JP2001281417A - 屈折率分布レンズ、レンズアレイ、及び光デバイス - Google Patents

屈折率分布レンズ、レンズアレイ、及び光デバイス

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JP2001281417A
JP2001281417A JP2000092058A JP2000092058A JP2001281417A JP 2001281417 A JP2001281417 A JP 2001281417A JP 2000092058 A JP2000092058 A JP 2000092058A JP 2000092058 A JP2000092058 A JP 2000092058A JP 2001281417 A JP2001281417 A JP 2001281417A
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light
refractive index
lens
light emitting
electrode
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JP2000092058A
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English (en)
Inventor
Yasushi Araki
康 荒木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良く光を集光することができ、平行光線に
近い光を出射することができる屈折率分布レンズを提供
する。また、光源からの光を高い効率で利用することが
できる光デバイスを提供する。 【解決手段】屈折率分布レンズを、半径r方向に屈折率
n(r)が半径の2乗に比例して減少すると共に、光軸
z上の入射位置を基準として入射位置から光の伝播する
方向に光軸z方向の屈折率n(z)が増加するように構
成すると、効率良く光を集光することができ、平行光線
に近い光を出射することができる。この屈折率分布レン
ズは、種々の光デバイスにおいて集光部材として用いる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率分布レン
ズ、レンズアレイ、及び光デバイスに係り、特に、集光
部材として有用な屈折率分布レンズとレンズアレイ、及
びこの屈折率分布レンズまたはレンズアレイを集光部材
として用いた光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光通信
用光学系や露光ヘッド用光学系には、集光部材としてカ
ップリングレンズやコリメータレンズが用いられてい
る。これらのカップリングレンズやコリメータレンズで
は、発光素子等の光源から出射された光を効率良く集光
し、集光した光を次に入射する媒体内を効率良く伝播で
きる状態で出射することが重要である。
【0003】光通信用光学系の場合には、光源と光ファ
イバーとの結合効率を高め、且つ伝播路である光ファイ
バー内での伝播効率を高めることが必要とされる。入射
した光線を全反射させて伝播すると伝播時の光量ロスが
減少するので、光ファイバー内での伝播効率を高めるた
めには、できるだけ平行光線に近い光を光ファイバーに
入射させる方がよい。
【0004】また、露光ヘッド用光学系の場合には、露
光面に所望のビーム径で結像させることができると同時
に、露光面の凹凸により露光性能が変動しないように、
焦点深度が深い露光光であることが必要になる。即ち、
露光ヘッド用光学系の場合も、露光光ができるだけ平行
光線に近い光となる方がよい。
【0005】例えば、発光素子を点光源と見なし、NA
(開口数)の大きい光学系の焦点位置に発光素子を配置
することにより、発光素子から出射された光を集光して
平行光線とすることができる。
【0006】しかしながら、光学系に対して発光素子が
小さいので、利用できる光の絶対量が少なくなり、光学
素子の大きさに対して十分な光量を得ることができず、
露光光源として用いる場合にも単位面積当たりの光量が
不足する、という問題がある。
【0007】以上述べた事情から、効率良く光を集光す
ることができ、平行光線に近い光を出射することができ
る光学系の開発が望まれていた。
【0008】従って、本発明の目的は、効率良く光を集
光することができ、平行光線に近い光を出射することが
できる屈折率分布レンズを提供することにある。また、
本発明の他の目的は、本発明の屈折率分布レンズを用い
て、光源からの光を高い効率で利用することができる光
デバイスを提供することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の屈折率分布レンズは、半径r方向
に屈折率n(r)が半径の2乗に比例して減少すると共
に、光軸z上の入射位置を基準として入射位置から光の
伝播する方向に光軸z方向の屈折率n(z)が増加する
ことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の屈折率分布レンズは、請
求項1に記載の発明において、下記式(1)で表される
屈折率nの光軸z方向の微分係数∂n/∂zの係数A
が、0.001mm-1以上であることを特徴とする。
【0011】
【数2】
【0012】請求項3に記載の屈折率分布レンズは、請
求項1または2に記載の発明において、前記入射位置に
おける屈折率n0とレンズの入射側の媒体の屈折率nx
の差が0.5以下であることを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の屈折率分布レンズは、請
求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、光の
出射側の面が凹形状であることを特徴とする。
