JP2001240335A - エレベータの停電時運転装置 - Google Patents

エレベータの停電時運転装置

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JP2001240335A
JP2001240335A JP2000051637A JP2000051637A JP2001240335A JP 2001240335 A JP2001240335 A JP 2001240335A JP 2000051637 A JP2000051637 A JP 2000051637A JP 2000051637 A JP2000051637 A JP 2000051637A JP 2001240335 A JP2001240335 A JP 2001240335A
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power
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Masahiro Fukuda
正博 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 停電で階間に停止したかご12を円滑に昇降
させて乗客12aをかご12内から脱出させるようにし
たエレベータの停電時運転装置を得る。 【解決手段】 平滑コンデンサ3によって平滑化された
直流を、DCチョッパ回路4で可変電圧の直流に変換し
て直流電動機5を駆動し、つり合おもり13とつるべ式
に吊持されたかご12を昇降させるようにしたエレベー
タにおいて、かご12及びつり合おもり13のうち、い
ずれか重い方を下降させて階床まで運転するようにした
ものであって、直流電動機5の界磁電流を制御して直流
回路の平滑コンデンサ3の端子電圧を所定値に保つこと
によって、運転によって発生する回生電力を直流電動機
5内で消費するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、停電時にかご及
びつり合おもりのうち、いずれか重い方を下降させて着
床させるエレベータの停電時運転装置に係る。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来のエレベータの停電時運転
装置を示す。平常時は、三相交流電源1から電力の供給
を受けてエレベータ制御装置60が直流電動機5を制御
して巻上機10を駆動し、かご12を昇降させる。かご
12の昇降速度は、エンコーダ27及び速度検出回路2
8を介して帰還されて、所定の速度パターンに従うよう
に制御される。エレベータの運転中に停電になると、電
磁ブレーキ10aが閉成してかご12を非常停止させ
る。このとき、かご12が階間に停止した場合、停電時
制御装置61が作動して電磁ブレーキ10aを開放し、
その時のかご12とつり合おもり13との重量の不平衡
によりかご12を上昇又は下降させる。かご12が最寄
階の着床レベルまで近付いたとき、電磁ブレーキ10a
を閉成させてかご12を停止させ、戸を開いて乗客12
aをかご12から降ろすようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のエレベータの停
電時運転装置は上記のとおり構成されているので、停電
時にかご12を昇降させてかご12内の乗客12aを救
出するには、かご12とつり合おもり13との重量差が
大きいことが条件となった。この条件の下に、かご12
を昇降させた場合、重量差によってかご12の速度が変
動する。また、かご12を制動停止させるのに、電磁ブ
レーキ10aを直接作動させていたので、停止時はショ
ックが大きくて乗り心地が悪いばかりでなく、かご12
の床面と階床との着床誤差が大きい、という問題があっ
た。また、かご12とつり合おもり13の不平衡重量が
小さい場合、かご12はつり合おもり13とつり合った
状態で停止し、乗客12aをかご12内から脱出させる
ことができない、という問題もあった。更に、特開平9
−77410号公報には、停電時運転用に専用の直流モ
ータを設けるものが記載されているが、停電という稀有
な異常事態に対して装置が高価に過ぎる、という問題が
あった。
