JP2001226694A - 脂肪酸エステルの製造方法及び脂肪酸エステルを含む燃料 - Google Patents
脂肪酸エステルの製造方法及び脂肪酸エステルを含む燃料Info
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Abstract
的に高収率で脂肪酸エステルとグリセリンを製造する方
法および該脂肪酸エステルを含む燃料 【解決手段】油脂とアルコールから脂肪酸エステルとグ
リセリンを製造する方法において、ニッケル含有固体触
媒を添加して、油脂および/またはアルコールが超臨界
状態になる条件で反応させることを特徴とする脂肪酸エ
ステルとグリセリンの製造方法、および、その製造方法
により製造された脂肪酸エステルを含む、燃料、ディー
ゼル燃料、潤滑油基油もしくは燃料油添加剤。
Description
反応させる脂肪酸エステルとグリセリンの製造方法およ
び該製造方法により得られる脂肪酸エステルを含む燃料
に関する。
酸とグリセリンのエステルが主成分であり、油脂とアル
コールを用いたエステル交換処理により得られる脂肪酸
エステルは、工業原料や医薬品等に広く用いられてい
る。
換することにより、従来の鉱物油にかわる、脂肪酸エス
テルを含むディーゼル燃料や潤滑油基油を製造する方法
が報告されている。例えば、特開平9−235573号
公報および特開平7−197047号公報では、苛性ソ
ーダの存在下で廃食用油とメタノールを反応させてディ
ーゼル燃料を製造している。特開平07−197047
号公報には、エステル交換反応は、通常苛性ソーダなど
のアルカリ触媒を用いて大気圧下、50℃から70℃の
温度で行うことが記載されている。この場合、原料油脂
中に遊離脂肪酸が存在するとアルカリ触媒と反応して石
鹸が生成するため前処理が不可欠である上に、前処理し
てもエステル交換反応過程で少量の石鹸が生成するた
め、後処理で分離する必要がある。 一方、このエステル
交換反応を9〜10MPa、220〜250℃の条件下
で行うと、遊離脂肪酸を含有した低純度の油脂原料を用
いることができることも知られている[ウルマンズ エ
ンサイクロペディア オブ インダストリアル ケミス
トリー 第5完全改訂版(Ullmann's Enc
yclopediaof Industrial Ch
emistry Fifth Completely
Revised Edition)]、第A10巻(1
987年)、第281頁)。
には、ヘキサン溶媒中、リパーゼの存在下で油脂とアル
コールから脂肪酸エステルを含むディーゼル燃料および
潤滑油を製造する手法が開示されている。加圧下で触媒
を添加して油脂とアルコールから脂肪酸エステルの製造
を行う例も知られている[ウルマン エンザイクロペデ
ィー デア テクニッシェン ヘミー(Ullmann
Enzyklopadie der Technis
chen Chemie)、第4版、第11巻(197
6年)、第432頁)。すなわち、10MPa、240
℃、7〜8倍過剰のメタノールの条件下、アルカリ触媒
もしくは亜鉛触媒を用いて反応を行っている。油脂とア
ルコールとをアルカリ触媒共存下、240℃、9MPa
(90bar)で連続反応させて脂肪酸エステルを製造す
る技術[ジャーナル オブ ザ アメリカン オイル
ケミスツ ソサエティー(Journal of th
e American Oil Chemists‘
Society)、第61巻no.2(1984年)]
も知られているが、アルカリ触媒の詳細は明らかではな
い。 また、不均一固体触媒として炭酸ナトリウムや炭酸
水素ナトリウムを使用して、常圧または常圧に近い条件
下、使用アルコールの沸点またはそれに近い温度で反応
させる方法が提案されている(特開昭61−25425
5号公報)が、反応が緩慢であり生産性が不充分であ
る。油脂とアルコールとをZnO、またはZnとAlの
複合酸化物触媒下、170〜250℃の範囲、10MP
a(100bar)以下で反応させて脂肪酸エステルを製
造する技術(米国特許第5908946号明細書)も知ら
れているが、同様に反応が緩慢である。 さらに、アルカ
リ土類金属酸化物を含む固体触媒などを用いて、25〜
260℃の範囲、0.1MPa(1atm)から10.1
MPa(100atm)の圧力下で、油脂とアルコールを
反応させて選択的にモノグリセリドを製造する方法(ス
