JP2001277546A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001277546A
JP2001277546A JP2000093460A JP2000093460A JP2001277546A JP 2001277546 A JP2001277546 A JP 2001277546A JP 2000093460 A JP2000093460 A JP 2000093460A JP 2000093460 A JP2000093460 A JP 2000093460A JP 2001277546 A JP2001277546 A JP 2001277546A
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cap
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JP2000093460A
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Toshiro Sugiyama
敏郎 杉山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】吸引回復時の廃インクを蓄積するに際し、装置
本体に大容量の廃インク蓄積手段を設けなくて済ますこ
とができ、記録装置の小型化、薄型化及び軽量化を容易
に実現できるインクジェット記録装置を提供する。 【構成】交換式のインクカートリッジ40にインク貯留
部41の他に廃インク貯留部42を設けるとともに、吸
引ポンプ9を廃インク貯留部に断続させるための断続手
段(可動式廃ジョイント21)を設け、吸引回復時に、
断続手段により吸引ポンプを廃インク貯留部に接続する
ことにより吸引した廃インクを廃インク貯留部に蓄積さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情
報(記録情報)に基づいて紙、布、プラスチックシー
ト、OHP用シート等の被記録材(被記録媒体)に画像
(文字や記号等を含む)を記録していくように構成され
ている。前記記録装置は、記録方式により、インクジェ
ット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム
式等に分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(紙送り方向、副走査
方向)と交叉する方向に主走査しながら記録するシリア
ルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って主走
査方向に移動するキャリッジ上に搭載した記録手段(記
録ヘッド)によって画像を形成(記録)し、1行分の画
像形成を終了した後に所定量の紙送り(副走査としての
ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した被記録材に
対して次の行の画像を記録(主走査)するという動作を
繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行われる。
一方、被記録材(記録用紙等)の搬送方向の副走査のみ
で記録するラインタイプの記録装置においては、被記録
材を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録
を行った後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、さ
らに次の行の記録を一括して行うという動作を繰り返す
ことにより、被記録材全体の記録が行われる。
【0004】そのうち、インクジェット式の記録装置
(インクジェット記録装置)は、記録ヘッド(記録手
段)から被記録材へインクを吐出して記録を行うもので
あり、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精細
な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処
理を必要とせずに記録することができ、ランニングコス
トが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少な
く、しかも、多種類のインク(例えばカラーインク)を
使用してカラー画像を形成するのが容易であるなどの利
点を有している。
【0005】インクジェット記録ヘッドの吐出口からイ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する
エネルギー発生素子としては、ピエゾ素子等の電気機械
変換体を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射して発
熱させ、この発熱作用によってインク滴を吐出させるも
の、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体によって
液体を加熱するものなどがある。その中でも、熱エネル
ギーを利用してインクを滴として吐出するインクジェッ
ト式の記録ヘッドは、吐出口を高密度に配列することが
できるため高解像度の記録をすることが可能である。特
に、その中でも、電気熱変換体素子をエネルギー発生素
子として用いる記録ヘッドは、小型化が容易であり、か
つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上
性が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十分に
活用でき、高密度実装化が容易で製造コストも安価なこ
とから、有利である。
【0006】また、被記録材の材質に対する要求も様々
なものがあり、近年では、これらの要求に対する開発が
進み、通常の被記録材である紙(薄紙や加工紙を含む)
や樹脂薄板(OHP等)などの他に、布、皮革、不織
布、さらには金属等を被記録材として用いる記録装置も
使用されるようになっている。
【0007】前記インクジェット記録装置の記録手段
(記録ヘッド)では、一般にインク吐出部が複数の微細
な吐出口で構成されており、このような複数の吐出口を
有する記録手段では以下のような原因によりインク吐出
不良を生じることがある。すなわち、第1に、長期間使
用されなかった吐出口からインクが蒸発することに起因
する吐出口内のインクの増粘又は固着。第2に、低温環
境使用下における吐出口内のインクの増粘(粘度上
