JP3797797B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体発光素子、特に半導体レーザの製造方法に関するもので、本発明の製法は光ファイバー増幅器用励起光源、光情報処理用の光源等の、高出力、長寿命の両立を要求される用途の半導体レーザに好適に利用される。またスパールミネッセントダイオード等のLEDで、光の出射端が端面により形成されているもの、また、面発光レーザ等への応用も可能である。
【0002】
【従来の技術】
近年における光情報処理技術、光通信技術の進展には目ざましい物がある。例えば、光磁気ディスクによる高密度記録、光ファイバーネットワークによる双方向通信と枚挙に暇がない。
例えば、通信分野においては、今後のマルチメディア時代に本格的に対応する大容量の光ファイバー伝送路とともに、その伝送方式に対する柔軟性を持つ信号増幅用のアンプとして、Er3+等の希土類をドープした光ファイバー増幅器(EDFA)の研究が各方面で盛んに行なわれている。そして、EDFAのコンポーネントとして不可欠な要素である、高効率な励起光源用の半導体レーザの開発が待たれている。
【0003】
EDFA応用に供することのできる励起光源の発振波長は原理的に3種類存在し、800nm、980nm、1480nmである。このうち増幅器の特性から見れば980nmでの励起が、利得、ノイズ等を考慮すると最も望ましいことが知られている。このような980nmの発振波長を有するレーザは励起光源として高出力であることと長寿命であるという相反する特性を満足することを望まれている。さらにこの近傍の波長、たとえば890−1150nmにおいてはSHG光源、レーザプリンタ用の熱源としての要求もあり、その他種々の応用面においても高出力で信頼性の高いレーザの開発がまたれている。
【0004】
また、情報処理分野では高密度記録、短時間書き込み、読み出しを目的として半導体レーザの、高出力化、短波長化が進んでおり、従来の780nm発振波長のLDに関しては高出力化が強く望まれており、また、630−680nm帯のLDの開発も各方面で精力的に行われている。
これら、レーザ実現のために欠かせない高出力、高信頼性の両立のアプローチとしては、例えば、端面近傍の活性層領域のバンドギャップを発振波長に対して透明になるようにし、前述の端面近傍での光吸収をおさえる方法が種々提案されている。これら構造のレーザは一般に窓構造レーザあるいはNAM(non Absorbing Mirror)構造レーザと呼ばれており、高出力を必要とする際には非常に効果的である。
【0005】
一方、特開平3−101183号公報の様な問題解決法も提起されている。これによれば、汚染のない端面を形成し、これに半導体端面との反応、又はそれ自体が拡散を起こさない物質で、かつ、酸素を含有しない物質をパッシベーション層あるいは、その一部として形成する製法が効果的だとされれいる。
また、上記特開平3−101183号公報に類する公知文献として、L.W.Tu et al.,(In-vacuum cleaving and coating of semiconductor laser facets using silicon and a dielectric、 J.Appl.Phys.80(11) 1 DEC. 1996)がある。これによれば、Si/AlOx構造をレーザ端面にコーティングする際に真空中で劈開すると、劈開面でのキャリアの再結合速度が遅くなり、初期的なCODレベルがあがることが記載されている。
【0006】
さらに、半導体レーザの光出射端面での電界強度を下げるために、共振器方向に存在する定在波の腹の部分が端面部分と一致しないように、Siをコーティング膜と半導体との界面に1/4波長分挿入する技術も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、980nm近傍の半導体レーザでは、50−100mW程度の光出力において2年程度の連続使用に耐える半導体レーザ及びその製造方法はすでに開発されているが、より高い光出力における動作では急速な劣化がおこり、信頼性は不十分である。これは780nm帯、630−680nm帯のLDにおいても事情は同様であり、高出力時の信頼性確保は特にGaAs基板を用いた系の半導体レーザ全体の課題である。
【0008】
この原因のひとつには、非常に高い光密度にさらされるレーザ光の出射端面の劣化に起因するものがある。GaAs/AlGaAs系半導体レーザでもよく知られているように、端面近傍には多数の表面準位が存在するが、これらの準位がレーザ光を吸収するため、一般的に端面近傍の温度はレーザ内部の温度よりも高くなり、この温度上昇がさらに端面近傍のバンドギャップを狭くし、さらにレーザ光を吸収しやすくするといった正帰還がおきると説明されている。この現象は瞬時に大電流を流した際に観測される端面破壊いわゆるCOD(catastrophic Optical Damage)として知られ、また長期に通電試験した際のCODレベルの低下に伴う素子の突然劣化は多くの半導体レーザ素子において共通の問題となっている。これら課題の解決の試みは上記の様に精力的に行われてはいるが、まだ技術的に不十分である。
【0009】
窓構造を有するLDの場合を考えると、たとえば、レーザ端面上に発振波長に対して透明な半導体材料をエピタキシャル成長させる製造方法がある。この方法ではレーザをいわゆるバーの状態にして端面へエピタキシャル成長を行うために、この後に行う電極工程が非常に煩雑なものとなってしまう。
また、ZnあるいはSi等をレーザの端面近傍の活性層に不純物として意図的に熱拡散又はイオン打ち込みをさせる方法で、上記活性層を無秩序化させる方法も種々提案されている。これらの公知文献としては特開平2−45992号公報、特開平3−31083号公報、特開平6−302906号公報等をあげることができる。
【0010】
しかし、一般にLD製造工程で行われる不純物拡散はレーザ素子のエピタキシャル方向から基板方向に向かって行われるため、拡散深さの制御性、また共振器方向に対する横方向拡散の制御性に問題があり安定した作製は難しい。
また、イオン打ち込みの場合には高エネルギーのイオンが端面から導入されるため、たとえアニール処理を施した後もLD端面にダメージが残存しがちである。また不純物導入を行なった領域での抵抗の低下に伴う無効電流の増加はレーザのしきい値電流や駆動電流を増加させる等の問題があった。
【0011】
