JP2001275585A - 変性澱粉及びその製造方法 - Google Patents

変性澱粉及びその製造方法

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利章 小巻
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昌裕 倉掛
Naoyoshi Inouchi
直良 井ノ内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘性の、非還元性でメーラード反応を起こ
し難く、食品分野にも広く活用できる変性澱粉を提供す
る。 【解決手段】 澱粉、水分及び塩類を含む湿混合物を加
熱処理して得られる変性澱粉であって、下記(i)〜
(vi)の性質を有するように変性されていることを特徴
とする変性澱粉: (i)糊化温度及び粘性の低下; (ii)加熱糊化後セットバックがほとんどない; (iii) 比青価(沃素による呈色性)の低下; (iv)還元力が実質的にない; (v)40℃での水に対する溶解度の上昇; (vi)重合度数万以上のアミロペクチン及び重合度数千
のアミロースの減少。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種澱粉を原料とし
て変性された食品用途、工業用途に用いる変性澱粉及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは糊化温度が低く、
容易に加熱によって溶解しその溶液の粘度が低いこと、
さらに冷却しても実質的に粘度が増加しないことを特徴
とした、溶解度が高く、沃素呈色度が低く、しかも殆ど
非還元性で、低分子を主体とする、食品用途、工業用途
において優れた性質を有する変性澱粉及びその製造方法
である。
【0002】
【従来の技術】加工澱粉の中で最も古くより知られてい
るのは焙焼デキストリンで、白色デキストリン、黄色デ
キストリン、さらにブリティッシュガムと呼ばれてきた
製品がある。何れも粉体の澱粉を薬液浸漬、予備乾燥、
焙焼、冷却、調湿する工程を経たのち製品とされるが、
110〜220℃の焙焼温度で加熱して作られる。通常
白色デキストリンは120℃前後に、黄色デキストリン
は150〜200℃に、ブリティッシュガムは220℃
に加熱されることが知られている。薬液浸漬としては、
塩酸、硝酸、アンモニア、炭酸ナトリウム等の溶液に含
浸させ、予備乾燥で水分10%程度まで乾燥するのが一
般的である。
【0003】一般的に澱粉およびその加工品の利用はそ
の高分子的性質が利用され、高粘度であることが特徴と
も言える。これら従来の焙焼デキストリンの主たる目的
は接着剤等の工業的用途で、この場合、溶解性が澱粉よ
り優れかつ比較的高粘度の製品が多い。低粘度の製品と
しては次亜塩素酸ナトリウムで酸化した加工澱粉がある
が、溶液化後温度が下がると粘度が増加する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる用途
をより多方面に広げるために澱粉の高分子的性質を改善
し、新しい用途に適した製品を提供するために創案され
たものであり、その目的は澱粉を塩類溶液と共に加熱処
理するだけの簡単な操作で製造できるデキストリンの製
造法を改良することにより、低粘性の、非還元性でメー
ラード反応を起こし難く、食品分野にも広く活用できる
変性澱粉及びその製造方法を開発することにある。特
に、近年その需要が増加しつつある調味料、スープなど
の粉末化基剤としての用途では、各種の動植物の抽出に
より得られた高濃度のエキスの粉末化にはできるだけ高
い濃度に溶解し、低粘度で、他成分との反応性が少な
く、かつ噴霧乾燥後吸湿性の少ない粉末基剤が望まれて
いるが、本発明はかかる用途に好適な変性澱粉を提供し
ようとするものである。
【0005】また、本発明は、各種の食品の艶出し剤や
冷凍食品の冷凍時に表面の水分の蒸散を防ぐ目的で被膜
を作らせたり、さらには乾燥魚類の乾燥の際に浸漬する
ことで表面に被膜を形成して乾燥貯蔵中の酸化を防止す
るために、適当な濃度に溶解し浸漬したり、噴霧して表
面に付着させるなどに用いることができる変性澱粉を提
供しようとするものである。揚げ物の打ち粉や小麦粉を
主成分とするフライ物の衣に混合する素材として、また
工業的には石膏ボードの強度を増強したり、製紙用表面
塗工剤などの目的に澱粉を用いるには、低粘度であるこ
とが他成分と均一に分散混合するために必要不可欠の要
素である。しかもある程度の高分子であることが要求さ
れる。これらの目的には酸化澱粉が利用されることが多
いが、本発明の方法による変性澱粉はこれらの広い範囲
に利用できることを目的にした。本発明では、低粘度と
しての基準は変性された澱粉の粘度が元の澱粉の1/1