昇)。第3に、長期間使用されなかった記録ヘッド内部
のインク中に発生した気泡のたまり。第4に、熱による
インク内の発泡を利用する記録ヘッドにおいて、インク
の温度上昇に伴うインク内の気体溶解度の低下に起因し
て発生するインク中の泡たまり。第5に、インクタンク
交換式のインクジェット記録装置において、インクタン
ク交換時に記録ヘッド内に侵入する空気に起因するイン
ク流路内の気泡。
【0008】これらの原因によるインクの吐出不良を回
避する手段として、記録手段(記録ヘッド)にキャップ
を密着させて吐出口部分を密閉するとともに該キャップ
に接続された吸引力発生手段(負圧発生手段)を作動さ
せることにより、吐出口から強制的にインクを吸い出す
処理を行う吸引回復手段が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たインクジェット記録装置においては、吸引回復時に記
録手段から吸引された廃インクを装置本体に配設した廃
インク吸収体に全て蓄積するように構成されるので、廃
インク吸収体として、装置本体の寿命に相当する分の廃
インクを貯留するだけの容量(容積)が必要となり、そ
のため、装置本体が大型になり、携帯性が重視される場
合などにおける小型化、薄型化及び軽量化の妨げになる
という解決すべき課題があった。
【0010】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、吸引回復時の廃イ
ンクを蓄積するに際し、装置本体に大容量の廃インク蓄
積手段を設けなくて済ますことができ、記録装置の小型
化、薄型化及び軽量化を容易に実現できるインクジェッ
ト記録装置を提供することである。
【0011】
【課題解決のための手段】本発明(請求項1)は、上記
目的を達成するため、記録手段からインクを吐出して被
記録材に記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録手段の吐出口を密閉するためのキャップと、該
キャップを通して吐出口からインクを吸引する吸引力発
生手段と、該吸引力発生手段と廃インク貯留部とを離接
させるための、前記キャップとは別の離接手段と、を有
し、前記離接手段によって前記吸引力発生手段と前記廃
インク貯留部とを接続し、吐出口から吸引したインクを
前記廃インク貯留部に蓄積させることを特徴とする。
【0012】請求項2〜7の発明は、上記請求項1の構
成に加えて、前記記録手段にインクを供給するためのイ
ンク貯留部を有する交換式のインクカートリッジを備
え、該インクカートリッジの一部に廃インク貯留部を設
ける構成、前記記録手段及び前記インクカートリッジが
主走査方向に往復移動する構成、前記記録手段及び前記
インクカートリッジが主走査方向に往復移動するキャリ
ッジに装着される構成、前記記録手段と前記インクカー
トリッジは別体である構成、前記インクカートリッジが
前記記録手段と一体に設けられている構成、あるいは、
前記インクカートリッジと前記記録手段は個別に交換可
能である構成とすることにより、上記目的を達成するも
のである。
【0013】請求項8の発明は、上記請求項4の構成に
加えて、主走査方向に往復移動するキャリッジに前記イ
ンクカートリッジを装着したとき、前記廃インク貯留部
が前記インクカートリッジから分離されて装置本体側の
固定位置に保持される構成とすることにより、さらに、
キャリッジを使用して往復移動させる重量を減らして記
録時の消費電力を節減し得るインクジェット記録装置を
提供するものである。
【0014】
【作用】上記のように構成されたインクジェット記録装
置にあっては、吸引回復時の廃インクは交換式のインク
カートリッジ内に蓄積され、インクカートリッジの交換
と同時にそれまで蓄積された廃インクがなくなるので、
装置本体の寿命に相当するような大容量の廃インク蓄積
手段を設ける必要がなく、その分、記録装置の小型化、
薄型化及び軽量化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。なお、全ての図面を通して同一符
号は同一又は対応部分を示している。図1は本発明を適
用したインクジェット記録装置の第1実施例の模式的平
面図であり、図2は図1中の線2−2から見た模式的正
面断面図である。なお、図1は後述するキャップ7及び
吸引ポンプ9の配置を示すべくキャリッジ1が記録領域
にある場合を示し、図2はキャリッジ1がキャップ1と
密着可能なホームポジションにある場合を示す。図1及
び図2において、キャリッジ1は、主走査モータ2を駆
動源とし、一対のプーリ3、3に巻装されたベルト4を
介して伝達される駆動力により、両矢印P方向に往復移
動させられる。前記ベルト4は、キャリッジ1のベルト
固定部5に連結されている。その際、前記キャリッジ1
は、装置本体に取り付けられたメインレール38とサブ
レール39に案内支持されて往復移動する。
【0016】前記キャリッジ1には記録手段(記録ヘッ
ド)6及びインクカートリッジ40が交換可能に装着さ
れている。図11はキャリッジ1に搭載される記録ヘッ
ド6及びインクカートリッジ40を示す斜視図である。
図11において、先ずキャリッジ1に対して記録ヘッド
6が装着され、該記録ヘッド6に対してインクカートリ
ッジ40が装着されるように構成されている。インクカ
ートリッジ40は、記録ヘッド6へインクを供給するた
めのインク貯留部41と記録ヘッド6からの廃インクを
蓄積するための廃インク貯留部42を備えている。そし
て、インク貯留部41及び廃インク貯留部42のそれぞ
れには、インク吸収体が挿入(充填)されている。ま
た、インク貯留部41にはインク供給孔40aが設けら
れ、廃インク貯留部42には廃インク導入孔40bが設
けられている。
【0017】記録ヘッド(記録手段)6にはインクカー
トリッジ40を装着するためのカートリッジ固定部6a
が設けられ、該カートリッジ固定部6aの内部には、イ
ンクカートリッジ40のインク供給孔40aを接続する
ためのインク開口部6b、並びに、後述する廃ジョイン
ト21(図6〜図10参照)を前記廃インク導入孔40
bに接続させるための廃インク開口部6cが設けられて
いる。インクカートリッジ40を記録ヘッド6のカート
リッジ固定部6aに装着すると、インク貯留部41のイ
ンク供給孔40aは前記インク開口部6bを通して記録
ヘッド6のインク室(各吐出口へ通じる共通液室)へ接
続され、廃インク貯留部42の廃インク導入孔40bは
前記廃インク開口部6cから下方へ突出する(図6〜図