【0014】請求項5に記載のレンズアレイは、請求項
1〜4のいずれか1項に記載の屈折率分布レンズを、同
一基板上に複数配置したことを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の光デバイスは、請求項1
〜4のいずれか1項に記載の屈折率分布レンズを、光を
集光する集光部材として用いたことを特徴とする。ま
た、請求項7に記載の光デバイスは、請求項5に記載の
レンズアレイを、光を集光する集光部材として用いたこ
とを特徴とする。
【0016】請求項8に記載の光デバイスは、請求項6
または7に記載の発明において、拡散光が入射されるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項9に記載の光デバイスは、請求項1
〜4のいずれか1項に記載の屈折率分布レンズと、前記
屈折率分布レンズ上に設けられた透明な第1の電極と、
前記第1の電極と対向して設けられた第2の電極と、前
記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、電圧
印加により発光する発光層と、を含んで構成したことを
特徴とする。
【0018】請求項10に記載の光デバイスは、請求項
5に記載のレンズアレイと、前記レンズアレイ上に設け
られた透明な第1の電極と、前記第1の電極と対向して
設けられた第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の
電極との間に設けられ、電圧印加により発光する発光層
と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0019】本発明の屈折率分布レンズは、半径r方向
に屈折率n(r)が半径の2乗に比例して減少すると共
に、光軸z上の入射位置を基準として入射位置から光の
伝播する方向に光軸z方向の屈折率n(z)が増加する
構造を有している。このように屈折率n(r)が半径r
方向に半径の2乗に比例して減少するレンズ中を光が通
過する場合、光は光軸zを中心とする正弦波で伝播す
る。また、同時に光軸z上の入射位置を基準として入射
位置から光の伝播する方向に光軸z方向の屈折率n
(z)が増加するレンズでは、光は光軸zを中心とする
減衰正弦波として伝播するに従い、光軸z近辺に収束し
た平行光線に変換される。例えば、光源に有機発光素
子、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス素子等
の拡散光源を用いる場合であっても、その光源の光取り
出し側に、上記構造の屈折率分布レンズを配置すること
で、光が伝播方向に収束し、平行光線として出射され
る。
【0020】上記の通り、本発明の屈折率分布レンズよ
り出射された光は、光軸近辺に収束した平行光線となる
ので、この屈折率分布レンズを集光部材として用いた光
デバイスでは、素子間の結合効率を高めることができ、
光伝播路中での伝播効率を向上させることができ等、光
源からの光を高い効率で利用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、具体的な実施の形態に基づ
き、本発明の屈折率分布レンズ、レンズアレイ、及び光
デバイスについて詳細に説明する。 (第1の実施の形態)第1の実施の形態は、本発明の実
施の形態に係る屈折率分布レンズを基板として備えた、
本発明の光デバイスである有機発光素子の例である。第
1の実施の形態の有機発光素子は、図1に示すように、
板状の屈折率分布レンズ1上に、少なくとも、第1の電
極としての透明電極2(通常、陽極として使用され
る)、発光層を含む有機化合物層3、及び第2の電極と
しての背面電極4(通常、陰極として使用される)をこ
の順に積層して構成されている。なお、この発光素子5
では、屈折率分布レンズ1の側から光が出射される。以
下、各構成要素について詳細に説明する。
【0022】屈折率分布レンズは、図2に示す通り、半
径r方向に屈折率n(r)が半径の2乗に比例して減少
すると共に、光軸z上の入射位置を基準として入射位置
から光の伝播する方向に光軸z方向の屈折率n(z)が
増加する構造を有している。ここで、光軸z方向とは、
発光素子の中心と屈折率分布レンズの中心とを結ぶ直線
方向であり、半径r方向とは光軸zに垂直な任意の方向
であり、半径rとは光軸zに垂直な平面πにおける、π
と光軸zとの交点からの距離である。
【0023】屈折率n(r)が半径r方向に半径の2乗
に比例して減少するレンズ中を光が通過する場合、光は
光軸zを中心とする正弦波で伝播する。同時に光軸z上
の入射位置を基準として入射位置から光の伝播する方向
に光軸z方向の屈折率n(z)が増加するレンズの場合
には、光は光軸zを中心とする減衰正弦波として伝播す
るに従い、光軸z近辺に収束した平行光線に変換され
る。即ち、有機発光素子自体は完全拡散面光源である
が、有機発光素子の光取り出し側に、上記構造の屈折率
分布レンズを配置することで、光が伝播方向に収束し、
平行光線として出射される。
【0024】半径r方向の屈折率n(r)の分布は、入
射位置の屈折率をn0とすると、屈折率nの半径r方向
の微分係数∂n/∂rを下記式(2)で定義することに
より、下記式(3)で表すことができる。即ち、下記式
(3)に示される通り、半径r方向の屈折率n(r)
は、半径の2乗に比例して減少する。なお、A0及びA
は、比例定数である。
【0025】
【数3】
【0026】透明基板の光軸z方向の屈折率n(z)の
分布は、屈折率nのz軸方向の微分係数∂n/∂zを多
項式展開して得られる下記式(A)により表すことがで
きる。
【0027】
【数4】
【0028】屈折率が連続して変化する媒体中の光の軌
跡は、下記の光線方程式により決定される。
【0029】
【数5】
【0030】しかしながら、ここでは光の伝播方向につ
いての屈折率の変化だけを考慮すればよいので、上記の
