JP2001226586A - 補強ウェハの製造方法及び電子部品 - Google Patents

補強ウェハの製造方法及び電子部品

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JP2001226586A
JP2001226586A JP2000043544A JP2000043544A JP2001226586A JP 2001226586 A JP2001226586 A JP 2001226586A JP 2000043544 A JP2000043544 A JP 2000043544A JP 2000043544 A JP2000043544 A JP 2000043544A JP 2001226586 A JP2001226586 A JP 2001226586A
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Japan
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wafer
organic
viscous material
nozzle
heat
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Pending
Application number
JP2000043544A
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English (en)
Inventor
Toichi Sakata
淘一 坂田
Hiroshi Nishizawa
▲廣▼ 西澤
Akira Kageyama
晃 景山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェハの製造、チップの製造又は搬送工程で
のウェハ割れがなく、作業性に優れ、製品歩留まりに優
れる補強ウェハの製造方法及び信頼性が高く、生産性
(タクト)に優れ、製品歩留まりのよい電子部品を提供
する。 【解決手段】 薄厚のウェハの表面上に形成されたパタ
ーンに対応するウェハ裏面に、有機又は無機の粘性材料
を塗布することを特徴とする補強ウェハの製造方法及び
薄厚のウェハの表面上に形成されたパターンに対応する
ウェハ裏面に、前記補強ウェハの製造方法により、有機
又は無機の粘性材料を塗布してなる電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強ウェハの製造
方法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯機器の普及により電子部品は
ますます軽薄短小化が進んでいる。それに合せてウェハ
の厚さも急速に薄厚化している。薄いウェハは割れ易
く、ウェハ製造工程、ウェハからの半導体素子製造工
程、さらにはこれをパッケージングする製造工程での作
業性及び製品歩留まりに著しく劣る問題がある。
【0003】従来、薄厚のウェハ(例えば、厚さが15
0μm以下のウェハ)を搬送するには、ウェハを粘着剤
の付いたダイシングテープに貼り付けて搬送させて割れ
を防止しているが、ウェハをダイシングした後にチップ
をテープから剥離する工程で、テープの粘着力によるチ
ップ割れが問題になっている。特に、ウェハ表面に複数
の溝が形成されたものでは溝底部のウェハ厚さは100
μm以下の極薄となり僅かな力が加わるだけで溝部分か
ら割れが生じる問題が指摘されている。また、薄厚のウ
ェハでは、表面にバッファコート膜、接着剤、絶縁膜あ
るいは応力緩和材等としてポリイミド樹脂などの耐熱樹
脂が厚膜で被覆されると、これらの材料に発生する応力
によってウェハが反り、それによってウェハ割れが生じ
易い問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、ウェハの製造、チップの製造又は搬送工程でのウェ
ハ割れがなく、作業性に優れ、製品歩留まりに優れる補
強ウェハの製造方法を提供するものである。請求項2記
載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、さら
に溝形成ウェハを用いる電子部品に好適な補強ウェハの
製造方法を提供するものである。請求項3記載の発明
は、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらにスクラ
イブラインの切断を容易にし、より生産性に優れる補強
ウェハの製造方法を提供するものである。
【0005】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の発明の効果に加えて、さらに塗布効率が高く、
連続塗布性に優れ、簡略なプロセスかつ非接触の塗布に
より、ブリードを抑制し、気泡や汚染を低減した厚膜
が、低コストで得られる補強ウェハの製造方法を提供す
るものである。請求項5記載の発明は、請求項1、2、
3又は4記載の発明の効果に加えて、より生産性(タク
ト)が優れる補強ウェハの製造方法を提供するものであ
る。請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4又は
5記載の発明の効果に加えて、さらに塗布性、解像性、
厚膜形成性等が優れる補強ウェハの製造方法を提供する
ものである。
【0006】請求項7記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5又は6記載の発明の効果に加えて、より塗布
性が優れる補強ウェハの製造方法を提供するものであ
る。請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4、
5、6又は7記載の発明の効果に加えて、より解像性、
厚膜形成性等が優れる補強ウェハの製造方法を提供する
ものである。
【0007】請求項9記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6、7又は8記載の発明の効果に加えて、
さらに耐熱性が優れる補強ウェハの製造方法を提供する
ものである。請求項10記載の発明は、請求項9記載の
発明の効果に加えて、さらに機械特性、絶縁耐圧等が優
れる補強ウェハの製造方法を提供するものである。請求
項11記載の発明は、信頼性が高く、生産性(タクト)
に優れ、製品歩留まりのよい電子部品を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄厚のウェハ
の表面上に形成されたパターンに対応するウェハ裏面
に、有機又は無機の粘性材料を塗布することを特徴とす
る補強ウェハの製造方法に関する。また、本発明は、薄
厚のウェハ表面上に形成されたパターンが、溝であり、
より薄厚となっている溝底部の裏面部分に、有機又は無
機の粘性材料を塗布する前記補強ウェハの製造方法に関
する。また、本発明は、薄厚のウェハ表面上に形成され
たパターンが、スクライブラインであり、スクライブラ
イン以外の部分に、有機又は無機の粘性材料を塗布する
前記補強ウェハの製造方法に関する。
【0009】また、本発明は、有機又は無機の粘性材料
を塗布する方法において、有機又は無機の粘性材料のノ
ズルからの吐出速度を、有機又は無機の粘性材料に印加
する気体の圧力を変化させることにより調整しつつ、非
接触で塗布する前記補強ウェハの製造方法に関する。ま
た、本発明は、有機又は無機の粘性材料を、一筆描きに
連続塗布する前記補強ウェハの製造方法に関する。ま
た、本発明は、ノズルが孔状ノズルであり、このノズル
から吐出された柱状の有機又は無機の粘性材料の直径
(D1)と孔状ノズルの内径(D2)との比〔(D1)
/(D2)〕、が4以下である前記補強ウェハの製造方
法に関する。
【0010】また、本発明は、有機又は無機の粘性材料
の粘度が、1〜1000Pa・sである前記補強ウェハの製
造方法に関する。また、本発明は、有機又は無機の粘性
材料が、チクソトロピック性を示すものである前記補強
ウェハの製造方法に関する。
【0011】また、本発明は、有機の粘性材料が、アミ
ド結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を
有する耐熱性樹脂を含有するものである前記補強ウェハ
の製造方法に関する。また、本発明は、有機の粘性材料
が、(I)耐熱性樹脂A、(II)耐熱性樹脂B及び(II
I)溶剤を含み、加熱乾燥前には(II)耐熱性樹脂B
は、(I)耐熱性樹脂A及び(III)溶剤からなる均一
相に対して不均一相として存在し、加熱乾燥後には
(I)耐熱性樹脂A、(II)耐熱性樹脂B及び(III)
