JP2001291882A - 薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜の製造方法

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JP2001291882A
JP2001291882A JP2000103186A JP2000103186A JP2001291882A JP 2001291882 A JP2001291882 A JP 2001291882A JP 2000103186 A JP2000103186 A JP 2000103186A JP 2000103186 A JP2000103186 A JP 2000103186A JP 2001291882 A JP2001291882 A JP 2001291882A
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silicon
plasma
reaction chamber
gas
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JP2000103186A
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Yasuyuki Yamamoto
泰幸 山本
Masanobu Azuma
正信 東
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、アモルファスシリコン系太陽電池等
の光起電力素子の構成要素である、n型不純物半導体で
あるシリコン系薄膜とp型不純物半導体であるシリコン
系薄膜とが真性半導体であるシリコン系薄膜を介して接
合された積層体を製造するに当たり、最も厚い真性半導
体層を高速でしかも素子性能に悪影響を与えるような下
地の損傷を起こすことなく形成する方法を提供する。 【解決手段】 真空状態に維持された、誘導結合型プラ
ズマ発生装置等の反応チャンバー内に、シラン系ガス等
の反応ガスを供給すると共に、該反応チャンバーの内部
又は外部に配置したプラズマ発生電極に高周波電力を印
加することにより1010cm 3以上の電子密度の反応
ガスプラズマを発生させて、該反応チャンバー内に設置
された基材の表面上にシリコン系薄膜等の薄膜を形成す
る際に、プラズマ発生電極に印加する高周波電力を製膜
開始時に低く設定し、特定の厚さの膜が形成された段階
で該高周波電力を連続的に又は段階的に増大させて薄膜
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の製造方法、
及び該薄膜の製造方法を使用して太陽電池に代表される
光起電力素子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、太陽電池などに用いられる光起電
力素子として、その性能の高さ、及び製造の容易性から
アモルファスシリコン膜を光電変換層とする光起電力素
子(以下アモルファス光起電力素子ともいう。)が広く
用いられている。
【0003】現在使用されている代表的なアモルファス
光起電力素子は、ガラス又は樹脂等の透明基板上に、透
明導電膜、アモルファスシリコンからなる半導体層、及
び集電電極をこの順に積層した構造を有している。該光
起電力素子は、半導体層が下層より順にp型半導体層、
真性(i型)半導体層、n型半導体層であることから、
pin型構造と一般的に呼ばれている。
【0004】また、ガラス、シリコン、耐熱性ポリマー
等の基板またはステンレス等の金属基板上に、アルミニ
ウムや銀等の金属からなる金属電極、透明導電膜層、n
型半導体層、真性(i型)半導体層、p型半導体層、及
び透明導電膜層が順次に積層されてなるnip型構造の
光起電力素子も近年一般的なものになりつつある。
【0005】これら従来のアモルファス光起電力素子に
おける半導体層の積層は、化学的気相蒸着法(CVD
法)或いはスパッタ法などの物理的気相蒸着法(PVD
法)等により作製することが可能であるが、ダングリン
グボンド(未結合手)等の構造的欠陥の生成を低く抑
え、3次元的なシリコン網目構造を効率的に形成するこ
とが可能であることなどから、一般的には、容量結合型
プラズマ(Capacitively Coupled Plasma)CVD法
(該CVD法は、用いる高周波の波長域から一般にRF
−CVD法といわれることが多いが、本明細書では、プ
ラズマ発生方法に着目して以下、CCP−CVDと略
す)が用いられている。
【0006】この方法は、モノシラン(SiH4)、ジ
シラン(Si26)等の製膜性の原料ガスをそのまま、
又は、希釈用の水素ガス等に同伴させて真空反応チャン
バー内に導入するとともに、真空反応チャンバー内に互
いに対向して配置された2つの電極間に高周波電力を印
加して、高周波電界を発生させて、この電界内で電子を
原料ガスの中性分子に衝突させて、高周波プラズマを形
成して原料ガスを分解し、一方の電極上に設置された基
材表面にシリコン薄膜を形成させるものである。
【0007】ところが、このCCP−CVD法は、高い
反応ガス圧力を必要とするので、気相中での2次反応に
