JP2008156169A - 炭化ケイ素顆粒、これを用いた炭化ケイ素焼結体の製造方法および炭化ケイ素焼結体 - Google Patents

炭化ケイ素顆粒、これを用いた炭化ケイ素焼結体の製造方法および炭化ケイ素焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】気孔などの欠陥が少ない炭化ケイ素焼結体の製造が可能な炭化ケイ素顆粒を提供すること。
【解決手段】炭化ケイ素粒子を含み、0.5N/mmの強度で圧縮した際の歪量の平均値が20%以上であることを特徴とする炭化ケイ素顆粒。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭化ケイ素焼結体の製造に用いられる炭化ケイ素顆粒、これを用いた炭化ケイ素焼結体の製造方法および炭化ケイ素焼結体に関するものである。
炭化ケイ素焼結体は、半導体用ウエハーや、スパッタリングターゲット、ヒーターの発熱体などに用いられている。
このような用途に利用される炭化ケイ素焼結体は密度が高いことや、耐プラズマ性を有していることなどが要求され、そのためには、気孔などの欠陥が少ないことが好ましい。
一方、セラミックス焼結体の製造方法としては、粉体流動性に優れた顆粒を用いる方法が一般的に知られている。この方法では、まず、粒径が数μm程度のセラミックス原料粉末(一次粒子)に溶媒やバインダ等を混合して得られたスラリーを、スプレードライヤー(噴霧乾燥機)により噴霧乾燥して、一次粒子の集合体である粒径が数十μmから200μm程度の顆粒を作製する。続いて、この顆粒を成形用金型に充填して、加圧・加熱処理することによりセラミックス焼結体を得る。
このような顆粒を用いたセラミックス焼結体の製造方法においては、気孔の減少などを目的として種々の方法が検討されている。
例えば、スプレードライヤーを利用して得られた顆粒の金型に入れて加圧した予備成形体に加湿処理を施してから、加圧や加熱処理を行って炭化ケイ素焼結体を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、予備成形体中のバインダーが水分を吸収してそのガラス転移温度の低下が生じるため、予備成形体中の顆粒が塑性変形し易くなり静水圧加圧により顆粒同士の密着性が向上するため、焼結体の気孔量を減少させて均質なものとし、機械的特性を向上させることができる。
また、粗大な気孔の発生を抑えて均質な焼結体を得るために、セラミックス成形体に含まれる有機質形成助剤を加熱により除去して得られた成形体に、水を加えて流動性を付与した後に静水圧加圧、乾燥、焼成を行う方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開平8−119751号公報 特開平5−12302号公報
しかし、特許文献1や特許文献2に記載されたような従来の技術では、焼結体の気孔欠陥の発生を十分に抑制できない場合があった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、気孔などの欠陥が少ない炭化ケイ素焼結体の製造が可能な炭化ケイ素顆粒、これを用いた炭化ケイ素焼結体及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、従来の技術では、炭化ケイ素焼結体の気孔欠陥の発生する原因について鋭意検討した。まず、炭化ケイ素焼結体の気孔欠陥を抑制するには、焼結体製造時の加圧圧力を大きくすることが最も簡便であるが、設備などの実用性の観点からは、この方法は現実的ではないため、一般的な焼結体製造条件を前提として検討する必要がある。
一方、一般的な焼結体製造条件を前提とした場合、上述した特許文献1に記載の発明では、予備成形体に予め加湿処理を施すことにより気孔欠陥を抑制しようとしている。しかし、この場合においても気孔欠陥が発生してしまうのは、顆粒を構成する一次粒子同士の結合は加湿処理の影響を受けず、加湿処理前とほぼ同様の状態が維持されると考えられる。
また、特許文献2に記載された発明では、有機質形成助剤を加熱により除去して得られた成形体に水を加えて流動性を付与することにより、気孔欠陥を抑制しようとしている。しかし、この場合においても気孔欠陥が発生してしまうのは、有機質形成助剤を除去するための仮焼き程度の温度では、顆粒の形態が維持されるためであると考えられる。
それゆえ、本発明者は、上記の知見に基づいて気孔欠陥を抑制するには、加圧された際に塑性変形しやすい顆粒を用いることが重要であると考え、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1>
炭化ケイ素粒子を含み、0.5N/mmの強度で圧縮した際の歪量の平均値が20%以上であることを特徴とする炭化ケイ素顆粒である。
