JP2001267843A - 複合アンテナモジュールおよび複合アンテナの信号処理装置および通信信号処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナ１側と、アンテナ１の信号処理を行
う信号処理部側とを接続するケーブル３の減少を図る。 【解決手段】 回路基板５の上面５ａ上に複数種のアン
テナ１を配置し、回路基板５の背面５ｂには各種アンテ
ナ１の高周波信号の合成信号を作り出す信号合成回路部
１６を含む回路を形成して複合アンテナモジュールを構
成する。各種アンテナ１にそれぞれ対応する信号処理部
が設けられる複合アンテナの信号処理装置には上記合成
信号を各アンテナ１の高周波信号毎に分離する信号分配
回路部を設ける。複合アンテナモジュールの高周波信号
合成出力部１５と複合アンテナの信号処理装置の高周波
入力部とを１本のケーブル３によって信号接続して通信
信号処理システムを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、周波数帯が異なる
複数のアンテナが集合してユニット化されている複合ア
ンテナモジュールおよびそれに信号接続する複合アンテ
ナの信号処理装置およびそれら複合アンテナモジュール
と複合アンテナの信号処理装置を有する通信信号処理シ
ステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近、車には、ＧＰＳ（Global Positio
ning System）やＶＩＣＳ（Vehicle Information and C
ommunication Systems（道路交通情報通信システム））
等の無線通信を利用した様々な種類の装置が搭載される
傾向にある。上記ＧＰＳやＶＩＣＳ等の各装置は、図５
（ａ）に示すように、アンテナ１と、該アンテナ１の高
周波信号を処理する信号処理部２とを有して構成されて
おり、例えば、アンテナ１は車の天井部に配置され、信
号処理部２は車のフロント部に配置されており、それら
アンテナ１と信号処理部２はケーブル３によって信号接
続されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な無線通信を利用した車載用の装置はその種類が増加し
ており、これに伴って、１台の車に設置される上記無線
通信利用の装置の設置数は増加する方向にある。従来で
は、上記のように、各装置毎に、アンテナ１と信号処理
部２とを各装置専用のケーブル３によって接続していた
ために、上記無線通信利用の装置の設置数が多くなるに
従って、必然的に、車の中を引き回される上記ケーブル
３の数が多くなってしまい、配線が複雑になるという問
題や、それらケーブル３を引き回すためのスペースを拡
大しなければならなくなるという問題が生じる。

【０００４】また、上記のように、ケーブル３の数が多
くなると、例えば、ケーブル３の接続工程において、誤
りが無いようにいちいち確認しながら、それらケーブル
の接続を行わなければならず、非常に手間が掛かり、面
倒であり、また、多くの時間を要するという問題が生じ
て、生産効率の悪化を招いてしまう。

【０００５】なお、図５（ｂ）に示すように、複数種の
アンテナ１を集合させてユニット化し、また、それら各
種アンテナ１にそれぞれ対応する信号処理部２も同様に
集合させてユニット化して、それらアンテナ１側のユニ
ットと、信号処理部２側のユニットとをケーブル３を利
用して接続した構成のものが提案されているが、この提
案の構成においても、例えばＧＰＳ用のアンテナ１（１
ａ）とＧＰＳ用の信号処理部２（２ａ）とはＧＰＳ専用
のケーブル３（３ａ）によって信号接続され、また、Ｖ
ＩＣＳ用のアンテナ１（１ｂ）とＶＩＣＳ用の信号処理
部２（２ｂ）ともＶＩＣＳ専用のケーブル３（３ｂ）に
よって接続されるという如く、アンテナ１（信号処理部
２）の数に応じたケーブル３が配線される。

【０００６】このため、アンテナ１側と信号処理部２側
はそれぞれユニット化されているものの、前記図５
（ａ）に示す場合と同様に、アンテナ１（信号処理部
２）の数が増加するに従ってケーブル３の数が増加し、
これにより、配線の複雑化という問題や、ケーブル配線
用のスペース拡大化という問題や、ケーブル３の接続に
手間が掛かって面倒で、しかも、多くの時間を要すると
いう問題が生じる。