よりポリマー状の分解生成物が生成されること、さらに
は、反応チャンバー内の放電によるチャンバー壁への付
着物質による汚染、または電極への付着物質による汚染
によって薄膜の品質低下をきたすおそれがあった。
【0008】また、該方法では、プラズマの電子密度
が、例えば、109cm-3以下と低いため、シリコンの
析出速度は0.1〜0.3nm/秒程度であり、高品質
な膜が得られるという特徴はあるものの、数百nmの厚
さを必要とする真性半導体層の形成を行うには長時間を
要し、非効率的であった。モノシラン(SiH4)等の
製膜性の原料ガスに、5〜100倍の流量の希釈用水素
ガス等を同伴させて、真空反応チャンバー内に導入する
水素希釈法{「Towards Large-Area, High Efficiency a
-Si/a-SiGe Tandem Solar Cells」, S.Okamoto等, 11th
International Photovoltaic Science and Engineerin
g Conference予稿集 (1999), pp.45-48}を採用するこ
とにより、薄膜の膜質の低下を起こすことなく製膜速度
を上げることも可能であるが、そのためにはシランガス
や水素ガス等の危険性の高いガスを多量使用する必要が
あり、単に貯蔵や処理等に要する装置や労力上の負担が
増大するばかりでなく、コストも増大するといった問題
があった。
【0009】そこで、真性半導体層の積層を効率よく行
うために、従来のCCP−CVD法に代えて、原料ガス
の分解効率が高く、ガスの使用量を低減することが可能
な高電子密度のプラズマを利用したプラズマCVD法を
使用して製膜速度を高める試みがなされている。高密度
プラズマCVD法としては、誘導結合型プラズマ(IC
P)CVD法(以下、ICP−CVD法と略すこともあ
る)、ECR―CVD法、ヘリコン波CVD、マイクロ
波CVD等が知られているが、その中でも特に、ICP
−CVD法は、薄膜を厚さムラ無く大面積に高速形成す
ることが可能な方法であるため、シリコン系薄膜等の作
製方法として注目されている。
【0010】ICP−CVD法は、高周波コイル(アン
テナ)に高周波電力を印加して、誘導結合型プラズマ
(ICP)を発生させて、高周波コイルに対向して配置
された基材上に、シリコン系薄膜等を形成するものであ
り、例えば、1010〜1012cm 3程度の高い電子密
度プラズマが得られ、プラズマ発生条件の調整により有
効ラジカル種(SiH3ラジカル)を多く発生させるこ
とが可能である。しかも薄膜の成長表面或いは下地層と
の界面に悪影響を及ぼす可能性があるイオン種の発生が
少なく、また、例えば、0.3〜30mTorrの低い
圧力でも反応を行うことができる。
【0011】また、IPC−CVD法に用いる装置は、
従来のCCP−CVD法で用いる装置とは異なり、対向
電極を使用する必要がないため、装置内部の空間に自由
度がある。このため、例えば、基材ステージに対向して
反応ガス供給ノズルを設置して、反応ガスの有効利用率
を高くすることも可能である。
【0012】このようなIPC−CVD法用の装置とし
ては、特開平10−27762号公報に、石英等の絶縁
体からなる窓を介して反応チャンバーの外部の上部に渦
巻状の高周波コイルを設置したした装置が、また、ジャ
パニーズ ジャーナル オブアプライド フィジックス
{Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 36 (1997), pp.3714-3720}
に、反応チャンバー内部に高周波コイルを配設して、低
い反応圧力、低電圧で安定なプラズマを発生することの
可能な内部励起型の誘導結合型プラズマCVD装置が開
示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ICP
−CVD法等の高密度プラズマを用いた方法により真性
半導体層を積層する場合、下層である導電型半導体層
(p型半導体層又はn型半導体層)がその高電子密度プ
ラズマにより損傷され、結果として光起電力素子の特性
が損なわれてしまうという問題があった。
【0014】このような問題を回避するために、導電型
半導体層と真性半導体層との間に緩衝層を設け、透明導
電膜及び導電型半導体層の表面を高電子密度のプラズマ
から保護することが行なわれてきた。この方法では、緩
衝層の厚さが厚いほど保護効果も大きくなって光起電力
素子の特性が良好となるが、該緩衝層は、一般にシリコ
ン析出速度が遅いRF−CVD法を用いて別の反応容器
内で積層されるため、操作が煩雑になるばかりでなく、
充分な保護効果を得ようとする場合には作製時間が長な
るという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高密度プ
ラズマCVD法で真性半導体層を有する光起電力素子を
製造する場合における上記問題を解決すべく、鋭意検討
を行った。その結果、プラズマ発生電極に印加する高周
波電力を製膜開始初期に小さくし、その後増大させた場
合には上記問題が起こらないという知見を得た。そし
て、該知見に基づき更に検討を行った結果、前記下地層