溶剤が均一相として存在する耐熱性樹脂のペーストであ
る前記補強ウェハの製造方法に関する。また、本発明
は、薄厚のウェハの表面上に形成されたパターンに対応
するウェハ裏面に、前記補強ウェハの製造方法により、
有機又は無機の粘性材料を塗布してなる電子部品に関す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の補強ウェハの製造方法
は、薄厚のウェハの表面上に形成されたパターンに対応
するウェハ裏面に、有機又は無機の粘性材料を塗布する
ことを特徴とするものである。
【0013】本発明における薄厚ウェハとしては、例え
ば、厚さ300μm以下、特に150μm以下のシリコ
ンウエハ、Ga/Asなどの化合物半導体ウェハ等が挙
げられる。これらの薄厚ウェハには、表面上にパターン
が形成されている。この薄厚ウェハの表面上に形成され
たパターンとしては、例えば、溝やスクライブライン等
が挙げられる。上記溝やスクライブラインの底部から薄
厚ウエハ裏面までの厚さとしては、通常、200μm以
下のものが使用され、特に、100μm以下のものが使
用される。なお、この底部から薄厚ウエハ裏面までの厚
さの下限としては、通常、5〜10μmである。また、
スクライブラインにおいては、薄厚ウェハよりも薄い必
要はなく、薄厚ウェハそのものの厚さと同様の厚さの場
合もある(例えば、マーキング印刷等)。
【0014】本発明における溝の形状としては、任意の
ものが用いられ、例えば、丸形や多角形の独立溝又は連
続的につながっている格子状の溝等が挙げられる。溝は
通常ケミカルエッチング法や機械切削法で形成される。
溝の寸法は任意のものが用いられるが、通常は、幅が5
0〜1000μm、深さが5〜200μmのものが用い
られる。また、溝と溝の中心間隔(ピッチ)は任意のも
のが用いられるが、通常、50〜20000μmのもの
が用いられる。
【0015】本発明における有機又は無機の粘性材料を
塗布するに際し、好ましい雰囲気は、乾燥ガス雰囲気で
ある。この乾燥ガス雰囲気の好ましい相対湿度は50%
以下、より好ましくは30%以下、特に好ましくは10
%以下である。相対湿度が50%を超えると、特に吸湿
性が強い粘性材料の場合には大気中からの吸湿によって
有機又は無機の粘性材料の粘度変化や固化が生じ易くな
る傾向がある。
【0016】本発明における有機又は無機の粘性材料の
塗布方法としては、任意の方法が用いられるが、環境
面、塗布効率及びコストを考慮すると、スクリーン印
刷方法又は有機又は無機の粘性材料のノズルからの吐
出速度を、有機又は無機の粘性材料に印加する気体の圧
力を変化させることにより調整しつつ、非接触で塗布す
る方法等を用いることが好ましい。より塗布効率が高
く、連続塗布性に優れ、簡略なプロセスかつ非接触の塗
布でブリードの抑制、気泡や汚染の少なく、低コストで
厚膜が得られる等の点から、の方法を使用することが
より好ましい。
【0017】このの方法では、有機又は無機の粘性材
料は、適当なノズルから吐出されるが、このとき印加さ
れる気体の圧力は、ノズルの開口部の形状及び大きさ、
粘性材料の粘度、塗布速度、膜厚等を考慮して決定され
るが、通常、0.001〜1MPa(ゲージ圧)の範囲か
ら選択されることが好ましい。また、使用される気体と
しては、空気、窒素ガス等が使用される。
【0018】本発明においては、有機又は無機の粘性材
料は、薄厚のウエハの表面上に形成されたパターンに対
応するウェハ裏面に塗布して、必要により加熱又は乾燥
させて膜とさせる。
【0019】薄厚ウェハの表面上に形成されたパターン
が溝であって、溝部分以外の薄厚ウエハ表面又は裏面
を、電極面として利用する電子部品(半導体装置を包含
する)に用いる場合は、より薄厚となっている溝底部の
裏面部分のみ又は電極として利用する部分以外の全域か
一部に、有機又は無機の粘性材料を塗布することが好ま
しい。
【0020】特に、格子状又は独立した形状の溝が形成
されたメサ型パワーデバイス(例えば、ダイオード、ト
ランジスタ、サイリスタ等)をウエハレベルで製造する
工程において、溝を形成する前又は溝形成後の溝底部の
裏面部分のみに、有機又は無機の粘性材料を塗布する方
法は、デバイスとして必要な電極面を確保できるばかり
でなくウエハが補強されて割れがなくなり、作業性、生
産性、製品歩留まりが大幅に向上する点で好ましい。
【0021】また、前記メサ型パワーデバイスのメサ溝
には、絶縁膜として無機又は有機のジャンクションコー
ト膜が厚膜形成されるため、これらの材料に発生する応
力によってウェハが反り、それによってウェハ割れが生
じ易い問題があるが、ジャンクションコート膜と同じ組
成の材料を、無機又は有機の粘性材料として溝底部の裏
面部分に塗布すれば、溝側に発生する応力と相殺して反
りを低減することができる。この塗布方法は、ウェハが
大型化するほど顕著な効果が得られる。
【0022】また、無機又は有機の粘性材料をウェハ裏
面のみに塗布する場合には、低弾性率の無機又は有機の
粘性材料を用いる事がウェハの反り低減に有用である。
また、無機又は有機の粘性材料をウェハ裏面のスクライ
ブライン以外の部分に塗布する方法は、ダイシングブレ
ードの刃の寿命を向上でき、コスト低減できるので好ま
しく用いられる。
【0023】本発明における無機又は有機の粘性材料
は、薄厚のウェハの裏面に、ウェハ補強、ウェハ反り低
減のために塗布されて、半導体装置、配線板等の電子部
品に使用される。本発明における無機又は有機の粘性材
料の加熱又は乾燥時の温度は、有機の粘性材料では、4
00℃以下とすることが好ましい。400℃を超えると
有機の粘性材料の熱分解が生じ易くなる傾向がある。ま
た、無機の粘性材料では、焼成してパターン膜とする場
合には、有機物質の熱分解温度以上で行うことが好まし
く、通常、500〜1500℃の温度範囲が用いられ
る。また、溶剤の乾燥のみを行う場合は、通常、50〜
500℃の温度範囲が用いられる。
【0024】本発明における有機又は無機の粘性材料と
しては、好ましくは1〜1000Pa・s(25℃)の有機
又は無機の化合物であればよく、特に制限まない。粘度
が1Pa・s未満であると、有機又は無機の粘性材料が吐出
口から自然流出し易いため、吐出口端を小さくしなくて
はならず厚膜が得にくくなる傾向があり、また、厚膜、
高解像度が得にくくなる傾向がある。1000Pa・sを超
えると、有機又は無機の粘性材料に混入した泡が抜けに
くいため、有機又は無機の粘性材料を吐出する際の圧損
が生じ易く、連続的な欠損のないパターン膜の形成がし
にくくなる傾向があり、また、粘度が高すぎるため作業
性に劣る傾向がある。
【0025】本発明における有機又は無機の粘性材料と
しては、好ましくはチクソトロピック性を示すものが用
いられる。本発明における有機又は無機の粘性材料に溶
液を使用する場合は、塗布する際の作業性と膜厚をある
程度厚くすることを考慮すると、1〜1000Pa・sとす
ることが好ましく、10〜300Pa・sとすることがより
好ましい。
【0026】本発明における有機又は無機の粘性材料と
してペーストを使用する場合は、塗布する際の作業性と
膜厚を考慮すると、チクソトロピー係数が、1.5以上
であることが好ましく、2.0〜10であることがより
好ましい。また、粘度は、10Pa・s〜800Pa・sである
ことが好ましく、50Pa・s〜500Pa・sであることがよ
り好ましい。高粘度、高チクソトロピー係数をもつペー
ストは、ノズルから吐出される際に受ける高せん断力に
よって大幅な粘度低下を起こし塗布性に優れるととも
に、ウェハに塗布されたペーストはすぐに粘度が回復し
て形状を保持できるので解像度のよい厚膜形成に好まし
く用いられる。ここで、チクソトロピー係数は、E型粘
度計((株)トキメック製、EHD−U型)を用いて試料
量0.4g、測定温度25℃で測定した、回転数1min
-1と10min-1のみかけ粘度η1とη10の比、η1/
η10として表される。
【0027】また、厚膜形成には、固形分濃度の高い粘
性材料を用いることが好ましい。溶剤を含む有機の粘性
材料(例えば、ポリイミド樹脂又はその前駆体)では、
通常10〜50%のものが用いられる。
【0028】本発明における有機又は無機の粘性材料の
ノズルからの吐出速度を、有機又は無機の粘性材料に印
加する気体の圧力を変化させることにより調整しつつ、
非接触で塗布する方法において、孔状ノズルを使用する
場合、このノズルから吐出された柱状の有機又は無機の
粘性材料の直径(D1)と孔状ノズルの内径(D2)の
比〔(D1)/(D2)〕は、が4以下となるように塗
布することが好ましい。(D1)/(D2)が4を超え
ると、ノズルから吐出された有機又は無機の粘性材料
