JP2001226987A - 耐震基礎構造、耐震建造物、及び杭補強方法 - Google Patents

耐震基礎構造、耐震建造物、及び杭補強方法

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JP2001226987A JP2000039237A JP2000039237A JP2001226987A JP 2001226987 A JP2001226987 A JP 2001226987A JP 2000039237 A JP2000039237 A JP 2000039237A JP 2000039237 A JP2000039237 A JP 2000039237A JP 2001226987 A JP2001226987 A JP 2001226987A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 杭と地中連続壁とを用いた耐震基礎構造、該
耐震基礎構造を用いた耐震建造物及び地中連続壁による
杭補強方法を提供する。 【解決手段】 耐震基礎構造支持層より浅く根入れされ
た地中連続壁1と、該地中連続壁に一体化され前記支持
層5にまで根入れされた杭2とからなる耐震基礎構造を
用いる。また、該耐震基礎構造を備える耐震建造物及び
杭補強方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物の耐震補強
に関し、より詳細には杭と地中連続壁とを用いた耐震基
礎構造、該耐震基礎構造を用いた耐震建造物及び地中連
続壁による杭補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中連続壁は、これまで耐震壁、合成
壁、二方向版耐側圧壁、壁杭等に多用されており、現在
に至るまで数多くが施工されている。
【0003】図4には、従来の地中連続壁を用いた建造
物を示す。図4(a)は、建造物の縦断面図を示し、図
4(b)は、この建造物の耐震補強等のために用いられ
る地中連続壁の横断面図を示す。図4(a)に示された
建造物は、地上に構築された上部建造物40と、図4
(b)に示されるように地下室41を4方向から構築す
る地中連続壁42とから構成されている。図4(a)に
示されるように、地中連続壁42の天端42aは、上部
建造物40に連結され、この地中連続壁42は、天端4
2aから地盤43を通して鉛直方向へと延ばされて、下
端42bが、支持層44へと根入れされていて、上部建
造物40を補強している。
【0004】図5は、従来の地中連続壁を用いた別の建
造物を示した図である。図4と同様に図5(a)は、建
造物の縦断面図であり、図5(b)は、地中連続壁の横
断面図である。図5(a)に示された建造物は、地上に
構築されたフーチング、耐圧盤や地中梁といった構造体
50と、図5(b)に示される断面形状を有する地中連
続壁51とから構成されている。地中連続壁51の天端
51aは、構造体50に連結され、この地中連続壁51
は、天端51aから地盤52を通して鉛直方向へと延ば
されて、下端51bが、支持層53へと根入れされてい
て、図4で示された建造物と同様に、構造体50やこの
構造体50上に構築される建造物を補強している。
【0005】上述したように、地中連続壁は、上部構造
を支持するための基礎として多く使用されている。しか
しながら、大地震、例えばレベル2の大地震により基礎
構造が被害を受けると、上部建造物の傾斜・倒壊といっ
た被害に直結する。このため、従来の地中連続壁の耐震
性を向上させ、さらに建造物の耐震性を向上させる必要
がある。
【0006】基礎の地盤側に設けられる耐震構造体の耐
震性を向上させるための試みとして従来では、既製杭、
鋼管杭、場所打ち杭といった各種の杭を用いる補強方法
が知られており、杭自体の耐震補強を行うため杭頭部を
補強した杭が提案されている。このような補強が行われ
た杭を図6に示す。図6(a)は、杭頭部が補強された
SC杭を示す。この耐震補強は、既製杭や、場所打ち杭
60の耐震補強のため、既製杭や場所打ち杭60といっ
た円筒形の耐震構造体の杭頭部61に鋼管を接続し、杭
頭部61と鋼管とを互いに付着させることにより曲げ剛
性及び剪断剛性を向上させており、これらは例えばSC
杭として知られている。このようなSC杭を用いること
により、大地震時に杭頭部へと加えられる曲げ応力及び
剪断力に対する耐力が得られている。また、図6(b)
は、杭頭部61aを拡大させて曲げ応力及び剪断応力に
対抗させた拡頭杭を示す。いずれの杭においても杭頭部
が補強されることにより、杭自体の耐久性の向上を達成
するようにされている。
