JP2001214870A - ギヤポンプ - Google Patents

ギヤポンプ

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JP2001214870A
JP2001214870A JP2000022535A JP2000022535A JP2001214870A JP 2001214870 A JP2001214870 A JP 2001214870A JP 2000022535 A JP2000022535 A JP 2000022535A JP 2000022535 A JP2000022535 A JP 2000022535A JP 2001214870 A JP2001214870 A JP 2001214870A
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Japan
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pressure chamber
side plate
gear
curved surface
seal block
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JP2000022535A
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English (en)
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Jun Watanabe
潤 渡辺
Junichi Ikeda
純一 池田
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質シール材を用いて側板とシールブロック
との衝合面をシールし、内部洩れ等の発生を抑えて吐出
性能を向上できるようにする。 【解決手段】 側板5にはシールブロック12との衝合
面側に円弧状の凸湾曲面5Cを形成し、シールブロック
12には凹湾曲面部12Aを形成する。この場合、側板
5の凸湾曲面5Cとシールブロック12の凹湾曲面部1
2Aは、加工時の寸法交差等を考慮して僅かに異なる曲
率もって形成される。そして、側板5の凸湾曲面5Cに
設けた銅メッキからなる軟質シール材25は、両者の曲
率差等による微小な隙間δを埋めるように側板5の凸湾
曲面5Cとシールブロック12の凹湾曲面部12Aとの
間で弾性または塑性変形し、側板5をシールブロック1
2に対して液密に衝合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用ブレ
ーキ装置等の油圧源として好適に用いられるギヤポンプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ギヤポンプは構造が簡単で信頼
性が高いため小型、軽量のポンプとして、種々の産業分
野に用いられており、例えば車両用エンジンの燃料噴射
ポンプとしても使用されている(例えば、特開平10−
252589号公報等)。
【0003】この種の従来技術によるギヤポンプは、ポ
ンプの外殻をなすハウジングと、該ハウジング内に互い
に対向した状態で設けられ、対向面間でギヤ室を形成す
る左,右の側板と、該各側板間のギヤ室内に噛合状態で
設けられ、それぞれの支軸が該側板に回転可能に支持さ
れた2個のギヤと、該各ギヤの噛合部位に対し一側に位
置して前記各側板間に形成され、前記ハウジング内の吸
込ポートと連通した低圧室と、該低圧室から離間して前
記各ギヤの周囲に形成され、前記ハウジングの吐出ポー
トと連通する高圧室とから大略構成されている。
【0004】ここで、ハウジング内には各ギヤの噛合部
との間で低圧室を画成するシール部材としてのシールブ
ロックが設けられ、該シールブロックは各側板に外側か
ら衝合して各ギヤの歯先側をシールする構成となってい
る。また、前記2個のギヤのうち一方のギヤは駆動側ギ
ヤとなり、外部の駆動源により支軸を介して回転駆動さ
れる。そして、駆動側ギヤが他方の従動側ギヤと噛合し
つつ回転することにより、前記吸込ポートから導かれる
燃料等の油液は、低圧室から高圧室に向けて送液され、
吐出ポートから外部ヘと吐出されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるギヤポンプは、車両用エンジンの燃料噴射
