JP2004190142A - 導電膜形成用塗布液、導電膜とその製造方法 - Google Patents

導電膜形成用塗布液、導電膜とその製造方法 Download PDF

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恭宏 真田
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Abstract

【課題】優れた電磁波シールド性および膜耐久性を有する導電膜および低反射導電膜を形成しうる塗布液の提供。
【解決手段】Ag、Ru、Pt、Pd、Ni、CuおよびAから選ばれる2種以上の金属元素よりなり、好ましくは平均一次粒径が100nm以下である、合金微粒子の分散体を含む導電膜形成用塗布液。および窒素原子と酸素原子の合計に対して0.3〜30重量%含有するTiOX微粒子(2.0>X≧1.0)および/またはケイ素化合物をさらに含む導電膜形成用塗布液。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブラウン管パネル等の基体表面に導電膜を形成するための導電膜形成用塗布液、導電膜とその製造方法に関する。
ブラウン管は高電圧で作動するために起動時または終了時に該表面に静電気が誘発される。この静電気により該表面にほこりが付着し、画像のコントラスト低下を引き起こしたり、直接触れた際に軽い電気ショックによる不快感を生じたりすることが多い。
また、近年、電磁波ノイズによる電子機器への電波障害が社会問題となり、それらを防止するために規格の作成や規制が行われている。電磁波ノイズは人体に対しての影響、例えば、陰極線管(CRT)上の静電気チャージによる皮膚癌の恐れ、低周波電界(ELF)による胎児への影響、その他X線、紫外線等による害が各国で問題視されている。
電磁波ノイズは、導電性塗膜をブラウン管パネル表面に介在させることにより遮断できるが、電磁波遮断効果を充分に発現させるためには膜の面抵抗値が1×103 Ω/□未満であることを要する。しかし、従来はそれほどの良導電性塗膜を得ることは困難であった。例えば、特開平6−234552には、ITO分散シリケート膜を形成する旨の記載があるが、この場合に得られる膜の面抵抗値は1×103 Ω/□以上であり、充分な電磁波遮断効果が得られなかった。
また、特開平6−310058には、AgやCu等の金属塩と還元剤とからなる液を用いてブラウン管表面に金属膜を析出させる旨の記載がある。この場合には膜は低抵抗化できるが、得られる膜がAgやCu等の金属膜であり、本質的に膜耐久性が劣り、抵抗が経時的に増加したり膜が変色する等の実用上の問題があった。特にAgを用いた膜の場合には、材料固有の体積抵抗は金属中で最も低いものの、簡単にアノード溶解を起こし、また、塩化物や硫化物の存在で膜の劣化が促進されるといった本質的な問題があり、実用に供するには問題が多かった。
また、金属塩と還元剤との混合液をガラス基体に塗布して膜を形成する場合には、成膜された金属導電膜はガラス面にメッキされた状態となり、膜の強度が著しく弱く、かつ該導電膜を洗浄して副生成塩を除去する工程が必要となる問題があった。さらにAgやCu等の金属は耐久性に乏しく、通常の空気中でも徐々に酸化されて膜の抵抗が増加しかつ膜が変色するといった問題があった。
また、導電膜および低反射膜のコーティング法による形成は、従来より光学機器においてはいうまでもなく、民生用機器、特にTVやコンピュータ端末の陰極線管(CRT)に関しても数多くの検討がなされてきた。従来の方法は、例えば、特開昭61−118931記載のように、ブラウン管表面に防眩効果をもたせるために表面に微細な凹凸を有するSiO2 を層を付着させたり、フッ酸により表面をエッチングして表面に凹凸を設ける等の方法がとられてきた。しかし、これらの方法は、外部光を散乱させるノングレア処理と呼ばれ、本質的に低反射層を設ける方法でないために、膜の反射率の低減には限界があり、また、ブラウン管等においては、画像の解像度を低下させる原因ともなっている。
本発明は、従来技術が有していた前述の欠点を解消し、優れた電磁波シールド性および膜耐久性を有する導電膜、該導電膜形成用塗布液と該導電膜の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、Ag、Ru、Pt、Pd、Ni、CuおよびAuからなる群から選ばれる2種以上の金属元素よりなる合金微粒子分散体を含むことを特徴とする導電膜形成用塗布液、該塗布液からなる導電膜、該導電膜の製造方法を提供する。
本発明の特徴は、導電膜形成用塗布液に含有される導電性微粒子が合金でありかつこの合金微粒子がいわゆるゾル状態となった分散体である点にある。これにより電磁波シールド性発現に必要な導電性と実用上問題のない耐久性を有する導電膜が得られる。
本発明の塗布液は、あらかじめ合金微粒子をゾルの形で含有しており、これを基体に塗布した場合には、従来のメッキ膜とは異なり、微小な孔が導電膜中に導入されている。さらに、当該導電膜の上に酸化ケイ素化合物を形成するSiアルコキシドの加水分解物を含有する塗布液を塗布した場合には、この孔に上記塗布液が侵入して導電膜の膜強度が著しく向上する。
また、本発明においては、金属塩と還元液とからなる塗布液を使用する前記従来法とは異なり、導電膜の形成時に副生成物が生成せず、導電膜とその上に形成される膜との間での膜強度の劣化も生じない。
したがって本発明によれば、ブラウン管パネル面等のガラス基体に、前述の問題点を解決した導電膜を形成できる。
