに供給される。コ
ネクティングロッド11やピストン14などに供給され
た潤滑油20の一部は各部品によってはねかえり、フラ
ンジ9の上端面に降りかかる。この降りかかった潤滑油
20は給油経路25を通って、スラスト軸受17に到達
する。また、密閉型圧縮機の停止時においては、コネク
ティングロッド11やピストン14等に付着した潤滑油
20は流れ落ちてフランジ9の凹部26に貯えられる。
密閉型圧縮機の起動時に凹部26に貯えられた潤滑油2
0は遠心力によって給油経路25に達し、さらにスラス
ト軸受17に到達する。ここで、従来のようにテーパー
部21に到達した潤滑油20を、スラスト軸受17とコ
ネクティングロッド11やピストン14などの摺動部に
分配する必要が無く、いったんコネクティングロッド1
1やピストン14などの潤滑に用いられた潤滑油20を
回収することにより、低速回転時など、給油コーン19
によって吸い上げられる総給油量が少ない条件において
も、スラスト軸受17への給油量を増すことにより、潤
滑特性を向上させることができる。また、凹部26に潤
滑油20を貯え、起動時に遠心力にて給油経路25から
スラスト軸受17に供給することにより、従来より短時
間にスラスト軸受17への給油が可能となり、起動時の
潤滑特性を向上させることができる。以上のように本実
施の形態の密閉型圧縮機は、フランジ9の上端面からシ
ャフトスラスト面15に連通する給油経路25を設け、
さらにフランジ9の上端面で、かつ給油経路の内周側に
設けた凹部26を備えることにより、実施の形態1の効
果に加え、密閉型圧縮機1の停止時に、他の摺動部に付
着した潤滑油20をためておき、起動時に遠心力にて給
油経路25からスラスト軸受17に供給させることによ
り、従来よりも短時間でスラスト軸受17に潤滑油20
を供給でき、起動時の潤滑特性を向上させ、信頼性の高
い密閉型圧縮機を提供することができる。なお、ここで
は密閉型圧縮機の一例として往復式圧縮機を示したが、
スクロール圧縮機や、ロータリー圧縮機など、回転軸が
縦方向であるほかの種類の圧縮機においても同じ効果が
期待できる。 (実施の形態3)図4は本発明の実施の形態3による密閉
型圧縮機のスラスト軸受の断面図である。図4におい
て、25はクランクシャフト7のフランジ9に設けられ
た給油経路であり、フランジ9の上端面から、シャフト
スラスト面15に連通している。また、この構成におい
てはベアリングスラスト面16に油溝を設けていない。
27はフランジ9の上端面で、かつ給油経路25の外周
側にあり上方に伸びる壁である。以上のように構成され
た密閉型圧縮機のスラスト軸受において、以下その動作
を説明する。潤滑油20は、クランクシャフト7に設け
られた給油コーン19から吸い上げられ、ベアリングス
ラスト面16の内周側に設けられたテーパー部21に貯
えられる。さらに、偏心軸10の内部に設けられた偏心
通路18を通り、偏心軸10の上部及び側面に設けられ
た穴から排出され、コネクティングロッド11、ピスト
ン14などに供給される。コネクティングロッド11や
ピストン14などに供給された潤滑油20の一部は各部
品によってはねかえり、フランジ9の上端面に降りかか
る。この降りかかった潤滑油20は給油経路25を通っ
て、スラスト軸受17に到達する。さらに壁27ははね
かえった潤滑油20を給油通路25に効率よく導く働き
をする。ここで、従来のようにテーパー部21に到達し
た潤滑油20を、スラスト軸受17とコネクティングロ
ッド11やピストン14などの摺動部に分配する必要が
無く、いったんコネクティングロッド11やピストン1
4などの潤滑に用いられた潤滑油20を回収することに
より、低速回転時など給油コーンによって吸い上げられ
る総給油量が少ない条件においても、スラスト軸受17
への給油量を増すことにより、潤滑特性を向上させる。
【0008】以上のように本実施の形態の密閉型圧縮機
は、フランジ9の上端面からシャフトスラスト面15に
連通する給油経路25を設け、さらにフランジ9の上端
面で、かつ給油経路25の外周側に設けた壁27を備
え、ピストン14やコネクティングロッド11などから
排出される潤滑油20を効率よく回収することにより、
実施の形態1よりもさらに、スラスト軸受17への給油
量を増加させ、低速回転時などにおける潤滑特性を向上
させて、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することがで
きる。なお、ここでは密閉型圧縮機の一例として往復式
圧縮機を示したが、スクロール圧縮機や、ロータリー圧
縮機など、回転軸が縦方向であるほかの種類の圧縮機に
おいても同じ効果が期待できる。
【0009】(実施の形態4)図5は本発明の実施の形態
