JP2001279304A - 鎖状金属コロイド分散液及びその製造方法 - Google Patents

鎖状金属コロイド分散液及びその製造方法

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JP2001279304A
JP2001279304A JP2000091944A JP2000091944A JP2001279304A JP 2001279304 A JP2001279304 A JP 2001279304A JP 2000091944 A JP2000091944 A JP 2000091944A JP 2000091944 A JP2000091944 A JP 2000091944A JP 2001279304 A JP2001279304 A JP 2001279304A
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dispersion
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Takahiro Moto
隆裕 本
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Kokichi Waki
幸吉 脇
Keizo Ogawa
恵三 小川
Shingo Ishimaru
信吾 石丸
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CRTやPDP、FED等のフラットパネル
ディスプレイ等の前面板などに用いられる帯電防止性、
電磁波遮蔽性、導電性に優れた機能性層を生成できる鎖
状金属コロイド分散液及びコロイド分散液の製造方法を
提供する。 【解決手段】 少なくとも1種の金属を含有し、鎖状金
属コロイドの平均主鎖長と平均太さの比が5以上50以
下であり、かつ平均太さが2nm以上30nm以下であ
る鎖状分散質を有することを特徴とする鎖状金属コロイ
ド分散液およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた導電性を有
する機能性層を生成することのできる鎖状金属コロイド
分散液及びその製造方法にする。
【0002】
【従来の技術】TVブラウン管やコンピュータディスプ
レイとして用いられている陰極線管やプラズマディスプ
レーは、フェースパネル面に発生する静電気により埃が
付着して視認性が低下する他、電磁波を輻射して周囲に
悪影響を及ぼすなどの問題点を有している。 また陰極
線管のフラット化等により、反射防止機能が必要となっ
ている。 またフェースパネル面は手が触れたり、汚れ
を落とすことにより、擦り傷が発生しやすい問題があ
る。
【0003】帯電防止、電磁波遮蔽および反射防止を目
的として、銀等の金属あるいはITO等の導電性金属酸
化物を蒸着・スパッタ等で導電性層をフェースパネル面
に直接形成させる方法が提案されているが、膜形成には
真空処理や高温処理が必要であり、製造費が高価になっ
たり、生産性に問題があった。
【0004】また、ゾル−ゲル法による塗布方式の導電
性薄膜の形成法も提案されているが(羽生等,Nati
onal Thecnical Report 40,
No.1,(1994)90)、高温処理が必要であ
り,透明基材であるプラスチックフイルム上やハードコ
ート上への積層は基材の変質が起こることにより,基材
として使用できる素材が限定されてしまう問題があっ
た。
【0005】導電性酸化物微粒子やコロイドを分散させ
た透明導電性塗料も提案されているが(例えば、特開平
6−344489号、特開平7−268251号)、得
られた透明導電性層の導電性が低い問題があった。
【0006】さらに、導電性をあげるため、金属微粒子
からなる透明導電膜が提案されるようになってきた(例
えば、特開平9−55175号)。しかし、提案された
コロイドは粒子状の分散質であり導電性がまだ十分では
ないことがわかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するためになされたものであって、100〜20
00Ω/□の表面抵抗を有することで、帯電防止性、電
磁波遮蔽性を有するほか、反射防止性、機械特性、防汚
性に加えて生産性にも優れたフェースパネルに貼り付け
ることの可能な低反射透明導電性積層フイルムにおい
て、導電性液の金属分散質の形状を制御した微細な鎖状
金属コロイド分散液を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、少なくと
