JP2001264527A - 回折光学素子およびその製造方法 - Google Patents

回折光学素子およびその製造方法

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JP2001264527A
JP2001264527A JP2000079199A JP2000079199A JP2001264527A JP 2001264527 A JP2001264527 A JP 2001264527A JP 2000079199 A JP2000079199 A JP 2000079199A JP 2000079199 A JP2000079199 A JP 2000079199A JP 2001264527 A JP2001264527 A JP 2001264527A
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grating
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JP2000079199A
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Kenichi Hayashi
賢一 林
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の凹凸状の格子を有する周期格子の表面
に、反射防止膜を連続して均一の膜厚で形成することの
できる回折光学素子およびその製造方法を提案するこ
と。 【解決手段】 回折光学素子1では、周期格子2が形成
されたガラス基板3を、反射防止材料の液体40を溜め
た容器51に浸漬してから、引き上げて温風Fにより乾
燥する工程からなるディッピング法により、周期格子2
の表面に第1の反射防止膜41を形成する。膜厚は、液
体の粘度、引き上げ速度、乾燥速度によって制御でき
る。周期格子2は、その形成方向が常に液面43に対し
て垂直になるように引き上げられるので、余分な反射防
止材料が格子間にとどまることなく周期格子2に沿って
流れ落ちる。基板表面に残った反射防止材料を乾燥する
と、第1の反射防止膜41が、連続して均一な膜厚で形
成される。同時にガラス基板3の裏面32にも第2の反
射防止膜42が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の光学装置、
特に光ピックアップ装置に用いられる回折光学素子およ
びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
複数の凹凸状の格子を有する表面に反射防止膜が形成さ
れている回折光学素子およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】各種の光学装置、例えば、CD(コンパ
クトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディス
ク)などの光ディスクの記録、再生に用いられる光ピッ
クアップ装置には、光ディスクからの戻り光を光源から
分離してフォトセンサに導くなどの目的から、回折光学
素子が用いられている。図7に示すように、回折光学素
子10としては、光学等方性基板としてのガラス基板3
の表面31に回折作用を有する周期格子2が形成された
ものが知られている。周期格子2の表面は、凹部21、
凸部22が交互に繰り返された凹凸状となっている。周
期格子2の表面には第1の反射防止膜41が形成され、
ガラス基板3の裏面32には第2の反射防止膜42が形
成されている。
【0003】第1および第2の反射防止膜41、42
は、真空蒸着法、スパッタリング法などで形成される。
真空蒸着法、スパッタリング法は、蒸発させた反射防止
材料を、周期格子2の表面あるいはガラス基板3の裏面
32に対して垂直な方向G1、G2から堆積させて成膜
する方法である。これらの方法は、膜厚制御が容易であ
り、膜への不純物の混入が少ないため、屈折率や透過率
が安定している。また、反射防止膜材料は、主に無機材
料が用いられ材料自体が安価である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
反射防止膜41を真空蒸着法、スパッタリング法により
形成した回折光学素子10では、周期格子2の表面が凹
凸形状であるので、第1の反射防止膜41は、凹部2
1、凸部22の表面部分に蒸着されるが、蒸着方向G1
に対して平行となる凸部左側面23、凸部右側面24に
は蒸着されない。また、図8に示すように、回折光学素
子11の周期格子2の表面が入り組んだ形状であると、
第1の反射防止膜41は、蒸着方向G1に対して遮られ
る物のない凹部211、凸部22には形成されるが、蒸
着方向G1に対して平行な部分や凸部面22の影になっ