【0004】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、停電で階間に停止したかごを円滑
に昇降させて乗客をかご内から脱出させるようにしたエ
レベータの停電時運転装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1のエ
レベータの停電時運転装置は、平滑コンデンサによって
平滑化された直流を、DCチョッパ回路で可変電圧の直
流に変換して直流電動機を駆動し、つり合おもりとつる
べ式に吊持されたかごを昇降させるようにしたエレベー
タにおいて、停電が発生すると、かご及びつり合おもり
のうち、いずれか重い方を下降させて階床まで運転する
ようにしたものであって、直流電動機の界磁電流を制御
して直流回路の平滑コンデンサの端子電圧を所定値に保
つことによって、運転によって発生する回生電力を直流
電動機内で消費するようにしたものである。
【0006】この発明に係る第2のエレベータの停電時
運転装置は、同じくいずれか重い方を下降させて階床ま
で運転するようにしたものであって、直流電動機の速度
を制御する速度パターンを制御することにより直流回路
の平滑コンデンサの端子電圧を所定値に保つことによっ
て、運転によって発生する回生電力を直流電動機内で消
費するようにしたものである。
【0007】この発明に係る第3のエレベータの停電時
運転装置は、上記第1又は第2のエレベータの停電時運
転装置において、停電検出回路によって停電が検出され
ると直流電源を接続して直流電動機を始動させるように
したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】実施の形態1.まず、図7に従っ
てこの発明の原理を説明する。直流電動機5は回転軸9
を介して巻上機10に直結されており、この回転軸9に
は不平衡重量13aが掛かっている。ここで、J:回転
軸9における慣性モーメント、ω:回転軸9の角速度、
τ:軸トルク、Tc:不平衡重量13a及び走行抵抗に
よる負荷トルク、V:端子電圧、E:誘起電圧、If:
界磁電流、Φ:有効磁束、Ia:電機子電流、Ra:電
機子抵抗とする。
【0009】軸トルクτは、 τ=J・(dω/dt)+Tc (1) となる。定数Kt及びKeとして、直流電動機5には下
式が成立する。 τ=Kt・Φ・Ia (2) E=Ke・Φ・ω (3) いま、直流電動機5は発電機として、回生電力Pを発生
しているとすると、 E=V+Ia・Ra (4) ∴P=Ia・E=Ia(V+Ia・Ra) (5) となる。
【0010】(5)式において、(Ia・Ia・Ra)
は、直流電動機5の電機子で消費される回生電力であ
る。従って、 E=Ia・Ra (6) となるように制御すれば、回生電力Pは全て直流電動機
5で消費されることになる。この(6)式に上記(2)
式及び(3)式を代入して整理すると、 Ra・τ=Ke・Kt・(Φ・Φ)・ω (7) となる。ここで、有効磁束Φは界磁電流Ifの関数であ
るから、回転軸9の角速度ωに対応させて界磁電流If
を制御すれば、回生電力Pを全て電動機5で消費させる
ことができる。
【0011】以上の解析に基づいて、図1から図3に従
って、この発明の実施の形態1を説明する。この実施の
形態1は、回生電力の大小に応じて界磁電流Ifを増減
させることにより電機子電流Iaを増減させ、電機子抵
抗Raによって回生電力を消費させるようにしたもので
ある。図1において、1は三相交流電源、2はIGBT
(Insulated Gate Bipolar T
ransistor)とダイオードの組合わせからなる
コンバータで、三相交流から直流への順変換と、通常運
転で発生した回生電力を三相交流電源1側へ返還する逆
変換の双方を可能とする。3はコンバータ2によって変
換された直流出力を平滑化する平滑コンデンサ、4はI
GBTとダイオードを逆並列に接続した回路素子を更に
ブリッジ形に接続し、PWM制御によってON−OFF
して正逆両方向の直流電圧制御をするDCチョッパ回路
である。
【0012】5はDCチョッパ回路4によって制御され
る直流電動機、6は三相交流を直流に変換するコンバー
タで、ダイオードで構成されている。7はコンバータ6