4による密閉型圧縮機のスラスト軸受の断面図である。
図5において、25はクランクシャフト7のフランジ9
に設けられた給油経路であり、フランジ9の上端面か
ら、シャフトスラスト面15に連通している。また、こ
の構成においてはベアリングスラスト面16に油溝を設
けていない。フランジ9の上端面でかつ給油経路25の
内周側に凹部26を備えている。27はフランジ9の上
端面で、かつ給油経路25の外周側にあり上方に伸びる
壁である。以上のように構成された密閉型圧縮機のスラ
スト軸受において、以下その動作を説明する。潤滑油2
0は、クランクシャフト7に設けられた給油コーン19
から吸い上げられ、ベアリングスラスト面16の内周側
に設けられたテーパー部21に貯えられる。さらに、偏
心軸10の内部に設けられた偏心通路18を通り、偏心
軸10の上部及び側面に設けられた穴から排出され、コ
ネクティングロッド11、ピストン14などに供給され
る。コネクティングロッド11やピストン14などに供
給された潤滑油20の一部は各部品によってはねかえ
り、フランジ9の上端面に降りかかる。この降りかかっ
た潤滑油20は給油経路25を通って、スラスト軸受1
7に到達する。さらに壁27ははねかえった潤滑油20
を給油通路25に効率よく導く働きをする。また、密閉
型圧縮機1の停止時においては、コネクティングロッド
11やピストン14等から排出された潤滑油20はフラ
ンジ9の凹部26に貯えられる。密閉型圧縮機1の起動
時に凹部26に貯えられた潤滑油20は遠心力によって
給油経路25に達し、さらにスラスト軸受17に到達す
る。ここで、従来のようにテーパー部21に到達した潤
滑油20を、スラスト軸受17とコネクティングロッド
11やピストン14などの摺動部に分配する必要が無
く、いったんコネクティングロッド11やピストン14
などの潤滑に用いられた潤滑油20を回収することによ
り、低速回転時など、給油コーンによる総給油量が少な
い条件においても、スラスト軸受17への給油量を増す
ことにより、潤滑特性を向上させ、信頼性の高い密閉型
圧縮機を供給することが可能となる。また、凹部26に
潤滑油20を貯え、起動時に遠心力にて給油経路25か
らスラスト軸受17に供給できる。さらに、壁27はこ
の場合も潤滑油20を給油経路25に効率よく導く働き
をする。これらの作用によって、従来より短時間にスラ
スト軸受17への給油が可能となり、起動時の潤滑特性
を向上させる。
【0010】以上のように本実施の形態の密閉型圧縮機
は、フランジ9の上端面からシャフトスラスト面15に
連通する給油経路25を設け、フランジ9の上端面で、
かつ給油経路25の内周側に凹部26を設け、さらにフ
ランジ9の上端面で、かつ給油経路25の外周側に設け
た壁27を備えているので、ピストン14やコネクティ
ングロッド11などから排出される潤滑油20を効率よ
く回収することにより、実施の形態2よりもさらに、ス
ラスト軸受17への給油量を増加させ、低速回転時など
における潤滑特性をさらに向上させる。また、起動時に
おいても凹部26にたまった潤滑油20を効率よく給油
経路25に導くことにより、起動時における潤滑特性を
さらに向上させ、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供する
ことができる。なお、ここでは密閉型圧縮機の一例とし
て往復式圧縮機を示したが、スクロール圧縮機や、ロー
タリー圧縮機など、回転軸が縦方向であるほかの種類の
圧縮機においても同じ効果が期待できる。
【0011】(実施の形態5)図6は本発明の実施の形態
5による密閉型圧縮機のスラスト軸受の断面図である。
図6において、28はベアリングスラスト面16の外周
側の全周に設けられ、ベアリングスラスト面16以上の
高さを持つ壁である。以上のように構成された密閉型圧
縮機のスラスト軸受において、以下その動作を説明す
る。潤滑油20は、クランクシャフト7に設けられた給
油コーン19から吸い上げられ、ベアリングスラスト面
16の内周側に設けられたテーパー部21に貯えられ
る。スラスト面へは、油溝22に導かれた潤滑油20が
スラスト軸受17に巻き込まれることによって、油膜を
形成する。
【0012】この時に、潤滑油20の供給油量が少な
く、従来の構成では油面が油溝22の最下端の高さまで
しか達成せず、スラスト軸受17への供給が困難となる
条件においても、壁28を設け、この高さをベアリング
スラスト面16以上とすることができ、油面をスラスト
軸受17の摺動面まで上昇させることが可能となる。こ
の結果、スラスト軸受17において油膜の形成を容易に
し、潤滑特性を向上させる。
【0013】以上のように、本実施の形態の密閉型圧縮