本発明によれば、従来技術が有していた種々の欠点を解消し、耐候性、耐薬品性に優れかつ実用上充分な膜強度、電磁波シールド能を有し、さらには反射防止効果にも優れた導電膜を形成できる。
本発明において使用する合金微粒子は、Ag、Ru、Pt、Pd、Ni、CuおよびAuからなる群から選ばれる2種以上の金属元素よりなる合金微粒子である。該微粒子の製法としては特に限定されず、種々の方法により製造できるが、特に金属塩溶液に金属イオンを還元しうる物質を混合して製造することが好ましい。本発明において好ましい合金は、例えば、Ag−Pd、Ag−Cu−Pd、Ag−Ni、Ru−Pd、Au−Pd、Pt−Pd等である。
本発明において還元による合金微粒子の生成に用いられる金属塩としては、特に限定されないが、硝酸銀、亜硝酸銀、ニトロソ硝酸ルテニウム、硝酸ルテニウム、硝酸パラジウム、硝酸ニッケル、硝酸銅等の硝酸塩、塩化ルテニウム、塩化ルテニウムアンモニウム、塩化ルテニウムカリウム、塩化ルテニウムナトリウム、塩化第一金、塩化第二金、塩化金酸、塩化銀、塩化第一白金、塩化第一白金アンモニウム、塩化パラジウム、四塩化パラジウムアンモニウム、六塩化パラジウムカリウム、塩化ニッケル、塩化第一銅、塩化第二銅等の塩化物、酢酸ルテニウム、酢酸銀、酢酸パラジウム、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸第二銅等の酢酸塩、硫酸パラジウム、硫酸銅、硫酸ニッケル等の硫酸塩が好ましい。これらの金属化合物は水等の溶媒にそのまま溶解して用いることが好ましい。
また、本発明では合金微粒子を生成するために2種以上の金属塩の水溶液等を混合して用いるが、用いる金属種が異なるために、それらの還元電位も異なり、これらの金属種を合金化するには異なる金属の還元電位を同一にする必要がある。還元電位を同一にするには種々の方法が考えられるが、還元する前の少なくとも一方の金属イオンと錯体を形成しうる物質または溶媒和しうる溶媒等を添加することが好ましい。
金属塩と錯体を形成しうる物質としては、それぞれの金属イオンに対して種々公知の物質が適用でき、例えば、シュウ酸、クエン酸、EDTAおよびその誘導体等のカルボン酸およびその塩、アンモニア、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらのうちでは、得られる合金微粒子の均一性に優れるため、クエン酸塩、特にクエン酸ナトリウムが好ましい。
また、特定の金属イオンに溶媒和する有機溶媒としては、金属イオンに対する親和性から、特に電子供与性の高い溶媒が好ましく、この条件を満たせば特に限定されないが、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルおよびスルホラン等の溶媒が好ましい。
硝酸銀等の化合物を還元して合金を析出しうる還元剤としては特に限定はないが、FeSO4 やSnSO4 等の卑金属の塩、ホルマリン、ブドウ糖、ロッセル塩、酒石酸、チオ硫酸ソーダ、水素化ホウ素化合物、次亜リン酸塩等またはエタノール等の有機溶媒が挙げられる。これらの化合物のうちでは還元速度が比較的緩やかなFeSO4 やSnSO4 等の卑金属を含む塩を用いることが好ましい。特にFeSO4 は還元速度が緩やかで均一な合金微粒子分散液を作りやすいため好ましい。
また、生成した合金微粒子表面に吸着していわゆる保護コロイドを形成する物質を添加することは、得られる分散液中の合金微粒子の粒径が均一となるために好ましい。このような物質としては種々公知の物質が挙げられ、例えば、PVA、PVP、ゼラチン、アクリル樹脂等の高分子材料が挙げられる。
また、本発明においては、上記合金微粒子分散液中に含まれるアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、多価金属イオン等の陽イオンおよび鉱酸等の無機陰イオン、酢酸、ギ酸等の有機陰イオン等を脱イオンして用いることが好ましい。この場合には分散液中のイオン量は種々の方法で測定しうるが、例えば、伝導度で測定した場合に、塗布液の伝導度が500μS/cm以下、特には200μS/cm以下であることが好ましい。脱イオンが不充分で液中のイオン量が多くなると、液中の合金微粒子が凝集し、所定の面抵抗を有する導電膜が得られなくなるのみならず、得られる膜の外観が悪化するために好ましくない。
脱イオンの手法としては特に限定されず、例えば、限外ろ過、イオン交換等が使用できる。特に得られた合金微粒子分散液とイオン交換樹脂とを接触する手法は、合金微粒子分散液の安定性を損なわずに脱塩ができ好ましい。
上記手法で得られる合金微粒子分散液においては合金微粒子の平均一次粒径が100nm以下であることが好ましい。これは平均一次粒径が100nm超では可視光の散乱が増大し膜のヘーズ値が上昇し、画像表示部の解像度の低下が生じるためである。特に50nm以下が好ましい。
合金微粒子分散液はそのままで種々の溶媒で希釈または置換して本発明の導電膜形成用塗布液として使用できる。この場合に使用する溶媒としては特に限定されず、水以外にも種々公知の有機溶媒が適用できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール等の多価アルコール類、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類、2,4−ペンタンジオン、ジアセトアルコール等のケトン類、乳酸エチル、乳酸メチル等のエステル類、またはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物が使用できる。
