JP2001257423A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JP2001257423A
JP2001257423A JP2000066800A JP2000066800A JP2001257423A JP 2001257423 A JP2001257423 A JP 2001257423A JP 2000066800 A JP2000066800 A JP 2000066800A JP 2000066800 A JP2000066800 A JP 2000066800A JP 2001257423 A JP2001257423 A JP 2001257423A
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ohmic electrode
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JP2000066800A
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Hideyoshi Horie
秀善 堀江
Hirotaka Oota
弘貴 太田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な方法で半導体レーザの端面近傍の劣化
を抑制し、結果として高出力動作時においても高い信頼
性が確保されている半導体レーザを提供すること。 【解決手段】 第1導電型半導体基板、該基板の一方の
面上に接するように形成された第1導電型用オーム性電
極、該基板の反対の面上に形成された少なくとも第1導
電型クラッド層、活性層、第2導電型クラッド層および
第2導電型コンタクト層を含むエピタキシャル層、およ
び該第2導電型コンタクト層の上に接するように形成さ
れた第2導電型用オーム性電極を有する半導体レーザで
あって、少なくとも一方のレーザ端面において前記第1
導電型用オーム性電極は前記第1導電型基板に接してい
ないこと、および、少なくとも一方のレーザ端面におい
て前記第2導電型オーム性電極は前記第2導電型コンタ
クト層に接していないことを特徴とする半導体レーザ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザに関す
るものである。本発明の半導体レーザは、特に光ファイ
バー増幅器用の励起光源等のように高出力かつ長寿命で
あることが要求される用途に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近年における光情報処理技術、光通信技
術の進展は目覚ましい。例えば、光磁気ディスクによる
高密度記録、光ファイバーネットワークによる双方向通
信と枚挙に暇がない。特に通信分野においては、今後の
マルチメディア時代に本格的に対応する大容量の光ファ
イバー伝送路とともに、その伝送方式に対する柔軟性を
持つ信号増幅用のアンプとして、Er3+等の希土類をド
ープした光ファイバー増幅器(EDFA)の研究が各方
面で盛んに行われている。そして、EDFAのコンポー
ネントとして不可欠な要素である高出力で長寿命の半導
体レーザの開発が待たれている。
【0003】EDFA応用に供することのできる半導体
レーザの発振波長は原理的に3種類存在し、800n
m、980nm、1480nmである。このうち増幅器
そのものの側から見れば980nmでの励起が、利得、
ノイズ等を考慮すると最も望ましいことが知られてい
る。この980nmの発振波長を有するレーザは光ファ
イバーと結合させ利用するため、出射されるレーザ光
は、その横モードが注入電流、温度、ファイバー端面か
らの戻り光等によらずに安定していることが望まれる。
さらに、励起光源であることから、高出力、長寿命であ
ることが併せて期待されている。さらこの近傍の波長で
はSHG光源としての要求もあり、その他種々の応用面
においても高性能のレーザの開発が待たれている。
【0004】しかしながら、従来報告されている980
nm近傍の波長を有する高出力半導体レーザ、とくに、
前記の様なEDFAの励起光源であって単一横モードで
の動作を前提とするレーザにおいては、その端面近傍の
劣化が、大きな問題となっている。これは非常に高い光
密度にレーザ光の出射端面がさらされることが原因の一
つである。GaAs/AlGaAs系半導体レーザでも
よく知られているように、端面近傍には多数の表面準位
が存在するが、これらの準位は非発光再結合中心として
作用する。このため、端面付近で吸収された光はその近
傍の発熱をもたらすこととなる。このため、一般的に端
面近傍の温度はレーザ内部の温度よりも高くなる。さら
に、この温度上昇が端面近傍のバンドギャップを狭く
し、よりレーザ光を吸収しやすくするといった正帰還が
おきると説明されている。この現象は瞬時に大電流を流
した際に観測される端面破壊いわゆるCOD(Catastro
phicOptical Damage)として知られ、また長期に通電試
験した際のCODレベルの低下に伴う素子の突然劣化、
あるいは突然死としても観測される。
【0005】これらの問題を解消するために、これまで
にも種々の提案がなされている。例えばレーザ端面上に
発振波長に対して透明な半導体材料をエピタキシャル成
長させ、端面近傍での光吸収を低減する方法がある。し
かしこの手法では、レーザをいわゆるバーの状態にして
端面へエピタキシャル成長を行うために、この後に行う
電極工程が非常に煩雑なものとなってしまう。
【0006】また、ZnあるいはSi等をレーザの端面
近傍の活性層に不純物として意図的に熱拡散またはイオ
ン打ち込みさせることによって活性層を無秩序化させる
方法も種々提案されている(特開平2−45992号公
報、特開平3−31083号公報、特開平6−3029
06号公報)。しかし、一般にLD製造工程で行われる
不純物拡散はレーザ素子のエピタキシャル方向から第1