10参照)。
【0018】前記記録手段(記録ヘッド)6は、記録信
号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐
出口からインクを選択的に吐出して記録するインクジェ
ット記録ヘッドである。また、この記録ヘッド6は、熱
エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット
記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気
熱変換体を備えたものである。さらに、前記記録ヘッド
6は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギ
ーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって
生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出さ
せ、記録を行なうものである。前記電気熱変換体は各吐
出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて
対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによ
って対応する吐出口からインクを吐出するものである。
【0019】図17は、記録手段(記録ヘッド、ヘッド
カートリッジ)6のインク吐出部(一つの吐出口列)の
構造を模式的に示す部分斜視図である。図17におい
て、記録媒体(記録用紙等の被記録材)と所定の隙間
(例えば、約0.3〜2.0ミリ程度)をおいて対面す
る吐出口面81には、所定のピッチで複数の吐出口82
が形成され、液室(共通液室)83と各吐出口82とを
連通する各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネ
ルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体な
ど)85が配設されている。
【0020】本実施例においては、記録ヘッド6は、前
記吐出口82が主走査移動方向(キャリッジ1の移動方
向)と交叉する方向に並ぶような位置関係で、該キャリ
ッジ1に搭載されている。こうして、画像信号または吐
出信号に基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(パ
ルス電圧を印加)して、液路84内のインクを膜沸騰さ
せ、その時に発生する圧力によって吐出口82からイン
ク滴を吐出させる記録手段(記録ヘッド)6が構成され
ている。
【0021】図3は図2においてキャリッジ1が線3−
3より図示左側へ移動した場合でかつ被記録材(記録用
紙)15を挿入した場合の縦断面図である。図3におい
て、記録用紙15は図示左側から矢印R方向に挿入(給
紙)され、図示右側から矢印S方向に排出される。記録
用紙15を矢印R方向から挿入すると、記録用紙15
は、先ず手差しローラ17と手差し従動ローラ16の間
に挟まれ、これらのローラ17、16により矢印T方向
に搬送される。この記録用紙15は、次いでプラテン3
5上を通り、搬送ローラ(紙送りローラ)19と搬送従
動ローラ(紙送り従動ローラ)18の間に挟まれて矢印
T方向へ搬送され、排紙口22から排出される。そし
て、記録用紙15がプラテン35上に存在する時に、キ
ャリッジ1に装着された記録ヘッド6からインクを吐出
することで該記録用紙15上に画像が形成(記録)され
る。
【0022】上記インクジェット記録装置においては、
記録ヘッド6内のインク中の微細なごみや気泡の影響に
より、あるいは、吐出口からのインク蒸発によって該吐
出口付近のインク粘度が高くなることなどにより、吐出
不良(不吐出を含む)を生じることがあり、これに対処
するための回復処理手段として、吸引ポンプ(吸引力発
生手段)によって記録ヘッド6の吐出口82からインク
を吸引する吸引回復手段が装着されている。次に、この
吸引回復手段について説明する。
【0023】図4は本発明を適用したインクジェット記
録装置の第1実施例(図1の記録装置)における吸引回
復手段の構成を示す模式的斜視図であり、図5は本発明
を適用したインクジェット記録装置の第1実施例の回復
機構(キャリッジ無し)を示す部分平面図であり、図6
は本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施
例の吸引回復時の状態を示す部分正面断面図であり、図
7は図6の第1実施例のキャップ開放時の状態を示す部
分正面断面図であり、図8は図6の第1実施例のキャッ
ピング時の状態を示す部分正面断面図であり、図9は図
6の第1実施例の吸引力発生手段と廃インク貯留部とを
接続した状態を示す部分側面断面図であり、図10は図
6の第1実施例のキャップ開放時の状態を示す部分側面
断面図であり、図12は図4の吸引ポンプ9の動作を説
明するために各段階の状態を順次示す模式的縦断面図で
ある。
【0024】回復機構は、図1、図2及び図4に示すよ
うに、記録ヘッド6の吐出口を密閉するためのキャップ
7と該キャップ7に接続された吸引ポンプ9とを備えて
いる。そして、本実施例では、前記吸引ポンプ(吸引力
発生手段)9に、後述するように吸引回復時に該吸引ポ
ンプ9の内部を前記廃インク貯留部42に接続させるた
めの断続手段としての廃ジョイント21が設けられてい
る。図4において、7は塩素化ブチルゴム等のゴム状弾
性材で形成されたキャップ、10はキャップ7を保持す
るキャップホルダー、9は記録ヘッド6の吐出口からイ
ンクを吸引するための負圧を発生させる吸引力発生手段
としての吸引ポンプ、20は廃ジョイント21を保持す
る廃ジョイントホルダーである。そして、図6〜図10
及び図12に示すように、前記キャップ7と前記吸引ポ
ンプ9の内部とは吸引チューブ61を通して接続されて
おり、前記廃ジョイント21と前記吸引ポンプ9の内部
とは廃インクチューブ62を通して接続されている。
【0025】図4において、前記吸引ポンプ9の本体は
シリンダ状をしており、その表面には支持部9aと腕部
9bと支持9cが一体に形成されている。前記支持部9
aは前記キャップホルダー10を支持するためのもので
ある。また、前記腕部9bには、後述するキャップギア
13に形成されたキャップカム部13aに当接されたカ
ムフォロア9dが設けられている。さらに、前記支持部
9cは前記廃ジョイントホルダー20を支持するための