通り屈折率nのz軸方向の微分係数∂n/∂zにより屈
折率分布を定義している。屈折率nはz軸方向に単調増
加するため、∂n/∂z>0であり、上記式(A)のA
〜D等の係数は、∂n/∂z>0の条件を満たす範囲で
任意に選択することができる。∂n/∂zは、例えば、
A、Bz、Cz2、A+Bz、Bz+Cz2、A+C
2、A+Bz+Cz2等、種々の式で表すことができ
る。∂n/∂zがAで表されるとき、屈折率nはz軸方
向の変位に対し直線的に変化し、∂n/∂zがzの1次
関数で表されるとき、屈折率nはz軸方向の変位の2乗
に比例して変化し、∂n/∂zがzの2次関数で表され
るとき、屈折率nはz軸方向の変位の3乗に比例して変
化する。
【0031】本実施の形態においては、また、この微分
係数∂n/∂zの値が大きくなるほど、光がz軸方向に
急速に収束し平行光線となり光の取り出し効率を向上さ
せることができるので、∂n/∂zの値が大きい方が好
ましい。例えば、∂n/∂z=Aで表される場合には、
係数Aは0.001mm-1以上が好ましく、0.01m
-1以上がより好ましく、0.1mm-1以上がさらに好
ましい。また、∂n/∂z=Bzで表される場合には、
係数Bは0.001mm-2以上が好ましく、0.01m
-2以上がより好ましく、0.1mm-2以上がさらに好
ましい。特に、高次の係数が大きいと、屈折率nの増加
の割合が大きくなるので、より屈折率勾配が大きい構造
の透明基板を得ることができる。なお、A〜D等の係数
は、レンズ径とレンズ厚さとに応じて∂n/∂zが所定
値以下となるように、上限を定めることができる。
【0032】また、屈折率分布レンズと透明電極(陽
極)との間の伝播効率を向上するためには、界面での反
射率ができるだけ小さいことが好ましい。具体的には、
屈折率分布レンズの屈折率と透明電極(陽極)の屈折率
との差が1以下が好ましく、0.5以下がより好まし
く、0.2以下がさらに好ましく、0.05以下が最も
好ましい。
【0033】屈折率分布レンズの半径は、作製したい有
機発光素子の大きさに応じて決定することができる。な
お、例えば、実際の半径が1mmのレンズでも有効半径
は0.3mmであるというように、実際にレンズを作製
すると、レンズ周辺部の屈折率は設計値から大きく外れ
ることが多く、周辺部はレンズとして作用しないので、
本実施の形態における屈折率分布レンズの半径とは、レ
ンズとして有効に作用する部分の半径を意味し、屈折率
は同心円状に変化する。また、屈折率分布レンズの外形
は円盤状には限られず、光軸に垂直な面での断面形状
は、円、楕円、正方形、長方形、多角形等とすることが
できる。
【0034】屈折率分布レンズとしては、通常のガラス
レンズの他にプラスチックレンズを使用することができ
る。プラスチックレンズとしては、耐熱性、寸法安定
性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿
性に優れていることが必要である。このようなレンズを
作製するためのプラスチック材料としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジ
グリコールカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。
【0035】これらのレンズの表面、あるいは電極とは
反対側の面(裏面とする)には、透湿防止層(ガスバリ
ア層)を設置するのが好ましい。透湿防止層(ガスバリ
ア層)には、窒化珪素や酸化珪素などの無機物を用いる
ことが好ましく、例えば高周波スパッタリング法などに
より成膜できる。さらに、必要に応じて、ハードコート
層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0036】屈折率分布レンズ上に設けられる透明電極
(陽極)は、400nm〜700nmの可視光の波長領
域において、少なくとも50%以上、好ましくは70%
以上の光透過率を有するものが好ましい。透明電極を構
成するための材料としては、酸化錫、酸化錫インジウム
(ITO)、酸化亜鉛インジウムなどの透明電極材料と
して公知の化合物の他、金や白金など仕事関数が大きい
金属の薄膜を用いてもよい。また、ポリアニリン、ポリ
チオフェン、ポリピロールまたはこれらの誘導体などの
有機化合物でもよい。透明導電膜については、沢田豊監
修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999
年)に詳細に記載されており、本発明に適用することが
できる。また、透明電極(陽極)は、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法などにより、目
的等に応じて、屈折率分布レンズ上の全面又は一面に形
成することができる。
【0037】有機化合物層は、発光層のみからなる単層
構造であってもよいし、発光層を2層以上有する、ある
いは、発光層の外に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注
入層、電子輸送層等のその他の層を適宜有する積層構造
であってもよい。有機化合物層の具体的な構成(電極を
含めて表示する)としては、陽極/ホール注入層/ホー
ル輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/発光層/
電子輸送層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電子
輸送層/陰極、などが挙げられる。また、発光層、ホー
ル輸送層、ホール注入層、電子注入層を複数層設けても
よい。
【0038】発光層の発光材料としては、発光可能な化
合物(蛍光を発する化合物)であれば特に制限はなく、
目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキシ
ノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザ
クマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナ
フタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合
物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン
化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノ
ロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、
ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化
合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、
ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ジスチリル
ベンゼン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレン
ピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フ
ルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウ
ム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム
化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン
化合物、キサンテン化合物及びチオキサンテン化合物、
シアニン化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合
物、キノリン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の
金属錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、2,
2’−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族
金属との錯体、オキサジアゾール化合物の金属錯体、希
土類錯体等が用いられる。
【0039】また、発光効率を向上させるために、発光
層にはオルトメタル化錯体を含有させることが好まし
い。オルトメタル化錯体とは、例えば山本明夫著「有機
金属化学−基礎と応用−」150頁、232頁、裳華房
社(1982年発行)や、H.Yersin著「Photochemistry
and Photophysics of Coordination Compounds」71
〜77頁、135〜146頁、Springer-Verlag社(1
987年発行)等に記載されている化合物群の総称であ
る。オルトメタル化錯体を形成する配位子としては種々
のものがあり、上記文献中にも記載されている。好まし
い配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,
8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリ
ジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2
−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘
導体は必要に応じて置換基を有していてもよい。オルト
メタル化錯体を形成する金属としては、Ir、Pd、P
t等が挙げられるが、イリジウム(Ir)錯体が特に好
ましい。また、上記オルトメタル化錯体は、オルトメタ
ル化錯体を形成するのに必要な配位子以外に、他の配位
子を有していてもよい。なお、ここでいうオルトメタル
化錯体には、3重項励起子から発光する化合物も含まれ
ており、発光効率を向上させるために、これら3重項励
起子から発光する化合物を発光層に含有させることが特
に好ましい。
【0040】上記に例示した発光材料は、単独で用いて
も、複数併用してもよい。また、高分子発光材料を用い
ることもできる。高分子発光材料の例としては、ポリ−
p−フェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導
体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役系の他、低分子色
素とテトラフェニルジアミンやトリフェニルアミンを主
鎖や側鎖に導入したポリマー等が挙げられる。高分子発
光材料に低分子発光材料を混合して使用することもでき
る。
【0041】電子注入層は、絶縁性材料により形成され
る。電子輸送層の厚みが所定の範囲内では、ホールが電
子輸送層を通り抜ける確率が高くなり、結果として発光
効率が低下する。従って、ホールの通り抜けを防止する
ために、有機化合物層に絶縁性薄膜からなる電子注入層
を設けるのが好ましい。絶縁性材料としては、酸化アル
ミニウムやフッ化リチウムが挙げられ、これらの材料を
用いて0.01〜10nmの厚さの薄膜を形成する。ま
た、同様の理由から、絶縁性薄膜からなるホール注入層
を形成することが好ましい。
【0042】電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物
としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導
体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導
体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェニルキノン
誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラ
キノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、
アントロン誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、
キノリン錯体誘導体などの化合物が挙げられる。
【0043】ホール輸送層に用いられるホール輸送性化
合物としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリフ
ェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフ
ェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリンなどの
高分子やトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導
体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレ
ンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換
カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘
導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシア
ニン等のポリフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合
物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベン
ジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタ
ン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバー
ストポリアミン誘導体などを使用することができる。
【0044】また、有機化合物層には、これらの構成に
加えて、陽極とホール輸送層(ホール輸送層を設けない
ときは発光層)との間に、陽極に接する導電性高分子層
を設けてもよい。この導電性高分子層を設けることによ
り、駆動電圧がほとんど上昇することなく、有機化合物
層の膜厚を大きくすることができ、輝度ムラやショート
が改善される。導電性高分子としては、WO−98/0
5187等に記載のポリアニリン誘導体、ポリチオフェ
ン誘導体およびポリピロール誘導体が好ましい。これら
の誘導体はプロトン酸(例えば、樟脳スルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレ
ンスルホン酸等)と混合した状態で使用することができ
る。これらの誘導体は、必要に応じて他の高分子(例え
ば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリ−N
−ビニルカルバゾール(PVCz)等)と混合して使用
することもできる。導電性高分子層の表面抵抗は,10
000Ω/□以下が好ましい。導電性高分子層の膜厚
は、10nm〜1000nmが好ましく、20nm〜2
00nmがより好ましい。
【0045】ホール輸送層、電子輸送層、発光層および
導電性高分子層などの各有機化合物層は、真空蒸着法、
スパッタ法、ディッピング法、スピンコーティング法、
キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等、
公知の方法を用いて形成することができる。また溶媒を
使い分けることにより多層塗布も可能である。また、本
実施の形態の有機化合物層は、発光素子の用途、目的等
に応じて、透明電極(陽極)上の全面又は一面に形成さ
れる。
【0046】ホール輸送層、電子輸送層、発光層および
導電性高分子層などの各有機化合物層は、真空蒸着法、
スパッタ法、ディッピング法、スピンコーティング法、
キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等、
公知の方法を用いて形成することができる。また溶媒を
使い分けることにより多層塗布も可能である。
【0047】有機化合物層上に設けられる背面電極(陰
極)は、仕事関数の低いLi、Kなどのアルカリ金属、
Mg、Caなどのアルカリ土類金属およびこれらの金属
とAgやAlなどとの合金・混合物等の陰極材料から形
成されるのが好ましい。陰極における保存安定性と電子
注入性とを両立させるために、上記材料で形成した電極
を、仕事関数が大きく導電性の高いAg、Al、Auな
どで被覆してもよい。なお、背面電極(陰極)について
も透明電極(陽極)と同様に、真空蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法などの公知の方法で形成す
ることができる。
【0048】また、本実施の形態の有機発光素子には、
大気中の水分や酸素の有機発光素子への侵入を防止する
ための封止層を設けることができる。封止層に用いる封
止材料としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも
1種のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状
構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポ
リユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、およびジクロロジフ
ルオロエチレンから選択される2種以上の共重合体、吸
水率1%以上の吸水性物質および吸水率0.1%以下の
