JP2001212752A - 研磨体、研磨装置、半導体デバイス製造方法、及び半導体デバイス - Google Patents

研磨体、研磨装置、半導体デバイス製造方法、及び半導体デバイス

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JP2001212752A
JP2001212752A JP2000025373A JP2000025373A JP2001212752A JP 2001212752 A JP2001212752 A JP 2001212752A JP 2000025373 A JP2000025373 A JP 2000025373A JP 2000025373 A JP2000025373 A JP 2000025373A JP 2001212752 A JP2001212752 A JP 2001212752A
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polishing
groove
polishing body
polished
abrasive
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Tatsuya Chiga
達也 千賀
Akira Ishikawa
彰 石川
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の研磨体では、研磨体の使用に伴って研
磨体の溝構造が変化し、その溝構造の変化に伴う弾性の
変化により、長期間にわたる安定な研磨特性を得ること
が不可能であるという問題があった。本発明は研磨体の
使用による磨耗が非常に少なく、また、表面形状の変化
が小さい研磨体を提供することにより、常に安定な研磨
特性を有する研磨体を提供することを目的とする。 【解決手段】 表面に形成されている溝を有し、前記溝
の前記表面での幅Wは、0.1mm≦W≦2.0mmであり、前記
溝が形成されている領域を含む研磨体の体積に対する前
記溝が形成されている領域の体積の割合VLは、0.1%≦
VL≦30%であり、前記溝が形成されている領域を含ま
ない研磨体の体積に対して、発泡による空孔領域が20%
以下である材料で形成されている研磨体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばULSIな
どの半導体デバイスを製造するプロセスにおいて実施さ
れる半導体デバイスの平坦化研磨に用いるのに好適な研
磨装置、該研磨装置に用いる研磨体、半導体デバイス製
造方法、及び半導体デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の高集積化、微細化に伴
って、半導体製造プロセスの工程は、増加し複雑になっ
てきている。これに伴い、半導体デバイスの表面は、必
ずしも平坦ではなくなってきている。半導体デバイスの
表面における段差の存在は、配線の段切れ、局所的な抵
抗の増大などを招き、断線や電気容量の低下をもたら
す。また、絶縁膜では耐電圧劣化やリークの発生にもつ
ながる。
【0003】一方、半導体集積回路の高集積化、微細化
に伴って、光リソグラフィに用いられる半導体露光装置
の光源波長は、短くなり、半導体露光装置の投影レンズ
の開口数、いわゆるNAは、大きくなってきている。こ
れにより、半導体露光装置の投影レンズの焦点深度は、
実質的に浅くなってきている。焦点深度が浅くなること
に対応するためには、今まで以上に半導体デバイスの表
面の平坦化が要求されている。
【0004】具体的に示すと、半導体プロセスにおいて
は図8(a)、(b)に示すような平坦化技術が必須に
なってきている。シリコンウエハ21上に半導体デバイ
ス24、SiO2からなる層間絶縁膜22、Alからな
る金属膜23が形成されている。図8(a)は半導体デ
バイスの表面の層間絶縁膜22を平坦化する例である。
図8(b)は半導体デバイスの表面の金属膜23を研磨
し、いわゆるダマシン(damascene)を形成する例であ
る。このような半導体デバイス表面を平坦化する方法と
しては、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Poli
shing又はChemical Mechanical Planarization、以下で
はCMPと称す)技術が広く行われている。現在、CMP技術
はシリコンウエハの全面を平坦化できる唯一の方法であ
る。
【0005】CMPはシリコンウエハの鏡面研磨法を基に
発展しており、図9に示すようなCMP装置を用いて行わ
れている。図9において、131は研磨部材、132は
研磨対象物保持部(以下、研磨ヘッドと称する)、13
3は研磨対象物であるシリコンウエハ、134は研磨剤
供給部、135は研磨剤である。研磨部材131は、研
磨定盤136の上に研磨体137を貼り付けたものであ
る。
【0006】研磨対象物133は研磨ヘッド132によ
り保持され、回転させながら揺動して、研磨部材131
の研磨体137に所定の圧力で押し付けられる。研磨部
材131も回転させ、研磨対象物133との間で相対運
動を行わせる。この状態で、研磨剤135を研磨剤供給
部134から研磨体137上に供給し、研磨剤135は
研磨体137上で拡散し、研磨部材131と研磨対象物
