JP2001261317A - 高収率金属内包フラーレン製造用炭素材 - Google Patents

高収率金属内包フラーレン製造用炭素材

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JP2001261317A
JP2001261317A JP2001004177A JP2001004177A JP2001261317A JP 2001261317 A JP2001261317 A JP 2001261317A JP 2001004177 A JP2001004177 A JP 2001004177A JP 2001004177 A JP2001004177 A JP 2001004177A JP 2001261317 A JP2001261317 A JP 2001261317A
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carbon material
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Hiroshi Okubo
博 大久保
Toshiaki Sogabe
敏明 曽我部
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Kiyouko Noro
今日子 野呂
Hisanori Shinohara
久典 篠原
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて格段に高い収率で金属内包フラ
ーレンを生成・回収できる高収率金属内包フラーレン製
造用炭素材を提供する。 【解決手段】 金属若しくは金属化合物と、炭素質材と
の混合物である炭素材であり、金属炭化物を含み、かさ
密度が1.80g/cm3以下であるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロエレクト
ロニクス分野のミクロ電子回路や医療分野のMRI用の
造影剤として用いられる金属内包フラーレンを高い収率
で製造することができる高収率金属内包フラーレン製造
用炭素材に関し、特に、不活性ガス雰囲気下で、アーク
放電の電極若しくはレーザー照射のターゲットとして用
いられる金属若しくは金属化合物と炭素質材との混合物
からなる高収率金属内包フラーレン製造用炭素材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属内包フラーレンは、金属若し
くは金属化合物を含有した炭素電極を原料として、この
電極間にアーク放電によって原料を蒸発させ、生成され
るススを回収し、回収したススから抽出するか、レーザ
ーを金属若しくは金属化合物を含有した炭素材に照射
し、前記炭素材から蒸発し、生成されるススを回収し、
回収したススから抽出するか、若しくは、金属若しくは
金属化合物を含有した炭素材に高電流を流して炭素材を
蒸発させ、生成されるススを回収し、回収したススから
抽出する等の方法によって製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの方
法では、生成されるススから抽出される金属内包フラー
レンは、生成されるススの量も少なく、加えてこのスス
から抽出される金属内包フラーレンは、ススの量の1/
100から1/10程度の量しか抽出されず、工業的に
製造するにはあまりにも収率が低いという問題がある。
【0004】そこで、本発明は、従来に比べて格段に高
い収率で金属内包フラーレンを生成・回収できる高収率
金属内包フラーレン製造用炭素材を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ね、従来、金属内包フラーレ
ンを製造する際に用いられてきた金属若しくは金属化合
物を含有する高密度の炭素材を低密度のものに変えると
ともに、高温で熱処理を行い金属炭化物を形成させるこ
とで、従来の高密度で金属炭化物を含まない炭素材を用
いた場合に比べ、格段に高い収率で金属内包フラーレン
を生成・回収することができることを見出し、本発明を
完成した。
【0006】すなわち、本発明の高収率金属内包フラー
レン製造用炭素材は、金属若しくは金属化合物と、炭素
質材との混合物である炭素材であり、金属炭化物を含
み、かさ密度が1.80g/cm3以下であるものであ
る。また、前記金属若しくは金属化合物が、前記炭素質
材100質量部に対して0.2〜20質量部含有されて