が、ノズルの先端で玉状になり易く、安定した塗布量と
解像度が得られにくい傾向がある。特に、ノズルが孔ノ
ズルで、ノズル径が0.3mm以下の場合には、(D1)
/(D2)は、3以下とすることが好ましく、2.5以
下とすることが特に好ましい。
【0029】なお、(D1)/(D2)は、有機又は無
機の粘性材料の特性(粘度、チクソトロピー係数等)、
塗布条件(塗布速度、ノズルと基材表面間の距離、塗布
圧力等)を適正化することによって制御される。
【0030】本発明における有機の粘性材料としては、
耐熱性樹脂を含むものが好ましく用いられるが、その耐
熱性樹脂としては、例えば、1%重量減少開始温度が2
50℃以上であるものが好ましく、300℃以上のもの
がより好ましく、350℃以上のものが特に好ましい。
1%重量減少開始温度が250℃未満では、高温での熱
処理工程時、例えば、はんだリフロー時やワイヤーボン
ディング時に、アウトガスが発生し易く、電子部品の信
頼性が低下する傾向がある。なお、1%重量減少開始温
度は、例えば、セイコー電子工業株式会社製TG−DT
A300型を用いて、空気中、昇温速度10℃/minで測
定することができる。サンプル量は10mgとすることが
好ましい。
【0031】前記耐熱性樹脂としては、例えば、アミド
結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を有
するもの等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエー
テル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。ポリ
イミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂については、その
前駆体であるポリアミド酸樹脂又はその一部イミド化樹
脂を使用してもよい。耐熱性樹脂を含有する粘性材料は
熱可塑性でも熱硬化性でも良い。
【0032】半導体材料として用いるための耐熱性、絶
縁耐圧、コストを考慮すると、芳香族テトラカルボン酸
二無水物と芳香族ジアミン化合物とを反応させて得られ
るポリイミド樹脂(前駆体であるポリアミド酸樹脂を含
む)を用いることが好ましい。
【0033】芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メ
タン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,
3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3,′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジク
ロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−
1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナン
スレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシ
ラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)
ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロ
ヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット
酸モノエステル酸無水物)、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水
物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、
2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル]プロパン二無水物、4,4−ビス(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二
無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロ
イソプロピル)ベンゼンビス(トリメリテート無水
物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイ
ソプロピル)ベンゼンビス(トリメリテート無水物)、
1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、
1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水
物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテー
ト無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメ
リテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス
(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレ
ン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタ
メチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−
(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,
10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水
物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテ
ート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス
(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメ
チレン)ビス(トリメリテート無水物)等が挙げられ、
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。
【0034】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物に
は、目的に応じて、芳香族テトラカルボン酸二無水物以
外のテトラカルボン酸二無水物を、芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物の50モル%を超えない範囲で用いること
ができる。
【0035】このようなテトラカルボン酸二無水物とし
ては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピ
ラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水
物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,
5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6
−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,
2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス
(エキソ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−
ジカルボン酸無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,
2)−オクト(7)−エン−2,3,5,6−テトラカ
ルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒド
ロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0036】芳香族ジアミン化合物としては、例えば、
o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジ
アミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
3′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4′