一方、例えば、前記特開平3−101183号公報に開示の、汚染のない端面を形成し、これに半導体端面との反応、又はそれ自体が拡散を起こさない物質で、酸素を含有しない物質をパッシベーション層あるいは、その一部として形成する製法の技術問題点は以下のとおりである。
一般に大気中等の例えばクリーンルーム内での作業よっては、劈開時に端面に発生する、例えば、Ga−O、またAs−O等の非発光再結合中心の生成を抑制する効果はなく、この点で、前記特許が開示している具体的<汚染のない端面の形成方法>は第1クレームに記載のとおり、劈開したその場で不活性化層を形成することが不可欠となり、この具体的実現可能な環境は第10クレームにあるとおり真空中での劈開のみである。しかし、これは大気中での一般的劈開に比較して、非常に煩雑な装置と作業が要求される。また、一般的に第11クレームから第14クレームに開示されているドライエッチングによって形成される端面は、劈開によって形成される端面と比較して多くの非発光再結合中心を形成し、長寿命を要求されるLDの作製方法としては適さない。
【0012】
また、パッシベーション層として最適なものとしてSi、又はアモルファスSiがあげられているが、一般に全く拡散を起こさない物質は存在せず、特に高出力、高温下で長時間駆動することを前提とする様な半導体レーザでは、前記特許で開示されたパッシベーション材料の拡散が懸念される。
また、上記、L.W.Tu et al.,(In-vacuum cleaving and coating of semiconductor laser facets using silicon and a dielectric、 J.Appl.Phys.80(11) 1 DEC. 1996)では、Si/AlOx構造をレーザ端面にコーティングする際に真空中で劈開すると、劈開面でのキャリアの再結合速度が遅くなり、初期的なCODレベルがあがるとあるが、長期の信頼性に関する記述はなく、コーティングとLD構造の関連についても述べられていない。
【0013】
さらに、半導体レーザの光出射端面での電界強度を下げるために、共振器方向に存在する定在波の腹の部分が端面部分と一致しないように、Siをコーティング膜と半導体との界面に1/4波長分挿入する技術においては、一般の半導体レーザが実現されている波長帯、特に高出力LDが望まれている400−1600nmにおいては、Siそのものが光の吸収体として作用してしまうため、端面での温度上昇がデバイスの劣化を加速してしまう可能性がある。
【0014】
本発明は、かかる課題を解決するためにおこなわれたもので、その目的は、半導体レーザ等の半導体発光素子端面での界面準位密度を長期間にわたって安定に抑制し、しかも、不活性化層のLD駆動中の拡散が起こった際にも安定に動作する半導体レーザを提供する、簡便な製造方法の実現であり、これは、すなわち、端面での劣化を抑えた、高出力と長寿命を両立させた高性能の半導体レーザの提供に他ならない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、基板上に、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層を含む化合物半導体層が形成されてなり、共振器構造を有する半導体発光素子の製造方法において、基板上に化合物半導体層を順次結晶成長した後、劈開により共振器端面を形成し、次いで、該端面に露出した、基板、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層等の端面を構成する要素、特に活性層近傍に真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した面上に引き続き真空中でSi、Ge、S及び/又はSeからなる不活性化層を形成する製造方法で作製された半導体発光素子が、簡便な製法であるにもかかわらず、従来技術をはるかにしのぐレベルで高出力、長寿命を両立することを見い出し、本発明に到達した。
【0016】
即ち、本発明の要旨は、基板上に、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層を含む化合物半導体層が形成されてなり、共振器構造を有する半導体発光素子の製造方法において、基板上に化合物半導体層を順次結晶成長した後、劈開により共振器端面を形成し、次いで、該端面に真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した面上に引き続き真空中でSi、Ge、S及び/又はSeからなる不活性化層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、少なくとも第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層を積層し、対向する二つの端面によって共振器構造を形成してなる化合物半導体発光素子の製造方法であって、基板上に化合物半導体層を順次結晶成長した後、劈開により共振器端面を形成し、次いで、該端面に真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した面上に引き続き真空中でSi、Ge、S及び/又はSeからなる不活性化層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法であれば、特にその素子等の構造は限定されないが 、以下に具体的製造方法の1例として、屈折率導波構造を有し、第二導電型クラッド層が第一のそれと第二のそれの二層に分かれ、第二導電型第二クラッド層と電流ブロック層とで電流注入領域を形成し、さらに電極との接触抵抗を下げるためのコンタクト層をもつ構造の半導体レーザを作製し本発明を適用した場合について説明する。
【0018】
そのようなレーザの基本的エピタキシャル構造の製法はたとえば堀江らの特開平8−130344号公報に記載のレーザが相当し、この類のレーザは光通信に用いられる光ファイバー増幅器用の光源、また、情報処理用の大規模光磁気メモリーのピックアップ光源として用いられ、活性層、またクラッド層等の層構成、また材料構成等の違いによって、さらに様々な用途への応用が可能である。
【0019】
図2は、本発明の半導体レーザにおけるエピタキシャル構造の一例としてグルーブ型の半導体レーザを構成した模式的一例である。
基板(1)としては所望の発振波長、格子整合性、意図的に活性層等に導入される歪等の点からInP、GaAs、GaN、InGaAs、Al23等の単結晶基板が使用される。Al23の様に場合によっては誘電体基板も使用可能である。本発明で実施される形態としてはInP基板、GaAs基板が、V族としてAs、P等を含むIII-V族半導体発光素子に対して格子整合性の観点から望ましく、V族としてAsを含む場合には最も好適にはGaAs基板が使用される。