0以下であって、固形物濃度30%という高濃度で粘度
測定が可能で、糊化温度が低く、糊液が低粘度を示すこ
と、さらに温度が低下しても粘度上昇が少ないこと、す
なわちセットバックが少ないことなどを目標にした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を達
成するために鋭意検討した結果、各種澱粉に適量の塩類
を溶解した水を添加混合した湿混合物を、130℃前後
の高温度で数時間加熱処理することによって、澱粉の物
性が著しく変化し、上記用途に適した新規な変性澱粉が
製造できることを発見した。
【0007】上記変性澱粉の物性の変化としては、まず
(1)糊化温度と粘性の著しい低下がある。糊化温度、
粘性の測定はRVA(ラピッド ヴィスコ アナライザ
ー)、アミログラム等で知られている定速昇温降温自動
回転粘度計を用いて加熱過程及び冷却過程での粘度変化
を測定し、糊化開始温度、最高粘度、最高粘度到達温
度、最低粘度、最高粘度到達後高温度を保った後の最低
粘度と元の最高粘度との差(ブレークダウン)、その後
の冷却時の粘度上昇、冷却後の粘度と最低粘度との差
(セットバック)等を測定した。本発明の変性澱粉は3
0重量%の高濃度での粘度測定が可能なほど低粘度で、
しかもセットバックがほとんどないことが特徴である。
次に(2)沃素による呈色性(比青価)の低下、更に
(3)還元力の増加がほとんどない、(4)40℃での
水に対する溶解性の増加、(5)40℃での膨潤性の増
加、(6)糊化度(α−化度)の変化、(7)糊液のゾ
ル化、ゲル化特性の変化等が観察された。
【0008】次に分子構造の変化については、(8)ア
ミラーゼによる消化性の減少、(9)アルカリ溶液のゲ
ル濾過剤を用いたカラム分画による鎖長分布の測定によ
り認められる重合度数万以上の高分子アミロペクチン及
び重合度数千の高分子アミロース区分の減少と、重合度
1000以下の低分子の増加、(10)イソアミラーゼ
による消化液の中圧カラム分画による分岐分子の側鎖の
鎖長を測定した結果から重合度100以上と推定される
沃素呈色の最高波長620nmの長波長のアミロース区
分(FrI)の減少と、長鎖区分FrII(長いB鎖)、
短鎖区分FrIII(A鎖と短いB鎖)のほぼ同量の増加
が観察された。このように今まで知られていない特性を
持った変性澱粉が澱粉に特別な化学反応処理を施すこと
なく単に塩類を添加して加熱処理するだけで製造するこ
とが可能となった。
【0009】また、本発明者は、加熱処理時に共存させ
る塩類の種類、濃度、湿混合物のpH、加熱処理温度、
加熱処理時間のそれぞれが変性澱粉の特性に大きく影響
し、これらを変化させることで上記した変性澱粉の物理
的性質の変化が連続的に起こることを発見した。具体的
には、この場合の変性効果(即ち製品の粘性等の上記し
たような性質の変化)に大きく影響する因子として、
(1)添加する塩の種類、(2)添加混合する塩類濃
度、(3)加熱処理温度と時間、(4)加熱処理時の湿
混合物のpH、(5)澱粉の種類等であることを見いだ
した。これらの(1)〜(4)の処理条件と(5)澱粉
の種類を組合せることで変性度の種々異なる変性澱粉の
製造が可能である。最初コーンスターチを用いた実験で
他の澱粉に比較して少量の塩化マグネシウムの添加が粘
度低下に著しい効果を示したが、これはコーンスターチ
自体のpHが4.3〜4.7と酸性領域にあることが原
因であることを見いだした。添加する塩の種類によっ
て、またその添加量によって、さらにpHによって、加
熱温度と時間によって異なる結果が得られた。そしてこ
れらの因子間には相互作用が認められた。
【0010】粘性、糊化性の変化については、処理条件
が進むに従い、糊化開始温度が低くなり、最高粘度が低
くなり、最高粘度到達温度も低くなり、全く最高粘度を
示さないように変化する。また加熱冷却後の粘度の増
加、即ちセットバックが殆ど見られないように変化す
る。同時に40℃での溶解度が高くなり、膨潤度も高く
なり、沃素による呈色性(比青価)も低下して原澱粉の
30%以下になるが、一方で還元力の増加は極めて僅か
であり、1%以下である。粘性、糊化性、溶解性、沃素
呈色性、比青価等の特性の変化の間にも相互に関連があ
り、図1に示すように、馬鈴薯澱粉に塩類を様々な濃度
で添加した変性澱粉について、未処理澱粉に比較した比
青価(沃素呈色度)が30%以下に低下すると最高(ピ
ーク)粘度は急激に低下し、殆ど粘度が測定できなくな
る。同時に40℃での溶解度は比青価45%以下に低下
すると急激に増加する傾向を示す。比青価が大きく低下
しているが、還元力の増加は極めて少なく実質的に加水
分解が進んだとは解釈し難い。
【0011】さらに、分子量分布の変化についても次の
ようにして確認した。馬鈴薯澱粉に、0.042mol