ペイン特許第2124166号明細書)が提案されてい
るが、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンを製造する
方法は開示されていない。
とアルコールから、より適切な条件で効率的に高収率で
脂肪酸エステルとグリセリンを製造する方法および該脂
肪酸エステルを含む燃料等を提供することにある。
ルコールを反応させて脂肪酸エステルとグリセリンを製
造する方法および脂肪酸エステルを含む燃料について鋭
意研究を続け、ニッケル化合物含有固体触媒を添加し
て、油脂および/またはアルコールが超臨界状態になる
条件で反応を行えば、高収率で反応が進行することを見
出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、下記
[1]〜[5]の発明を提供する。 [1]油脂とアルコールから脂肪酸エステルとグリセリ
ンを製造する方法において、ニッケル含有固体触媒を添
加して、油脂および/またはアルコールが超臨界状態に
なる条件で反応させることを特徴とする脂肪酸エステル
とグリセリンの製造方法。 [2]上記[1]記載の製造方法により製造された脂肪
酸エステルとグリセリンを含む燃料。 [3]上記[1]記載の製造方法により製造された脂肪
酸エステルとグリセリンを含むディーゼル燃料。 [4]上記[1]記載の製造方法により製造された脂肪
酸エステルとグリセリンを含む潤滑油基油。 [5]上記[1]記載の製造方法により製造された脂肪
酸エステルとグリセリンを含む燃料油添加剤。
する。本発明の製造方法の主反応は、次の反応式(2)
で示される。
脂肪酸の炭素鎖を示す。R1〜R3の炭素数は油脂の種類
によって異なる。R4はヒドロカルビロキシル基で置換
されていてもよいヒドロカルビル基を示す)本発明で用
いる油脂は、脂肪酸とグリセリンのエステルであるトリ
グリセリドを主体とするものである。ここに「トリグリ
セリドを主体とする」とは、トリグリセリドが油脂の5
0重量%以上含有されていることを意味する。
示される脂肪酸のトリグリセリド 1 を主として含む物質であり、天然油脂でも合成油脂
でも良い。油脂には、代表的なものとして、ラード脂、
ニワトリ脂、バター脂、牛脂、ココアバター脂、トウモ
ロコシ油、ラッカセイ油、棉実油、ダイズ油、ヤシ油、
オリーブ油、サフラワー油、アマニ油、ココナッツ油、
カシ油、アーモンド油、アンズの仁油、牛骨脂、クログ
ルミ油、ヒマシ油、大風子油、シナ脂、タラ肝油、綿実
ステアリン、ゴマ油、鹿脂、イルカ脂、イワシ油、サバ
油、馬脂、豚脂、骨油、アマニ油、羊脂、牛脚油、パー
ム油、パーム核油、ネズミイルカ油、サメ油、マッコウ
クジラ油、桐油、鯨油などがあげられるが、これらには
限定されない。また、これらの油脂が複数混合したも
の、ジグリセリドやモノグリセリドを含む油脂、一部、
酸化、還元等の変性を起こした油脂でもよい。また、未
精製の油脂で、遊離脂肪酸や水分などを含有するもので
もよいし、レストラン、食品工場、一般家庭などから廃
棄される廃食油でもよいが、必要に応じて適切な前処理
を行うことが好ましい。 例えば、本発明を廃食油などの
廃油に適用する際に、不溶解性の固体が油脂に混入する
と昇圧ポンプや圧力調節弁の閉塞をおこし、安定運転の
妨げになる場合があるので予熱器に供給する前に金網、
フィルター等で油脂から不溶解性の固体を取り除くこと
が好ましい。
もよい。具体的には、原油、重油、軽油、鉱物油、精
油、石炭、脂肪酸、糖類、金属粉、金属塩、蛋白質、ア
ミノ酸、炭化水素、コレステロール、フレーバー、色素
化合物、酵素、香料、アルコール、繊維、樹脂、ゴム、
塗料、セメント、洗剤、芳香族化合物、脂肪族化合物、
スス、ガラス、土砂、含窒素化合物、含硫黄化合物、含
リン化合物、含ハロゲン化合物などがあげられるが、こ
れには限定されない。
与する可能性がある場合、例えば、反応を阻害する可能
性がある場合、固体であり製造プロセスで閉塞の可能性
がある場合等には、反応前にろ過、蒸留等の手法を用い
て取り除いておくのが好ましい。蒸留の方法としては、
減圧蒸留、水蒸気蒸留、分子蒸留、抽出蒸留などがあげ
られるが、これには限定されない。本発明において、油
脂としては、廃油脂、あるいは廃食用油等も使用可能で
ある。
(2)の 2 )は特に限定されないが、一般式
