JP2002246181A - 有機発光素子 - Google Patents

有機発光素子

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JP2002246181A
JP2002246181A JP2001374346A JP2001374346A JP2002246181A JP 2002246181 A JP2002246181 A JP 2002246181A JP 2001374346 A JP2001374346 A JP 2001374346A JP 2001374346 A JP2001374346 A JP 2001374346A JP 2002246181 A JP2002246181 A JP 2002246181A
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JP2001374346A
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Yasushi Araki
康 荒木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動耐久性を向上した有機発光素子を提供する
こと 【解決手段】 基板10上に透明電極12と背面電極と
を有し、透明電極12と背面電極との間に少なくとも一
つの蛍光物質及び/又は少なくとも一つの燐光物質を含
有する有機発光層を有し、透明電極12と背面電極間に
電圧を印加すると発光する有機発光素子において、透明
電極12の発光面周辺部に前記透明電極の材料と屈折率
の異なる材料からなる層14を設けた有機発光素子、及
び透明電極12の発光面周辺部にELスペクトルの少な
くとも一つの波長における光の反射率が85%以上の材
料からなる層14を設けた有機発光素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機発光素子に関
し、特に面状発光素子に用いるのに好適な有機発光素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】有機物質を利用した有機発光素子は、容
易に面状発光素子に適用し得るため、新たな光デバイス
として注目されている。具体的には、固体発光型の安価
な大面積フルカラー表示素子や書きこみ光源アレイとし
ての用途が有望視され多くの開発が行なわれている。一
般に有機発光素子は、発光層及び該発光層を挟んだ一対
の対向電極(背面電極及び透明電極)から構成されてい
る。そして、該有機発光素子においては、前記一対の対
向電極間に電界が印加されると、該有機発光素子内に、
前記背面電極から電子が注入されると共に前記透明電極
から正孔が注入される。該電子と正孔とが前記発光層中
において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子
帯に戻る際にエネルギーが光として放出され発光する。
ところで、従来における有機発光素子は、駆動電圧が高
く発光輝度や発光効率が低いという問題があったが、近
年、多くの技術者により検討され無機LEDに匹敵する
ような効率が得られてきている。
【0003】しかしながら、有機発光素子においては、
駆動耐久性の点が劣っており、さらなる改善が望まれて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、駆動
耐久性を向上した有機発光素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
手段で達成された。 (1)基板上に透明電極と背面電極とを有し、該透明電
極と該背面電極との間に少なくとも一つの蛍光物質及び
/又は少なくとも一つの燐光物質を含有する有機発光層
を有し、透明電極と背面電極間に電圧を印加すると発光
する有機発光素子において、該透明電極の発光面周辺部
に前記透明電極と屈折率の異なる材料からなる層を設け
たことを特徴とする有機発光素子。 (2)基板上に透明電極と背面電極とを有し、該透明電
極と該背面電極との間に少なくとも一つの蛍光物質及び
/又は少なくとも一つの燐光物質を含有する有機発光層
を有し、透明電極と背面電極間に電圧を印加すると発光
する有機発光素子において、該透明電極の発光面周辺部
にELスペクトルの少なくとも一つの波長における光の
反射率が85%以上の材料からなる層を設けたことを特
徴とする有機発光素子。 (3)前記少なくとも一つの蛍光物質又は燐光物質の吸
収率の100%の強度にELスペクトルのピーク強度を
合わせたときに、ELスペクトルと該蛍光物質又は燐光
物質の吸収率スペクトルの重なる面積S重が、該ELス
ペクトルの面積S光の0.10以下であることを特徴と
する前記(1)又は前記(2)に記載の有機発光素子。 (4)前記蛍光物質及び/又は燐光物質の少なくとも一
つの材料がオルトメタル化錯体であることを特徴とする
前記(1)乃至前記(3)のいずれかに記載の有機発光
素子。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の有機発光素子は、1)基
板上に透明電極と背面電極とを有し、該透明電極と該背
面電極との間に少なくとも一つの蛍光物質及び/又は少
なくとも一つの燐光物質を含有する有機発光層を有し、
透明電極と背面電極間に電圧を印加すると発光する有機
発光素子において、該透明電極の発光面周辺部に前記透
明電極の材料と屈折率の異なる材料からなる層を設けた