による直流を、PWM制御によってON−OFFして電
圧制御をするDCチョッパ回路である。8は直流電動機
5の界磁巻線で、DCチョッパ回路7によって制御され
る。9は直流電動機5に直結された回転軸、10はこの
回転軸9に連結された巻上機、11はこの巻上機10に
巻き掛けられた主索、12はこの主索11の一端に吊持
されたかご、12aはかご12内の乗客、13は主索1
1の他端に吊持されたつり合おもりである。
【0013】14は停電時にコンバータ2及びDCチョ
ッパ回路4を介して直流電動機5へ電力を供給する主回
路蓄電池で、電圧Vbを発生している。15は平常時は
端子a側へ接続されてコンバータ2へ三相交流電源1を
供給し、停電時は端子b側へ接続されてコンバータ2へ
主回路蓄電池14から直流を供給する主回路切替器、1
6は停電時に直流電動機5の界磁巻線8へ電力を供給す
る界磁回路蓄電池、17は平常時は端子a側へ接続され
てコンバータ6へ三相交流電源1を供給し、停電時は端
子b側へ接続されてコンバータ6へ界磁回路蓄電池16
から直流を供給する界磁回路切替器である。
【0014】21は平滑コンデンサ3の両端に接続され
た検出端子、22は検出端子21から平滑コンデンサ3
の電圧を検出するコンデンサ電圧検出回路、23は直流
電動機5の電機子回路に装着された直流変流器、24は
直流変流器23から電機子電流Iaを検出する電機子電
流検出回路、25は界磁巻線8の回路に装着された直流
変流器、26は直流変流器25から界磁電流Ifを検出
する界磁電流検出回路、27は回転軸9に装着されたエ
ンコーダ、28はこのエンコーダ27から回転軸9の角
速度ωを検出する速度検出回路、29はかご内負荷を検
出するかご内負荷検出回路である。
【0015】30は停電時にエレベータを制御する停電
時制御部である。このうち、31は三相交流電源1が停
電したことを検出してする停電検出回路、32は停電検
出回路31が停電を検出すると主回路切替器15を三相
交流電源1から主回路蓄電池14へ、また、界磁回路切
替器17を三相交流電源1から界磁回路蓄電池16へそ
れぞれ切り替える電源切替回路、33は停電発生により
停止したかご12の位置を検出する停止位置検出回路、
34はかご内負荷検出回路29の検出信号に基づき、か
ご12及びつり合おもり13のうち、いずれか重い方を
下降させて最寄階床まで運転する運転方向決定回路であ
る。上記はいずれも周知事項であり詳細は省略する。
【0016】41は界磁電流指令発生回路で、詳細は図
2に示すとおり、コンデンサ電圧指令発生回路41aと
界磁電流指令制御回路41bとからなり、コンデンサ電
圧指令発生回路41aからは図3(b)に示すコンデン
サ電圧指令値Vcpが出力され、界磁電流指令制御回路
41bからは指令値Vcpとコンデンサ電圧検出回路2
2によるコンデンサ電圧Vcとが比較され、(7)式に
基づいて演算されて図3(c)に示すとおり界磁電流指
令値Ifcが出力される。即ち、Vc>Vcpの場合
は、その時の角速度ωに対して(7)式が成立するよう
に、界磁電流Ifを弱めて有効磁束Φを減少させるよう
に制御される。42は界磁電流指令発生回路41の指令
値Ifcと現実に検出された界磁電流Ifとを比較し、
界磁電流Ifが指令値Ifcとなるように界磁電圧指令
を演算する界磁電流制御回路、43は界磁電流制御回路
42の界磁電圧指令に基づいてPWM信号を発生するP
WM回路、44はPWM回路43の信号によってDCチ
ョッパ回路7のゲートをON/OFF制御して界磁電圧
を制御するゲート駆動回路である。
【0017】45は図3(a)に示す速度パターンSp
を発生する速度パターン発生回路、46は速度パターン
Spと速度検出回路28によって検出された実速度Sf
との差値とかご内負荷とから(1)式により演算された
値をトルク指令値として出力する速度制御回路、47は
速度制御回路46からのトルク指令値と界磁電流Ifと
から(2)式により電機子電流Iaを演算し、更に、こ
の電機子電流Iaに必要とする誘起電圧Eを(6)式に
より演算して電圧指令として出力する電機子電流制御回
路、48は電機子電流制御回路47の電圧指令に基づい
てPWM信号を発生するPWM回路、49はPWM回路
48の信号によってDCチョッパ回路4のゲートをON
/OFF制御するゲート駆動回路である。
