JP2001294412A - 被覆ポリリン酸アンモニウムおよびその製造方法 - Google Patents

被覆ポリリン酸アンモニウムおよびその製造方法

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JP2001294412A
JP2001294412A JP2000109656A JP2000109656A JP2001294412A JP 2001294412 A JP2001294412 A JP 2001294412A JP 2000109656 A JP2000109656 A JP 2000109656A JP 2000109656 A JP2000109656 A JP 2000109656A JP 2001294412 A JP2001294412 A JP 2001294412A
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ammonium polyphosphate
coated ammonium
formaldehyde
urea
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JP2000109656A
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Masaya Tanaka
真弥 田中
Kensho Narita
憲昭 成田
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐加水分解性を示し、かつ遊離ホルムア
ルデヒド量が著しく低下した被覆ポリリン酸アンモニウ
ムおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに、
尿素、チオ尿素、エチレン尿素およびエチレンチオ尿素
からなる群より選択される1種以上の化合物およびホル
ムアルデヒドを反応させて被覆ポリリン酸アンモニウム
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆ポリリン酸ア
ンモニウムおよびその製造方法に関する。詳しくは、被
覆ポリリン酸アンモニウムの被覆層がメラミンと尿素類
とホルムアルデヒドとの共縮合樹脂であり、耐加水分解
性に優れ、かつ遊離、揮発するホルムアルデヒドの量が
低減された被覆ポリリン酸アンモニウムおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、世界保健機構(WHO)からVOC
(揮発性有機化合物)等の化学物質が健康に影響を与え
ると言う報告がなされ、ホルムアルデヒドもその対象物
質として挙げられている。一方、ポリリン酸アンモニウ
ムは、室温かつ短時間では難水溶性であるが、高温の水
や長期間にわたって水と接触すると、容易に加水分解す
る。このため、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂やメ
ラミン/ホルムアルデヒド樹脂など、硬化すると水不溶
性となる樹脂で該ポリリン酸アンモニウムを被覆または
マイクロカプセル化して耐加水分解性を向上させること
が行われている。
【0003】しかしながら、該ホルムアルデヒドを使用
した樹脂で被覆またはマイクロカプセル化されたポリリ
ン酸アンモニウムを難燃剤として各種材料に配合して得
られる組成物や該組成物を成形して得られる成形品を密
閉空間に置くと、WHOが健康へ影響を与えるとして指
摘した基準値より高濃度のホルムアルデヒドが遊離、揮
発してくるといった問題が指摘されている。
【0004】ポリリン酸アンモニウムを水不溶性の樹脂
でカプセル化する従来の方法としては、例えば米国特許
4,467,056号公報には約75〜99重量%のポ
リリン酸アンモニウムと個々のポリリン酸アンモニウム
粒子を包む約1〜25重量%の硬化した水不溶性のメラ
ミンとホルムアルデヒドとの重縮合物とからなることを
特徴とするメラミン/ホルムアルデヒド樹脂でマイクロ
カプセル化されたポリリン酸アンモニウムが開示されて
いる。
【0005】さらに特開昭59−207819号公報に
は、前記米国特許に開示されたメラミン/ホルムアルデ
ヒド樹脂でマイクロカプセル化されたポリリン酸アンモ
ニウムの高温における耐加水分解性を改良するための製
造方法が開示されており、特開昭61−103962号
公報には、該マイクロカプセル化されたポリリン酸アン
モニウムの製造時における集塊性を防止し、さらに該マ
イクロカプセル化されたポリリン酸アンモニウムから遊
離、揮発するホルマリンを低減する製造方法として、ポ