【0007】地中連続壁についても大地震時は、地表面
付近において大きな曲げ応力が加えられる。しかしなが
ら、これまでのところ地中連続壁は、特開平9−332
468号公報、特開平11−269895号公報、特開
平11−148143号公報、特開平11−10729
5号公報において開示されているように、杭等によって
耐震補強された構造物の周囲に単独で設置され、地盤変
形抑制領域を形成させるために用いられているのみであ
り、地中連続壁と杭とを組み合わせて一体化させ、直接
建造物の基礎として用いる耐震補強についてはほとんど
検討されていないのが現状である。
【0008】図7には、従来の地中連続壁を用いた耐震
基礎構造と、地震時に地中連続壁に発生する曲げモーメ
ントの概略を示す。図7(a)に示した耐震基礎構造で
は、地中連続壁71は、その天端71aが地表面G.L
にまで延ばされており、その下端71bが、支持層72
へと根入れされて構築されていて、上部構造物73の鉛
直方向荷重を支持している。大地震時に地震により発生
する曲げモーメントや剪断応力は、地表面G.Lに近い
側において大きく、地表面G.Lから深くなるにつれて
小さくなることが知られている。これを概略的に示した
のが図7(b)である。
【0009】上部建造物73の転倒モーメントに代表さ
れる上部建造物73の破壊につながる、図7(b)に示
す曲げモーメントが発生するような状況における、地表
面G.L付近における補強を杭のみにより行う場合に
は、杭の小さい断面に対して直接地震による水平力が加
えられるため、杭のみでは充分とはいえず、杭頭部付近
において、杭が破壊される場合が多い。このため地表面
G.Lでは、剛性が杭よりも大きい地中連続壁を用いる
ことが、大地震時の転倒モーメント、曲げモーメント、
剪断応力に対抗するためには望ましい。
【0010】しかしながら、地中連続壁71を地表面
G.Lから支持層72まで根入れするように構築する
と、杭のみで耐震補強を行う場合に比べて掘削量が増え
るため掘削コストがかさみ、さらには掘削土量が増え、
投棄又は処分しなければならない土砂が増加することに
なり、環境的な観点からは掘削土の処分のためのコスト
や、処理場所の確保といった不都合が生じることとなっ
ている。
【0011】また、地中連続壁71を支持層72にまで
達するように掘削された掘削孔へと鉄筋挿入やコンクリ
ート打設をする際には、杭を用いて耐震補強する場合に
比較して打設するコンクリートの量及び、鉄筋の量が増
大し、これにしたがって施工コストが増大するという不
都合も生じることとなっている。
【0012】したがって、これまで杭と、地中連続壁と
を一体化させ、より効果的に耐震補強を行うことを可能
とする耐震基礎構造が必要とされている。
【0013】また、より効果的に耐震補強が行われた耐
震建造物が必要とされている。
【0014】さらには、新設される杭ばかりではなく、
既設杭についても地中連続壁により効果的に補強を行う
ことを可能とし、効果的に地盤の液状化対策を提供する
ことが可能な杭補強方法が必要とされている。
【0015】さらに、地中連続壁を構築するための掘削
土量やコンクリートといった材料を減少させることがで
き、さらには掘削土量を低減することにより建設残土の
量を低減させ環境的に優れた耐震基礎構造を提供するこ
とが必要とされている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、杭と、地中連続壁とを一体化させた耐震基礎構造を
提供することを目的とする。
【0017】また、本発明は、より効果的に耐震補強が
行われた耐震建造物を提供することを目的とする。
【0018】さらには、本発明は、新設される杭ばかり
ではなく、既設杭についても地中連続壁により効果的に
補強を行うことを可能とし、効果的に地盤の液状化対策
を提供することが可能な杭補強方法を提供することを目
的とする。
【0019】また、本発明は、地中連続壁を構築するた
めの掘削土量やコンクリートといった材料を減少させる
ことができ、さらには掘削土量を低減することにより建
設残土の量を低減させ環境的に優れた耐震基礎構造を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、本
発明の耐震基礎構造、耐震建造物、及び杭補強方法を提
供することにより提供される。
【0021】本発明の請求項1の発明によれば、支持層
より浅く根入れされた地中連続壁と、該地中連続壁に一
体化され上記支持層にまで根入れされた杭とからなる耐
震基礎構造が提供される。
【0022】本発明の請求項2の発明によれば、上記杭
が上記地中連続壁の内部にまで延ばされていることを特