導電膜形成用塗布液中の合金微粒子濃度は0.01〜5重量%、特には0.05〜2重量%となるように調整されることが好ましい。5重量%超では形成される膜の透明性が著しく低下し、0.01重量%未満では形成される膜の抵抗が上昇するために好ましくない。また、塗布液中には膜の透過率または色調等の物性を変えるために、Sn、In、Sb、Zn、Al、Ti、SiおよびGaからなる群から選ばれる1種以上の化合物を添加できる。使用する化合物には特に限定はないが、SnをドープしたIn23 、SbをドープしたSnO2 を用いた場合には形成される膜の抵抗を上昇させずに透過率を制御できるために好ましい。
また、SiO2 、特にケイ酸エチル等を加水分解して得られるSiO2 ゾルを用いた場合には、塗布液の塗布性が向上するために好ましい。また、TiO2 を用いた場合にも、塗布液の塗布性および形成される膜の色調を制御できるために好ましい。特にTiO2 に関しては、窒素原子をチタン原子と酸素原子の合計に対して0.3〜30重量%含有するTiOx 微粒子(2.0>x≧1.0)で示される還元TiO2 を用いた場合には、得られる膜の耐光性向上に効果がある。この窒素原子含有酸化チタン微粒子は、酸化チタン微粒子または水酸化チタン微粒子を、窒素ガスまたはアンモニアガスを含む雰囲気で加熱処理することにより得られる。この場合の粒子製造時の加熱処理温度は粒径との関係で適宜決められるが、好ましくは300〜850℃で加熱する。
この窒素原子含有酸化チタン微粒子の窒素原子含有量は0.3〜30重量%の範囲が好ましく、0.3重量%未満では紫外線照射時の酸素ラジカルの生成を低減させがたく、したがって、合金微粒子の励起状態への移行を抑制する効果が薄い。また、30重量%超では膜が酸化されやすく、膜自体の耐酸化性が劣化する。このような窒素原子含有酸化チタン微粒子の粒径は一般的には100nm以下であり、好ましくは80nm以下である。
これらの窒素原子含有酸化チタン微粒子は、微粒子またはアルコキシドの加水分解物の形態で前述の合金微粒子分散液に添加することもでき、また、超音波分散機、サンドミル等の分散機により分散した液として本発明の導電膜形成用塗布液に添加することもできる。これらの窒素原子含有酸化チタン微粒子の添加量は、合金微粒子100重量部当たり0〜50重量部、特には1〜20重量部の範囲が好ましい。
さらに本発明の導電膜形成用塗布液には、被塗布基体への濡れ性を向上させるために種々の界面活性剤も添加できる。
上記で合成した本発明の塗布液の基体上への塗布方法としては、スピンコート、ディップコート、スプレーコート等の方法が好適である。また、スプレーコート法を用いて表面に凹凸を形成して膜に防眩効果を付与してもよく、また、その上にシリカ被膜等のハードコートを設けてもよい。さらには、本発明の導電膜をスピンコートまたはスプレーコートで形成し、その上にSiアルコキシドを含む溶液をスプレーコートして、表面に凹凸を有するシリカ被膜のノングレアコートを設けてもよい。
本発明における合金微粒子を分散してなる液を含む導電膜形成用塗布液は、それ自体で基体上への塗布液として供するために低沸点溶媒を添加した場合は、室温下の乾燥で塗膜が得られるが、沸点が100〜250℃の中〜高沸点溶媒を用いる場合には、室温乾燥では溶媒が塗膜中に残留するために、加熱処理を行う。加熱温度の上限は基板として用いられるガラス、プラスチック等の軟化点によって決定される。この点も考慮すると加熱温度は100〜500℃が好ましい。
こうして形成される本発明の導電膜の膜厚は、その用途によって異なるが、一般には0.01〜0.3μmが好ましい。導電膜の膜厚が0.01μm未満では導電性が不充分であり、導電膜の膜厚が0.3μm超では膜の光学透過率および強度の点で不充分である。より好ましい膜厚は0.02〜0.1μmである。
本発明では、光の干渉作用を利用して低反射導電膜を形成できる。例えば、基体がガラスの場合(屈折率n=1.52)、上記導電膜の上に、n(導電膜)/n(低屈折率膜)の比の値が約1.23となるような、低屈折率膜を形成すると導電膜の反射率を最も低減させうる。導電膜の反射率の低減には、可視光領域において、特に、555nmの反射率を低減することが好ましいが、実用上は反射外観等を考慮して適宜決定することが好ましい。
かかる2層からなる低反射導電膜の最外層の低屈折率膜としては、MgF2 ゾルを含む溶液や、Siアルコキシドを含む溶液のうちから選ばれる1種以上よりなる溶液を用いて形成できる。膜の屈折率の点からは上記材料中ではMgF2 が最も低く、反射率低減のためにはMgF2 ゾルを含む溶液を用いることが好ましいが、膜の硬度や耐擦傷性の点ではSiO2 を主成分とする膜を形成しうるSiアルコキシドを含む溶液を用いることが好ましい。
かかる低屈折率膜形成用のSiアルコキシドを含む溶液としては種々のものが使用できるが、Si(OR)y R’4-y (yは3または4。R、R’はアルキル基。)で示されるSiアルコキシドまたはそれらの部分加水分解物を含む液が挙げられる。例えば、Siエトキシド、Siメトキシド、Siイソプロポキシド、Siブトキシドのモノマーまたは重合体が好ましい。
Siアルコキシドはアルコール、エステル、エーテル等に溶解して用いることもでき、また、前記溶液に塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フッ酸、またはアンモニア水溶液を添加して加水分解して用いることもできる。また、前記Siアルコキシドは溶媒に対して固形分換算で30重量%以下の量で含まれていることが好ましい。固形分量があまり大きいと保存安定性が悪いために、かかる固形分量が好ましい。