【０００７】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、アンテナ側と信号処理部側
とを接続するケーブルの数の低減を図ることができる複
合アンテナモジュールおよび複合アンテナの信号処理装
置および通信信号処理システムを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、第１の発明の複合アンテ
ナモジュールは、異なる周波数帯を用いた２種以上のア
ンテナが同一基板上に実装されたアンテナユニットを有
し、それら各アンテナの高周波信号を合成して上記全て
のアンテナの高周波信号の合成信号を作り出す信号合成
回路部と、その合成信号を外部に出力するための高周波
ケーブル又はコネクタとを設けた構成をもって前記課題
を解決する手段としている。

【０００９】第２の発明の複合アンテナの信号処理装置
は、上記第１の発明の複合アンテナモジュールに信号接
続する複合アンテナの信号処理装置であって、上記複合
アンテナモジュールの各アンテナにそれぞれ対応する信
号処理部を有し、上記複合アンテナモジュールから出力
された合成信号が入力する高周波入力部と、この高周波
入力部を介して入力した合成信号を上記各アンテナの高
周波信号毎に分離して、それら分離された各高周波信号
をそれぞれ対応する上記信号処理部に供給する信号分配
回路部とが設けられていることを特徴として構成されて
いる。

【００１０】第３の発明の通信信号処理システムは、上
記第１の発明の複合アンテナモジュールと、上記第２の
発明の複合アンテナの信号処理装置とを有し、上記複合
アンテナモジュールの信号合成回路部と、複合アンテナ
の信号処理装置の信号分配回路部とは、信号の流れの向
きを逆にした同一の回路構成と成していることを特徴と
して構成されている。

【００１１】上記構成の発明において、例えば、複合ア
ンテナモジュールの信号合成回路部は各種アンテナから
加えられた高周波信号を合成する。この全てのアンテナ
の高周波信号の合成信号は高周波ケーブル又はコネクタ
を利用して複合アンテナモジュールの外部に出力され
る。

【００１２】この出力された合成信号は複合アンテナの
信号処理装置の高周波入力部に入力し、この入力した合
成信号は信号分配回路部によって上記各種アンテナの高
周波信号毎に分離されて、それぞれ対応する信号処理部
に供給される。

【００１３】上記のように、各種アンテナの高周波信号
を合成して複合アンテナモジュールから複合アンテナの
信号処理装置に供給し、複合アンテナの信号処理装置で
は、その合成信号を各種アンテナの高周波信号毎に分離
して、それぞれ対応する信号処理部に加える構成とする
ことにより、複合アンテナモジュールと、複合アンテナ
の信号処理装置とを接続するケーブルは、上記複合アン
テナモジュール内のアンテナの設置数や上記複合アンテ
ナの信号処理装置内の信号処理部の数の増加に関係な
く、１本で済むこととなる。

【００１４】これにより、アンテナ（信号処理部）の増
加に起因した前記ケーブル配線の複雑化の問題や、ケー
ブル配線用のスペース拡大化の問題や、ケーブル接続作
業の煩雑化の問題等を解消することが可能となる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づいて説明する。

【００１６】図１（ａ）には本発明に係る通信信号処理
システムの複合アンテナモジュールの一実施形態例が斜
視図により示され、図１（ｂ）にはその複合アンテナモ
ジュールに設けられる特有な回路構成がブロック図によ
り示されている。また、図２には、この実施形態例の通
信信号処理システムを構成する複合アンテナの信号処理
装置において特徴的な回路構成例がブロック図により示
されている。

【００１７】この実施形態例に示す通信信号処理システ
ムは車載用のものであり、図１（ａ）、（ｂ）に示され
る複合アンテナモジュールと、図２に示す特有な回路構
成を備えた複合アンテナの信号処理装置（レシーバ装
置）とが１本のケーブルで信号接続されて構成されてい
る。上記複合アンテナモジュールは例えば車の天井部に
設置され、上記複合アンテナの信号処理装置は車のフロ
ント部に設置される。