てしまう太線で示す右側面部231、左側面部241に
は形成されない。従って、周期格子2の表面が凹凸形状
あるいは入り組んだ形状となっている場合には、周期格
子2の表面全体に第1の反射防止膜41を連続して形成
することができない。
【0005】そこで、反射防止材料の液体を塗布するこ
とにより、凹凸形状あるいは入り組んだ形状がある基板
に形成された周期格子の表面に、第1の反射防止膜41
を連続して形成する方法を採用することが考えられる。
反射防止材料の液体を塗布して成膜する方法としては、
ロールトゥロール法、スピンコート法があり、主に有機
材料が用いられている。しかしながら、これらの方法で
第1の反射防止膜41を形成すると、図9に示すよう
に、回折光学素子12の第1の反射防止膜41は、連続
して形成されるが、膜厚が均一に形成されずに凹部21
を埋めてしまい、また、反射防止材料が密着しなかった
部分にはガス44が残存してしまう。膜厚が不均一であ
ること、およびガス44の残存部があることは、屈折率
をばらつかせてしまう。従って、第1の反射防止膜41
の屈折率が一定にならないので、回折光学素子12の反
射防止効果が悪いという問題点がある。
【0006】また、第1および第2の反射防止膜41、
42は、真空蒸着法、スパッタリング法、またはロール
トゥロール法、スピンコート法のいずれかの方法を用い
るにしても、周期格子2の表面、およびガラス基板3の
裏面32は、片面ごとに同じ材料から形成されている。
従って、第1および第2の反射防止膜41、42は、表
面裏面とも同じ材料を使用しているにも関わらず、同時
に形成することができないため、生産性が低いという問
題点がある。
【0007】このような問題点に鑑みて、本発明の課題
は、複数の凹凸状の格子を有する周期格子の表面に、反
射防止膜を連続して均一の膜厚で形成された回折光学素
子およびその製造方法を提案することにある。
【0008】また、本発明の課題は、表面および裏面の
反射防止膜を同時に形成された回折光学素子およびその
製造方法を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、表面に複数の凹凸状の格子を
有する周期格子が形成された基板と、前記周期格子の表
面上に形成された反射防止膜とを有する回折光学素子に
おいて、前記反射防止膜は、ディッピング法により形成
された膜であることを特徴としている。
【0010】ディッピング法は、反射防止材料の液体の
中に、周期格子の形成された基板を浸して、引き上げて
乾燥して反射防止膜を形成する方法である。凹凸形状あ
るいは入り組んだ形状の周期格子が反射防止材料の液体
の中に浸されるので、反射防止膜は周期格子の形状に沿
って連続して均一の膜厚で形成される。従って、反射防
止膜が断続して形成されていた従来の構成と比較して、
反射防止膜は、密着が良くなるので剥離を防止すること
ができる。さらに、反射防止膜は、膜厚が均一になるの
で、屈折率が一定になり良好な反射防止効果を得ること
ができる。
【0011】また、ディッピング法は、反射防止材料の
液体の中に周期格子の形成された基板を浸すので、基板
の裏面にも反射防止膜を同時に形成することもできる。
従って、回折光学素子の製造工程において、生産性を高
めることができる。
【0012】本発明において、前記周期格子を有機材料
により形成し反射防止膜も有機材料から形成することが
望ましい。このように構成すると、有機材料から形成さ
れた反射防止膜は、有機材料から形成された周期格子に
対して、化学結合をして強固な密着力を有する。従っ
て、第1の反射防止膜の剥離を防止することができるか
らである。
【0013】さらに、本発明において、前記周期格子を
ポリジアセチレン誘導体から形成し、前記反射防止膜
を、屈折率が1.30から1.38の材料から形成され
た膜とすることが望ましい。このように構成すると、反
射防止膜は、屈折率が周期格子を形成するポリジアセチ
レン誘導体の屈折率1.5から1.8に対して低いの
で、1層のみの形成で良好な反射防止効果を得ることが
できるからである。
【0014】本発明における回折光学素子の製造方法で
は、前記反射防止膜を形成するための液体材料に浸漬し
た前記基板を、液体材料の液面に対して前記周期格子の
形成方向が垂直となる方向に引き上げることを特徴とし
ている。
【0015】本発明において、前記ディッピング法にお
ける引き上げ工程では、周期格子の形成された基板を、
反射防止材料の液面に対して、周期格子の形成方向が常
に垂直となるように引き上げている。従って、曲線状の
周期格子が形成されている場合であっても、余分な反射
防止材料が格子に沿って流れ落ちる。故に、格子の凹部
にガスが溜まること無く、反射防止膜の膜厚を均一に形