【0020】
また、Al23等の誘電体基板はIII-V族半導体発光素子のなかでもV族として窒素等を含む材料に使用されることがある。
基板はいわゆるジャスト基板だけではなく、エピタキシャル成長の際の結晶性を向上させる観点から、いわゆるオフ基板(miss oriented substrate)の使用も可能である。これはステップフローモードでの良好な結晶成長を促進する効果をもち、広く使われている。オフ基板は0.5度から2度程度の傾斜を持つものが広く用いられるが、量子井戸構造を構成する材料系によっては10度前後の傾斜とすることもある。
【0021】
基板はMBEあるいはMOCVD等の結晶成長技術を利用した、発光素子の作り込みの準備として、化学エッチング、熱処理等をされる場合もある。
バッファ層(2)は、基板バルク結晶の不完全性を緩和し、結晶軸を同一にしたエピタキシャル薄膜の形成を容易にするために基板上に成長することが好ましい。バッファ層(2)は、基板(1)と同一の化合物で構成するのが好ましく、基板がGaAsの場合は通常、GaAsが使用される。しかし、超格子層をバッファ層に使用することも広く行われており、同一の化合物で形成されない場合もある。一方誘電体基板を用いた場合には必ずしも基板と同一の物質ではなく、その所望の発光波長、デバイス全体の構造から、適宜、基板と異なった材料が選ばれる場合もある。
【0022】
第一導電型クラッド層(3)は一般的には活性層(4)の平均的屈折率より小さな屈折率を有する材料で構成され、所望の発振波長を実現するために準備される基板(1)、バッファ層(2)、活性層(4)等により適宜材料が規定される。例えば基板(1)としてGaAsが使用され、バッファ層(2)もGaAsの際にはAlGaAs系材料、InGaAs系材料、AlGaInP系材料、InGaP系材料等が用いられる。また場合によってはクラッド層全体を超格子構造にすることも可能である。
【0023】
本発明の効果は活性層(4)の導電型、材料、構造等によらずに効果があるが、まず導電型については、P型であったほうが好ましい。P型のドーパントとしては、Zn、C、Be、Mg等既知のものを母材と成長方法に照らして適宜選択すればよく、好ましくはBe及び/又はC、最も好ましくはBeである。
一般的に半導体のバンドギャップは、例えばHeterostructure Lasers (H.C.Casey,Jr. M.B.Panish著 Academic Press 1978 P.157)に記載のとおり、ホール濃度が高い物質ほどそれが小さくなる傾向にある。例えば、GaAsの場合には、そのバンドギャップをEg(eV)、P型のキャリア濃度をP(cm-3)として
Eg=1.424−1.6×10-8×P1/3
であることが示されている。本発明の1つの特徴は不活性化層(14)としてレーザ端面と誘電体界面に挿入される物質が、長期のレーザ駆動中、特に高出力動作中に拡散を起こした際、n型の不純物として活性層(4)中等に徐々に導入され、補償効果によって実効的なホール濃度の低下を引き起こす点にある。これは半導体端面近傍、言い替えれば不活性化層(14)がLD駆動と共に、構成する一部の元素が拡散されていく部分のバンドギャップを増大させる事を意味し、端面での光の吸収を抑制する働きをすることが期待される。この点でP型の活性層が望ましい。
【0024】
また、材料選択の観点からは、活性層(4)はIn及び/又はGaを含む系、より好ましくはInを含む系、最も好ましくはIn及びGaを含む系が望ましい。これは結晶成長の際にいわゆる秩序化が起こりやすい材料系であって、不活性化層(14)としてレーザ端面と誘電体の界面に挿入される物質が、長期のレーザ駆動中に上記の様に拡散する際に、端面近傍の無秩序化を引き起こすことも期待されるからである。一般に材料の無秩序化はバンドギャップの増加をもたらすため、これはキャリアの補償効果と相まって、さらなる端面の光吸収を長期的に抑制していくこととなる。
【0025】
これら観点から、活性層(4)の材料としては、具体的には、AlGaAs系材料、InGaAs系材料、InGaP系材料、AlGaInP系材料等、中でも、InXGa1-xAs(0<x<1)又は(AlxGa1-xyIn1-yP(0<x,y<1)を含むことが望ましく、特に量子井戸構造をとっていることが無秩序化をする観点で望ましい。これら材料の選択は所望する発振波長によって規定されるのが普通である。
【0026】
活性層の材料選択により、化合物半導体発光素子の発振波長λ(nm)がほぼ決定されるが、該発振波長λ(nm)は、Si吸収端より短波長であることが好ましい。
また、活性層(4)は構造として、単一の層からなる通常のバルク活性層でもよいが、単一量子井戸(SQW)構造、二重量子井戸(DQW)構造、多重量子(MQW)構造等の量子井戸構造が目的に応じて採用される。そして、量子井戸構造には、通常、光ガイド層が併用され、必要に応じて量子井戸の分離のために障壁層が併用される。活性層の構造としては、量子井戸の両側に光ガイド層を設けた構造(SCH構造)、光ガイド層の組成を徐々に変化させることにより屈折率を連続的に変化させた構造(GRIN−SCH構造)等を採用することが出来る。光ガイド層の材料としてはAlGaAs系材料、InGaAs系材料、InGaP系材料AlGaInP系材料等、活性層にあわせ選択が可能である。
【0027】
また、光ガイド層は前記材料を組み合わせた超格子とすることも可能である。
【0028】
一方、不活性化層(14)の具体的材料としてはSiが望ましい。これは一般的に端面発光型デバイスで共振器を構成する面となる(110)面、また面発光レーザ等で出射端となる(100)面からの拡散でn型のドーパントとなりうるからであり、さらに、上記活性層(4)の材料として好適に利用されるAlGaAs系材料、InGaAs系材料、InGaP系、AlGaInP系材料を無秩序化をすることが可能だからである。
【0029】
第二導電型第一、第二クラッド層(5)、(8)は第一導電型クラッド層(3)同様、一般的には活性層(4)の平均的屈折率より小さな屈折率を有する材料で構成され、基板(1)、バッファ層(2)、活性層(4)等により適宜材料が規定される。例えば基板(1)としてGaAsが使用され、バッファ層(2)もGaAsの際にはAlGaAs系材料、InGaAs系材料、AlGaInP系材料、InGaP系材料等が用いられる。