素数2から10の、ヒドロカルビロキシル基で置換され
たヒドロカルビル基を示す。)で示されるアルコールが
好ましい。
ル基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基などがあげられる。
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキ
サノール、ヘプタノールなどが例示される。
はベンジルアルコール、α−フェネチルアルコール、β
−フェネチルアルコールが例示され、ベンジルアルコー
ルが好ましい。
は、アリルアルコール、1−メチルアリルアルコール、
2−メチルアリルアルコール、3−ブテン−1−オ−
ル、3−ブテン−2−オ−ルなどが例示され、アリルア
ルコールが好ましい。
は、2−プロピン−1−オール、2−ブチン−1−オ−
ル、3−ブチン−1−オ−ル、3−ブチン−2−オ−ル
などが例示される。
キシル基で置換されたヒドロカルビル基であるアルコー
ルとしては、2−メトキシエタノール、2−メトキシプ
ロパノール、3−メトキシブタノールなどが例示され
る。
数1から4のアルキル基であることが好ましい。具体的
には、Rがメチル基であるメタノール、Rがエチル基で
あるエタノール、Rがプロピル基であるプロパノール、
Rがイソプロピル基であるイソプロパノール、Rがn−
ブチル基であるn−ブタノール、Rがイソブチル基であ
るイソブタノール、Rがt−ブチル基であるt−ブタノ
ールが好ましく、より好ましくはメタノール、エタノー
ルであり、さらに好ましくはメタノールである。アルコ
ールの純度としては特に限定されないが、好ましくは9
5%以上、より好ましくは98%以上である。アルコー
ルは1種類を用いてもよいし、2種以上を混合して用い
てもよい。また、アルコールは、光学異性体が存在する
場合には、光学異性体も含む。
出したアルコールの理論供給重量の1〜100倍である
ことが好ましい。
×油脂のケン化価×アルコールの分子量)÷56100
を完全にケン化するために必要な水酸化カリウムの量を
mg数で表した値である)該比が1よりも小さい場合に
は、反応収率が低下するため好ましくなく、また該比が
100よりも大きい場合には、装置が大型化し過ぎる場
合があり好ましくない。
ル 3 には、代表的なものとして、吉草酸、カプロン
酸、エナトン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリス
チン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプテデシル
酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ぺペン
酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モ
ンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン
酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオ
ール酸、ステアロール酸、ネルボン酸、リシノール酸、
(+)−ヒドノカルビン酸、(+)−チャウルム−グリ
ン酸などのエステルがあげられるが、これには限定され
ない。エステルのアルコール残基は、使用したアルコー
ルにより決まる。例えば、アルコールとしてメチルアル
コールを使用した場合にはメチルエステル、エチルアル
コールを使用した場合には、エチルエステルが得られ
る。また、脂肪酸残基に光学異性体が存在する場合に
は、光学異性体も含む。また、本製造方法においては、
脂肪酸エステルの他に主生成物として、グリセリン 4
が生成する。
る。 本発明に用いる触媒は、ニッケル化合物を含有する
固体触媒である。例えば、ニッケル酸化物(NiO、N
i2O3、NiOとNi2O3の複合酸化物)、炭酸ニッケ
ル、水酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケルなどを含有す
る固体触媒、さらにシリカ、ゼオライトなどの担体にニ
ッケル化合物を含浸処理した固体触媒などがあげられ
る。好ましくは、ニッケル酸化物を含有する固体触媒で
ある。 また、触媒の使用量は、油脂100重量部に対し
て0.01重量部から6重量部が好ましく、さらに0.