有機発光素子、及び2)前記有機発光素子において、該
透明電極の発光面周囲部にELスペクトルの少なくとも
一つの波長における光の反射率が85%以上の材料から
なる層を設けた有機発光素子である。
【0007】1)透明電極の発光面周辺部に用けられる
透明電極の材料と屈折率の異なる材料は、透明電極の屈
折率との関係から相対的に定まる屈折率を有する材料か
らなる。この屈折率の異なる材料は、少なくとも透明電
極の材料の屈折率と異なることが必要であるが、好まし
くは透明電極の材料の屈折率との差が、0.1〜2.0
であり、より好ましくは0.2〜1.0である。透明電
極の材料と該透明電極の発光面周囲に設けられる材料と
の屈折率の差が大きい方が望ましいが、そのような材料
は少なく、一方、前記差が小さすぎると、基板側から取
り出される光量が少なくなる。
【0008】前記屈折率が異なる材料としては、前記し
た屈折率を有すると共に吸収係数が少なく、緻密性が高
い材料が望まれる。そのため、金属酸化物やハロゲン化
アルカリが好ましい。金属酸化物としては、例えば、S
iO2、Al23、MgO、TiO2、ハロゲン化アルカ
リとしては、MgF2、LiF、CaF2等が挙げられ
る。これらの中で緻密性、耐久性の観点から特にSiO
2、TiO2等が好ましい。
【0009】2)透明電極の発光面周辺部に設けられる
ELスペクトルの少なくとも一つの波長における光の反
射率が85%以上の材料は、好ましくは反射率が90%
以上、より好ましくは反射率が95%以上である。この
光の反射率が高い材料は、反射率が高いほど好ましい
が、少なくとも85%以上であれば、本発明の効果を発
揮するに十分である。
【0010】この光の反射率が85%以上の材料として
は、金属、例えば、Al、Cr、Au、In、Pt、Z
r、Ti、Ir、Cu、Zr、Ag、Pa等が挙げら
れ、合金であってよい。これらの中で広範囲の波長領域
にわたって反射率が高いAl、Cr、Au等が好まし
く、特にAlが好ましい。
【0011】1)に記載した材料、及び2)に記載した
材料は、いずれも透明電極の発光面の周辺部に層状に形
成される。ここで、透明電極の発光面の周辺部とは、透
明基板面に対して垂直方向から眺めたときに光の発光面
が観察できるが、その周辺部のことを言う。この場合、
周辺部とは透明電極の周縁及び該周縁の外周部であるの
が好ましい。ただし、周辺部とは必ずしもその周辺全域
を意味するものでなく、周辺の大部分に層が形成された
ものであって周辺に部分的に層の形成されていない領域
がある場合も包含する。その周辺部に設けられる層は、
発光面に対して基本的にはどのような距離に配置しても
良い。しかし、発光面に対して光を反射する層が発光面
の中心部までも覆いすぎると、基板側から取出される光
量が低下するため、発光面の端面にできるだけ近いほう
が望ましい。具体的には発光面の端面より発光面の中心
部までの距離が200mm以下が望ましく、より望まし
くは50mm以下で、最も望ましいのは1mm以下であ
る。
【0012】また、1)に記載の材料及び2)の記載の
材料の場合、いずれも層の厚さは、好ましくは0.02
〜0.5μm 、好ましくは0.2〜0.4μmである。
層14は、任意の手段によって形成可能であるが、特に
蒸着、EB蒸着、スパッタ等の方法によって形成するこ
とができる。本発明において、上記のように透明電極の
発光面の周辺部に上記材料からなる層が形成されること
によって透明電極内部を伝播する光を抑制し、基板から
取出される光の量を増大させることができる。
【0013】また、本発明においては、素子に含有され
る少なくとも一つの蛍光物質又は燐光物質の吸収率の1
00%の強度にELスペクトルのピーク強度を合わせた
ときに、ELスペクトルと蛍光物質又は燐光物質の吸収
率スペクトルの重なる面積S重が、該ELスペクトルの
面積S光の0.10以下であることが望ましく、0.0
5以下がより望ましく、0.02以下がさらに望まし
く、最も望ましいのは0.01以下である。吸収率と
は、入射光強度をI入とし出射光強度I出とした時に1
−I出/I入で与えられる。
【0014】本発明の効果は、オルトメタル化錯体を含
有する有機発光素子について非常に顕著である。オルト
メタル化錯体はELスペクトルと重なる部分にCT遷移
が存在し、薄膜でのCT遷移による励起状態が通常の電
子遷移の励起状態に比べて不安定であるためではないか
と推測している。本発明における、オルトメタル化錯体
とは、例えば山本明夫著「有機金属化学―基礎と応用
―」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)
やH.Yersin著「Photochemistry and Photophysics of C
oordination Compounds」71〜77頁、135〜14
6頁、Springer-Verlag社(1987年発行)等に記載
されている化合物群の総称である。オルトメタル化錯体
を形成する配位子としては、種々のものがあり、上記文
献中にも記載されている。好ましい配位子としては、2
−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘
導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1
−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘
導体等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置