<2>
<1>に記載の炭化ケイ素顆粒を加圧および焼結して焼結体を形成する工程を含むことを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法である。
<3>
<1>に記載の炭化ケイ素顆粒を、加圧および焼結する工程を少なくとも経て作製されたことを特徴とする炭化ケイ素焼結体である。
以上に説明したように本発明によれば、気孔などの欠陥が少ない炭化ケイ素焼結体の製造が可能な炭化ケイ素顆粒、これを用いた炭化ケイ素焼結体及びその製造方法を提供することができる。
<炭化ケイ素顆粒>
本発明の炭化ケイ素顆粒は、炭化ケイ素粒子を含み、0.5N/mmの強度で圧縮した際の歪量の平均値が20%以上であることを特徴とする。
従って、本発明の炭化ケイ素顆粒を用いて焼結体を作製すれば、従来の焼結体製造方法を利用した場合と比べて、炭化ケイ素顆粒を用いて同じ条件で炭化ケイ素焼結体を作製しても気孔などの欠陥が少ない炭化ケイ素焼結体を得ることができる。
また、気孔欠陥が少なくなると、気孔部分に起因したプラズマ損傷の加速が抑制されるため、耐プラズマ性が向上するなどの効果も得ることができる。
なお、歪量は、20%以上であることが必要であるが、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。歪量が20%未満では、顆粒に圧力が加わった場合に塑性変形し難くなるため、気孔欠陥の発生を抑制できなくなる。
なお、歪量の上限は特に限定されるものではないが、顆粒自体の強度が低下して取り扱いが困難になったり、顆粒の作製が困難となる場合があるため、実用上は40%以下であることが好ましい。
−歪量の測定方法−
なお、歪量の平均値は、微小圧縮試験機(島津製作所製、MCFW)を用いて、10個の顆粒粒子について得られた歪量の平均値として求めた。ここで、本発明において歪量とは、「100×圧子により圧縮された後の顆粒の鉛直方向の粒径/圧子により圧縮される前の顆粒の鉛直方向の粒径(%)」を意味する。
また、微小圧縮試験機による測定は、温度25℃、湿度70RH%の環境下に1時間放置した顆粒を、強度:0.5N/mmにて顆粒が破壊されるまで圧縮することにより実施した。
−炭化ケイ素顆粒の平均粒径−
炭化ケイ素顆粒の平均粒径としては50μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましく、50μm以上200μm以下の範囲内であることがより好ましい。平均粒径が50μm未満では、顆粒の流動性が低くなるために、焼結体を形成するために成形型に顆粒を充填しても充填率が低下するため、気孔欠陥が発生しやすくなる場合がある。また、平均粒径が200μmを超えると、成形型に充填された顆粒同士の隙間が大きくなるために、得られる炭化ケイ素焼結体に気孔欠陥が発生しやすくなる場合がある。
−炭化ケイ素顆粒の製造方法−
炭化ケイ素顆粒の製造方法としては歪量の平均値を20%以上に制御できるのであれば特に限定されるものではない。しかし、従来のように顆粒作製用のスラリーをスプレードライにより霧状となったスラリー液滴を加熱により顆粒化する方法では、顆粒化に際して120℃程度の高温で液滴が極めて短時間の内に加熱されるため一次粒子同士の結合力が強くなり、圧縮しても顆粒の塑性変形が起こりにくくなる。
このため、本発明の炭化ケイ素顆粒は、炭化ケイ素粒子と焼結助剤とバインダーと溶媒とを混合して得られた原料スラリーから、溶媒を揮発させて乾燥させ固化物を得る固化工程と、この固化物を粉砕して粉砕物を得る解砕工程とを少なくとも経て製造されることが好ましい。なお、粉砕物中に含まれる粗大粒子を除去するために、通常は、解砕工程後に、粉砕物を篩により分級する分級工程を実施することが特に好ましい。
ここで、固化工程は、炭化ケイ素顆粒を構成する炭化ケイ素粒子(一次粒子)同士の結合を緩やかな状態とするために、基本的に溶媒のみを揮発させ、焼結助剤やバインダーが化学的に何等の変性(例えば、バインダーが加熱により架橋する場合は架橋が起こらない温度)も起こさない温度域で実施されることが特に好ましい。
このような温度域としては、使用する溶媒の揮発温度・揮発速度や、焼結助剤やバインダーが変性し始める温度に応じて適宜選択されるが、一般的には室温(20℃)以上80℃以下の範囲内であることが好ましく、50℃以上70℃以下の範囲内であることがより好ましい。20℃以下では、溶媒の揮発に時間がかかり過ぎる場合があり、80℃以上では焼結助剤やバインダーなどの化学的な変性が発生して炭化ケイ素粒子同士の結合が強くなり、炭化ケイ素顆粒が塑性変形し難しくなるため、気孔欠陥の発生を抑制できなくなる場合がある。