いるものが好ましい。また、前記炭素質材は、人造黒鉛
粉末100質量部にバインダーとして熱硬化性樹脂30
〜100質量部を加え混合して、焼成してなる黒鉛材で
あることが好ましい。
【0007】本発明における高収率金属内包フラーレン
製造用炭素材(以下、フラーレン製造用炭素材と略
す。)は、金属若しくは金属化合物の粉末と、炭素質材
の粉末、及び必要に応じてバインダーとして炭化し得る
原料を混合、焼成したものである。そして、その生成方
法に合わせて、ロッド状若しくは平板状に形成される。
このロッドの断面形状は四角形、円形、多角形と、特に
限定されないが、その全体形状は棒状であることが好ま
しい。
【0008】使用される金属若しくは金属化合物は、特
に限定されず、周期律表に挙げられる金属の殆どを用い
ることができる。これら金属若しくは金属化合物は、そ
のままの形でフラーレン製造用炭素材中に含有される
か、若しくは焼成中に原料の炭素質材と反応して、金属
炭化物として含有される。そして、アーク放電の電極
や、レーザー照射等によって蒸発、生成される段階で、
フラーレン中に内包される。特に、金属の中でも、ガド
リニウム(以下、Gdと略す。)内包フラーレン及びジ
スプロシウム(以下、Dyと略す。)内包フラーレン
は、OH基を付加することで、水溶性にすることがで
き、医療用のMRI(Magnetic Resona
nce Imagining、磁気共鳴診断)の造影剤
としての使用が可能となる。
【0009】また、原料の炭素質材は、人造黒鉛粉、炭
素繊維粉、いわゆるメソフェーズ小球体粉等が用いられ
る。特に、人造黒鉛粉が好ましい。
【0010】また、必要に応じてバインダーとして炭化
し得る原料は、昇温焼成時に炭化して、炭素質材からな
る粉体等と混然一体となって最終的にフラーレン製造用
炭素材の一成分として機能するものであればよく、ター
ル、ピッチ類、芳香族多環式有機化合物、合成樹脂、熱
硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂、イミ
ド樹脂、アミド樹脂等の高分子化合物、特に縮合系合成
高分子や、天然高分子等が具体的に挙げられる。中で
も、焼成後の炭素化率が高く、強度が高くなるフェノー
ル樹脂が好ましい。
【0011】以上の、金属若しくは金属化合物、炭素質
材、バインダーを任意の方法で混合する。混合割合は、
炭素質材100質量部に対して、金属若しくは金属化合
物の粉末0.2〜20質量部、バインダー30〜100
質量部である。バインダーは、炭素質材100質量部に
対して30質量部よりも少ないと充分強度のあるフラー
レン製造用炭素材が得られず、また、100質量部を越
えると、炭素材の特徴が損なわれる一方、密度が高くな
り、1.80g/cm3を越えてしまう傾向にある。こ
のため、バインダーは炭素質材100質量部に対して3
0〜100質量部、好ましくは40〜70質量部であ
る。このような混合割合とすることで、金属若しくは金
属化合物を含有した後のかさ密度を1.80g/cm3
以下、好ましくは1.78g/cm3以下、さらに好ま
しくは、1.74g/cm3以下とすることができる。
また、金属若しくは金属化合物は、炭素質材100質量
部に対して0.2質量部よりも少ないと、生成される金
属内包フラーレン以外のC82、C84、C90等のフラーレ
ンが生成される。また、20質量部を越えても金属内包
フラーレンの収率が特に上がることもない。
【0012】次いで、前記のような混合割合で混合され
た粉末を任意の形状に成形後、600〜1300℃で仮
焼成(一次焼成)を行い、さらに真空中で1600℃以
上の温度で焼成を行いフラーレン製造用炭素材とする。
1300〜2500℃、好ましくは1600〜2200
℃で熱処理して焼成することによって、混合されている
金属は炭素質材と反応し、金属炭化物を形成する。この
際、熱拡散によって、金属炭化物が微視的に見て均一に
分散するので、金属内包フラーレンの生成効率を向上さ
せることができる。
【0013】以上のようにして作製されたフラーレン製
造用炭素材を、不活性ガス雰囲気下で、アーク放電の電
極若しくはレーザー照射のターゲットとして使用し、生
成されるススを回収し、回収したススから溶媒抽出を行
い、金属内包フラーレンを製造することができる。以
下、その製造方法をアーク放電装置を例に挙げて説明す
る。なお、本発明は、このアーク放電装置により製造さ
れるものに限定されるものではない。また、レーザー照