こうして形成される低屈折率膜の膜厚は、その用途によって異なるが、一般的には0.02〜0.2μmであり、低屈折率膜の膜厚がこの範囲未満でもこの範囲を超えても所定の光学特性(低反射性)が得られない。より好ましい膜厚は0.04〜0.1μmである。
この溶液には膜の強度向上のためにバインダとして、Zr、Ti、Sn、Al等のアルコキシドや、これらの部分加水分解物を添加して、ZrO2 、TiO2 、SnO2 、Al23 から選ばれる1種以上をMgF2 またはSiO2 と同時に析出させてもよい。基体との濡れ性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。添加される界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやアルキルエーテル硫酸エステル等が挙げられる。
本発明の導電膜の製造方法は、多層干渉効果による低反射導電膜にも応用できる。反射防止性能を有する多層の低反射膜の構成としては、反射防止をしたい光の波長をλとして、基体側より、高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ/2−λ/4、またはλ/4−λ/4で形成した2層の低反射膜、基体側より中屈折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ/4−λ/2−λ/4で形成した3層の低反射膜、基体側より低屈折率層−中屈折率層−高屈折率層−低屈折率層を光学厚みλ/2−λ/2−λ/2−λ/4で形成した4層の低反射膜等が典型例として知られている。本発明の導電膜は、前記の中屈折率層や、高屈折率層として使用できる。
また、ディスプレイ機器、特にTVディスプレイ、コンピュータディスプレイ等の陰極線管を使用した表示装置は光の3原色(RGB)により画像を表示するが、RGBのそれぞれの発光スペクトルは全く独立ではなく、一部の波長領域において重なりが生じている。
本発明の合金微粒子を含有する膜は可視光領域全般にわたって吸収を生じるため、RGBの発光スペクトルの重なり部分自体も吸収し、RGBの重なる波長領域の光が透過しないため、コントラストの向上にも寄与し、かつ低反射性にも優れる。
合金微粒子を含有する本発明の導電膜およびその上層に形成されるケイ素化合物を主成分とする膜よりなる低反射導電膜を形成する基体としては、ブラウン管パネル、複写機用ガラス板、計算機用パネル、クリーンルーム用ガラス、CRTまたはLCD等の表示装置の前面板等の各種ガラスやプラスチック基板が挙げられる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、「%」は「重量%」である。
以下の実施例および比較例において、得られた膜の評価方法は次のとおりである。
1)導電性:ローレスタ抵抗測定器(三菱油化製)により膜表面の表面抵抗を測定した。
2)視感反射率:GAMMA分光反射率スペクトル測定器により多層膜の400〜700nmでの視感反射率を測定した。
3)視感透過率:日立製作所製スペクトロフォトメータU−3500により380〜780nmでの視感透過率を測定した。
4)耐擦傷性:1kg荷重下で(LION製消しゴム50−50)で膜表面を50回往復後、その表面の傷つき具合を目視で判断した。評価基準は、○:傷が全くつかない、△:傷が多少つく、×:一部に膜剥離が生じる、とした。
5)耐候性:センエンジニアリング製フォトドライクリーナPL7−200により254nmを主波長とする紫外線を100時間照射した後での膜の表面抵抗値を測定した。
6)耐薬品性:5%NaCl液に100時間浸漬した後の膜の表面抵抗値を測定した。
また、得られたゾル中の粒子の平均一次粒径は透過型電子顕微鏡によって測定し、また、凝集粒径は大塚電子製レーザー回折式粒径測定装置LPA−3100により測定した。
(実施例1)
「Ag−Pd合金微粒子分散液の調製」
(1−1)5重量%硝酸パラジウム水溶液7.5gにN−メチル−2−ピロリドンを3.5g添加した後15分間撹拌した。この液に10重量%硝酸銀水溶液20gを添加した後15分間撹拌した。
(1−2)30重量%硫酸鉄水溶液20gに35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gを添加し、さらにこの液に上記(1−1)で得られた液を添加した。(1−3)上記(1−2)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水30gを添加して撹拌した。この液に10分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を30g添加した。
(1−4)上記工程(1−3)を2回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水35gを添加し、さらに20分間超音波照射した。
(1−5)上記(1−4)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し15分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して18分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Ag−Pd合金微粒子分散液を得た。