133との相対運動に伴って研磨体137と研磨対象物
133との間に入り込み、研磨対象物133の研磨面を
研磨する。即ち、研磨部材131と研磨対象物133と
の相対運動による機械的研磨と、研磨剤135の化学的
作用が相乗的に作用して良好な研磨が行われる。
【0007】現在、CMPに用いられる研磨体としては、
無発泡の材料からなる研磨体、発泡ポリウレタンを主成
分とする研磨体、及び研磨砥粒を樹脂に含有させた固定
砥粒状の研磨体がある。
【0008】これらの中で、最も一般的に使用されてい
るのが、発泡ポリウレタンを主成分とする研磨体であ
る。この研磨体は、研磨体の表面での研磨剤の保持能力
が優れている。しかし、この研磨体を連続して使用する
と、研磨体の表面の発泡部分の穴に研磨剤の砥粒が目詰
まりし、研磨速度の大きな変動が生じる。従って、研磨
前及び、研磨中にダイヤモンドを電着した砥石によっ
て、研磨体の表面を削り取る「ドレッシング」という作
業を行い、研磨体の表面状態が常に同一条件になるよう
にする必要がある。
【0009】また、研磨砥粒を樹脂に含有させた固定砥
粒状の研磨体についても、上記の発泡体の研磨体と同様
に、発泡部分の穴へ砥粒の目詰まりや、研磨砥粒の状態
を整えるため、ドレッシングが必要である。
【0010】研磨されたシリコンウエハ(研磨対象物)
については、均一性及び平坦性という研磨特性が非常に
重要である。
【0011】均一性とは、シリコンウエハ全領域におい
て研磨が均一に行われるかということを評価するもので
ある。この評価には一般的に以下の式が用いられる。
【0012】均一性(%)=(RA−RI)/(RA+
RI)×100 ここで、RAは測定した研磨量プロファイルでの最大研
磨量、RIは測定した研磨量プロファイルでの最小研磨
量である。上式から得られる均一性の値は、小さいもの
ほど特性が良い。すなわち、最大研磨量と最小研磨量の
差が少ないものほど、シリコンウエハ全面における研磨
の均一性は高いということである。
【0013】また平坦性については、凹凸のあるパター
ンを研磨した時の、残留段差の大きさを評価したもので
ある。つまり段差のあるパターン付きシリコンウエハ
で、研磨によりどれだけパターン付きシリコンウエハに
おける凸部が選択的に研磨され、研磨後の残留段差が少
なくなるかということを示すものである。
【0014】均一性及び平坦性の両研磨特性は、研磨体
の弾性率に非常に大きな影響を受ける。研磨体は、弾性
率の大きさにより、弾性率が小さい軟質研磨体、及び弾
性率が大きい硬質研磨体に分けられる。
【0015】軟質研磨体の場合、シリコンウエハに圧力
をかけた際に研磨体の表面がシリコンウエハのそりに対
して密着性が非常に高く、シリコンウエハの全面にわた
って均一性は非常に良くなる。しかし、凹凸パターンを
有するシリコンウエハに関しては、研磨体の変形によっ
てシリコンウエハ上の凹凸に研磨体が倣ってしまい、段
差が残ったまま研磨が進行するため、平坦性は悪くな
る。
【0016】一方、弾性率が大きい硬質研磨体の場合、
凹凸パターンを有するシリコンウエハに関しては、研磨
体の変形が小さいため、凹凸パターンのうちの凸部から
順次研磨されることとなり、平坦性は良い。しかし、シ
リコンウエハのそりや加圧時の圧力分布がダイレクトに
研磨に効いてくるため、均一性は悪くなる。
【0017】しかし、研磨体に同一の材料を用いた際に
も研磨体の厚さや、研磨体の表面の溝の幅、深さといっ
た研磨体の構造的要因が、見かけ上の弾性の変化として
大きく影響してくる。つまり、研磨体の厚さが厚いほ
ど、研磨体の弾性変形量は大きくなり、見かけ上軟質に
なる。一方、薄い研磨体の場合、変形量が小さいため見
かけ上硬質となる。また、溝構造についても、溝の深さ
が深く、溝間の凸部分の幅が狭いものは、荷重を加えた
際の表面の変形が大きく、見かけ上軟質となる。一方、
溝の深さが浅く、溝間の凸部分の幅が広いものは、荷重
を加えた際の変形が小さく、見かけ上硬質となる。
【0018】上記では、弾性の観点から研磨体の厚さ、
溝構造を説明した。この他、溝の重要な役割として研磨
剤の安定供給が挙げられる。この研磨剤の安定供給を行
う溝構造については、現在までに、色々な形状の溝パタ
ーンが公開されている。これらの溝による研磨剤の供給
が十分でなければ、研磨対象物の研磨面への研磨剤が不
十分となり、研磨時の化学的反応及び、機械的研磨が十
分に行われないことから、研磨速度の低下につながる。
また、研磨対象物の研磨面と研磨体との摩擦による温度
状態も不均一となり、均一性が著しく劣り、さらに、研
磨対象物の表面でのスクラッチの発生や、研磨時の研磨
ヘッド及び研磨定盤の振動等につながってくる。
【0019】CMPを行う研磨装置は、それぞれのコンセ
プト、特色に基づき多種多様な装置がある。例えばスル
ープットを向上させるため1つの研磨体で複数枚のシリ
コンウエハを同時に研磨するもの、装置サイズを小さく
するためシリコンウエハよりも小さい研磨体で高速回転
により研磨を行うもの、及び均一性を向上させるために
研磨ヘッド部分を特に改良したものなどである。このよ
うな研磨装置の多様性と、安定した研磨剤の供給に対す
る最適な溝構造とは切っても切り離せない関係にあり、
研磨剤の研磨面への安定な供給に関してはその装置に大
きく依存する。
【0020】CMPは他の光学研磨や、金属ラッピングと