また、固化工程に要する時間は、処理温度や、溶媒の沸点、スラリー中の溶媒含有量などにも依存するが、3時間以上10時間以下の範囲内が好ましく、5時間以上8時間以下の範囲内が好ましい。3時間未満では、高温で処理する必要があるため、焼結助剤やバインダーなどの化学的な変性が発生して炭化ケイ素粒子同士の結合が強くなり、顆粒が塑性変形し難しくなるため、気孔欠陥の発生を抑制できなくなる場合がある。また、10時間以上では、時間がかかり過ぎるため顆粒やこれを用いた焼結体の生産性が低下してしまう場合がある。
また、固化工程は、得られる固化物中に残留する溶媒含有量が5重量%以下となるように実施することが好ましく、3重量%以下となるように実施することがより好ましい。固化物中に残留する溶媒含有量が5重量%以上では、解砕工程において固化物の脆性破壊が起こりにくくなるため、十分な解砕ができなくなる場合がある。
解砕工程では、公知の粉砕方法であれば特に制限なく利用でき、例えば、ボールミル、乳鉢などが利用できる。
分級工程では、顆粒の粒度分布を狭くするために、篩を利用して粉砕物中に含まれる粗大粒子や微小粒子を除去する。篩の目開きとしては、粉砕工程で得られた粉砕物にも依存するが、例えば、粗大粒子の除去を目的とする場合は200μm以上であることが好ましく、微小粒子の除去を目的とする場合は50μm以下であることが好ましい。
次に、本発明の炭化ケイ素顆粒の作製に用いられる原料について説明する。
−炭化ケイ素粒子(一次粒子)−
炭化ケイ素粒子としては、公知の方法により作製された粒径が数μm前後のものであれば特に限定されず、α型、β型、非晶質、あるいはこれらの混合物等を広く用いることができ、市販品を用いてもよい。中でもβ型炭化ケイ素粒子が好適に用いられる。
なお、炭化ケイ素粒子の平均粒径としては、具体的には、0.5μm以上5μm以下の範囲が好ましく、1μm以上3μm以下の範囲がより好ましい。平均粒径が0.5μm未満であると、計量、混合等の処理工程における取り扱いが困難となり、一方、5μmを超えると、粉体の比表面積、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さくなり、高密度化が困難となる場合がある。
また、得られる炭化ケイ素焼結体の純度を高くする観点からは、使用する炭化ケイ素粒子の純度は高い方が好ましい。
高純度の炭化ケイ素粒子は、例えば、ケイ素化合物(以下「ケイ素源」という場合がある。)と、加熱により炭素を発生する有機材料と、Z重合触媒または架橋触媒とを混合し、得られた固形物を非酸化性雰囲気中で焼成することにより製造することができる。
ケイ素源としては、液状、および固体状の化合物を広く用いることができるが、少なくとも液状の化合物を1種以上用いる。液状のケイ素源としては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)の重合体等が挙げられる。アルコキシシランの重合体の中では、テトラアルコキシシランの重合体が好適に用いられる。具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロピロキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシランが好ましい。テトラアルコキシシラン重合体の重合度は2〜15程度であると液状の低分子量重合体(オリゴマー)となる。その他、重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものもある。
液状のケイ素源と併用可能な固体状のケイ素源としては、炭化ケイ素が挙げられる。ここにいう炭化ケイ素には、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2 )の他、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液であって、コロイド分子内にOH基やアルコキシ基を含有するもの)、微細シリカ、石英粉体等も含まれる。
これらのケイ素源の中でも、均質性やハンドリング性が良好であるテトラアルコキシシランのオリゴマー、またはテトラアルコキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好ましい。また、これらのケイ素源は高純度であることが好ましく、具体的には初期の不純物含有量が20ppm以下であるのが好ましく、5ppm以下であるのがさらに好ましい。
加熱により炭素を生成する有機材料としては、液状のものの他、液状のものと固体状のものを併用することもできる。残炭率が高く、かつ触媒あるいは加熱により重合または架橋する有機材料が好ましい。具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等のモノマー、およびプレポリマーが好ましい。その他、セルロース、しょ糖、ピッチ、タール等の液状物も用いられる。中でもレゾール型フェノール樹脂が、熱分解性および純度の点で好ましい。有機材料の純度は、目的に応じて適宜、制御すればよい。特に高純度の炭化ケイ素粒子が必要な場合は、不純物元素の含有量が各々5ppm未満である有機材料を用いるのが好ましい。