防湿性物質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、A
l、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2
Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe
23、Y23等の金属酸化物、MgF2、LiF、Al
3、CaF2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカ
ン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液
状フッ素化炭素およびこれら液状フッ素化炭素に水分や
酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの等が用いられ
る。また、陰極の表面(有機化合物層とは反対側の面)
には湿気や空気を遮断するための保護層を形成してもよ
い。
【0049】第1の実施の形態に係る有機発光素子で
は、陽極と陰極との間に所定の電圧が印加されると、発
光層から光が放出される。この光が、屈折率分布レンズ
によりレンズ内を伝播方向に収束しながら伝播し、平行
光線とされて出射されるので、発光効率が向上する。
【0050】また、第1の実施の形態では、屈折率分布
レンズ上に有機発光素子を形成しているため、屈折率分
布レンズが有機発光素子の一部を構成し、外部に集光用
光学系を設ける必要がないため、露光装置等の光デバイ
スに光源として使用する場合に、デバイスをコンパクト
化することができる。
【0051】なお、陽極と陰極との間に直流(必要に応
じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜3
0ボルトの範囲のパルス電圧)、またはパルス電流を印
加すれば、発光を得ることができる。有機発光素子の駆
動については、特開平2−148687号公報、同6−
301355号公報、同5−29080号公報、同7−
134558号公報、同8−234685号公報、同8
−241047号公報等に記載の方法も利用できる。 (第2の実施の形態)第2の実施の形態は、本発明の実
施の形態に係る屈折率分布レンズを用い、有機発光素子
からの光を収束させる本発明の光デバイスである露光光
源の例であり、第2の実施の形態の露光光源は、図3に
示すように、屈折率分布レンズ10と、屈折率分布レン
ズ10の焦点位置に配置された有機発光素子5Aとを備
えている。
【0052】有機発光素子5Aは、図4に示すように、
透明基板1A上に、少なくとも、第1の電極としての透
明電極2(通常、陽極として使用される)、発光層を含
む有機化合物層3、及び第2の電極としての背面電極4
(通常、陰極として使用される)をこの順に積層して構
成されている。なお、この発光素子5Aでは、透明基板
1Aの側から光が出射される。この有機発光素子5A
は、屈折率分布レンズ1に代えて透明基板1Aを用いた
以外は、第1の実施の形態の有機発光素子5と同様の構
成であるため、同様の部分については説明を省略する。
【0053】透明基板1Aは、屈折率が一定の基板でよ
く、通常のガラス基板の他にプラスチック基板を使用す
ることができる。プラスチック基板としては、耐熱性、
寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気
性、低吸湿性に優れていることが必要である。このよう
な基板を作製するためのプラスチック材料としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、
アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド等が挙げ
られる。また、これらの基板の表面、あるいは電極とは
反対側の面(裏面とする)には、透湿防止層(ガスバリ
ア層)を設置するのが好ましい。透湿防止層(ガスバリ
ア層)には、窒化珪素や酸化珪素などの無機物を用いる
ことが好ましく、例えば高周波スパッタリング法などに
より成膜できる。さらに、必要に応じて、ハードコート
層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0054】屈折率分布レンズ10には、第1の実施の
形態と同様の屈折率分布レンズを使用するため、屈折率
分布レンズ10についての説明は省略する。
【0055】第2の実施の形態に係る露光光源では、陽
極と陰極との間に所定の電圧が印加されると、発光層か
ら光が放出され有機発光素子が発光する。この発光光
が、屈折率分布レンズによりレンズ内を伝播方向に収束
しながら伝播し、平行光線とされて出射される。 (第3の実施の形態)第3の実施の形態は、本発明の実
施の形態に係る屈折率分布レンズを同一基板上に複数配
置したレンズアレイを用い、複数の有機発光素子からの
光をそれぞれ収束させる本発明の光デバイスである露光
光源の例であり、第3の実施の形態の露光光源は、図6
に示すように、複数の有機発光素子5Aと、各有機発光
素子5Aに対応して設けられた複数の屈折率分布レンズ
10からなるレンズアレイ14とから構成されており、
各有機発光素子5Aは、基板11上の対応する屈折率分
布レンズ10の焦点位置に配置されている。
【0056】本実施の形態の露光光源では、複数の有機
発光素子5Aが、発光色別に複数列配列されてドットア
レイを構成している。各発光色は1ラインでも、複数の
ラインになっていてもよい。1画素のサイズは10〜5
00μm、より好ましくは50〜300μmである。複
数のラインからなる場合、ライン間は1μm〜1mm、
さらには5μm〜300μmの非発光部で構成されるこ
とが好ましい。上記ライン間は、電気絶縁性の遮光材料
を用いて素子表面を平坦化することにより、迷光が抑制
され望ましい。このように配列した有機発光素子は、1