の損傷は、高密度プラズマによって発生したイオン等に
よる衝撃が原因であり、真性半導体層作製開始初期の印
加電力を低くすれば下地層の損傷を防ぐことができるこ
と、ある程度の真性半導体層が形成された後であればそ
の後印加電力を増大させても下地層の損傷は起こらない
こと、更には初期の印加電力を製膜速度が特定の範囲と
なるように制御した場合には太陽電池特性、特に開放電
圧及び曲線因子が向上することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0016】即ち、第一の本発明は、真空状態に維持さ
れた反応チャンバー内に、反応ガスを供給すると共に、
該反応チャンバーの内部又は外部に配置したプラズマ発
生電極に高周波電力を印加することにより1010cm
3以上の電子密度の反応ガスプラズマを発生させて、該
反応チャンバー内に設置された基材の表面上に薄膜を形
成する薄膜の製造方法であって、製膜を開始してからプ
ラズマ発生電極に印加する高周波電力を連続的に又は段
階的に増大させることを特徴とする薄膜の製造方法であ
る。
【0017】上記本発明の薄膜の製造方法においては、
例えば薄膜形成開始時にプラズマ発生電極に印加する高
周波電力を薄膜形成中にプラズマ発生電極に印加する最
大高周波電力の50%以下とすることにより、製膜の効
率性に重大な影響を与えることなく下地層の損傷を抑制
することができる。特に、厚みの大きな薄膜を形成する
場合において、高電子密度のプラズマを用いた高速製膜
という本発明の特徴が有効に発揮される。
【0018】また、第二の本発明は、真空状態に維持さ
れた反応チャンバー内に、反応ガスを供給すると共に、
該反応チャンバーの内部又は外部に配置したプラズマ発
生電極に高周波電力を印加することにより1010cm
3以上の電子密度の反応ガスプラズマを発生させて、該
反応チャンバー内に設置された基材の表面上に厚さ10
nm以上の薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、形
成される薄膜の膜厚が10nmに達するまでの製膜速度
を0.01〜0.5nm/秒とすることを特徴とする薄
膜の製造方法である。
【0019】製膜速度をこのように制御することによ
り、例えば光起電力素子の真性半導体層を該方法で作成
した場合に、得られる光起電力素子の特性を良好なもの
とすることができる。
【0020】前記第一及び第二の本発明においては、シ
ラン系ガスを含む反応ガスを用いることにより、光起電
力素子の各種半導体層として好適に使用できるシリコン
系薄膜を製造することができる。
【0021】また、第三の本発明は、n型不純物半導体
であるシリコン系薄膜とp型不純物半導体であるシリコ
ン系薄膜とが真性半導体であるシリコン系薄膜を介して
接合され、且つこれらシリコン系薄膜の少なくとも1つ
の厚さが10nm以上である積層体を有する光起電力素
子の製造方法であって、該積層体を構成する厚さ10n
m以上のシリコン系薄膜の少なくとも1つを請求項4記
載の薄膜の製造方法によって製造することを特徴とする
光起電力素子の製造方法である。
【0022】該方法によれば、優れた特性を有する光起
電力素子を効率よく製造することができる。
【0023】
【発明の実施形態】本発明の薄膜の製造方法では、10
10cm 3以上の電子密度の反応ガスプラズマを用いて
薄膜を製造する。このような高電子密度のプラズマを用
いることにより製膜速度を速くすることが可能となる。
なお、本発明においては製膜中の全ての期間において反
応ガスプラズマの電子密度を1010cm 3以上とする
必要はなく、一時的に1010cm 3未満の電子密度と
なってもよいが、製膜速度の観点からは、全製膜時間に
占める1010cm 3以上の電子密度の反応ガスプラズ
マを用いる時間の割合は高いほうが好ましい。
【0024】1010cm 3以上の電子密度の反応ガス
プラズマは、前記した(ICP)CVD法(以下、IC
P−CVD法と略すこともある)、ECR―CVD法、
ヘリコン波CVD法、マイクロ波CVD法等の高密度プ
ラズマCVD法により発生させることができる。これら
高密度プラズマCVD法では、真空状態に維持された反
応チャンバー内に、反応ガスを供給すると共に、該反応
チャンバーの内部又は外部に配置したプラズマ発生電極
に高周波電力を印加することによりこのような高電子密
度の反応ガスプラズマを発生させることができる。
【0025】ここで、プラズマ発生電極は、用いるプラ
ズマ発生方法ごとに一般的に使用されているものが使用
できる。例えば、ICP-CVD法を用いる場合には、
金属製の導電性材料で作られたコイル又はスパイラル状
のアンテナが、ECR―CVD法を用いる場合には開口
導波管が、また、マイクロ波CVD法を用いる場合には
マイクロ波を反応容器中に伝搬させる金属製のアンテナ
や開口導波管が使用できる。
【0026】また、上記プラズマ発生電極にはマッチン
グ回路を介して高周波発生装置が接続されており、採用
するプラズマ発生法に応じて通常使用される周波数領域
の高周波電力が印加できるようになっている。例えば、
ICP−CVD法を採用する場合には通常5〜200M
Hzの高周波が用いられている。好ましくは、10〜1