/kg澱粉(0.051mol/kg乾物澱粉相当)に
なるような塩化マグネシウム及び5.0mmol/kg
澱粉になるような塩酸を溶解した水溶液を混合し、この
湿混合物の水分を27重量%、pHを4.5とした。次
に、この湿混合物をアルミバット上に約1cmの厚みに
均一に広げて、135℃の乾熱殺菌機内で5時間加熱処
理した試料について分子量分布の変化を測定した。まず
第1に、試料澱粉をアルカリ溶液として、多孔性のゲル
濾過材であるトヨパールHW75Sを充填したカラムで
分子量分布の分画をした。各分画の糖量を定量し、同時
に沃素反応による540nm及び660nmの吸光度を
測定し、単に加水のみで加熱処理した対照サンプルと比
較した。その結果から、高分子(重合度数万以上)のア
ミロペクチン及び高分子(重合度数千)のアミロース区
分は殆ど消失して、重合度約千以下に低分子化された区
分が増加し、さらにこの区分は540nmの吸光度が6
60nmよりも2倍程度高く、短鎖低分子が主体である
ことが明らかになった(図2)。この事実が、低粘性、
低青価に変化した原因である。
【0012】さらにイソアミラーゼを用いて分岐点を枝
切りして全分子を直鎖とした試料について、トヨパール
HW55S−HW50S中圧カラムクロマトグラフィー
で分岐側鎖の鎖長分布を測定したところ、対照サンプル
に見られる鎖長100以上のアミロース区分のFrIが
殆ど消失し、次に鎖長70〜100のIntFrおよび
35〜70の長鎖区分のFrII及び35以下の短鎖区分
のFrIIIがFrIの消失分増加しており、長いB鎖と
短いB鎖及びA鎖が増加し、その増加量がほぼ消失した
アミロース区分と同量であることを示した(図3参
照)。さらに試料澱粉分子の分岐点をイソアミラーゼで
枝切りした試料について、DIONEXを用いたクロマ
トグラフィーでのイオン交換クロマト法と、溶出した糖
質をパルスドアンペロメトリー検出器で直接検出する方
法で、対照サンプルと比較したところ、重合度3〜5の
低分子側鎖が、対照と比較して馬鈴薯澱粉ではmol比
で44.4%、コーンスターチでは22%と大きく増加
生成しており、重合度が11〜17程度までの長鎖側鎖
は逆に半分程度に減少していることが解明された。これ
らの結果は、澱粉分子中で長鎖区分が切断されていると
同時に、短鎖分岐分子が大きく増加したことを意味して
おり、沃素呈色度が低下しているにもかかわらず還元量
が増加しないこと、また粘性、糊化性が大きく変化した
こと、セットバックが少ないこと、40℃での溶解度の
増加等の変化を裏付けている。
【0013】また各種酵素による加水分解挙動では、β
−アミラーゼによる分解限度が対照澱粉に比べて約10
%程度低い結果が得られた。また枝切り酵素であるプル
ラナーゼを共用しても分解率は50%程度であった。グ
ルコアミラーゼによる分解度も低い値が得られた。
【0014】以上の知見から本発明者等は全く新しい特
性を持った変性澱粉とその製造方法を完成するに至っ
た。即ち、本発明は澱粉、水分及び塩類を含む湿混合物
を加熱処理して得られる変性澱粉であって、下記(i)
〜(vi)の性質を有するように変性されていることを特
徴とする変性澱粉である。 (i)糊化温度及び粘性の低下; (ii)加熱糊化後セットバックがほとんどない; (iii) 比青価(沃素による呈色性)の低下; (iv)還元力が実質的にない; (v)40℃での水に対する溶解度の上昇; (vi)重合度数万以上のアミロペクチン及び重合度数千
のアミロースの減少。また、本発明は澱粉、水分及び
0.01〜1.0mol/kg澱粉の割合の塩類を含む
湿混合物を110〜150℃の温度で加熱処理する工程
を含むことを特徴とする低粘性で還元力の実質的にない
変性澱粉の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の変性澱粉の製造工程の実
際の操作は本質的には次の2工程から成り立つ。即ち、
澱粉、塩類、及び水分を均一に混合する第1工程と、次
に、かかる湿混合物を加熱処理により着色しない程度の
温度として110〜150℃の範囲内で1〜8時間加熱
処理する第2工程からなる。
【0016】以下に本発明の各製造工程について説明す
る。本発明では塩類の添加濃度の表示は、mol/kg
澱粉と表示したが、これは澱粉量1kgに対して添加す
る塩の分子量に等しいグラム数を意味する。ここで言う
澱粉は平衡水分を含んだ状態の市販澱粉のことを意味し
ており、例えば馬鈴薯澱粉と言えば約18重量%の水分
を含むものである。0.5mol食塩/kg澱粉は食塩
の分子量が58.5であるから29.25g食塩/kg
澱粉となる。塩化マグネシウム・6水和物では、分子量
は203.3であるから、澱粉1kg当たり20.33
gが0.1mol/kg澱粉となり、澱粉に対して2.