この分散液のAg−Pd合金微粒子の平均一次粒径は8nmであり、液中の凝集粒径は60nm、その固形分濃度は3.5重量%であった(A1液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(1−6)A1液をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量0.27%となるように調整した(A2液)。
「ケイ素化合物含有液の調製」
(1−7)ケイ酸エチル50gをエタノール200gに溶解し、撹拌下で濃硝酸1.5gと純水33gとの混合溶液を滴下し、室温で2時間撹拌してSiO2 濃度4.9重量%の液を得た(B1液)。
このB1液を、プロピレングリコールモノメチルエーテル/イソプロパノール/ジアセトンアルコール=50:40:10(重量比)の混合溶媒でSiO2 固形分が0.70重量%となるように希釈した(B2液)。
「塗布および硬化」
(1−8)A2液25gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が40nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA2液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。この導電膜は、低反射性を有する低反射導電膜である。
(実施例2)
「Ag−Cu−Pd合金微粒子分散液の調製」
(2−1)5重量%硝酸パラジウム水溶液7.5gにN−メチル−2−ピロリドンを3.5g添加した後15分間撹拌した。この液に8重量%硝酸銅水溶液10gを添加した後15分間撹拌し、さらにこの液に10重量%硝酸銀水溶液15gを添加した後15分間撹拌した。
(2−2)30重量%硫酸鉄水溶液20gに35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gを添加し、さらにこの液に上記(2−1)で得られた液を添加した。(2−3)上記(2−2)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水20gを添加して撹拌した。この液に15分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を25g添加した。
(2−4)上記工程(2−3)を3回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水30gを添加し、さらに30分間超音波照射した。
(2−5)上記(2−4)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し8分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して8分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Ag−Cu−Pd合金微粒子分散液を得た。
この分散液のAg−Cu−Pd合金微粒子の平均一次粒径は10nmであり、液中の凝集粒径は98nm、その固形分濃度は2.5重量%であった(A3液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(2−6)A3液をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量70%、固形分重量0.27%となるように調整した(A4液)。
「塗布および硬化」
(2−7)A4液30gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が45nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA4液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(実施例3)
「Ag−Ni合金微粒子分散液の調製」
(3−1)10重量%硝酸ニッケル水溶液7.5gに10重量%硝酸銀水溶液20gを添加した後30分間撹拌した。
(3−2)35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gに上記(3−1)で得られた液を添加した後、5重量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液20gを添加した。
(3−3)上記(3−2)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水20gを添加して撹拌した。この液に15分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を25g添加した。
(3−4)上記工程(3−3)を2回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水30gを添加し、さらに30分間超音波照射した。
(3−5)上記(3−4)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し5分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して5分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Ag−Ni合金微粒子分散液を得た。