成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の回折光学素子およびその製造方法を説明する。なお基
本的な構成が図7、図8に示す従来の形態と一致するの
で、これらと一致する部分には、同じ符号を付してあ
る。
【0017】[実施の形態1]図1(A)、(B)は、そ
れぞれ本発明の実施の形態1に係る回折光学素子の断面
図、および回折光学素子の平面図である。図2は、この
回折光学素子の反射防止膜の製造工程を示す説明図であ
る。
【0018】(回折光学素子の概略構成)図1(A)に
示すように、回折光学素子1は、光学的等方性基板とし
てのガラス基板3を有している。ガラス基板3の表面3
1には、回折作用を有する周期格子2が形成されてい
る。この周期格子2の表面は、凹部21、凸部22が周
期的に並んで形成されている。周期格子2の表面には第
1の反射防止膜41およびガラス基板の裏面32には第
2の反射防止膜42が、ディッピング法により形成され
ている。
【0019】周期格子2は、以下の化学式(1)に示さ
れるポリジアセチレンの誘導体から構成されている。
【0020】
【化1】
【0021】周期格子2を構成するポリジアセチレン誘
導体は、図1(B)に示す平面内で配向され、主鎖方向
(配向方向)は、矢印Hで示す方向となっている。この
ようなポリジアセチレン誘導体は紫外線が照射される
と、分子鎖が切断され、青色、赤色、透明の順に色相変
化する。この色相変化に伴って、ポリジアセチレン誘導
体は配向方向Hにおける屈折率が下がる性質を備えてい
る。
【0022】周期格子2は、このポリジアセチレン誘導
体の性質を利用して、ポリジアセチレン誘導体の配向方
向における屈折率が周期的に変化するように形成してあ
る。すなわち、回折光学素子1には、そのガラス基板3
の表面31に平坦なポリジアセチレン誘導体膜が形成さ
れ、その面に対して選択的に紫外線が照射されることに
よって色相変化して凹んだ凹部21と、紫外線が照射さ
れずにそのまま残っていた凸部22とが交互に配列され
た周期格子2が形成されている。周期格子2の屈折率は
次のようになっている。凹部21の屈折率が紫外線の照
射前より低下しており、凸部22の屈折率が紫外線の照
射前とほぼ同一である。具体的には、ポリジアセチレン
配向膜の配向方向における屈折率が凹部21と凸部22
とで周期的に変化するように形成している。従って、配
向方向Hの屈折率は凹部21と凸部22で周期的に変化
し、それに垂直な方向の屈折率はほとんど変化しない。
このため、配向方向Hに垂直な偏光と、配向方向Hの偏
光とでは異なる回折強度比の回折格子として機能する。
ポリジアセチレン誘導体から形成された周期格子2の屈
折率は、1.5から1.8である。
【0023】(反射防止膜の形成方法)このような構成
の回折光学素子1において、図2に示すように、第1お
よび第2の反射防止膜41、42は形成される。
【0024】図2(A)に示すように、周期格子2が形
成されたガラス基板3は、反射防止材料の液体40を溜
めた容器51に向けて降ろされる。反射防止材料の液体
40は、屈折率が1.30から1.38の有機材料を用
いている。
【0025】次に、図2(B)に示されるように、周期
格子2が形成されたガラス基板3は、反射防止材料の液
体40の中に浸される。周期格子2の表面は、凹部2
1、凸部22の形状に沿って反射防止材料が連続して密
着する。従って、従来の回折光学素子では、第1の反射
防止膜41が形成されなかった凸部左側面23、凸部右
側面24も、反射防止材料が連続して密着する。また、
ガラス基板3の裏面32にも、反射防止材料が連続して
密着する。
【0026】そして、図2(C)に示されるように、周
期格子2が形成されたガラス基板3は、反射防止材料の
液体40を溜めた容器51から引き上げられ、温風Fに
より乾燥される。このとき、ガラス基板3は、反射防止
材料の液面43に対して、周期格子2の形成方向が垂直
となるようにK方向に引き上げられるので、余分な反射
防止材料は格子に沿って流れ落ちる。周期格子2の表面
に均一な膜厚で残った反射防止材料が乾燥されて第1の
反射防止膜41が形成される。また、同時にガラス基板
3の裏面32にも第2の反射防止膜42が形成される。
膜厚は、液体の粘度、引き上げ速度、乾燥速度によって
制御することができる。
【0027】このように、本例の回折光学素子1におい
ては、第1の反射防止膜41は、周期格子2の形成され
たガラス基板3を反射防止材料の液体40に浸すディッ
ピング法にて形成されるため、回折光学素子1の周期格
子2の表面に凹凸形状があっても連続して形成される。
従って、第1の反射防止膜41に断続する部分がないの
で、第1の反射防止膜41が断続して形成されていた従
来の構成と比較して、第1の反射防止膜41の密着性が
良くなるので剥離を防止することができる。さらに、第