も1種の金属を含有し、鎖状金属コロイドの平均主鎖長
と平均太さの比が5以上50以下であり、かつ平均太さ
が2nm以上30nm以下である鎖状分散質を有するこ
とを特徴とする鎖状金属コロイドによって達成された。
前記の鎖状金属コロイドは少なくとも1種以上の第8族
あるいは第1B族の金属元素を含むことが好ましい。
【0009】該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平均主
鎖長が10nm以上100nm以下のものを使用した低
反射透明導電性積層フイルムはより低いヘイズ性を有
し、解像度に優れており、好ましい。該鎖状金属コロイ
ドの鎖状分散質の平均主鎖長が200nm以上1500
nm以下のものを使用した低反射透明導電性積層フイル
ムはより低い表面抵抗性を有し、電磁波遮蔽性に優れて
おり、好ましい。該鎖状金属コロイドの鎖状分散質の平
均主鎖長が100nm以上200nm以下のものを使用
した低反射透明導電性積層フイルムはヘイズ性と表面抵
抗性のバランスがとれており、好ましい。
【0010】該鎖状金属コロイド分散液は分散安定剤と
還元剤を混合した水溶液に、少なくとも2種類の金属の
塩を添加反応させた後、限外ろ過器により不純物を取り
除く製造方法により達成された。また、金属微粒子の分
散液中に別の金属微粒子または金属塩を存在させ、還元
剤を添加反応させた後、限外ろ過器により不純物を取り
除く製造方法によっても達成することができた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。鎖状金属コロイドはその分散質が少なくと
も1種以上の金属を含有し、平均主鎖長と平均太さの比
が5以上50以下であり、かつ平均太さが2nm以上3
0nm以下であることを特徴としている。鎖状金属コロ
イド分散質は分岐してもよく、分岐鎖の総長さが最も短
くなるように主鎖を設定する。
【0012】前記鎖状金属コロイドの平均太さが2nm
未満の場合はコロイド自体の導電性が低くなり、本発明
の目的を達成しうる程度の低抵抗値を有する層を得るこ
とができない。平均太さが30nmを越える場合には、
金属による光の吸収が大きくなり、このために導電層の
光透過率が低下すると同時にヘイズが大きくなる。この
ようなフイルムを、陰極線管の前面板として用いると、
表示画像の解像度が低下する。コロイドの長さが太さの
5倍を下回る場合、導電層を作成した際に、コロイド同
士の接合が多くなり、目的を達成しうる程度の低抵抗値
を得ることができない。また、50倍を越えると凝集し
やすくなり液の安定性が悪くなる。また、ヘイズも大き
くなる。
【0013】前記鎖状金属コロイドは、例えばAu、A
g、Pt、Pd、Ir、Rh、Cu、Fe、Ni、Co
などの第8族あるいは第1B族の金属元素を1種以上含
んでいれば特に制限はなく、単独金属コロイドであって
もよいが、耐候性などに優れた複合金属コロイドのほう
がより好ましい。そのなかで銀とパラジウムとのからな
るものがより好ましく、その際、パラジウムの含有量と
しては5〜30wt%が好ましく、パラジウムが少ない
と耐候性が悪く、パラジウムが多くなると導電性が低下
する。
【0014】鎖状金属コロイドは鋭意研究の結果、以下
の条件で製造することができることが分かった。 (i)分散安定剤と還元剤を混合した水溶液に、少なく
とも2種類の金属の塩を添加反応させた後、限外ろ過器
により不純物を取り除く方法。ここで分散安定剤の濃度
は高いことが望ましく、1%以上40%以下が望まし
く、10%以上40%以下が特に望ましい。 (ii)金属微粒子の分散物をあらかじめ作成してお
き、別の金属微粒子または金属塩を存在させ、還元剤を
添加反応させた後、限外ろ過器により不純物を取り除く
方法。ここで金属微粒子は単独金属でも合金でもよい。
金属塩としては、特に制限はないがNa2[PdCl4]などの錯
イオンが望ましい。また、あらかじめ作成した金属微粒
子の粒径、安定剤の添加、反応温度により鎖状金属コロ
イドの太さ、長さを制御することができる。安定剤を添
加することにより、細く、短くすることができ、また反
応温度を高くすることで長くすることができる。但し、
あまり高すぎると分断されてしまうことが分かった。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0016】<導電性金属コロイド分散液作成> a)導電性金属コロイド分散液の調製 本実施例、比較例で用いた金属微粒子分散液、鎖状金属
コロイド分散液は以下の方法で調製した。
【0017】金属微粒子分散液(C-1:比較例1)はメタ