ケイ素源と有機材料との配合比率は、炭素とケイ素とのモル比(以下「C/Si」と略記する。)を目安に好ましい範囲をあらかじめ決定することができる。ここにいうC/Siとは、ケイ素源と有機材料との混合物を1000℃にて炭化した炭化ケイ素中間体を元素分析し、その分析値より得られるC/Siである。炭素は、以下の反応式(I)で表わされるように、酸化ケイ素と反応し、炭化ケイ素に変化する。
・式(I) SiO2 + 3C → SiC + 2CO
従って、化学量論的には、C/Siが3.0であると、炭化ケイ素中間体中の遊離炭素は0%になるが、実際にはSiOガス等が揮散するため、C/Siがより低い値であっても遊離炭素が発生する。遊離炭素は粒成長を抑制する効果を有するので、目的とする粉末粒子の粒径に応じて、C/Siを決定し、その比となるようにケイ素源と有機材料とを配合すればよい。
例えば、約1気圧、1600℃以上で、ケイ素源と有機材料との混合物を焼成する場合、C/Siが2.0〜2.5の範囲になるように配合すると、遊離炭素の発生を抑制することができる。同条件で、C/Siが2.5を超えるように配合すると、遊離炭素の発生が顕著となり、粒径の小さな炭化ケイ素粒子が得られる。このように、目的に応じて、配合比率を適宜決定することができる。
また、炭化ケイ素粒子に含まれる不純物炭素は、30重量%以上40重量%以下であるのが好ましい。炭化ケイ素(SiC)の炭素含有量は理論的には30重量%であるが、非炭素系不純物を含有する場合は30重量%より減少し、炭素系不純物を含有する場合は30重量%より増加する。前記のように有機材料を添加し、焼成することにより得られた炭化ケイ素粒子は、炭素系不純物を含有するので、炭素の含有量は30重量%より大きくなる。従って、炭化ケイ素粒子中の炭素含有量が30重量%未満であると、非炭素系不純物の割合が高いこととなり、純度の点で好ましくない。一方、40重量%を超えると、得られる炭化ケイ素焼結体の密度が低下し、強度、耐酸化性等の点で好ましくない。
ケイ素源と有機材料との混合物を硬化させ、固形物にすることもできる。硬化の方法としては、加熱による架橋反応を利用する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線を利用する方法等がある。用いる硬化触媒は、用いる有機材料に応じて適宜選択できるが、フェノール樹脂、フラン樹脂を有機材料に用いた場合は、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、蓚酸、塩酸、硫酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類等が挙げられる。
ケイ素源と有機材料とを含有する固形物は、必要に応じ加熱炭化される。炭化は、窒素またはアルゴン等の非酸化性雰囲気中800℃〜1000℃にて30〜120分間加熱することにより行われる。さらに、非酸化性雰囲気中1350℃〜2000℃で加熱すると炭化ケイ素が生成する。焼成温度と焼成時間は、得られる炭化ケイ素粒子の粒径等に影響するので、適宜決定すればよいが、1600〜1900℃で焼成すると効率的で好ましい。
以上に説明した高純度の炭化ケイ素粒子を得る方法は、特開平9−48605号公報に、より詳細に記載されている。
−焼結助剤−
焼結助剤としては、公知の焼結助剤が利用でき、金属系焼結助剤としては、例えば、アルミナ、イットリア等が挙げられ、非金属系焼結助剤としては、例えば、コールタールピッチ、ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂の他、各種糖類、例えば、グルコース等の単糖類、しょ糖等の小糖類、セルロース、でんぷん等の多糖類等が挙げられる。また、焼結助剤は2種類以上を組み合わせて用いてもよく、非金属系焼結助剤を用いる場合は、バインダーの機能を兼ねるものであってもよい。なお、高純度の炭化ケイ素焼結体を作製したい場合は、非金属系焼結助剤のみを用いる。
これらの焼結助剤の中でも、本発明では、高密度な炭化ケイ素焼結体が得られることや、バインダーの機能も有することから、フェノール樹脂を用いることが好ましく、特にレゾール型のフェノール樹脂がより好ましい。
−バインダー−
バインダーとしては、公知のバインダーが利用でき、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
−溶媒−