ものである。こうして、前記キャップカム部13aの回
動位置に応じて吸引ポンプ9を揺動させ、キャップ7と
記録ヘッド6との当接(キャッピング)並びに廃ジョイ
ント21と廃インク貯留部42の当接(接続)を制御す
るように構成されている。
【0026】図4において、11はキャップ7を記録ヘ
ッド6に押圧する弾性力を発生させるための押圧バネ、
12は吸引ポンプ9の後述するピストン30を軸方向に
移動させて該吸引ポンプを作動(動作)させるためのポ
ンプギアである。吸引ポンプ9は、前記ポンプギア12
を回動駆動することによりポンプ本体(シリンダ)内の
ピストン(図12中のピストン30を参照)を軸方向に
移動させることで、該吸引ポンプ9内に負圧吸引力
(0.1〜0.5気圧程度の負圧)を発生させてインク
を吸引したり、吸引したインクを送り出したりするよう
に構成されている。前記ポンプギア12は平行に配設さ
れたキャップギア13の外周ギア部13bと噛み合って
いる。このキャップギア13には、前記キャップ7及び
前記廃ジョイント21を昇降させるためのキャップカム
部13aが形成されている。前記キャップギア13は不
図示の駆動モータの駆動ギアに連結されている。
【0027】こうして、前記駆動モータを作動させるこ
とにより、前記キャップギア13及びポンプギア12が
回動駆動され、キャップ7の昇降動作と吸引ポンプ9の
動作(吸引力発生等)と廃ジョイント21の昇降動作が
所定のタイミングで行われるように制御される。図4〜
図12に示すように、廃ジョイント21を保持した廃ジ
ョイントホルダー20は、キャップホルダー10の場合
と同様、吸引ポンプ9の支持部9cにより該吸引ポンプ
の本体とともに回動しかつ前記廃インク導入孔40bと
密着するように支持(首振り可能に)されている。ま
た、廃ジョイント21は、キャップ7と同様、ゴムなど
のゴム状弾性材の成形品で形成されており、廃インクチ
ューブ62を通して吸引ポンプ9に接続されている。
【0028】こうして、本発明によるインクジェット記
録装置、すなわち、記録手段6から被記録材15へイン
クを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におい
て、前記記録手段の吐出口82を密閉するためのキャッ
プ7と、該キャップを通して吐出口からインクを吸引す
る吸引力発生手段(吸引ポンプ9等)と、記録手段にイ
ンクを供給するためのインク貯留部41を有する交換式
のインクカートリッジ40とを備え、前記インクカート
リッジの一部に廃インク貯留部42を設けるとともに、
前記吸引力発生手段を前記廃インク貯留部に断続させる
ための断続手段(廃ジョイント21等)を設け、吸引回
復時に、前記断続手段により前記吸引力発生手段を前記
廃インク貯留部に接続することにより、吐出口から吸引
したインクを前記廃インク貯留部に蓄積させることを特
徴とするインクジェット記録装置が構成されている。
【0029】次に、図4〜図12を参照して、本発明を
適用したインクジェット記録装置の第1実施例の要部構
成及びその動作をさらに具体的に説明する。吸引回復を
行うためにキャリッジ1がキャップ7と対向する位置
(ホームポジション)に移動してくると、不図示の駆動
モータが作動されてキャップギア13が回動駆動され、
キャップカム部13aに沿って吸引ポンプの腕部9bが
動かされることで吸引ポンプ9及びキャップ7が図8中
の矢印H方向に回動し、キャップ7が上昇して記録ヘッ
ド6に接触する。このキャップ7は、さらに押圧バネ1
1の作用により記録ヘッド6に密着するように押圧され
る。廃ジョイント21は、同様に吸引ポンプ9とともに
矢印H方向に回動し、下方向に下がる。
【0030】前記キャップ7を記録ヘッド6に密着させ
るまでの間は、ポンプギア12も同時に回動して吸引ポ
ンプ9内のピストン30(図12)を軸方向に移動させ
るが、キャップ7は未だ記録ヘッド6に密着せずに大気
に開放されているため、吸引ポンプ9による吸引力は発
生しない。
【0031】そして、前記駆動モータを継続して作動さ
せると、ポンプギア12がさらに回動して吸引ポンプ9
内のピストン30がさらに軸方向に移動することによ
り、該吸引ポンプ9内に負圧が発生し、大気圧と該負圧
との差圧(負圧)が記録ヘッド6の吐出口部に作用する
ことで、吐出口内のインクがキャップ7内へ吸い出され
る。この際、キャップ7は記録ヘッド6に密着させら
れ、前記ポンプギア12の回動とともに前記キャップギ
ア13も回動するが、その間、前記キャップ7と記録ヘ
ッド6との密着は前記キャップカム部13aの形状によ
り一定に保たれ、吐出口部に対して所定の時間にわたっ
て所定の吸引力を作用させて所定の吸引回復動作を行う
ように構成されている。
【0032】次に、ここまでの吸引ポンプ9の動作を図
12を参照して具体的に説明する。図12において、吸
引ポンプ9のピストン30の一端部にはポンプギア12
の内径ネジ部とネジ係合するネジ部(雄ネジ部)30a
が形成されており、該ピストン30の中間部にはOリン
グから成るピストン摺動部31を保持する(押さえる)
ためのつば部30bが設けられている。そして、前記ネ
ジ部30aとかみ合うポンプギア12が回動することに
より、前記ピストン30は軸方向に(一方向に)に移動
する。Oリングから成る前記ピストン摺動部31は、前
記ピストン30のつば部30bにより該ピストン30に
固定されている。吸引ポンプ9の本体にはシリンダ内部
をキャップ7へ接続する通路(吸引チューブ61)との
連通口63が形成されており、該連通口63は前記ピス
トン30の軸方向移動(位置)により前記ピストン摺動
部31により開閉制御される。
【0033】また、吸引ポンプ9のシリンダ部(本体の
内部)にはピストン30の外周面を摺動可能に密封する
ためのOリングから成るシール部材32が固定されてい
る。これらのOリング31、32はゴム等のゴム状弾性
材で形成されており、吸引ポンプ9のシリンダの内径や
ピストン30の外周面に密着してシールしている。33
はゴム等のゴム状弾性部材で形成された逆止弁である。
この逆止弁33は、図12の(a)の拡大図に示すごと
く、吸引ポンプ9のシリンダ部から廃ジョイント21へ
至る通路(廃インクチューブ62)との連通口64を閉
じたり(実線)、開いたり(破線)する。
【0034】このような構成において、通常の記録動作
の際の待機時には、図12の(a)に示すごとく、吸引
ポンプ9のキャップ7への開口部63はピストン摺動部
31により閉じられている。そして、この状態から、キ
ャップ7を記録ヘッド6に押し当てるためにキャップギ