1重量部から3重量部がより好ましい。
う。物質には、固有の気体、液体、固体の三態があり、
さらに、臨界温度以上になると、圧力をかけても凝縮し
ない流体相がある。この状態を超臨界状態という。超臨
界状態にある流体は液体や気体の通常の性質と異なる性
質を示す。超臨界状態の流体の密度は液体に近く、粘度
は気体に近く、熱伝導率と拡散係数は気体と液体の中間
的性質を示す、“液体ではない溶媒”であり、低粘性、
高拡散性のために物質移動が有利となり、また高伝熱性
のために高い熱移動性を得ることができる。このような
特殊な状態であるため、超臨界状態では、通常の気相液
相状態よりも反応性が高くなり、エステル交換反応がよ
り促進される。
状態になる条件」とは、以下に示す、(a)−(c)の
条件を含む。 (a)油脂とアルコールの混合物が超臨界状態になる温
度条件。 (b)アルコールが超臨界状態になる温度条件。 (c)油脂が超臨界状態になる温度条件。 上記のうち(a)または(b)の条件で反応を行うこと
が好ましい。
ールとしてメタノールを使用する場合には、メタノール
の臨界温度は240℃なので、温度240℃以上で反応
を行う。また、エタノールを使用する場合にはエタノー
ルの臨界温度は243℃なので、温度243℃以上で反
応を行う。プロパノールの場合には、臨界温度は264
℃なので、温度264℃以上で反応を行う。ブタノール
を使用する場合には、臨界温度は287℃なので温度2
87℃以上で反応を行う。イソプロパノールを使用する
場合には、臨界温度は236℃なので温度236℃以上
で反応を行う。イソブタノールを使用する場合には、臨
界温度は275℃なので温度275℃以上で反応を行
う。t−ブタノールを使用する場合には、臨界温度は2
33℃なので温度233℃以上で反応を行う。反応温度
の上限は限定的ではないが、分解反応などが起こる場合
があり、好ましくは400℃以下である。
応容器内のアルコール密度条件は、限定的ではないが、
0.01g/cm3から0.4g/cm3の範囲が好まし
く、圧力条件としては、0.5MPaから25MPaの
範囲であることが好ましい。
る時間は、0.1分から180分の範囲であることが好
ましく、0.5分から120分の範囲がより好ましい。
さらに好ましくは、1分から60分の範囲である。
とえば、バッチ方式で行っても良いし、流通方式で行っ
ても良い。また、本発明において、油脂とアルコール
は、反応中、均一に混合していても良いし、反応できる
状態にある限り、二層に分離していてもよい。二層に分
離している場合には、例えば、攪拌下反応を行うことに
より二層の接触面積を大きくすることにより、反応をさ
らに効率よく進めることができる。
ル、グリセリン、過剰の未反応アルコールを含み、さら
に未反応の原料、その他の不純物を含むこともある。こ
の反応混合物から、それぞれの用途に必要な純度まで、
脂肪酸エステルを精製する。精製の方法は、特に限定さ
れず、製造される脂肪酸エステルの性質に応じて、蒸
留、抽出等一般的な方法が適用できる。例えばアルコー
ルとしてメタノールを用いた場合で説明すると、過剰
(または未反応)メタノール成分を気化させて分離回収
した後、静置して軽液と重液に分離する。本発明に使用
する触媒は、苛性ソーダ触媒などと比較して反応液との
分離が比較的容易であり、反応液の後処理が簡便であ
る。軽液は脂肪酸のメチルエステルが主成分であり、デ
ィーゼル燃料用の原料や天然高級アルコール用の原料と
して利用することができる。また、グリセリン主成分の
重液は、工業用グリセリンの原料として利用することが
できる。未反応のアルコールの分離には、減圧蒸留等の
蒸留の他にも代表的なものとしてミキサーセトラー式抽
出、液液抽出、パルスコラムを用いた抽出、ジェット式
抽出、ボドビエルニアク回転抽出などがあげられるが、
これには限定されない。また、アルコールを完全に分離
して、脂肪酸エステルのみを取り出してもよいし、アル
コールが残留している状態で回収してもよい。
は、原料の油脂の構造によるが、天然油脂を使用する場
合は、一般に数種の脂肪酸エステルの混合物になる。こ
の場合には、用途に応じ、混合物のままで使用すること
もできるし、必要に応じて特定の脂肪酸エステルのみを
蒸留、抽出等の一般的な方法で分離して使用することが
できる。
は、ディーゼル燃料などの燃料、潤滑油基油、燃料油添
加剤等にその用途の要求に応じて、単独で、あるいは、
他の成分と混合して使用することができる。
自動車技術会編)によると、ディーゼル燃料として用い
る場合には、着火性、粘度が重要になる。比較的低粘度
の脂肪酸エステルを用いると摩耗や焼き付けの原因とな
るため、ディーゼル機関に適合した粘度の脂肪酸エステ
ルを用いる必要がある。また、分子量が高すぎると臭気
や排煙の原因となるので、そのような脂肪酸エステルは
好ましくない。例えば、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸
エチルエステル、脂肪酸イソプロピルエステル、脂肪酸
イソブチルエステル等がディーゼル燃料として好ましく
用いられる。このなかで脂肪酸イソプロピルエステル、