【0030】
図2には、二種類のエッチング阻止層(6)、(7)及びキャップ層(10)が記載されているが、これらの層は、本発明の好ましい態様において採用され、電流注入領域の作り込みを精密かつ容易に行うのに有効である。
第二エッチング阻止層(6)が例えば、AlaGa1-aAs(0≦a≦1)材料にて構成される場合には、通常はGaAsが好適に使用される。これはMOCVD法等で第二導電型第二クラッド層(8)等を、特に、AlGaAs系で再成長させる際に結晶性よく積層することができるためである。第二エッチング阻止層(6)の厚さは通常2nm以上が好ましい。
【0031】
第一エッチング阻止層(7)は、InbGa1-b P(0≦b≦1)で表される層が好適であり、本発明のようにGaAsを基板として使用した際は、通常歪みのない系でb=0.5が用いられる。第一エッチング阻止層(7)の厚さは通常5nm以上であり、好ましくは10nm以上である。5nm未満であると、膜厚の乱れ等により、エッチングを阻止することができなくなってしまう可能性がある。一方膜厚によっては歪み系を用いることもでき、b=0、b=1等を用いることも可能である。
【0032】
キャップ層(10)は、第1回目成長において電流ブロック層(9)の保護層として用いられると同時に第二導電型第二クラッド層(8)の成長を容易にするために用いられ、素子構造を得る前に、一部又は全て除去される。
電流ブロック層(9)としては、文字通り電流をブロックして実質的に流さないことが必要であるので、その導電型は第一導電型クラッド層(3)と同一かあるいはアンドープとすることが好ましく、また、たとえばAlGaAs系で電流ブロック層(9)を形成する場合であれば、AlyGa1-yAs(0<y≦1)からなる第二導電型第二クラッド層(8)より屈折率が小さいことが好ましい。すなわち、電流ブロック層(9)がAlzGa1-zAs(0≦z≦1)であれば、したがって混晶比としてはz>yになることが好ましい。
【0033】
第二導電型第二クラッド層(8)の屈折率は、通常、活性層(4)の屈折率以下とされる。又、第二導電型第二クラッド層(8)は通常第一導電型クラッド層(3)及び第二導電型第一クラッド層(5)と同一とされる。また、本発明の好ましい態様のひとつとして、第二導電型第一クラッド層(5)、第二導電型第二クラッド層(8)及び電流ブロック層(9)の全てを同一組成の同一材料系で構成することが挙げられる。その場合、第一エッチング阻止層(7)によって実効屈折率差が形成され、また、キャップ層(10)を完全には除去しない場合においては、第一エッチング層(7)に加えてキャップ層(10)によっても実効屈折率差が形成される。この様な層構成を採ることにより、第二導電型第二クラッド層(8)及び電流ブロック層(9)のそれぞれの界面における材料又は組成の不一致に起因する諸問題を回避することができ、非常に好ましい。
【0034】
第二導電型第二クラッド層(8)上には電極(12)との接触抵抗率を下げるため等の目的でコンタクト層(11)を設けるのが好ましい。コンタクト層(11)は、通常、GaAs材料にて構成される。この層は通常電極との接触抵抗率を低くするためにキャリア濃度を他の層より高くすることが行われる。
また、通常、バッファ層(2)の厚さは0.1〜3μm、第一導電型クラッド層(3)の厚さは0.5〜3μm、活性層(4)の厚さは量子井戸構造の場合1層当たり0.0005〜0.02μm、第二導電型第一クラッド層(5)の厚さは0.05〜0.3μm第導電型第二クラッド層(8)の厚さは0.5〜3μm、キャップ層(10)の厚さは0.005〜0.5μm、電流ブロック層(9)の厚さは0.3〜2μmの範囲から選択される。
【0035】
図2に示す半導体発光素子は、さらに電極(12)、(13)を形成して構成される。電極(12)は、p型の場合、コンタクト層(11)表面に例えばTi/Pt/Auを順次に蒸着した後、アロイ処理することによって形成される。一方、電極(13)は、基板(1)の表面に形成され、n型電極の場合、例えばAuGe/Ni/Auを順次に蒸着した後、アロイ処理することによって形成される。
【0036】
このようにして形成された半導体ウエハーを劈開していわゆるレーザバーの状態とするが、本発明では必ずしも一般的にいって繁雑な真空中での劈開工程を必要としない。常圧の大気中あるいは窒素雰囲気中での劈開においても、端面での非発光再結合中心となる前記第一導電型クラッド層(3)、活性層(4)、第二導電型クラッド層(5)、(8)、さらには端面に露出される基板(1)、電流ブロック層(9)、コンタクト層(11)等の構成要素である各元素の中で、共振器ミラー近傍に位置する元素の内の、少なくともひとつの酸化物及び/又は窒化物等、特に酸化物の状態で存在するものを以下の処理によって除去することが可能だからである。
【0037】
このための技術が端面へのプラズマ照射である。特に希ガスをイオン化したプラズマ照射、特にArプラズマの照射は効果的である。さらに好適にはこのArプラズマの照射エネルギーを25eVから300eV程度、より好ましくは25eVから100eVの低エネルギー範囲で用いる事によって、半導体端面へのダメージを過度に与えることなく、非発光再結合中心となるこれら酸化物、窒化物等の除去が実現可能である。この処理は、例えば、不純物のイオン打ち込み等の従来技術に比較して非常に低いエネルギーでの処理であるため、端面へのダメージ導入をおさえた形でプロセス出来る点が優れているといえる。酸化物の端面からの除去という観点では特にAs−Oの除去には効果的である。またGa−O等についても同様の効果がある。
【0038】
なお、構成元素の少なくともひとつ以上が酸化物の形態では存在しないかどうかを分析する方法としては、例えばXPS(X-ray Photo-electron Spectroscopy X線光電子分光法)がある。これは各元素の化学結合状態を知る上で非常に有益な手段であって、100μm×100μm程度の大きさに絞ったX−線を、レーザ端面に照射し、この結果発生する光電子をエネルギー分光することでレーザ端面を構成する各元素の化学的結合状態を確認できる。この時に、光電子検出器のサンプル表面となす角度を変化させることで、表面近傍の情報のみを得ることも容易に行うことが出来る。また、一般のレーザは後述の通り誘電体、あるいは誘電体と半導体の対によるコーティングが端面に施されているため、上記XPS測定の前に種々のエッチング法を用いて、分析に適した厚みまで、コーティング膜を薄くすることが行われるのが普通である。また、2nm程度の薄いコーティング膜が形成されているレーザに関しては、この様なエッチング等の処理をすることなく半導体レーザ端面の分析も可能である。