ポンプ等として使用されるものである。しかし、車両用
ブレーキ装置等の油圧源としてギヤポンプを用いる場合
には、車両用エンジンの燃料噴射ポンプよりも高圧仕様
の(例えば、最大で20MPa以上の吐出圧)ポンプが
要求されるものである。
【0006】そして、このように車両用ブレーキ装置の
油圧源となる高圧仕様のギヤポンプにあっては、側板と
シールブロックとの衝合面間に僅かでも隙間が形成され
ると、高圧室と低圧室との間を十分にシールすることが
できず、内部洩れ等が生じてポンプの吐出性能を向上で
きないという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、側板とシールブロック
との衝合面を良好にシールでき、内部洩れ等の発生を抑
えて吐出性能を向上できるようにしたギヤポンプを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、ポンプのハウジングと、該
ハウジング内に互いに対向して配置され対向面間にギヤ
室を形成する左,右の側板と、該各側板に支軸を介して
回転可能に支持され前記ギヤ室内に互いに噛合状態で配
設される2個のギヤと、該各ギヤの噛合部との間で吸込
ポートに連通する低圧室を画成するため前記各側板に外
側から衝合して設けられ前記各ギヤの歯先側をシールす
るシール部材と、前記低圧室から離間して前記各ギヤの
周囲に形成され吐出ポートと連通する高圧室とを備え、
前記2個のギヤは互いに噛合して回転することにより前
記低圧室から高圧室に向けて送液を行うギヤポンプに適
用される。
【0009】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記シール部材に対する側板の衝合面側に、前
記シール部材および側板の材料よりも軟らかい材料によ
って形成され前記衝合面間の隙間を埋める軟質シール材
を設ける構成としたことにある。
【0010】このように構成することにより、軟質シー
ル材は側板とシール部材との間の衝合面に介在し、高圧
室からの圧力等によって前記衝合面間の隙間を埋めるよ
うに変形するので、吸込ポートに連通する低圧室を高圧
室に対して遮断することができ、高圧室側の圧力が低圧
室側へと内部洩れするのを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
ギヤポンプを車両用ブレーキ装置の油圧源として用いる
場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0012】ここで、図1ないし図6は本発明の第1の
実施の形態を示している。図中、1は当該ギヤポンプの
外殻をなすハウジングで、該ハウジング1は、内側に断
面円形の有底穴からなるシリンダ孔2Aが形成され、該
シリンダ孔2Aの一端側が底部2Bとなって閉塞された
ケース2と、該ケース2の開口端2C側を閉塞するよう
にケース2の他側に固定して設けられた蓋体3とから構
成されている。
【0013】4はハウジング1内に配設されたポンプ組
立体で、該ポンプ組立体4は、後述の側板5,6、ギヤ
8,9およびシールブロック12等により構成されてい
る。そして、これらの側板5,6、ギヤ8,9およびシ
ールブロック12は、ハウジング1内に収容する前に、
後述の各金属コイルばね26を側板5,6およびシール
ブロック12の外周側に巻装することにより、ポンプ組
立体4としてアセンブリ化されるものである。
【0014】5,6はギヤ8,9を左,右両側から挟む
ように互いに対向して配置された一対の側板で、該側板
5,6は、例えば鉄系金属または青銅系金属材料により
図1ないし図4に示す如く略長円形状をなす板体として
形成され、その対向面間にはギヤ室7が形成されるもの
である。そして、側板5,6はポンプ組立体4としてア
センブリ化した状態で、ギヤ8,9等と共にケース2の
シリンダ孔2A内に収容されるものである。
【0015】また、側板5にはギヤ8,9の径方向に離
間して軸方向に延びる支持孔5A,5Bが穿設され、側
板6には該支持孔5A,5Bと対応して支持孔6A,6
Bが穿設されている。そして、これらの支持孔5A,5
B,6A,6Bのうち支持孔5A,6Aは後述するギヤ
8の軸部8B,8Cを回動可能に支持し、支持孔5B,