溶媒としては、炭化ケイ素粒子、焼結助剤、バインダーを分散・溶解させることができるものであれば公知の溶媒から適宜選択して利用できるが、固化工程において、効率的に溶媒を揮発させると共に、常温での取り扱いを容易とする観点からは、沸点が60℃以上150℃以下である溶媒を用いることが好ましい。
例えば、焼結助剤としてフェノール樹脂を用いる場合は、エチルアルコール等の低級アルコール類、アセトン等を選択することができる。
なお、以上に説明した4種類の成分以外にも、例えば、必要に応じて分散剤を利用してもよい。
−原料スラリー−
炭化ケイ素顆粒の製造に用いられる原料スラリー中の各成分の含有量については、特に限定されるものではないが、炭化ケイ素粒子の含有量が40重量%以上75重量%以下の範囲内が好ましく、50重量%以上70重量%以下の範囲内がより好ましい。
また、焼結助剤の含有量が9重量%以上14重量%以下の範囲内が好ましく、10重量%以上12重量%以下の範囲内がより好ましい。また、バインダーの含有量は、1重量%以上5重量%以下の範囲内が好ましく、2重量%以上3重量%以下の範囲内がより好ましい。
但し、フェノール樹脂等のように焼結助剤がバインダーの機能も兼ねる場合には、バインダー成分は不要である。
また、溶媒の含有量は25重量%以上50重量%以下の範囲内が好ましく、28重量%以上38重量%以下の範囲内がより好ましい。
また、原料スラリーの調製に際しては、炭化ケイ素粒子と焼結助剤とバインダーと溶媒とを公知の混合方法、例えば、ミキサー、遊星ボールミル等を用いて混合することができる。混合に使用する器具は、金属元素不純物の混入を防止するため、合成樹脂素材のものを用いるのが好ましい。また、混合は10〜30時間程度、特に16〜24時間程度行い、十分に混合するのが好ましい。
<炭化ケイ素焼結体およびその製造方法>
本発明の炭化ケイ素焼結体は、本発明の炭化ケイ素顆粒を、加圧および焼結する工程を少なくとも経て作製される。なお、加圧と焼結とはホットプレス法のように同時に実施することもできるが、別々に実施する場合は加圧を実施してから焼結を実施する。また、より気孔を少なくし高密度な炭化ケイ素焼結体を得るためにはホットプレス法を利用することがこのましい。
炭化ケイ素焼結体の作製に際しては、通常、加圧に先立ち、炭化ケイ素顆粒を成形金型中に配置する。成形金型を構成する材料は特に限定されるものではないが、炭化ケイ素焼結体中への金属不純物の混入を防止する観点からは、黒鉛製の成形金型を用いることが好ましい。なお、金属製の成形金型であっても、原料粉体と金型の金属部とが直接接触しないように、接触部を黒鉛製とするか、または接触部にテフロン(登録商標)シートを介在させれば、好適に使用できる。特に、高純度の炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、金型、および炉内の断熱材等には高純度の黒鉛材料を用いるのが好ましい。具体的には、2500℃以上の温度で、あらかじめ十分にベーキング処理され、高温使用しても不純物の発生がない黒鉛材料等が挙げられる。
次に、炭化ケイ素焼結体の製造方法の一例としてホットプレス法を利用した場合について説明する。
この場合、成形金型中に配置された原料粉体(炭化ケイ素顆粒)は、ホットプレス加工を施される。ホットプレスの圧力については特に制約はないが、例えば、300〜700kgf/cm2 の範囲が好ましい。但し、400kgf/cm2 以上で加圧する場合は、ホットプレス用の部品、例えば、ダイス、パンチ等は耐圧性に優れたものを用いることが好ましい。
ホットプレス時の加工温度としては、2000℃〜2400℃の範囲内が好適であり、このホットプレス加工温度までの昇温は穏やかに、かつ段階的に行うのが好ましい。このように昇温すると、各々の温度で生じる化学変化、状態変化等を十分に進行させることができ、その結果、不純物混入や亀裂および空孔の発生を防止することができる。
好ましい昇温工程の一例を以下に示す。
まず、5〜10gの原料粉体をいれた成形金型を炉内に配置し、炉内を40Paの真空状態にする。室温から200℃まで穏やかに昇温し、約30分間200℃に保つ。その後、700℃まで6〜10時間で昇温し、2〜5時間700℃に保つ。室温から700℃までの昇温工程で、吸着水分や溶媒の脱離が起こり、また、非金属系焼結助剤を用いている場合はその炭化も進行する。温度を一定値に保持する保持時間は、炭化ケイ素焼結体のサイズによって異なり、適宜好適な時間に設定すればよい。また、保持時間が十分であるか否かの判断は、真空度の低下がある程度少なくなる時点を目安にすることができる。
次に、700℃〜1500℃まで6〜9時間で昇温し、1〜5時間程1500℃に保持することができる。