ア13を回動駆動すると、ポンプギア12も回動し、ピ
ストン30は矢印J方向に移動する。このピストン30
に伴ってピストン摺動部31も矢印J方向に移動し、吸
引ポンプ9のキャップ7への開口部63が開かれ、図1
2の(b)の状態になる。これに伴い、前記キャップカ
ム部13a(図4)のカム形状によりキャップ7が記録
ヘッド6へ向けて移動(上昇)し、さらに前記押圧バネ
11の作用等により記録ヘッド6に密着する。
【0035】この時、前記キャップカム部13aのカム
形状は、キャップ7が記録ヘッド6に密着した後でも、
このピストン30の矢印J方向の移動をさらに所定時間
継続させるように選定されており、そのため、ピストン
30の移動に応じてピストン摺動部31とシール部材3
2との間のシリンダ内部空間に負圧が発生する。この
時、逆止弁33は上記空間の負圧により閉じられてお
り、廃ジョイント21との接続は遮断されている。従っ
て、吸引チューブ61を介して大気圧と負圧との差(負
圧)が記録ヘッド6の吐出口82に作用し、該吐出口内
のインクがキャップ7内へ強制的に吸い出され、該イン
ク(廃インク)はさらに吸引チューブ61を通して吸引
ポンプ9の前記負圧空間内へ導入蓄積される。
【0036】そして、この状態にて所定時間待機するこ
とにより、吸引ポンプ9内及びキャップ7内が大気圧に
戻る。その後、前記駆動モータ(不図示)を逆転させて
キャップギア13及びポンプギア12を上記と逆の方向
に回動させると、図12(b)の状態からピストン30
の移動方向が反転され、該ピストン30は矢印K方向に
移動し、ピストン摺動部31も矢印K方向に移動する。
これと同時に、キャップカム部13aの形状により吸引
ポンプ9も対応方向に回動され、キャップ7及び廃ジョ
イント21は図8中の矢印L方向に回動する。そのた
め、キャップ7が記録ヘッド6から離れることでその間
の密着が開放され、廃ジョイント21の方は上昇してイ
ンクカートリッジ40の廃インク導入孔40bに当接
し、図9に示す状態になる。廃ジョイント21は、ゴム
状弾性材で形成されているため、前記廃インク導入孔4
0bに接触して変形することにより密封状態で押圧され
る。こうして、吸引ポンプ9の内部は、廃インクチュー
ブ62を介して、キャリッジ1上のインクカートリッジ
40の廃インク貯留部42と連通状態で接続されること
になる。
【0037】この状態で、不図示の駆動モータの逆転を
続けると、ピストン30が矢印K方向に移動し、図12
の(c)に示すように、ピストン摺動部31が開口部6
3を通過し、そして、該ピストン摺動部31とシール部
材32との間のシリンダ内空間に正圧が加わることにな
る。そのため、連通口64を閉じていた逆止弁33が開
かれ、シリンダ内空間に導入されていた廃インク(記録
ヘッド6から吸引したインク)は、吸引ポンプ9から押
し出され、廃インクチューブ62及び廃ジョイント21
を通して前記廃インク貯留部42内へ導入され、該廃イ
ンク貯留部42内に吸収、蓄積される。この時の状態は
図12の(d)及び図9に示す通りである。
【0038】図11を参照して前述したように、キャリ
ッジ1に装着されて記録ヘッド6にインクを供給するた
めの交換式のインクカートリッジ40には、記録ヘッド
6に供給される本来のインクが貯留されたインク貯留部
41の他に、吸引回復操作により記録ヘッド6から吸引
ポンプ9へ吸引された廃インクを蓄積するための廃イン
ク貯留部42が設けられている。記録ヘッド6及びイン
クカートリッジ40をキャリッジ1に装着した状態で
は、該インクカートリッジ40の廃インク貯留部42内
のインク吸収体は、インクを吸収するとある程度の圧力
が加わらない限り、インクを保持するため、廃インク貯
留部42の廃インク導入孔40bが開放されているとき
でも、廃インクが漏れ出すことはない。また、廃インク
貯留部42の容量は、インク貯留部41内のインクを使
用し切るまでの吸引量に匹敵するように予め設定されて
おり、例えば通常の記録装置の場合、約20%が廃イン
クとなることから、インク貯留部41の容量の約20%
程度に設定される。
【0039】そして、吸引ポンプ9から廃インク貯留部
42への廃インク押し出しが終了すると、前記駆動モー
タ(不図示)を正転させることにより、ピストン30の
移動方向を反転させ、図12の(d)に示すようにピス
トン摺動部31を矢印J方向へ移動させ、図12の
(a)に示すような当初の状態に戻す。この時、廃ジョ
イント21は、キャップギア13の回動に伴うキャップ
カム部13aの作用により、インクカートリッジ40の
廃インク貯留部42から離隔され、その間の接続が遮断
(又は開放)される。こうして、図7及び図10に示す
ように、キャップ7及び廃ジョイント21は、いずれ
も、相手との当接を開放された釈放位置(退避位置)に
止められる。この図7及び図10の状態で吸引ポンプ9
が図12の(a)の状態になるように、ポンプギア12
とピストン30のネジ部30aとキャップギア13のキ
ャップカム部13aとの間の位相関係は予め設定されて
いる。この状態では、キャリッジ1は自由状態(往復移
動可能な状態)となり、次の動作(例えば、記録ヘッド
6の吐出口面81のワイピング動作など)を行うことが
可能となる。
【0040】また、図1及び図2に示すように、キャッ
プ7の横には、ゴム板等の板状のゴム状弾性材で作られ
たワイパーブレード(ワイピング部材)8が取り付けら
れている。このワイパーブレード8は、記録ヘッド6に
より記録用紙15に記録した後や、前述のような吸引回
復動作の後に、記録ヘッド6の吐出口面に付着したイン
ク等の異物を拭き取るためのものである。前記ワイパー
ブレード8は、不図示の昇降手段により記録ヘッド6の
吐出口面の移動領域に対して進入離脱するように制御さ
れ、ワイピング(クリーニング)動作時のみ進入位置に
保持して吐出口面を拭き取り清掃するように装着されて
いる。また、記録ヘッド6の吐出口のインクのメニスカ
スを一定に保つ目的で、記録を実行する前に記録ヘッド
6からインクを吐出させる予備吐出操作が行われるが、
この予備吐出操作で吐出されるインクをキャップ7内に
受け止めるように構成されることもある。
【0041】以上、図1〜図12で説明した第1実施例
によれば、吸引回復時の廃インクを蓄積するに際し、装
置本体に大容量の廃インク蓄積手段を設けなくて済ます
ことができ、記録装置の小型化、薄型化及び軽量化を図
る上できわめて好適な構成が得られる。
【0042】図13は本発明を適用したインクジェット