リリン酸アンモニウム、水、有機懸濁化剤及びメラミン
/ホルムアルデヒド樹脂とで懸濁液を製造し、該懸濁液
を攪拌下に標準圧又は加圧下に温度50〜180℃に加
熱し、かつ樹脂成分を硬化させるために該懸濁液を15
〜240分放置することを特徴とする方法が開示されて
いる。
【0006】しかしながら、該公報開示のメラミン/ホ
ルムアルデヒドでマイクロカプセル化されたポリリン酸
アンモニウムであっても、生成物から遊離、揮発するホ
ルムアルデヒド量が多く、満足できるものとは言い難
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、耐加水
分解性に優れ、かつ該被覆ポリリン酸アンモニウムから
遊離、揮発するホルムアルデヒドの量が低減された被覆
ポリリン酸アンモニウムを得るべく鋭意研究を行った。
その結果、メラミンと、尿素、チオ尿素、エチレン尿素
およびエチレンチオ尿素からなる群より選択される1種
以上の化合物(以下、単に「尿素化合物」と記すことが
ある)およびホルムアルデヒドとの共縮合樹脂で被覆さ
れた被覆ポリリン酸アンモニウムが、上述の課題を解決
できることを見いだし、また、メラミン被覆ポリリン酸
アンモニウムと尿素化合物およびホルムアルデヒドのそ
れぞれ特定量とを反応させることによって上述の課題を
解決することができる被覆ポリリン酸アンモニウムが容
易に製造されることを見いだし、これらの知見に基づき
本発明を完成した。ここで、本発明における「ホルムア
ルデヒド」とは、「ホルムアルデヒドモノマー」に限ら
ず、その二量体である「ジオキサン」、三量体である
「トリオキサン」等を初めとする多量体「ポリオキサン」
をも包含する概念である。
【0008】以上の記述から明らかなように、本発明の
目的は、優れた耐加水分解性を示し、かつ遊離、揮発す
るホルムアルデヒド量が著しく低下した被覆ポリリン酸
アンモニウムおよびその製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下から構成さ
れる。 (1)メラミンと、尿素、チオ尿素、エチレン尿素およ
びエチレンチオ尿素からなる群より選択される1種以上
の化合物およびホルムアルデヒドとの共縮合樹脂で被覆
された被覆ポリリン酸アンモニウム。
【0010】(2)メラミン被覆ポリリン酸アンモニウ
ムに、尿素、チオ尿素、エチレン尿素およびエチレンチ
オ尿素からなる群より選択される1種以上の化合物およ
びホルムアルデヒドを反応させて得られる被覆ポリリン
酸アンモニウム。
【0011】(3)メラミン含有量が0.5〜20重量
%のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、該メラミン
被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミンの0.
1〜5倍モル量の尿素、チオ尿素、エチレン尿素および
エチレンチオ尿素からなる群より選択される1種以上の
化合物および該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに
含まれるメラミンの0.5〜5倍モル量のホルムアルデ
ヒドを反応させることによって得られる被覆ポリリン酸
アンモニウム。
【0012】(4)水もしくは水と水溶性有機溶媒との
混合溶媒に、メラミン含有量が0.5〜20重量%のメ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウムをスラリーの固形分
濃度で10〜70重量%になるように分散させ、次い
で、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメ
ラミンの0.5〜5倍モル量のホルムアルデヒドを添加
して、温度10℃〜120℃で1分〜3時間反応を行っ
た後、該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれ
るメラミンの0.1〜5倍モル量の尿素、チオ尿素、エ
チレン尿素およびエチレンチオ尿素からなる群より選択
される1種以上の化合物を該反応液に添加し、50℃〜
150℃で30分〜3時間反応させる事を特徴とする被
覆ポリリン酸アンモニウムの製造方法。
【0013】(5)水もしくは水と水溶性有機溶媒との
混合溶媒に、メラミン含有量が0.5〜20重量%のメ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、および該メラミン
被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミンの0.