−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3′−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェ
ニルケトン、3,4′−ジアミノジフェニルケトン、
4,4′−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス
(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,4′
−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,
4′−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
3,3′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスアニリン、3,4′−[1,4−フェニ
レンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、
4,4′−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチ
リデン)]ビスアニリン、2,2−ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン等が挙げられ、これらは、単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。。
【0037】上記芳香族ジアミン化合物には、目的に応
じて、芳香族ジアミン化合物以外のジアミン化合物を、
芳香族ジアミン化合物の50モル%を超えない範囲で用
いることができる。このようなジアミン化合物として
は、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミ
ノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミ
ノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジア
ミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジ
アミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−
ジアミノウンデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルポリシロキサン等が挙げら
れる。
【0038】本発明における芳香族テトラカルボン酸二
無水物と芳香族ジアミン化合物とは、ほぼ等モルで反応
させることが膜特性の点で好ましい。
【0039】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミン化合物の反応は、通常、有機溶媒中で行う。有
機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジ
メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−
ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等の含窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシ
ド等の硫黄化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α
−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン
等のラクトン類、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジメチル(又はジエチル、ジ
プロピル、ジブチル)エーテル、トリエチレングリコー
ル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エーテル、
テトラエチレングリコールジメチル(又はジエチル、ジ
プロピル、ジブチル)エーテル等のエーテル類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、アセトフェノン等のケトン類、ブタノール、オク
チルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジ
エチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エー
テル、トリエチレングリコールモノメチル(又はモノエ
チル)エーテル、テトラエチレングリコールモノメチル
(又はモノエチル)エーテル等のアルコール類、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類、酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、
ブチルセロソルブアセテート等のエステル類、トルエ
ン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン等の
炭化水素類、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、
モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類などが用
いられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わ
せて使用される。溶解性、低吸湿性、低温硬化性、環境
安全性等を考慮すると、ラクトン類、エーテル類、ケト
ン類等を用いることが好ましい。
【0040】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミン化合物の反応温度は、80℃以下で行なうこと
が好ましく、0〜50℃で行うことがより好ましい。反
応が進行するにつれ、反応液は徐々に増粘する。この場
合、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸樹脂が
生成する。このポリアミド酸樹脂を部分的にイミド化し
てもよく、これもポリイミド樹脂の前駆体に含まれる。
【0041】ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミ
ド酸樹脂)を脱水閉環して得られる。脱水閉環は、12
0℃〜250℃で熱処理する方法(熱イミド化)や脱水
剤を用いて行う方法(化学イミド化)で行うことができ
る。120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水
反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好まし
い。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて
水を共沸除去してもよい。脱水剤を用いて脱水閉環を行
う方法は、脱水剤として、無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いるのが好
ましい。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリ
ン、トリメチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール
等の脱水触媒を用いてもよい。脱水剤又は脱水触媒は、
芳香族テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、それぞ
れ1〜8モルの範囲で用いることが好ましい。
【0042】本発明におけるポリアミドイミド樹脂又は
その前駆体は、前記ポリイミド又はその前駆体の製造に
おいて、芳香族テトラカルボン酸二無水物の代わりに、
トリメリット酸無水物又はトリメリット酸無水物のクロ
ライド等のトリメリット酸無水物誘導体等の3価のトリ
カルボン酸無水物又はその誘導体を使用することにより
製造することができる。また、芳香族ジアミン化合物及
びその他のジアミン化合物の代わりに、アミノ基以外の
残基がそのジアミン化合物に対応するジイソシアネート
化合物を使用して製造することもできる。使用できるジ
イソシアネート化合物としては、前記芳香族ジアミン化
合物又はその他のジアミン化合物とホスゲン又は塩化チ
オニルを反応させて得られるべきものがある。
【0043】本発明におけるポリアミド樹脂は、テレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、これらのジクロライド、酸無水物等の誘導体と前記