換基を有していてもよい。オルトメタル化錯体を形成す
る金属としては、Ir、Pd、Pt等が挙げられるが、
イリジウム(Ir)錯体が特に好ましい。本発明に使用
するオルトメタル化錯体は、オルトメタル化錯体を形成
するに必要な配位子以外に、他の配位子を有していても
よい。なお、本発明に使用するオルトメタル化錯体は、
三重項励起子から発光する化合物も含まれており、発光
効率向上の観点から好ましい。
【0015】本発明における有機発光層の構成すなわち
電極間の構成について説明する。具体的な構成は、透明
電極/発光層/電子輸送層/背面電極、透明電極/ホー
ル輸送層/発光層/電子輸送層/背面電極などが挙げら
れる(逆の構成でもよい)。また、発光層、ホール輸送
層を複数層設けたり、ホール注入層や電子注入層を設け
ても良い。
【0016】本発明における電子輸送層に用いることの
できる電子輸送有機材料としてはオキサジアゾール誘導
体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置
換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導
体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキ
シル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニ
リデンメタン誘導体、アントロン誘導体、ペリノン誘導
体、オキシン誘導体、キノリン錯体誘導体などの化合物
が挙げられる。もちろん、これらの記載以外の有機材料
であっても構わない。
【0017】本発明においては、電子注入層として絶縁
層薄膜を設けることが非常に望ましい。好ましい材料と
しては、0.01〜10nm程度の薄層からなる酸化ア
ルミニウムやフッ化リチウムの層が知られている。もち
ろんこれ以外の材料でも構わない。
【0018】ホール輸送層に用いられるホール輸送性化
合物としてはポリ−N−ビニルカルバゾールやポリフェ
ニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェ
ン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリンなどの高
分子やトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、
イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピ
ラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジア
ミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコ
ン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、
スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒ
ドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン等
のポリフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合物及び
スチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン
誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導
体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポ
リアミン誘導体などを使用することができる。
【0019】本発明の有機発光素子の発光層に用いられ
る化合物としては、特に限定するものではなく、励起さ
れて蛍光を発することのできるものであればよく、例え
ば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化
合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキ
サジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール
化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フル
オレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合
物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及
びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロ
ン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナ
ントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベ
ン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、
ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化合物、ジシア
ノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン
化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チ
アピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロ
ピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴ
フェニレン化合物、キサンテン化合物及びチオキサンテ
ン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、アクリ
ドン化合物、キノリン化合物、8−ヒドロキシキノリン
化合物の金属錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯
体、2,2′−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩
とIII族金属との錯体、オキサジアゾール化合物の金属
錯体、希土類錯体等が用いられる。
【0020】これらの発光材料は、単独で用いても、複
数併用してもよい。また、高分子発光材料を用いても良
い。高分子発光材料の例としては、ポリ−p−フェニレ
ンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフ
ェン誘導体等のπ共役系の他、低分子色素とテトラフェ
ニルジアミンやトリフェニルアミンを主鎖や側鎖に導入
したポリマー等が挙げられる。高分子発光材料に低分子
発光材料を混合して使用することもできる。
【0021】本発明はこれらの構成に加えて、透明電極
とホール輸送層(ホール輸送層を設けないときは発光
層)の間で、透明電極に接して導電性高分子層を設置し
てもよい。この層を設置することにより、駆動電圧がほ
とんど上昇することなく、有機化合物層の膜厚を大きく
することができ、輝度ムラやショートが改善される。導
電性高分子としては、WO−98/05187等に記載
のポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体およびポ
リピロール誘導体が好ましい。これらの誘導体はプロト
ン酸(例えば、樟脳スルホン酸、p―トルエンスルホン
酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等)
と混合した状態で使用することができる。これらの誘導
体は、必要に応じて他の高分子(例えば、ポリメチルメ
タクリレート(PMMA)やポリ−N−ビニルカルバゾ
ール(PVCz)等)と混合して使用することもでき
る。導電性高分子層の表面抵抗は10000Ω/□以下
が望ましい。導電性高分子層の膜厚は10nm〜100
0nm、特に20nm〜200nmが望ましい。
【0022】ホール輸送層、電子輸送層、発光層および
導電性高分子層などの有機化合物層は、真空蒸着法、ス
パッタ法、ディッピング法、スピンコーティング法、キ
ャスティング法、バーコート法、ロールコート法等、公
知の方法を用いて形成することができる。また溶媒を使
い分けることにより多層塗布も可能である。
【0023】次に本発明における電極材料の説明をす
る。透明電極材料としては、酸化錫、酸化錫インジウム
(ITO)、酸化亜鉛インジウム等が良く知られてい
る。金や白金などの仕事関数が大きい金属薄膜を用いて
も良い。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピ
ロールまたはそれらの誘導体などを代表とする有機材料
でも良い。透明導電膜については、沢田豊監修「透明導
電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳細に記
載されており、本発明に適用できる。
【0024】背面電極材料としては仕事関数の低いL
i、K等のアルカリ金属やMg、Caなどのアルカリ土
類金属が電子注入性からは望ましい。また、酸化されに
くく安定なAl等も望ましい。 安定性と電子注入性を
両立させるために、2種以上の材料を含む層にしても良
く、それらの材料については特開平2−15595や特
開平5−121172に詳しく記載されている。
【0025】背面電極の表面(有機化合物層と反対側)
には湿気や空気を遮断するための保護層を形成してもよ
い。この目的の保護層については特開平7−85974
号等に記載されている。さらに、ガラスやポリ(クロロ
トリフルオロエチレン)シートを用いて封止することが
望ましい。この中に乾燥剤や撥水性のフッ素系不活性液
体等を挿入してもよい。透明電極や背面電極などの無機
物の層は真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティン
グ法などの公知の方法で形成できる。
【0026】本発明において、基板としては透明基板が
好適に用いられ、通常のガラス基板の他にプラスチック
基板を使用することができる。プラスチック基板として
は、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工
性、低通気性、低吸湿性に優れていることが必要であ
る。このような材料としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカ
ーボネート、ポリイミド等が挙げられる。これらの基板
の表面、あるいは電極と反対面(裏面とする)は、透湿
防止層(ガスバリア層)を設置するのが好ましい。透湿
防止層(ガスバリア層)としては窒化珪素や酸化珪素な