ここで、炭化ケイ素粒子を作製する際のケイ素源として、ケイ素酸化物を利用している場合には、1500℃に保持している間、酸化ケイ素が還元され炭化ケイ素に変化する反応が進行する(既述した式(I)参照)。保持時間が不十分であると、二酸化ケイ素が残留し、炭化ケイ素粒子表面に付着するので、粒子の緻密化を妨げ、大粒の成長原因となる場合がある。保持時間が十分であるか否かの判断は、副生成物である一酸化炭素の発生が停止しているかを目安に、即ち、真空度の低下がおさまり、還元反応開始温度である1300℃の真空度まで回復しているかを目安にすることができる。
ホットプレスは、焼結が開始する1500℃程度まで炉内を昇温し、次に炉内を非酸化性雰囲気とするために、不活性ガスを充填した後行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、あるいはアルゴンガス等が用いられるが、高温においても非反応性であるアルゴンガスを用いるのが好ましい。高純度の炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、不活性ガスも高純度のものを用いることが好適である。
炉内を非酸化性雰囲気とした後、温度が2000℃〜2400℃、圧力が300〜700kgf/cm2 となるように炉内を加熱および加圧する。最高温度が2000℃未満であると、高密度化が不十分となる場合がある。一方、最高温度が2400℃を超えると、粉体もしく原料が昇華(分解)する場合がある。1500℃近傍〜最高温度までの昇温は2〜4時間かけて行い、最高温度で1〜3時間保持するのが好ましい。1850〜1900℃で焼結は急速に進行し、最高温度保持時間中に焼結が完了する。
なお、加圧条件が、300kgf/cm2 未満であると高密度化が不十分となる場合があり、700kgf/cm2 を超えると黒鉛製の成形金型が破損する場合がある。また、圧力は異常粒が成長するのを抑えるために、300kgf/cm2 〜700kgf/cm2 程度の範囲内とすることが好ましい。
本発明の炭化ケイ素焼結体の密度や気孔率としては特に限定されるものではないが、密度が2.9g/cm3 以上、気孔率が1%以下であることが好ましく、密度が3.0g/cm3 以上、気孔率が0.8%以下であることが特に好ましい。高密度化された炭化ケイ素焼結体を用いると、得られる炭化ケイ素焼結体の曲げ強度、破壊強度等の力学的特性、および電気的物性が向上する。また、高密度化された炭化ケイ素焼結体を用いると、構成粒子が小粒化されているので汚染性の点でも好ましい。
なお、ホットプレス法を利用する場合において炭化ケイ素焼結体を高密度化する方法として、焼結工程に先立って予め成形工程を実施する方法がある。この成形工程は、焼結工程と比較して低温低圧で行われるものである。この焼結工程を実施すると、嵩のある粉体を予めコンパクト(小容量化)にできるので、この工程を何度も繰り返すことによって、大型の成形体が製造しやすくなる。
焼結工程に先立って予め実施される成形工程の諸条件の一例を以下に示す。
原料粉体を成形金型内に配置し、温度80℃〜300℃、好ましくは120℃〜140℃、圧力50kgf/cm2 〜100kgf/cm2 で5〜60分間、好ましくは20〜40分間プレスし、成形体を得る。
加熱温度は使用した焼結助剤の特性に応じて、適宜決定すればよい。得られる成形体の密度は、例えば、平均粒径1μm程度の炭化ケイ素顆粒を用いた場合は1.8g/cm2 以上となるように、また、平均粒径0.5μm程度の炭化ケイ素顆粒を用いた場合は1.5g/cm2 となるようにプレスするのが好ましい。用いる成形体の密度がこの範囲であると、炭化ケイ素焼結体の高密度化が容易となるので好ましい。
得られた成形体が焼結工程に用いる成形金型に適合するように、成形体に切削加工を施してもよい。
本発明の炭化ケイ素焼結体中の不純物元素(1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の元素周期表において、C、N、O、Siを除く、原子番号3以上の元素)の総含有量は5ppm以下が好ましく、3ppm以下がより好ましく、特に好ましくは1ppm以下である。5ppm以下とすることにより、高い清浄度が要求されるプロセス、例えば、半導体製造プロセス等にも使用し得る。
また、炭化ケイ素焼結体の不純物元素含有量を減少させるには、用いる原料(例えば、炭化ケイ素粒子と非金属系焼結助剤)、および不活性ガスに含まれる不純物元素含有量を1ppm以下にしたり、焼結時間、温度等、焼結の諸条件を調整して不純物を除去する方法等が挙げられる。尚、ここでいう不純物元素とは、前記と同様であり、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における、原子番号3以上(但し、C、N、O、Si、を除く。)の元素をいう。