1〜5倍モル量の尿素、チオ尿素、エチレン尿素および
エチレンチオ尿素からなる群より選択される1種以上の
化合物を分散させ、次いで、該メラミン被覆ポリリン酸
アンモニウムに含まれるメラミンの0.5〜5倍モル量
のホルムアルデヒドを添加して、温度50℃〜150℃
で30分〜3時間反応させる事を特徴とする被覆ポリリ
ン酸アンモニウムの製造方法。
【0014】本発明の被覆ポリリン酸アンモニウムは、
メラミン含有量が0.5〜20重量%のメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム粒子上のメラミン被覆層と尿素化
合物とをホルムアルデヒドで反応させることにより、該
粒子上にメラミン−尿素化合物−ホルムアルデヒド共縮
合樹脂が形成されているポリリン酸アンモニウムであ
り、以下の処理により耐加水分解性が向上し、かつ遊
離、揮発するホルムアルデヒドが低減された被覆ポリリ
ン酸アンモニウムを得ることができる。
【0015】かかる被覆ポリリン酸アンモニウムの製造
方法としては、以下の製造方法を挙げることができる。
すなわち、反応の第一段階として、加熱攪拌機能を備え
た反応容器中にメラミン被覆量0.5〜20重量%のメ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを入れる。このと
き、該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを水もしく
は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒にスラリーの固形分
濃度が10〜70重量%になるように分散させた状態で
反応容器中に入れることが好ましい。次いで、該反応容
器中に所定量のホルムアルデヒドの水溶液を投入して混
合し、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれる
メラミンとホルムアルデヒドが反応してメチロール化が
起こる温度である10〜120℃、好ましくは20〜9
0℃で1分〜3時間反応させ、メラミン被覆ポリリン酸
アンモニウム粒子上のメラミンがメチロール化された中
間生成物を得る。
【0016】次に反応の第二段階として、該反応容器に
所定量の尿素化合物を装入し、メチロール化および/ま
たはメチレン化が起こる温度である50℃〜150℃好
ましくは70℃〜120℃で30分〜3時間反応させて
被覆ポリリン酸アンモニウムとする方法を挙げることが
できる。
【0017】ホルムアルデヒドの使用量は、メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミン1モルに
対し、0.5〜5倍モル量、好ましくは1〜3倍モル量
であればよく、0.1倍モル量よりも少ない場合は、得
られた被覆ポリリン酸アンモニウムの耐加水分解性の向
上は望めず、5倍モル量よりも多い場合には得られる被
覆ポリリン酸アンモニウムから遊離、揮発するホルムア
ルデヒドが増加し、かつ未反応のホルムアルデヒドが廃
液中に多く残留する可能性がある。
【0018】また尿素化合物は、該メラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウムに含まれるメラミン1モルに対し、
0.1〜5倍モル量、好ましくは0.5〜3倍量であ
り、0.1倍モル量より少ない場合は、最終生成物であ
る被覆ポリリン酸アンモニウムから遊離、揮発するホル
ムアルデヒド量が減少せず、5倍モル量よりも多く使用
しても顕著なホルムアルデヒド量の減少の効果が認めら
れず、しかも耐加水分解性を損なうことがある。
【0019】反応の第一段階の温度条件としては、メラ
ミン被覆ポリリン酸アンモニウム中のメラミンとホルム
アルデヒドとのメチロール化反応が起こる温度域、すな
わち10〜120℃、好ましくは20〜90℃であれば
良いが、同時に進行するメチレン化反応を極力抑制した
方が好ましい。そのため、反応中のpHを中性〜アルカ
リ性に保つ方が好ましく、反応系が酸性域である場合に
は、無機もしくは有機塩基を用いて反応系のpHを中性
〜アルカリ性側に制御する方が好ましい。該無機もしく
は有機塩基としては、特に限定されず公知の物を使用す
ることができ、例えば無機塩基としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げ
られる。有機塩基の例としては、トリエチルアミン、ピ
リジンなど第三級アミンを挙げることができる。
【0020】反応の第二段階では、反応の第一段階終了
後の反応器に、尿素化合物を装入し、第一段階で生成し
たメチロール化メラミンと尿素化合物を反応させる。こ
のときの温度は、メチレン化が充分起こる温度であれば
良いが、150℃を超えるとポリリン酸アンモニウムか
らアンモニアの脱離することが有り、その場合、該アン
モニアとホルムアルデヒドの副反応が起こる。メチレン
化反応は、酸性〜中性域で促進するため酸触媒を使用す
ることが好適である。該酸触媒は、無機酸、有機酸のど
ちらでも良く、例えば無機酸の例としては、塩酸、硝
酸、硫酸、スルファミン酸、スルホン酸などを挙げるこ
とができ、有機酸の例としては、ぎ酸、酢酸、乳酸、酪
酸などのカルボン酸を挙げることができる。
【0021】本発明にあっては、前述したように反応を
二段階に分けて反応を行う方法のほかにも、メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウムと尿素化合物を水もしくは水
と水溶性有機溶媒との混合溶媒へ分散させた状態で所定
量のホルムアルデヒドを添加し、加熱、攪拌することに
よってメチロール化および/またはメチレン化をさせて
被覆ポリリン酸アンモニウムを得ることもできる。
【0022】本発明で用いるメラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウムは、メラミンモノマーを昇華させ、ポリリン