どの無機物が好ましく、例えば高周波スパッタリング法
などにより成膜できる。さらに、必要に応じて、ハード
コート層やアンダーコート層を設けてもよい。
【0027】また、一般に有機発光素子には発光素子を
構成している各層への水分や酸素の侵入を防止するため
の封止層が設けられる。これらの封止材料としては、テ
トラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーと
を含む共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ
素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレンおよびジクロロジフルオロエチレンから選
ばれる2種以上の共重合体、吸水率1%以上の吸水性物
質および吸水率0.1%以下の防湿性物質、In、S
n、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金
属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、N
iO、CaO、BaO、Fe23、Y2 3、TiO2
の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2
の金属フッ化物、パーフルオロアルカン、パーフルオロ
アミン、パーフルオロエーテル等の液状フッ素化炭素お
よび等該液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着
剤を分散させたもの等が用いられる。
【0028】電極のパターニングは、フォトリソグラフ
ィーなどによる化学的エッチングで行なうこともできる
し、レーザーなどを用いて物理的にエッチングすること
もできる。また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタな
どを行なってもよい。本発明において、有機EL素子は
単一の画素でも使用できるが、好ましくは、発光色別に
複数列設けられたドットアレイとして使用する。各発光
色は1ラインでも、複数のラインになっていてもよい。
1画素のサイズは、10〜500μm、好ましくは50
〜300μmである。
【0029】
【実施例】(基板の作成)図1に示すように、洗浄済み
の2.5cm角のガラス基板10にITOを厚み0.2
2μmでスパッタし、それをパターニングして透明電極
12を得た。その透明基板12に表1のような屈折率を
持つ材料と、表2のような反射率を持つ材料を表1に記
載の層形成法でそれぞれ厚み0.22μmの薄膜生成し
た。次に図2のようにパターニングし、透明電極12の
周辺部にそれぞれ前記材料による層14を形成して基板
A〜Gを作成した。なお比較例として図3のようにIT
Oのみをパターニングした基板を比較とした。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】(有機層の作製)上記基板A〜G及び比較
基板を、アセトン、IPAで超音波洗浄した。最後にI
PA煮沸洗浄を行った後、UV/O3洗浄を行った。上
記基板を用いて以下のような素子を作製した。4,4
‘−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニル(NPD)を、蒸着速度3〜4Å/se
cで厚み400Åとなるように蒸着し、化合物1を蒸着
速度3〜4Å/secで厚み200Åとなるように蒸着
し、さらに、トリス(8−キノリラト)アルミニウム
(Alq)を蒸着速度3〜6Å/secで厚み400Å
となるように蒸着した。その上から、陰極(背面電極)
をモル比でMg/Ag=10:1、厚み0.6μmで蒸
着を行った。その後、陰極(背面電極)上にAg単独を
0.5μmの厚みで蒸着し、素子1を作製した。
【0033】また化合物1の代わりに以下に示すような
化合物2、3を蒸着し、素子2、3を作成した。化合物
1〜3の吸収率スペクトルと素子1〜3のELスペクト
ルをそれぞれ図4〜6に示す。図4〜6中、化合物1〜
3の吸収率スペクトルを実線で示し、素子1〜3のEL
スペクトルを破線で示す。
【0034】
【化1】
【0035】また、上記化合物1の代わりに化合物4を
ホスト材料として化合物5,6をドープ材料として6質
量%でドープすること以外は全く同様にして素子4,5
を作製した。また、化合物7をホスト材料として化合物
8をドープ材料としてドープすること以外は全く同様に
して素子6を作製した。化合物5,6,8の吸収率スペ
クトルと素子4〜6のELスペクトルを図7〜9に示
す。図7〜9中、化合物4〜6の吸収率スペクトルを実
線で示し、素子4〜6のELスペクトルを破線で示す。
【0036】
【化2】
【0037】(駆動耐久性の評価)上記有機発光素子の
駆動耐久性を以下のように評価した。出力パワーが12
W/m2になるように、定電流駆動を行い出力パワーが
半分になる時間を測定した。その結果が表3である。
【0038】
【表3】
【0039】表3より、透明電極の発光面周辺部に屈折
率の異なる材料からなる層を形成した有機発光素子又は
透明電極の発光面周辺部にELスペクトルの少なくとも
一つの波長における光の反射率が85%以上の材料から
なる層を形成した有機発光素子は、前記した層を形成し
ていない比較基板によって作製された有機発光素子に比
較して同じ発光材料を使っても出力パワー同等で比較す
ると駆動耐久性が向上することがわかる。
【0040】また、少なくとも一つの蛍光物質又は燐光