【００１８】この実施形態例の複合アンテナモジュール
は、図１（ａ）に示すように、複数種のアンテナ１（１
Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ）を回路基板５の上面５ａに互い
に間隔を介して配置してアンテナユニットを構成し、上
記回路基板５の背面５ｂに図１（ｂ）に示すような回路
を形成してユニット化したものである。なお、この実施
形態例では、回路基板５の背面５ｂ側には回路の電磁シ
ールドを行うためのシールドケース６が設けられてい
る。

【００１９】上記各アンテナ１Ａ〜１Ｄはそれぞれ互い
に異なる無線通信システムに使用されるものであり、例
えば、上記アンテナ１Ａは、Ｓ−ＤＡＢ（Ｓ帯を利用し
たＤＡＢ（Digital Audio Broadcast（静止衛星移動体
情報通信サービスシステム）））用のものであり、アン
テナ１ＢはＶＩＣＳ用のものであり、アンテナ１ＣはＧ
ＰＳ用のものであり、アンテナ１Ｄはリモートキーレス
エントリー用のものである。なお、それら各種アンテナ
１Ａ〜１Ｄにはそれぞれ多種多様な構成があり、ここで
は、それぞれ、何れの構成を採用してもよく、その説明
は省略する。

【００２０】この実施形態例では、図１（ａ）に示すよ
うに、各種アンテナ１の形状や大きさ等を考慮し、上記
回路基板５の上面５ａ上を出来るだけ無駄無く有効利用
して各種アンテナ１が配設されており、複合アンテナモ
ジュールの小型化が図られている。

【００２１】上記回路基板５の背面５ｂに形成される回
路は、図１（ｂ）に示すように、ＬＮＡ（低雑音増幅
器）７，８，９と、ＦＩＬ（フィルター）１０と、ＤＵ
Ｐ（デュプレクサ）１１，１２と、ＤＩＰ（ダイプレク
サ）１３とを有して構成されている。それら各回路構成
素子７〜１３は、導体パターンや導体線等の導通接続手
段１４によって、図１（ｂ）に示すように配線接続さ
れ、また、回路基板５に形成されたスルーホール等を介
して、前記各種アンテナ１と導通接続している。さら
に、前記ＤＩＰ１３の出力端１５は複合アンテナモジュ
ールの高周波信号合成出力部と成し、この高周波信号合
成出力部１５は高周波ケーブルであるケーブル３に導通
接続されている。

【００２２】なお、上記高周波信号合成出力部１５はケ
ーブル３に直接的に導通接続されている構成としてもよ
いし、例えば回路基板５に設けたコネクタを介してコネ
クタ付きケーブル３に導通接続されている構成としても
よい。そのように、コネクタを利用して上記高周波信号
合成出力部１５をケーブル３に導通接続させる構成とす
る場合には、接続作業をより一層簡単に行うことができ
ることとなる。

【００２３】この実施形態例では、上記ＤＵＰ１１，１
２とＤＩＰ１３によって、各種アンテナ１の高周波信号
を合成する信号合成回路部１６が構成されている。すな
わち、この信号合成回路部１６において、ＤＵＰ１１に
は、アンテナ１Ａの高周波信号がＬＮＡ７を介して加え
られると共に、アンテナ１Ｂの高周波信号が直接的に加
えられ、このＤＵＰ１１はそれらアンテナ１Ａの高周波
信号とアンテナ１Ｂの高周波信号を合成して、この合成
信号をＤＵＰ１２に出力する。

【００２４】ＤＵＰ１２には、そのＤＵＰ１１の出力信
号（合成信号）が加えられると共に、アンテナ１Ｃの高
周波信号がＬＮＡ８とＦＩＬ１０とＬＮＡ９を順に介し
て加えられ、ＤＵＰ１２は上記ＤＵＰ１１の出力の合成
信号とアンテナ１Ｃの高周波信号とを合成してＤＩＰ１
３に出力する。