徴とする耐震基礎構造が提供される。
【0023】本発明の請求項3の発明によれば、上記杭
は、既製杭、又は鋼管杭、又は場所打ち杭であることを
特徴とする耐震基礎構造が提供される。
【0024】本発明の請求項4の発明によれば、支持層
より浅く根入れされた地中連続壁と、該地中連続壁に一
体化され上記支持層にまで根入れされた杭とからなる耐
震基礎構造を有する耐震建造物が提供できる。
【0025】本発明の請求項5の発明によれば、上記杭
が上記地中連続壁の内部にまで延ばされていることを特
徴とする耐震建造物が提供できる。
【0026】本発明の請求項6の発明によれば、上記杭
は、既製杭、又は鋼管杭、又は場所打ち杭であることを
特徴とする耐震建造物が提供できる。
【0027】本発明の請求項7の発明によれば、複数の
杭の杭頭部を、該杭頭部と一体化され支持層より浅く根
入れされた地中連続壁により連結すること特徴とする杭
補強方法が提供される。
【0028】本発明の請求項8の発明によれば、上記杭
が上記地中連続壁の内部にまで延ばされていることを特
徴とする杭補強方法が提供される。
【0029】本発明の請求項9の発明によれば、上記杭
は、既製杭、又は鋼管杭、又は場所打ち杭であることを
特徴とする杭補強方法が提供される。
【発明の実施の形態】以下本発明を図面をもって詳細に
説明する。図1は、本発明の耐震基礎構造の構成を示し
た斜視図である。図1に示した耐震基礎構造は、コンク
リート等で構築された地中連続壁1と、この地中連続壁
1の壁頭部に対して一体化された杭2とから構成されて
いる。
【0030】本発明の耐震基礎構造において用いられる
地中連続壁1は、地表面G.Lから支持層レベルS.L
より浅く根入れされて構築されている。また、地中連続
壁1の上端1aからは、地中連続壁1と一体化された杭
2が深さ方向へと支持層レベルS.Lを超えて支持層ま
で延ばされていて、図示しない上部建造物からの鉛直方
向荷重を支持している。地中連続壁1の根入れ深さは、
本発明においては特に制限はないが、地震により発生す
る曲げモーメント、剪断力が大きい地表面G.L付近に
おいて、地中連続壁1が杭2を補強できるようにするこ
とが好ましい。特に大規模地震の際の曲げモーメントが
地中連続壁1の鉛直方向の長さにわたって地下約10m
程度にまで影響すること、及び掘削土量を低減させて、
建設残土を低減させるという環境的な面、及び掘削コス
トを削減することを考えれば、地中連続壁1は、地表面
G.Lから深さ方向へと約5m〜約10m程度の根入れ
深さとして構築することが望ましい。
【0031】本発明の耐震基礎構造は、種々の工法によ
り構築することができる。例えば、地中連続壁1を構築
する際に、地中連続壁1を構築するための掘削を行い、
この掘削と同時に杭を支持層にまで根入れして構築する
ため別途杭を構築するための掘削を支持層に達するまで
行い、地中連続壁1と杭2とをコンクリートを打設して
同時に構築することもできる。この際、杭2のための掘
削と、地中連続壁1のための掘削との順は、適宜施工性
等を考慮して適宜設定することができる。
【0032】この際、杭を構築する際に用いる鉄筋篭を
支持層から地中連続壁1内部に達するまで延長すること
により、地中連続壁1と、杭2との間、特に地中連続壁
1の下端1bにおける地中連続壁1と杭2との間の一体
性をより向上させることができる。このような構成とす
ることにより、地震時に地中連続壁1と杭2との境界部
において応力が集中しても境界部において、地中連続壁
1と杭2とが分断されてしまわないように地中連続壁1
と杭2との一体性をより向上させることができる。ま
た、地中連続壁1と、杭2との境界部へと応力が集中し
てしまうのを防止するため、本発明の耐震基礎構造にお
いては、地中連続壁1と、杭2との境界部を地中連続壁
1の下端1bから杭2の径まで順次減少して行くような
テーパとして形成することも可能である。
【0033】また、プレキャストコンクリート杭といっ
た既製杭を用いる場合には、地中連続壁1を構築するた
めの掘削を行い、杭を支持層にまで根入れして構築する
ための掘削を行った後、プレキャストコンクリート杭
や、鋼管杭を掘削孔へと埋設し、その後地中連続壁1を
コンクリートを場所打ちして構築することもできる。こ
のプレキャストコンクリート杭や鋼管杭を構築する場合
にも、杭の少なくとも一部が地中連続壁1の内部にまで
延びるように構築されることが、境界部における破壊を
防止する上で好ましい。この場合にも地中連続壁1と、
杭2との境界部へと応力が集中してしまうのを防止する
ため、本発明の耐震基礎構造においては、地中連続壁1