導電型基板方向に向かって行われるため、拡散深さの制
御や、共振器方向などの様な意図しない方向への拡散の
制御に問題があり、安定した作製は難しい。また、イオ
ン打ち込みの場合には高エネルギーのイオンが端面から
導入されるため、たとえアニール処理を施したとしても
LD端面にダメージが残存しがちである。また不純物導
入を行った領域での抵抗の低下に伴う無効電流の増加は
レーザのしきい値電流や駆動電流を増加させる等の問題
がある。このように、これまでに提案された半導体発光
素子およびその製造方法はいずれも技術的に満足しうる
ものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの従来
技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち本
発明は、簡便な方法で半導体レーザの端面近傍の劣化を
抑制し、結果として高出力動作時においても高い信頼性
が確保されている半導体レーザを提供することを解決す
べき課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの課題
を解決すべく鋭意検討を進めた結果、第1導電型半導体
基板、該基板の一方の面上に接するように形成された第
1導電型用オーム性電極、該基板の反対の面上に形成さ
れた少なくとも第1導電型クラッド層、活性層、第2導
電型クラッド層および第2導電型コンタクト層を含むエ
ピタキシャル層、および該第2導電型コンタクト層の上
に接するように形成された第2導電型用オーム性電極を
有する半導体レーザであって、少なくとも一方のレーザ
端面において前記第1導電型用オーム性電極は前記第1
導電型基板に接していないこと、および、少なくとも一
方のレーザ端面において前記第2導電型オーム性電極は
前記第2導電型コンタクト層に接していないことを特徴
とする本発明の半導体レーザによって課題を解決しうる
ことを見出した。
【0009】本発明の半導体レーザにおいて、第1導電
型用オーム性電極が第1導電型基板に接している領域と
レーザ端面との距離をRn(μm)とし、第2導電型用
オーム性電極が第2導電型コンタクト層に接している領
域とレーザ端面との距離をRp(μm)とし、半導体レ
ーザの共振器長をLc(μm)とし、第1導電型クラッ
ド層の厚みをTclad1(μm)とし、第2導電型クラッ
ド層の厚みをTclad2(μm)とし、第2導電型コンタ
クト層の厚みをTcont2(μm)としたとき、以下の
(式1)〜(式4)の条件を満足することが好ましい。
【数5】 Rp ≦ Rn (式1) 0.02 x Lc ≦ Rp (式2) 5 x (Tclad2 +Tcont2 ) ≦ Rp (式3) 20 x Tclad1 ≦ Rn (式4)
【0010】本発明の半導体レーザの好ましい態様とし
て、第1導電型半導体基板上であって第1導電型用オー
ム性電極が形成されていない部分の好ましくは全面に、
第1ショットキー性電極が接するように形成されている
態様;第2導電型コンタクト層と第2導電型用オーム性
電極の間に開口部を有する電流狭窄層(好ましくはSi
Nx、SiOxまたはAlOxを含む誘電体膜)が形成
されており、該開口部において第2導電型コンタクト層
と第2導電型用オーム性電極が接する態様;第1導電型
がn型であり、第2導電型がp型である態様;活性層が
量子井戸構造を含む態様;半導体レーザの発振波長が9
00〜1200nmである態様;基板がGaAs第1導
電型基板であって、活性層がアンドープInxGa1x
As(0<x<1)歪量子井戸を含み、光ガイド層を有
する態様;光ガイド層にn型の不純物、好ましくはSi
が含まれている態様;光ガイド層がGaAsである態様
を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の半導体レ
ーザの好ましい構成例およびその製造法について具体的
に説明する。本発明の半導体レーザは、第1導電型半導
体基板、該基板の一方の面上に接するように形成された
第1導電型用オーム性電極、該基板の反対の面上に形成
された少なくとも第1導電型クラッド層、活性層、第2
導電型クラッド層および第2導電型コンタクト層を含む
エピタキシャル層、および該第2導電型コンタクト層の
上に接するように形成された第2導電型用オーム性電極
を少なくとも有する。本発明の半導体レーザの特徴は、
少なくとも一方の端面において、上記RnとRpがいず
れも0ではない点にある。
【0012】このような本発明の半導体レーザの構造的
特徴を、図1および図2に示す本発明の具体的態様を参
照しながら説明する。この半導体レーザの態様では、図
2の断面図に示すように半導体ウエハーが屈折率導波構
造を有し、第2導電型クラッド層が二層に分かれ、第2
導電型第2クラッド層と電流ブロック層とで横方向の光
閉じ込め構造を形成している。具体的には、第1導電型
半導体基板(1)の上に、バッファ層(2)、第1導電
型クラッド層(3)、活性層(4)、第2導電型第1ク
ラッド層(5)、第2エッチング阻止層(6)、第1エ
ッチング阻止層(7)、電流ブロック層(9)、キャッ
プ層(10)が順に形成されており、第1エッチング阻
止層(7)、電流ブロック層(9)、キャップ層(1
0)にはエッチングにより電流注入領域(13)となる
開口部が形成されている。該開口部とキャップ層(1
0)の上には第2導電型第2クラッド層(8)、第2導
電型コンタクト層(11)が形成されている。第2導電
型コンタクト層(11)の上には、図1に示すように端
面からRpだけ内側まで開口している開口部(14)を
有する電流狭窄層(21)が形成されており、さらに該
開口部(14)内部と電流狭窄層(21)の上に第2導
電型用オーム性電極(22)が形成されている。また、
基板(1)の反対側には、図1に示すように端面からR
nだけ内側まで形成された第1導電型オーム性電極(3