【００２５】ＤＩＰ１３には、そのＤＵＰ１２の出力の
合成信号が加えられると共に、アンテナ１Ｄの高周波信
号が直接的に加えられ、ＤＩＰ１３は上記ＤＵＰ１２の
出力の合成信号とアンテナ１Ｄの高周波信号を合成し
て、上記全てのアンテナ１Ａ〜１Ｄの高周波信号の合成
信号を作り出し、この合成信号を前記高周波信号合成出
力部１５から前記ケーブル３を通して外部に出力する。

【００２６】なお、図１（ｂ）に示す例では、Ｓ−ＤＡ
Ｂ用のアンテナ１ＡとＤＵＰ１１との間にはＬＮＡ７が
介設され、また、ＧＰＳ用のアンテナ１ＣとＤＵＰ１２
との間にはＬＮＡ８とＦＩＬ１０とＬＮＡ９が介設され
ていたが、そのようなアンテナ１と信号合成回路部１６
との間に介設されるＬＮＡやＦＩＬ等の回路素子は、ア
ンテナ１が受信する信号の強さ等の条件によって必要に
応じて設けられるものであり、必須のものではない。

【００２７】次に、図２に示す本実施形態例の複合アン
テナの信号処理装置であるレシーバ装置の構成例を説明
する。このレシーバ装置は、図２に示すように、前記各
種アンテナ１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄにそれぞれ対応する
信号処理部２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄを有すると共に、信
号分配回路部１８を有し、これら信号処理部２Ａ〜２Ｄ
と信号分配回路部１８はまとめられてユニット化されて
いる。上記信号分配回路部１８の入力端１９がレシーバ
装置の高周波入力部と成し、この高周波入力部１９はケ
ーブル３に導通接続される。

【００２８】なお、上記各信号処理部２Ａ〜２Ｄにはそ
れぞれ様々な構成があり、ここでは、それぞれ、何れの
構成を採用してもよく、その説明は省略する。また、上
記高周波入力部１９はケーブル３に直接的に導通接続さ
れている構成としてもよいし、コネクタを介してコネク
タ付きケーブル３に導通接続されている構成としてもよ
い。そのように、コネクタを利用して上記高周波入力部
１９をケーブル３に導通接続させる構成とする場合に
は、接続作業をより一層簡単に行うことができることと
なる。

【００２９】この実施形態例では、上記信号分配回路部
１８は、図２に示すように、ＤＩＰ２０とＤＵＰ２１，
２２を有して構成されており、それらＤＩＰ２０とＤＵ
Ｐ２１，２２と前記各信号処理部２とは導体パターンや
導体線等の導通接続手段２３によって、図２に示すよう
に配線接続されている。この実施形態例では、上記信号
分配回路部１８の回路構成は前記複合アンテナモジュー
ルの信号合成回路部１６と同一の回路構成と成してい
る。但し、上記信号合成回路部１６と信号分配回路部１
８は信号の流れの向きが互いに逆向きである。

【００３０】この実施形態例では、前記図１に示す複合
アンテナモジュールの高周波信号合成出力部１５と、上
記図２に示すレシーバ装置の高周波入力部１９とが１本
のケーブル３によって導通接続されて通信信号処理シス
テムが構成されており、上記複合アンテナモジュールの
高周波信号合成出力部１５から出力された前記合成信号
がケーブル３を通って上記レシーバ装置の高周波入力部
１９に入力する。この高周波入力部１９から入力した合
成信号は信号分配回路部１８に加えられ、この信号分配
回路部１８によって、前記信号合成回路部１６の回路動
作とは逆の回路動作で、前記各種アンテナ１の高周波信
号毎に分離される。

【００３１】つまり、信号分配回路部１８において、上
記高周波入力部１９から加えられた合成信号はＤＩＰ２
０に加えられる。このＤＩＰ２０は、その合成信号をア
ンテナ１Ｄの高周波信号とそれ以外の合成信号に分離し
（分岐し）、一方の合成信号をＤＵＰ２１に出力し、他
方のアンテナ１Ｄの高周波信号を、アンテナ１Ｄに対応
する信号処理部２Ｄに供給する。