記録装置の第2実施例の要部構成の廃インク貯留部分離
前の状態を示す部分正面断面図であり、図14は図13
の第2実施例の要部構成の廃インク貯留部分離後の状態
を示す部分正面断面図であり、図15は図13中のイン
クカートリッジにおいて廃インク貯留部を分離結合する
ための構造及び動作を説明するための図16中の矢印V
方向から見た部分平面図であり、図16は図13中のキ
ャリッジに搭載される前の記録手段及びインクカートリ
ッジのそれぞれを単独で示す模式的斜視図である。
【0043】図13〜図16の第2実施例は、キャリッ
ジ1にインクカートリッジ40を装着したとき、廃イン
ク貯留部42がインクカートリッジ40から分離されて
装置本体側の固定位置に保持されるように構成されてお
り、本実施例はこの点で図1〜図12で説明した第1実
施例と相違しており、その他の点では実質的に同じ構成
を有している。つまり、本実施例は、インクカートリッ
ジ40を記録装置に装着したときのキャリッジの重量を
減らし、記録時の移動質量を減少させることにより消費
電力を節減しようとするものである。本実施例は、以下
に説明するインクカートリッジの分離機構を有する点で
図1〜図12の第1実施例と相違し、吸引回復機構を含
むその他の部分では同じ構成を有し同じ動作をするもの
であり、それぞれ対応する部分を同じ符号で示し、それ
らの詳細説明は省略する。
【0044】図13〜図16を参照して、第2実施例の
インクカートリッジ40の分離機構及び動作について説
明する。インクカートリッジ40は、図16に示すよう
に、記録ヘッド6へインクを供給するためのインク貯留
部41に対して廃インク貯留部42が着脱可能(分離可
能)に連結され、記録ヘッド(記録手段)6のカートリ
ッジ固定部6aに対してはインク貯留部41を固定する
ように構成されている。そのため、記録ヘッド6のカー
トリッジ固定部6aには、インク貯留部41のインク供
給孔40aが接続するためのインク開口部6bは設けら
れているが、廃ジョイント21を廃インク導入孔40b
に接続させるための廃インク開口部6c(図11)は設
けられていない。
【0045】図16において、インクカートリッジ40
の背面(又は正面)には、両インク貯留部41、42を
分離可能に結合するための爪部40cとそれに対向する
位置に係合可能に形成された段付き凹部40dがそれぞ
れ数カ所に設けられている。図示の例では、インク貯留
部41に爪部40cが設けられ、廃インク貯留部42に
段付き凹部40dが設けられている。前記爪部40c
は、図15の(b)に示すような所定方向の力を受ける
と弾性変位して前記段付き凹部40dから離脱し、イン
ク貯留部41と廃インク貯留部42を押圧すると段付き
部を乗り越えて段付き凹部40dと係合するような、弾
性力によりワンタッチで結合離脱可能ないわゆるパッチ
ン構造になっている。
【0046】インクカートリッジ40単独の状態、ある
いはキャリッジ1に装着しただけで該キャリッジが未だ
主走査移動していない状態では、図13及び図16に示
すように、爪部40cと段付き凹部40dが互いに係合
して、インク貯留部41と廃インク貯留部42は結合さ
れている。また、図15及び図16に示すように、廃イ
ンク貯留部42の側面(図示右側面)にはマグネット吸
着板40eが一体的に取り付けられており、装置本体
(シャーシ等)の側面部材にはマグネット51が一体的
に取り付けられており、さらに、装置本体の側面部材に
は前記爪部40cに接触可能なピン50が設けられてい
る。
【0047】この状態で、インクカートリッジ40をキ
ャリッジ1上に装着すると(図13の状態)、該キャリ
ッジ1が図13又は図15の(a)の状態から図示右方
向(矢印W方向)へ移動する。そうすると、図15の
(b)に示すように、ピン50が爪部40cと接触する
ことで、該爪部40は弾性変形させられて段付き凹部4
0dから離脱する。その時、マグネット吸着板40e
が、装置本体側に設けられたマグネット51に磁気吸引
力で吸着される(図15の(b))。次いで、そのまま
の状態でキャリッジ1の移動方向を反転させて図15の
(b)中の矢印X方向へ移動させると、廃インク貯留部
42が前記磁気吸引力により装置本体側に吸着状態で固
定されたままとなる。つまり、カートリッジ40が分離
され、キャリッジ1上にはインク貯留部41のみが残さ
れることになる。
【0048】前記廃インク貯留部42が装置本体側に固
定される位置は、前述の第1実施例で説明した廃ジョイ
ント21が上昇して廃インク導入孔40bに密着接続可
能な対向位置に予め設定されているため、前述の第1実
施例の場合と同様な吸引回復動作を行うことができ、前
記吸引回復動作によって、記録ヘッド6から吸引ポンプ
9内に吸引された廃インクは、第1実施例の場合と同様
に廃ジョイント21を通して廃インク貯留部42内へ導
入され、該廃インク貯留部42内に吸収、蓄積される。
【0049】次に、インクカートリッジ40を交換する
時など、該インクカートリッジを記録装置から取り外す
時の動作を説明する。図14もしくは図15の(c)の
状態から、先ず、装置本体側のピン50を不図示の機構
により図15中の矢印Y方向に移動(退避)させる。そ
して、キャリッジ1を図15中の矢印W方向へ移動させ
ると、図15の(d)に示すように、爪部40cと段付
き凹部40dが係合することでインク貯留部41と廃イ
ンク貯留部42が再び結合される。この時、ピン50は
退避しているので、爪部40cと接触することはない。
【0050】図15の(d)の状態から、そのままキャ
リッジ1を図15中の矢印X方向に移動させると、爪部
40cと溝部40dが係合しているため、マグネット5
1とマグネット吸着板40eの磁気吸着力に打ち勝って
廃インク貯留部42が装置本体から離脱させられ、イン
クカートリッジ40は、インク貯留部41と廃インク貯
留部42が結合して一体になったままキャリッジ1とと
もに図15中の矢印X方向へ移動する。こうして、イン
ク貯留部41と廃インク貯留部42を結合させた状態
で、インクカートリッジ40をキャリッジ1(又はキャ
リッジ1に装着された記録ヘッド6)から外して交換す
ることが可能になる。
【0051】以上図13〜図16で説明した第2実施例
によれば、吸引回復時の廃インクを蓄積するに際し、装
置本体に大容量の廃インク蓄積手段を設けなくて済ます
ことができ、記録装置の小型化、薄型化及び軽量化を図
る上できわめて好適な構成が得られることに加え、イン
クカートリッジを記録装置に装着したときのキャリッジ
の重量が減少することから、記録時の移動質量を減少さ