1)と、該電極の全面を覆うように形成された第1ショ
ットキー電極(32)が設けられている。
【0013】本発明の半導体レーザにおいて、第1導電
型半導体基板(1)としては、GaAsまたはInP等
の単結晶基板が多く使用される。またもっとも多くはG
aAs第1導電型基板が使用される。これらの単結晶か
らなる第1導電型半導体基板(1)は、通常、バルク結
晶から切り出して得られる。
【0014】バッファ層(2)は、第1導電型基板のバ
ルク結晶の不完全性を緩和し、結晶軸を同一にしたエピ
タキシャル薄膜の形成を容易にするために設けることが
好ましい。バッファ層(2)は、第1導電型半導体基板
(1)と同一の化合物で構成するのが好ましく、通常、
GaAsが使用される。バッファ層は必ずしも形成しな
くてもよい。
【0015】第1導電型クラッド層(3)は、通常、活
性層(4)の屈折率より小さな屈折率を有する材料で構
成され、バッファ層(2)としてGaAsを使用した場
合は、通常、AlGaAs系材料(AlVGa1-VAs)
が使用され、その混晶比は、屈折率が上記の条件を満足
する様に適宜選択される。
【0016】活性層(4)の材料および構造は、目的と
する発振波長や出力などによって適宜選択され、あらゆ
る材料系、また構造を用いることができる。しかしなが
ら、本発明に用いられる活性層は量子井戸構造を含むこ
とが好ましい。バンドギャップの縮小効果(S.Tarucha
et al., Jpn. J. Appl. Phys. vol 23, pp. 874-878,19
84)によって、一般に半導体レーザの発振は活性層の自
然放出光よりも長波長側で起きることが広く知られてい
る。量子井戸を含む活性層では階段状の状態密度を反映
して、この発振する長波長側での吸収がバルク活性層に
比較して格段に小さいという特徴を有している。このた
め、後述するように、第1導電型用、第2導電型用オー
ム性電極を端面から適切な距離だけ離し、端面近傍への
電流の注入を抑制する際に、量子井戸を含む活性層では
バルク活性層と比較して、電流注入が抑制されている部
分の導波路としての吸収を小さくできる優位性がある。
【0017】さらに活性層はGaAs第1導電型基板の
上に形成されたアンドープInxGa1-xAs(0<x<
1)歪量子井戸を含むことが望ましい。この系では圧縮
性の応力が活性層に加わっており、臨界膜厚を超えない
範囲であれば、電流注入が抑制されている部分の導波路
としての吸収をさらに小さくできる可能性がある。特に
発振波長900〜1200nm程度の範囲のレーザでは
これが効果的である。
【0018】活性層の構造としては各種構造(SQW-sing
le quantum well、MQW-multi quantum well)等を採用す
ることができる。そして、量子井戸を含む場合には、通
常、光ガイド層が併用される。光ガイド層の構造として
は、活性層の両側に光ガイド層を設けた構造(SCH構
造)、光ガイド層の組成を徐々に変化させることにより
屈折率を連続的に変化させた構造(GRIN−SCH構
造)等を採用することができる。光ガイド層の組成とし
ては、AlxGa1-xAs(0≦x≦1)が好ましく、特
にGaAsであることがさらに望ましい。
【0019】また光ガイド層にはn型の不純物が含まれ
ていることが望ましい。これは活性層全体の電気抵抗を
低減させ、活性層へのキャリアの注入に際して、各オー
ム性電極の電流注入端からレーザ端面への極端なキャリ
アの拡散が助長されたり、端面近傍への電流注入抑制効
果が損なわれたりしない様にするのに効果がある。
【0020】第2導電型第1クラッド層(5)は、活性
層(4)より小さな屈折率を有する材料で構成される。
そして、第2導電型第1クラッド層(5)の屈折率と、
第1導電型クラッド層(3)の屈折率は通常同一にす
る。従って、第2導電型第1クラッド層(5)の材料と
しては、第1導電型クラッド層(3)と同様に、通常、
AlGaAs系材料が使用され、その混晶比は、第1導
電型クラッド層(3)と通常同一とする。この構造で
は、第2導電型第1クラッド層(5)が、AlWGa1-W
Asからなる層に相当する。
【0021】図1には、二種類のエッチング阻止層およ
びキャップ層が記載されているが、これらの層は、本発
明の好ましい態様において採用され、電流注入領域の作
り込みを精密かつ容易に行うのに有効である。第2エッ
チング阻止層(6)は、Al aGa1-aAs(0≦a≦
1)材料にて構成されるが通常はGaAsが好適に使用
される。これはMOCVD法等で第2導電型第2クラッ
ド層等を、特に、AlGaAs系で再成長させる際に結
晶性よく積層することができるためである。第2エッチ
ング阻止層(6)の厚みは通常2nm以上が好ましい。
【0022】第1エッチング阻止層(7)は、Inb
1-bP(0≦b≦1)で表される層が好適であり、本
発明のようにGaAsを第1導電型半導体基板として使
用した際は、通常歪みのない系でb=0.5が用いられ
る。第1エッチング阻止層の厚みは通常5nm以上であ
り、好ましくは10nm以上である。また、In0.5
0.5PはAlGaAsと比べて放熱性に劣るので、1
00nm以下が好ましい。5nm未満であると、膜厚の
乱れ等により、エッチングを阻止することができなくな
ってしまう可能性がある。一方膜厚によっては歪み系を
用いることもでき、b=0、b=1等を用いることも可
能である。歪み系を用いる場合、膜厚は1分子層から1
5nm、好ましくは10nm以下である。その様に膜厚
が薄ければ、格子整合がとれなくても、内在する歪みが
緩和されるので問題ない。
【0023】電流ブロック層(9)は、文字通り電流を
ブロックして実質的に流さない機能を有する層である。
このため、電流ブロック層の導電型は第1導電型クラッ
ド層と同一かあるいはアンドープとすることが好まし
く、また、通常AlyGa1-yAs(0<y≦1)からな
る第2導電型第2クラッド層(8)より屈折率が小さい