6Bは後述するギヤ9の軸部9B,9Cを回動可能に支
持するものである。
【0016】また、側板5は、図4および図6に示す如
く後述するシールブロック12との衝合面が上,下に離
間した円弧状の凸湾曲面5C,5Dとして形成され、該
凸湾曲面5C,5D間には円弧状の凹窪部5Eが形成さ
れている。そして、これらの凸湾曲面5C,5Dおよび
凹窪部5Eは、支持孔5A,5Bと平行に側板5の全幅
に亘って延びているものである。
【0017】一方、側板6についても図2に示す如くシ
ールブロック12との衝合面が上,下に離間した円弧状
の凸湾曲面6C,6Dとして形成され、該凸湾曲面6
C,6D間には円弧状の凹窪部6Eが形成されている。
そして、これらの凸湾曲面6C,6Dおよび凹窪部6E
についても、支持孔6A,6Bと平行に側板6の全幅に
亘って延びているものである。
【0018】また、側板5の凹窪部5Eは、図4に示す
如く支持孔5A,5B間に位置し、側板6の凹窪部6E
は図2に示す如く支持孔6A,6B間に位置している。
そして、これらの凹窪部5E,6Eは、後述の吸込ポー
ト14をシールブロック12の円弧溝12Cとの間に形
成するものである。
【0019】8,9は側板5,6間のギヤ室7内に互い
に噛合状態で配設された一対のギヤで、該ギヤ8,9は
例えば鉄系金属材料を用いて形成され、図1に示す如く
円板状のギヤ部8A,9Aと、該ギヤ部8A,9Aの中
心側から軸方向一側に延びる軸部8B,9Bと、ギヤ部
8A,9Aの中心側から軸方向他側に延びる軸部8C,
9Cとから構成されている。
【0020】そして、軸部8B,8Cはギヤ部8Aを挟
んで同軸上に位置し、駆動側となるギヤ8の支軸を構成
するものである。また、軸部9B,9Cはギヤ部9Aを
挟んで同軸上に位置し、従動側となるギヤ9の支軸を構
成している。
【0021】ここで、駆動側のギヤ8は軸部8Bが側板
5の支持孔5A内に回動可能に挿嵌され、その先端側は
ケース2の底部2B側に軸受10を介して軸支されてい
る。また、ギヤ8の軸部8Cは側板6の支持孔6A内に
回動可能に挿嵌され、その先端側は蓋体3に軸受11を
介して軸支されている。そして、軸部8Cの先端側は蓋
体3の外部へと突出し、その突出端側はエンジンまたは
電動モータ等の駆動源(図示せず)と連結されている。
【0022】また、従動側のギヤ9は軸部9Bが側板5
の支持孔5B内に回動可能に挿嵌され、その先端側はケ
ース2の底部2B側に遊嵌状態で軸支されている。ま
た、ギヤ9の軸部9Cは側板6の支持孔6B内に回動可
能に挿嵌され、その先端側は蓋体3に遊嵌状態で軸支さ
れている。そして、従動側のギヤ9はギヤ部9Aが駆動
側のギヤ部8Aに噛合することにより、駆動側のギヤ8
に追従して回転駆動されるものである。
【0023】12はポンプ組立体4の一部を構成するシ
ール部材としてのシールブロックで、該シールブロック
12は、例えばアルミニウム系の金属材料を用いて図2
ないし図4に示す如くブロック体として形成されてい
る。そして、シールブロック12は側板5,6の凸湾曲
面5C,5D,6C,6Dに側方から突き当てるように
衝合して設けられ、この状態で側板5,6に対して後述
の金属コイルばね26により着脱可能に取付けられてい
る。
【0024】ここで、シールブロック12はギヤ8,9
の歯先側をシールし、側板5,6間のギヤ室7内に後述
の低圧室13を画成するものである。このため、シール
ブロック12には側板5,6との衝合面側に、図3に示
すようにギヤ8,9の歯先に沿って凹湾曲状に切欠かれ
た上,下の凹湾曲面部12A,12Bと、該凹湾曲面部
12A,12B間に位置し円弧状の凹溝として形成され
た円弧溝12Cとが設けられている。
【0025】また、シールブロック12は、図1に示す
側板5の一側面から側板6の他側面に及ぶ長さ寸法を有
し、その全長に亘って左,右方向へと延びるように凹湾
曲面部12A,12Bおよび円弧溝12Cは形成されて
いる。そして、シールブロック12の凹湾曲面部12
A,12Bは、図5、図6に例示した後述の軟質シール
材25を介して側板5の凸湾曲面5C,5Dと側板6の
凸湾曲面6C,6Dとに液密に衝合されるものである。
【0026】13は側板5,6間のギヤ室7内に位置し
てギヤ8,9とシールブロック12との間に画成される
低圧室で、該低圧室13は、図3に示す如くギヤ8,9