【0018】次に動作について説明する。 1.平常時運転 主回路切替器15及び界磁回路切替器17はいずれも三
相交流電源1に接続されていて、コンバータ2による直
流を、DCチョッパ回路4で電圧制御して直流電動機5
に印加し、かご12を昇降駆動する。かご12が重負荷
上昇する場合は、直流電動機5は電動機として機能し、
重負荷下降する場合は発電機として機能して、DCチョ
ッパ回路4及びコンバータ2を介して回生電力を三相交
流電源1側へ返還して昇降運転をする。
【0019】2.停電時運転 停電になると、停電検出回路31が作動して主回路切替
器15及び界磁回路切替器17を、それぞれ主回路蓄電
池14及び界磁回路蓄電池16側へ投入する。この投入
により、コンデンサ3及びDCチョッパ回路4には図3
(b)に示すとおり主回路蓄電池14の電圧Vbが印加
され、界磁巻線8は同図(c)に示すとおり界磁電流基
準値Ifsで励磁される。かご12が階間に停止し、か
つ、軽負荷であったとすると、運転方向決定回路34に
よりかご12は上昇運転される。この上昇運転を図3に
従って説明する。
【0020】(1)時刻t0〜t1 時刻t0でかご12が上昇運転を開始したとする。直流
電動機5は同図(a)の速度パターンSpに従って速度
制御される。この間は、直流電動機5は電動機として機
能して、かご12を加速する。従って、まだ回生電力は
発生していないので、コンデンサ電圧Vcは、同図
(b)に示すとおり主回路蓄電池14によって充電され
て電圧Vbとなっており、界磁電流は、同図(c)に示
すとおり基準値Ifsに保持されている。時刻t1で直
流電動機5は発電機として機能して回生電力を発生す
る。
【0021】(2)時刻t1〜t2 回生電力は、DCチョッパ回路4によって返還されて平
滑コンデンサ3を充電する。実速度Sfは速度パターン
Spに追従して上昇し、これに伴ってコンデンサ電圧V
cも同図(b)に示すとおり、上昇して時刻t2でコデ
ンサ電圧指令値Vcpと一致する。以後、回生電力は直
流電動機5で消費されるように、界磁電流Ifが制御さ
れる。
【0022】(3)時刻t2〜t3〜t4 界磁電流指令制御回路41bでコンデンサ電圧指令値V
cpとコンデンサ電圧Vcとが比較されコンデンサ電圧
Vcが指令値Vcpを上回ると、界磁電流指令制御回路
41bは、(7)式に基づいて演算して界磁電流指令値
Ifcを界磁電流基準値Ifsよりも減少させる。界磁
電流Ifは上記指令値Ifcに従って減少し、これに伴
って電機子電流Iaは(2)式に従って増大する。電機
子電流Iaの増大に伴って電機子抵抗Raにおける回生
電力の消費が増大する。時刻t3で回生電力が直流電動
機5で全量吸収されるとコンデンサ電圧Vcは指令値V
cpに保たれる。以後、この状態が時刻t4まで継続す
る。
【0023】(4)時刻t4〜t5 速度パターンSpに従って時刻t4で減速を開始する
と、減速トルクが加勢して回生電力はそれ迄よりも増大
する。このため、界磁電流指令値Ifcは更に減少し、
これに伴って電機子電流Iaは増大して回生電力は全量
直流電動機5で吸収される。速度の低下に伴って回生電
力も減少するが、コンデンサ電圧Vcはコンバータ2及
びDCチョッパ回路4によって放電を阻止されて指令値
Vcpを保持する。時刻t5で最寄階に着床して停止す
ると、平滑コンデンサ3は放電して電圧Vbとなり、界
磁電流Ifは基準値Ifsとなる。
【0024】上記実施の形態1によれば、停電時は、主
回路蓄電池14をコンバータ2の三相交流電源1側に接
続して直流電動機5に電源を供給して始動すると共に、
回生制動がなされても平滑コンデンサ3の端子電圧Vc
が所定の指令値Vcpに保たれるように制御するように
したものである。このため、かご12とつり合おもり1
3とが不平衡になっていて、いずれか重い方を下降させ
て最寄階へ着床させる場合に、平滑コンデンサ3の端子
電圧Vcが所定の指令値Vcpに保たれるので、下降運
転に伴って発生する回生電力は直流電動機5内で全量消
費される。従って、停電になって三相交流電源1側で回
生電力を吸収できなくなったとしても、かご12を過速
させることなく回生制動を掛けながら速度パターンSp
に従ってかご12を最寄階まで運転して着床させること