1の反射防止膜41の膜厚は均一であるので、屈折率が
一定になり良好な反射防止効果を得ることができる。
【0028】また、ディッピング法は、反射防止材料の
液体40の中に周期格子2の形成されたガラス基板3を
浸すので、ガラス基板3の裏面32に第2の反射防止膜
42を同時に形成することもできる。従って、回折光学
素子1の製造工程において、生産性を高めることができ
る。
【0029】また、本形態では、有機材料から形成され
た第1の反射防止膜41は、周期格子2を形成する有機
材料のポリジアセチレン誘導体と化学結合して、密着力
がより強くなり、周期格子2からの剥離を防止できる。
【0030】さらに、第1の反射防止膜41は、屈折率
が1.30から1.38の材料から形成されるので、屈
折率が周期格子2を形成する有機材料のポリジアセチレ
ン誘導体の屈折率1.5から1.8に比べて低いので、
1層のみの形成で良好な反射防止効果を得ることができ
る。
【0031】[実施の形態2]図3は、実施の形態2に係
る回折光学素子の斜視図である。なお、本形態の回折光
学素子も、実施の形態1と同様に、反射防止膜4はディ
ッピング法により形成され、形成方法は、図2を参照し
て説明したとおりである。従って、以下の説明では、本
形態の特徴部分である入り組んだ形状の周期格子2に形
成された第1の反射防止膜41について説明する。
【0032】図3に示すように、本形態の回折光学素子
1は、ポリジアセチレン誘導体からなり回折作用を有す
る周期格子2が、ガラス基板3の表面31に形成されて
いる。その周期格子2は、凹部21、凸部22が周期的
に並んで形成されている。凸部22はT字形状に入り組
んだ形状をしている。周期格子2の表面にディッピング
法にて形成される第1の反射防止膜41は、従来の回折
格子11では第1の反射防止膜41が形成されなかった
太線部231、241も連続して形成されている。本形
態においてもディッピング法による反射防止膜形成工程
は、周期格子2が形成されたガラス基板3が、反射防止
材料の液面43に対して、周期格子2の形成方向が垂直
となるように引き上げられるので、第1の反射防止膜4
1は、一定の膜厚で形成され、同時にガラス基板3の裏
面32にも第2の反射防止膜42が形成される。
【0033】このように、本形態の回折光学素子1にお
いて、周期格子2が入り組んで形成されていても、第1
の反射防止膜41は、周期格子2の形成されたガラス基
板3を反射防止材料の液体40に浸すディッピング法に
て形成されるため、回折光学素子1の周期格子2の表面
に連続して形成される。従って、第1の反射防止膜41
は、断続する部分がないので、第1の反射防止膜41が
断続して形成されていた従来の構成と比較して、密着が
良くなり剥離を防止することができる。さらに、第1の
反射防止膜41の膜厚が均一になるので、屈折率が一定
になり良好な反射防止効果を得ることができる。
【0034】また、ディッピング法は、反射防止材料の
液体40の中に周期格子2の形成されたガラス基板3を
浸すので、ガラス基板3の裏面32のにも第2の反射防
止膜42を同時に形成することもできる。従って、回折
光学素子2の製造工程において、生産性を高めることが
できる。
【0035】[実施の形態3]図4は、実施の形態3に係
る回折光学素子の斜視図である。なお、本形態の回折光
学素子も、実施の形態1および2と同様に、反射防止膜
4は、ディッピング法により形成され、形成方法は、図
2を参照して説明したとおりである。従って、以下の説
明では、本形態の特徴部分である鋸の刃形状の周期格子
2に形成された第1の反射防止膜41について説明す
る。
【0036】図4に示すように、本形態の回折光学素子
1は、ポリジアセチレン誘導体からなり回折作用を有す
る周期格子2が、ガラス基板3の表面31に形成されて
いる。その周期格子2は、鋸の刃のように斜辺25と側
面26が周期的に並んで形成されている。周期格子2の
表面にディッピング法にて形成される第1の反射防止膜
41は、従来の回折格子の構成では、第1の反射防止膜
41が形成されない垂直な側面26も連続して形成され
る。本形態におけるディッピング法による反射防止膜形
成工程においても、周期格子2が形成されたガラス基板
3は、反射防止材料の液面43に対して、周期格子2の
形成方向が垂直となるように引き上げられるので、第1
の反射防止膜41は、一定の膜厚で形成され、同時にガ
ラス基板3の裏面32にも第2の反射防止膜42が形成
される。
【0037】このように、本形態の回折光学素子1にお
いて、周期格子2が鋸の刃形状であっても、第1の反射
防止膜41は、周期格子2の形成されたガラス基板3を
反射防止材料の液体40に浸すディッピング法にて形成
されるため、回折光学素子1の周期格子2の表面に連続
して形成される。従って、第1の反射防止膜41は断続
する部分がないので、第1の反射防止膜41が断続して