【００３２】上記ＤＵＰ２１は、上記ＤＩＰ２０から加
えられた合成信号をアンテナ１Ｃの高周波信号とそれ以
外の合成信号に分離し、一方の合成信号をＤＵＰ２２に
出力し、他方のアンテナ１Ｃの高周波信号を、アンテナ
１Ｃに対応する信号処理部２Ｃに供給する。

【００３３】上記ＤＵＰ２２は、上記ＤＵＰ２１から加
えられた合成信号をアンテナ１Ａの高周波信号とアンテ
ナ１Ｂの高周波信号に分離し、そのアンテナ１Ａの高周
波信号をアンテナ１Ａに対応する信号処理部２Ａに供給
し、アンテナ１Ｂの高周波信号をアンテナ１Ｂに対応す
る信号処理部２Ｂに供給する。

【００３４】このように、レシーバ装置の各信号処理部
２Ａ〜２Ｄにはそれぞれ対応するアンテナ１の高周波信
号が加えられ、各信号処理部２Ａ〜２Ｄはそれら加えら
れた信号の処理を行う。

【００３５】この実施形態例によれば、複合アンテナモ
ジュールに信号合成回路部１６を設けたので、各種アン
テナ１の高周波信号の合成信号を作り出すことができ、
これにより、複合アンテナモジュールの出力端を１つ、
つまり、高周波信号合成出力部１５のみを設けるだけで
よく、複合アンテナモジュールから引き出されるケーブ
ル３の数は、複合アンテナモジュール内に設置されるア
ンテナ１の数に関係なく、１本で済むこととなる。

【００３６】また、この複合アンテナモジュールに信号
接続するレシーバ装置には信号分配回路部１８を設けた
ので、上記のように複合アンテナモジュールから合成信
号が出力されても、その合成信号を各アンテナ１の高周
波信号毎に分離することができ、これにより、各信号処
理部２にはそれぞれ対応するアンテナ１の高周波信号を
加えることができる。

【００３７】上記のように複合アンテナモジュールとレ
シーバ装置間は合成信号の通信が可能であるので、それ
ら複合アンテナモジュールとレシーバ装置を１本のケー
ブル３で接続して通信信号処理システムを構築すること
ができる。このように、複合アンテナモジュールとレシ
ーバ装置を接続するケーブル３の数は、複合アンテナモ
ジュールのアンテナ１の数（レシーバ装置の信号処理部
２の数）の増加に関係なく、１本で済むので、前記した
ようなケーブル３の増加に起因した様々な問題、つま
り、ケーブル配線の複雑化の問題や、ケーブル配線用の
スペース拡大化の問題や、ケーブルの接続に手間が掛か
って面倒で、しかも、多くの時間を要して生産効率の悪
化を招くという問題等を防止することができる。

【００３８】なお、この発明は上記実施形態例に限定さ
れるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例え
ば、上記実施形態例では、複合アンテナモジュールに
は、Ｓ−ＤＡＢ用のアンテナ１Ａと、ＶＩＣＳ用のアン
テナ１Ｂと、ＧＰＳ用のアンテナ１Ｃと、リモートキー
レスエントリー用のアンテナ１Ｄとの４種のアンテナが
設けられていたが、複合アンテナモジュールに設けられ
るアンテナ１の数や、アンテナ１の種類の組み合わせ
は、上記実施形態例に限定されるものではない。

【００３９】例えば、複合アンテナモジュールにおける
アンテナ１の設置数は複数であればよく、例えば、２個
や３個でもよいし、５個以上でもよい。また、例えば、
上記実施形態例に示したリモートキーレスエントリー用
のアンテナ１Ｄに代えて、図３（ａ）、（ｂ）に示すよ
うに、ＥＴＣ（Electronic Toll Collection（自動料金
収受システム））用のアンテナ１Ｅを設けてもよい。こ
の図３（ａ）、（ｂ）に示す例では、上記実施形態例と
同様に、各種アンテナ１（１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｅ）の
形状や大きさ等を考慮し、回路基板５の上面５ａ上を無
駄なく有効利用して、各種アンテナ１（１Ａ，１Ｂ，１
Ｃ，１Ｅ）が回路基板５の上面５ａ上に配置され、ま
た、回路基板５の背面５ｂにはそれら各種アンテナ１
Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｅの高周波信号の合成信号を作り出
す上記実施形態例と同様の信号合成回路部１６を含む図
３（ｂ）に示すような回路が形成されている。