射によるフラーレンの製造等も装置の構造等は同じであ
るので、ここでは説明を省略する。
【0014】図1に、乾燥窒素等の不活性ガス雰囲気下
でススの回収と溶媒抽出を行える機能をもつアーク放電
装置の斜視概略図を示す。図における1は放電チャンバ
ー、2は回収グローボックス、3は陰電極ブロック、4
は本発明にかかるフラーレン製造用炭素材で作製された
ロッド状の陽電極棒、5は液体窒素トラップ、6は自動
送り刷毛、7は回収用グローブ、8がアーク放電により
生成した金属内包フラーレンを含有するススを示す。
【0015】図1において、放電チャンバー1で生成し
た金属内包フラーレン含有スス8のおよそ60%は、約
5kPaのヘリウムガスのフローにより、装置上部に位
置するスス回収のためのグローボックス2に送られ、液
体窒素温度に冷却されたトラップ5の表面に効率よく付
着する。付着した金属内包フラーレン含有スス8は、ト
ラップ5に備え付けの自動送り刷毛6で、回収チャンバ
ーの底にあるスス回収皿に集められる。こうして集めら
れたスス8は、回収用のグローブ7によりスス回収ボト
ル(図示省略)に回収される。
【0016】このように、不活性ガス雰囲気下の乾燥窒
素中で行われることで、大気中で行われる場合に比べ、
60等の一般のフラーレンの生成・抽出効率の向上とと
もに、金属内包フラーレンの生成抽出効率を向上させる
ことができる。また、フラーレン製造用炭素材の密度を
一般的な高密度黒鉛材の密度1.80g/cm3以下の
低密度にするとともに、金属炭化物を含有させること
で、アーク放電によって極小領域の電気抵抗が高くな
り、その結果、生成されるススの量が多くなり、これに
従って、抽出される金属内包フラーレンは、従来の方法
による金属内包フラーレンの製造に比べて各段に増え、
金属内包フラーレンの回収率を向上させることができ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0018】(実施例1)人造黒鉛粉(東洋炭素(株)
製、平均粒径5〜15μm)100質量部に対して、平
均粒径5μmに粉砕した酸化ジスプロシウム(Dy
23)16質量部、さらにメチルアルコールとフルフリ
ールアルコールを約10質量部加え、Zミキサーで混合
後、ノボラックフェノール樹脂を約50質量部加えてさ
らに混合したのち、加熱下で混練し、混合を完結させ
た。この混合物を平均粒径が30〜60μmになるよう
に一次粉砕した。次にこの混合粉を圧力10MPaで室
温にて金型成形を行い、成形体を得た。この成形体を鉄
サガーを用い詰め粉(炭素粉)中に成形体を埋め、11
00℃で一次焼成を行い、引き続き真空中で1600℃
で熱処理を行い、ロッド状のフラーレン製造用炭素材と
した。得られたフラーレン製造用炭素材は、かさ密度
1.59g/cm3、ショア硬さ33、曲げ強さ13M
Pa、圧縮強さ42MPa、弾性係数6.2GPa、熱
膨張係数4.3×10-6/℃(室温〜400℃)、固有
抵抗38μΩ・m(室温)であった。
【0019】(実施例2)金型成形の成形圧力を60〜
80MPaとした以外、実施例1と同様にしてロッド状
のフラーレン製造用炭素材を作製した。得られたフラー
レン製造用炭素材は、かさ密度1.74g/cm3、シ
ョア硬さ49、曲げ強さ25MPa、圧縮強さ75MP
a、弾性係数10.0GPa、熱膨張係数4.0×10
-6/℃(室温〜400℃)、固有抵抗29μΩ・m(室
温)であった。
【0020】(実施例3)1100℃で一次焼成を行っ
た後、真空中で2000℃で熱処理を行った以外、実施
例1と同様にしてロッド状のフラーレン製造用炭素材を
作製した。得られたフラーレン製造用炭素材は、かさ密
度1.78g/cm3、ショア硬さ45、曲げ強さ20
MPa、圧縮強さ65MPa、弾性係数9.0GPa、
熱膨張係数4.3×10-6/℃(室温〜400℃)、固
有抵抗25μΩ・m(室温)であった。
【0021】(比較例1)金型成形の圧力を100MP
aとし、真空中1600℃で熱処理しないことを除いて
実施例1と同様にしてロッド状のフラーレン製造用炭素
材を作製した。得られたフラーレン製造用炭素材は、か
さ密度1.81g/cm3、ショア硬さ55、曲げ強さ
26MPa、圧縮強さ70MPa、弾性係数8.6GP
a、熱膨張係数4.3×10-6/℃(室温〜400
℃)、固有抵抗46μΩ・m(室温)であった。
【0022】(比較例2)実施例1と同様にして得られ
た成形体を1100℃で一次焼成を行い、真空中で25
00℃で熱処理を行った以外、実施例1と同様にしてロ