比較して、スループットの問題から研磨加工時間は非常
に短い。つまり、研磨時の回転、加圧等が非常に大きい
条件で研磨が行われる。従って、研磨体の表面での研磨
剤の保持が困難な条件の下で研磨が行われる。
【0021】最適とされる溝構造については、上記の装
置による依存性が挙げられるが、基本的には、研磨剤を
如何に研磨体の表面で保持しつつ研磨を行うかというこ
とが重要になってくるのである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の発泡ポ
リウレタンを主成分とする研磨体、及び研磨砥粒を樹脂
に含有させた固定砥粒状の研磨体では、ドレッシングに
より研磨体の表面が削り取られ、厚さが徐々に薄くな
る。このため、研磨体を1つの弾性体として見たとき
に、厚さが変わることから、厚さの変化に伴い連続的に
弾性変形量の変わる研磨体となり、使用するに従って均
一性や平坦性に大きな変動を生じさせるという問題があ
る。さらに、ドレッシングにより前述した研磨体の厚さ
が変化するだけでなく、研磨体の表面の溝の深さ等の溝
構造も変化してしまう。このため、研磨体の厚さや、溝
構造により研磨特性をコントロールすることができない
という問題がある。
【0023】本発明は上記問題を解決するためになされ
たものであり、研磨体の使用による磨耗が非常に少な
く、また、表面形状の変化が小さい研磨体を提供するこ
とにより、常に安定な研磨特性を有する研磨体及びそれ
を用いた研磨装置を提供することを目的とする。
【0024】また、研磨対象物の均一性、平坦性、及び
研磨速度といった研磨特性がコントロールされた研磨体
及びそれを用いた研磨装置を提供することを目的として
いる。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記問題を鑑み、本発明
者は研磨体の発泡による空孔領域の割合、溝構造、厚さ
を規定することにより、従来から使用されている研磨体
に比べ、格段に優れた研磨特性を発揮することを見いだ
し、本発明に至った。
【0026】即ち、上記課題を解決するために、本発明
に係る研磨体は、研磨体と研磨対象物との間に研磨剤を
介在させた状態で、前記研磨体と前記研磨対象物とを相
対移動させることにより、前記研磨対象物を研磨する研
磨装置に用いる研磨体において、表面に形成されている
溝を有し、前記溝の前記表面での幅Wは、0.1mm≦W≦2.
0mmであり、前記溝が形成されている領域を含む研磨体
の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積の
割合VLは、0.1%≦VL≦30%であり、前記溝が形成さ
れている領域を含まない研磨体の体積に対して、発泡に
よる空孔領域が20%以下である材料で形成されている
(請求項1)。
【0027】上記研磨体によれば、研磨体の材料が無発
泡タイプ、もしくは低発泡タイプであるので、研磨体の
使用による磨耗が非常に少なく、さらに、ドレッシング
が不要もしくはドレッシングに要する時間が短くて済む
ので、摩耗による溝構造の変化がないため、常に安定な
研磨特性を得ることができる。これらにより、研磨体の
交換頻度が低下するため、研磨に要する費用を低減させ
ることができる。さらに、表面に形成されている溝構造
(溝幅W、体積割合VL)により研磨特性の中の均一
性、平坦性、及び研磨速度をコントロールすることがで
き、好適な研磨特性が得られるように溝構造を選択する
ことができる。これらにより、研磨の歩留まりが向上し
たり、研磨に要する時間が短縮するので、研磨に要する
費用を低減させることができる。
【0028】また、厚さDは、0.5mm≦D≦5.0mmであるこ
とが好ましい(請求項2)。これにより、研磨体の厚さ
Dにより研磨特性の中の均一性、平坦性、及び研磨速度
をコントロールすることができ、好適な研磨特性が得ら
れるように厚さを選択することができる。よって、研磨
の歩留まりが向上したり、研磨に要する時間が短縮する
ので、研磨に要する費用を低減させることができる。
【0029】また、前記溝の深さは、前記溝の幅Wの3
倍以下であることが好ましい(請求項3)。これによ
り、研磨対象物の研磨面に傷を発生させることがない。
よって、研磨の歩留まりが向上し、研磨に要する費用を
低減させることができる。
【0030】また、表面に対する前記溝の形状は、螺旋
状、同心円状、格子状、三角格子状、編み目状、ランダ
ム形状、又はこれらの中の2種類以上を含む形状である
ことが好ましい(請求項4)。これにより、研磨体の表
面での研磨剤の保持能力が高いので、研磨速度が向上
し、かつ均一性も向上する。よって、研磨の歩留まりが
向上したり、研磨に要する時間が短縮するので、研磨に
要する費用を低減させることができる。
【0031】また、前記溝の断面形状は、曲率を有する
形状、矩形、V字形、又は多角形であることが好ましい
(請求項5)。これにより、研磨対象物の研磨面に傷を
発生させることがない。よって、研磨の歩留まりが向上
し、研磨に要する費用を低減させることができる。
【0032】また、前記材料の圧縮弾性率Kは、0.1G
Pa≦K≦2.0GPaであることが好ましい(請求項
6)。これにより、材料の圧縮弾性率Kが、0.1GPa
≦K≦2.0GPaである材料で形成されている研磨体に
対して、研磨の歩留まりが向上し、研磨に要する費用を
低減させることができる。
