JP2001269834A - 工作機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非加工時にモータで回転軸を駆動し続ける工
作機械において、モータの動力を有効利用し、エネルギ
ーの利用効率を高める。 【解決手段】 研削盤の砥石台５上に、砥石軸７とモー
タ８と発電機１１とを設ける。モータ８と発電機１１と
の間にクラッチ１０を介装する。発電機１１に蓄電器１
２を接続し、蓄電器１２を電源切替器１３を介し作動油
供給用のポンプ１４に接続する。非加工時にクラッチ１
０をつなぎ、モータ８で砥石軸７及び発電機１１を駆動
し、発電機１１の電力を蓄電器１２に蓄え、蓄電器１２
の電力でポンプ１４を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、研削盤においては、砥石がクーラ
ントを吸収しないように、非加工時にモータで砥石軸を
回転し続け、クーラントを遠心力で振り払う技術が知ら
れている。また、旋盤やマシニングセンタにおいては、
加工精度を一定に維持するために、非加工時にモータで
主軸を回転し続け、主軸の熱変位を抑制する技術が知ら
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の工作
機械によると、非加工時にモータの動力が回転軸のみで
消費されるため、エネルギーの利用効率が悪いという問
題点があった。

【０００４】そこで、本発明の課題は、非加工時におけ
るモータの動力を有効利用して、エネルギーの利用効率
を高めることができる工作機械を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の工作機械は、回転軸を駆動するモータの
動力を非加工時に付属装置に転用する機構を備えたこと
を特徴とする。

【０００６】ここで、モータの動力を電力に変換して利
用する場合には、前記転用機構が、モータによって駆動
される発電機と、非加工時に発電機をモータにに接続す
るクラッチと、発電機の電力を蓄えて付属装置に供給す
る蓄電器とから構成される。

【０００７】また、モータの動力を付属装置の回転に利
用する場合には、前記転用機構が、非加工時にモータの
回転を付属装置に伝達するクラッチを備えて構成され
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】まず、本発明を研削盤に具体化し
た第一実施形態を図１に従って説明する。この研削盤に
おいては、テーブル１の上に主軸台２と心押台３とが設
けられ、両者の間にワーク４が保持されている。砥石台
５には回転軸としての砥石軸７とモータ８とが設けら
れ、砥石６が砥石軸７に取り付けられ、砥石軸７はモー
タ８によりベルト９を介して駆動される。

【０００９】また、砥石台５には発電機１１が設置さ
れ、発電機１１とモータ８との間にクラッチ１０が介装
されている。そして、クラッチ１０はオペレータによる
手動操作あるいはＮＣ装置による自動操作で切り替えら
れ、加工時に発電機１１をモータ８から切り離し、非加
工時に発電機１１をモータ８に接続するようになってい
る。

【００１０】発電機１１にはこれが発電した電力を蓄え
る蓄電器１２が接続され、蓄電器１２に蓄えられた電力
は付属装置としての作動油供給用のポンプ１４に供給さ
れる。蓄電器１２とポンプ１４との間の電気回路には電
源切替器１３が配設され、蓄電器１２にポンプ１４を駆
動するに十分な電力が蓄えられたときに、ポンプ１４の
電源を常用電源から蓄電器１２に切り替えるようになっ
ている。

【００１１】上記構成の研削盤において、加工時には、
クラッチ１０を切り、発電機１１をモータ８から切り離
し、モータ８で砥石軸７を駆動して砥石６を回転する。
この場合、モータ８は砥石軸７のみを駆動するので、発
電機１１が砥石６の回転に影響を及ぼすおそれがなく、
所要の加工精度を保証することができる。

【００１２】一方、非加工時には、クラッチ１０をつな
ぎ、発電機１１をモータ８に接続し、モータ８で砥石軸
７及び発電機１１を駆動し、発電機１１が発電した電力
を蓄電器１２に蓄える。そして、蓄電器１２に十分な電
力が蓄えられると、電源切替器１３によりポンプ１４が
蓄電器１２に接続され、蓄電器１２の電力によってポン
プ１４が駆動される。

【００１３】従って、この研削盤によれば、非加工時に
回転し続けるモータ８の動力の一部を電力に変換してポ
ンプ１４で有効利用でき、エネルギーの利用効率を高め
ることが可能となる。なお、発電機１１がポンプ１４を
駆動するに十分な電力を発電した場合には、その電力を
蓄電器１２に蓄えず、ポンプ１４に直接供給してもよ
い。