033%w/wとなる。もし無水の塩化マグネシウムを
用いるならば分子量は95.3であるから、0.953
%w/wが0.1mol/kg澱粉となる。
【0017】まず本発明で使用する塩類としては、食品
製造において通常用いられる塩化ナトリウム(食塩)や
塩化カリウムのような1価塩類の他に、マグネシウム、
亜鉛、マンガン、カルシウム等の2価の無機塩類が挙げ
られる。2価の無機塩類の中では、粘度低下等の変性効
果は、マグネシウム>亜鉛>マンガン>カルシウムの順
に大きく、マグネシウム塩が最も少ない量で効果が大で
ある。塩類の必要使用量は、加熱温度、澱粉の種類、処
理時のpH等によって随分影響され、目的によってどの
程度まで変性させるかによっても異なる。一般的には本
発明の変性澱粉の製造には0.01〜1.0mol/k
g澱粉の割合の塩類を使用する。例えば湿混合物のpH
が4.5、加熱処理温度が135℃であるなら、上記の
2価金属塩の場合は0.005mol/kg澱粉から有
効であり、例えば塩化マグネシウムの場合は0.01〜
0.05mol/kg澱粉が好ましい。塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等の1価の塩類の場合は2価金属塩に
比較して変性効果が少ないので、0.05〜1.0mo
l/kg澱粉、好ましくは0.1〜0.5mol/kg
澱粉の使用量が好ましい。
【0018】本発明で使用する澱粉としては、従来公知
のいずれのものであってもよいが、例えば工業的に使用
が可能なコーンスターチ、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、小
麦、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンス
ターチなどが挙げられる。澱粉の種類によって本発明の
加熱処理による粘性の低下にかなりの差が認められ、上
記澱粉の中ではワキシーコーンスターチ、コーンスター
チが最も粘性の低下が大きかった。これは製造法に起因
してコーンスターチ自体のpHが低いためであり、処理
時のpHが大きく影響することを発見した。この低pH
のコーンスターチ自体を塩類の添加なしで130℃で加
熱しても最高粘度は僅かに低下する程度で、含有する酸
のみでは加熱処理による変性効果は殆どないことを確認
した。
【0019】湿混合物の加熱処理時の加熱温度について
は湿混合物が着色しない程度の温度を選定すべきであ
る。塩類の添加濃度と温度との間に相関関係が見出さ
れ、高塩濃度では低温が低塩濃度では高温が要求され
る。従って高塩濃度、高温度ほど着色し易い傾向にあ
る。澱粉の加熱着色を避けることを考慮すると加熱温度
は110〜150℃の温度が実用的であり、135℃を
標準とした。バッチ式の場合は湿混合物を薄く広げて加
熱しないと均一加熱処理が難しいので大量生産の場合は
ジャケット及び撹拌翼等に加熱装置が付いたもの、ある
いは加熱用パイプを付設された混合・加熱型の装置を用
いることが好ましい。加熱時間は加熱方式によって異な
るが、1〜8時間が実用的であり、約5時間を標準とし
た。
【0020】澱粉の種類の差については、未処理の生馬
鈴薯澱粉では10重量%濃度での粘度測定結果は糊化開
始温度60.8℃、最高粘度到達温度71.7℃、最高
粘度794SNU(Stirring Number of Unit)、最
低粘度190SNU、ブレークダウン604SNU、冷
却時粘度247SNU、セットバック57SNUであっ
た。同じく未処理のコーンスターチではそれぞれ72.