00MHzとするのが望ましい。なお、高周波電力と
は、高周波発生装置により発生された高周波のエネルギ
ーを意味し、高周波発生装置で所望の高周波電力を設定
する事ができる。例えば、市販されている一般的なラジ
オ周波数波(RF)発生装置では10W〜3kWの範囲
で任意の高周波電力のRFを発生させる事ができる。
【0027】使用する反応チャンバーとしては、真空に
保持可能で、その内部又は外部にプラズマ発生電極を有
し、その内部に基材が設置可能で、さらに内部に反応ガ
スを供給できる構造のものであれば特に限定されず、従
来の高電子密度プラズマCVD法で使用されている反応
チャンバーが何ら制限なく使用できるが、大面積化の容
易さや低い電子温度の観点から、前記した文献{特開平
10−27762号公報、Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 3
6 (1997), pp.3714-3720}等に示されるようなIPC−
CVD法用の反応チャンバーが好適に使用できる。
【0028】また、反応チャンバー内に設置され、その
上に薄膜が形成される基材は特に限定されず、例えば光
起電力素子を製造する際に各種シリコン系薄膜を形成す
る際に使用されている基材が使用できる。このような基
材としては、石英ガラス、ソーダライムガラス、耐熱性
ポリマー、単結晶シリコン、多結晶シリコン、ステンレ
ス鋼、セラミックス等の材料からなる基板、及びこれら
基板上にシリコン膜等の薄膜を形成したもの等が何ら制
限なく使用できる。これら基板の厚さや形状は、その目
的(例えば使用する光起電力素子)に応じて適宜決定す
ればよいが、一般的には厚さ50nm〜5mm程度の板
状若しくはシート状のものが好適に使用できる。
【0029】なお、本発明の薄膜の製造方法により光起
電力素子を製造する場合には、上記基板に電極を取り付
けたものを基材とすることもある。電極としては、Sn
2、In23、ZnO、CdSnO4、TiO2等の酸
化物が光透過率約80%以上となるような厚さで形成さ
れた導電性の膜(透明導電膜層)が好適に使用できる。
透明導電膜層の厚さは特に限定されないが、一般的には
0.1〜1μm程度である。また、上記透明導電膜層
を、例えば特開平9−69642号公報や特開平9−2
83780号公報に開示されているようなテクスチャ構
造(微細な凹凸構造)とした場合には、「光閉じ込め効
果」により入射光の利用効率が高くなるため、このよう
な構造とすることが望ましい。
【0030】また、上記基板上の全面に金属を蒸着し、
該金属層を電極として有する基材を用いることもある。
上記金属層としては、例えば銀、アルミニウム、又はこ
れらの合金等からなる光反射率80%以上となるような
層が好適に使用される。なお、この金属層の厚さは特に
限定されないが、一般的には0.1〜1μm程度であ
る。
【0031】また、反応ガスとしては、プラズマ化可能
で、そのプラズマからシリコン等の半導体や金属を析出
させることが可能な各種化合物のガス(原料ガス)を含
むガスであれば特に制限されず、目的とする薄膜の種類
に応じてプラズマCVD法で反応ガスとして一般に用い
られているガスが使用できる。例えば、シリコン系薄膜
を形成する場合には、原料ガスとして、一般式SiHm
Cl(4-m)(但し、mは0〜3の整数である。)で表さ
れるようなシラン系ガスが一般に使用されており、本発
明でもこのような原料ガスが好適に使用できる。なお、
p型不純物半導体であるシリコン系薄膜を得たい場合に
は、上記シラン系ガスにドーパントとなるホウ素やガリ
ウム等の周期律表第III族の元素を含む化合物のガスを
混ぜて原料ガスとすればよく、n型不純物半導体である
シリコン系薄膜を得たい場合には、ドーパントとなるリ
ンや砒素等の周期律表第V族の元素を含む化合物のガス
を混ぜて原料ガスとすればよい。
【0032】これら原料ガスは、単独で反応ガスとして
使用してもよいし、水素、ヘリウム、アルゴン、キセノ
ン等の非堆積性のガスで希釈して反応ガスとすることも
可能である。
【0033】本発明の製造方法では、真空状態に維持さ
れた反応チャンバー内で1010cm 3以上の電子密度
の反応ガスプラズマを発生させて、基材の表面上に薄膜
を形成するに際し、製膜を開始時にプラズマ発生電極に
印加する高周波電力を小さくし、製膜を開始してから該
高周波電力を連続的に又は段階的に増大させることが必
須である。製膜開始時から高い高周波電力をプラズマ発
生電極に印加し、該高周波電力を製膜期間中一定とした
り、高い高周波電力から高周波電力を低下させる場合に
は下地層の損傷が避けられず、良好な薄膜を得ることが
できない。なお、反応ガスプラズマの電子密度及び電子
温度は、プラズマ中にPt,W,Mo等からなる金属電
極を挿入し、これに電圧を印加して得られる電流電圧特
性から求めるラングミュアプローブ法等により測定する
事ができる。
【0034】製膜開始時にプラズマ発生電極に印加する
高周波電力の値(初期高周波電力)は、用いる装置、反
応ガスの種類等によって異なるため一概に規定すること
はできないが、良好な薄膜を効率よく得るためには、薄
膜形成中にプラズマ発生電極に印加する最大高周波電力