ライン毎に順次駆動して発光させる。1回の発光時間は
100ミリ秒〜10ナノ秒、好ましくは10ミリ秒〜1
マイクロ秒である。
【0057】有機発光素子5Aは、第2の実施の形態の
有機発光素子と同様の構成であるため、同じ符号を付し
て説明を省略する。
【0058】レンズアレイ14には、各有機発光素子5
Aに対応して、複数の屈折率分布レンズ10が同一基板
12上に配置されており、複数の有機発光素子5Aがラ
イン状に配置されている場合は、屈折率分布レンズ10
もライン状に配置され、複数の有機発光素子5Aがマト
リックス状に配置されている場合は、屈折率分布レンズ
10もマトリックス状に配置される。また、複数の素子
をライン状に配置する場合、素子の配列方向と直交する
方向を長くした長方形の素子を用いて出射面積を拡大
し、出射光量を増加させることができるが、この場合に
は、屈折率分布レンズ10の断面を、素子形状と同様
に、素子の配列方向と直交する方向を長くした形状とす
ることができる。
【0059】レンズアレイ14を構成する各屈折率分布
レンズ10には、第1の実施の形態と同様の屈折率分布
レンズを使用するため、屈折率分布レンズ10について
の説明は省略する。
【0060】第3の実施の形態に係る露光光源では、陽
極と陰極との間に所定の電圧が印加されると、発光層か
ら光が放出され各有機発光素子が発光する。この発光光
が、それぞれの有機発光素子に対応して設けられた屈折
率分布レンズに入射し、レンズ内を伝播方向に収束しな
がら伝播し、平行光線とされて出射される。
【0061】上記第1〜第3の実施の形態では、両レン
ズ面が共に平面である板状の屈折率分布レンズを用いた
例について説明したが、一方のレンズ面を平面とし他方
のレンズ面を凸状の球面としてもよく、両レンズ面を共
に凸状の球面としてもよい。少なくとも一方のレンズ面
を球面とすることによりレンズの屈折力が増加し、NA
を大きくすることができる。また、光の出射面は凸状の
球面とすることにより、回折による光の広がりを抑える
ことができる。
【0062】上記第1〜第3の実施の形態では、屈折率
分布レンズまたは透明基板上に、陽極、発光層を含む有
機化合物層、及び陰極をこの順に積層した有機発光素子
の例について説明したが、このような構成の有機発光素
子の他に、微小光共振器構造(マイクロキャビティ)を
有する有機発光素子についても本発明を適用することが
できる。微小光共振器構造を有する有機発光素子は、発
光スペクトルの半値幅が小さく、かつ指向性に優れてい
る。
【0063】例えば、屈折率分布レンズ上に形成された
有機発光素子の場合、図6に示すように、屈折率分布レ
ンズ1上に、順次、屈折率の異なる2種類の層が交互に
積層された多層膜ミラー6、透明電極2(通常、陽極と
して作用する)、発光層を含む有機化合物層3、および
金属ミラーの役割を有する背面電極(通常、陰極として
作用する。)4を有し、多層膜ミラー6と背面電極4と
の間で微小光共振器を形成している。多層膜ミラー6に
は、通常、屈折率の異なる2種類の誘電体(例えば、T
iO2とSiO2)を、各層の光学長が目的の発光波長の
1/4となるように交互に積層した誘電体ミラーが用い
られる。また、透明電極(ITOなど)と多層膜ミラー
との間にSiO2スペーサーを導入して膜厚を調整して
もよい。なお、微小光共振器構造を有する有機発光素子
については、例えば「月刊ディスプレイ ’98 10
月号別冊の『有機ELディスプレイ』(テクノタイムズ
社発行)」の105頁、特開平9−180883号公報
等に記載されている。
【0064】上記第2及び第3の実施の形態では、有機
発光素子を屈折率分布レンズの焦点位置に配置する例に
ついて説明したが、屈折率分布レンズの焦点位置に配置
されていない場合であっても、半径r方向の屈折率n
(r)の勾配を大きくすることにより平行光線化するこ
とが可能であるため、レンズの配置位置は目的に応じて
適宜変更することができる。
【0065】上記第2及び第3の実施の形態では、発光
素子として有機発光素子を用いる例について説明した
が、発光素子として、無機材料で構成された半導体レー
ザ(LD)や発光ダイオード(LED)、蛍光表示管、
気体レーザ、色素レーザ等を使用してもよい。
【0066】上記第1の実施の形態では、本発明の屈折
率分布レンズを基板として備えた有機発光素子の例につ
いて説明したが、本発明の屈折率分布レンズは、カップ
リングレンズやコリメータレンズとして種々の光デバイ
スの光学系に使用することができる。また、上記第2及
び第3の実施の形態では、本発明の光デバイスを露光光
源に適用した例について説明したが、本発明の光デバイ
スは、光通信用の電気光変換素子等、他の光デバイスに
適用できることは言うまでもない。
【0067】
【実施例】(実施例1〜8)面積Sの正方形状の出射面
を有する発光素子と、種々の屈折率分布レンズとを想定
し、発光素子の面積を30×30点に分割し、それぞれ
の点から出る光線を発光素子平面内の2つの垂直な軸に
対してなす角度により30個に分割し、合計81000
0本の光線追跡(光線シュミレーション)を行った。
【0068】この光線シュミレーションにおいて、発光
素子を倒立等倍になるように屈折率分布レンズと離間し
て配置したと想定し、その時の面積Sの像面を貫く光線
数を求めて(面積Sの像面を貫く光線数/81000
0)を計算したものが集光率であり、また(面積Sの像
面を光軸方向にΔx動かしたときに、光線数を貫く光線
数が変化する割合が5%を越えるΔxが焦点深度であ
る。
【0069】半径r方向に屈折率n(r)が半径の2乗
に比例して減少すると共に、入射位置における屈折率n
0、及び下記式(4)で表される屈折率nのz軸方向の
微分係数∂n/∂zの係数A及びBが、表1に示す値で
ある屈折率分布レンズを想定し、上記の光線シュミレー
ションを行った。
【0070】
【数6】
【0071】(比較例1〜3)レンズ定数A。が約0.