4℃、89.95℃、300SNU、106SNU、1
94SNU、106SNU、148SNUであった。本
発明では低粘度とは30重量%濃度で粘度測定が可能で
あって、最高粘度が500SNU以下、またセットバッ
クの実質的にないものを言う。
【0021】コーンスターチを例にとると塩化マグネシ
ウムを用いた場合、0.008mol/kg澱粉と僅か
の使用で、135℃で5時間加熱処理すると30重量%
濃度で粘度が測定可能で、セットバックが少なく冷却し
ても粘度が殆ど上昇しない点まで変性するが、130℃
では粘度は低下するが、加熱による粘度上昇及びセット
バックが大きい。130℃、5時間加熱の条件でも塩化
マグネシウムの量を0.013mol/kg澱粉以上と
すると、変性が進んで粘度が測定不能な低粘度になる。
135℃、5時間加熱処理では、0.01mol/kg
澱粉以上で同様になる。また40℃での溶解度が大きく
なり、沃素呈色の比青価も未処理生澱粉の30%以下に
なる。しかし還元力の増加は2%以下で、加水分解はあ
まり進んでいないと考えられる。
【0022】コーンスターチのpHはその製造工程から
持ち込まれる酸の存在で通常4.5付近である。この低
pHが原因している可能性について検討するため、市販
コーンスターチを多量の希アルカリ溶液で洗浄したpH
8.3のコーンスターチを使用した場合、塩化マグネシ
ウム0.02mol/kg澱粉の使用でも、10重量%
濃度で比較して未処理のコーンスターチより僅かに低粘
度化した程度で、加熱処理時のpHが微アルカリ状態で
は効果がないことが明らかになった。これはマグネシウ
ムの溶解も影響していると考えられる。この洗浄微アル
カリコーンスターチに塩酸と共に塩化マグネシウム0.
02mol/kg澱粉を添加してpHを4.9とした場
合は30重量%濃度での粘度測定が可能な程度に粘度が
低く、最高粘度も80SNUと低く、冷却しても粘度上
昇は殆ど認められなかった。
【0023】次に馬鈴薯澱粉を原料とする場合は、特徴
として糊化温度が低く最高粘度が高くブレークダウンが
大きく、それ自体のpHが中性に近いこともあって、塩
化マグネシウムの添加量を多くしないと変性効果は出な
かった。135℃、5時間加熱では塩化マグネシウムの
添加量を0.042mol/kg澱粉とすると、30重
量%濃度で最高粘度が測定可能な低粘度になる。ブレー
クダウンが大きく、加熱後は殆ど粘度が測定不可能なく
らい低粘度になり、冷却後も粘度の上昇がなくセットバ
ックが認められない。また糊液は透明で、室温及び40
℃で放置して1週間経過しても透明状態を保つこと、ま
た粘度の上昇もほとんどないこと、すなわち老化に対し
て安定であることが認められた。この場合塩化マグネシ
ウム添加時に同時に塩酸を0.003〜0.0075m
ol/kg澱粉加え、湿混合物澱粉のpHを4〜5.3
に低下させると粘度低下効果は著しく大になる。このこ
とは甘藷(一例pH5.6)、タピオカ澱粉(一例pH
6.8)の場合も同様の傾向を示す。
【0024】従って、馬鈴薯、甘藷、タピオカその他の
pHが中性に近い澱粉の場合は、酸を共存させて湿混合
物のpHを5.3以下の酸性とすることで塩類添加量を
低減することが可能であり、変性の目的に対応してより
低粘性のもの又は冷却時の粘度上昇の少ないものを希望
するときは、当該変性澱粉の使用目的から許せる範囲で
pHを下げれば、それだけ変性効果が大となり塩類の添
加量を削減することができる。このことは変性澱粉製品
の味覚にも大きく影響する。用いる酸の種類は特に限定
されないが、変性澱粉の使用目的に対して適当な酸を選