した芳香族ジアミン化合物又はこれと他のジアミン化合
物を反応させることにより製造することができる。
【0044】本発明における耐熱性樹脂は、有機溶剤に
溶解して粘性材料とすることが好ましい。有機溶剤とし
て、例えば、「溶剤ハンドブック」(講談社、1976年刊
行)の143〜852頁に掲載されている溶剤が用いられる。
例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−3,
4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒
素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄
化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ
−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル
−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクト
ン類、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチ
レングリコールジメチル(又はジエチル、ジプロピル、
ジブチル)エーテル、トリエチレングリコールジメチル
(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エーテル、テ
トラエチレングリコールジメチル(又はジエチル、ジプ
ロピル、ジブチル)エーテル等のエーテル類、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、アセトフェノン等のケトン類、ブタノール、オクチ
ルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエ
チレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチル(又はモノエチ
ル)エーテル、テトラエチレングリコールモノメチル
(又はモノエチル)エーテル等のアルコール類、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類、酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、
ブチルセロソルブアセテート等のエステル類、トルエ
ン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン等の
炭化水素類、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、
モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ
ート類などが用いられる。
【0045】また、本発明における有機又は無機の粘性
材料には、適度なチクソトロピック性を付与することが
好ましい。適度なチクソトロピック性が付与された有機
又は無機の粘性材料としては、有機溶剤、これに溶解さ
れている耐熱性樹脂及び溶液中に分散している無機微粒
子又は有機微粒子を含有させた耐熱樹脂ペーストからな
るものがある。無機微粒子又は有機微粒子を含有させる
ことにより、チクソトロピック性を付与することができ
る。有機溶剤としては、前記したものが使用できる。無
機微粒子又は有機微粒子は、耐熱性樹脂30〜99重量
部に対し、無機微粒子又は有機微粒子1〜70重量部を
両者の合計量が100重量部になるよう配合することが
好ましい。無機微粒子又は有機微粒子が1重量部未満で
は、チクソトロピック性が不充分となり、解像性が得ら
れにくくなる傾向がある。70重量部を超えると、塗布
性と作業性が低下する傾向がある。
【0046】無機微粒子としては、例えば、シリカ、ア
ルミナ、チタニア、酸化タンタル、ジルコニア、窒化珪
素、チタン酸バリウム、炭酸バリウム、チタン酸鉛、チ
タン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、
酸化ガリウム、スピネル、ムライト、コーディエライ
ト、タルク、チタン酸アルミニウム、イットリア含有ジ
ルコニア、硫酸バリウム、珪酸バリウム等の絶縁性無機
微粒子などが挙げられる。
【0047】耐熱樹脂ペーストの主成分の耐熱性樹脂
は、有機溶剤に可溶性のものが使用されるが、これに対
して、前記有機微粒子はその有機溶剤に加熱乾燥前には
不溶性のものが使用される。有機微粒子としては、アミ
ド結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を
有する耐熱性樹脂の微粒子が好ましい。この耐熱性樹脂
としては、耐熱性と機械特性の観点から、好ましくはポ
リイミド樹脂若しくはその前駆体、ポリアミドイミド樹
脂若しくはその前駆体又はポリアミド樹脂の微粒子が用
いられる。
【0048】無機微粒子、有機微粒子は、それぞれ必要
に応じて、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用さ
れる。また、無機微粒子、有機微粒子とを混合して用い
ても構わない。
【0049】無機微粒子及び有機微粒子は、それぞれ平
均粒子径が40μm以下のものが好ましく用いられる。
チクソトロピック性を有する耐熱樹脂ペーストを塗布す
る際のウェハへのダメージが少なく、かつイオン性不純
物濃度を低くできる点から、平均粒子径が20μm以下
の前記アミド結合、イミド結合、エステル結合又はエー
テル結合を有する耐熱性樹脂の微粒子がより好ましく用
いられる。これらの平均粒子径は、好ましくは0.1〜
10μmのものが用いられる。
【0050】無機微粒子を含むペーストは、繰り返し塗
布する際に無機微粒子によるノズル先端の摩耗が生じ易
く、ノズル寿命が短くなる欠点があることから、有機の
微粒子をチクソトロピック性付与剤に用いることが好ま
しい。
【0051】耐熱樹脂ペーストとしては、(I)耐熱性
樹脂A、(II)耐熱性樹脂B及び(III)溶剤を含み、
加熱乾燥前には(II)耐熱性樹脂Bは、(I)耐熱性樹
脂A及び(III)溶剤からなる均一相に対して、不均一
相として存在し、加熱乾燥後には(I)耐熱性樹脂A、
(II)耐熱性樹脂B及び(III)溶剤が均一相として存
在するようにした耐熱性樹脂ペーストが好ましく用いら
れる。このペーストは、加熱乾燥後に均一膜を形成し、
膜中にフィラ微粒子が存在しないため、機械強度、絶縁
耐圧に優れるものであり、半導体、配線板等の電子部品
用として有用である。ここで、加熱乾燥とは、ウェハへ
の膜作成時の乾燥を意味し、乾燥温度は50〜350℃
が好ましい。
【0052】また、加熱乾燥後には(I)耐熱性樹脂
A、(II)耐熱性樹脂Bを必須成分として含む均一相が
形成されるようにするために、(I)耐熱性樹脂A、
(II)耐熱性樹脂Bとは相溶する性質をもつものが好ま
しく用いられる。具体的には、好ましくは(I)耐熱性
樹脂A、(II)耐熱性樹脂Bとの溶解性パラメータの差
が2.0以下、より好ましくは1.5以下である組合せ
のものが用いられる。ここで、溶解性パラメータは、Po
lym.Eng.Sci.,Vol.14の147〜154頁に記載されているFed
orsの方法に準じて計算される値[単位:(MJ/m3)1/2
である。このような耐熱性樹脂ペーストは、例えば、特
開平2−289646号公報、特開平4−248871
号公報、特開平4−85379号公報に記載されている
ものを用いることができる。前記したいずれの均一相に
おいても加熱乾燥後に残存する有機溶剤を含んでいても
よい。
【0053】次に、本発明における有機又は無機の粘性
材料を塗布する方法として好ましく用いられる、有機又
は無機の粘性材料のノズルからの吐出速度を、有機又は
無機の粘性材料に印加する気体の圧力を変化させること
により調整しつつ、非接触で塗布する装置について図面
を用いて詳述する。
【0054】図1は、本発明に好ましく用いられる塗布
装置の一例を示す概略図である。また、図2は、この塗
布装置における圧力弁制御チャートである。基板1はウ
ェハであり、θ軸回転テーブル2上に固定される。θ軸
回転テーブル2はX軸移動装置3とY軸移動装置4の上
に配置し、θ軸回転テーブル2、X軸移動装置3及びY
軸移動装置4はコンピュータ制御されている。塗布され
る位置のX−Y−θの座標は予めプログラミングしてお
くことで任意に決めることができる。1つの基板上に複
数のパターンを形成する場合にはそれぞれのパターンの