15であり、開口角が3.9、6.0、8.62[de
g]の屈折率分布レンズをそれぞれ比較例1〜3として
想定し、実施例1〜8と同様にして、光線シュミレーシ
ョンを行った。
【0072】光線シュミレーションの結果、実施例と比
較例とを同じ集光率で比較すると、半径r方向に屈折率
n(r)が半径の2乗に比例して減少すると共に、光軸
z上の入射位置を基準として入射位置から光の伝播する
方向に光軸z方向の屈折率n(z)が増加する構造を有
する屈折率分布レンズを用いた場合(実施例1〜8)に
は、所定のレンズ定数A。と所定の開口角を有する屈折
率分布レンズを用いた場合(比較例1〜3)に比べて、
深い焦点深度が得られることが分かった。従って、この
ような光学系を露光光源に適用した場合には、露光面の
凹凸により露光性能が変動し難く、安定した露光性能を
得ることができる。
【0073】
【表1】 (実施例9〜16)発光素子を屈折率分布レンズとを密
着させて配置した以外は、実施例1〜8と同様にして、
光線シュミレーションを行った。 (比較例4〜6)レンズ定数A。が約0.15であり、
開口角が3.9、6.0、8.62[deg]の屈折率
分布レンズをそれぞれ比較例4〜6として想定し、実施
例9〜16と同様にして、光線シュミレーションを行っ
た。
【0074】
【表2】 光線シュミレーションの結果、実施例と比較例とを同じ
集光率で比較すると、半径r方向に屈折率n(r)が半
径の2乗に比例して減少すると共に、光軸z上の入射位
置を基準として入射位置から光の伝播する方向に光軸z
方向の屈折率n(z)が増加する構造を有する屈折率分
布レンズを用いた場合(実施例9〜16)には、所定の
レンズ定数A。と所定の開口角を有する屈折率分布レン
ズを用いた場合(比較例4〜6)に比べて、深い焦点深
度が得られることが分かった。従って、このような光学
系を露光光源に適用した場合には、露光面の凹凸により
露光性能が変動し難く、安定した露光性能を得ることが
できる。
【0075】
【発明の効果】本発明の屈折率分布レンズは、効率良く
光を集光することができ、平行光線に近い光を出射する
ことができる、という効果を奏する。
【0076】また、本発明の光デバイスは、本発明の屈
折率分布レンズを用いることにより、光源からの光を高
い効率で利用することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の有機発光素子の層構成を示
す概略断面図である。
【図2】第1の実施の形態の有機発光素子の屈折率分布
レンズの屈折率分布を説明するための説明図である。
【図3】第2の実施の形態の露光光源の構成を示す概略
図である。
【図4】第2の実施の形態の露光光源に用いる有機発光
素子の層構成を示す概略断面図である。
【図5】第3の実施の形態の露光光源の構成を示す概略
図である。
【図6】有機発光素子の他の層構成を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1、10 屈折率分布レンズ 1A 透明基板 2 透明電極(陽極) 3 有機化合物層 4 背面電極(陰極) 5、5A 有機発光素子 6 多層膜ミラー 12 基板 14 レンズアレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半径r方向に屈折率n(r)が半径の2乗
    に比例して減少すると共に、光軸z上の入射位置を基準
    として入射位置から光の伝播する方向に光軸z方向の屈
    折率n(z)が増加する屈折率分布レンズ。
  2. 【請求項2】下記式(1)で表される屈折率nの光軸z
    方向の微分係数∂n/∂zの係数Aが、0.001mm
    -1以上である請求項1に記載の屈折率分布レンズ。 【数1】
  3. 【請求項3】前記入射位置における屈折率n0とレンズ
    の入射側の媒体の屈折率nxとの差が0.5以下である
    請求項1または2に記載の屈折率分布レンズ。
  4. 【請求項4】光の出射側の面が凹形状である請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の屈折率分布レンズ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の屈折
    率分布レンズを、同一基板上に複数配置したレンズアレ
    イ。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項に記載の屈折
    率分布レンズを、光を集光する集光部材として用いた光
    デバイス。
  7. 【請求項7】請求項5に記載のレンズアレイを、光を集
    光する集光部材として用いた光デバイス。
  8. 【請求項8】拡散光が入射される請求項6または7に記
    載の光デバイス。
  9. 【請求項9】請求項1〜4のいずれか1項に記載の屈折
    率分布レンズと、 前記屈折率分布レンズ上に設けられた透明な第1の電極
    と、 前記第1の電極と対向して設けられた第2の電極と、 前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、電
    圧印加により発光する発光層と、 を含む光デバイス。
  10. 【請求項10】請求項5に記載のレンズアレイと、 前記レンズアレイ上に設けられた透明な第1の電極と、 前記第1の電極と対向して設けられた第2の電極と、 前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、電
    圧印加により発光する発光層と、 を含む光デバイス。
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