【0033】また、前記材料の主成分は、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、又は無発泡ウレタン樹脂であること
が好ましい(請求項7)。これにより、研磨による研磨
体の摩耗が少ないので、研磨体の寿命が向上する。よっ
て、研磨体の交換頻度が低下するので、研磨に要する費
用を低減させることができる。
【0034】また、表面に前記研磨剤を供給及び排出す
る溝がさらに形成されていて、該研磨剤を供給及び排出
する溝は、前記溝の一部であるか、または前記溝とは別
に形成されている溝であることが好ましい(請求項
8)。これにより、研磨剤が研磨対象物の研磨面の全体
に均一に供給されるため、均一性が悪くなったり、摩擦
が大きくなることによる研磨特性の劣化が生じることが
ない。よって、研磨の歩留まりが向上し、研磨に要する
費用を低減させることができる。
【0035】また、少なくとも一部に透明領域を有する
ことが好ましい(請求項9)。これにより、研磨定盤に
形成されている開口部、及び研磨体の透明領域を介し
て、研磨状態を観察する装置により、研磨工程の途中で
研磨対象物の研磨面の研磨状態をその場検出(in-situ
検出)することができる。よって、研磨工程中に研磨の
終点を検出できるので研磨の歩留まりが向上し、研磨に
要する費用を低減させることができる。
【0036】さらに、上記課題を解決するために、本発
明に係る研磨装置は、研磨体と研磨対象物との間に研磨
剤を介在させた状態で、前記研磨体と前記研磨対象物と
を相対移動させることにより、前記研磨対象物を研磨す
る研磨装置において、前記研磨体の表面に形成されてい
る溝を有し、前記溝の前記表面での幅Wは、0.1mm≦W≦
2.0mmであり、前記溝が形成されている領域を含む研磨
体の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積
の割合VLは、0.1%≦VL≦30%であり、前記溝が形成
されている領域を含まない研磨体の体積に対して、発泡
による空孔領域が20%以下である材料で形成されている
(請求項10)。
【0037】上記研磨装置によれば、研磨体の材料が無
発泡タイプ、もしくは低発泡タイプであるので、研磨体
の使用による磨耗が非常に少なく、さらに、ドレッシン
グが不要もしくはドレッシングに要する時間が短くて済
むので、摩耗による溝構造の変化がないため、常に安定
な研磨特性を得ることができる。これらにより、研磨体
の交換頻度が低下するため、研磨に要する費用を低減さ
せることができる。さらに、表面に形成されている溝構
造(溝幅W、体積割合VL)により研磨特性の中の均一
性、平坦性、及び研磨速度をコントロールすることがで
き、好適な研磨特性が得られるように溝構造を選択する
ことができる。これらにより、研磨の歩留まりが向上し
たり、研磨に要する時間が短縮するので、研磨に要する
費用を低減させることができる。
【0038】また、前記研磨体の厚さDは、0.5mm≦D≦
5.0mmであることが好ましい(請求項11)。これによ
り、研磨体の厚さDにより研磨特性の中の均一性、平坦
性、及び研磨速度をコントロールすることができ、好適
な研磨特性が得られるように厚さを選択することができ
る。よって、研磨の歩留まりが向上したり、研磨に要す
る時間が短縮するので、研磨に要する費用を低減させる
ことができる。
【0039】また、前記溝の深さは、前記溝の幅Wの3
倍以下であることが好ましい(請求項12)。これによ
り、研磨対象物の研磨面に傷を発生させることがないの
で、研磨の歩留まりが向上し、研磨に要する費用を低減
させることができる。
【0040】また、前記研磨体の表面に対する前記溝の
形状は、螺旋状、同心円状、格子状、三角格子状、編み
目状、ランダム形状、又はこれらの中の2種類以上を含
む形状であることが好ましい(請求項13)。これによ
り、研磨体の表面での研磨剤の保持能力が高いので、研
磨速度が向上し、かつ均一性も向上する。よって、研磨
の歩留まりが向上したり、研磨に要する時間が短縮する
ので、研磨に要する費用を低減させることができる。
【0041】また、前記溝の断面形状は、曲率を有する
形状、矩形、V字形、又は多角形であることが好ましい
(請求項14)。これにより、研磨対象物の研磨面に傷
を発生させることがない。よって、研磨の歩留まりが向
上し、研磨に要する費用を低減させることができる。
【0042】また、前記研磨体の材料の圧縮弾性率K
は、0.1GPa≦K≦2.0GPaであることが好ましい
(請求項15)。これにより、材料の圧縮弾性率Kが、
0.1GPa≦K≦2.0GPaである材料で形成されている
研磨体に対して、研磨の歩留まりが向上し、研磨に要す
る費用を低減させることができる。
【0043】また、前記研磨体の材料の主成分は、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、又は無発泡ウレタン樹脂であ
ることが好ましい(請求項16)。これにより、研磨に
よる研磨体の摩耗が少ないので、研磨体の寿命が向上す
る。よって、研磨体の交換頻度が低下するので、研磨に
要する費用を低減させることができる。
【0044】また、前記研磨体の表面に前記研磨剤を供
給及び排出する溝がさらに形成されていて、該研磨剤を
供給及び排出する溝は、前記溝の一部であるか、または