この分散液のAg−Ni合金微粒子の平均一次粒径は12nmであり、液中の凝集粒径は85nm、その固形分濃度は2.2重量%であった(A5液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(3−6)(A5液)をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量70%、固形分重量0.27%となるように調整した(A6液)。
「塗布および硬化」
(3−7)A6液30gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が45nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA6液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(実施例4)
「Pd−Ru合金微粒子分散液の調製」
(4−1)6.5重量%塩化パラジウム水溶液7.5gにN−メチル−2−ピロリドンを2.5g添加した後15分間撹拌した。この液に3.6重量%塩化ルテニウム水溶液15gを添加した後15分間撹拌した。
(4−2)35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gに上記(4−1)で得られた液を添加した後、5重量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液40gを添加した。
(4−3)上記(4−2)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水20gを添加して撹拌した。この液に15分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を10g添加した。
(4−4)上記工程(4−3)を2回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水30gを添加し、さらに30分間超音波照射した。
(4−5)上記(4−4)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し5分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して5分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Pd−Ru合金微粒子分散液を得た。
この分散液のPd−Ru合金微粒子の平均一次粒径は13nmであり、液中の凝集粒径は75nm、その固形分濃度は1.8重量%であった(A7液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(4−6)A7液をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量70%、固形分重量0.27%となるように調整した(A8液)。
「塗布および硬化」
(4−7)A8液30gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が45nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA8液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(実施例5)
「Au−Pd合金微粒子分散液の調製」
(5−1)6.5重量%塩化パラジウム水溶液7.5gにN−メチル−2−ピロリドンを2.5g添加した後15分間撹拌した。この液に3重量%塩化金酸水溶液20gを添加した後15分間撹拌した。
(5−2)30重量%硫酸鉄水溶液20gに35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gを添加し、さらにこの液に上記(5−1)で得られた液を添加した。(5−3)上記(5−2)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水30gを添加して撹拌した。この液に10分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を30g添加した。
(5−4)上記工程(5−3)を3回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水35gを添加し、さらに30分間超音波照射した。
(5−5)上記(5−4)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し15分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して18分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Au−Pd合金微粒子分散液を得た。
この分散液のAu−Pd合金微粒子の平均一次粒径は5nmであり、液中の凝集粒径は52nm、その固形分濃度は3.5重量%であった(A9液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(5−6)A9液をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量0.25%となるように調整した(A10液)。
「塗布および硬化」