形状を座標データとして予めプログラミングしておく。
複数のパターンの寸法、形状、膜厚は全く任意に設定す
ることができる。また、いくつものパターン群の記録を
例えばフロッピーディスク等の補助記憶装置を用いて、
事前に作成しておけば品種変え等が簡便に行える。この
移動装置(θ軸回転テーブル2、X軸移動装置3及びY
軸移動装置4)の精度を、例えば、1ミクロンの精度を
もち、移動速度を、例えば、20mm/秒の性能を持たせ
ることで、高速高精度で吐出位置の移動を行うことがで
きる。
【0055】上記基板1上に少なくとも1つのディスペ
ンサーノズル5を配置し、粘性材料を充填した少なくと
も1つの円筒容器6とパイプを介して接続し、このノズ
ル5と円筒容器6をZ軸昇降機7に固定する。このZ軸
昇降機7の精度を、例えば、1ミクロンの精度をもち、
移動速度を、例えば、100mm/秒以上の性能を持たせ
ることで、高速高精度で吐出高さの移動を行うことがで
きる。用途によって粘性材料の吐出するノズルか又はウ
ェハのいずれか一方又は両方を平行又は回転移動させる
塗布装置を用いることができる。
【0056】円筒容器6を加圧源、真空源及び大気開放
口にパイプを介して接続する3つの圧力制御弁、すなわ
ち、加圧源接続制御弁8、真空源接続制御弁9及び大気
開放制御弁10と接続しこれらの弁を図2に示すような
圧力制御を高速で行うことで、粘性材料の吐出開始時及
び終了時の圧力を調整し、昇降動作とのタイミングも合
わせて液切れの良い塗布を行うことができる。加圧源接
続制御弁8はパイプを介して加圧源(コンプレッサー、
ガスボンベ等)に接続され、真空源接続制御弁9はパイ
プを介して減圧源(真空ポンプ等)を接続され、大気開
放制御弁10はパイプを介して又は介せず大気に開放さ
れるようになっている。また、好ましくはそれぞれの容
器で3つの圧力制御弁を独立に設け、ノズルの開口部毎
に吐出タイミングを変えることができ、様々なパターン
の形成が可能になる。
【0057】円筒容器6に粘性材料を入れた後、好まし
くは、減圧下に脱泡される。3つの圧力制御弁の制御
は、例えば、次のように行われる。すなわち、最初は、
3つの圧力制御弁を閉じておき、加圧源接続制御弁8を
開いて粘性材料に圧力を印加し、一定量速度で材料を吐
出しながらテーブルを移動させて塗膜を形成する。印加
圧は、通常、瞬時に所定圧に達する。塗布の停止、中止
又は中断時には、加圧源接続制御弁8を閉じ、真空源接
続制御弁9を短時間開いた後閉じると同時に大気開放制
御弁10を開いて、円筒容器6内の気圧が大気圧となっ
た時点で大気開放制御弁10を閉じる。この操作は、い
わゆるサックバックである。サックバックの時間は非常
に短く、例えば10ミリ秒程度の時間である。
【0058】図3は、単一制御単一ノズルの一例を示
し、(a)は正面図、(b)は底面図を示す。この装置
は、平筆のようなスリット状のノズルで、1本の太線の
描画ができる。ノズルの吐出口の大きさは奥行き0.0
1〜1mm、幅0.1〜50mmが好ましい。奥行き又は幅
が小さすぎると、吐出時の印加圧力が大きくなりすぎ、
また、塗装速度が遅くなる。奥行きが大きくなりすぎる
と、粘性材料のタレが生じやすくなり、また、液切れが
悪くなる傾向がある。幅が大きすぎると全幅にわたって
粘性材料の吐出速度が均一になりにくくなる傾向があ
る。
【0059】図4は、単一制御多点ノズルの一例を示
し、(a)は正面図、(b)は底面図を示す。この装置
は、櫛型のノズルで、複数のパターンが同時に描画でき
る。ノズルの孔の径は、0.01〜1mmが好ましい。孔
の径が小さすぎると、吐出時の印加圧力が大きくなりす
ぎ、また、塗装速度が遅くなる傾向がある。また、孔の
径が大きくなりすぎると、粘性材料のタレが生じやすく
なり、また、液切れが悪くなる傾向がある。孔の間隔は
目的に応じて適宜決定される。櫛型のノズルの先端の形
状は、目的に応じて任意のものが用いられる。ラインパ
ターンを塗布する場合は、ノズルの孔それぞれが独立の
突出した先端をもつもので、その外径は内径の3倍以下
であることが好ましい。複数のパターンを一度に塗布す
るのに適している。
【0060】図5は、単一制御多点ノズルの他の一例を
示し、3つの平筆状で、一回の塗布動作で3本の太線の
描画ができる。塗膜が一つにならずに3つにするために
は、ノズルの孔の間隔を0.01mm以上にすることが好
ましい。
【0061】図6は、多点制御多点ノズルの一例を示
し、(a)は正面図、(b)は底面図を示す。この装置
は、例えば、図5に示すの3点ノズルを個々に圧力制御
できる型としたものであり、丸型のウェハを効率よく塗
布できる。個々のノズルの大きさは、図3の単一制御単
一ノズルのときと同様である。
【0062】図7は、多点制御多点ノズルの他の一例を
示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は右側
面図を示す。この装置は、例えば、図3の多点ノズルを
個々に圧力制御できる型にしたものであり、個々のノズ
ルからの吐出量を個々に制御することができるので複雑
なパターンを描画できる。ノズルは、四角形をしてお
り、その大きさは一片の長さが0.01〜1mmであるこ
とが好ましい。孔が小さすぎると、吐出時の印加圧力が
大きくなりすぎ、また、塗装速度が遅くなる傾向があ
る。また、孔が大きくなりすぎると、粘性材料のタレが
生じやすくなり、また、液切れが悪くなる傾向がある。
孔の間隔は目的に応じて適宜決定される。個々の孔の間
隔を非常に小さくすると、上記の単一制御単一ノズルと
同じ機能を有するようになり、また、充分大きくする
と、一度の操作で、ノズルの数の線を一度に塗布でき
る。
【0063】図8は、多点制御多点ノズルの他の一例を
示し、(a)は正面図、(b)は底面図を示す。この装
置は、例えば、図6の3点ノズルの幅を変えたもので、
ノズル間のギャップや液の粘性を調整することで一回の
塗布動作で、丸型のウェハに形成された複数のパターン
を効率よく塗布することができる。
【0064】このように、様々なノズルを装着すること
により、様々のパターンの描画が可能になる。このディ
スペンスノズル部を複数にすることで、さらに高速処理
も可能である。塗布された膜厚は、ノズルと基材間のギ
ャップと走行速度で決まるため、ノズル部にギャップを
測定する距離センサを備えることにより、凹凸のあるウ
ェハへの適用も可能である。また、位置決めのセンシン
グ機能を付加すれば、位置決めがより簡便にできる。ま
た、ノズル先端部に加熱機能を付加することにより、よ
り高粘度のワニス又はペーストを高速で塗布することが
できる。上記の装置は一例に過ぎず、本発明を制約する
ものではない。
【0065】本発明においてウェハの裏面に格子状のよ
うな連続したラインパターンを塗布する場合は、一筆描
きに連続塗布することが好ましく用いられる。この方法
は、塗布にかかわる時間を短縮でき、生産効率(タク
ト)を向上できる。
【0066】本発明における薄厚ウェハの表面上に形成
されたパターンに対応する薄厚ウェハ裏面に有機又は無
機の粘性材料を塗布された補強ウェハは、スタックドC
SPや3次元実装用の半導体チップ、メサ型パワーデバ
イス(例えば、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ
等)などの電子部品として幅広く利用でき、工業的に極
めて有用である。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、溶解性パラメータ値をSp値と略す。
【0068】実施例1 (1)ポリアミド酸樹脂(ポリアミド酸−A)溶液の合
成 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた2000mlの四つ口フラスコに、3,4,
3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
175.68g(0.545モル)、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル54.58g(0.273モ
ル)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン89.53g(0.218モル)、
1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サン13.55g(0.0545モル)、γ−ブチロラ
クトン(以下、BLと略す)544.43g及び1,3
−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1
H)−ピリミジノン(以下、DMTPと略す)233.