本発明における炭化ケイ素焼結体の、その他の物性値は、室温における曲げ強度550〜800kgf/mm2 、ヤング率3.5×104 〜4.5×104 、ビッカース硬度550〜800kgf/mm2 、ポアソン比0.14〜0.21、熱膨張係数3.8×10-6〜4.2×10-6l/℃、熱伝導率150W/m・K以上、比熱0.15〜0.18cal/g・℃、耐熱衝撃性500〜700ΔT℃、比抵抗1Ω・cmであると、得られる炭化ケイ素焼結体の諸特性が良好となるので好ましい。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
−炭化ケイ素粒子の作製−
実施例および比較例で、炭化ケイ素顆粒の作製に用いた炭化ケイ素粒子は、以下のように作製した。
まず。SiO2 含有量40%のエチルシリケート(エアウォータ−(株)社製、エチルシリケート40)1700gと含水率20%の液体レゾール型フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101)762.5gとを混合し、触媒としてp−トルエンスルホン酸の28重量%水溶液342.5gを加えて硬化乾燥させ、均質な樹脂状固形物を得た。これを窒素雰囲気下で900℃、1時間炭化した。得られた炭化物のC/Si比は元素分析の結果2.40であった。
この炭化物中間体1000gを炭素製容器に入れ、アルゴン雰囲気下で1750℃まで上昇し、30分間保管した後、1850℃まで昇温し、1時間保持した。得られた粉体は黄緑色で、平均粒径は25μmであった。
(実施例1)
−炭化ケイ素顆粒の作製−
・炭化ケイ素粒子:89.5重量部
・フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101):10.5重量部
・エタノール:60重量部
上記成分をボールミルで16時間混合して原料スラリー160gを調整し、この原料スラリーを500mlのビーカーに入れて40℃で8時間加熱して固化物を得た。
続いて、この固化物をメノウ製乳鉢により粉砕した後、目開き200μmの篩と目開き50μmの篩とを用いて分級し、炭化ケイ素顆粒を得た。
この炭化ケイ素顆粒の平均粒径は170μmであり、歪量の平均値は23%であった。
−炭化ケイ素焼結体の作製−
続いて、得られた炭化ケイ素顆粒をカーボン製の黒鉛成形型に充填し、Ar雰囲気中にて、500kg/cmの圧力下で2300℃で4時間加熱加圧処理し、直径30mm、厚み5mmの炭化ケイ素焼結体を得た。
(実施例2)
炭化ケイ素顆粒として以下に示す手順で作製したものを用いた以外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
−炭化ケイ素顆粒の作製−
・炭化ケイ素粒子:89.5重量部
・フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101):10.5重量部
・エタノール:60重量部
上記成分をボールミルで16時間混合して原料スラリー160gを調整し、この原料スラリーを500mlのビーカーに入れて40℃で6時間加熱して固化物を得た。
続いて、この固化物をメノウ製乳鉢により粉砕した後、目開き200μmの篩と目開き50μmの篩とを用いて分級し、炭化ケイ素顆粒を得た。
この炭化ケイ素顆粒の平均粒径は180μmであり、歪量の平均値は30%であった。
(実施例3)
炭化ケイ素顆粒として以下に示す手順で作製したものを用いた以外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
−炭化ケイ素顆粒の作製−
・炭化ケイ素粒子:89.5重量部
・フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101):10.5重量部
・エタノール:60重量部
上記成分をボールミルで16時間混合して原料スラリー160gを調整し、この原料スラリーを500mlのビーカーに入れて30℃で8時間加熱して固化物を得た。
続いて、この固化物をメノウ製乳鉢により粉砕した後、目開き200μmの篩と目開き50μmの篩とを用いて分級し、炭化ケイ素顆粒を得た。
この炭化ケイ素顆粒の平均粒径は185μmであり、歪量の平均値は37%であった。
(比較例1)
炭化ケイ素顆粒として以下に示す手順で作製したものを用いた以外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
−炭化ケイ素顆粒の作製−
・炭化ケイ素粒子:89.5重量部
・フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101):10.5重量部
・エタノール:60重量部
上記成分をボールミルで16時間混合して原料スラリー160gを調整し、この原料スラリーを500mlのビーカーに入れて100℃で3時間加熱して固化物を得た。