ができ、乗り心地と着床制度を確保できる。また、停電
になったとき、かご12とつり合おもり13とがつり合
っていても、直流電動機5は主回路蓄電池14に駆動さ
れてかご12を最寄階へ着床させることができる。更
に、主回路蓄電池14をコンバータ2の三相交流電源1
側に接続して回生電力による主回路蓄電池14への充電
を阻止したので、平滑コンデンサ3の端子電圧Vcを検
出することにより回生電力が直流電動機から外部へ流出
しているか否かを容易に検知できる。
【0025】実施の形態2.この実施の形態2は、速度
を抑えることにより回生電力を制限して直流電動機5内
で吸収できるようにしたものである。図4から図6は、
この発明の実施の形態2を示す。図中、図1から図3と
同符号は同一又は相当部分を示し、説明を省略する。5
0は停電時にエレベータを制御する停電時制御部であ
る。51は図6に示す界磁電流指令値Ifcを出力する
界磁電流指令発生回路である。52は速度パターン発生
回路で、詳細は図5に示すとおり、コンデンサ電圧指令
発生回路41aからは図6(b)に示すコンデンサ電圧
指令値Vcpが発生し、速度パターン制御回路52bで
指令値Vcpとコンデンサ電圧検出回路22によるコン
デンサ電圧Vcとが比較される。この比較結果から、V
c>Vcpの場合は、速度パターン制御回路52bは、
回生電力を制限するため、(3)式に基づいて演算して
図6(a)に実線で示すとおり速度パターンSpを変更
して出力する。
【0026】次に動作について説明する。平常時運転
は、実施の形態1と同じであり、説明を省略する。以
下、停電時運転について、図6に従って説明する。 (1)時刻t10〜t11 時刻t10でかご12が上昇運転を開始したとする。直
流電動機5は同図(a)の速度パターンSpに従って速
度制御される。この間は、かご12の走行抵抗および加
速トルクのために直流電動機5は電動機として機能し
て、かご12を加速する。従って、まだ回生電力は発生
していないので、コンデンサ電圧Vcは、同図(b)に
示すとおり主回路蓄電池14によって充電されて電圧V
bとなっており、界磁電流は、同図(c)に示すとおり
基準値Ifcに保持されている。時刻t11で直流電動
機5は発電機として機能し、以後回生電力を発生する。
【0027】(2)時刻t11〜t12 回生電力は、DCチョッパ回路4によって返還されて平
滑コンデンサ3を充電する。同図(b)に示すとおり、
実速度Sfは速度パターンSpに追従して上昇し、これ
に伴ってコンデンサ電圧Vcは時刻t12でコデンサ電
圧指令値Vcpまで上昇する。
【0028】(3)時刻t12〜t13〜t14 速度パターン制御回路52bでコンデンサ電圧指令値V
cpとコンデンサ電圧Vcとが比較される。コンデンサ
電圧Vcは時刻t12で指令値Vcpと一致し、以後指
令値Vcpを上回る。速度パターン制御回路52bは、
回生電力を制限するため、(3)式に基づいて演算して
図6(a)に実線で示すとおり速度パターンSpを低下
させて出力する。速度制御回路46は、速度パターンS
pに従って直流電動機5の実速度Sfを低下させる。時
刻t13でコンデンサ電圧Vcは指令値Vcpとなり、
回生電力は全量直流電動機5で消費される。これによ
り、かご12は回生制動されて一定速度で昇降する。こ
の状態は、減速が開始される時刻t14まで継続され
る。
【0029】(4)時刻t14〜t15 速度パターンSpに従って時刻t14で減速を開始する
と、減速トルクが加勢して回生電力はそれ迄よりも増大
する。このため、電機子電流Iaが増大して回生電力は
全量直流電動機5で吸収される。速度の低下に伴って回
生電力も減少するが、コンデンサ電圧Vcはコンバータ
2及びDCチョッパ回路4によって放電を阻止されて指
令値Vcpを保持する。時刻t15で最寄階に着床して
停止すると、平滑コンデンサ3は放電して電圧Vbとな
る。
【0030】上記実施の形態2によっても実施の形態1
と同様に、かご12とつり合おもり13とが不平衡にな
っていて、いずれか重い方を下降させて最寄階へ着床さ
せる場合に、この下降運転によって過分の回生電力が発
生して平滑コンデンサ3の端子電圧Vcが所定の指令値
Vcpを超えた場合は、速度パターンSpを低下させる
ことにより直流電動機5の速度を抑えて回生電力を制限