形成されていた従来の構成と比較して、密着が良くなる
ので剥離を防止することができる。さらに、第1の反射
防止膜41の膜厚が均一になるので、屈折率が一定にな
り良好な反射防止効果を得ることができる。
【0038】また、ディッピング法は、反射防止材料の
液体40の中に周期格子2の形成されたガラス基板3を
浸すので、ガラス基板3の裏面32にも第2の反射防止
膜42を同時に形成することもできる。従って、回折光
学素子1の製造工程において、生産性を高めることがで
きる。
【0039】[実施の形態4]図5は、実施の形態4に係
る回折光学素子1を示す平面図である。図6は、この回
折光学素子1の反射防止膜の製造工程を示す説明図であ
る。なお、本形態の回折光学素子1も、実施の形態1な
いし3と同様に、周期格子2が形成されたガラス基板3
に第1の反射防止膜41がディッピング法により形成さ
れる。以下の説明では、本形態の特徴部分である曲線状
に形成された周期格子2に対する第1の反射防止膜41
の形成について説明する。
【0040】図1(A)に示す実施の形態1と同様に、
本形態の回折光学素子1は、ガラス基板3の表面31に
は、ポリジアセチレン誘導体からなり回折作用を有する
周期格子2が形成され、その周期格子2の表面およびガ
ラス基板の裏面32は、ディッピング法により第1およ
び第2の反射防止膜41、42が形成されている。
【0041】図5に示すように、実施の形態1の図1
(B)とは相違して、周期格子2は、凹部21、凸部2
2が曲線を描いて周期的に並んでいる。
【0042】図6(A)、(B)、(C)の順に示すよ
うに、第1の反射防止膜41は、周期格子2が形成され
たガラス基板3に形成される。反射防止材料の液体40
に浸された周期格子2が形成されたガラス基板3は、ま
ず図6(A)に示すように、反射防止材料の液面43に対
して、回折光学素子1の上面28を右に傾けて、周期格
子2の形成方向が垂直となるようにした状態でK1方向
に引き上げられる。すなわち、液面43に位置している
周期格子2の曲線に引いた接線が液面43と垂直となる
ように、ガラス基板3を引き上げる。
【0043】次に、図6(B)に示すように、周期格子2
は、周期格子の形成方向H1に沿って引き上げられてい
くので、徐々に回折光学素子1は左に傾きながら引き上
げられる。引き上げ方向もK1方向からK2方向に傾い
ていく。
【0044】そして、図6(C)に示すように、回折光学
素子1は、反射防止材料の液体40から取り出されると
きには、引き上げ始めとは逆に、周期格子2は、液面4
3に対して、回折光学素子1の上面28を左に傾けなが
ら、K3方向に引き上げられる。
【0045】このように、本形態の回折光学素子1にお
いて、周期格子2が曲線状に形成されていても、回折光
学素子1のディッピング法による反射防止膜形成のため
の引き上げ工程では、周期格子2の形成されたガラス基
板3を、反射防止材料の液面43に対して、周期格子2
の形成方向H1が常に垂直となるように引き上げるの
で、余分な反射防止材料は、周期格子2に沿って流れ落
ちる。従って、周期格子2の凹部21にガスが溜まるこ
と無く、第1の反射防止膜41の膜厚を均一に形成する
ことができる。
【0046】[その他の実施の形態]なお、上記のいずれ
の形態においても、回折光学素子1は、周期格子2の表
面に第1の反射防止膜41、そして、ガラス基板3の裏
面32に第2の反射防止膜42を形成したが、第2の反
射防止膜42をガラス基板3の裏面32に形成しない場
合は、反射防止材料の液体40に対して耐久性のあるテ
ープなどを裏面32に貼っておいて、ディッピング後に
剥がせば良い。
【0047】また、ディッピング法による反射防止膜の
形成は、周期格子がガラス基板に形成された回折光学素
子に限定されるものでなく、周期格子が形成された基板
がプラスチックで一体成形された回折光学素子であって
もよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る回折
光学素子およびその製造方法では、周期格子側の反射防
止膜がディッピング法により形成される。ディッピング
法は反射防止材料の液体の中に、凹凸形状あるいは入り
組んだ形状の周期格子を浸して引き上げて乾燥して反射
防止膜を形成する方法であるので、反射防止膜は周期格
子の形状に沿って連続して均一の膜厚で形成される。従
って、反射防止膜は密着が良くなるので剥離を防止する
ことができる。さらに、反射防止膜の膜厚が均一になる
ので、屈折率が一定になり良好な反射防止効果を得るこ
とができる。
【0049】また、ディッピング法は、反射防止材料の
液体の中に周期格子の形成された基板を浸すので、基板
の裏面にも反射防止膜を同時に形成することができる。
従って、回折光学素子の製造工程において、生産性を高
めることができる。
