JP2001294442A - 陰極線管用ガラスパネルおよびこれを用いた陰極線管ならびに陰極線管の製造方法 - Google Patents

陰極線管用ガラスパネルおよびこれを用いた陰極線管ならびに陰極線管の製造方法

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JP2001294442A
JP2001294442A JP2000247443A JP2000247443A JP2001294442A JP 2001294442 A JP2001294442 A JP 2001294442A JP 2000247443 A JP2000247443 A JP 2000247443A JP 2000247443 A JP2000247443 A JP 2000247443A JP 2001294442 A JP2001294442 A JP 2001294442A
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ray tube
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cathode ray
crt
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正孝 三徳
Fumio Kuramoto
文雄 蔵本
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正道 岡田
Yoichi Hachitani
洋一 蜂谷
Itaru Watanabe
格 渡邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネルの耐圧性、CRT用に適した特性を損
なうことなくCRT全体の軽量化を図ること。 【解決手段】 本発明は、重量%で、57%〜64%の
SiO2、0.1%〜4%のAl23、5%〜10%の
Na2O、5%〜10%のK2O、7%〜13%のSr
O、7%〜11%のBaO、0.1%〜2%のTi
2、0.1%〜4%のZrO2、0.01%〜1%のC
eO2、を含有するガラスを化学強化して得られた陰極
線管用ガラスパネルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームが照射
される陰極線管用ガラスパネルおよびこれを用いた陰極
線管ならびに陰極線管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビモニターの大画面化が進
み、それに伴い陰極線管(以下、単に「CRT」と言
う。)の重量増加が顕著になってきている。この重量が
増大する最大の原因はガラスの重量である。CRTセッ
トのうち、ガラス部材が重量全体の約6割を占める。C
RT用ガラス部材は大きく分けて、画面を映写するパネ
ルと、背面のファンネル、電子銃部分のネックの3つの
部分から構成されている。そのガラス重量の中で大部分
を占めるのがパネル部分である。
【0003】例えば、36インチのCRTパネルの厚さ
は20mm以上、重量は40kg程度であり、テレビセ
ットは70kg程度になる。このため、特に日本の住宅
環境では大画面テレビセットの設置が困難であるばかり
でなく、このような重たいCRTを移送するための配送
運搬にも大きなエネルギーやコストが必要となる。
【0004】従来のCRT用ガラスとしては、PbOや
SrO、BaOを多く含有したガラスが用いられてい
る。例えば、特公昭59−27729号公報には、Ba
O、SrO、ZrO2を含有するCRT用フェースプレ
ートが開示されている。
【0005】しかし、この種のガラスは、実際に曲げ強
度を測ると50MPa程度であり、CRTセットとして
大気圧に耐えうる強度を確保するためにはガラスを厚く
せざるを得ず、大画面の要求に対応するために大変な重
量増を強いられることになる。しかも、ガラス表面に傷
が付いた場合には曲げ強度が著しく低下し、実質的に2
5MPa〜30MPa程度の強度になってしまう。
【0006】さらに近年、パネル部分を平面ガラスで作
製した平面CRTが市販されている。内部が真空状態の
CRTに平面ガラスを用いるには、大気圧を平面で耐え
るために十分なガラスの強度が必要であり、空冷強化な
どによって作製された強化ガラス(以下、単に「物理強
化ガラス」と言う。)を用いる方法が実用化されてい
る。
【0007】しかし、物理強化は、どちらかというと厚
いガラスに適している。すなわち、薄いガラスでは高強
度を得るのが困難である。そのため、物理強化ガラスを
用いたCRTはパネル部分のガラス厚が厚く、そのため
実質的な重量軽減効果が少ない。
【0008】また、ブラウン管の製造工程ではフリット
シールのため400℃〜450℃に加熱する処理が必要