せることにより消費電力を節減できるという効果が得ら
れる。
【0052】なお、前述の第2実施例では、インクカー
トリッジ40の結合手段として爪部40cと段付き凹部
40dから成るいわゆるパッチン方式を採用したが、こ
の結合手段としては、インク貯留部41と廃インク貯留
部42を結合離脱できるものであれば、その他の構成の
ものを適宜採用することができる。また、前述の第2実
施例では、廃インク貯留部42を装置本体側に保持する
固定手段として、マグネット方式を採用したが、この固
定手段も、廃インク貯留部42を離脱可能に保持固定で
きるものであれば、前記構成に限定されることなく、そ
の他の構成のものを適宜採用してもよい。さらに、前述
の実施例では、往復移動するキャリッジ1に記録ヘッド
6を搭載する場合を説明したが、これは記録ヘッドを直
接往復移動させるような構成にしてもよい。
【0053】前述の実施例では、記録ヘッド6とインク
カートリッジ40を分離できる構成について説明した
が、本発明は、インクカートリッジ一体型の記録ヘッド
(記録手段)に対しても同様に適用することができ、同
様の作用効果を得ることができるものである。また、本
発明は、複数色のインクを貯留するインクカートリッジ
についても同様に適用することができ、同様の作用効果
が得られるものである。さらに、前述の実施例では、吸
引回復手段で用いる吸引力発生手段(吸引ポンプ9)が
シリンダ・ピストンポンプである場合を説明したが、こ
れは、例えば、キャップに接続された可撓性チューブを
押し潰す(しごく)などしてチューブ内容物を押し出す
ことにより、該チューブ内に負圧吸引力を発生させるい
わゆるチューブポンプなど、他のタイプの吸引力発生手
段を使用してもよい。
【0054】なお、以上の実施例では記録手段(記録ヘ
ッド)6を記録用紙等の被記録材に対して相対移動させ
ながら記録するシリアル記録方式を例に挙げて説明した
が、本発明は、被記録材の全幅または一部をカバーする
長さのラインタイプの記録手段を用いて副走査のみで記
録するライン記録方式など、記録方式の種類に関わらず
種々のインクジェット記録装置に適用可能なものであ
り、同様の効果を達成し得るものである。
【0055】また、本発明は、1個の記録手段(記録ヘ
ッド)を用いて記録するインクジェット記録装置の他、
異なる色のインクで記録するカラー記録装置、あるいは
同一色彩で異なる濃度で記録する階調記録装置、さらに
は、これらを組み合わせた記録装置のように複数の異な
るインクを用いて記録するインクジェット記録装置の場
合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成
し得るものである。さらに、本発明は、記録ヘッドとイ
ンクタンクを一体化した交換可能なインクジェットカー
トリッジ(ヘッドカートリッジ)を用いる構成、記録ヘ
ッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用
のチューブ等で接続する構成など、記録ヘッドとインク
タンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用する
ことができ、同様の効果が得られるものである。
【0056】また、本発明は、インクジェット記録装置
が、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体など、他の
エネルギーを用いる記録手段を使用するものである場合
にも適用することができ、同様の効果が得られるもので
ある。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
(請求項1)によれば、記録手段からインクを吐出して
被記録材に記録を行うインクジェット記録装置におい
て、前記記録手段の吐出口を密閉するためのキャップ
と、該キャップを通して吐出口からインクを吸引する吸
引力発生手段と、該吸引力発生手段と廃インク貯留部と
を離接させるための、前記キャップとは別の離接手段
と、を有し、前記離接手段によって前記吸引力発生手段
と前記廃インク貯留部とを接続し、吐出口から吸引した
インクを前記廃インク貯留部に蓄積させる構成としたの
で、吸引回復時の廃インクを蓄積するに際し、装置本体
に大容量の廃インク蓄積手段を設けなくて済ますことが
でき、記録装置の小型化、薄型化及び軽量化を容易に実
現できるインクジェット記録装置が提供される。
【0058】請求項2〜7の発明によれば、上記請求項
1の構成に加えて、前記記録手段にインクを供給するた
めのインク貯留部を有する交換式のインクカートリッジ
を備え、該インクカートリッジの一部に廃インク貯留部
を設ける構成、前記記録手段及び前記インクカートリッ
ジが主走査方向に往復移動する構成、前記記録手段及び
前記インクカートリッジが主走査方向に往復移動するキ
ャリッジに装着される構成、前記記録手段と前記インク
カートリッジは別体である構成、前記インクカートリッ
ジが前記記録手段と一体に設けられている構成、あるい
は、前記インクカートリッジと前記記録手段は個別に交
換可能である構成としたので、吸引回復時の廃インクを
蓄積するに際し、装置本体に大容量の廃インク蓄積手段
を設けなくて済ますことができ、記録装置の小型化、薄
型化及び軽量化を容易に実現できるインクジェット記録
装置が提供される。
【0059】請求項8の発明によれば、請求項4の構成
に加えて、主走査方向に往復移動するキャリッジに前記
インクカートリッジを装着したとき、前記廃インク貯留
部が前記インクカートリッジから分離されて装置本体側
の固定位置に保持される構成としたので、さらに、キャ
リッジを使用して往復移動させる重量を減らして記録時
の消費電力を節減し得るインクジェット記録装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の模式的平面図である。
【図2】図1中の線2−2に沿って見た模式的断面正面
図である。
【図3】図2中の線3−3に沿って見た模式的縦断面図
である。
【図4】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の回復機構の吸引力発生手段の構成を示す模式
的斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の回復機構をキャリッジが到達していない状態
で示す部分平面図である。
【図6】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の吸引回復時の状態を示す部分正面断面図であ