前記溝とは別に形成されている溝であることが好ましい
(請求項17)。これにより、研磨剤が研磨対象物の研
磨面の全体に均一に供給されるため、均一性が悪くなっ
たり、摩擦が大きくなることによる研磨特性の劣化が生
じることがない。よって、研磨の歩留まりが向上し、研
磨に要する費用を低減させることができる。
【0045】また、前記研磨体の少なくとも一部に透明
領域を有することが好ましい(請求項18)。これによ
り、研磨定盤に形成されている開口部、及び研磨体の透
明領域を介して、研磨状態を観察する装置により、研磨
工程の途中で研磨対象物の研磨面の研磨状態をその場検
出(in-situ検出)することができる。よって、研磨工
程中に研磨の終点を検出できるので研磨の歩留まりが向
上し、研磨に要する費用を低減させることができる。
【0046】さらに、本発明に係る半導体デバイス製造
方法は、本発明に係る研磨装置を用いて半導体シリコン
ウエハの表面を平坦化する工程を有する(請求項1
9)。
【0047】上記半導体デバイス製造方法によれば、半
導体シリコンウエハの表面を平坦化する工程において本
発明に係る研磨装置を用いているため、半導体シリコン
ウエハの表面を平坦化する工程での研磨終点の検出精度
または膜厚の測定精度が低下することがなくなる等によ
り、半導体シリコンウエハの表面を平坦化する工程での
歩留まりが向上する。これにより、従来の半導体デバイ
ス製造方法に比べて低コストで半導体デバイスを製造す
ることができる。
【0048】さらに、本発明に係る半導体デバイスは本
発明に係る半導体デバイス製造方法により製造される
(請求項20)。
【0049】上記半導体デバイスによれば、本発明に係
る半導体デバイス製造方法により製造されているので、
従来の半導体デバイス製造方法に比べて低コストで半導
体デバイスを製造することができ、半導体デバイスの製
造原価を低減させることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
て説明する。
【0051】まず、本発明の第1の実施の形態による研
磨体及び第2の実施の形態による研磨装置について説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態による研磨体の
一部分の断面図である。図2は本発明の第2の実施の形
態による研磨装置の概略構成図である。
【0052】研磨体11は溝が形成されている領域13
を含まない研磨体の体積に対して、発泡による空孔領域
が20%以下である材料で形成されている。前記発泡によ
る空孔領域が0%である研磨体は、無発泡タイプの研磨
体と呼ばれていて、前記発泡による空孔領域が0%を越
えているが、比較的少ない研磨体は、低発泡タイプの研
磨体と呼ばれている。このような無発泡タイプ及び低発
泡タイプの研磨体自体は、発泡タイプの研磨体(前記発
泡による空孔領域が比較的多い研磨体)に比べて研磨剤
の保持能力が低い。そのため、研磨体11の表面には断
面形状がV字形の溝13が形成されている。
【0053】第2の実施の形態による研磨装置は、研磨
部材31、研磨対象物保持部32(以下、研磨ヘッドと
称す)、及び研磨剤供給部34から構成されている。そ
して、研磨ヘッド32には、研磨対象物であるシリコン
ウエハ33が取り付けられ、研磨剤供給部34は研磨剤
(スラリー)35を供給する。研磨部材31は、研磨定
盤36の上に前述した第1の実施の形態による研磨体1
1を設置したものであり、研磨体11は両面テープもし
くは接着剤により研磨定盤36に貼り付けられている。
【0054】シリコンウエハ33は研磨ヘッド32によ
り保持され、回転させながら揺動させられ、研磨部材3
1の研磨体11に所定の圧力で押し付られる。研磨部材
31も回転させ、シリコンウエハ33との間で相対運動
を行わせる。この状態で、研磨剤35が研磨剤供給部3
4から研磨体11上に供給され、研磨剤35を研磨体1
1上で拡散し、研磨部材31とシリコンウエハ33の相
対運動に伴って研磨体11とシリコンウエハ33との間
に入り込み、シリコンウエハ33の研磨面を研磨する。
即ち、研磨部材31とシリコンウエハ33の相対運動に
よる機械的研磨と、研磨剤35の化学的作用が相乗的に
作用して良好な研磨が行われる。
【0055】図3は研磨対象物により荷重が加えられた
状態の研磨体の一部分の断面図である。図3において研
磨体41の表面に形成されている溝の断面形状は矩形で
ある。図3(a)は研磨対象物42により荷重が加えら
れていない状態であり、図3(b)は研磨対象物42に
より荷重が加えられている状態である。表面に溝が形成
されている研磨体において、荷重が加えられると研磨体
全体において弾性変形する。しかし、研磨体41の表面
から溝の底までの領域43と、その下層にあたる溝の入
っていない研磨体のバルク領域44に分けてみた場合、
図3(b)に示すように、弾性変形は単位面積当たりの
荷重が大きくなっている溝が形成されている領域43に
おいて大きく発生する。この変形は溝間の凸部分の幅が
狭い場合や、溝が深い場合に大きい。また、逆に溝間の
凸部分の幅が広い場合や、溝が浅い場合には溝領域43
の変形は小さい。この溝が形成されている領域43の変
形量の大小によって、研磨特性は大きく変化する。つま
り、変形量が大きければ軟質の研磨体の特徴である均一