機は、ベアリングスラスト面16の外周側の全周にベア
リングスラスト面以上の高さの壁28を設けることによ
り、供給油量が少ない条件においても、スラスト軸受1
7における油膜の形成を容易にすることができ、潤滑特
性を向上させ、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供するこ
とができる。
【0014】なお、ここでは密閉型圧縮機の一例として
往復式圧縮機を示したが、ロータリー圧縮機など、回転
軸が縦方向であるほかの種類の圧縮機においても同じ効
果が期待できる。
【0015】なお、ここでは密閉型圧縮機の一例として
上部に機械部が下部にモーター部が存在する圧縮機を示
したが、上部にモーター部が下部に機械部が存在する圧
縮機においても同じ効果が期待できる。
【0016】(実施の形態6)図7は本発明の実施の形態
6による密閉型圧縮機のスラスト軸受の断面図である。
図7において、28はベアリングスラスト面16の外周
側の全周に設けられ、ベアリングスラスト面16以上の
高さを持つ壁である。また、29はベアリングスラスト
面16の内周側の全周に設けられ、ベアリングスラスト
面16以上の高さを持つ壁である。以上のように構成さ
れた密閉型圧縮機のスラスト軸受において、以下その動
作を説明する。潤滑油20は、クランクシャフト7に設
けられた給油コーン19から吸い上げられ、ベアリング
スラスト面16の内周側に設けられたテーパー部21に
貯えられる。壁29と壁28の間のスラスト軸受17に
導かれた潤滑油20は、スラスト軸受17に巻き込まれ
ることにより油膜を形成する。
【0017】この時に、潤滑油20の供給油量が少な
く、従来の構成では油面が油溝22の最下端の高さまで
しか達成せず、スラスト軸受17への供給が困難となる
条件においても、壁28及び壁29を設け、この高さを
ベアリングスラスト面16以上とすることにより、油面
をスラスト軸受17の摺動面まで上昇させることが可能
となる。この結果、スラスト軸受17において油膜の形
成を容易にし、潤滑特性を向上させる。
【0018】さらに停止時に壁28と壁29の間のスラ
スト軸受17に潤滑油20を貯えることが可能となるた
め、起動時においてもスラスト軸受17に潤滑油20が
存在することにより、潤滑特性を向上させる。
【0019】以上のように、本実施の形態の密閉型圧縮
機は、ベアリングスラスト面16の外周側及び内周側の
全周にベアリングスラスト面以上の高さの壁28、29
を設けることにより、実施の形態5に記載の発明の効果
に加え、起動時においてもスラスト軸受17に潤滑油2
0が存在することにより、起動時における潤滑特性を向
上させ、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することがで
きる。
【0020】なお、ここでは密閉型圧縮機の一例として
往復式圧縮機を示したが、スクロール圧縮機や、ロータ
リー圧縮機など、回転軸が縦方向であるほかの種類の圧
縮機においても同じ効果が期待できる。
【0021】なお、ここでは密閉型圧縮機の一例として
上部に機械部が下部にモーター部が存在する圧縮機を示
したが、上部にモーター部が下部に機械部が存在する圧
縮機においても同じ効果が期待できる。
【0022】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
クランクシャフトのフランジの上端面とシャフトスラス
ト面を連通する給油経路を設けることにより、コネクテ
ィングロッドやピストン等から排出された潤滑油を直接
スラスト軸受に供給することにより、スラスト軸受への
給油量を増加させ、低速回転時などの潤滑特性を向上さ
せることができる。また、請求項2に記載の発明は、請
求項1に記載の発明に加えて、フランジの上端面で、か
つ給油経路の内周側に凹部を設けることにより、請求項
1に記載の発明の効果に加えて、停止時に潤滑油を貯
え、起動時に遠心力にて給油通路からスラスト軸受に給
油することにより、起動時のスラスト軸受への潤滑油の
到達時間を短縮し、起動時の潤滑特性を向上させること
ができる。また、請求項3に記載の発明は、請求項1に
記載の発明に加えて、フランジの上端面で、かつ給油経
路の外周側に壁を設けることにより、コネクティングロ
ッドやピストン等から排出された潤滑油を効率よく回収
し、直接スラスト軸受に供給することにより、請求項1
に記載の効果に加えて、スラスト軸受への給油量をさら
に増加させ、低速回転時などの潤滑特性を向上させるこ
とができる。
【0023】また、請求項4に記載の発明は、請求項2
に記載の発明に加えて、フランジの上端面で、かつ給油