酸アンモニウムの粒子表面に付加および/又は付着させ
たポリリン酸アンモニウムであり、例えば以下の方法に
より得ることができる。
【0023】予熱されたニーダー等の加熱混練装置内に
ポリリン酸アンモニウムを投入し、該ポリリン酸アンモ
ニウムが溶融することなく、かつ該ポリリン酸アンモニ
ウムに付加したアンモニアの脱離が容易に起こり、また
メラミンモノマーが昇華し得る温度である350℃以
下、好ましくは250〜320℃において、メラミンを
添加して加熱を行うことにより、該ポリリン酸アンモニ
ウム粒子表面にメラミンを付加および/または付着させ
る。このとき添加するメラミンの割合は、該ポリリン酸
アンモニウムに対して0.5〜20重量%好ましくは2
〜15重量%であり、上記方法により製造した場合、添
加したメラミンのほとんどが該ポリリン酸アンモニウム
に付加および/または付着した状態のメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウムが得られる。
【0024】ここで付加とは、ポリリン酸アンモニウム
からアンモニアが脱離した状態の表面の水酸基にメラミ
ンが化学的に結合した状態を意味し、付加したメラミン
は加熱されても安定であり、再度脱離することはない。
また付着とは、メラミンがポリリン酸アンモニウムの粒
子表面に吸着された状態を意味し、加熱の継続によりポ
リリン酸アンモニウムの粒子表面においてメラミンは昇
華と吸着を繰り返す。メラミンとポリリン酸アンモニウ
ムとが化学的に結合した状態は、赤外分光分析法によ
り、シフトしたメラミンの変角振動が1680〜170
0cm-1に表れることで確認することができる。
【0025】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの原
料であるポリリン酸アンモニウムは、市販品や公知の方
法で得られたものを使用すればよく、該市販品として
は、テラージュ(TERRAJU) S10(登録商標、チッソ株式
会社製)、テラージュ(TERRAJU)S20(登録商標、チッソ
株式会社製)、スミセーフ−P(商品名、住友化学工業
株式会社製)、ホスタフラム(Hostaflam)AP-422(商品
名、クラリアント社製)、フォスチェク(Phos-chek) P/
30(商品名、モンサント社製)、フォスチェク(Phos-ch
ek) P/40(商品名、モンサント社製)、FR CROS
484(商品名、ブーデンハイム社製)等が挙げられ
る。また、公知の方法としては例えば、ほぼ等モル量の
オルトリン酸アンモニウムと五酸化リンとをガス状アン
モニアの存在下でかつ反応物の同時運動下に温度170〜3
50℃に加熱することにより得ることができる。
【0026】また、本発明で言う尿素化合物は、尿素、
チオ尿素、エチレン尿素およびエチレンチオ尿素からな
る群より選択される1種以上の化合物であり、全て市販
品を用いることができる。
【0027】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例および比較例を示すが、本発明はこれによって限定
されるものではない。また、実施例および比較例におけ
る評価は次の方法により行った。
【0028】加水分解安定性の測定方法 生成物中に含まれる水溶性成分を次の方法によって定量
した。実施各例および比較各例で得られた試料の各10
gを純水90gに懸濁して10重量%の懸濁液試料を調
製する。該懸濁液試料を75℃の温度で1時間振盪した
後、該懸濁液を遠心分離し、上澄み液を0.45μmの
濾紙にて濾過する。濾液の一定量を秤量瓶に取り、乾燥
器中で蒸発乾固し、蒸発残渣量を水溶性成分量とし、水
へ溶出した割合を算出して加水分解安定性を評価した。
この値が小さいほど加水分解安定性は良いことを示す。
【0029】(2)遊離、揮発ホルムアルデヒド量の測
定方法 生成物から発生するホルムアルデヒドを次の方法によっ
て定量した。実施各例および比較各例で得られた試料の
各1gを容量5リットルのテドラーバッグ(商品名)に
計り取り、注射筒で3リットルの清浄な空気を充填して
密封した後、70℃の温度で30分間加熱した。次いで
室温まで冷却し、内部の空気に含まれるホルムアルデヒ
ドの濃度を検知管(No.91L、ガステック製)にて
測定し、検出値より該ポリリン酸アンモニウムの1g当
たりから遊離、揮発するホルムアルデヒド量(μg/
g)を求めた。
【0030】本発明の実施各例に使用したメラミン被覆
ポリリン酸アンモニウムは以下の方法により製造した。
予め、270〜300℃に加熱された内容量5リットル
のニーダーにポリリン酸アンモニウム(テラージュ(TER
RAJU-S20)(登録商標、チッソ株式会社製)2000重
量部を投入した。該ポリリン酸アンモニウムの温度が2
50〜270℃になった時点でメラミン110重量部を
投入し、6時間加熱混合し、メラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウム2100重量部を得た。電子顕微鏡による観
察の結果、ポリリン酸アンモニウムの粒子表面がメラミ
ンにより均一に被覆されていることが確認され、また赤
外分光分析法による分析の結果、1687cm-1に吸収
ピークがあった。該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウ
ムの10重量%水懸濁スラリーのpHは約9であった。
【0031】実施例1 攪拌機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量1
リットルの反応容器に、上記の方法で得られたメラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部と水100重
量部および濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液
6.4重量部を導入口より反応容器内へ入れ、加熱、攪
拌し温度90℃で1時間反応させた。引き続き尿素2.