ことが好ましい。通常、電流ブロック層もAlzGa1-z
As(0≦z≦1)からなることが好ましく、したがっ
て混晶比としてはz≧yになることが好ましい。また、
上述の光ガイド層との関係では、x<y≦zとすること
が好ましい。
【0024】また、電流ブロック層はIn0.5Ga0.5
で構成することもできる。その場合、AlaGa1-aAs
(0≦a≦1)第2エッチング阻止層(6)のみでIn
0.5Ga0.5P電流ブロック層のエッチングを停止させる
ことができ、かつその後のAlyGa1-yAs(0<y≦
1)第2導電型第2クラッド層(8)の再成長も容易に
行うことができるので、上記のInbGa1-bP(0≦b
≦1)からなる第1エッチング阻止層(7)は不要であ
る。
【0025】電流ブロック層により形成される電流注入
領域(13)は、第1導電型用オーム性電極が第1導電
型基板に接している領域と対向していることが好まし
い。また、電流ブロック層により形成される電流注入領
域(13)は、第2導電型用オーム性電極が第2導電型
コンタクト層に接している領域と対向していることが好
ましい。
【0026】さらに長寿命の半導体レーザ実現のために
は、第1導電型第1クラッド層(3)、第2導電型第1
クラッド層(5)、第2導電型第2クラッド層(8)等
には、Al混晶比のあまり高くない材料を用いるのが好
ましい。具体的には、各層のAl混晶比v、wおよびy
は、それぞれ0.4以下であることがことが望ましい。
より好ましくは、レーザ温度特性との関係から0.3〜
0.4の範囲内に設定する。
【0027】キャップ層(10)は、第1回目成長にお
いて第1電流ブロック層(9)の保護層として用いられ
ると同時に第2導電型第2クラッド層(8)の成長を容
易にするために用いられ、素子構造を得る前に、一部ま
たは全て除去される。
【0028】第2導電型第2クラッド層(8)は、活性
層(4)より小さな屈折率を有する材料で構成される。
第2導電型第2クラッド層(8)の屈折率は、第1導電
型クラッド層(3)や第2導電型第1クラッド層(5)
の屈折率と通常は同じにする。従って、第2導電型第2
クラッド層(8)の材料としては、通常、AlGaAs
系材料が使用され、その混晶比は、第1導電型クラッド
層(3)、第2導電型第1クラッド層(5)と通常は同
一である。
【0029】第2導電型第2クラッド層(8)上には電
極の接触抵抗率を下げるため等の目的で第2導電型コン
タクト層(11)を設ける。第2導電型コンタクト層
(11)は、通常、GaAs材料にて構成される。この
層は通常電極との接触抵抗率を低くするためにキャリア
濃度を他の層より高くする。
【0030】本発明の半導体レーザを構成する各層の厚
みは、各層に求められる機能を有効に発揮しうる厚みで
あれば特に制限されない。通常、バッファ層(2)の厚
みは0.1〜1μm、好ましくは0.5〜1μm、第1
導電型クラッド層(3)の厚みは0.5〜5μm、好ま
しくは1〜3μm、活性層(4)の厚みは量子井戸構造
の場合1層当たり0.0005〜0.02μm、好まし
くは0.003〜0.2μm、第2導電型第1クラッド
層(5)の厚みは0.05〜0.3μm、好ましくは
0.05〜0.2μm、第2導電型第2クラッド層
(8)の厚みは0.5〜5μm、好ましくは1〜3μ
m、キャップ層(10)の厚みは0.005〜0.5μ
m、好ましくは0.005〜0.3μm、第1導電型電
流ブロック層(9)の厚みは0.3〜2μm、好ましく
は0.3〜1μmの範囲から選択される。
【0031】第2導電型コンタクト層(11)の上に
は、電流狭窄層(21)を設けることが望ましい。この
層は、第2導電型用オーム性電極(22)が前記第2導
電型コンタクト層(11)と直接接触する面積を低減
し、第2導電型キャリアの注入をレーザチップの共振器
方向、あるいはこれと直行する方向で制限するために形
成されるものである。この電流狭窄層(21)は電流を
流さないものであれば、その材質には制限はないが、S
iNx,SiOx,AlOxを含む誘電体であることが
望ましい。またこの中で特にSiNxが好ましい。この
ような誘電体膜の厚みは500nm以下であることが好
ましく、250nm以下であることがより好ましく、1
50nm以下であることが特に好ましい。
【0032】この電流狭窄層(21)中には後述する第
2導電型用オーム性電極(22)が第2導電型コンタク
ト層(11)と接触するための電流注入路が形成される
こととなる。このような電流注入路は、例えば電流狭窄
層(21)を第2導電型コンタクト層(11)上の全面
に形成し、電流を注入する領域のみフォトリソグラフィ
ー法などによって除去し、その上から第2導電型用オー
ム性電極(22)を電極を蒸着するなどの方法により容
易に形成することができる。
【0033】第2導電型コンタクト層(11)の上には
直接接触して、または、その一部は電流狭窄層(21)
を介して、第2導電型用オーム性電極(22)が形成さ
れる。第2導電型用オーム性電極(22)が第2導電型
コンタクト層(11)に直接接触する領域は、少なくと
も一方のレーザ端面よりもRp(μm)だけ離れて形成
される。この部分はレーザに対する第2導電型のキャリ
アの注入を妨げる機能を持ち、このためレーザが高出力
動作、あるいは高温動作をしている際に、端面近傍の電
流負荷が低減することで、その劣化を抑制するのに効果
的である。
【0034】第2導電型コンタクト層(11)の上に直
接接触して第2導電型用オーム性電極が形成されている
場合には、この電流が注入されない部分は第2導電型用
オーム性電極そのものを少なくとも一方の端面から距離
Rp(μm)だけ離して形成することで実現することが
できる。一方、電流狭窄層(21)を介して第2導電型
用オーム性電極(22)の一部が第2導電型コンタクト
層(11)と接触している場合には、電流注入路を形成
する際に、注入路をすくなくとも一方のレーザ端面から