となる。この際、物理強化ガラスでは応力歪みが緩和さ
れやすく、強度の低下を招きやすい。そのため実質的に
は100MPa程度の強度のものが多く、軽量化は困難
である。
【0009】一方、電子線照射によるパネルガラスの着
色(ブラウニング)防止を目的として、イオン交換ガラ
スをパネルガラスに用いることも試みられている。例え
ば、特開昭50−105705号公報には、電子線が照
射されるガラスの被照射表面層に存在するリチウムある
いはナトリウムをカリウム、ルビジウム、セシウムある
いは水素のうち少なくとも一種をもってイオン交換する
ことを特徴とする電子線被照射ガラスの製造方法が開示
されている。
【0010】また、特公平7−108797号公報に
は、ソーダライムシリカガラス製パネルの少なくとも電
子線が照射される表面のナトリウムイオンをカリウムイ
オンとリチウムイオンとに置換したガラスパネルが開示
されている。
【0011】さらに、特公平7−42140号公報で
は、Na2Oをアルカリ酸化物合計量の65%以上含有
するガラスを用い、そのガラスのナトリウムイオンとカ
リウムイオンとをイオン交換して得る化学強化CRT用
ガラスが開示されている。
【0012】また、CRT用ガラスパネルとして、表面
に化学強化を施す技術としては、特開平1−31923
2号公報、特許第2904067号で開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
50−105705号公報、特公平7−108797号
公報および特公平7−42140号公報で開示される技
術においては、いずれもブラウニング対策が目的であ
り、加傷強度や曲げ強度について向上を図ることはでき
ない。
【0014】しかも、特公平7−42140号公報で開
示される技術では、Na2Oをアルカリ酸化物合計量の
65%以上含有しているため、熱膨張係数が大きく、耐
失透性や化学的耐久性に問題がある。
【0015】また、化学強化ガラスで強度を向上させる
観点から特許第2837005号で開示される技術で
は、圧縮応力層の深さが200μm〜260μmと深
く、抗折強度が82〜98kgf/mm2と高いことか
ら、深いクラックに対しても十分な強度を得ることがで
きる。
【0016】ところが、ガラスの強度は向上できるもの
の、CRT用ガラスパネルに必要な特性、例えばブラウ
ニング対策については考えられておらず、このままでは
CRT用として適用することはできない。
【0017】さらに、特開平1−319232号公報や
特許第2904067号で開示されるような、CRT用
ガラスパネルの表面に化学強化を施す技術においては、
イオン交換によって形成される応力歪み層が表面から5
0μm以下であることから、ガラス表面に大きな傷を受
けると応力歪み層の大部分に達したり、貫通してしまう
ことになる。これではCRT用ガラスパネルとして十分
な加傷強度を得ることができず、特に大型でフラットな
CRT用として薄型軽量化を実現する上で大きな問題と
なる。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するために成されたものである。すなわち、本発
明の陰極線管用ガラスパネルは、重量%で、57%〜6
4%のSiO2、0.1%〜4%のAl23、5%〜1
0%のNa2O、5%〜10%のK2O、7%〜13%の
SrO、7%〜11%のBaO、0.1%〜2%のTi
2、0.1%〜4%のZrO2、0.01%〜1%のC
eO2、を含有するガラスを化学強化して得られたもの
である。また、このような陰極線管用ガラスパネルを用
いた陰極線管である。
【0019】さらに、陰極線管用ガラスパネルを構成す
る工程と、陰極線管用ガラスパネルに内部部材取り付け
用の治具を取り付けた後、陰極線管用ガラスパネルの化
学強化を施す工程とを備える陰極線管の製造方法であ
る。
【0020】このような本発明では、陰極線管用ガラス
パネルとして、ブラウニング対策に優れたものとなると
ともに、化学強化によって深い応力歪み層を得て十分な
強度をもたせることができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本実施形態に係るCRT用ガラスパネル
は、主としてCRTの軽量化を図る観点から、厚さを薄
くしても所望の特性を確保できる点に特徴がある。
【0022】本実施形態のCRT用ガラスパネルは、重
量%で、57%〜64%のSiO2、0.1%〜4%の
Al23、5%〜10%のNa2O、5%〜10%のK2
O、7%〜13%のSrO、7%〜11%のBaO、
0.1%〜2%のTiO2、0.1%〜4%のZrO2
0.01%〜1%のCeO2、を含有するガラスを化学
強化して得られたものである。また、この化学強化は、
表面をイオン交換することによって行われる。
【0023】次に、本実施形態のCRT用ガラスパネル