経路の外周側に壁を設けることにより、コネクティング
ロッドやピストン等から排出された潤滑油を効率よく回
収し、直接スラスト軸受に供給することができ、請求項
2に記載の発明の効果に加えて、スラスト軸受への給油
量をさらに増加させることができる。従って、低速回転
時などの潤滑特性を向上させ、また、起動時の供給油量
をさらに増加させることによって起動時の潤滑特性を向
上させることができる。
【0024】また、請求項5に記載の発明は、ベアリン
グスラスト面の外周側の全周にベアリングスラスト面以
上の高さの壁を設けることにより、潤滑油の供給油量が
少なく、従来の構成では油面が油溝の最下端の高さまで
しか達成せず、スラスト軸受への供給が困難となる条件
においても、油面をスラスト軸受の摺動面まで上昇させ
ることが可能となり、低速回転時などの潤滑特性を向上
させることができる。また、請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の発明に加えて、ベアリングスラスト面
の内周側の全周にベアリングスラスト面以上の高さの壁
を設けることにより、請求項5に記載の効果に加えて、
停止時に外周側と内周側の壁の間のスラスト軸受に潤滑
油を貯えることが可能となるため、起動時においても潤
滑油が存在することにより、潤滑特性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す密閉型圧縮機の断
面図
【図2】本発明の実施の形態1を示す密閉型圧縮機のス
ラスト軸受の断面図
【図3】本発明の実施の形態2を示す密閉型圧縮機のス
ラスト軸受の断面図
【図4】本発明の実施の形態3を示す密閉型圧縮機のス
ラスト軸受の断面図
【図5】本発明の実施の形態4を示す密閉型圧縮機のス
ラスト軸受の断面図
【図6】本発明の実施の形態5を示す密閉型圧縮機のス
ラスト軸受の断面図
【図7】本発明の実施の形態6を示す密閉型圧縮機のス
ラスト軸受の断面図
【図8】従来の密閉型圧縮機の断面図
【図9】従来の密閉型圧縮機のスラスト軸受の断面図
【符号の説明】
1 密閉型圧縮機 2 密閉容器 3 モーター部 4 機械部 7 クランクシャフト 9 フランジ 13 シリンダー 14 ピストン 15 シャフトスラスト面 16 ベアリングスラスト面 25 給油経路 26 凹部 27 壁 28 壁 29 壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 貴規 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA02 AB03 AC03 BD03 BD09 BD10 BD11 CA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モーター部と、クランクシャフト、ピス
    トン、シリンダー等の機械部と、前記モーター部と機械
    部とを収納した密閉容器と、前記クランクシャフトの機
    械側端部に設けられたフランジと、前記フランジの下端
    面に設けられたシャフトスラスト面と、前記クランクシ
    ャフト等の自重を支え、前記シャフトスラスト面と摺動
    するベアリングスラスト面と、前記フランジの上端面と
    前記シャフトスラスト面を連通する給油経路とからなる
    密閉型圧縮機。
  2. 【請求項2】 フランジの上端面で、かつ給油経路の内
    周側に凹部を備えた請求項1記載の密閉型圧縮機。
  3. 【請求項3】 フランジの上端面で、かつ給油経路の外
    周側に上方に伸びる壁を備えた請求項1記載の密閉型圧
    縮機。
  4. 【請求項4】 フランジの上端面で、かつ給油経路の外
    周側に上方に伸びる壁を備えた請求項2記載の密閉型圧
    縮機。
  5. 【請求項5】 モーター部と、クランクシャフト、ピス
    トン、シリンダー等の機械部と、前記モーター部と機械
    部とを収納した密閉容器と、前記クランクシャフトに設
    けられたフランジと、前記フランジの下端面に設けられ
    たシャフトスラスト面と、前記クランクシャフト等の自
    重を支え、前記シャフトスラスト面と摺動するベアリン
    グスラスト面と、前記ベアリングスラスト面の外周側の
    全周に設けられ、かつ前記ベアリングスラスト面以上の
    高さの壁とからなる密閉型圧縮機。
  6. 【請求項6】 ベアリングスラスト面の内周側の全周に
    設けられ、かつ前記ベアリングスラスト面以上の高さの
    壁を備えた請求項5記載の密閉型圧縮機。
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