の50%以下、特に20%以下とするのが好適である。
また、製膜速度は印加する高周波電力に依存することか
ら初期高周波電力を製膜速度で規定することも可能であ
り、初期高周波電力を初期製膜速度で表せば、0.01
〜0.5nm/秒、特に0.05〜0.3nm/秒とす
るのが好適である。
【0035】印加する高周波電力を低くしておく時間は
特に限定されないが、厚さ10nm以上、特に50nm
以上の薄膜を製造する場合、製膜を開始してから膜の厚
さが、10nmに達するまでの間は印加電力を低くして
おくのが好適である。あまり長時間印加電力を低くする
と、製膜時間が長くなり、効率よく薄膜を製造すること
ができない。なお、製膜された膜の厚さは、印加高周波
電力および製膜時間(印加時間)と膜厚との関係を予め
調べておく事により、製膜時間から求める事ができる。
【0036】本発明の薄膜の製造方法では、低い初期高
周波電力で製膜を開始した後、製膜速度を速くして膜の
製造効率を高くするために、プラズマ発生電極に印加す
る高周波電力を連続的に又は段階的に増大させる。印加
高周波電力の増大パターンは特に限定されず、用いる装
置、反応ガスの種類、最終的な膜厚、及び目的とする製
造時間等に応じて適宜決定すればよい。通常、製膜速度
は印加する高周波電力の大きさに依存するので、製膜開
始後所定時間を経過した後には、安定して高速製膜が可
能な高周波電力まで速やかに上昇させるのが好ましい。
但し、急激に高周波電力を変化させると、プラズマが不
安定になり膜質に悪影響を与えることがあるので、予め
最適な印加高周波電力の上昇パターンを検討しておき、
コンピュータを用いてその最適パターンを再現するよう
に制御するのが好適である。なお、製造上のメリットは
特に見出せないが、印加する高周波電力を一時的に低下
させることも勿論可能である。
【0037】また、印加する高周波電力を増大させると
きの最大値は特に限定されないが、安定して製膜が可能
で且つ製膜速度が最大となるような値とするのが通常で
ある。その具体的な値は用いる装置、反応ガスの種類等
によって異なるため一概に述べることはできないが、例
えば、ICP−CVD法において反応チャンバー内に設
置された直径3〜30cmの1重コイル状のプラズマ発
生電極に印加する場合の好適な最大印加高周波電力は、
10W〜3kW、より好適には100〜300W程度で
ある。
【0038】本発明の薄膜の製造方法によれば、シリコ
ン系薄膜等の薄膜を、その下地を損傷させること無く効
率よく製造することが可能となる。このため、例えば、
n型不純物半導体であるシリコン系薄膜とp型不純物半
導体であるシリコン系薄膜とが真性半導体であるシリコ
ン系薄膜を介して接合された積層体を有する光起電力素
子の少なくとも1種のシリコン系薄膜を本発明の薄膜の
製造方法で製造した場合には、界面のダメージを低減で
きるため、高い開放電圧及び曲線因子を有する光起電力
素子を効率よく得ることができる。この場合、上記3種
のシリコン系薄膜の中でも真性半導体であるシリコン系
薄膜の厚さが最も厚いので、該シリコン系薄膜を本発明
の薄膜の製造方法で製造するのが製造速度の点で最も有
利である。
【0039】以下、図1に示される、ICP−CVD法
が適用できる反応チャンバー(ICP反応容器)を有す
るプラズマCVD装置を用いて、図2に示される所謂p
in型の光起電力素子の真性半導体層を本発明の薄膜の
製造方法を用いて製造する方法を例に、本発明の光起電
力素子の製造方法について更に詳しく説明する。
【0040】図1に示されるプラズマCVD装置100
は、主として各反応容器(120,130)及び試料導
入室110、各反応容器及び試料導入室に通じる真空ポ
ンプ(メカニカルブースターポンプ121、ターボモレ
キュラポンプ122、及び油拡散ポンプ131)、各反
応容器内に設置されたプラズマ発生電極(図示していな
い)に通じる高周波発生装置(141、142)、なら
びに各反応容器に通じるガス供給装置(151、15
2)により構成されている。
【0041】上記各反応容器は、作製する膜の種類に応
じて使用するプラズマの種類及び導入可能なガスの種類
が予め設定されており、各反応容器及び試料導入室の間
にはゲートバルブ171,172が設置されており、ト
ランスファーロッド160を用いて真空状態を維持した
まま、試料(製造過程にある光起電力素子)を移動させ
ることができるようになっている。図1に示す装置で
は、反応容器は、高周波発生装置141により発生させ
た容量結合型プラズマを使用してn型半導体層やp型半
導体層を形成するためのCCP反応容器120、図示し
ない高周波印加コイルにより発生させた誘導結合型プラ
ズマを使用して真性半導体層を形成するためのICP反
応容器130に分かれている。各反応容器には、シリコ
ン膜の原料となるモノシラン、ジシラン、ハロゲン化シ
ラン等のシランガス、及び水素、ヘリウム、アルゴン、
ネオン、キセノン等の希釈用ガスが、特にCCP反応容
器120にはこれらガスに加えてB26、BF3、P
3、AsH3等の周期律表第III属又は第V属元素を含
むガス(以下、ドーパントガスともいう。)、及びp型
半導体層に炭素原子を導入するためのCH4等の炭素を
含むガスが、ガス供給装置151から導入できるように