Rp(μm)だけ離すことで実現可能である。特にレー
ザ光が大量に出射される前端面側に電流を注入しない作
用は大きい。また一般には共振器を形成する端面の両側
とも、距離Rp(μm)だけ離して第2導電型コンタク
ト層(11)と第2導電型用オーム性電極(22)を接
触させるようにすることが望ましい。
【0035】第2導電型用オーム性電極(22)の材質
には制限はないが、第2導電型がp型の場合にはコンタ
クト層側からTi/Pt/Auの各層からなる電極、ま
たはAuZn/Auの各層からなる電極が望ましい。ま
た第2導電型がn型の場合にもコンタクト層側からTi
/Pt/Auの各層からなる電極は使用することができ
る。これら電極はアロイ処理することによって第2導電
型コンタクト層(11)とのオーム性接触が実現される
のが普通である。
【0036】第1導電型半導体基板(1)には第1導電
型用オーム性電極(31)が、少なくとも一方のレーザ
端面よりもRn(μm)だけ離れて形成される。この部
分はレーザに対する第1導電型のキャリアの注入を妨げ
る機能を持ち、このためレーザが高出力動作をしている
際に端面の劣化を抑制するのに効果的である。この効果
は前記第2導電型用オーム性電極(22)からキャリア
が端面近傍に注入されないこととあわせてさらに効果的
に機能し、レーザの高出力動作、高温動作時における信
頼性の確保に重要な役割を果たすこととなる。
【0037】第1導電型用オーム性電極(31)はその
材質等に制限はないが、例えば第1導電型としてn型を
想定した場合には、AuGe/Ni/Auを順次に蒸着
した後、アロイ処理することによって形成されるものが
望ましい。またp型を想定した場合にはTi/Pu/A
uを順次に蒸着した後、アロイ処理することによって形
成されるものが望ましい。またこの場合にはAuZn/
Auを順次に蒸着した後、アロイ処理することによって
形成されるものも望ましい。
【0038】また第1導電型用オーム性電極(31)を
形成した基板上には、第1導電型用オーム性電極(3
1)を覆うように第1ショットキー性電極(32)が形
成されることが望ましい。これは、基板側をAlN等の
放熱板にAuSn等の半田材を用いてマウントする際
に、第1ショットキー性電極によって、端面近傍に電流
が注入されない機能とさらに端面近傍の放熱性を確保す
る機能の両立を実現させるためである。第1ショットキ
ー性電極(31)としては第1導電型基板に対してショ
ットキー特性を示す材料であれば制限はないが、Ti/
Au等を順次蒸着したものが望ましい。
【0039】本発明の半導体レーザでは、前記距離Rp
(μm)とRn(μm)は、上記(式1)の条件を満た
すことが好ましい。これは一般に第1導電型半導体基板
(1)の厚みが第2導電型コンタクト層(11)等に比
較して厚いためであり、(式1)を満たすことによりそ
れぞれのオーム性電極のキャリアの注入端からの端面側
へのキャリアの拡散を効果的に低減することができる。
【0040】さらに本発明の半導体レーザでは、上記
(式2)〜(式4)の条件も満たすことが好ましい。こ
れらの条件を満たすことで、さらに効果的にレーザ端面
近傍へ電流注入を抑制することができる。これは第1導
電型クラッド層(3)、活性層(4)、第2導電型第1
クラッド層(5)、第2導電型第2クラッド層(8)、
第2導電型コンタクト層(11)等において注入してい
るキャリアが拡散したとしても、電流注入を抑制する効
果が端面近傍で保存されるからである。なお、RnとR
pについては、両端面について(式1)〜(式4)の条
件を満たすことが好ましい。
【0041】その上に、電極を形成して完成されたウエ
ハは、まず、レーザバーに劈開される。レーザバーの端
面は、通常、前端面反射率が約2.5%、後端面反射率
が約93%となる様にSi、Al23、SiNx等で非
対称コーティングし、次いで、チップ単位に分割し、レ
ーザーダイオード(LD)として利用する。以上の説明
は、グルーブ型の半導体レーザにかかわるものだが、本
発明は、実効屈折率差が特許請求の範囲に記載された範
囲内である限り、リッジ型の半導体レーザにも同様に適
用できる。
【0042】図1および図2に示す態様を始めとする様
々な半導体レーザの基本的エピタキシャル構造の製法お
よびデバイスの製法は、特に制限されない。例えばエピ
タキシャル構造の製法については特開平8−13034
4号公報を参考にすることができる。
【0043】本発明の半導体レーザは光通信に用いられ
る光ファイバー増幅器用の光源や、情報処理用の大規模
光磁気メモリーのピックアップ光源として用いられ、層
構成や使用材料等を適宜選択することによってさらに様
々な用途へ応用することもできる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、濃度、厚み、操
作手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更す
ることができる。したがって、本発明の範囲は以下の実
施例に示す具体例に制限されるものではない。また、以
下の実施例で参照している図2および図3は、構造を把
握しやすくするために敢えて寸法を変えている部分があ
るが、実際の寸法は以下の実施例に記載されるとおりで
ある。
【0045】(実施例1)本実施例では、図3(a)〜
(g)に示す順に各層を形成することによりグルーブ型
のレーザ素子を製造した。本実施例で製造したレーザ素
子の層構成は、図3(g)のA−A’断面を示す図2の
通りである。
【0046】キャリア濃度1×1018cm-3のn型Ga
As第1導電型基板(1)上に、MBE法にて、バッフ
ァ層(2)として厚み1μmでキャリア濃度1×1018
cm -3のn型GaAs層、第1導電型クラッド層(3)
として厚み2.5μmでキャリア濃度1×1018cm-3
のn型Al0.35Ga0.65As層、活性層(4)として厚
み30nmでキャリア濃度1×1017cm-3のSiド?