の噛合部位とシールブロック12の円弧溝12Cとの間
に形成され、ハウジング1の外部から油液を吸入する吸
込ポート14と常時連通している。
【0027】ここで、吸込ポート14は、側板5,6の
凹窪部5E,6Eとシールブロック12の円弧溝12C
とによりハウジング1の軸方向に延びる円形の通路とし
て形成され、図1中に点線で示す貫通孔14A等を介し
て外部の作動油タンク(図示せず)に接続されている。
そして、貫通孔14Aはケース2の底部2B側に穿設さ
れ、吸込ポート14の一部を構成するものである。
【0028】15はハウジング1内のシリンダ孔2Aと
ポンプ組立体4との間に形成される高圧室で、該高圧室
15は低圧室13から離間してギヤ8,9の周囲に形成
され、後述の各シール部材27等を用いてポンプ組立体
4内の低圧室13、吸込ポート14から離隔されてい
る。そして、高圧室15は車両用ブレーキ装置のホイー
ルシリンダのような液圧作動手段(図示せず)に連通さ
れ、ギヤ8,9の回転により内部に高圧の油液(圧油)
が充満されるものである。
【0029】即ち、ギヤ8,9は図3中の矢示A,B方
向に回転駆動されることにより、低圧室13に導かれる
油液を周囲の高圧室15側へと順次送液し、この高圧室
15が車両用ブレーキ装置のホイールシリンダのような
液圧作動手段に接続されている場合は、すなわち高圧室
15内を高圧の油液で満たした状態で後述の吐出ポート
16から圧油がハウジング1外へと吐出される。
【0030】16はハウジング1に形成された吐出ポー
トで、該吐出ポート16はケース2の底部2B側に穿設
され、ハウジング1内の高圧室15と常時連通してい
る。そして、吐出ポート16は高圧室15内を満たした
圧油を外部の車両用ブレーキ装置等に向けて吐出させる
ものである。
【0031】17,18はギヤ室7内での油液の閉込み
現象を防止するための逃げ溝で、該逃げ溝17,18は
ギヤ部8A,9Aに対する側板5,6の摺接面にそれぞ
れ形成され、ギヤ8,9の噛合部位を前,後から挟むよ
うに配設されている。なお、図3ないし図6にあって
は、側板5の摺接面側に形成した逃げ溝17,18を示
しているが、側板6の摺接面側にも同様の逃げ溝17,
18が形成されているものである。
【0032】そして、逃げ溝17,18のうち低圧側の
逃げ溝17は、図4に示す如く平面コ字形状の浅底溝と
して形成され、低圧室13に常時連通している。また、
高圧側の逃げ溝18は、低圧側の逃げ溝17から所定の
寸法分だけ離間して横方向に細長く延び、図4に示す如
く高圧室15に常時連通している。これにより、逃げ溝
17,18はギヤ8,9の噛合部位で歯面間に閉塞領域
が発生しても、この領域内に閉込められた油液を低圧室
13または高圧室15側に逃し、所謂「閉込め圧」の発
生を防ぐものである。
【0033】19,20はギヤ8,9に対する側板5,
6の摺接面側にそれぞれ形成された環状溝で、該各環状
溝19,20のうち上側に位置する各環状溝19は、図
1、図4ないし図6に示す如く側板5,6の支持孔5
A,6Aの周囲に位置し、ギヤ8の軸部8B,8Cを外
周側から取囲むように形成されている。また、下側に位
置する各環状溝20は、側板5,6の支持孔5B,6B
の周囲に位置し、ギヤ9の軸部9B,9Cを外周側から
取囲むように形成されている。
【0034】また、21,22は側板5,6の外側面に
それぞれ形成された他の環状溝で、該各環状溝21,2
2は、ケース2の底部2Bと蓋体3とに当接される側板
5,6の外側面に位置し、前記環状溝19,20と同様
に支持孔5A,5B,6A,6Bの周囲に形成されてい
る。
【0035】そして、各環状溝19,21は、図2、図
4に示す如く支持孔5A,6Aの周壁側に形成された軸
方向溝23,23を介して互いに連通し、各環状溝2
0,22も支持孔5B,6Bの周壁側に形成された軸方
向溝24,24を介して互いに連通している。
【0036】これにより、側板5,6の支持孔5A,6
A(5B,6B)と軸部8B,8C(9B,9C)との
間は、環状溝19(20)、軸方向溝23(24)およ
び環状溝21(22)内に導かれた油液により潤滑状態
に保持されるものである。
【0037】次に、25,25,…は側板5,6の衝合
面となる凸湾曲面5C,5D,6C,6Dにそれぞれ設
けられた軟質シール材で、該軟質シール材25は、図4
ないし図6に例示するように側板5の凸湾曲面5Cに銅