4重量部を導入口より反応容器内へ入れ、加熱、攪拌し
ながら同温度で1時間反応させた。反応終了後、20〜
30℃に急冷し、減圧濾過し、沈殿物をメタノールで洗
浄して、105℃のオーブンで2時間乾燥し、被覆処理
されたポリリン酸アンモニウム102重量部を得た。得
られた被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて加水分解安
定性、ホルムアルデヒド発生量の評価試験を実施し、そ
の結果を表1に示した。
【0032】実施例2 尿素を7.1重量部とする以外は実施例1に準拠して、
被覆処理されたポリリン酸アンモニウム105重量部を
得た。得られた被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて加
水分解安定性、ホルムアルデヒド発生量の評価試験を実
施した。その結果を表1に示した。
【0033】実施例3 攪拌機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量1
リットルの反応容器に、上記の方法で得られたメラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部と水100重
量部および濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液1
2.9重量部を導入口より反応容器内へ入れ、加熱、攪
拌し温度90℃で1時間反応させた。引き続き尿素7.
1重量部を導入口より反応容器内へ入れ、加熱、攪拌し
ながら同温度で1時間反応させた後、更に希硫酸を用い
て反応スラリーのpHを約4に調整し、同温度で更に1
時間反応させた。反応終了後、20〜30℃に急冷し、
減圧濾過し、沈殿物をメタノールで洗浄して、105℃
のオーブンで2時間乾燥して被覆処理されたポリリン酸
アンモニウム105重量部を得た。得られた被覆ポリリ
ン酸アンモニウムを用いて加水分解安定性、ホルムアル
デヒド発生量の評価試験を実施した。その結果を表1に
示した。
【0034】実施例4 攪拌機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量1
リットルの反応容器に、上記の方法で得られたメラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部および尿素
2.4重量部と水100重量部および37重量%のホル
ムアルデヒド水溶液6.4重量部を導入口より反応容器
内へ入れ、加熱、攪拌し温度90℃で1時間反応させ
た。反応終了後、20〜30℃に急冷し、減圧濾過し、
沈殿物をメタノールで洗浄して、105℃のオーブンで
2時間乾燥し、被覆処理されたポリリン酸アンモニウム
102重量部を得た。得られた被覆ポリリン酸アンモニ
ウムを用いて加水分解安定性、ホルムアルデヒド発生量
の評価試験を実施した。その結果を表1に示した。
【0035】比較例1 攪拌機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量1
リットルの反応容器に、上記の方法で得られたメラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部と水100重
量部および濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液
6.4重量部を導入口より反応容器内へ入れ、加熱攪拌
し温度90℃で1時間反応させた。反応終了後、20〜
30℃に急冷し、減圧濾過し、沈殿物をメタノールで洗
浄して、105℃のオーブンで2時間乾燥し被覆処理さ
れたポリリン酸アンモニウム101重量部を得た。得ら
れた被覆ポリリン酸アンモニウムを用いて加水分解安定
性、ホルムアルデヒド発生量の評価試験を実施した。そ
の結果を表1に示した。
【0036】比較例2 特公平4−55625号明細書の例2に準拠して行っ
た。すなわち、攪拌機、温度計、導入口、コンデンサー
を備えた容量1リットルの反応容器に、ポリリン酸アン
モニウム(ホスタフラムAP-422;商品名、クラリアント
社製)195重量部、固形分濃度72重量%のメラミン
−ホルムアルデヒド初期縮合物(MW−095A;ホー
ネンコーポレーション製)26.1重量部を水240m
lおよびメタノール75mlからなる混合液中に懸濁さ
せ、加熱、攪拌し、還流温度で1時間反応させた。反応
終了後、20〜30℃に急冷し、減圧濾過し、沈殿物を
メタノールで洗浄して、105℃のオーブンで2時間乾
燥し被覆処理されたポリリン酸アンモニウム101重量
部を得た。得られた被覆ポリリン酸アンモニウムを用い
て加水分解安定性、ホルムアルデヒド発生量の評価試験
を実施した。その結果を表1に示した。
【0037】比較例3 攪拌機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量1