続いて、この固化物をメノウ製乳鉢により粉砕した後、目開き200μmの篩と目開き50μmの篩とを用いて分級し、炭化ケイ素顆粒を得た。
この炭化ケイ素顆粒の平均粒径は160μmであり、歪量の平均値は15%であった。
(比較例2)
炭化ケイ素顆粒として以下に示す手順で作製したものを用いた以外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
−炭化ケイ素顆粒の作製−
・炭化ケイ素粒子:89.5重量部
・フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101):10.5重量部
・エタノール:70重量部
上記成分をボールミルで16時間混合して原料スラリー10000gを調整した。続いて、この原料スラリーを120℃で噴霧乾燥することにより粉体を得た。
次に、得られた粉体を目開き200μmの篩と目開き50μmの篩とを用いて分級し、炭化ケイ素顆粒を得た。
この炭化ケイ素顆粒の平均粒径は165μmであり、歪量の平均値は2%であった。
(比較例3)
炭化ケイ素顆粒として以下に示す手順で作製したものを用いた以外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
−炭化ケイ素顆粒の作製−
・炭化ケイ素粒子:88重量部
・フェノール樹脂(コルコート(株)社製、高純度フェノール樹脂SR−1 101):12重量部
・エタノール:70重量部
上記成分をボールミルで16時間混合して原料スラリー10000gを調整した。続いて、この原料スラリーを120℃で噴霧乾燥することにより粉体を得た。
次に、得られた粉体を目開き200μmの篩と目開き50μmの篩とを用いて分級し、炭化ケイ素顆粒を得た。
この炭化ケイ素顆粒の平均粒径は160μmであり、歪量の平均値は2%であった。
−評価−
得られた炭化ケイ素焼結体については、アルキメデス法によるかさ密度の測定、プラズマ損傷を評価すると共に、光学顕微鏡による組織観察を行った。
なお、プラズマ損傷は、プラズマ発生装置(日本スピンドル製、プラズマ発生装置500)内に炭化ケイ素焼結体を設置し、CF流量100sccm、O流量100sccm、圧力50Paとした雰囲気下で、500Wで1時間プラズマ処理し、この際に炭化ケイ素焼結体がプラズマに暴露された領域の単位面積当たりの重量減少量を測定することにより評価した。結果を表1に示す。
また、光学顕微鏡による組織観察として、かさ密度が同程度の実施例1の炭化ケイ素焼結体および比較例1の炭化ケイ素焼結体の光学顕微鏡写真を各々図1、図2に示す。
図1、図2の比較から明らかなようにかさ密度が同程度であれば、本発明の炭化ケイ素顆粒を用いて作製された炭化ケイ素焼結体の方が、炭化ケイ素顆粒粒子同士の界面に起因する気孔欠陥が少なく、緻密な組織構造を有していることがわかる。
また、図3は、かさ密度に対するプラズマ損傷の変化を示すグラフであり、図中、「○」は実施例の結果を、「■」は比較例の結果を示したものである。図3から明らかなように、かさ密度が同程度であれば、本発明の顆粒を用いて作製された実施例の炭化ケイ素焼結体の方がプラズマ損傷がより小さくなっていることが判る。
実施例1の炭化ケイ素焼結体の光学顕微鏡写真である。 比較例1の炭化ケイ素焼結体の光学顕微鏡写真である。 かさ密度に対するプラズマ損傷の変化を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 炭化ケイ素粒子を含み、0.5N/mmの強度で圧縮した際の歪量の平均値が20%以上であることを特徴とする炭化ケイ素顆粒。
  2. 請求項1に記載の炭化ケイ素顆粒を加圧および焼結して焼結体を形成する工程を含むことを特徴とする炭化ケイ素焼結体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の炭化ケイ素顆粒を、加圧および焼結する工程を少なくとも経て作製されたことを特徴とする炭化ケイ素焼結体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014108900A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Taiheiyo Cement Corp 炭化珪素焼結体およびその製造方法
JP2019039070A (ja) * 2017-08-22 2019-03-14 三菱マテリアル株式会社 SiCスパッタリングターゲット
CN115956064A (zh) * 2020-09-07 2023-04-11 日本碍子株式会社 耐火材料

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