【0050】さらに、ディッピング法による反射防止膜
形成のための引き上げ工程では、周期格子の形成された
基板を、反射防止材料の液面に対して、周期格子の形成
方向が常に垂直となるように引き上げるので、余分な反
射防止材料が格子間にとどまることなく格子に沿って流
れ落ちる。従って、格子の凹部にガスが溜まること無
く、反射防止膜の膜厚を均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の実施の形態
1に係る回折光学素子の構造を示す断面図および平面図
である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る回折光学素子の反
射防止膜の製造工程を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る回折光学素子の構
造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係る回折光学素子の構
造を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係る回折光学素子の構
造を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る回折光学素子の反
射防止膜の製造工程を示す説明図である。
【図7】従来の回折光学素子の断面図である。
【図8】従来の別の回折光学素子の断面図である。
【図9】従来のさらに別の回折光学素子の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 回折光学素子 2 周期格子 3 ガラス基板 31 ガラス基板表面 32 ガラス基板裏面 40 反射防止材料の液体 41 第1の反射防止膜 42 第2の反射防止膜 43 反射防止材料の液面 51 容器 F 温風 H 周期格子の配向方向 H1 曲線を描く周期格子の形成方向 K、K1、K2、K3 ガラス基板の引き上げ方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA33 AA43 AA57 AA63 AA64 2K009 AA02 BB02 BB11 DD02 4G059 AA08 AB01 AB05 AB11 AC04 AC09 FA00 FA09 FB05 GA01 GA04 GA11 5D119 AA38 BA01 JA03 JA13 JA22 JA46 JA64 JA65

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数の凹凸状の格子を有する周期
    格子が形成された基板と、前記周期格子の表面上に形成
    された反射防止膜とを有する回折光学素子において、 前記反射防止膜は、ディッピング法により形成された膜
    であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記周期格子は有機
    材料により形成され、前記反射防止膜は有機材料から形
    成された膜であることを特徴とする回折光学素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記周期格
    子はポリジアセチレン誘導体から形成され、前記反射防
    止膜は屈折率が1.30から1.38の材料から形成さ
    れた膜であることを特徴とする回折光学素子。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のうちいずれかの項に
    おいて、前記基板の裏面にも反射防止膜が形成されてお
    り、当該反射防止膜および前記周期格子の表面に形成さ
    れている反射防止膜は同時に形成されたものであること
    を特徴とする回折光学素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のうちいずれかの項に
    記載の回折光学素子の製造方法であって、 前記反射防止膜を形成するための液体材料に浸漬した前
    記基板を、液体材料の液面に対して前記周期格子の形成
    方向が垂直となる方向に引き上げることを特徴とする回
    折光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002169010A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Minolta Co Ltd 回折光学素子
CN110476090A (zh) * 2017-01-27 2019-11-19 奇跃公司 用于超表面的抗反射涂层

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