択して使用する。食用の場合はクエン酸が適している。
【0025】甘藷の場合は、pHが約5.6〜5.8で
塩化マグネシウムが0.042mol/kg澱粉で、1
35℃、5時間の加熱処理でも、30重量%濃度で最高
粘度が現れ、またセットバックも最高粘度まで達する
が、塩酸を0.003mol/kg澱粉添加してpHを
4.8として同様に加熱処理すれば、処理澱粉は加熱し
ても、また加熱後冷却しても殆ど粘度増加が認めらず、
即ちセットバックが小さい変性澱粉になる。
【0026】タピオカ澱粉の場合は、pH6.8で13
5℃、5時間加熱処理の条件で0.042mol/kg
澱粉で最高粘度はかなり低下するが、冷却に伴って粘度
増加が著しい、即ちセットバックが大きい。しかしこの
場合も塩酸を0.003mol/kg澱粉添加してpH
を4.5程度に下げるとセットバックが小さい澱粉に変
性された。
【0027】第1工程の塩類(及び酸)と澱粉との混合
は、例えば適当量の水に塩類を溶解し、必要なときは予
め酸液を加えてpHを調整し、これに塩類を溶解し澱粉
と混合して行われる。また水分は両者が均一に混合でき
るのに必要な最少量で良い。上記混合に使用する混合機
は従来公知の各種のものが利用でき、特別な仕様は要求
しない。
【0028】第2工程の加熱処理であるが、当然ながら
湿混合物が均一に加熱処理されることが必要である。加
熱時間も加熱処理中に撹拌混合するか、または静置で行
うかは熱源の種類等の加熱処理条件で異なるが、常に一
定の品質の変性澱粉を得たい場合は装置ごとに加熱方法
を検討しなければならない。必要な加熱時間は伝熱の効
率で異なるが、水分が少ないため伝熱効率は良くないの
で静置加熱の場合少なくとも4〜5時間は必要である。
例えば馬鈴薯澱粉で塩化マグネシウム0.042mol
/kg澱粉を混合し、135℃で静置加熱した場合、3
時間では30重量%濃度では粘度が高くて測定できない
が、4時間加熱すると糊化開始温度も低下し粘度測定が
可能な程度まで変性する。撹拌混合型の効率の良い装置
の場合は比較的短時間の加熱で十分である。
【0029】本発明の変性澱粉を以下の実施例によって
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
【実施例】実施例 1 混合機として備文機械製の直径36cm、最深部18c
mの石臼型、3本撹拌棒型の擂潰機を用いた。市販コー
ンスターチ(水分13%、pH4.7)500gに、水
110mlに塩化マグネシウム・6水塩を0.008〜
0.066mol/kg澱粉溶解した溶液を混合しなが
ら添加して約20分間混合し湿混合物を得た。水分計算
値は28.68重量%であったが、混合した後は26〜
27重量%であった。
【0031】この湿混合物を26×19×5cmのステ
ンレス製バットにアルミホイルで3区分に分割し、1区
画に110gの湿混合物を約1cmの厚みに広げ、それ
ぞれを125℃、130℃及び135℃に調整した送風
式恒温器中で5時間加熱処理した。塩化マグネシウムが
高濃度で、しかも高温度になると、やや着色が認められ
たが、顕微鏡的外観には殆ど変化がなかった。各種測定
結果を表1及び表2に示した。粘度測定は30%濃度で
行った結果である。これらの表より明らかな如く135
℃加熱処理では0.08mol/kgと低濃度でも著し
い粘度低下効果が認められ、0.013mol/kg澱
粉では40℃での溶解度が77%まで増加し、昇温を続
けても粘度の上昇は認められず、95℃、5分加熱後冷
却しても粘度は全く上昇しなかった。125℃では0.