34gを乾燥した窒素ガスを通しながら仕込んだ。攪拌
下、80℃に昇温し、同温度で2時間反応を進めた後、
室温まで冷却して数平均分子量75000(ポリスチレ
ン換算値)のポリアミド酸樹脂(ポリアミド酸−A)の
溶液を得た。このポリアミド酸−AのSp値は28.1
である。
【0069】(2)ポリアミド酸樹脂(ポリアミド酸−
B)の合成 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び油水分離器付き冷
却管を備えた2000mlの四つ口フラスコに、3,4,
3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
202.70g(0.629モル)、p−フェニレンジ
アミン13.61g(0.126モル)、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル75.58g(0.377モ
ル)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン25.82g(0.0629モル)、
1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキ
サン15.63g(0.0629モル)、BL 54
4.45g及びDMTP 233.23gを乾燥した窒
素ガスを通しながら仕込んだ。攪拌下、80℃に昇温
し、同温度で約2時間反応を進め、反応溶液がわずかに
濁りを生じたところで室温まで冷却した。この溶液を2
時間放置して数平均分子量60000(ポリスチレン換
算値)、寒天状のポリアミド酸樹脂(ポリアミド酸−
B)を得た。このポリアミド酸−BのSp値は29.2
である。
【0070】(3)ポリアミド酸樹脂ペーストの製造 攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた2
000mlの四つ口フラスコに、前記(2)で得た寒天状
のポリアミド酸樹脂(ポリアミド酸−B)294.12
gを、乾燥した窒素ガスを通しながら仕込み、攪拌下、
80℃に昇温して溶解した。次いで、同温度で前記
(1)で得たポリアミド酸樹脂(ポリアミド酸−A)の
溶液686.28gを仕込み、攪拌混合して均一溶液と
した。約1時間で23℃に冷却したものをそのまま23
℃で1ヶ月放置したところペースト状となった。
【0071】このものを、若干量のDMTPで希釈調整
して、粘度330Pa・s、チクソトロピー係数(以下、T
I値と呼ぶ)5.7のポリアミド酸ペーストを得た。得
られたポリアミド酸ペーストを、ガラス板(厚さ約2m
m)上に、加熱乾燥後の厚さが20μmになるようにバ
ーコータ塗布し、100℃で30分間、150℃で30
分間、200℃で15分間、250℃で15分間、更に
350℃で60分間加熱処理してポリイミド膜付きガラ
ス板を得た。硬化膜は、ほぼ均一透明であった。ガラス
板からポリイミド樹脂膜を剥がしたフィルムについて、
セイコー電子工業株式会社製熱物理試験機TMA120
型により、試料寸法3mm×20mm、荷重8g、昇温速度
5℃/minでガラス転移温度(以下、Tgと略す)を測定
したところ280℃であった。
【0072】上記ポリアミド酸樹脂ペーストを、厚さ1
00μmの8インチシリコンウエハ裏面に、図1で示す
ような精密塗布装置により、ノズルとしてスリット型の
単一制御単一ノズルを用いて、寸法10mm×14mmのチ
ップを得るための、幅200μmの格子状スクライブラ
イン以外の部分全面に非接触で塗布した。単一制御単一
ノズルのスリット型孔の寸法は、0.4mm×10mmのも
のである。塗布条件は、塗布速度が25mm/s、ノズルと
ウェハ間の距離が70μm、気体(空気)の印加圧力が
85Pa(ゲージ圧)で行った。また、塗布停止及び中断
時のサックバックの時間は10ミリ秒で行った。ペース
トが塗布されたパターンを、光学顕微鏡で観察した結
果、糸引き及びだれは観察されなかった。
【0073】また、ペーストが塗布されたウエハを、1
00℃で30分間、150℃で30分間、200℃で1
5分間、250℃で15分間、更に350℃で60分間
加熱処理して、格子状スクライブライン以外の部分全面
がポリイミド樹脂硬化膜で被覆されたポリイミド樹脂硬
化膜付きシリコンウエハを得た。このポリイミド樹脂硬
化膜の膜厚は、18±2μm、格子状に抜けたスクライ
ブラインの幅は、180μmであった。ポリイミド樹脂
硬化膜付きシリコンウエハを、吸着ステージに吸着さ
せ、スクライブラインをダイシングブレードでフルカッ
ト切断した。チップの割れ及び欠けは全く生じなかっ
た。
【0074】実施例2 実施例1に記載のポリアミド酸樹脂ペーストを、厚さ2
00μmのシリコンウエハ表面に、幅430μm、深さ
130μm(溝の底部からウエハ裏面までの厚さ70μ
m)、X軸方向とY軸方向ともピッチ1500μmの格
子状の溝が形成された5インチシリコンウエハの裏面
に、図1で示すような精密塗布装置により、ノズルとし
て単一制御単一孔ノズルを用いて、ウエハ表面に形成さ
れた溝パターンに対応する格子状パターンを塗布した。
単一制御単一孔ノズルの孔の内径は0.3mm、外径は
0.4mmのものである。塗布条件は、塗布速度が100
mm/s、ノズルとウェハ間の距離が70μm、気体(空
気)の印加圧力が0.35MPa(ゲージ圧)で行った。
ノズルから吐出されたペーストは柱状であり、その直径
(D1)と孔状ノズルの内径(D2)の比〔(D1)/
(D2)〕は、約2.0であった。ペーストが塗布され
たパターンを光学顕微鏡で観察した結果、糸引き及びだ
れは観察されなかった。
【0075】また、ペーストが塗布されたウエハを、1
00℃で30分間、150℃で30分間、200℃で1
5分間、250℃で15分間、更に350℃で60分間
加熱処理して、ウエハ裏面に、ウエハ表面の溝パターン
に対応する同位置に硬化したポリイミド樹脂の格子状パ
ターンが形成されたシリコンウエハを得た。ポリイミド
樹脂の厚さは21±2μm、ポリイミド樹脂の格子状パ
ターンのライン幅は610μmであった。硬化したポリ
イミド樹脂の格子状パターンが形成されたシリコンウエ
ハを吸着ステージに吸着させ、スクライブラインをダイ
シングブレードでフルカット切断した。チップの割れ及
び欠けは全く生じなかった。
【0076】比較例1 実施例1に記載の厚さ100μmの8インチシリコンウ
エハを、テープ厚さ90μm、粘着力2.0N/10mmの
ダイシングテープに貼り付けたものを吸着ステージに吸
着させ、スクライブラインをダイシングブレードでフル
カット切断した。切断時にチップの割れ及び欠けは生じ
なかったが、切断したチップをダイシングテープからピ
ンホルダでピックアップする時に、多数のチップの割れ
及び欠けが生じた。
【0077】比較例2 実施例2に記載の厚さ200μmのシリコンウエハ表面
に、幅430μm、深さ130μm(溝の底部からウエ
ハ裏面までの厚さ70μm)、X軸方向とY軸方向とも
ピッチ1500μmの格子状の溝が形成された5インチ
シリコンウエハを、テープ厚さ90μm、粘着力2.0
N/10mmのダイシングテープに貼り付け、吸着ステージ
に吸着させ、スクライブラインをダイシングブレードで
フルカット切断した。切断時にチップの割れ及び欠けは
生じなかったが、切断したチップをダイシングテープか