の特徴について詳細に説明する。本実施形態では、上記
のようなガラス組成によってX線吸収係数が28cm-1
以上となり、ブラウニングが抑制されたガラスパネルを
製造することができる。また、熱膨張係数が従来から使
用されているファンネルと等しく、信頼性の高いフリッ
トシールが可能となる。さらに、プレス成形が容易であ
り、複雑な形状の大型パネルも製造することができる。
【0024】また、本実施形態のCRT用ガラスパネル
では、イオン交換による応力歪み層の厚さが表面から5
0μmを超えて150μm程度まで形成できるので、ガ
ラス表面に傷を受けた場合でも、その傷が応力歪み層を
貫通しないようにすることができる。つまり、ガラス表
面に受ける傷としては通常大きくても50μm以下であ
り、本実施形態のように50μmを超える応力歪み層を
形成しておくことで、通常の傷であれば応力歪み層を貫
通することはない。このため、CRTパネルの耐圧性を
低下させずに薄くして軽量化を図ることができるように
なる。
【0025】さらに、応力歪み層がイオン交換により形
成されているので、ガラスを加熱処理する際、物理強化
ガラスのようにガラスの強度が低下しにくい。したがっ
て、フリットシール工程等の熱処理工程を経ても強度低
下を起こすことなく、CRT用パネルとして十分な強度
を保持できるようになる。これにより、CRT用ガラス
パネルの厚さを薄くすることができ、CRT全体の重量
を軽量化できるようになる。
【0026】また、本実施形態に係るCRT用ガラスパ
ネルでは、組成の中のアルカリ酸化物のうち、Na2
の割合を65%未満にしている。これにより、耐失透性
や化学的耐久性に優れたガラスを構成でき、しかも熱膨
張係数を大きくしすぎないようにすることができる。
【0027】このため、大型CRTパネルのプレス成形
が容易となり、またファンネルとの熱膨張係数の整合を
図りやすいので接合時の剥離やクラックの発生を抑制で
きることになる。
【0028】さらに、ナトリウム含有割合を低く抑えて
いるのでガラス中のナトリウムイオンの移動が抑制さ
れ、特にフリットシール面においてナトリウムイオンの
拡散に起因する電圧リーク発生を防止できる。しがたっ
て、生産効率よく信頼性、耐久性の優れたCRTを製造
できるようになる。
【0029】また、本実施形態のCRT用ガラスパネル
は、上記成分の他、MgO、CaO、ZnO、Sb
23、NiO、Co23よりなる群より選ばれた少なく
とも1つの酸化物を含有していてもよい。これらの成分
を任意に加えることで、溶融性の向上、X線吸収係数や
熱膨張係数、清澄、透過率の調整など、ガラスの製造を
容易にしたり、特性を適宜調整することができる。
【0030】また、本実施形態のCRT用ガラスパネル
は、曲げ強度として200MPa以上を有するものであ
る。従来のCRT用ガラスパネルの曲げ強度100MP
aに比べ、200MPa以上にすることでガラスの厚さ
を約3割薄くすることができる。つまり、CRT用ガラ
スパネルは、CRTセットとして組み立てた場合、大気
圧に耐えうるための厚さ、曲げ強度が必要となる。一般
に、CRT用ガラスパネルの厚さと強度(曲げ強度)と
の間には以下のような関係がある。
【0031】厚さ∝1/√強度
【0032】このため、強度が小さいと厚さが増加し
て、CRTセットの重量増加につながる。本実施形態の
ように、CRT用ガラスパネルの曲げ強度を200MP
a以上、例えば、300MPaにすると、36インチの
CRTで従来(曲げ強度70MPaの時)20mmの厚
さが必要であったものが、約9mmまで薄くすることが
可能となる。このような薄型化により、CRT用ガラス
パネルの軽量化、すなわちCRT全体の軽量化を図るこ
とができる。
【0033】また、CRT用ガラスパネルを薄くできる
ことから、パネルとファンネルとをフリットシールガラ
スにより接着する工程において、パネルに急激な温度差
が生じてもパネル内部と表面との温度差が低減され、応
力歪みが低減されることになる。その結果、フリットシ
ール工程などでパネルに急激な温度差が生じても破損し
にくいパネルを提供できる。つまり、フリットシール工
程などにおける従来の加熱スピード、冷却スピードを速
くすることができ、CRTの生産性を向上させることが
できる。
【0034】また、本実施形態のCRT用ガラスパネル
は、30℃〜300℃における熱膨張係数が95〜10
5×10-7/℃である。これにより、従来から使用され
ているファンネルの熱膨張係数と整合させることがで
き、フリットシールの際、接合部の剥離やクラックの発
生を抑制して信頼性の高い接合を行うことができる。さ
らに、製造工程およびその他の材料、例えばファンネル
やネックを変更することなくCRTの軽量化を図ること
ができる。
【0035】このように、イオン交換によって応力歪み
層を形成する化学強化ガラスは、薄板でも高強度が得ら