ノール・水混合溶媒(メタノール40重量部/水60重
量部)にあらかじめポリビニルアルコールを金属1重量
部当り0.01重量部加え、金属微粒子が金属換算で2
重量%になるように硝酸銀を加えて、次いで還流器付フ
ラスコで90℃で窒素雰囲気下5時間加熱し、これをさ
らに加熱しながらメタノールを除去し、水を加えて所定
の濃度に調整した。
【0018】金属微粒子分散液(C-2:比較例2)は30
重量%のクエン酸ナトリウム水溶液300ccに30重
量%の硫酸第一鉄を50cc加え混合し、窒素雰囲気下
で温度を20℃に保ち、激しく攪拌しながら10%硝酸
銀を50cc添加し反応させ、これを限外ろ過器を使っ
て不純物を除き、水を加えて所定の濃度に調製した。
【0019】金属微粒子分散液(C-3:比較例3)は温度
を1℃に保ち、反応させる以外金属微粒子分散液(C-2)
と同様にして調製した。
【0020】金属微粒子分散液(C-4:比較例4)は温度
を35℃に保ち、反応させる以外金属微粒子分散液(C-
2)と同様にして調製した。
【0021】金属微粒子分散液(C-5:比較例5)は硝酸
銀を塩化金酸に変えて、反応させる以外金属微粒子分散
液(C-2)と同様にして調製した。
【0022】金属微粒子分散液(C-6:比較例6)は硝酸
銀を塩化白金酸に変えて、反応させる以外金属微粒子分
散液(C-2)と同様にして調製した。
【0023】金属微粒子分散液(C-7:比較例7)は硝酸
銀を硝酸銅に変えて、反応させる以外金属微粒子分散液
(C-2)と同様にして調製した。
【0024】金属微粒子分散液(C-8:比較例8)はメタ
ノール・水混合溶媒(メタノール40重量部/水60重
量部)にあらかじめポリビニルアルコールを金属1重量
部当り0.01重量部加え、金属微粒子が金属換算で2
重量%になるように硝酸銀及び硝酸パラジウムを加え
て、ついで還流器付フラスコで90℃で窒素雰囲気下5
時間加熱し、これをさらに加熱しながらメタノールを除
去し、水を加えて所定の濃度に調整した。
【0025】金属微粒子分散液(C-9:比較例9)は前記
調製した金属微粒子分散液(C-1)にポリビニルアルコー
ルをPd金属1重量部当り0.01重量部となるように
加え、これに金属微粒子(C-1)と金属Pdの重量比が
9:1となるように硝酸パラジウム水溶液を加え、つい
で硝酸パラジウムと等モル数の硫酸第一鉄を5分間かけ
て添加し、窒素雰囲気下で1時間反応させ、水を加えて
所定の濃度に調製した。
【0026】鎖状金属コロイド分散液(C-10:実施例1)
は30重量%のクエン酸ナトリウム水溶液300ccに
30重量%の硫酸第一鉄を50cc加え混合し、窒素雰
囲気下で温度を1℃に保ち、攪拌しながら10%硝酸銀
を45ccと14%硝酸パラジウムを5cc添加し反応
させ、これを限外ろ過器を使って不純物を除き、水を加
えて所定の濃度に調製した。
【0027】鎖状金属コロイド分散液(C-11:実施例2)
は前記調製した金属微粒子分散液(C-1)を窒素雰囲気下
で温度を1℃に保ち、攪拌しながら、金属微粒子(C-1)
と金属Pdの重量比が9:1となるようにNa2[PdCl4]水
溶液を加え混合し反応させ、これにポリビニルアルコー
ルを金属1重量部当り0.01重量部となるように加
え、3重量%の硫酸第一鉄をPdの0.2倍モル相当加
え反応させ、これを限外ろ過器を使って不純物を除き、
水を加えて所定の濃度に調製した。
【0028】鎖状金属コロイド分散液(C-12:実施例3)
は金属微粒子分散液(C-1)を金属微粒子分散液(C-2)に変
える以外は鎖状金属コロイド分散液(C-11)と同様にして
調製した。
【0029】鎖状金属コロイド分散液(C-13:実施例4)
は金属微粒子分散液(C-1)を金属微粒子分散液(C-3)に変
える以外は鎖状金属コロイド分散液(C-11)と同様にして
調製した。
【0030】鎖状金属コロイド分散液(C-14:実施例5)
は金属微粒子分散液(C-1)を金属微粒子分散液(C-4)に変
える以外は鎖状金属コロイド分散液(C-11)と同様にして
調製した。
【0031】鎖状金属コロイド分散液(C-15:実施例6)
は温度を25℃に保ち、反応させる以外は鎖状金属コロ
イド分散液(C-12)と同様にして調製した。
【0032】鎖状金属コロイド分散液(C-16:実施例7)
は温度を25℃に保ち、反応させる以外は鎖状金属コロ
イド分散液(C-13)と同様にして調製した。
【0033】鎖状金属コロイド分散液(C-17:実施例8)
は温度を25℃に保ち、反応させる以外は鎖状金属コロ
イド分散液(C-14)と同様にして調製した。
【0034】鎖状金属コロイド分散液(C-18:比較例1