なっている。
【0042】なお、図1に示す装置にスパッタ装置や蒸
着装置を上記各反応容器と同様に真空ラインで接続すれ
ば、後述する透明導電膜層220、第二透明導電膜層2
40、金属層250の作製も、真空状態を維持したまま
行うことができる。
【0043】本発明の光起電力素子の製造方法では、ま
ず、基板210上に透明導電膜層220を形成する。作
製方法は、従来のpin型構造の光起電力素子を製造す
る際の製造方法と特に変わるところなく、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、CVD法などの公知の方法か
ら適宜選択すればよい。製造条件も特に従来法と変わる
点はない。
【0044】例えば、スパッタリング法で透明導電膜層
220を作製する場合には、その透明導電膜層を構成す
るのと同組成の金属酸化物を用い、アルゴンスパッタリ
ングを行えばよい。なお、各層の厚さは、予め同一条件
においてスパッタリング時間と膜厚との関係を調べてお
き、スパッタリング時間をコントロールすることにより
調整できる。
【0045】また、適宜エッチング等を行うことによ
り、透明導電膜層220にテクスチャ構造を導入するこ
ともできる。
【0046】次に、上記のようにして形成された基板2
10、透明導電膜層220が積層されてなる積層体の上
にプラズマCVD法により半導体層230を形成する。
【0047】半導体層230は、p型半導体層231、
真性半導体層232、及びn型半導体層233からな
る。ここで、p型半導体層は、厚さが5〜50nm程度
で、ドーパントとしてホウ素やガリウム等の周期律表第
III族の元素を含むシリコンからなる層である。真性半
導体層は、厚さが100〜1000nmのシリコンから
なる層である。また、n型半導体層は、厚さが5〜50
nm程度で、ドーパントとしてリンや砒素等の周期律表
第V族の元素を含むシリコンからなる層である。
【0048】p型半導体層231、及びn型半導体層2
33は、上述のように非常に薄い層であるために、これ
ら層の形成にCCP−CVD法等の堆積速度の遅い手法
を用いても製膜時間には殆ど影響を与えない。これに対
し、その厚みが大きい真性半導体層232の形成に上記
のような堆積速度の遅い手法を用いた場合には、製膜時
間が著しく長くなるので、本発明の薄膜の製造方法を使
用するのが好適である。なお、p型半導体層231、及
びn型半導体層233の形成に本発明の薄膜の製造方法
を用いても一向に構わない。
【0049】p型半導体層231をCCP反応容器12
0内で作製する際には、モノシランガスにメタンなど炭
素を含むガスを混合して原料ガスとし作製すると、シリ
コン膜中に炭素が混入することにより、光学ギャップの
広いシリコン膜を作製できる。また、原料ガスの水素希
釈率を上げることで、吸収係数の小さい微結晶シリコン
層が得られることもある。製膜条件は、通常のCCP−
CVD法と特に変わるところはなく、例えば、アモルフ
ァスシリコンの半導体層の好適な作製条件は、高周波出
力を5〜50W、SiH4流量5〜100sccm、基
板温度150〜300℃、反応圧力0.1〜1Torr
である。ドーパントの導入は、p型半導体層作製時にド
ーパントガスとしてB26等の周期律表第III族元素を
含むガスをSiH4流量に対して1〜10000ppm
混合したものを原料ガスとして使用することにより行な
えばよい。
【0050】上記作製条件でp型半導体層231を5〜
50nm形成後、試料をICP反応容器120に移し、
本発明の薄膜の製造方法により真性半導体層232を1
00〜1000nm形成する。この時の反応条件は、プ
ラズマ発生電極の設置状況や形状、さらに基板の大きさ
などにもよるが、例えば、ICP反応容器120内に直
径約15cmの1重コイルからなるプラズマ発生電極が
設置され、面積約100cm2の基板を用いた場合の好
適な反応条件は、次のようなものである。すなわち、反
応圧は5〜50mTorrとするのが好適であり、コイ
ルと基板の距離は2〜30cm、好ましくは8〜30c
m、基板温度は150〜300℃とするのが好適であ
る。また、高周波電力を印加する場合の初期印加高周波
電力は20〜50Wとし、この高周波電力で膜厚が10
nmになるまで製膜し、その後1〜20W/秒の速度で
連続的に(或いは、例えば10Wごとの段階的に)10
0W〜3kWまで印加電力を増大させた後、この印加電
力を維持して製膜を行なうのが好適である。
【0051】このようにして真性半導体層232を形成
した後、試料を再びCCP反応容器130に移し、ドー
パントガスの種類をPH3等の周期律表第V族元素を含
むガス変える他はp型半導体層231の形成と同様にし
てn型半導体層233を5〜50nm形成する。
【0052】このようにして製造された半導体層上に、
上記透明導電膜層と同様にして、第二透明導電膜層24
0を形成し、更にその上に銀(Ag)等からなる集電電
極の金属層250を蒸着することにより設置される。
【0053】作製方法は、スパッタリング法、電子ビー
ム蒸着法、抵抗加熱法などの公知の方法から適宜選択す
ればよい。製造条件も特に従来法と変わる点はない。
【0054】例えば、スパッタリング法で金属層250