と、杭2との境界部を地中連続壁1の下端1bから杭2
の径まで順次減少して行くようなテーパとして形成して
も良い。
【0034】さらに、本発明によりすでに地中に構築さ
れた既製杭を補強する場合には、杭2の周囲の地盤を杭
2の一部を埋設させつつ地中連続壁1を構築できるよう
に掘削し、この掘削部へとコンクリートを打設して地中
連続壁1を構築することにより、杭2と、地中連続壁1
とが一体化されることにより補強した本発明の耐震基礎
構造を構築することができる。また、この場合にも地中
連続壁1と、杭2との境界部を地中連続壁1の下端1b
から杭2の径まで順次減少して行くようなテーパとして
形成することができる。
【0035】上述した本発明における地中連続壁1を構
築する際の工法には特に制限はなく、具体的には例えば
地中連続鉄筋コンクリート壁工法、ソイルセメント壁工
法、泥水固化壁工法といった周知の工法を挙げることが
できる。
【0036】また、本発明に用いることができる杭とし
ては、プレキャストコンクリート杭、といった既製杭、
鋼管杭、場所打ち杭等を挙げることができ、新設される
杭の他、既設の杭であっても良い。
【0037】図2は、図1に示した本発明の耐震基礎構
造を図1の矢線A−Aに沿った断面とした断面図であ
る。図2に示されるように、地表面G.Lには、フーチ
ング基礎、耐圧盤といった上部建造物の基礎3が設けら
れている。また、図示しないものの基礎3としては、地
中梁を用いることもできる。この基礎3の下側の地盤4
中には、本発明の耐震基礎構造が構築されている。この
耐震基礎構造は、支持層5に達しない程度の根入れ深さ
として構築された地中連続壁1の天端1aが基礎3に連
結され、また地中連続壁1の下側端1bからは、杭2が
延びており、この杭2が支持層5にまで根入れされてい
る。
【0038】本発明においては、図2に示されるように
地震時に大きな水平力が加えられる部分に対しては、地
中連続壁1の平面構造により水平力を受け止めて杭頭部
に加えられる水平力を分散させるものである。さらに、
上部建造物から加えられる鉛直方向荷重については、地
中連続壁1を介して杭2を支持層にまで根入れすること
により鉛直荷重を支持させるものである。また、杭2
は、地中連続壁1に一体化されていて、地中連続壁1に
より複数の杭の杭頭部を連結させることにより杭頭部の
補強をより確実に行うと共に、地盤の液状化をより効果
的に防止することができるようにしている。
【0039】本発明においては、上述したように補強さ
れた基礎3上に図示しない上部建造物を構築して、耐震
性の向上した耐震建造物が構築される。この耐震建造物
は、本発明の耐震基礎構造により補強されているので、
特に地震等の際に地下構造の破壊を効果的に防止できる
ので、上部建造物の破壊や、倒壊といった損傷を防止す
ることができる。また、基礎3や上部構造物は、必ずし
も地表面G.Lよりも上に構築されるのではなく、地下
構造部分を有していても良い。
【0040】以下図3を用いて本発明の耐震基礎構造の
補強作用について詳細に説明する。図3は、本発明の耐
震基礎構造と、この耐震基礎構造に対してレベル2程度
の大地震により加えられる応力とを概略的に示した図で
ある。本発明の耐震基礎構造は、図3に示されているよ
うに地中連続壁1と、この地中連続壁1に一体化され、
支持層にまで根入れされた杭2とから構成されている。
【0041】図示しない上部建造物からの慣性力が地震
の際に本発明の基礎構造体に作用すると、図3に示され
るように、壁頭部に最大の曲げモーメントFbend
発生する。この曲げモーメントFbendが杭の強度を
上回る場合には、従来の杭のみの基礎は、破壊され、そ
れに伴って上部建造物が傾斜したり、倒壊する。
【0042】地震時に発生する曲げモーメントの地表面
G.Lから支持層までの深さ方向に沿った分布は、図7
(b)に示すように地表面G.L付近で大きく、支持層
に近づくにつれて小さくなり、支持層付近では、ほぼ0
となる。このため、支持層付近では、杭による補強程度
で充分鉛直荷重及び地震により発生する曲げモーメント
に対抗することが可能となる。また、地表付近では、図
3のFhorzで示される地震の水平力を受け止めるこ
とが可能となる。
【0043】このため、杭頭部を地中連続壁1で補強す
ることにより、杭が個々に構築されている場合に比べ、
曲げ剛性が大きくなり、よりいっそう地表面G.L付近
での曲げモーメントや剪断応力に対抗させることができ
る。
【0044】地震時には、上部構造の慣性力に起因する
水平加重Fhorzが発生する。この水平加重が基礎構
造に作用した場合、杭頭近傍部分において最大曲げモー
メント及び最大剪断力が発生する。本発明の如く杭頭部