【0039】
さらにこの低エネルギーのArプラズマの照射効果は上記酸化物あるいは場合によっては窒化物の除去にとどまらない。前述のとおり活性層の望ましい形態として、量子井戸を形成し、特にその材料系がAlGaAs系材料、InGaAs系材料、InGaP系材料、AlGaInP系材料等の際には、駆動中の不活性化層(14)の拡散、例えばSiの拡散ではなく、レーザの作製工程中に端面近傍を無秩序化でき、かつ高抵抗化している端面を作りこめる効果がある。これはレーザ作製初期での端面近傍のバンドギャップの増大と、端面近傍の高抵抗化、すなわち端面での光吸収の抑制と、破壊しやすい端面への電流注入の抑制効果を意味し、レーザのさらなる長寿命化が期待できる。
【0040】
上記プラズマ照射は、LD作製工程上で端面近傍のバンドギャップを広げて発振波長λに対して透明化する効果もあり、不活性化層(14)がLD駆動中に拡散しながら、さらに、端面近傍のバンドギャップを広げていく効果と相まって、高出力、長寿命の素子を実現するものである。
本発明方法は、共振器端面、即ち劈開面へのプラズマ照射を特徴とするが、より詳しくは、該端面に露出し、該端面を形成する第一導電型クラッド層、活性層及び第二クラッド層には少なくともプラズマを照射することが好ましく、通常は、他の層も含めた端面全面にプラズマを照射する。またプラズマ照射は、10-3Torr以下程度、好ましくは10-4Torr以下、最も好ましくは10-5Torr以下程度の真空中で行う。
【0041】
端面の形成には好適には劈開が利用される。これは端面発光型のレーザの場合に広く用いられるが、面発光レーザの様に共振器が結晶成長過程で作製される場合もある。
【0042】
劈開によって形成される端面は使用する基板の方位によって異なる。例えば、好適に利用される名目上(100)(nominally (100))と結晶学的に等価な面をもつ基板を使用し端面発光型レーザ等の素子を形成する際には、(110)もしくはこれと結晶学的に等価な面が共振器を形成する面となるが、前述のオフ基板(miss oriented substrate)を使用した際には、その傾斜させた方向と共振器方向の関係によっては端面が共振器方向と90°をなさない場合もある。たとえば(100)基板から、(1−10)方向にむけて角度を2°傾けた基板を使用した際には端面も2度傾く事となる。
【0043】
本発明において、不活性化層とは、化合物半導体発光素子の端面に形成され、端面を構成する元素が結合すると非発光再結合中心を形成してしまう、たとえば酸素等の元素との化学反応を防止する層である。不活性化層は、少なくとも端面を形成する第1導電型クラッド層、活性層及び第2導電型クラッド層を被覆する様に形成されるが、通常は、端面全体を被覆する様に形成される。
【0044】
本発明においては、不活性化層は、端面に真空中でプラズマ照射後、引き続き真空中、即ち、10-3Torr以下程度の真空中、好ましくは10-6Torr以下程度、最も好ましくは10-7Torr以下程度の高真空中で形成される。不活性化層の材料としては、Si、Ge、S、Seが挙げられるが、中でもSiを含むことが好ましく、50原子%以上のSiを不活性化層に含むことが好ましい。
【0045】
半導体端面に不活性化層(14)として付着される元素は活性層中に拡散した際にn型の不純物となるものが望ましく、好適には前述のとおりSiが利用される。Siはその製法によって構造、特徴が結晶学的に異なるが、単結晶、多結晶、アモルファスのいずれの場合についても効果が認められる。
特に好適には高真空中で低製膜レートで形成されたアモルファスSiが利用される。一般的にSiの吸収端はその膜質によって異なるが、約2μm以上の波長に対しては透明であり、吸収はないと考えられる。逆に約2μmよりも短い波長にたいしては、Siの屈折率NはN=n+ikとなりnは屈折率の実数部分、kは消散係数であり、nは約3.5である。
【0046】
一般的に不活性化層(14)の厚みTp(nm)は0.2(nm)より厚いことが望ましい。しかし、一方極端に厚い膜厚、例えば100nm等も適さない場合がある。不活性化層(14)の望ましい厚みは、下限はそれ自体が膜として存在するための要件から規定され、また上限は、活性層から出射される光がSiによって吸収される効果とのバランスで決定される。すなわち端面が全面不活性化膜で覆われる要件と、Siの吸収による端面の温度上昇の両面の効果がSiを端面に堆積させた場合には考えられるわけであり、この望ましい範囲は本発明者らの実験結果では、
0.2(nm)<Tp(nm)<λ/8n(nm)・・・・・(I)
(ただし、式(I)中、λは半導体発光素子の発振波長を、nは該不活性化層の波長λにおける屈折率の実数部分を表す。)
であることを確認している。但し0.2nm以下の厚みの場合にも効果は確認されている。
【0047】
さらに、露出した半導体端面上に構成される不活性化層(14)の上に、積層された誘電体又は誘電体及び半導体の組合せからなるコーティング層(15)(16)を有することが重要である。特に望ましくは端面へのイオン照射、不活性化層(14)の形成、そしてコーティング層(15)(16)の形成は連続して真空中で行う。これは主には半導体レーザからの光の取りだし効率を上げるための目的と、さらなる端面の保護を行うという2つの目的で行われる。特に、高出力を得るためには発振波長に対して低反射率をもつコーティングを前端面に施し、後端面に対しては高い反射率のそれを施す、非対称コーティングが広く用いられる。
【0048】
本コーティングにはさまざまな材料を用いることが出来、AlOx、TiOx、SiOx、SiN、Si及びZnSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組合せることが好ましいが、低反射コーティングとしてはAlOx、TiOx、SiOx等が、また高反射コーティングとしてはAlOx/Siの多層膜、TiOx/SiOxの多層膜等が用いられる。それぞれの膜厚は所望の反射率を実現するために調整される。しかし、一般的には低反射コーティングとしてはAlOx、TiOx、SiOx等がその波長λでの屈設率の実数部分をnとしてλ/4n近傍の膜厚になるように調整されるのが一般的である。また、高反射多層膜もそれを構成する各材料がλ/4n近傍になるように調整され、さらにこの対を目的に応じて積層する手法が好適である。
【0049】