等の軟質金属材料をメッキ処理することにより形成され
ている。そして、メッキ層からなる軟質シール材25
は、図6に示すように側板5の凸湾曲面5C上にシール
ブロック12の凹湾曲面部12Aを衝合したときに、両
者の隙間を埋めるように弾性または塑性変形するもので
ある。
【0038】この場合、側板5の凸湾曲面5Cは加工時
の寸法交差を予め考慮して、例えばシールブロック12
の凹湾曲面部12Aよりも大きい曲率半径をもって形成
されている。これにより、凸湾曲面5Cと凹湾曲面部1
2Aとの間には、両者の曲率差等による微小な隙間δが
形成されるものである。
【0039】そして、メッキ層からなる軟質シール材2
5は、前記隙間δよりも大なる厚みをもって側板5の凸
湾曲面5Cを覆い、該凸湾曲面5Cをシールブロック1
2の凹湾曲面部12Aに対して液密に衝合させるもので
ある。なお、側板5の凸湾曲面5Dにも図5に示す如く
軟質シール材25が設けられ、側板6の凸湾曲面6C,
6Dについても同様の軟質シール材(図示せず)が設け
られている。
【0040】26,26は側板5,6およびシールブロ
ック12の外周側に巻装された締付リング部材としての
環状の金属コイルばねで、該各金属コイルばね26は、
側板5,6とシールブロック12とを図1ないし図4に
示す如く互いに衝合した状態で、これらを単一のポンプ
組立体4としてアセンブリ化するために用いられるもの
である。
【0041】さらに、27,27は側板5,6の外側面
に設けられたシール部材で、該各シール部材27は弾性
樹脂材料等により、図2に示す如く略メガネ形状をなし
て形成され、ケース2の底部2Bと蓋体3とに当接され
る側板5,6の端面外周側に配設されている。そして、
各シール部材27はハウジング1と側板5,6との間を
シールすることにより、ポンプ組立体4内を高圧室15
に対して遮断しているものである。
【0042】本実施の形態によるギヤポンプは上述の如
き構成を有するもので、次に、その作動について説明す
る。
【0043】まず、外部の駆動源によりギヤ8を図3中
の矢示A方向に回転駆動すると、ギヤ8に噛合するギヤ
9は矢示B方向に回転駆動される。そして、ギヤ8,9
の回転により吸込ポート14側から低圧室13に導かれ
る油液は、ギヤ8,9の歯部によりシールブロック12
の凹湾曲面部12A,12Bに沿って高圧室15側へと
順次送液され、高圧室15内を高圧の油液で満たすよう
になる。
【0044】そして、高圧室15内の圧油はハウジング
1の吐出ポート16から外部に吐出され、例えば車両の
ブレーキ装置に液圧制御弁(図示せず)等を介して供給
されることにより、車両のブレーキ制御を行うものであ
る。
【0045】ところで、シールブロック12は凹湾曲面
部12A,12B側を、側板5の凸湾曲面5C,5Dと
側板6の凸湾曲面6C,6Dとに衝合することにより、
低圧室13および吸込ポート14を高圧室15に対して
遮断するものである。
【0046】しかし、このときの衝合面となる側板5,
6の凸湾曲面5C,5D,6C,6Dと、シールブロッ
ク12の凹湾曲面部12A,12Bとは、予め寸法交差
等を考慮して切削加工等を施す必要がある。
【0047】そして、側板5,6の凸湾曲面5C,5
D,6C,6Dを、例えばシールブロック12の凹湾曲
面部12A,12Bよりも大きい曲率半径をもって形成
した場合には、凸湾曲面5C,5D,6C,6Dと凹湾
曲面部12A,12Bとの間に両者の曲率差等による微
小な隙間δ(図6参照)が形成されることになる。
【0048】また、当該ギヤポンプの作動時にはハウジ
ング1の高圧室15内が、車両用ブレーキ装置ではホイ
ールシリンダに作用するブレーキ液圧と同等の圧力まで
昇圧する。そして、この高圧が側板5,6とシールブロ
ック12との衝合面に外側から作用すると、前記隙間δ
等の影響で高圧室15側の圧力が、図6中に示す矢示C
方向へと低圧室13側に漏洩する可能性が生じ、内部洩
れの原因となる。
【0049】そこで、本実施の形態にあっては、側板
5,6の凸湾曲面5C,5D,6C,6Dに銅メッキ等
による軟質シール材25をそれぞれ設け、これらの軟質
シール材25により側板5の凸湾曲面5C,5Dと側板
6の凸湾曲面6C,6Dとを、シールブロック12の凹
湾曲面部12A,12Bに対して液密に衝合させる構成
としている。
【0050】この場合、側板5,6とシールブロック1