【００４０】さらに、無線通信システムに使用されるア
ンテナの種類には、上記したＳ−ＤＡＢ用や、ＶＩＣＳ
用や、ＧＰＳ用や、リモートキーレスエントリー用や、
ＥＴＣ用だけでなく、携帯型電話機用や、ＴＶ用や、ラ
ジオ用等の様々な種類があり、複合アンテナモジュール
に設置されるアンテナの種類は上記実施形態例に限定さ
れるものではなく、適宜の種類のアンテナが設けられ
る。

【００４１】さらに、上記実施形態例では、信号合成回
路部１６はＤＵＰ１１，１２とＤＵＰ１３を有し、各ア
ンテナ１の高周波信号を順次合成していく構成を備えて
いたが、例えば、上記各アンテナ１の高周波信号を一括
的に合成する回路構成としてもよく、上記実施形態例の
回路構成に限定されない。また、信号分配回路部１８に
関しても同様であり、上記実施形態例の回路構成に限定
されるものではない。

【００４２】さらに、上記実施形態例では、上記複合ア
ンテナモジュールの信号合成回路部１６と、レシーバ装
置の信号分配回路部１８とは信号の流れの向きを逆にし
た同一の回路構成と成していたが、上記信号合成回路部
１６と信号分配回路部１８とは互いに異なる回路構成と
してもよい。

【００４３】さらに、上記信号合成回路部１６や信号分
配回路部１８を構成するＤＵＰ１１，１２，２１，２２
に代えて、図４に示すような回路２４を設けて、Ｌ、
Ｃ、Ｒ等の集中定数により回路を構成してもよい。ま
た、信号合成回路部１６や信号分配回路部１８を構成す
るＤＩＰ１３，２０に代えて、図４に示すような回路２
５を設けて、Ｌ、Ｃ、Ｒ等の集中定数により回路を構成
してもよいものである。

【００４４】さらに、上記実施形態例では、複数の信号
処理部２と信号分配回路部１８とはまとめられてユニッ
ト化されていたが、ユニット化されていなくともよい。

【００４５】さらに、上記実施形態例では、アンテナ１
は１種の信号のみの受信が可能な構成であったが、例え
ば、ＧＰＳ用とＳ−ＤＡＢ用の２種類の信号というよう
な異なる複数種の信号の受信が可能な多周波数帯対応可
のアンテナ１を用いてもよい。このような場合にも、上
記実施形態例と同様に、そのアンテナ１の各種高周波信
号は、他のアンテナ１の高周波信号と合成されて、複合
アンテナモジュールから外部に出力される。

【００４６】さらに、上記実施形態例に示した通信信号
処理システムは車載用のものであったが、もちろん、こ
の発明は車載用のものに限らず、車載用以外のものにも
適用することができるものである。

【００４７】

【発明の効果】複数種のアンテナが集合したアンテナユ
ニットと、それら複数種のアンテナの高周波信号の合成
信号を作り出す信号合成回路部とを備えた複合アンテナ
モジュールの発明にあっては、上記信号合成回路部によ
って、上記全てのアンテナの高周波信号の合成信号が作
り出されるので、複合アンテナモジュールの出力部を１
つ設けるだけでよく、上記アンテナの高周波信号を複合
アンテナモジュールの外部に送出するためのケーブルは
１本で済むこととなる。