コーティング層(15)(16)の製法においてはいわゆるIAD(Ion Assisted Deposition)法が好適に用いられる。これはコーティング材料の真空蒸着と同時に、あるエネルギーをもったイオンを照射する方法であって、特に希ガスによるイオン照射が好適である。さらには希ガスのなかでもArイオンによるIADは前記コーティング材料の膜質向上に多大な効果がある。特にArイオンの照射の最適な条件は、25eVから300eV程度、より好ましくは50eVから200eV程度の低エネルギー範囲で用いる事であり、これによって、半導体端面へのダメージを与えずにコーティングが可能である。また、10-3Torr以下、より好ましくは10-4Torr以下、最も好ましくは10-5Torr以下程度の真空中で行うのがよい。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すグルーブ型のレーザ素子を以下の通り製造した。
【0051】
キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs基板(1)の(100)面上に、MBE法にて、バッファ層(2)として1μmの厚さのキャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層、第一導電型クラッド層(3)として1.5μmの厚さのキャリア濃度1×1018cm-3のn型Al0.35Ga0.65As層、次いで厚さ24nmのアンドープのGaAs光ガイド層上に厚さ6nmのアンドープIn0.2Ga0.8Asの単一量子井戸(SQW)、さらにその上に厚さ24nmのアンドープGaAs光ガイド層を有する活性層(4)、第二導電型第一クラッド層(5)として厚さ0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のp型Al0.35Ga0.65As層、第2エッチング阻止層(6)として厚さ10nm、キャリア濃度1×1018cm-3のp型GaAs層、第1エッチング阻止層(7)として厚さ20nm、キャリア濃度5×1017cm-3のn型In0.49 Ga0.51P層、電流ブロック層(9)として厚さ0.5μm、キャリア濃度5×1017cm-3のn型Al0.39Ga0.61As層、キャップ層(10)として厚さ10nm、キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層、を順次積層した。
【0052】
次に、最上層の電流注入領域部分を除く部分に窒化シリコンのマスクを設けた。この場合に、窒化シリコンマスクの開口部の幅は1.5μmとした。第1エッチング阻止層をエッチングストップ層としてエッチングを行い、電流注入領域部分のキャップ層(10)と電流ブロック層(9)を除去した。この時用いたエッチャントは、硫酸(98wt%)、過酸化水素(30wt%水溶液)及び水を体積比で1:1:5で混合したものを用い、25℃で30秒間行なった。
【0053】
次いでHF(49%)とNH4F(40%)を1:6で混合したエッチング液に2分30秒間浸漬して窒化シリコン層を除去し、更に第2エッチング阻止層をエッチングストップ層として、電流注入領域部分の第1エッチング阻止層をエッチング除去した。この時用いたエッチャントは、塩酸(35wt%)と水を2:1に混合したものであり、温度は25℃、時間は2分間とした。
【0054】
この後、MOCVD法にて第二導電型第二クラッド層(8)としてキャリア濃度1×1018cm-3のp型Al0.35Ga0.65As層を埋め込み部分(電流注入領域部分)で1.5μmの厚さになるよう成長させ、最後に電極との良好な接触を保つためのコンタクト層(11)として、厚さ7μm、キャリア濃度1×1019cm-3のp型GaAs層を成長させレーザ素子を形成した。このレーザ素子の電流注入領域の幅W、即ち、第二導電型第二クラッド層の、第二エッチング阻止層との界面における幅は、2.2μmであった。
【0055】
このウエハーに対して基板側にはn-型電極(13)としてAuGeNi/Auを、またp−側電極(12)にはTi/Pt/Auを蒸着させ400℃でアロイを5分間行いウエハーを完成させた。
続いて、大気中で、共振器長700μmのレーザバーの状態に劈開して(110)面を露出させ、Arプラズマ発生装置を持つ真空チャンバーのなかにレーザバーをいれた。3×10-5Torrの真空中で、平均エネルギー60eV、電流密度150μA/cm2のArプラズマを1分間端面(劈開面)に照射した。連続して、2×10-7Torrの真空中で通常の電子ビーム蒸着法を用いてアモルファスSiを2nm端面に堆積させてSi不活性化層(14)を形成した。さらに連続的にAlOx膜を発振波長980nmにおいて前端面の反射率が2.5%になるように165nm製膜し、コーティング層(15)を形成した。AlOx製膜時には4×10-5Torrの真空中でIAD法により、平均エネルギー120eV、電流密度200μA/cm2のArプラズマをAlOxの端面への供給と同時に照射した。
【0056】
なお、980nmでのアモルファスSiの屈折率は、その実数部分が約3.4であることを確認している。
【0057】
さらに後端面側の処理を行うために、一度レーザバーを真空チャンバーから取りだした。後端面側においても前端面側と全く同様にしてArプラズマ照射及びSi不活性化層(14)の形成を行い、さらに連続して、AlOx膜を170nm/アモルファスSiを60nm/AlOx膜を170nm/アモルファスSiを60nmと連続した4層のコーティング層(16)を形成し、反射率92%の後端面を作製した。なお、AlOx膜の製膜は、前端面側と同様のIAD法により、アモルファスSiの製膜は、前端面側と同様の電子ビーム蒸着法により行なった
このレーザバーの1サンプルを端面分析用としてXPS測定を行なった。この際に光電子のとりだし角度は75度とし半導体レーザ端面の状態を観測した。この結果通常大気に一度さらされてしまったGaAs(110)面に存在するGa−O、As−Oともまったく検出されなかった。
【0058】