0)は温度を50℃に保ち、反応させる以外は鎖状金属
コロイド分散液(C-12)と同様にして調製した。
【0035】鎖状金属コロイド分散液(C-19:実施例9)
は温度を50℃に保ち、反応させる以外は鎖状金属コロ
イド分散液(C-13)と同様にして調製した。
【0036】鎖状金属コロイド分散液(C-20:比較例1
1)は温度を50℃に保ち、反応させる以外は鎖状金属
コロイド分散液(C-14)と同様にして調製した。
【0037】鎖状金属コロイド分散液(C-21:実施例1
0)は温度を50℃に保ち、ポリビニールアルコールを
3倍量添加反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C
-12)と同様にして調製した。
【0038】鎖状金属コロイド分散液(C-22:実施例1
1)は温度を50℃に保ち、ポリビニールアルコールを
3倍量添加反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C
-13)と同様にして調製した。
【0039】鎖状金属コロイド分散液(C-23:実施例1
2)は温度を50℃に保ち、ポリビニールアルコールを
3倍量添加反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C
-14)と同様にして調製した。
【0040】鎖状金属コロイド分散液(C-24:実施例1
3)は温度を50℃に保ち、硫酸第一鉄を0.1倍モル
添加反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C-12)と
同様にして調製した。
【0041】鎖状金属コロイド分散液(C-25:比較例1
2)は温度を50℃に保ち、硫酸第一鉄を0.1倍モル
添加反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C-13)と
同様にして調製した。
【0042】鎖状金属コロイド分散液(C-26:比較例1
3)は温度を50℃に保ち、硫酸第一鉄を0.1倍モル
添加反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C-14)と
同様にして調製した。
【0043】鎖状金属コロイド分散液(C-27:実施例1
4)は金属微粒子分散液(C-2)を金属微粒子分散液(C-5)
に変えて、反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C
-15)と同様にして調製した。
【0044】鎖状金属コロイド分散液(C-28:実施例1
5)は金属微粒子分散液(C-2)を金属微粒子分散液(C-6)
に変えて、反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C
-16)と同様にして調製した。
【0045】鎖状金属コロイド分散液(C-29:実施例1
6)は金属微粒子分散液(C-2)を金属微粒子分散液(C-6)
に変えて、反応させる以外は鎖状金属コロイド分散液(C
-17)と同様にして調製した。
【0046】鎖状金属コロイド分散液(C-30:比較例1
4)は30重量%のクエン酸ナトリウム水溶液300c
cの濃度を0.01%に変える以外は鎖状金属コロイド
分散液(C-10)と同様にして調製した。
【0047】上述した調整法にしたがって作成した金属
コロイドのTEM観察結果からその平均粒径あるいは平
均太さ及び平均主鎖長を読み取り表1に示した。なお、
表1中、微粒子の形態は球形であるため、「平均長
さ」、「平均太さ」の欄は空白である。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示した金属コロイドを使って導電性
層を支持フイルム上に塗設しその性能を調べた。
【0050】<低反射透明導電性積層フイルム試料作成
> (1)ハードコート層塗布液の調整: (表面処理したアルミナ分散液の調製)セラミックコー
トのベッセルに各試薬を以下の量計量した。 シクロヘキサノン 337g PM−2(日本化薬(株)製リン酸基含有メタクリレート) 31g AKP−G015(住友化学工業(株)製アルミナ:粒径15nm) 92g 上記混合液をサンドミルにて1600rpm、10時間
微細分散した。メディアは1mmΦのジルコニアビーズ
を1400g用いた。
【0051】(ハードコート層用塗布液の調製)表面処
理したアルミナ微粒子の43重量%シクロヘキサノン分
散液116gに、メタノール97g、イソプロパノール
163gおよびメチルイソブチルケトン163gを加え