【００４８】また、その複合アンテナモジュールに信号
接続する複合アンテナの信号処理装置の発明にあって
は、信号分配回路部が設けられているので、その信号分
配回路部によって、上記複合アンテナモジュールから出
力された合成信号を前記各アンテナの高周波信号毎に分
離して、それぞれ対応する信号処理部に供給することが
できることとなる。これにより、複合アンテナモジュー
ルから各アンテナの高周波信号の合成信号が出力されて
も、各信号処理部にはそれぞれ対応するアンテナの高周
波信号が加えられることとなる。

【００４９】このように、この発明の複合アンテナモジ
ュールと複合アンテナの信号処理装置とは合成信号の通
信が可能であることから、上記複合アンテナモジュール
と複合アンテナの信号処理装置を１本のケーブルで接続
して通信信号処理システムを構築することができる。こ
のように、上記複合アンテナモジュールと複合アンテナ
の信号処理装置とを接続するケーブルは、複合アンテナ
モジュールのアンテナの数（複合アンテナの信号処理装
置の数）の増加に関係なく、１本で済むこととなる。

【００５０】このため、前記したようなケーブル配線数
の増加に起因した問題、つまり、ケーブル配線の複雑化
の問題や、ケーブル配線用のスペース拡大化の問題や、
ケーブル接続作業の煩雑化の問題等を解消することがで
きる。

【００５１】複合アンテナモジュールの信号合成回路部
と複合アンテナの信号処理装置の信号分配回路部とが信
号の流れの向きを逆にした同一の回路構成と成している
発明にあっては、複合アンテナの信号処理装置の信号分
配回路部において、各アンテナの高周波信号が合成され
る回路動作と逆の回路動作によって、複合アンテナモジ
ュールから出力された合成信号が各アンテナの高周波信
号毎に分離されるので、各アンテナの高周波信号の復元
性を良好にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る通信信号システムの複合アンテナ
モジュールの一実施形態例を示す説明図である。

【図２】本発明に係る通信信号システムの複合アンテナ
の信号処理装置の一実施形態例を示す説明図である。

【図３】複合アンテナモジュールのその他の実施形態例
を示す説明図である。

【図４】信号合成回路（信号分配回路）のその他の回路
構成例を示す説明図である。

【図５】従来例を示す説明図である。

【符号の説明】

１ アンテナ ２ 信号処理部 ３ ケーブル １１，１２，２１，２２ ＤＵＰ １３，２０ ＤＩＰ １５ 高周波信号合成出力部 １６ 信号合成回路部 １８ 信号分配回路部 １９ 高周波入力部

フロントページの続き (72)発明者 川端 一也 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 伊藤 茂一 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 湯浅 敦之 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Ｆターム(参考） 5J021 AA05 AA09 AA13 AB06 CA06 FA32 HA05 HA07 JA03 JA07

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 異なる周波数帯を用いた２種以上のアン
   テナが同一基板上に実装されたアンテナユニットを有
   し、それら各アンテナの高周波信号を合成して上記全て
   のアンテナの高周波信号の合成信号を作り出す信号合成
   回路部と、その合成信号を外部に出力するための高周波
   ケーブル又はコネクタとを設けたことを特徴とする複合
   アンテナモジュール。
2. 【請求項２】 請求項１記載の複合アンテナモジュール
   に信号接続する複合アンテナの信号処理装置であって、
   上記複合アンテナモジュールの各アンテナにそれぞれ対
   応する信号処理部を有し、上記複合アンテナモジュール
   から出力された合成信号が入力する高周波入力部と、こ
   の高周波入力部を介して入力した合成信号を上記各アン
   テナの高周波信号毎に分離して、それら分離された各高
   周波信号をそれぞれ対応する上記信号処理部に供給する
   信号分配回路部とが設けられていることを特徴とする複
   合アンテナの信号処理装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の複合アンテナモジュール
   と、請求項２記載の複合アンテナの信号処理装置とを有
   し、上記複合アンテナモジュールの信号合成回路部と、
   複合アンテナの信号処理装置の信号分配回路部とは、信
   号の流れの向きを逆にした同一の回路構成と成している
   ことを特徴とする通信信号処理システム。