また、このレーザバーから分析用サンプルとして1デバイスを取り出し、前端面のAlOx層とSi層をフッ酸系のエッチャントで取り除いた後真空分析装置に入れ、電子エネルギー損失分光法を用いて活性層の前端面近傍のバンドギャップを測定した。電子エネルギー損失分光法はサンプル表面近傍(最大分析深さ1.5nm程度)のみの情報を得る分析法であるため、バルク領域の物性値に影響されることなくレーザ端面のバンドギャップを測定する有力な手法である。100nmφ程度に絞った1000eVの電子線をレーザ端面の活性層付近に照射し、表面酸化層の奥で半導体そのものの端面から1nmの深さの領域から回折した損失電子のエネルギーを分析したところ、バンド間遷移に起因する損失ピークから、InGaAs量子井戸層端面近傍のバンドギャップが1.5eV、GaAs光ガイド層端面近傍のバンドギャップが1.65eVと測定された。フォトルミネッセンス測定から求めた室温のInGaAs量子井戸活性層の量子準位間のエネルギーギャップは1.29eVであり、GaAsのバンドギャップは1.41eVであることから、Arプラズマ照射によって端面近傍のバンドギャップが広がり、端面は発振波長に対して透明である事を確認した。
【0059】
このレーザバーから10デバイスを放熱用サブマウント上にのせ、窒素雰囲気中でパッケージした。デバイスの平均的初期特性としては25℃で閾値電流が23mAであり、350mA、250mWでキンクが観測された。この集団に対して寿命試験を行なった。200mW、50℃で加速試験をした結果、図3に示す通り2000hrs経過した時点での突然死はなく安定な動作が確認された。
【0060】
作製した素子のひとつを透過型の電子顕微鏡(TEM)で観察するためのサンプルに加工し、その端面近傍の活性層付近と、バルクの様子を比較した。この結果、Arプラズマ照射された端面近傍において、活性層付近の結晶性が崩れ、無秩序化が起こっていることが確認された。
【0061】
(実施例2)
後端面のコーティング層を、前端面側と同様のIAD法により形成したSiOx膜を200nm/TiOxを120nm/SiOx膜を200nm/TiOxを120nm/SiOx膜を200nm/TiOxを120nmと連続した6層とし、反射率88%の後端面とした以外は前記実施例1と全く同様にしてレーザバーを作製した。
【0062】
このレーザバーの1サンプルを端面分析用として前記実施例1と全く同様にしてXPS測定を行ったところ、Ga−O、As−Oともまったく検出されなかった。
また、このレーザバーから分析用サンプルとして1デバイスを取り出し、前記実施例1と同様に損失電子のエネルギーを分析したところ、バンド間遷移に起因する損失ピークから、InGaAs量子井戸層端面近傍のバンドギャップが1.5eV、GaAs光ガイド層端面近傍のバンドギャップが1.65eVと測定された。フォトルミネッセンス測定から求めた室温のInGaAs量子井戸活性層の量子準位間のエネルギーギャップは1.29eVであり、GaAsのバンドギャップは1.41eVであることから、Arプラズマ照射によって端面近傍のバンドギャップが広がり、端面は発振波長に対して透明である事を確認した。
【0063】
さらに前記レーザバーから、前記分析用サンプルとは別に、寿命試験用サンプルとして5デバイスを取り出し、放熱用サブマウント上にのせ、窒素雰囲気中でパッケージした。デバイスの平均的初期特性としては25℃で閾値電流が25mAであり、359mA、240mWでキンクが観測された。この集団に対して行なった200mW、50℃での寿命試験結果では、図4の通り、2000hrs経過した時点での突然死はなく安定な動作が確認された。
【0064】
作製した素子のひとつを前記実施例1と全く同様にしてTEMで観察したところ、Arプラズマ照射された端面近傍において、活性層付近の結晶性が崩れ、無秩序化が起こっていることが確認された。
【0065】
(比較例1)
前端面及び後端面とも、Si不活性化層(14)の形成及びそれに先立つArプラズマ照射を行わず、かつコーティング層(15)及び(16)の形成をIAD法を用いずに、通常の電子ビーム蒸着法を用いて行なった以外は、前記実施例と全く同様にしたところ、デバイスの平均的初期特性としては、実施例と同様に25℃で閾値電流が23mAであり、350mA、250mWでキンクが観測されたが、寿命試験においては、100hrs経過するまでに10デバイスすべてが図5の様に突然死した。
【0066】
また、前記実施例1と全く同様にXPS分析、電子エネルギー損失分光分析、及びTEM観察を行い、端面にGa−Oが存在すること、量子井戸層及び光ガイド層のバンドギャップは端面近傍でもバルク領域と同様であること、さらには、端面近傍の結晶の外観はバルク領域の単結晶と同様であることを確認した。
(比較例2)
前端面及び後端面とも、Si不活性化層の形成を行わなかった以外は前記実施例1と全く同様にしたところ、デバイスの平均的初期特性としては25℃で閾値電流が23mAであり、350mA、250mWでキンクが観測された。これは実施例1と同様の結果であった。しかし、このデバイス10個の集団に対してを行なった寿命試験(200mW、50℃)は2000hrs経過した時点での突然死が、図6の通り、6デバイス確認された。また劣化速度も実施例1より大きくなってしまった。
【0067】
(比較例3)
前端面及び後端面とも、Si不活性化層の形成に先立つArプラズマ照射を行わなかった以外は、前記実施例1と全く同様にしたところ、デバイスの平均的初期特性としては25℃で閾値電流が23mAであり、350mA、250mWでキンクが観測された。これは実施例1と同様の結果であった。しかし、実施例1と同数の10デバイスの集団に対してを行なった寿命試験(200mW、50℃)は図7の様に、250hrs経過した時点ですべてのデバイスが突然死した。
【0068】
また、前記実施例1と全く同様にXPS分析、電子エネルギー損失分光分析、及びTEM観察を行い、端面にGa−Oが存在すること、量子井戸層及び光ガイド層のバンドギャップは端面近傍でもバルク領域と同様であること、さらには、端面近傍の結晶の外観はバルク領域の単結晶と同様であることを確認した。
(比較例4)
前端面及び後端面とも、Si不活性化層の形成及びそれに先立つArプラズマ照射を行わなかった以外、前記実施例2と全く同様にしたところ、電子エネルギー損失分光法により測定したInGaAs量子井戸活性層端面のバンドギャップは1.28eVと、フォトルミネッセンスで測定したバルク領域の値とほぼ同じであった。また、寿命試験の結果は図8に示すとおり、100hrs経過した時点で5デバイスすべてが突然死した。
【0069】
また、前記実施例1と全く同様にXPS分析及びTEM観察を行い、端面にGa−Oが存在すること、及び端面近傍の結晶の外観はバルク領域の単結晶と同様であることを確認した。
【0070】
【発明の効果】