(5−7)A10液35gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が50nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA2液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(実施例6)
「Pt−Pd合金微粒子分散液の調製」
(6−1)6.5重量%塩化パラジウム水溶液7.5gにN−メチル−2−ピロリドンを2.5g添加した後15分間撹拌した。この液に3重量%塩化白金酸水溶液15gを添加した後15分間撹拌した。
(6−2)30重量%硫酸鉄水溶液20gに35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gを添加し、さらにこの液に上記(6−1)で得られた液を添加した。(6−3)上記(6−2)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水30gを添加して撹拌した。この液に10分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を30g添加した。
(6−4)上記工程(6−3)を4回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水35gを添加し、さらに60分間超音波照射した。
(6−5)上記(6−4)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し5分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して5分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Pt−Pd合金微粒子分散液を得た。
この分散液のPt−Pd合金微粒子の平均一次粒径は6nmであり、液中の凝集粒径は63nm、その固形分濃度は2.1重量%であった(A11液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(6−6)A11液をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量0.25%となるように調整した(A12液)。
「塗布および硬化」
(6−7)A12液35gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が55nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA2液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(実施例7)
「窒素を含有するTiOx (1.0≦x<2.0)微粒子分散液の調製」
(7−1)窒素を3重量%含有するTiOx (1.0≦x<2.0)微粒子15gをあらかじめpH3.5に調整した水溶液85g中に添加してサンドミルで4時間粉砕し、90℃で1時間加熱した。
(7−2)上記(7−1)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し30分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して30分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、蒸留水で濃度10重量%に調整し、平均凝集粒径43nmの分散液を得た。この分散液に水を添加して、固形分3.5重量%となるように調整した(C1液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(7−3)実施例1に記載のA1液と上記C1液をA1液:C1液=20:1となるように混合した後、30分間超音波分散処理を行い、その後エタノールおよび水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量0.30%となるように調整した(A13液)。
「塗布および硬化」
(7−4)A13液35gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が40nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをA13液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(実施例8)
「ケイ素化合物含有液の調製」
(8−1)ケイ酸エチル35gをエタノール215gに溶解し、撹拌下で濃硝酸1.5gと純水33gとの混合溶液を滴下し、室温で2時間撹拌してSiO2 濃度3.5重量%の液を得た(B3液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(8−2)実施例1記載のA1液と実施例7記載のC1液と上記B3液をA1液:C1液:B3液=50:3:47となるように混合した後、30分間超音波分散処理を行い、その後エタノールおよび水で希釈し、エタノール重量70%、固形分重量1.1%となるように調整した(A14液)。
「塗布および硬化」
(8−3)A14液35gを、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で100rpm、60秒間の条件で塗布した後160℃で30分間加熱することにより本発明の導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(比較例1)