らピンホルダでピックアップする時に、多数のチップの
割れ及び欠けが生じた。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の補強ウェハの製造方法
は、ウェハの製造、チップの製造又は搬送工程でのウェ
ハ割れがなく、作業性に優れ、製品歩留まりに優れる薄
厚ウェハが得られる。請求項2記載の補強ウェハの製造
方法は、請求項1記載の補強ウェハの製造方法の効果を
奏し、さらに溝形成ウェハを用いる電子部品に好適な薄
厚ウェハが得られる。請求項3記載の補強ウェハの製造
方法は、請求項1記載の補強ウェハの製造方法の効果を
奏し、さらにスクライブラインの切断を容易にし、より
生産性に優れる薄厚ウェハが得られる。
【0079】請求項4記載の補強ウェハの製造方法は、
請求項1、2又は3記載の補強ウェハの製造方法の効果
を奏し、さらに塗布効率が高く、連続塗布性に優れ、簡
略なプロセスかつ非接触の塗布により、ブリードを抑制
し、気泡や汚染を低減した厚膜が、低コストで薄厚ウェ
ハが得られる。請求項5記載の補強ウェハの製造方法
は、請求項1、2、3又は4記載の補強ウェハの製造方
法の効果を奏し、より生産性(タクト)が優れる薄厚ウ
ェハが得られる。請求項6記載の補強ウェハの製造方法
は、請求項1、2、3、4又は5記載の補強ウェハの製
造方法の効果を奏し、さらに塗布性、解像性、厚膜形成
性等が優れる薄厚ウェハが得られる。
【0080】請求項7記載の補強ウェハの製造方法は、
請求項1、2、3、4、5又は6記載の補強ウェハの製
造方法の効果を奏し、より塗布性が優れる薄厚ウェハが
得られる。請求項8記載の補強ウェハの製造方法は、請
求項1、2、3、4、5、6又は7記載の補強ウェハの
製造方法の効果を奏し、より解像性、厚膜形成性等が優
れる薄厚ウェハが得られる。
【0081】請求項9記載の補強ウェハの製造方法は、
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の補強ウ
ェハの製造方法の効果を奏し、さらに耐熱性が優れる薄
厚ウェハが得られる。請求項10記載の補強ウェハの製
造方法は、請求項9記載の補強ウェハの製造方法の効果
を奏し、さらに機械特性、絶縁耐圧等が優れる薄厚ウェ
ハが得られる。請求項11記載の電子部品は、信頼性が
高く、生産性(タクト)に優れ、製品歩留まりのよい電
子部品であり、特に、格子状又は独立した形状の溝が形
成されたメサ型パワーデバイス(例えば、ダイオード、
トランジスタ、サイリスタ等)をウエハレベルで製造す
る部品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる塗布装置の一例を示す概略図で
ある。
【図2】図1の塗布装置における圧力弁制御チャートで
ある。
【図3】単一制御単一ノズルの一例である。
【図4】単一制御多点ノズルの一例である。
【図5】単一制御多点ノズルの他の一例である。
【図6】多点制御多点ノズルの一例である。
【図7】多点制御多点ノズルの他の一例である。
【図8】多点制御多点ノズルの他の一例である。
【符号の説明】
1 基板 2 θ軸回転テーブル 3 X軸移動装置 4 Y軸移動装置 5 ディスペンサーノズル 6 円筒容器 7 Z軸昇降機 8 加圧源接続制御弁 9 真空源接続制御弁 10 大気開放制御弁
フロントページの続き (72)発明者 景山 晃 東京都港区芝浦四丁目9番25号 日立化成 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AC08 AC96 CA03 CA18 DA06 DA31 DB11 DC22 EA14 EC33 4J002 CM04W CM04X FD206 GQ05 4J043 PA02 PA04 PA19 QB31 RA34 SA06 SB01 SB02 TA13 TA14 TA22 TB01 UA131 UA132 UB021 UB121 UB152 XA03 XA13 XA16 XA19 ZB50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄厚のウェハの表面上に形成されたパタ
    ーンに対応するウェハ裏面に、有機又は無機の粘性材料
    を塗布することを特徴とする補強ウェハの製造方法。
  2. 【請求項2】 薄厚のウェハ表面上に形成されたパター
    ンが、溝であり、より薄厚となっている溝底部の裏面部
    分に、有機又は無機の粘性材料を塗布する請求項1記載
    の補強ウェハの製造方法。
  3. 【請求項3】 薄厚のウェハ表面上に形成されたパター
    ンが、スクライブラインであり、スクライブライン以外
    の部分に、有機又は無機の粘性材料を塗布する請求項1
    記載の補強ウェハの製造方法。
  4. 【請求項4】 有機又は無機の粘性材料を塗布する方法
    において、有機又は無機の粘性材料のノズルからの吐出
    速度を、有機又は無機の粘性材料に印加する気体の圧力
    を変化させることにより調整しつつ、非接触で塗布する
    請求項1、2又は3記載の補強ウェハの製造方法。
  5. 【請求項5】 有機又は無機の粘性材料を、一筆描きに
    連続塗布する請求項1、2、3又は4記載の補強ウェハ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ノズルが孔状ノズルであり、このノズル
    から吐出された柱状の有機又は無機の粘性材料の直径
    (D1)と孔状ノズルの内径(D2)との比〔(D1)
    /(D2)〕、が4以下である請求項1、2、3、4又
    は5記載の補強ウェハの製造方法。
  7. 【請求項7】 有機又は無機の粘性材料の粘度が、1〜
    1000Pa・sである請求項1、2、3、4、5又は6記
    載の補強ウェハの製造方法。
  8. 【請求項8】 有機又は無機の粘性材料が、チクソトロ
    ピック性を示すものである請求項1、2、3、4、5、
    6又は7記載の補強ウェハの製造方法。
  9. 【請求項9】 有機の粘性材料が、アミド結合、イミド
    結合、エステル結合又はエーテル結合を有する耐熱性樹
    脂を含有するものである請求項1、2、3、4、5、
    6、7又は8記載の補強ウェハの製造方法。
  10. 【請求項10】 有機の粘性材料が、(I)耐熱性樹脂
    A、(II)耐熱性樹脂B及び(III)溶剤を含み、加熱
    乾燥前には(II)耐熱性樹脂Bは、(I)耐熱性樹脂A
    及び(III)溶剤からなる均一相に対して不均一相とし
    て存在し、加熱乾燥後には(I)耐熱性樹脂A、(II)
    耐熱性樹脂B及び(III)溶剤が均一相として存在する
    耐熱性樹脂のペーストである請求項9記載の補強ウェハ
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 薄厚のウェハの表面上に形成されたパ
    ターンに対応するウェハ裏面に、請求項1〜10のいず
    れかに記載の補強ウェハの製造方法により、有機又は無
    機の粘性材料を塗布してなる電子部品。
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