プGaAs光ガイド層、厚み6nmのアンドープIn
0.16Ga0.84As歪量子井戸層、厚み10nmでキャリ
ア濃度1×1017cm-3のSiド?プGaAsバリア
層、厚み6nmのアンドープIn0.16Ga0.84As歪量
子井戸層、および厚み30nmでキャリア濃度1×10
17cm-3のSiド?プGaAs光ガイド層からなる構
造、第2導電型第1クラッド層(5)として厚み0.1
μmでキャリア濃度1×1018cm-3のp型Al0.35
0.65As層、第2エッチング阻止層(6)として厚み
10nmでキャリア濃度1×1018cm-3のp型GaA
s層、第1エッチング阻止層(7)として厚み20nm
でキャリア濃度5×1017cm-3のn型In0.49Ga
0.51P層、電流ブロック層(9)として厚み0.5μm
でキャリア濃度5×1017cm-3のn型Al0.39Ga
0.61As層、キャップ層(10)として厚み10nmで
キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層を順次
積層した。
【0047】次に、キャップ層(10)の上に幅1.5
μmのストライプ状開口部を有するSiNのマスクを設
けた。第1エッチング阻止層(7)をエッチングストッ
プ層としてエッチングを行い、電流注入領域(13)を
形成すべくキャップ層(10)と電流ブロック層(9)
を除去した。この時エッチング液としては、硫酸(98
質量%)、過酸化水素(30質量%水溶液)及び水を体
積比で1:1:5で混合したものを用い、25℃で30
秒間エッチングを行った。
【0048】次いでHF(49%)とNH4F(40
%)を1:6で混合したエッチング液に2分30秒間浸
漬してSiN層を除去し、更に第2エッチング阻止層を
エッチングストップ層として、電流注入領域の第1エッ
チング阻止層をエッチング除去した(図3(a))。こ
の時エッチング液としては、塩酸(35質量%)と水を
2:1に混合したものを用い、25℃で2分間エッチン
グを行った。
【0049】この後、MOCVD法にて、第2導電型第
2クラッド層(8)としてキャリア濃度1×1018cm
-3のp型Al0.35Ga0.65As層を電流注入領域部分
(13)の厚みが2.5μmになるよう成長させ、さら
にその上に電極との良好な接触を保つための第2導電型
コンタクト層(11)として、厚み3.5μmでキャリ
ア濃度1×1019cm-3のp型GaAs層を成長させ、
レーザエピタキシャル層(12)を完成した(図3
(b))。
【0050】さらに、形成されたウエハーの第2導電型
コンタクト層(11)上に、125nmのSiNをプラ
ズマCVD法で成膜した。次に、フォトリソグラフィー
技術と通常のエッチング技術を用いて、SiN膜に開口
部(14)を形成して電流狭窄層(21)とした。開口
部(14)は、電流ブロック層(9)にはさまれた電流
注入領域(13)の直上に位置するように形成した(図
3(c))。共振器方向と直行する方向の開口部幅は2
5μmとし、また両共振器端面から60μmは開口部を
形成せずに電流が注入されない領域を形成した。SiN
のエッチングはSF6プラズマを用いて行った。
【0051】さらに開口部(14)と電流狭窄層(2
1)の上に、通常のフォトリソグラフィー技術とリフト
オフ法を用いてTi/Pt/Au電極を形成し、パター
ンニングした。この際の膜厚はそれぞれ70nm/70
nm/700nmとした。この後450℃で10分熱処
理し、第2導電型用オーム性電極(22)として、p型
用オーム性電極を形成した(図3(d))。形成された
電極をフォトレジストを用いて保護し、ウエハー全体の
厚みが120μmになるようにn型GaAs第1導電型
基板(1)をポリッシングした。
【0052】ウエハーを洗浄後、通常のフォトリソグラ
フィー技術とリフトオフ法を用いて、電流注入領域(1
3)の直下に位置するように、AuGe/Ni/Au電
極を厚み100nm/20nm/500nmで蒸着し、
パターニングした。このとき、共振器方向と直行する方
向の幅は100μmとし、また両共振器端面から60μ
mは電流が注入されない領域が形成されるようにした。
この後ウエハー全体を400℃で5分熱処理し、第1導
電型用オーム性電極(31)として、n側用オーム性電
極を形成した(図3(e))。最後にウエハーのn側に
Ti/Au第1ショットキー電極(32)をそれぞれ1
0nm/500nm全面に蒸着し、半導体レーザ用のウ
エハーを完成させた(図3(f))。
【0053】その後このウエハーを共振器長1000μ
mのレーザバーに劈開し、常法に従い、前端面反射率
2.5%、後端面反射率95%となる様に端面に非対称
コーティングを施した後、共振器方向と直行する方向の
大きさが500μmのチップに分割して単体のレーザ素
子とした。さらにこれら素子の基板側を、放熱用のAl
NサブマウントにAuSn半田を用いて接着し、電流注
入用のワイヤーボンド等を施し、デバイスを完成させ
た。
【0054】本実施例で作製した半導体レーザは、Rp
が60μm、Rnが60μm、共振器長Lcが1000
μm、n側クラッド層の厚みTclad1が2.5μm、p
側クラッド層の厚みTclad2が2.6μm(2.5+
0.1)、p側コンタクト層の厚みTcont2が3.5μ
mであることから、上記(式1)〜(式4)の条件をす
べて満たしている。
【0055】図4は本実施例で作製したデバイスの常温
におけるCW駆動時の電流光出力特性を示したものであ
る。しきい値電流は20.6mAであり、スロープ効率
は0.87W/Aであった。また熱飽和によって規定さ
れた最大光出力は636.8mWであり、2Aの電流注
入まで端面の破壊に起因するCOD劣化等は確認されな
かった。また素子の信頼性を調べるために行った350
mW出力時50℃の環境における5素子の寿命を試験し
た結果、1000時間までの試験中に突然死を起こした
素子はなく、規格化した劣化率は9.0x10-6(1/
h)であり、非常に安定な動作が確認された。
【0056】(実施例2)電流狭窄層(21)を形成せ
ず、p型コンタクト層側上に直接第2導電型オーム性電
極であるTi/Pt/Au電極を形成した点を変更し
て、実施例1と同様の方法によりデバイスを作製した。
このとき、Ti/Pt/Au電極は、通常のフォトリソ
グラフィー技術とリフトオフ法を用いて、電流注入領域
の直上の共振器と直行する方向の開口部幅が400μm
となるようにし、かつ、両共振器端面から50μmは電