したので、回生電力は直流電動機5内で全量消費され
る。このため、かご12を過速させることなく回生制動
を掛けながら速度パターンSpに従ってかご12を最寄
階まで運転して着床させることができる。また、実施の
形態1と同様に、停電時、直流電動機5は主回路蓄電池
14に駆動されるので、仮に、かご12とつり合おもり
13とがつり合っていても、かご12を最寄階へ着床さ
せることができる。
【0031】なお、上記いずれの実施の形態において
も、主回路蓄電池14を設けるものとしたが、エレベー
タは、出退勤時及び昼食時のピーク時間帯を除き、通常
殆どの時間帯では乗客12aは1〜2人の小人数であ
り、かご12が軽い極端な不平衡状態となっている。従
って、主回路蓄電池14を省略して不平衡重量を利用し
た運転のみであってもよい。また、上記いずれの実施の
形態においても、いずれも主回路蓄電池14は、停電時
にコンバータ2の入力側に接続され、回生電力の流入は
ないようにしたが、出力側、つまり平滑コンデンサ3側
へ接続されるようにしてもよい。これにより、回生電力
を直流電動機5内で消費すると共に、主回路蓄電池14
への充電に供することもできる。更に、上記実施の形態
では、いずれもDCチョッパ回路はIGBTで構成され
るものとしたが、これに限られるものではなく、スイッ
チング素子ならばよい。
【0032】
【発明の効果】この発明は上記のとおり構成されている
ので、以下の効果を奏する。この発明に係る第1のエレ
ベータの停電時運転装置は、平滑コンデンサによって平
滑化された直流を、DCチョッパ回路で可変電圧の直流
に変換して直流電動機を駆動し、つり合おもりとつるべ
式に吊持されたかごを昇降させるようにしたエレベータ
において、停電が発生すると、かご及びつり合おもりの
うち、いずれか重い方を下降させて階床まで運転するよ
うにしたものであって、直流電動機の界磁電流を制御し
て直流回路の平滑コンデンサの端子電圧を所定値に保つ
ことによって、運転によって発生する回生電力を直流電
動機内で消費させるようにしたものである。このため、
停電になって交流電源側で回生電力を吸収できなくなっ
たとしても、かごを過速させることなく回生制動を掛け
ながら円滑に昇降させて着床させることができる、とい
う効果を奏する。
【0033】この発明に係る第2のエレベータの停電時
運転装置は、同じくいずれか重い方を下降させて階床ま
で運転するようにしたものであって、直流電動機の速度
を制御する速度パターンを制御することにより直流回路
の平滑コンデンサの端子電圧を所定値に保つことによっ
て、運転により発生する回生電力を直流電動機内で消費
するようにしたものである。このため、かごを過速させ
ることなく回生制動を掛けながら速度パターンに従って
円滑に運転してかごを着床させることができる、という
効果を奏する。
【0034】この発明に係る第3のエレベータの停電時
運転装置は、上記第1又は第2のエレベータの停電時運
転装置において、停電検出回路によって停電が検出され
ると直流電源で直流電動機を駆動するようにしたもので
ある。このため、停電になったとき、かごとつり合おも
りとがつり合っていても、直流電動機は直流電源によっ
て始動されてかごを着床させることができる、という効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるエレベータ
の停電時運転装置の全体を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1の要部を示すブロッ
ク図。
【図3】 この発明の実施の形態1の動作説明図。
【図4】 この発明の実施の形態2におけるエレベータ
の停電時運転装置の全体を示すブロック図。
【図5】 この発明の実施の形態2の要部を示すブロッ
ク図。
【図6】 この発明の実施の形態2の動作説明図。
【図7】 この発明の動作原理を解析するための説明
図。
【図8】 従来のエレベータの停電時運転装置のブロッ
ク図。
【符号の説明】
1 三相交流電源、 2 コンバータ、 3 平滑コン
デンサ、 4 DCチョッパ回路、 5 直流電動機、
6 コンバータ、 7 DCチョッパ回路、8 界磁
巻線、 9 回転軸、 10 巻上機、 11 主索、