を地中連続壁とした場合、杭頭部の剛性の向上により従
来の杭のみの場合に比して曲げ応力及び剪断力に対する
耐震性能は顕著となる。さらに、本発明の耐震基礎構造
は、地中連続壁1の厚さ及び深さ方向へと地盤4中に突
出し、地中連続壁1の長さ方向へと杭頭部が連結されて
いるので、図6に示す頭部補強された杭に比較し、壁頭
部を大きくする効果に加え、Fbendが加えられても
地中連続壁1が、上下動に対する有効なストッパとして
機能して、地表面G.Lにおける変位を小さくすること
ができ、地震時によりいっそう上部建造物に対する支持
を行うことが可能となる。
【0045】これまで本発明を図面に示した実施例を持
って説明してきたが、本発明は、図面に示された実施例
に限定されるものではなく、地中連続壁の工法及び厚
さ、杭の種類、数、寸法、本発明の耐震基礎構造の構築
法については、これまで知られているいかなるものでも
用いることができることはいうまでもないことである。
【0046】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、杭と、地
中連続壁とを一体化させ、より効果的に耐震補強を行う
ことを可能とする耐震基礎構造が提供できる。
【0047】また、本発明によれば、より効果的に耐震
補強が行われた耐震建造物が提供できる。
【0048】さらには、本発明によれば、新設される杭
ばかりではなく、既設杭についても地中連続壁により効
果的に補強を行うことを可能とし、効果的に地盤の液状
化対策を提供することが可能な杭補強方法が提供でき
る。
【0049】さらに、本発明によれば、地中連続壁を構
築するための掘削土量やコンクリートといった材料を減
少させることができ、さらには掘削土量を低減すること
により建設残土の量を低減させ掘削コストを削減でき、
材料の低減を測ることが可能で環境的に優れた耐震基礎
構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震基礎構造を示した斜視図。
【図2】本発明の耐震基礎構造を用いた建造物を示した
図。
【図3】本発明の地震時発生応力状況を示した図。
【図4】従来の地中連続壁を用いた建造物を示した図。
【図5】従来の地中連続壁を用いた建造物を示した図。
【図6】従来の杭頭部が補強された杭を示した図。
【図7】地中連続壁を用いた従来の耐震基礎構造及び地
震時の曲げモーメントの分布を示した図。
【符号の説明】
1…地中連続壁 1a…天端 1b…下側端 2…杭 3…基礎 4…地盤 5…支持層 40…上部建造物 41…地下室 42…地中連続壁 43…地盤 44…支持層 50…構造体 51…地中連続壁 52…地盤 53…支持層 60…杭 61…杭頭部 71…地中連続壁 72…支持層 73…上部構造物 G.L…地表面 S.L…支持層レベル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持層より浅く根入れされた地中連続壁
    と、該地中連続壁に一体化され前記支持層にまで根入れ
    された杭とからなる耐震基礎構造。
  2. 【請求項2】 前記杭が前記地中連続壁の内部にまで延
    ばされていることを特徴とする請求項1に記載の耐震基
    礎構造。
  3. 【請求項3】 前記杭は、既製杭、又は鋼管杭、又は場
    所打ち杭であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の耐震基礎構造。
  4. 【請求項4】 支持層より浅く根入れされた地中連続壁
    と、該地中連続壁に一体化され前記支持層にまで根入れ
    された杭とからなる耐震基礎構造を有する耐震建造物。
  5. 【請求項5】 前記杭が前記地中連続壁の内部にまで延
    ばされていることを特徴とする請求項4に記載の耐震建
    造物。
  6. 【請求項6】 前記杭は、既製杭、又は鋼管杭、又は場
    所打ち杭であることを特徴とする請求項4又は5に記載
    の耐震建造物。
  7. 【請求項7】 複数の杭の杭頭部を、該杭頭部と一体化
    され支持層より浅く根入れされた地中連続壁により連結
    すること特徴とする杭補強方法。
  8. 【請求項8】 前記杭が前記地中連続壁の内部にまで延
    ばされていることを特徴とする請求項7に記載の杭補強
    方法。
  9. 【請求項9】 前記杭は、既製杭、又は鋼管杭、又は場
    所打ち杭であることを特徴とする請求項7又は8に記載
    の杭補強方法。
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