本発明は半導体レーザ等の半導体発光素子端面での界面準位密度を長期間にわたって安定に抑制し、しかも、不活性化層(14)の拡散が起こった際にも安定に動作する半導体発光素子を、簡便な製造方法で実現可能とするものであり、多大な工業的利益を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体発光素子の斜視図である。
【図2】本発明実施例1の半導体レーザの共振器方向から見た断面説明図である。
【図3】本発明実施例1の半導体レーザの寿命試験(200mW一定出力、50℃)の結果である。
【図4】本発明実施例2の半導体レーザの寿命試験(200mW一定出力、50℃)の結果である。
【図5】本発明比較例1の半導体レーザの寿命試験(200mW一定出力、50℃)の結果である。
【図6】本発明比較例2の半導体レーザの寿命試験(200mW一定出力、50℃)の結果である。
【図7】本発明比較例3の半導体レーザの寿命試験(200mW一定出力、50℃)の結果である。
【図8】本発明比較例4の半導体レーザの寿命試験(200mW一定出力、50℃)の結果である。
【符号の説明】
1:基板 2:バッファ層 3:第一導電型クラッド層 4:活性層 5:第二導電型第一クラッド層 6:第二エッチング阻止層 7:第一エッチング阻止層8:第二導電型第二クラッド層 9:電流ブロック層 10:キャップ層 11:コンタクト層 12:電極 13:電極 14:不活性化層 15:コーティング層 16:コーティング層

Claims (21)

  1. 基板上に、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層を含む化合物半導体層が形成されてなり、共振器構造を有する半導体発光素子の製造方法において、基板上に化合物半導体層を順次結晶成長した後、大気中もしくは窒素雰囲気中で劈開により共振器端面を形成し、次いで、該端面に真空中でプラズマ照射し、当該プラズマ照射した面上に引き続き真空中でSi、Ge、S及び/又はSeからなる不活性化層を形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記劈開を常圧で行うことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記不活性化層を10-3Torr以下の真空中で形成することを特徴とする請求項1ないしに記載の半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記不活性化層をアモルファスSiで構成することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前不活性化層を、その厚みTp(nm)が下記式(I)で表される範囲となる様に形成することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
    0.2(nm)<Tp(nm)<λ/8n(nm)・・・・・(I)
    (ただし、式(I)中、λは半導体発光素子の発振波長を、nは該不活性化層の波長λにおける屈折率の実数部分を表す。)
  6. 前記プラズマ照射が18族元素のプラズマ照射であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記18族元素がArであることを特徴とする請求項記載の半導体発光素子の製造方法。
  8. 照射するArプラズマのエネルギーが25eV以上300eV以下であることを特徴とする請求項記載の半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記不活性化層の形成後、その表面に更に誘電体又は誘電体及び半導体の組合せからなるコーティング層を形成することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記コーティング層を、不活性化層の形成後、引き続き真空中で形成することを特徴とする請求項記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記コーティング層を形成する際、真空中で、端面に対するコーティング層の原料供給とプラズマ照射を同時に行うことを特徴とする請求項又は10記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記プラズマ照射が18族元素のプラズマ照射であることを特徴とする請求項11記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記18族元素がArであることを特徴とする請求項12記載の半導体発光素子の製造方法。
  14. 照射するArプラズマのエネルギーが25eV以上300eV以下であることを特徴とする請求項13記載の半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記コーティング層が、AlOx、TiOx、SiOx、SiN、Si及びZnSからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組合せからなることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記コーティング層が、低反射コーティング層及び高反射コーティング層を含むことを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  17. 前記低反射コーティング層がAlOxを含み、前記高反射コーティング層がAlOx及びSiを含むことを特徴とする請求項16記載の半導体発光素子の製造方法。
  18. 前記活性層がIn及び/又はGaを含むことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  19. 前記活性層がAlxGa1-xAs(0≦x≦1)、InxGa1-xAs(0≦x≦1)又は(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦x,y≦1)からなることを特徴とする請求項18記載の半導体発光素子の製造方法。
  20. 前記活性層の導電型をp型とすることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  21. 共振器端面が(110)面又はそれと結晶学的に等価な面であることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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