【００１４】また、上記研削盤において、各部を以下の
ように変更することも可能である。 （１） 発電機１１をクラッチ１０を介し砥石軸７に連
結する。 （２） 転用機構として発電機１１の回転軸上にフライ
ホイールを取り付け、ここにモータ８の動力の一部を蓄
える。 （３） 付属装置として、クーラント供給用ポンプ、冷
却オイル制御用ポンプ、エアコンプレサー、照明装置な
どの各種電動機器を用いる。

【００１５】次に、本発明を研削盤に具体化した第二実
施形態を図２に従って説明するが、第一実施形態と同一
の構成要素については図面に同一の符号を付して説明を
省略する。この研削盤においては、モータ８の出力軸１
９が歯車１５及びクラッチ１０を介し作動油供給用のポ
ンプ１７の入力軸１６に連結されている。

【００１６】そして、クラッチ１０は砥石台５の加工位
置で入力軸１６を出力軸１９から切り離し、砥石台５の
非加工位置で入力軸１６を出力軸１９に接続し、非加工
時にのみモータ８の回転をポンプ１７に伝達するように
なっている。なお、ポンプ１７は電源切替器１８を介し
て常用電源に接続され、加工時には常用電源から供給さ
れた電力によって駆動される。

【００１７】上記構成の研削盤において、加工時には、
砥石台５を前進させ、クラッチ１０を切り、入力軸１６
を出力軸１９から切り離し、モータ８で砥石軸７を駆動
して砥石６を回転する。この場合、モータ８は砥石軸７
のみを駆動するので、ポンプ１７が砥石６の回転に影響
を及ぼすおそれがなく、所要の加工精度を保証すること
ができる。

【００１８】一方、非加工時には、電源切替器１８によ
りポンプ１７への給電を止め、砥石台５を後退させ、ク
ラッチ１０をつなぎ、入力軸１６を出力軸１９に接続
し、モータ８で砥石軸７及びポンプ１７を駆動する。従
って、この研削盤によれば、非加工時におけるモータ８
の動力の一部をポンプ１７の回転に有効利用して、エネ
ルギーの利用効率を高めることができる。

【００１９】なお、上記研削盤において、各部を以下の
ように変更することも可能である。 （１） ポンプ１７の入力軸１６をクラッチ１０を介し
砥石軸７に連結する。 （２） 転用機構としてポンプ１７の入力軸１６上にフ
ライホイールを取り付け、ここにモータ８の動力の一部
を蓄える。 （３） 付属装置として、クーラント供給用ポンプ、冷
却オイル制御用ポンプ、エアコンプレサー、換気扇など
の各種回転機器を用いる。

【００２０】また、本発明は研削盤に限定されるもので
はなく、旋盤やマシニングセンタなどの各種工作機械に
適用することもでき、その他、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して実施す
ることも可能である。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
非加工時にモータで回転軸を駆動し続ける工作機械にお
いて、モータの動力を有効利用し、エネルギーの利用効
率を高めることができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態を示す研削盤の概略図で
ある。

【図２】本発明の第二実施形態を示す研削盤の概略図で
ある。

【符号の説明】

１・・テーブル、２・・主軸台、３・・心押台、４・・
ワーク、５・・砥石台、６・・砥石、７・・砥石軸、８
・・モータ、９・・ベルト、１０・・クラッチ、１１・
・発電機、１２・・蓄電器、１３・・電源切替器、１４
・・ポンプ、１５・・歯車、１６・・入力軸、１７・・
ポンプ、１８・・電源切替器、１９・・出力軸。

フロントページの続き (72)発明者 中川 昌夫 愛知県丹羽郡大口町下小口５丁目25番地の １ オークマ株式会社大口工場内 Ｆターム(参考） 3C034 AA01 BB22 CB11

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸を駆動するモータの動力を非加工
   時に付属装置に転用する機構を備えた工作機械。
2. 【請求項２】 前記転用機構は、モータにより駆動され
   る発電機と、非加工時に発電機をモータに接続するクラ
   ッチと、発電機の電力を蓄えて付属装置に供給する蓄電
   器とを含む請求項１記載の工作機械。
3. 【請求項３】 前記転用機構は、非加工時にモータの回
   転を付属装置に伝達するクラッチを含む請求項１記載の
   工作機械。