042mol/kg澱粉以上の高濃度で同様の結果が得
られ、塩化マグネシウムの添加濃度と加熱温度の組み合
わせで、粘性を始めとして沃素呈色の比青価、40℃で
の溶解度等種々の物性をかなり広範囲に変化させる可能
性が明らかになった。その結果を下記表に示す。なお、
β−アミラーゼによる消化率について、塩化マグネシウ
ム0.042mol/kg澱粉添加で130℃加熱した
変性澱粉と塩無添加で単に同一条件で加熱処理のみした
澱粉とを比較したところ、塩添加澱粉の方が約11%程
度低い値を示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例 2 実施例1と同様の混合機として備文機械製の直径36c
m、最深部18cmの石臼型、3本撹拌棒型の擂潰機を
用いた。市販北海道産馬鈴薯澱粉(水分18%、pH
6.7)500gに、水70mlに塩化マグネシウム・
6水塩、塩化亜鉛、塩化マンガン、塩化カルシウムの所
要量をそれぞれ溶解して、撹拌しながら添加した。水分
計算値で28.7重量%であったが、20分間撹拌・混
合を続けた後は少量蒸発して26〜27重量%になっ
た。
【0035】それぞれの湿混合物を送風式恒温器中で、
26×19×5cmのステンレス製バットを三区画と
し、これへ湿混合物110gを約1cmの厚みに薄く広
げて135℃で5時間加熱処理した。この加熱処理澱粉
について種々の性質を比較した。粘度特性を下記表に示
す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】これらの表の結果から塩類添加濃度はコー
ンスターチに比較して高濃度を必要とすること、また塩
類の種類によって著しい差があることが明らかになっ
た。塩化マグネシウムでは0.042mol/kg澱粉
で、また塩化亜鉛では0.062mol/kg澱粉で、
30重量%濃度での粘度測定値が500SNU以下とな
ったが、塩化カルシウムでは0.062mol/kg澱
粉でも十分な粘度低下は認められなかった。しかし10
重量%濃度で測定すると、未処理のものと比較して著し
い粘度低下が認められ、0.042mol/kg澱粉で
最高粘度は50SNU以下になり、さらに加熱すること
で粘度は低下した。なおその後の粘度上昇は殆ど生じな
いこと(即ち、セットバックがないこと)を確認した。
【0039】実施例 3 実施例2と同様の操作で馬鈴薯澱粉に、水に塩類を所要
量溶解したものを添加し、さらに塩酸を添加してpHを
低下させた湿混合物を135℃、5時間加熱処理した場
合の結果を下記表に示した。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】これらの表の結果から塩酸を0.003,
0.005,0.0075mol/kg澱粉添加して塩
混合湿澱粉のpHをそれぞれ5.1,4.6,4.0と
することで、粘度低下効果その他変性効果が明らかに大
になり、実施例2で2価塩類中最も効果の低かった塩化
カルシウムも0.042mol/kg澱粉で実用的な変
性効果があり、粘度低下、沃素呈色による比青価、40
℃溶解度等が著しく変化することを見いだした。
【0043】実施例 4 実施例2と同様の操作を甘藷澱粉について行った。市販
甘藷澱粉(水分14.6%、pH5.6)500gと水
99ml中に塩化マグネシウム0.042mol/kg
澱粉を添加し、この中に塩酸0.003mol/kg澱
粉添加し、pH4.8とした湿混合物(水分計算値2
8.7%、実測値27.9%)を135℃、5時間加熱
処理した。その結果を下記表に示した。
【0044】
【表7】
【0045】この表の結果から馬鈴薯澱粉と同様に塩酸
を添加してpHを4.8に低下した方が塩化マグネシウ
ムの添加効果が大になり、糊化温度が約15℃低く、最
高粘度も低く、かつセットバックが殆どなく、沃素反応
の比青価が37%程度に減少したが、溶解度は馬鈴薯澱
粉ほど増加しない澱粉となった。pH5.6の状態で塩
化マグネシウムを添加した場合は、最高粘度は低下し、
加熱を続けるとブレークダウンもかなり大きかったが、
冷却に伴う粘度上昇、即ちセットバックが大きいのが特
徴であった。
【0046】実施例 5 実施例2と同様の操作をタピオカ澱粉について行った。
タピオカ澱粉(水分12.3%、pH6.8)500g
と水115mlに塩化マグネシウム0.042mol/
kg澱粉を溶解し、これに塩酸0.003mol/kg
澱粉を添加してpHを4.5とした湿混合物(水分計算
値28.7%、実測値28.3%)を135℃、5時間
加熱処理した。その結果を下記表に示した。
【0047】
【表8】
【0048】タピオカ澱粉の特徴として、塩化マグネシ
ウム0.042mol/kg澱粉のみの添加では、最高
粘度はかなり低下し15%程度になるが、セットバック
が大きく、加熱後低下した粘度が冷却することで粘度が
著しく上昇し最高粘度より大になった。しかし酸を加え
て酸性で加熱処理することで糊化温度も低く、最高粘度
もまた冷却後の粘度も殆どない澱粉に変性された。
【0049】実施例 6 実施例2と同様の操作で、馬鈴薯澱粉250gに、食塩
0.7305g(0.05mol/kg澱粉)および
7.305g(0.5mol/kg澱粉)、水22.5
ml、1mmol塩酸25mlを溶解して混合し、この
湿混合物を135℃、5時間加熱処理した。このものの
pHは4.1であった。その結果を下記表に示した。
【0050】
【表9】
【0051】この表の結果から、塩類として食塩を添加
する場合、塩化マグネシウムに比べてかなりの量を添加
しなければ変性効果が発現できないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変性処理馬鈴薯澱粉のRVAによる最高粘度及
び40℃溶解度と比青価との関係を示す。
【図2】塩化マグネシウム変性処理馬鈴薯澱粉のゲル濾
過カラム分析による分子量分布を示す。
【図3】塩化マグネシウム変性処理馬鈴薯澱粉の枝切り