ッド状のフラーレン製造用炭素材を作製した。得られた
フラーレン製造用炭素材は、かさ密度1.80g/cm
3、ショア硬さ40、曲げ強さ15MPa、圧縮強さ5
5MPa、弾性係数8.0GPa、熱膨張係数4.4×
10-6/℃(室温〜400℃)、固有抵抗22μΩ・m
(室温)であった。
【0023】(比較例3)熱処理条件を1500℃とし
たことを除き、実施例1と同様にしてロッド状のフラー
レン製造用炭素材を作製した。得られたフラーレン製造
用炭素材は、かさ密度1.58g/cm3、ショア硬さ
35、曲げ強さ15MPa、圧縮強さ45MPa、弾性
係数6.2GPa、熱膨張係数4.3×10-6/℃(室
温〜400℃)、固有抵抗39μΩ・m(室温)であっ
た。
【0024】実施例1乃至実施例3及び比較例1乃至比
較例3のロッド状のフラーレン製造用炭素材をそれぞ
れ、図1に示すアーク放電方式の製造装置の陽極電極棒
4として使用し、放電電流400〜450A、放電電圧
20〜25Vとし、放電チャンバー1内を圧力6〜8k
Paのヘリウムガス雰囲気フローとし、発生したススを
回収グローボックス2で回収した。アーク放電時の各フ
ラーレン製造用炭素材の蒸発速度は、実施例1のフラー
レン製造用炭素材は、5.5〜6.5mm/min、実
施例2のフラーレン製造用炭素材は4〜5mm/min
で、実施例3のフラーレン製造用炭素材は6〜7mm/
minで、比較例1のフラーレン製造用炭素材は1〜2
mm/minで、比較例2のフラーレン製造用炭素材は
2〜3mm/minで、比較例3のフラーレン製造用炭
素材は5.0〜5.5mm/minで、ススの発生量
は、実施例1のフラーレン製造用炭素材は、フラーレン
製造用炭素材120gから約30g、実施例2のフラー
レン製造用炭素材は、フラーレン製造用炭素材120g
から約30g、実施例3のフラーレン製造用炭素材は、
フラーレン製造用炭素材120gから約35g、比較例
1のフラーレン製造用炭素材は、フラーレン製造用炭素
材120gから約23g、比較例2のフラーレン製造用
炭素材は、フラーレン製造用炭素材120gから約25
g、比較例3のフラーレン製造用炭素材は、フラーレン
製造用炭素材120gから約30gであった。また、金
属炭化物の生成の有無についても調査した。これらの結
果を表1にまとめて示す。
【0025】
【表1】
【0026】次に、実施例1及び実施例2のフラーレン
製造用炭素材を電極として用いた時に回収されたススを
ソックスレーを用い、二硫化炭素で約24時間抽出し
た。抽出されたフラーレンの量は、実施例1の抽出液か
らは約3g、実施例2の抽出液からは約4.8gであっ
た。その抽出溶液をレーザー脱離飛行時間型質量分析計
で分析した。
【0027】レーザー脱離飛行時間型質量分析計の分析
結果を図2に示す。
【0028】図2から明らかなように、DyC82、Dy
84、DyC94、Dy282に対する位置にそれぞれ強
いピークが検出されたことから、DyC82、DyC84
DyC94、Dy282の組成を有する炭素クラスターが
生成し、抽出されていることが確認できる。また、レー
ザーによってイオン化してもその組成が壊れないことか
ら、それぞれ、Dyを1個内包したフラーレンDy@C
82、Dy@C84、Dy@C94、Dyを2個内包したDy
2@C82であると推測される。また、かさ密度が低い実
施例1のものほどこれら金属を内包したフラーレンDy
@C82、Dy@C84、Dy@C94、Dy2@C82の強度
が強く、その他のC82、C84、C90といった高次フラー
レンの強度が低くなっていることがわかる。
【0029】図3に、C82、C84、C90といった高次フ
ラーレンを含む抽出された全てのフラーレン中の金属を
内包したフラーレンDy@C82、Dy@C84、Dy@C
94、Dy2@C82の含有割合を示す。また、Dy@
82、Dy2@C82の夫々の相対生成量を示す。図3か
らも明らかなように、かさ密度の低い実施例1のものほ
ど、金属を内包したフラーレンDy@C82、Dy@
84、Dy@C94、Dy2@C82が多く含まれているこ
とが確認できる。
【0030】図4は、実施例3及び比較例1と2の各フ
ラーレン製造用炭素材について、Dyの炭化物化の進行
度合いを示すX線回折結果である。図4(a)は、熱処
理温度が2000℃の実施例3のものであり、図4
(b)は、熱処理温度が1100℃の比較例1のもので
あり、図4(c)は、熱処理温度が2500℃の比較例
2のものである。図4(a)から、2000℃で熱処理