れる。また、物理強化ガラスに比べて熱処理による強度
低下が起こりにくく、フリットシール工程を経ても大き
く強度が低下することはない。
【0036】本実施形態のCRT用ガラスパネルは、未
強化ガラスに比べて2倍以上の曲げ強度を有している。
これによりCRTのパネルを大幅に薄くでき、軽量化を
図ることができる。また、同じ強度を得るにもパネルを
薄くできるため、耐熱衝撃性に優れ、しかも加熱あるい
は冷却速度を速くできることから生産タクトが向上し、
コストダウンを図ることができる。
【0037】さらに、本実施形態のCRT用ガラスパネ
ルを適用したCRTでは、ガラスパネルの応力歪み層が
表面から50μmを超えるため、CRTの外部から衝撃
を受けてもその衝撃が応力歪み層を貫通することがな
く、十分な破損防止効果を得ることができる。
【0038】この破損防止効果を実証する方法として、
加傷強度試験がある。加傷強度試験とは、#150のサ
ンドペーパーで被試験物の表面に均一に傷を付け(以
下、単に「#150加傷」と言う。)、曲げ強度を測定
することによって、ガラスに傷が付いて荷重を受けたと
きの破壊強度を確認することができる。
【0039】本実施形態のCRT用ガラスパネルは、#
150加傷後曲げ強度が100MPa以上であり、これ
は未強化ガラスの加傷強度に比べて2倍以上の強度に相
当する。
【0040】上記のように、本実施形態のCRT用ガラ
スパネルは応力歪み層の厚さが50μmを越えるため、
ガラス表面の傷が応力歪み層を貫通しにくく、傷の先端
が圧縮応力層の内部に位置する可能性が高い。その圧縮
応力のため外部から荷重がかかっても傷が伸展しにく
く、高い加傷強度を実現している。
【0041】次に、本実施形態のCRT用ガラスパネル
の組成について説明する。SiO2はガラスの基本成分
であり、57%未満では熱膨張係数が大きくなるうえ、
化学的耐久性が悪化する。逆に64%を超えると溶融が
困難となる。そこで、本実施形態では、SiO2の含有
量を57%〜64%にしている。好ましくは60%〜6
2%である。
【0042】Al23はガラスの耐失透性、化学的耐久
性を向上させる成分であるが、0.1%未満ではその効
果がなく、逆に4%を超えると熱膨張係数が低下する。
そこで、本実施形態では、Al23の含有量を0.1%
〜4%にしている。好ましくは1%〜2%である。ま
た、Al23を含有することにより、イオン交換が促進
され、より応力歪み層の深さを大きくすることができ
る。
【0043】Na2Oはガラスの溶融性と耐ブラウニン
グ性を改善する成分であり、かつガラス表層部でイオン
交換処理浴中の主としてKイオンとイオン交換されるこ
とにより、ガラスを化学強化するための成分である。N
2Oが5%未満では溶融性が悪化し、逆に10%を超
えると耐失透性と化学的耐久性が低下し、熱膨張係数も
大きくなる。そこで、本実施形態ではNa2Oの含有量
を5%〜10%にしている。好ましくは6%〜8%であ
る。
【0044】K2Oにガラスの溶融性と耐ブラウニング
性を改善する成分である。K2Oが6%未満では溶融性
が悪化し、逆に10%を超えると耐失透性と化学的耐久
性が低下する。そこで、本実施形態ではK2Oの含有量
を5%〜10%にしている。好ましくは6%〜8%であ
る。
【0045】SrOはガラスの溶融性を向上させ、X線
吸収係数を高める成分である。SrOが7%未満ではX
線吸収係数が小さくなり、逆に13%を越えると液相温
度が上昇する。そこで、本実施形態ではSrOの含有量
を8%〜13%にしている。好ましくは8%〜10%で
ある。
【0046】BaOもガラスの溶融性を向上させ、X線
吸収係数を高める成分である。BaOが7%未満ではX
線吸収係数が小さくなり、逆に11%を越えると液相温
度が上昇する。そこで、本実施形態ではBaOの含有量
を7%〜11%にしている。好ましくは8%〜10%で
ある。
【0047】TiO2はガラスのブラウニングを防止す
る成分である。0.1%未満では効果がなく、逆に2%
を超えると耐失透性が低下する。そこで、本実施形態で
はTiO2の含有量を0.1%〜2.0%にしている。
好ましくは0.2%〜1%である。
【0048】ZrO2はX線吸収係数を高めるとともに
イオン交換を促進し、より深い応力歪み層の形成を可能
とする成分である。0.1%未満では効果がなく、逆に
4%を超えると耐失透性が低下する。そこで、本実施形
態ではZrO2の含有量を0.1%〜4%にしている。
好ましくは1%〜2%である。
【0049】MgO、CaO、ZnO、Sb23はガラ
スの溶融性の向上、X線吸収係数の調整、ガラス粘度の
調整、清澄剤として用いられる。MgO、CaO、Zn
Oは各々3%未満、Sb23は1%未満が好ましい。ま
た、NiO、Co23はガラスの透過率を調整するため
に用いられる。NiOは0.5%未満、Co23は0.