酵素により切断した分子の中圧カラムによるクロマトグ
ラフィーを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小巻 利章 兵庫県西宮市甲子園九番町9−15 (72)発明者 倉掛 昌裕 広島県福山市松永町4−16−56−508 (72)発明者 井ノ内 直良 広島県福山市春日町5−17−11−101 Fターム(参考) 4B025 LB06 LB25 LD02 LG04 LG07 LG18 LG19 LG43 LP01 LP10 4B036 LC05 LF13 LH12 LP01 4C090 AA04 AA10 BA13 BB12 BB52 BC10 BD03 DA28 4L055 AG48 AH13 BE08 EA25 FA17

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉、水分及び塩類を含む湿混合物を加
    熱処理して得られる変性澱粉であって、下記(i)〜
    (vi)の性質を有するように変性されていることを特徴
    とする変性澱粉: (i)糊化温度及び粘性の低下; (ii)加熱糊化後セットバックがほとんどない; (iii) 比青価(沃素による呈色性)の低下; (iv)還元力が実質的にない; (v)40℃での水に対する溶解度の上昇; (vi)重合度数万以上のアミロペクチン及び重合度数千
    のアミロースの減少。
  2. 【請求項2】 前記湿混合物のpHが3〜6の範囲に調
    整されていることを特徴とする請求項1記載の変性澱
    粉。
  3. 【請求項3】 前記加熱処理が110〜150℃の温度
    で行われることを特徴とする請求項1記載の変性澱粉。
  4. 【請求項4】 前記澱粉がコーンスターチ、馬鈴薯、甘
    藷、タピオカ、小麦、ハイアミロースコーンスターチ、
    又はワキシーコーンスターチであることを特徴とする請
    求項1記載の変性澱粉。
  5. 【請求項5】 前記塩類がマグネシウム、亜鉛、マンガ
    ン又はカルシウムの2価金属塩、塩化ナトリウム又は塩
    化カリウムであることを特徴とする請求項1記載の変性
    澱粉。
  6. 【請求項6】 食品用粉末化基材として使用することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の変性澱粉。
  7. 【請求項7】 食品用表面処理剤として使用することを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の変性澱粉。
  8. 【請求項8】 揚げ物の打ち粉又はフライ物の衣に混合
    する素材として使用することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか記載の変性澱粉。
  9. 【請求項9】 石膏ボードの補強材料として使用するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の変性澱
    粉。
  10. 【請求項10】 接着剤として使用することを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか記載の変性澱粉。
  11. 【請求項11】 製紙用表面塗工剤として使用すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の変性澱粉。
  12. 【請求項12】 澱粉、水分及び0.01〜1.0mo
    l/kg澱粉の割合の塩類を含む湿混合物を110〜1
    50℃の温度で加熱処理する工程を含むことを特徴とす
    る低粘性で還元力の実質的にない変性澱粉の製造方法。
  13. 【請求項13】 加熱処理が1〜8時間実施されること
    を特徴とする請求項12記載の変性澱粉の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記湿混合物のpHを3〜6の範囲に
    調整することを特徴とする請求項12記載の変性澱粉の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記湿混合物のpHを4〜5の範囲に
    調整することを特徴とする請求項14記載の変性澱粉の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記塩類がマグネシウム、亜鉛、マン
    ガン又はカルシウムの2価金属塩、塩化ナトリウム又は
    塩化カリウムであることを特徴とする請求項12記載の
    変性澱粉の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記塩類が塩化マグネシウムであるこ
    とを特徴とする請求項16記載の変性澱粉の製造方法。
  18. 【請求項18】 塩化マグネシウムの割合が0.01〜
    0.05mol/kg澱粉であることを特徴とする請求
    項17記載の変性澱粉の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記塩類が塩化ナトリウムであること
    を特徴とする請求項16記載の変性澱粉の製造方法。
  20. 【請求項20】 塩化ナトリウムの割合が0.05〜
    1.0mol/kg澱粉であることを特徴とする請求項
    19記載の変性澱粉の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記澱粉の種類及び湿混合物のpH、
    前記塩の種類及び濃度、及び前記加熱温度及び時間を含
    む種々の条件の組合せによって変性度が異なる変性澱粉
    を製造することを特徴とする請求項12記載の変性澱粉
    の製造方法。
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