2とは外周側に環状の金属コイルばね26,26が巻装
されることにより、単一のポンプ組立体4としてアセン
ブリ化され、このときにシールブロック12の凹湾曲面
部12A,12Bは、側板5,6の凸湾曲面5C,5
D,6C,6Dにそれぞれ軟質シール材25を介して衝
合される。
【0051】さらに、当該ギヤポンプを起動してハウジ
ング1の高圧室15内が昇圧されると、側板5,6とシ
ールブロック12とは高圧室15からの圧力を受け、そ
れぞれの衝合面(シールブロック12の凹湾曲面部12
A,12Bと側板5,6の凸湾曲面5C,5D,6C,
6D)が互いに密着するように強く押付けられる。
【0052】このため、側板5,6の凸湾曲面5C,5
D,6C,6Dにそれぞれ形成した銅メッキ等の軟質シ
ール材25は、凸湾曲面5C,5D,6C,6Dと凹湾
曲面部12A,12Bとの隙間δを埋めるように弾性変
形または塑性変形し、両者の衝合面を液密にシールする
ことができる。
【0053】これにより、高圧室15側の圧力が図6中
に示す矢示C方向に低圧室13側へと漏洩しようとして
も、高圧室15と低圧室13との間に軟質シール材25
により圧力の遷移領域を確保でき、低圧室13を高圧室
15に対して確実に遮断することができる。また、歯先
の側面からの洩れに対しても、側板5,6とシールブロ
ック12とは軟質シール材25の変形により液密に密着
されているので、側面からの洩れを抑え、微小な隙間δ
が原因となる内部洩れを防止することができる。
【0054】従って、本実施の形態によれば、側板5,
6とシールブロック12との衝合面を軟質シール材25
によって良好にシールでき、内部洩れ等の発生を抑える
ことができると共に、当該ギヤポンプの吐出性能を向上
できる。
【0055】また、シールブロック12の凹湾曲面部1
2A,12Bに軟質シール材25と同様のシール層を形
成することも可能である。しかし、この場合にはギヤ
8,9の歯先が前記シール層に接触して摩耗粉等の発生
原因になり易い。
【0056】これに対して、本実施の形態にあっては、
側板5,6の凸湾曲面5C,5D,6C,6Dに軟質シ
ール材25を設ける構成としているため、ギヤ8,9の
歯先が軟質シール材25に接触することはなく、摩耗粉
等の発生を防止することができると共に、耐久性、寿命
を向上でき、長期に亘って安定したポンプ性能を確保す
ることができる。
【0057】さらに、軟質シール材25を用いることに
より、側板5,6の凸湾曲面5C,5D,6C,6Dを
特別に高精度に曲面加工する必要がなくなり、側板5,
6の凸湾曲面5C,5D,6C,6Dにある程度の凹凸
が残っていても、これを軟質シール材25により覆うこ
とができるので、加工精度をある程度は落とすことが可
能となって、コストダウンを図ることができると共に、
短時間に加工を行うことができ、作業性を向上できる。
【0058】次に、図7は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、シールブロッ
ク12の凹湾曲面部12Aに対する側板5の衝合面であ
る凸湾曲面5C′に、銅等の軟質金属からなる軟質シー
ル材31をメッキ処理により形成したことにある。
【0059】ここで、側板5の凸湾曲面5C′は、第1
の実施の形態とほぼ同様に構成されているものの、この
場合には凸湾曲面5C′が、シールブロック12の凹湾
曲面部12Aよりも小さい曲率半径をもって形成されて
いる。これにより、凸湾曲面5C′と凹湾曲面部12A
との間には、両者の曲率差等による微小な隙間δが形成
される。
【0060】そして、側板5の凸湾曲面5C′に設けた
軟質シール材31は、側板5とシールブロック12とを
衝合したときに、凸湾曲面5C′と凹湾曲面部12Aと
の隙間δを埋めるように弾性変形または塑性変形し、両
者の衝合面を液密にシールするものである。
【0061】なお、軟質シール材31は側板5の凸湾曲
面5C′に限らず、側板5の凸湾曲面5Dおよび側板6
の凸湾曲面6C,6Dに対してもそれぞれ同様に形成さ
れ、シールブロック12の凹湾曲面部12A,12Bと
の間を液密にシールするものである。
【0062】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。そして、この場合でも高圧室15
側の圧力が、図7中に例示する矢示C方向に低圧室13