01%未満が好ましい。
【0050】上記組成の中でアルカリ酸化物(Na
2O、K2O)のうちNa2Oの割合が65%以上である
と、ガラスの耐失透性や化学的耐久性が低下するほか、
熱膨張係数が大きくなる。さらにガラス中のナトリウム
イオンの移動が起こりやすく、特にフリットシール面に
おいてナトリウム拡散に起因する電圧リークが発生しや
すい。そこで、本実施形態ではアルカリ酸化物のうちN
2Oの割合を65%未満にしている。好ましくは55
%未満である。
【0051】ここで、ガラスの熱膨張係数はCRT製造
工程、特にフリットシール工程において重要となる。現
在主流のガラスパネルとファンネルとは熱膨張係数が9
8〜101×10-7/℃である。ガラスパネルの熱膨張
係数がこの範囲から大きく外れると、現在主流のファン
ネルの熱膨張係数と整合しないため、パネルとファンネ
ルとのフリットシールにおいて、接合部の剥離やクラッ
クが発生しやすく、信頼性の高いフリットシールが困難
となる。そこで、本実施形態では30℃〜300℃にお
ける熱膨張係数を95〜105×10-7/℃にしてい
る。好ましくは98〜101×10-7/℃である。
【0052】本実施形態のCRT用ガラスパネルにおけ
る製造方法は、例えば以下のような手順が挙げられる。
先ず、上記のガラス原料を先に説明した組成になるよう
秤量し、混合して調合原料とする。これを耐熱坩堝に入
れ、1400℃〜1500℃程度の温度で溶融し、攪
拌、清澄して均質な溶融ガラスとする。
【0053】次いで、ガラスを成形枠に鋳込み、ガラス
ブロックを成形する。あるいはCRT形状にプレス成形
する。そして、ガラスの徐冷点近くに加熱した炉に移
し、室温まで冷却する。徐冷して得られたガラスブロッ
クはスライス、研磨等が施される。
【0054】次に、ガラスパネルの内側面に色選別装置
(例えば、アパーチャグリル)を取り付けるためのパネ
ルピン(治具)を埋め込む処理を行う。
【0055】その後、ガラスパネルをアルカリ溶融塩中
にてイオン交換する。アルカリ溶融塩の組成と処理温
度、処理時間は、ガラス組成に応じて適宜選択する。所
定の時間保持した後、ガラスパネルを取り出し洗浄す
る。本発明のガラス組成には、硝酸カリウムが好ましく
用いられる。好ましい処理温度は350℃〜550℃で
ある。処理時間は処理温度に依存し、低温であるほど長
時間を要する。深い応力歪み層を得るための好ましい処
理時間は4時間以上、さらに好ましくは10時間以上で
ある。
【0056】このように、イオン交換によって化学強化
されるCRT用ガラスパネルでは、予めパネルピンを取
り付けてから表面の強化を施すことができ、パネルピン
取り付け時の加熱で表面の応力歪み層が緩和されてしま
うことを防止できるようになる。
【0057】ここで、イオン交換で得られた応力歪み層
の厚さは精密歪み計を用いたバビネ補整器法または偏光
顕微鏡を用いる方法などで求めることができる。また、
偏光顕微鏡を用いる場合は、先ずガラス試料をイオン交
換表面に対して略垂直に切断し、その断面が0.5mm
以下になるよう薄く研磨する。その後、偏光顕微鏡にて
研磨面に垂直に光を入射し、直行ニコルにて観察する。
強化ガラスは表面近傍に歪み層が形成されるため、表面
から明るさや色の変化している部分の距離を測定するこ
とによって応力歪み層の厚さを測定することができる。
【0058】歪みの測定にバビネ補整器法を用いること
は、例えばガラス工学ハンドブック(1999年7月5
日初版第1刷、編者…山根正之ほか、発行所…朝倉書
店)、380頁に記載されている。前記の厚さ0.5m
m以下になるよう薄く研磨した試料をバビネ補整器で観
察し、基準縞の中央とガラス表面で屈曲している縞の中
央とが交差する点の、ガラス表面からの距離を測定する
ことによって応力歪み層の厚さを測定することができ
る。
【0059】また、化学強化ガラスと物理強化ガラスと
の差異は、ガラスパネル表面近傍に含まれる金属イオン
の分布を調べれば分かる。すなわち、よりイオン半径が
大きな金属イオン(例えばアルカリ金属イオン)と、よ
りイオン半径が小さな金属イオン(例えばアルカリ金属
イオン)の深さの分布を調べる。
【0060】つまり、(よりイオン半径が大きな金属イ
オンの密度)/(よりイオン半径が小さな金属イオンの
密度)が、ガラスの深層部(例えば、ガラスの厚みの約
半分の深さの部分)よりも表面に近い部分の方が大き
く、曲げ強度も本実施形態の範囲に入っていれば、イオ
ン交換による化学強化が行われたものであることが分か
る。
【0061】次に、本発明のCRT用ガラスパネルにお
ける実施例および比較例を示す。図1は、実施例1〜4
および比較例1〜2を説明する図である。
【0062】(実施例1〜4)酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩などの原料を図1に示す実
施例1〜4の各組成になるように秤量して混合した調合
原料を、白金坩堝などの耐熱容器に入れ、1300℃〜
1500℃に加熱、溶融、攪拌し、均質化、清澄を行っ
た後、鋳型に流し込んだ。得られたガラスブロックか
ら、65×10×1mmの両面研磨試料を作製し、イオ
ン交換を行った。イオン交換はKNO3を360℃〜4
20℃で保持した溶融塩中に、前記ガラス試料を所定時
間浸漬した後、取り出して洗浄した。図1に、各実施例
の組成と各種測定データを示す。
【0063】ここで、応力歪み層の厚さは、ガラス試料