することによって、Dyは、炭素材と反応し、DyC2
を形成していることがわかる。一方、図4(b)では、
Dy23が認められており、はじめに混合した酸化物状
態で存在していることがわかる。また、図4(c)か
ら、比較例2の2500℃で熱処理したものは、DyC
2がほとんど認められない。これは、Dyが、2500
℃の温度域では、炭化物の状態で存在できず、Dyの沸
点である2200℃付近の温度域で昇華したためであ
る。
【0031】図5には、実施例1と実施例3、及び比較
例1のフラーレン製造用炭素材を電極に用いた場合の金
属内包フラーレンの生成量を比較したものである。図5
よりわかるように、Dyが炭化物を形成される1600
℃以上で熱処理した実施例1及び実施例3のものは、炭
化物が形成されていない比較例1のものに比べて格段に
多くの金属内包フラーレンが生成されていることがわか
る。また、図4に示したように、2000℃で熱処理
し、DyC2が形成されて、炭素材中に均一に分散して
いる実施例3のものを使用すると、金属内包フラーレン
生成量が非常に多くなることがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明の高収率金属内包フラーレン製造
用炭素材は、以上のように構成されており、金属炭化物
を含み、かさ密度を1.80g/cm3以下とすること
で、従来の金属内包フラーレン製造用炭素材を使用した
場合に比べて、格段に高い収率で、金属内包フラーレ
ン、特に医療用のMRIの造影剤等に使用される金属内
包フラーレンが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属内包フラーレン製造用の一例であ
るアーク放電装置の概略を示す断面図である。
【図2】回収されたススの抽出溶液のレーザー脱離飛行
時間型質量分析計の分析結果を示す図である。
【図3】抽出された全てのフラーレン中の金属を内包し
たフラーレンDy@C82、Dy@C84、Dy@C94、D
2@C82の含有割合及びDy@C82、Dy2@C82夫々
の相対生成量を示す図である。
【図4】熱処理温度の違う金属内包フラーレン製造用炭
素材のX線回折結果を示し、各熱処理温度におけるDy
の炭化物化を示す図である。(a)は実施例3、(b)
は比較例1、(c)は比較例2の金属内包フラーレン製
造用炭素材の結果を示す図である。
【図5】熱処理温度の違いと金属内包フラーレンの生成
量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 放電チャンバー 2 回収グローボックス 3 陰極電極ブロック 4 陽極電極棒 5 液体窒素トラップ 6 自動送り刷毛 7 回収用グローブ 8 金属内包フラーレン含有スス
フロントページの続き (72)発明者 東城 哲朗 香川県三豊郡大野原町中姫2181−2 東洋 炭素株式会社内 (72)発明者 野呂 今日子 愛知県名古屋市昭和区山里36−15 スター ハイツ山里602号 (72)発明者 篠原 久典 愛知県名古屋市天白区植田本町3−917

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属若しくは金属化合物と、炭素質材と
    の混合物から形成され、金属内包フラーレンの製造に用
    いられる炭素材であって、金属炭化物を含み、かさ密度
    が、1.80g/cm3以下である高収率金属内包フラ
    ーレン製造用炭素材。
  2. 【請求項2】 前記混合物は、前記金属若しくは金属化
    合物が、前記炭素質材100質量部に対して0.2〜2
    0質量部含有されている請求項1に記載の高収率金属内
    包フラーレン製造用炭素材。
  3. 【請求項3】 前記炭素質材は、人造黒鉛粉末100質
    量部にバインダーとして熱硬化性樹脂30〜100質量
    部を加え混合して、焼成してなる黒鉛材である請求項1
    又は2に記載の高収率金属内包フラーレン製造用炭素
    材。
  4. 【請求項4】 炭素質材100質量部に、金属若しくは
    金属化合物の粉末を0.2〜20質量部添加し、混合、
    焼成した混合物であり、不活性ガス雰囲気下で、アーク
    放電の電極若しくはレーザー照射のターゲットとして用
    いられる高収率金属内包フラーレン製造用炭素材。
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