(9−1)10重量%硝酸銀水溶液20gに29%NH3 水溶液3gを添加した後10分撹拌した(D1液)。
(9−2)9重量%ブドウ糖水溶液100gに0.8重量%酒石酸水溶液100gを添加し、さらにエタノールを20g添加した(D2液)。
(9−3)上記D1液とD2液を混合後直ちに、表面温度48℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で100rpm、60秒間の条件で50gを塗布し、成膜した後、蒸留水1リットルを同様に100rpm、600秒間かけ、膜を洗浄し、その上にB2液20gをA13液の塗布時と同一のスピンコート条件で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(比較例2)
(10−1)30重量%硫酸鉄水溶液20gに35重量%クエン酸三ナトリウム水溶液35gを添加し、さらにこの液に10重量%硝酸銀水溶液25gを添加した。
(10−2)上記(10−1)で得られた液を遠心分離により固液分離後、沈殿物に純水30gを添加して撹拌した。この液に5分間超音波照射した後、30重量%クエン酸三ナトリウム水溶液を25g添加した。
(10−3)上記工程(10−2)を4回繰り返した後、遠心分離により固液分離後、純水35gを添加し、さらに20分間超音波照射した。
(10−4)上記(10−3)で得られた液に、陽イオン交換樹脂を添加し30分間撹拌した後、陽イオン交換樹脂を濾別し、さらに陰イオン交換樹脂を添加して30分間撹拌した後、陰イオン交換樹脂を濾別し、Ag微粒子分散液を得た。 この分散液のAg微粒子の平均一次粒径は10nmであり、液中の凝集粒径は75nm、その固形分濃度は3.5重量%であった(E1液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(10−5)(E1液)をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量0.27%となるように調整した(E2液)。
「塗布および硬化」
(10−6)E2液20gを、表面温度45℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が42nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをE2液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
(比較例3)
(11−1)塩化インジウムと塩化スズをIn/Sn=85/15となるように混合し、アンモニア水でpH10に調整し50℃に保持した溶液中に添加し、水酸化物を沈殿析出させた。この沈殿物を洗浄濾別し、100℃で12時間乾燥後450℃3時間5%水素95%アルゴン雰囲気下で焼成し、ITO微粒子を得た。この微粒子をサンドミルで2時間湿式解膠粉砕した。解膠粉砕後の液中の平均凝集粒径は65nmであった。その後濃縮を行い、濃度6.8重量%の液を得た(F1液)。
「導電膜用塗布液の調製」
(11−2)F1液をエタノールおよび水で希釈し、エタノール重量80%、固形分重量2.5%となるように調整した(F2液)。
「塗布および硬化」
(11−3)F2液30gを、表面温度45℃に加温した14インチブラウン管パネル表面にスピンコート法で、硬化時の膜厚が120nmになるよう100rpm、60秒間の条件で塗布した後、B2液20gをE2液の塗布時と同一のスピンコート条件で硬化時の膜厚が60nmになる塗布量で塗布した後、160℃で30分間加熱することにより導電膜付き陰極線管用ガラスを得た。
[評価結果]
実施例1〜8および比較例1〜3で得られた各導電膜の種類および物性を表1〜3に示す。表において2E2は2×102 を意味し、他も同様である。
Figure 2004190142
Figure 2004190142
Figure 2004190142
本発明の導電膜は、優れた電磁波シールド性および膜耐久性を有するため、特にブラウン管用パネルの導電膜として有用である。

Claims (8)

  1. Ag、Ru、Pt、Pd、Ni、CuおよびAuからなる群から選ばれる2種以上の金属元素よりなる合金微粒子分散体を含むことを特徴とする導電膜形成用塗布液。
  2. 合金微粒子の平均一次粒径が100nm以下である請求項1記載の導電膜形成用塗布液。
  3. 窒素原子をチタン原子と酸素原子の合計に対して0.3〜30重量%含有するTiOx 微粒子(2.0>x≧1.0)および/またはケイ素化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の導電膜形成用塗布液。
  4. 請求項1、2または3記載の導電膜形成用塗布液を、基体上に塗布し、硬化させて形成することを特徴とする導電膜の製造方法。
  5. 請求項1、2または3記載の導電膜形成用塗布液を基体上に塗布して形成されてなることを特徴とする導電膜。
  6. 請求項5記載の導電膜の上に該導電膜の屈折率よりも低屈折率の膜が積層されて低反射性を有することを特徴とする導電膜。
  7. 請求項5または6記載の導電膜が表面に形成されてなることを特徴とするガラス物品。
  8. 請求項5または6記載の導電膜が表面に形成されてなることを特徴とする陰極線管用のガラス。
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