を作製する場合には、その金属層を構成する金属と同種
の金属をターゲットとして用い、圧力1〜100mTo
rr、Ar流量1〜100sccmのような条件下、必
要に応じて酸素を共存させてアルゴンスパッタリングを
行えばよい。なお、厚さは、予め同一条件においてスパ
ッタリング時間と膜厚との関係を調べておき、スパッタ
リング時間をコントロールすることにより調整できる。
【0055】以上、図2に示すようなpin型の光起電
力素子の製造例を示したが、本発明の光起電力素子の製
造方法は図2に示すものと異なる構造のpin型光起電
力素子、或いはnip型の光起電力素子の製造にも適用
可能である。また、反応装置や高電子密度プラズマの発
生方法も上記製造例に示した態様に限定されず、他のタ
イプの反応装置や他の高電子密度プラズマの発生方法が
採用できる事は勿論である。
【0056】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0057】なお、各実施例及び比較例における各薄膜
の形成は図1に示した基本構造の装置を用いて行った。
該装置のCCP反応容器120内には、一般的に使われ
ている平行平板型の対向電極からなるプラズマ発生電極
が設置されており、該電極には高周波発生装置141と
してのRF発生装置(アネルバ社製)が接続されてい
る。また、ICP反応容器130内には、Al製のパイ
プからなる直径15cmのリング状のプラズマ発生電極
が設置され、該電極に高周波発生装置142としてのR
F発生装置(アネルバ社製)が接続されている。
【0058】実施例1 まず、スパッタリング装置(アネルバ社製SPC−35
0)の基板ホルダーに石英ガラス基板(24mm×16
mm×0.5mmt)を設置し、ターゲットとしてZn
Oを用いたアルゴンスパッタ法により1000nmのZ
nOからなる透明導電膜層を積層した。なお、スパッタ
リングは、Ar流量10sccm、O2ガス流量0.0
2sccm、圧力5mTorr、プラズマ発生電極に印
加する高周波電力(以下、RFパワーともいう)100
W、基板温度300℃、スパッタリング時間15分の条
件で行った。
【0059】このようにしてガラス基板上に透明導電膜
層が積層された基板を、プラズマCVD装置100の試
料導入室110にセットし、真空吸引を行った後、CC
P反応容器120に移送し、電子密度約107/cm3
プラズマを用いたCCP-CVD法により厚さ約10n
mのp型半導体層を形成した。なお、このときの条件
は、SiH4流量3sccm、B26(水素で1vo
l.%に希釈したもの)流量3sccm、水素流量30
sccm、CH4流量9sccm、反応圧力100mT
orr、RFパワー5W、基板温度200℃、反応時間
1分30秒とした。
【0060】p層形成後、試料を真空下で、その内部に
直径15cmの一重コイル状のプラズマ発生電極を有す
るICP反応容器130に移送し、電子密度約1010
cm 3のプラズマを用いたICP−CVD法により厚さ
300nmの真性半導体層を作製した。なお、このとき
の条件は、SiH4流量30sccm、RFパワー20
0W、反応圧力20mTorr、基板温度200℃、反
応時間15分とした。ただし、開始から30秒間はRF
パワーを20Wとした。このとき、製膜を開始してから
30秒間の製膜速度は約0.3nm/秒であり、この1
分間で形成された膜の厚さは約10nmであった。
【0061】真性半導体層形成後、試料を再びCCP反
応容器120に移し、電子密度約107/cm3のプラズ
マを用いたCCP−CVD法により厚さ20nmのn型
半導体層を形成した。なお、このときの条件は、SiH
4流量20sccm、PH3(水素で1vol.%に希釈
したもの)流量5sccm、反応圧力100mTor
r、RFパワー5W、基板温度200℃、反応時間4分
とした。
【0062】n型半導体層形成後、試料を試料導入室1
10に移送した後プラズマCVD装置から取り出し、前
述のスパッタリング装置に再び装着し、ZnOをターゲ
ットとしたアルゴンスパッタリング法により厚さ70n
mのZnOからなる第二透明導電膜層を積層した。この
ときのスパッタリングは、Ar流量10sccm、圧力
5mTorr、RFパワー10W、基板温度200℃、
スパッタリング時間20分の条件で行った。
【0063】さらに、ターゲットとして銀を用いたアル
ゴンスパッタ法により800nmの金属層を積層した。
なお、スパッタリングは、Ar流量10sccm、圧力
5mTorr、RFパワー200W、基板温度200
℃、スパッタリング時間20分の条件で行った。
【0064】このようにして得られた光起電力素子に対
して、そのI−V特性を測定した。なお、I−V特性の
測定は微小電流計(ヒューレットパカード社製4140
B)を用いて100mW/cm2の白色光照射下におい
て行った。
【0065】得られたI−V特性曲線から開放電圧及び
短絡電流を求めたところ、開放電圧は0.872V、短
絡電流は11.56mA/cm2、曲線因子は0.60
3であり、変換効率は6.08%であった。
【0066】実施例2 実施例1において、真性半導体層作製開始時のRFパワ
ーを100Wにする以外は実施例1と同様にして光半導