物質の吸収率の100%の強度にELスペクトルのピー
ク強度を合わせたときに、ELスペクトルと該物質の吸
収率スペクトルの重なる面積S重が、該ELスペクトル
の面積S光の0.10以下である発光材料を用いた素子
(素子1及び素子6)は、上記発明の効果がより顕著に
現れることがわかる。さらに、オルトメタル化錯体を用
いた素子4〜6は、上記効果が非常に大きいことがわか
る。以上により本発明の効果が確認できた。
【0041】次に蒸着する有機物の量を変化させ、有機
層の膜厚を変化させることによって透明電極と背面電極
との電極間の距離を変化させた有機発光素子を作製し、
上記同様にして出力パワーの半減時間を測定した。その
結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4の結果から透明電極と背面電極との電
極間の距離を変化させた場合にも本発明の有機発光素子
は、出力パワーの半減時間が長く、駆動耐久性が高いこ
とを確認できた。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、駆動耐
久性が向上した有機発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の有機発光素子の一製造工程に
おける構成部品の平面図、(B)は(A)のa−a´線
断面図である。
【図2】(A)は本発明の有機発光素子の他の一製造工
程における構成部品の平面図、(B)は(A)のa−a
´線断面図、(C)は(A)のb−b´線断面図、であ
る。
【図3】(A)は比較例における有機発光素子の構成部
品の平面図、(B)は(A)のa−a´線断面図であ
る。
【図4】本発明の有機発光素子(素子1)における吸収
率スペクトルの重なる面積S重/ELスペクトルの面積
S光を示すスペクトル図である。
【図5】本発明の有機発光素子(素子2)における吸収
率スペクトルの重なる面積S重/ELスペクトルの面積
S光を示すスペクトル図である。
【図6】本発明の有機発光素子(素子3)における吸収
率スペクトルの重なる面積S重/ELスペクトルの面積
S光を示すスペクトル図である。
【図7】本発明の有機発光素子(素子4)における吸収
率スペクトルの重なる面積S重/ELスペクトルの面積
S光を示すスペクトル図である。
【図8】本発明の有機発光素子(素子5)における吸収
率スペクトルの重なる面積S重/ELスペクトルの面積
S光を示すスペクトル図である。
【図9】本発明の有機発光素子(素子6)における吸収
率スペクトルの重なる面積S重/ELスペクトルの面積
S光を示すスペクトル図である。
【符号の説明】
10 ガラス基板 12 透明電極(ITO) 14 層(周辺部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に透明電極と背面電極とを有し、
    該透明電極と該背面電極との間に少なくとも一つの蛍光
    物質及び/又は少なくとも一つの燐光物質を含有する有
    機発光層を有し、透明電極と背面電極間に電圧を印加す
    ると発光する有機発光素子において、該透明電極の発光
    面周辺部に前記透明電極の材料と屈折率の異なる材料か
    らなる層を設けたことを特徴とする有機発光素子。
  2. 【請求項2】 基板上に透明電極と背面電極とを有し、
    該透明電極と該背面電極との間に少なくとも一つの蛍光
    物質及び/又は少なくとも一つの燐光物質を含有する有
    機発光層を有し、透明電極と背面電極間に電圧を印加す
    ると発光する有機発光素子において、該透明電極の発光
    面周辺部にELスペクトルの少なくとも一つの波長にお
    ける光の反射率が85%以上の材料からなる層を設けた
    ことを特徴とする有機発光素子。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも一つの蛍光物質又は燐光
    物質の吸収率の100%の強度にELスペクトルのピー
    ク強度を合わせたときに、ELスペクトルと該蛍光物質
    又は燐光物質の吸収率スペクトルの重なる面積S重が、
    該ELスペクトルの面積S光の0.10以下であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機発光素
    子。
  4. 【請求項4】 前記蛍光物質及び/又は燐光物質の少な
    くとも一つの材料がオルトメタル化錯体であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機
    発光素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5145483B2 (ja) * 2011-05-19 2013-02-20 昭和電工株式会社 有機発光素子、有機発光素子の製造方法、表示装置および照明装置
US8507912B2 (en) 2010-09-29 2013-08-13 Samsung Display Co., Ltd. Organic light-emitting display device and method of manufacturing the same
WO2013186916A1 (ja) * 2012-06-15 2013-12-19 パイオニア株式会社 有機エレクトロルミネッセンスデバイス

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