性の向上をもたらし、一方で変形量が小さければ硬質の
研磨体の特徴である平坦性の向上をもたらす。
【0056】研磨体の表面での溝13の幅Wが0.1mmよ
り狭い場合には、この研磨体を製造する上で溝の寸法の
精度を保ったまま溝を形成することが困難である。さら
に、溝13の内部に入った研磨剤のクリーニングも難し
く溝13の内部で研磨剤が固着し、そのくずにより研磨
時のシリコンウエハの研磨面に傷が発生する可能性があ
る。一方、研磨体の表面での溝13の幅Wが2.0mmより
広い場合には、研磨剤を介して研磨対象物と接触する面
積が減少することにより、研磨体と研磨対象物との接触
抵抗により発生する熱が少なくなるので、CMPの化学的
な要素が効かず研磨速度が著しく低下する。このため、
溝13の研磨体の表面での幅Wは、0.1mm≦W≦2.0mmで
あることが好ましい。
【0057】また、溝13が形成されている領域を含む
研磨体11の体積に対する、溝13が形成されている領
域の体積の割合VLが、0.1%より小さい場合は、研磨
体11の表面での研磨液の保持能力が低下するので、こ
れにより研磨速度が著しく低下したり、均一性が悪くな
る。さらに、研磨体の変形量が小さくなり、均一性が悪
くなる。一方、前記割合VLが30%を越える場合は、研
磨体の変形量が大きくなるので、平坦性が悪くなる。よ
って、前記割合VLは、0.1%≦VL≦30%であることが
好ましい。
【0058】このように、第1の実施の形態による研磨
体を用いた第2の実施の形態による研磨装置では、研磨
体の材料が無発泡タイプ、もしくは低発泡タイプである
ので、研磨体の使用による磨耗が非常に少なく、さら
に、ドレッシングが不要もしくはドレッシングに要する
時間が短くて済むので、摩耗による溝構造の変化がない
ため、常に安定な研磨特性を得ることができる。これら
により、研磨体の交換頻度が低下するため、研磨に要す
る費用を低減させることができるという効果を有する。
さらに、表面に形成されている溝構造(溝幅W、体積割
合VL)により研磨特性の中の均一性、平坦性、及び研
磨速度をコントロールすることができ、好適な研磨特性
が得られるように溝構造を選択することができる。これ
により、研磨の歩留まりが向上したり、研磨に要する時
間が短縮するので、研磨に要する費用を低減させること
ができるという効果を有する。
【0059】なお、第1の実施の形態において溝13の
断面の形状をV字形としたが、他の形状でも良い。
【0060】次に本発明の第3の実施の形態による研磨
体及び第4の実施の形態による研磨装置について説明す
る。第3の実施の形態による研磨体及び第4の実施の形
態による研磨装置は、それぞれ、第1の実施の形態によ
る研磨体の変形例、及び第2の実施の形態による研磨装
置の変形例である。
【0061】第3の実施の形態による研磨体は、厚さD
が、0.5mm≦D≦5.0mmである。その他は第1の実施の形
態による研磨体と同様であるので説明を省略する。
【0062】第4の実施の形態による研磨装置は、研磨
定盤上に第3の実施の形態による研磨体が設置されてい
る。その他は第2の実施の形態による研磨装置と同様で
あるので説明を省略する。
【0063】研磨体11の厚さDが5.0mmより厚けれ
ば、研磨体の絶対変形量が増加し、平坦性が悪くなる。
一方、研磨体11の厚さDが0.5mmより薄ければ、研磨
体の絶対変形量が減少し、均一性が悪くなる。このた
め、厚さDは、0.5mm≦D≦5.0mmであることが好まし
い。
【0064】このように第3の実施の形態による研磨体
を用いた第4の実施の形態による研磨装置では、研磨体
の厚さDにより研磨特性の中の均一性、平坦性、及び研
磨速度をコントロールすることができ、好適な研磨特性
が得られるように厚さを選択することができる。これに
より、研磨の歩留まりが向上したり、研磨に要する時間
が短縮するので、研磨に要する費用を低減させることが
できるという効果を有する。
【0065】次に本発明の第5の実施の形態による研磨
体及び第6の実施の形態による研磨装置について説明す
る。第5の実施の形態による研磨体及び第6の実施の形
態による研磨装置は、それぞれ、第1もしくは第3の実
施の形態による研磨体の変形例、及び第2もしくは第4
の実施の形態による研磨装置の変形例である。
【0066】第5の実施の形態による研磨体は、溝13
の深さが、研磨体の表面での溝の幅Wの3倍以下であ
る。その他は第1もしくは第3の実施の形態による研磨
体と同様であるので説明を省略する。
【0067】第6の実施の形態による研磨装置は、研磨
定盤上に第5の実施の形態による研磨体が設置されてい
る。その他は第2の実施の形態による研磨装置と同様で
あるので説明を省略する。
【0068】溝13の深さが、研磨体11の表面での溝
13の幅Wの3倍を越えると、研磨体の溝内部の研磨剤
の除去が難しく研磨剤が内部で固着し、その固着物がは
がれたときに研磨対象物の研磨面に傷を発生させる可能
性が高い。よって、溝13の深さは、研磨体の表面での
溝の幅Wの3倍以下であることが好ましい。
【0069】このように第5の実施の形態による研磨体
を用いた第6の実施の形態による研磨装置では、研磨対
象物の研磨面に傷を発生させることがない。これによ
り、研磨の歩留まりが向上し、研磨に要する費用を低減
させることができるという効果を有する。
【0070】次に本発明の第7の実施の形態による研磨