をイオン交換表面に対して略垂直に切断し、その断面を
厚さ0.5mm以下になるよう薄く研磨した後、偏光顕
微鏡にて研磨面に垂直に偏光を入射し直行ニコルにて観
察し、表面からの距離を求めた。
【0064】さらに、測定方法による差がないことを確
認する目的で、バビネ補整器法による測定も行った。す
なわち、前記の厚さ0.5mm以下になるよう薄く研磨
した試料を、バビネ補整器法を用いて歪み層の厚さを測
定した。
【0065】図2に実施例1のバビネ補整器法による観
察結果を示す。基準縞の中央とガラス表面で屈曲してい
る縞の中央とが交差する点の、ガラス表面からの距離d
を測定した。バビネ補整器法による歪み層の厚さは、偏
光顕微鏡法とほぼ同じ結果であった。
【0066】また、X線吸収係数は、作製したガラス試
料に波長0.06nmのX線を入射し、ガラス反対面か
ら50mm離れた位置の透過線量をもとに吸収係数を計
算したものである。
【0067】熱膨張係数は、熱機械分析装置(TMA)
で測定し、30℃〜300℃の温度範囲における平均線
膨張係数を算出したものである。
【0068】曲げ強度は、JIS−R1601の3点曲
げ試験に準じて測定したが、試料形状は前記65×10
×1mmで行い、算式で曲げ強度を求めた。また、加傷
強度は化学強化後の前記試料の片面を、#150サンド
ペーパーで均一に傷を付け、その面に引っ張り応力がか
かるように荷重をかけながら曲げ強度を測定した。
【0069】耐ブラウニング性は、ガラス試料に21k
V、電流密度0.9μAで電子線を120分照射し、波
長400nmにおける透過率の変化を照射前後で測定
し、次式で求めた値である。
【0070】 耐ブラウニング性=照射前の透過率−照射後の透過率
【0071】実施例1〜4のガラス試料は、CRT用ガ
ラスパネルとして求められるX線吸収係数が28cm-1
以上、熱膨張係数が98〜100×10-7/℃、ブラウ
ニングによる変色がないという特徴を有していながら、
応力歪み層の厚さが70μm以上、未加傷の曲げ強度が
250MPa以上、#150加傷の曲げ強度が100M
Pa以上という特徴も有している。したがって、このガ
ラスを用いることによって、従来の耐圧性を維持しなが
らCRT用ガラスパネルを薄くすることが可能となる。
【0072】(比較例1)比較例1は、特許第2837
005号で開示されるものに相当する。図1の比較例1
に示す組成となるようガラス試料を作製し、イオン交換
を行った。イオン交換はNaNO3(40%)+KNO3
(60%)の混塩を400℃に保持した処理浴中に、前
記ガラス試料を4時間浸漬した後、取り出して洗浄し
た。各種測定方法は上記実施例を同様である。
【0073】比較例1のガラス試料は、応力歪み層の厚
さ、曲げ強度はCRT用ガラスパネルとして十分な数値
を有しているものの、CRT用ガラスパネルに不可欠な
X線吸収係数、耐ブラウニング性を有していない。した
がって、比較例1のガラスはCRT用ガラスパネルとし
て適するものではない。
【0074】(比較例2)比較例2は、特公平7−42
140号公報で開示されるものに相当する。図1の比較
例2に示す組成となるようガラス試料を作製し、イオン
交換を行った。イオン交換はKNO3を460℃に保持
した処理浴中に、前記ガラス試料を1時間浸漬した後、
取り出して洗浄した。各種測定方法は上記実施例を同様
である。
【0075】比較例2のガラス試料は、CRT用ガラス
パネルに必要なX線吸収係数と耐ブラウニング性の特徴
を有しているものの、応力歪み層の厚さが薄く、しかも
曲げ強度が不十分である。したがって、このガラスを用
いてもCRT用ガラスパネルを薄くすることは困難であ
る。
【0076】ここで、本実施例と各比較例との差異を説
明する。
【0077】(本実施例と比較例1(特許第28370
05号)との差異)比較例1(特許第2837005
号)のガラスは、応力歪み層の厚さおよび曲げ強度はC
RT用ガラスパネルとして十分であるものの、X線吸収
係数、耐ブラウニング性を有していない。
【0078】すなわち、SiO2はガラスの基本成分で
あり、両者に含有されているが、同時にX線吸収係数を
下げる成分でもある。比較例1ではSiO2を62%〜
75%と本実施例より多く含んでおり、X線吸収係数が
低い。そのため、CRT用ガラスパネルには適していな
い。本実施例ではSiO2の含有量を57%〜64%に
することで十分なX線吸収係数を確保している。
【0079】また、Al23はガラスの耐失透性、化学
的耐久性およびイオン交換の効率を向上させる成分であ
るが、同時にX線吸収係数を下げる成分でもある。比較
例1ではAl23を5%〜15%含有しているのでX線
吸収係数が低く、CRT用ガラスパネルには適さない。
本実施例では、Al23を0.1%〜4%にすることで
高いX線吸収係数を実現している。
【0080】Li2Oはガラスの溶融性を向上させ、か
つガラス表層部でイオン交換処理浴中の主としてNaイ
オンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化
するための成分として比較例1では用いられている。し
かし、Li2Oは著しくX線吸収係数を下げる成分であ
るため、比較例1ではX線吸収係数が低い。本実施例で
はガラスの溶融性向上のため、Li2OよりX線吸収係
数向上効果の大きいK2Oを含有している。
【0081】Na2Oはガラスの溶融性を改善する成分