脂肪酸イソブチルエステルは低温時において特性の高い
ディーゼル燃料となる。潤滑油基油として用いる場合に
も、粘度が重要になる。夏季用としては高い潤滑性を出
すために比較的高粘度であることが望まれるが、冬期や
低温の場所で使用する場合には比較的低粘度、高流動性
の脂肪酸エステルが望まれる。そのため、幅広い範囲の
脂肪酸エステルが潤滑油基油として使用できる。燃料油
添加剤としては、主として摩擦を少なくする目的で脂肪
酸エステルを燃料に添加する。潤滑油とほぼ同じ役割を
しており、潤滑油基油と同様の性質が望まれる。
使用上問題なければ、その範囲において、反応終了後の
反応混合物に含まれるグリセリン、過剰の未反応アルコ
ール、さらに未反応の油脂、その他の不純物を含んでい
ても良い。また、用途の必要に応じ、本発明の各条件下
において、反応を繰り返す等により、さらに収率を向上
させることが出来る。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
1g、アルコールとしてメタノール1.242g、触媒
としてニッケル酸化物(NiOとNi2O3の複合酸化
物)粉末10.9mgを秤量して、ステンレス製反応管
(約4.5cm3)に充填し密閉した。この反応管を、
300℃に温度制御した流動層サンドバス中に投入して
昇温・反応させた後、10分後に取り出して直ちに水中
投入して冷却した。この反応に使用したメタノール量
は、大豆油を完全にメチルエステル化するのに必要な理
論量の約13倍であった。また反応管壁に熱電対を設置
して温度測定したところ、2分後で約260℃となりメ
タノールの臨界温度を超えていた。また、反応容積から
計算した反応初期のメタノール密度は約0.28g/c
m3であった。次に、反応管中の反応液を一次回収後、
メタノール洗浄を3回繰り返して回収したところ、使用
した触媒は回収液中で沈降分離していた。この回収液中
のメチルエステル成分とグリセリン成分をガスクロマト
グラフィーにより定量分析し反応性を評価したところ、
メチルエステル収率は約98%、グリセリン収率は約9
1%であった。ここで収率とは、大豆油1モルに対して
メチルエステルが3モル、グリセリンが1モル生成する
反応を基準として計算した値である。
ル酸化物粉末29.1mgとした以外は、実施例1と同
様にして試験した。この回収液の分析の結果、メチルエ
ステル収率は約98%、グリセリン収率は約91%であ
った。
鉛(ZnO)粉末10.2mgとした以外は、実施例1
と同様にして試験した。この回収液の分析の結果、メチ
ルエステルの収率は約58%、グリセリン収率は約30
%であった。
ら、簡便な方法で、高収率で脂肪酸エステルを製造する
方法および該脂肪酸エステルを含む燃料等を提供するこ
とができ、その工業的価値は大きい。また資源の再利
用、公害防止の観点から有用である。
Claims (13)
- 【請求項1】油脂とアルコールから脂肪酸エステルを製
造する方法において、ニッケル含有固体触媒を添加し
て、油脂および/またはアルコールが超臨界状態になる
条件で反応させることを特徴とする脂肪酸エステルとグ
リセリンの製造方法。 - 【請求項2】ニッケル含有固体触媒が、ニッケル酸化物
を含む触媒である請求項1記載の脂肪酸エステルとグリ
セリンの製造方法。 - 【請求項3】アルコールが超臨界状態になる条件で反応
させることを特徴とする請求項1記載の脂肪酸エステル
とグリセリンの製造方法。 - 【請求項4】アルコールが、下記一般式(1)で示され
るものである請求項3記載の脂肪酸エステルとグリセリ
ンの製造方法。 【化1】R−OH (1)(Rは炭素数1から1
0のヒドロカルビル基、または炭素数2から10の、ヒ
ドロカルビロキシル基で置換されたヒドロカルビル基を
示す。) - 【請求項5】一般式(1)のRが炭素数1〜4のアルキ
ル基である請求項4記載の脂肪酸エステルとグリセリン
の製造方法。 - 【請求項6】一般式(1)のRがメチル基またはエチル
基である請求項5記載の脂肪酸エステルとグリセリンの
製造方法。 - 【請求項7】一般式(1)のRがメチル基である請求項
6記載の脂肪酸エステルとグリセリンの製造方法。 - 【請求項8】油脂が廃油脂である請求項1〜7のいずれ
かに記載の脂肪酸エステルとグリセリンの製造方法。 - 【請求項9】油脂が廃食用油である請求項1〜7のいず
れかに記載の脂肪酸エステルとグリセリンの製造方法。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の製造方
法により製造された脂肪酸エステルを含む燃料。 - 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載の製造方
法により製造された脂肪酸エステルを含むディーゼル燃
料。 - 【請求項12】請求項1〜9のいずれかに記載の製造方
法により製造された脂肪酸エステルを含む潤滑油基油。 - 【請求項13】請求項1〜9のいずれかに記載の製造方
法により製造された脂肪酸エステルを含む燃料油添加
剤。
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