流が注入されない領域が形成されるように加工した。
【0057】作製したデバイスの常温におけるCW駆動
時の電流光出力特性を調べたところ、しきい値電流は2
0.4mAであり、スロープ効率は0.86W/Aであ
った。また熱飽和によって規定された最大光出力は61
5.4mWであり、2Aの電流注入まで端面の破壊に起
因するCOD劣化等は確認されなかった。また素子の信
頼性を調べるために、350mW出力時50℃の環境に
おける5素子の寿命を試験した結果、1000時間まで
の試験中に突然死を起こした素子はなく、規格化した劣
化率は9.5x10-6(1/h)であり、非常に安定な
動作が確認された。
【0058】(実施例3)第1導電型オーム性電極を形
成した後の第1ショットキー電極(32)の形成を省略
した以外は実施例1と同様の方法によりデバイスを作製
した。作製したデバイスの常温におけるCW駆動時の電
流光出力特性を調べたところ、しきい値電流は20.8
mAであり、スロープ効率は0.85W/Aであった。
また熱飽和によって規定された最大光出力は595.3
mWであり、2Aの電流注入まで端面の破壊に起因する
COD劣化等は確認されなかった。また素子の信頼性を
調べるために、350mW出力時50℃の環境における
5素子の寿命を試験した結果、1000時間までの試験
中に突然死を起こした素子はなく、規格化した劣化率は
1.0x10-5(1/h)であり、安定な動作が確認さ
れた。
【0059】(実施例4)電流狭窄層(21)を、共振
器方向と直行する方向の開口部(14)の幅が30μm
で、両共振器端面から10μmは電流が注入されない領
域となるように形成し(Rp=10μm)、かつ、第1
導電型オーム性電極(31)を、共振器方向と直行する
方向の幅が50μmで、両共振器端面から15μmは電
流が注入されない領域となるように形成した(Rn=1
5μm)こと以外は実施例1と同様の方法によりデバイ
スを作製した。
【0060】作製したデバイスの常温におけるCW駆動
時の電流光出力特性を調べたところ、しきい値電流は2
0.0mAであり、スロープ効率は0.88W/Aであ
った。また熱飽和によって規定された最大光出力は60
0.5mWであり、1.5Aの電流注入まで端面の破壊
に起因するCOD劣化等は確認されなかった。また素子
の信頼性を調べるために、350mW出力時50℃の環
境における5素子の寿命を試験した結果、1000時間
までの試験中に突然死を起こした素子はなく、規格化し
た劣化率は1.2x10-5(1/h)であり、安定な動
作が確認された。
【0061】(実施例5)GaAs光ガイド層とGaA
sバリア層をアンド?プとした以外は実施例1と同様の
方法によりデバイスを作製した。作製したデバイスの常
温におけるCW駆動時の電流光出力特性を調べたとこ
ろ、しきい値電流は24.5mAであり、スロープ効率
は0.84W/Aであった。また熱飽和によって規定さ
れた最大光出力は650.7mWであり、2Aの電流注
入まで端面の破壊に起因するCOD劣化等は確認されな
かった。また素子の信頼性を調べるために、350mW
出力時50℃の環境における5素子の寿命を試験した結
果、1000時間までの試験中に突然死を起こした素子
はなく、規格化した劣化率は1.3x10-5(1/h)
であり、無故障動作が確認された。
【0062】(比較例1)第2導電型オーム性電極を第
2導電型コンタクト層の全面に直接形成し、第1導電型
のオーム性電極を第1導電型基板の全面に直接形成した
以外は実施例1と同様の方法によりデバイスを作製し
た。図5は作製したデバイスの常温におけるCW駆動時
の電流光出力特性を調べた結果である。しきい値電流は
20.3mAであり、スロープ効率は0.87W/Aで
あった。最大光出力は528.8mWであり、この際に
COD劣化によってデバイスは破壊してしまった。また
素子の信頼性を調べるために、350mW出力時50℃
の環境における5素子の寿命を試験した結果、200時
間までに全てのデバイスが突然死を起こした。
【0063】(比較例2)第1導電型オーム性電極を第
1導電型基板の全面に直接形成した以外は実施例1と同
様の方法によりデバイスを作製した。作製したデバイス
の常温におけるCW駆動時の電流光出力特性を調べたと
ころ、しきい値電流は20.6mAであり、スロープ効
率は0.86W/Aであった。最大光出力は545.5
mWであり、この際にCOD劣化によってデバイスは破
壊してしまった。また素子の信頼性を調べるために、3
50mW出力時50℃の環境における5素子の寿命を試
験した結果、400時間までに全てのデバイスが突然死
を起こした。
【0064】(比較例3)第2導電型オーム性電極を第
2導電型コンタクト層の全面に直接形成した以外は実施
例1と同様の方法によりデバイスを作製した。作製した
デバイスの常温におけるCW駆動時の電流光出力特性を
調べたところ、しきい値電流は20.7mAであり、ス
ロープ効率は0.86W/Aであった。最大光出力は5
50.7mWであり、この際にCOD劣化によってデバ
イスは破壊してしまった。また素子の信頼性を調べるた
めに、350mW出力時50℃の環境における5素子の
寿命を試験した結果、350時間までに全てのデバイス
が突然死を起こした。
【0065】
【発明の効果】本発明は、簡便な方法で半導体レーザの
端面近傍の劣化を抑制し、結果として高出力動作時にお
いても高い信頼性が確保されている半導体レーザを提供
するものであり、多大な工業的利益を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体レーザの一態様を示す分解斜
視図である。
【図2】 本発明の半導体レーザの一態様を示す断面図
である。
【図3】 本発明の半導体レーザの製造工程を説明する
図である。
【図4】 実施例1の半導体レーザの電流と光出力の関
係を示すグラフである。
【図5】 比較例1の半導体レーザの電流と光出力の関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 第1導電型クラッド層 4 活性層 5 第2導電型第1クラッド層 6 第2エッチング阻止層 7 第1エッチング阻止層 8 第2導電型第2クラッド層 9 電流ブロック層 10 キャップ層 11 第2導電型コンタクト層 12 エピタキシャル層 13 電流注入領域 14 開口部 21 電流狭窄層 22 第2導電型用オーム性電極 31 第1導電型オーム性電極 32 第1ショットキー電極 Rn 第1導電型用オーム性電極が第1導電型基板に接