であり、かつガラス表層部でイオン交換処理浴中の主と
してKイオンとイオン交換されることにより、ガラスを
化学強化するための成分であり、両者に含有している。
【0082】K2Oはガラスの溶融性と耐ブラウニング
性を改善する成分である。比較例1ではK2Oを含まな
いためブラウニングによるガラスの変色が起こりやす
い。一方、K2Oを5%〜10%含む本実施例では、ブ
ラウニングによる変色が起こりにくい。
【0083】SrOはガラスの溶融性を向上させX線吸
収係数を高める成分である。本実施例には含まれている
が、比較例1には含まれていない。
【0084】BaOもガラスの溶融性を向上させX線吸
収係数を高める成分である。本実施例には含まれている
が、比較例1には含まれていない。
【0085】TiO2はガラスのブラウニングを防止す
る成分である。本実施例には含まれているが、比較例1
には含まれていない。
【0086】ZrO2はガラスの化学的耐久性を向上さ
せるとともにX線吸収係数およびイオン交換の効率を高
める成分である。しかし同時にガラスに溶けにくく、し
かもガラスの耐失透性を低下させる成分でもある。比較
例1では5%〜15%含有しているため、失透やとけ残
りの問題が生じてしまう。
【0087】MgO、CaO、ZnO、Sb23は両者
とも必須ではないが、ガラスの溶融性の向上、X線吸収
係数の調整、ガラス粘度の調整、清澄剤として用いるこ
とができる。
【0088】以上のことから、比較例1のガラス試料
は、応力歪み層の厚さ、曲げ強度についてはCRT用ガ
ラスパネルとして十分な数値を有しているものの、CR
T用ガラスパネルに不可欠なX線吸収係数、耐ブラウニ
ング性を有しておらず、CRT用ガラスパネルとして適
するものではない。
【0089】(本実施例と比較例2(特公平7−421
40号公報)との差異)比較例2(特公平7−4214
0号公報)のガラスは、ガラス母体中のK2O含有量を
減らして原料コストを削減し、溶融性を補うためNa2
Oを多く含有させている。しかし、これによりブラウニ
ングによる変色が大きくなるので表面から2μm〜5μ
mの層をイオン交換によってNa2OとK2Oを共存さ
せ、さらに表面に形成した応力歪み層によって電子線の
進入を妨げることによって耐ブラウニング性を図るもの
である。この点、厚い応力歪み層と高い曲げ強度によっ
てCRT用ガラスパネルを薄く、軽くするという本実施
例と相違する。
【0090】比較例2では、イオン交換された深さ方向
の成分分布に関しての記載はあるものの、応力歪み層の
厚さに関して記載がない。しかし、「電子線の侵入深さ
はせいぜい10μmと見ておけば十分」という記載があ
ることから、それ以上の応力歪み層の厚さは必要ないと
いえる。
【0091】比較例2では、明確なガラス組成の限定は
ないが、アルカリ酸化物合計量のうち65%以上をNa
2Oが占めると記載されている。Na2Oの割合が多いと
溶融性や成形性は向上するものの、ガラスの耐失透性や
化学的耐久性が低下するほか、熱膨張係数が大きくな
る。特公平7−42140号公報の記載からすると、K
2Oが少なくとも7.5%未満であり、好ましくは3%
程度を意図している。
【0092】また、比較例2のガラスは特公平7−42
140号公報の実施例試料No.2に記載されているよ
うに、ガラス母体自身の耐ブラウニング性が極めて悪
い。そのため、比較例2ではブラウニングをガラス裏面
のイオン交換層のNa2OとK2Oとの割合で防止するよ
うにしている。このため、イオン交換の深さが制限さ
れ、応力歪み層の深さを十分に得ることができない。
【0093】さらに、比較例2ではガラス中のナトリウ
ムイオンの移動が起こりやすく、特にフリットシール面
においてナトリウム拡散に起因する電圧リークが発生し
やすくなる。3000時間以上の耐久性試験にかけたと
き、特にこの現象が顕著に現れる。
【0094】以上のことから、比較例2のガラスでは、
X線吸収係数および耐ブラウニング性に関してはCRT
用として特性を満たしているものの、応力歪み層の深さ
に関して十分ではない。つまり、応力歪み層の深さが不
足しているため、加傷後曲げ強度が小さく、CRTパネ
ルとしての使用に耐え得るものではない。
【0095】本実施例のガラス試料では、Na2Oが5
%〜10%、K2Oが5%〜10%であり、ガラス母体
自体のブラウニングによる変色が起こりにくく、しかも
イオン交換効率の制約を受けないので応力歪み層が厚
く、曲げ強度が高いCRT用ガラスパネルを作製でき
る。したがって、本実施例のガラスパネルを用いれば、
薄く軽いCRT用ガラスパネルを提供できることにな
る。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のよれば次
のような効果がある。すなわち、本発明の陰極線管用パ
ネルによれば、パネルの耐圧性を低下させることなく薄
型化を図ることができ、これにより重量を大幅に軽減す
ることが可能となる。しかもフリットシール工程等にお
ける熱処理工程でのガラスの耐性を高めて生産性を向上
させることが可能となる。また、このような陰極線管用
ガラスパネルにより、耐圧性を損なうことなく軽量化さ
れた陰極線管を提供することが可能となる。さらに、本
発明の陰極線管の製造方法により、熱処理工程を経ても
表面の強度を低下させることのない陰極線管を製造する
ことが可能となる。特に本発明は、大型でフラットな陰