側へと漏洩しようとしても、高圧室15と低圧室13と
の間に設けた軟質シール材31により、圧力の遷移領域
を確保でき、内部洩れを防止できると共に、低圧室13
を高圧室15に対して確実に遮断することができる。
【0063】なお、前記各実施の形態では、軟質シール
材25(31)を銅等の軟質金属によるメッキ処理で形
成するものとして述べたが、本発明はこれに限るもので
はなく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)等のフッ素系樹脂材料またはこれ以外の樹脂材料を
用いて軟質シール材を形成してもよく、側板5,6の凸
湾曲面5C,5D,6C,6Dにゴム材料等を焼き付け
ることにより軟質シール材を設ける構成としてもよい。
【0064】また、軟質シール材は、側板5,6および
シールブロック12の材料よりも軟質の材料であればよ
く、このような軟質材料からシート材を側板5,6の凸
湾曲面5C,5D,6C,6Dとシールブロック12の
凹湾曲面部12A,12Bとの間にそれぞれ挟み込む構
成としてもよいものである。
【0065】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明は、シール部材に対する側板の衝合面側に軟質シール
材を設ける構成としたから、側板とシール部材との衝合
面間に僅かな隙間等が形成される場合でも、軟質シール
材によって隙間を埋めることができ、側板とシール部材
との衝合面側で内部洩れ等が発生するのを抑え、ギヤポ
ンプとしての吐出性能を向上させることができる。ま
た、側板の衝合面に軟質シール材を設けているため、ギ
ヤの歯先が軟質シール材に接触して摩耗粉が発生する等
の不具合を解消でき、長期に亘って安定したポンプ性能
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるギヤポンプを
示す縦断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみたギヤポンプの
断面図である。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみたギヤポン
プの断面図である。
【図4】図1中の矢示IV−IV方向からみたギヤポンプの
断面図である。
【図5】図4中の側板を単体として示す一部破断の拡大
図である。
【図6】シールブロックに対する側板の衝合面に設けた
軟質シール材を示す図4中の要部拡大断面図である。
【図7】第2の実施の形態によるギヤポンプに適用した
軟質シール材等を示す図6と同様位置の断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ケース 3 蓋体 4 ポンプ組立体 5,6 側板 5C,5C′,5D,6C,6D 凸湾曲面(衝合面) 7 ギヤ室 8,9 ギヤ 8A,9A ギヤ部 8B,8C,9B,9C 軸部 12 シールブロック(シール部材) 12A,12B 凹湾曲面部(衝合面) 13 低圧室 14 吸込ポート 15 高圧室 16 吐出ポート 25,31 軟質シール材 26 金属コイルばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプのハウジングと、該ハウジング内
    に互いに対向して配置され対向面間にギヤ室を形成する
    左,右の側板と、該各側板に支軸を介して回転可能に支
    持され前記ギヤ室内に互いに噛合状態で配設される2個
    のギヤと、該各ギヤの噛合部との間で吸込ポートに連通
    する低圧室を画成するため前記各側板に外側から衝合し
    て設けられ前記各ギヤの歯先側をシールするシール部材
    と、前記低圧室から離間して前記各ギヤの周囲に形成さ
    れ吐出ポートと連通する高圧室とを備え、前記2個のギ
    ヤは互いに噛合して回転することにより前記低圧室から
    高圧室に向けて送液を行うギヤポンプにおいて、 前記シール部材に対する側板の衝合面側には、前記シー
    ル部材および側板の材料よりも軟らかい材料によって形
    成され前記衝合面間の隙間を埋める軟質シール材を設け
    る構成としたことを特徴とするギヤポンプ。
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