体素子を作製した。得られた光起電力素子について実施
例1と同様にして開放電圧及び短絡電流を求めたとこ
ろ、開放電圧は0.854V、短絡電流は11.71m
A/cm2、曲線因子は0.573であり、変換効率は
5.73%であった。
【0067】比較例1 実施例1において、真性半導体層作製開始時のRFパワ
ーを20Wとせずに初めから200wとする他は実施例
1と同様にして光半導体素子を製造した。得られた光起
電力素子について実施例1と同様にして開放電圧及び短
絡電流を求めたところ、開放電圧は0.849V、短絡
電流は12.61mA/cm2、曲線因子は0.455
であり、変換効率は4.87%であった。
【0068】実施例1及び2と比較例1との結果の比較
から、真性半導体層を本発明の薄膜の製造方法で製造し
た場合には、開放電圧及び曲線因子が改善されることが
分かる。
【0069】
【発明の効果】本発明の薄膜の製造方法によれば、その
下地となる層を損傷させることなく、高密度プラズマC
VD法で(すなわち、高速度で)シリコン系薄膜等の薄
膜を製造することができる。該方法によりアモルファス
シリコン系太陽電池等の光起電力素子における真性半導
体層を形成した場合には、緩衝層を特に設けなくとも開
放電圧及び曲線因子の値が高く、しかも短絡電流が小さ
いといった優れた特性を有する光起電力素子を得る事が
可能となる。
【0070】このように、本発明の薄膜の製造方法を利
用した光起電力素の製造方法は、短時間で効率よく、良
好な特性を有する光起電力素子をできるという特徴を有
しており、工業的に優れた製造方法であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜の製造方法で使用できる代表的
なプラズマCVD装置の概略図である。
【図2】 代表的なpin型光起電力素子の構造を示す
図である。
【符号の説明】
100 プラズマCVD装置 110 試料導入室 120 CCP反応容器 130 ICP反応容器 121 メカニカルブースターポンプ 122 ターボモレキュラポンプ 131 油拡散ポンプ 141 高周波発生装置 142 高周波発生装置 151 ガス供給装置 160 トランスファーロッド 171 ゲートバルブ 172 ゲートバルブ 200 光起電力素子 210 ガラス基板 220 透明導電膜層 230 半導体層 231 p型半導体層 232 真性半導体層 233 n型半導体層 240 第二透明導電膜層 250 金属層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空状態に維持された反応チャンバー内
    に、反応ガスを供給すると共に、該反応チャンバーの内
    部又は外部に配置したプラズマ発生電極に高周波電力を
    印加することにより1010cm 3以上の電子密度の反
    応ガスプラズマを発生させて、該反応チャンバー内に設
    置された基材の表面上に薄膜を形成する薄膜の製造方法
    であって、製膜を開始してからプラズマ発生電極に印加
    する高周波電力を連続的に又は段階的に増大させること
    を特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 薄膜形成開始時にプラズマ発生電極に印
    加する高周波電力を薄膜形成中にプラズマ発生電極に印
    加する最大高周波電力の50%以下とすることを特徴と
    する請求項1記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 真空状態に維持された反応チャンバー内
    に、反応ガスを供給すると共に、該反応チャンバーの内
    部又は外部に配置したプラズマ発生電極に高周波電力を
    印加することにより1010cm 3以上の電子密度の反
    応ガスプラズマを発生させて、該反応チャンバー内に設
    置された基材の表面上に厚さ10nm以上の薄膜を形成
    する薄膜の製造方法であって、形成される薄膜の膜厚が
    10nmに達するまでの製膜速度を0.01〜0.5n
    m/秒とすることを特徴とする薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 シラン系ガスを含む反応ガスを用いシリ
    コン系薄膜を製造する請求項1乃至請求項3の何れか一
    に記載の薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 n型不純物半導体であるシリコン系薄膜
    とp型不純物半導体であるシリコン系薄膜とが真性半導
    体であるシリコン系薄膜を介して接合され、且つこれら
    シリコン系薄膜の少なくとも1つの厚さが10nm以上
    である積層体を有する光起電力素子の製造方法であっ
    て、該積層体を構成する厚さ10nm以上のシリコン系
    薄膜の少なくとも1つを請求項4記載の薄膜の製造方法
    によって製造することを特徴とする光起電力素子の製造
    方法。
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