リットルの反応容器に、ポリリン酸アンモニウム(ホス
タフラムAP-422;商品名、クラリアント社製)95重量
部、メラミン5重量部、水100重量部、および濃度3
7重量%のホルムアルデヒド水溶液3.2重量部を導入
口より反応器内へ入れ、加熱、攪拌し、温度90℃で2
時間反応させた。反応終了後、20〜30℃に急冷し、
減圧濾過し、メタノールで洗浄をして、105℃のオー
ブンで2時間乾燥し被覆処理されたポリリン酸アンモニ
ウム102重量部を得た。得られた被覆ポリリン酸アン
モニウムを用いて加水分解安定性、ホルムアルデヒド発
生量の評価試験を実施した。その結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の被覆ポリリン酸アンモニウム
は、優れた耐加水分解性を示し、かつ遊離、揮発するホ
ルムアルデヒド量が著しく低く、難燃剤として各種材料
に配合した組成物もしくは該組成物を用いて成形した時
の該成形品を密閉空間に置いた場合に、WHOが健康へ
影響を与えるとして指摘した基準値より高濃度のホルム
アルデヒドが遊離、揮発するといった問題がない。ま
た、本発明の製造方法によれば、メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム、特定量の尿素化合物およびホルムアル
デヒドを反応させることによって、容易に前記の特徴を
有する被覆ポリリン酸アンモニウムを得ることができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メラミンと、尿素、チオ尿素、エチレン尿
    素およびエチレンチオ尿素からなる群より選択される1
    種以上の化合物およびホルムアルデヒドとの共縮合樹脂
    で被覆された被覆ポリリン酸アンモニウム。
  2. 【請求項2】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに、
    尿素、チオ尿素、エチレン尿素およびエチレンチオ尿素
    からなる群より選択される1種以上の化合物およびホル
    ムアルデヒドを反応させて得られる被覆ポリリン酸アン
    モニウム。
  3. 【請求項3】メラミン含有量が0.5〜20重量%のメ
    ラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、該メラミン被覆ポ
    リリン酸アンモニウムに含まれるメラミンの0.1〜5
    倍モル量の尿素、チオ尿素、エチレン尿素およびエチレ
    ンチオ尿素からなる群より選択される1種以上の化合物
    および該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれ
    るメラミンの0.5〜5倍モル量のホルムアルデヒドを
    反応させることによって得られる被覆ポリリン酸アンモ
    ニウム。
  4. 【請求項4】水もしくは水と水溶性有機溶媒との混合溶
    媒に、メラミン含有量が0.5〜20重量%のメラミン
    被覆ポリリン酸アンモニウムをスラリーの固形分濃度で
    10〜70重量%になるように分散させ、次いで、メラ
    ミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミンの
    0.5〜5倍モル量のホルムアルデヒドを添加して、温
    度10℃〜120℃で1分〜3時間反応を行った後、該
    メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミ
    ンの0.1〜5倍モル量の尿素、チオ尿素、エチレン尿
    素およびエチレンチオ尿素からなる群より選択される1
    種以上の化合物を該反応液に添加し、50℃〜150℃
    で30分〜3時間反応させる事を特徴とする被覆ポリリ
    ン酸アンモニウムの製造方法。
  5. 【請求項5】水もしくは水と水溶性有機溶媒との混合溶
    媒に、メラミン含有量が0.5〜20重量%のメラミン
    被覆ポリリン酸アンモニウム、および該メラミン被覆ポ
    リリン酸アンモニウムに含まれるメラミンの0.1〜5
    倍モル量の尿素、チオ尿素、エチレン尿素およびエチレ
    ンチオ尿素からなる群より選択される1種以上の化合物
    を分散させ、次いで、該メラミン被覆ポリリン酸アンモ
    ニウムに含まれるメラミンの0.5〜5倍モル量のホル
    ムアルデヒドを添加して、温度50℃〜150℃で30
    分〜3時間反応させる事を特徴とする被覆ポリリン酸ア
    ンモニウムの製造方法。
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