極線管に適用することで顕著な効果を得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例を説明する図である。
【図2】バビネ補整器法による観察結果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵本 文雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岡田 正道 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 蜂谷 洋一 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 渡邉 格 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA07 AC16 AC18 HB03 HB14 HB23 4G062 AA03 BB01 DA06 DB02 DB03 DC01 DD01 DE01 DE02 DF01 EA01 EB03 EC03 ED01 ED02 EE01 EE02 EF03 EF04 EG03 EG04 FA01 FB02 FB03 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL02 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM25 NN30 NN33 NN34 5C012 AA01 BB01 5C032 AA01 BB02 BB04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 57%〜64%のSiO2、 0.1%〜4%のAl23、 5%〜10%のNa2O、 5%〜10%のK2O、 7%〜13%のSrO、 7%〜11%のBaO、 0.1%〜2%のTiO2、 0.1%〜4%のZrO2、 0.01%〜1%のCeO2、 を含有するガラスを化学強化して得られたことを特徴と
    する陰極線管用ガラスパネル。
  2. 【請求項2】 前記化学強化はイオン交換により前記ガ
    ラスの表面に応力歪み層を形成するものであることを特
    徴とする請求項1記載の陰極線管用ガラスパネル。
  3. 【請求項3】 前記応力歪み層の深さは、表面から50
    μmを超えることを特徴とする請求項2記載の陰極線管
    用ガラスパネル。
  4. 【請求項4】 前記Na2Oと前記K2Oとの含有割合を
    重量比で、0.65>Na2O/(Na2O+K2O)と
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の陰極線管用ガラスパネル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の陰
    極線管用ガラスパネルを構成する成分の他、MgO、C
    aO、ZnO、Sb23、NiO、Co23よりなる群
    より選ばれた少なくとも1つの酸化物を含有することを
    特徴とする陰極線管用ガラスパネル。
  6. 【請求項6】 曲げ強度として200MPa以上を有す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の陰極線管用ガラスパネル。
  7. 【請求項7】 #150サンドペーパーによる加傷の曲
    げ強度で100MPa以上を有することを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の陰極線管用ガラスパ
    ネル。
  8. 【請求項8】 30℃〜300℃における熱膨張係数が
    95〜105×10- 7/℃であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか一項に記載の陰極線管用ガラスパネ
    ル。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の陰
    極線管用ガラスパネルを用いたことを特徴とする陰極線
    管。
  10. 【請求項10】 陰極線管用ガラスパネルを構成する工
    程と、 前記陰極線管用ガラスパネルに内部部材取り付け用の治
    具を取り付けた後、前記陰極線管用ガラスパネルの化学
    強化を施す工程とを備えることを特徴とする陰極線管の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記陰極線管用ガラスパネルは、重量
    %で、 57%〜64%のSiO2、 0.1%〜4%のAl23、 5%〜10%のNa2O、 5%〜10%のK2O、 7%〜13%のSrO、 7%〜11%のBaO、 0.1%〜2%のTiO2、 0.1%〜4%のZrO2、 0.01%〜1%のCeO2、 を含有するガラスを化学強化して得られたものであるこ
    とを特徴とする請求項10記載の陰極線管の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記陰極線管用ガラスパネルの化学強
    化としてイオン交換を行うことを特徴とする請求項10
    記載の陰極線管の製造方法。
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