体及び第8の実施の形態による研磨装置について説明す
る。第7の実施の形態による研磨体及び第8の実施の形
態による研磨装置は、それぞれ、第1、第3、もしくは
第5の実施の形態による研磨体の変形例、及び第2、第
4、もしくは第6の実施の形態による研磨装置の変形例
である。
【0071】図4は第7の実施の形態による研磨体の概
略構成図である。第7の実施の形態による研磨体では研
磨体の表面に対する溝の形状は、編み目状である。研磨
体の表面に対する溝の形状が編み目状であると、研磨剤
が安定して供給でき、かつ、研磨定盤の回転に伴う遠心
力により研磨体上の研磨剤が研磨体の外へ飛び出しにく
いので、研磨体の表面での研磨剤の保持能力を向上させ
ることができる。よって、研磨体の表面に対する溝の形
状は、編み目状であることが好ましい。その他は第1、
第3、もしくは第5の実施の形態による研磨体と同様で
あるので説明を省略する。
【0072】第8の実施の形態による研磨装置は、研磨
定盤上に第7の実施の形態による研磨体が設置されてい
る。その他は第2の実施の形態による研磨装置と同様で
あるので説明を省略する。
【0073】なお、第7の実施の形態による研磨体の研
磨体の表面に対する溝の形状は編み目状であるとした
が、螺旋状、同心円状、格子状、三角格子状もしくはラ
ンダム形状のいずれか、又はこれら及び編み目状の中の
2種類以上を含む形状であっても良い。
【0074】このように第7の実施の形態による研磨体
を用いた第8の実施の形態による研磨装置では、研磨体
の表面での研磨剤の保持能力が高いので、研磨速度が向
上し、かつ均一性も向上する。これにより、研磨の歩留
まりが向上したり、研磨に要する時間が短縮するので、
研磨に要する費用を低減させることができるという効果
を有する。
【0075】次に本発明の第9の実施の形態による研磨
体及び第10の実施の形態による研磨装置について説明
する。第9の実施の形態による研磨体及び第10の実施
の形態による研磨装置は、それぞれ、第1、第3、第
5、もしくは第7の実施の形態による研磨体の変形例、
及び第2、第4、第6、もしくは第8の実施の形態によ
る研磨装置の変形例である。
【0076】図5は第9の実施の形態による研磨体の断
面図である。図5(a)は、溝の断面形状がV字形であ
る研磨体であり、図5(b)は、溝の断面形状がU字形
である研磨体である。図5(a)では研磨体51の表面
に断面形状がV字形である溝52が形成されている。図
5(b)では研磨体51の表面に断面形状がU字形であ
る溝53が形成されている。溝がこれらのような断面形
状であると、研磨剤の供給や排出が容易であり、かつ、
研磨体の表面と溝とがなす角度も大きく取れるので、研
磨体の表面に生じる鋭角な部分の発生を抑えられる。こ
れらにより、シリコンウエハの研磨面での傷の発生を抑
えることが可能である。その他は第1、第3、第5もし
くは第7の実施の形態による研磨体と同様であるので説
明を省略する。
【0077】第10の実施の形態による研磨装置は、研
磨定盤上に第9の実施の形態による研磨体が設置されて
いる。その他は第2の実施の形態による研磨装置と同様
であるので説明を省略する。
【0078】なお、第9の実施の形態による研磨体で
は、研磨体の表面に形成されている溝の断面形状をV字
形もしくはU字形であるとしたが、U字形以外の曲率を
有する形状、矩形、もしくは多角形であっても良い。
【0079】このように第9の実施の形態による研磨体
を用いた第10の実施の形態による研磨装置では、研磨
対象物に傷を発生させることがない。これにより、研磨
の歩留まりが向上し、研磨に要する費用を低減させるこ
とができるという効果を有する。
【0080】次に本発明の第11の実施の形態による研
磨体及び第12の実施の形態による研磨装置について説
明する。第11の実施の形態による研磨体及び第12の
実施の形態による研磨装置は、それぞれ、第1、第3、
第5、第7、もしくは第9の実施の形態による研磨体の
変形例、及び第2、第4、第6、第8、もしくは第10
の実施の形態による研磨装置の変形例である。
【0081】第11の実施の形態による研磨体は、材料
の圧縮弾性率Kが、 0.1GPa≦K≦2.0GPa である。その他は、第1、第3、第5、第7、もしくは
第9の実施の形態による研磨体と同様であるので説明を
省略する。
【0082】第12の実施の形態による研磨装置は、研
磨定盤上に第11の実施の形態による研磨体が設置され
ている。その他は、第2の実施の形態による研磨装置と
同様であるので説明を省略する。
【0083】このように第11の実施の形態による研磨
体を用いた第12の実施の形態による研磨装置では、材
料の圧縮弾性率Kが、 0.1GPa≦K≦2.0GPa である材料で形成されている研磨体に対して、研磨の歩
留まりが向上し、研磨に要する費用を低減させることが
できるという効果を有する。
【0084】次に本発明の第13の実施の形態による研
磨体及び第14の実施の形態による研磨装置について説
明する。第13の実施の形態による研磨体及び第14の
実施の形態による研磨装置は、それぞれ、第1、第3、
第5、第7、第9もしくは第11の実施の形態による研
磨体の変形例、及び第2、第4、第6、第8、第10、
もしくは第12の実施の形態による研磨装置の変形例で
ある。
【0085】第13の実施の形態による研磨体を用いた