た。混合液に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混
合物(DPHA、日本化薬(株)製)200gを加えて
溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュ
ア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤
(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0g
を加えて溶解した。混合物を30分間攪拌した後、孔径
1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハード
コート層用塗布液を調製した。
【0052】(2)透明導電性層形成用塗布液の調製 表1に示した金属コロイド溶液をイソプロパノールで希
釈し、孔径1μmのPTFE製フィルターでろ過して透
明導電性層用塗布液を調製した。
【0053】(3)反射防止層用塗布液の調整 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPH
A、日本化薬(株)製)2gと光重合開始剤(イルガキ
ュア907、チバガイギー社製)80mgおよび光増感
剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)30m
gをメチルエチルケトン50g、シクロヘキサノン50
gの混合液に加えて溶解した。混合物を30分間撹拌し
た後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過
して低反射防止層用塗布液を調製した。
【0054】(4)防汚層用塗布液の調製 熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7214、日本合成
ゴム(株)製)にイソプロピルアルコールを加えて、
0.6重量%の粗分散液を調製した。粗分散液を、更に
超音波分散し、防汚層用塗布液を調製した。
【0055】[試料1〜30]低反射透明導電性積層フ
イルムの作製:175μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルムにワイヤーバーを用いてハードコート塗布液
を層厚8μmになるように塗布・乾燥し、紫外線照射し
ハードコート層を作製した。コロナ処理を施した後、上
記銀コロイド塗布液をワイヤーバーで塗布量が70mg
/m2になるように塗布し、120℃5分乾燥した。次
いで、反射防止層を膜厚70nmになるように塗布・乾
燥し、紫外線照射した。さらに、防汚層用塗布液を同様
に#3のワイヤーバーで塗布し120℃で乾燥・熱処理
を行った。
【0056】作成した試料を以下に示す方法で評価し
た。結果を表2に示した。 (低反射導電性積層フイルム防止膜の評価) (1)表面抵抗率 4端子法表面抵抗率計(三菱油化(株)製「ロレスタF
P」)により測定。 (2)透過率・ヘイズ ヘイズメーター(日本電色工業(株)製 MODEL 1
001DP)を用いて測定。 (3)平均反射率 分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、450〜65
0nmの波長領域における入射光5゜における正反射の
平均反射率を評価。 (4)鉛筆硬度 積層フイルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で2
時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験
用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆
硬度評価方法に従い、1kgの加重にて傷が全く認めら
れない硬度。 (5)防汚性 積層フイルム表面に指紋を付着させ、東レ(株)製トレシ
ーを用いてふき取って評価(○は指紋が完全にふき取れ
た状態、×は指紋の一部がふき取れずに残った状態)。
【0057】
【表2】
【0058】本発明金属コロイド液を使用して作成した
試料は透過率58〜62%、ヘイズ1.0%以下と光学
特性が極めて良好で、100〜2000Ω/□の範囲に
含まれる適切な表面抵抗率、1%以下の優れた平均反射
率を有する低反射透明導電性積層フイルムであることが
分かる。特に、実施例3、4、7、11、15は鎖状金
属コロイドの平均主鎖長が100nm以下で0.5%以
下の低へイズであることが分かる。また、実施例1、
5、6、8、9、10、12、13、15、16は平均
主鎖長200〜1500nmで500Ω/□以下の極め