12 かご、 13 つり合おもり、 14 主回路
蓄電池、 15 主回路切替器、 16 界磁回路蓄電
池、 17 界磁回路切替器、 21 検出端子、 2
2 コンデンサ電圧検出器、 23 直流変流器、 2
4 電機子電流検出器、 25直流変流器、 26 界
磁電流検出器、 27 エンコーダ、 28 速度検出
器、 29 かご内負荷検出器、 30 停電時制御
部、 31 停電検出回路、 32 電源切替回路、
33 停止位置検出回路、 34 運転方向決定回路、
41 界磁電流指令発生回路、 41a コンデンサ
電圧指令発生回路、 41b 界磁電流指令制御回路、
42 界磁電流制御回路、 43 PWM回路、 4
4 ゲート駆動回路、 50 停電時制御部、 51
界磁電流指令発生回路、 52 速度パターン発生回
路、 52b 速度パターン制御回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源からの交流を整流器で整流して
    得られた直流を平滑コンデンサで平滑化し、スイッチン
    グ素子とダイオードとを逆並列に接続した回路素子を更
    にブリッジ形に接続して正逆両方向の直流電圧制御をす
    るDCチョッパ回路で、上記平滑化された直流を可変電
    圧の直流に変換して直流電動機を駆動し、つり合おもり
    とつるべ式に吊持されたかごを昇降させるようにしたエ
    レベータにおいて、上記交流電源が停電すると作動して
    上記交流電源を切り放すと共に、上記直流電動機に界磁
    電流を供給する停電検出回路と、この停電検出回路の停
    電検出によって作動して上記かご及び上記つり合おもり
    のうち、いずれか重い方を下降させて階床まで運転する
    運転方向決定回路と、上記運転で発生する回生電力が上
    記DCチョッパ回路を介して返還されることにより変動
    する上記平滑コンデンサの端子電圧を検出するコンデン
    サ電圧検出回路と、上記端子電圧が所定のコンデンサ電
    圧指令値以下となるように上記界磁電流を制御して上記
    昇降運転中に発生する回生電力を上記直流電動機で消費
    させる界磁電流制御回路とを備えたエレベータの停電時
    運転装置。
  2. 【請求項2】 交流電源からの交流を整流器で整流して
    得られた直流を平滑コンデンサで平滑化し、スイッチン
    グ素子とダイオードとを逆並列に接続した回路素子を更
    にブリッジ形に接続して正逆両方向の直流電圧制御をす
    るDCチョッパ回路で、上記平滑化された直流を可変電
    圧の直流に変換して直流電動機を駆動し、つり合おもり
    とつるべ式に吊持されたかごを昇降させるようにしたエ
    レベータにおいて、上記交流電源の停電を検出して上記
    交流電源を切り放すと共に、上記直流電動機に界磁電流
    を供給する停電検出回路と、上記停電検出によって作動
    して上記かご及び上記つり合おもりのうち、いずれか重
    い方を下降させて階床まで運転する運転方向決定回路
    と、上記DCチョッパ回路を制御して上記かごを所定の
    速度パターンに従って昇降させる速度制御回路と、上記
    運転で発生する回生電力が上記DCチョッパ回路を介し
    て返還されることにより変動する上記平滑コンデンサの
    端子電圧を検出するコンデンサ電圧検出回路と、上記端
    子電圧が所定のコンデンサ電圧指令値以下となるように
    上記速度パターンを制御して上記昇降運転中に発生する
    回生電力を上記直流電動機で消費させる速度パターン制
    御回路とを備えたエレベータの停電時運転装置。
  3. 【請求項3】 コンデンサ電圧指令値以下の直流電圧を
    出力し、停電検出回路の停電検出によって接続されてD
    Cチョッパ回路を介して直流電動機を駆動する直流電源
    を整流器の入力側に設けた請求項1又は請求項2に記載
    のエレベータの停電時運転装置。
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Cited By (4)

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