している領域とレーザ端面との距離 Rp 第2導電型用オーム性電極が第2導電型コンタク
ト層に接している領域とレーザ端面との距離

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型半導体基板、該基板の一方の
    面上に接するように形成された第1導電型用オーム性電
    極、該基板の反対の面上に形成された少なくとも第1導
    電型クラッド層、活性層、第2導電型クラッド層および
    第2導電型コンタクト層を含むエピタキシャル層、およ
    び該第2導電型コンタクト層の上に接するように形成さ
    れた第2導電型用オーム性電極を有する半導体レーザで
    あって、 少なくとも一方のレーザ端面において前記第1導電型用
    オーム性電極は前記第1導電型基板に接していないこ
    と、および、少なくとも一方のレーザ端面において前記
    第2導電型オーム性電極は前記第2導電型コンタクト層
    に接していないことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記第1導電型用オーム性電極が前記第
    1導電型基板に接している領域とレーザ端面との距離R
    n(μm)と、前記第2導電型用オーム性電極が前記第
    2導電型コンタクト層に接している領域とレーザ端面と
    の距離Rp(μm)が、式1の条件を満たすことを特徴
    とする請求項1記載の半導体レーザ。 【数1】 Rp ≦ Rn (式1)
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザの共振器長Lc(μ
    m)と、前記第2導電型用オーム性電極が前記第2導電
    型コンタクト層に接している領域とレーザ端面との距離
    Rp(μm)が、式2の条件を満たすことを特徴とする
    請求項1または2記載の半導体レーザ。 【数2】 0.02 x Lc ≦ Rp (式2)
  4. 【請求項4】 前記第2導電型クラッド層の厚みT
    clad2(μm)、前記第2導電型コンタクト層の厚みT
    cont2(μm)、および前記第2導電型用オーム性電極
    が前記第2導電型コンタクト層に接している領域とレー
    ザ端面との距離Rp(μm)が、式3の条件を満たすこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体
    レーザ。 【数3】 5 x (Tclad2 +Tcont2 ) ≦ Rp (式3)
  5. 【請求項5】 前記第1導電型クラッド層の厚みT
    clad1(μm)と、前記第1導電型用オーム性電極が前
    記第1導電型基板に接している領域とレーザ端面との距
    離Rn(μm)が、式4の条件を満たすことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ。 【数4】 20 x Tclad1 ≦ Rn (式4)
  6. 【請求項6】 前記第1導電型半導体基板上であって前
    記第1導電型用オーム性電極が形成されていない部分
    に、第1ショットキー性電極が接するように形成されて
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 前記第1導電型半導体基板上であって前
    記第1導電型用オーム性電極が形成されていない部分の
    全面に、第1ショットキー性電極が接するように形成さ
    れていることを特徴とする請求項6記載の半導体レー
    ザ。
  8. 【請求項8】 前記第2導電型コンタクト層と前記第2
    導電型用オーム性電極の間に開口部を有する電流狭窄層
    が形成されており、前記開口部において前記第2導電型
    コンタクト層と前記第2導電型用オーム性電極が接する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導
    体レーザ。
  9. 【請求項9】 前記電流狭窄層がSiNx、SiOxま
    たはAlOxを含む誘電体膜からなることを特徴とする
    請求項8記載の半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 前記電流狭窄層の開口部と、前記第1
    導電型用オーム性電極が前記第1導電型基板に接してい
    る領域とが対向していることを特徴とする請求項8また
    は9に記載の半導体レーザ。
  11. 【請求項11】 前記電流狭窄層の開口部と、前記第2
    導電型用オーム性電極が前記第2導電型コンタクト層に
    接している領域とが対向していることを特徴とする請求
    項8〜10のいずれかに記載の半導体レーザ。
  12. 【請求項12】 前記第1導電型がn型であり、前記第
    2導電型がp型であることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれかに記載の半導体レーザ
  13. 【請求項13】 前記活性層が量子井戸構造を含むこと
    を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の半導体
    レーザ。
  14. 【請求項14】 当該半導体レーザの発振波長が900
    〜1200nmであることを特徴とする請求項1〜13
    のいずれかに記載の半導体レーザ。
  15. 【請求項15】 前記基板がGaAs第1導電型基板で
    あって、前記活性層がアンドープInxGa1xAs
    (0<x<1)歪量子井戸を含み、光ガイド層を有する
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の半
    導体レーザ。
  16. 【請求項16】 前記光ガイド層にn型の不純物が含ま
    れていることを特徴とする請求項15記載の半導体レー
  17. 【請求項17】 前記n型不純物がSiであることを特
    徴とする請求項16記載の半導体レーザ。
  18. 【請求項18】 前記光ガイド層がGaAsであること
    を特徴とする請求項16または17に記載の半導体レー
    ザ。
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