る。
【図7】図6の第1実施例でキャップ及び廃ジョイント
を開放した時の状態を示す部分正面断面図である。
【図8】図6の第1実施例でキャップを記録ヘッドに密
着させた時の状態を示す部分正面断面図である。
【図9】図6の第1実施例で吸引力発生手段と廃インク
貯留部とを接続した時の状態を示す部分側面断面図であ
る。
【図10】図6の第1実施例でキャップ及び廃ジョイン
トを開放した時の状態を示す部分側面断面図である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第1実施例の記録手段及びインクカートリッジを示す模
式的斜視図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第1実施例の吸引回復機構の吸引力発生手段の動作手順
を示す模式的縦断面図である。
【図13】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第2実施例で廃インク貯留部が分離されていない状態を
模式的に示す部分正面断面図である。
【図14】図13の第2実施例で廃インク貯留部が分離
されている状態を模式的に示す部分正面断面図である。
【図15】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第2実施例でインクカートリッジを分離結合するための
構成及び動作を模式的に示す部分平面図である。
【図16】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第2実施例の記録手段及びインクカートリッジを示す模
式的斜視図である。
【図17】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模
式的に示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 主走査モータ 4 キャリッジ駆動用のベルト 6 記録手段(記録ヘッド) 6a カートリッジ固定部 6b インク開口部 6c 廃インク開口部 7 キャップ 9 吸引力発生手段(吸引ポンプ) 9a 支持部 9b 腕部 9c 支持部 9d カムフォロア 10 キャップホルダー 11 押圧バネ 12 ポンプギア 13 キャップギア 13a キャップカム部 13b 外周ギア部 15 被記録材(記録用紙) 17 手差しローラ 19 搬送ローラ(紙送りローラ) 20 廃ジョイントホルダー 21 廃ジョイント 30 ピストン 31 ピストン摺動部 32 シール部材 33 逆止弁 35 プラテン 38 メインレール 39 サブレール 40 インクカートリッジ 40a インク供給孔 40b 廃インク導入孔 40c 爪部 40d 段付き凹部 40e マグネット吸着板 41 インク貯留部 42 廃インク貯留部 50 ピン 51 マグネット 61 吸引チューブ 62 廃インクチューブ 63 連通口(開口部) 64 連通口 81 吐出口面 82 吐出口 84 液路 85 電気熱変換体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段からインクを吐出して被記録
    材に記録を行うインクジェット記録装置において、 前記記録手段の吐出口を密閉するためのキャップと、該
    キャップを通して吐出口からインクを吸引する吸引力発
    生手段と、該吸引力発生手段と廃インク貯留部とを離接
    させるための、前記キャップとは別の離接手段と、を有
    し、前記離接手段によって前記吸引力発生手段と前記廃
    インク貯留部とを接続し、吐出口から吸引したインクを
    前記廃インク貯留部に蓄積させることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録手段にインクを供給するため
    のインク貯留部を有する交換式のインクカートリッジを
    備え、該インクカートリッジの一部に廃インク貯留部を
    設けることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録手段及び前記インクカートリ
    ッジが主走査方向に往復移動することを特徴とする請求
    項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段及び前記インクカートリ
    ッジが主走査方向に往復移動するキャリッジに装着され
    ることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段と前記インクカートリッ
    ジは別体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれ
    かに記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インクカートリッジが前記記録手
    段と一体に設けられていることを特徴とする請求項2〜
    4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記インクカートリッジと前記記録手
    段は個別に交換可能であることを特徴とする請求項2〜
    5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 主走査方向に往復移動するキャリッジ
    に前記インクカートリッジを装着したとき、前記廃イン
    ク貯留部が前記インクカートリッジから分離されて装置
    本体側の固定位置に保持されることを特徴とする請求項
    4〜7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録手段がインクを吐出するため
    に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えているインクジェット記録手段であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  10. 【請求項10】 前記記録手段が前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする
    請求項9に記載のインクジェット記録装置。
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