て良好な低抵抗性を有していることが分かる。実施例2
は100〜200nmの長さでヘイズと低抵抗性にバラ
ンスのとれた性能を有していることが分かる。一方、比
較例の1〜9のように鎖状ではない金属コロイドを使用
して作成した試料は表面抵抗が大きく電磁波遮蔽性に乏
しいことがわかる。また、比較例10〜14のように鎖
状のものでも本発明で規定する平均太さ2〜30nm、
長さが太さの5〜50倍から外れたものも表面抵抗が大
きく電磁波遮蔽性に乏しいこと、また、比較例12以外
はヘイズが大きいことが明らかである。また、比較例1
4のように使用する安定剤の濃度が低いと鎖状金属コロ
イドが形成できないず、目標の性能が得られないことが
わかる。
【0059】
【発明の効果】本発明の鎖状金属コロイド分散液は、鎖
状の金属分散質としたことにより帯電防止性および電磁
波遮蔽性が優れたフイルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/10 C09C 3/10 5G435 C09D 5/24 C09D 5/24 201/00 201/00 (72)発明者 脇 幸吉 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小川 恵三 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 石丸 信吾 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 MA22 MC22 MC22X PB20 PC80 4G065 AA01 AA04 AA05 AB13Y AB32X AB38X BB06 CA01 DA06 DA09 EA02 FA01 FA02 4J037 AA04 CA03 CA05 CA15 CA20 CB09 CC15 DD09 DD20 DD24 EE28 EE33 EE43 FF11 FF15 4J038 CD091 EA011 FA121 FA122 HA066 HA216 JA19 JA33 KA03 KA04 KA12 KA20 NA05 NA19 NA20 4K017 AA08 BA02 BA03 BA05 BA06 CA04 CA09 EJ01 FB07 5G435 AA11 EE03 GG32 GG33 GG43 KK05 KK10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の金属を含有し、鎖状金
    属コロイドの平均主鎖長と平均太さの比が5以上50以
    下であり、かつ平均太さが2nm以上30nm以下であ
    る鎖状分散質を有することを特徴とする鎖状金属コロイ
    ド分散液。
  2. 【請求項2】 該鎖状分散質が第8族かあるいは第1B
    族の遷移金属を1種以上含むことを特徴とする請求項1
    に記載の鎖状金属コロイド分散液。
  3. 【請求項3】 該鎖状分散質の平均主鎖長が10nm以
    上100nm以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の鎖状金属コロイド分散液。
  4. 【請求項4】 該鎖状分散質の平均主鎖長が100nm
    以上200nm以下であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の鎖状金属コロイド分散液。
  5. 【請求項5】 該鎖状分散質の平均主鎖長が200nm
    以上1500nm以下であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の鎖状金属コロイド分散液。
  6. 【請求項6】 分散安定剤と還元剤を混合した水溶液
    に、少なくとも2種類の金属の塩を添加反応させた後、
    限外ろ過器により不純物を取り除くことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の鎖状金属コロイド分散液
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属微粒子の分散液中に別の金属微粒子
    または金属塩を存在させ、還元剤を添加反応させた後、
    限外ろ過器により不純物を取り除くことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の鎖状金属コロイド分散液
    の製造方法。
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