第14の実施の形態による研磨装置では、研磨体の材料
の主成分がエポキシ樹脂、アクリル樹脂、もしくは無発
泡ウレタン樹脂である。これらの材料を主成分とする研
磨体は、研磨による摩耗が少ない。
【0086】第14の実施の形態による研磨装置は、研
磨定盤上に第13の実施の形態による研磨体が設置され
ている。その他は、第2の実施の形態による研磨装置と
同様であるので説明を省略する。
【0087】このように第13の実施の形態による研磨
体を用いた第14の実施の形態による研磨装置では、研
磨による研磨体の摩耗が少ないので、研磨体の寿命が向
上する。これにより、研磨体の交換頻度が低下するの
で、研磨に要する費用を低減させることができるという
効果を有する。
【0088】次に本発明の第15の実施の形態による研
磨体及び第16の実施の形態による研磨装置について説
明する。第15の実施の形態による研磨体及び第16の
実施の形態による研磨装置は、それぞれ、第1、第3、
第5、第7、第9、第11、もしくは第13の実施の形
態による研磨体の変形例、及び第2、第4、第6、第
8、第10、第12、もしくは第14の実施の形態によ
る研磨装置の変形例である。
【0089】第15の実施の形態による研磨体を用いた
第16の実施の形態による研磨装置では、研磨体の表面
に前記研磨剤を供給及び排出する溝がさらに形成されて
いる。これにより、研磨剤が研磨対象物の全面に均一に
供給される。なお、前記研磨剤を供給及び排出する溝の
断面形状は、曲率を有する形状、矩形、V字形、又は多
角形であることが好ましい。また、前記研磨剤を供給及
び排出する溝の研磨体の表面に対する形状は、放射状、
格子状、三角格子状、編み目状、又はランダム形状であ
ることが好ましい。
【0090】なお、前記研磨剤を供給及び排出する溝と
しては、第1、3、5、7、9、11、13の実施の形
態による研磨体に形成されている溝の一部を利用しても
良いし、または第1、3、5、7、9、11、13の実
施の形態による研磨体に形成されている溝とは異なる新
たな溝を形成しても良い。
【0091】第16の実施の形態による研磨装置は、研
磨定盤上に第15の実施の形態による研磨体が設置され
ている。その他は、第2の実施の形態による研磨装置と
同様であるので説明を省略する。
【0092】このように第15の実施の形態による研磨
体を用いた第16の実施の形態による研磨装置では、研
磨剤が研磨対象物の研磨面の全体に均一に供給されるた
め、均一性が悪くなったり、研磨対象物と研磨体との摩
擦が大きくなることによる研磨特性の劣化が生じること
がない。これにより、研磨の歩留まりが向上し、研磨に
要する費用を低減させることができるという効果を有す
る。
【0093】次に本発明の第17の実施の形態による研
磨体及び第18の実施の形態による研磨装置について説
明する。第17の実施の形態による研磨体及び第18の
実施の形態による研磨装置は、それぞれ、第1、第3、
第5、第7、第9、第11、第13、もしくは第15の
実施の形態による研磨体の変形例、及び第2、第4、第
6、第8、第10、第12、第14、もしくは第16の
実施の形態による研磨装置の変形例である。
【0094】第17の実施の形態による研磨体を用いた
第18の実施の形態による研磨装置では、研磨体の一部
に透明領域を有する。
【0095】図6は本発明の第18の実施の形態による
研磨装置の概略構成図である。第18の実施の形態によ
る研磨装置において、第2の実施の形態による研磨装置
と同じ部分には同じ番号を付す。第18の実施の形態に
よる研磨装置において、研磨定盤36には開口部38が
形成されている。さらに、研磨定盤36の下には、光学
的に研磨状態を観察して研磨過程を測定する装置39が
設置されている。研磨定盤36の上には第17の実施の
形態による研磨体11が設置されている。研磨体11の
透明領域(不図示)と研磨定盤36の開口部38が重な
るようになっている。その他は、第2の実施の形態によ
る研磨装置と同様であるので説明を省略する。
【0096】光学的に研磨状態を観察して研磨過程を測
定する装置39としては、反射分光特性(反射分光スペ
クトル)から研磨終点の検出及び膜厚測定をする装置を
用いることが好ましい。研磨面の状態を観察する装置3
9で計測された反射分光スペクトルを、コンピューター
(不図示)においてシミュレーション等で得られた参照
スペクトルと比較し、膜厚の算出もしくは研磨終点の検
出がされる。なお、研磨面の状態を観察する装置39と
しては、前述した反射分光特性(反射分光スペクトル)
から研磨終点の検出及び膜厚測定をする装置の代わり
に、特定の波長での反射率の変化から研磨終点の検出も
しくは膜厚測定をする装置、または研磨面をCCDカメ
ラ等で撮影した画像を画像処理することにより研磨終点
の検出もしくは膜厚測定をする装置等を用いても良い。
【0097】このように第17の実施の形態による研磨
体を用いた第18の実施の形態による研磨装置では、研
磨定盤に形成されている開口部、及び研磨体の透明領域
を介して、研磨状態を観察する装置により、研磨工程の
途中で研磨対象物の研磨面の研磨状態をその場検出(in
-situ検出)することができる。これにより、研磨工程
中に研磨の終点を検出できるので研磨の歩留まりが向上
し、研磨に要する費用を低減させることができるという
効果を有する。
【0098】以上の第1、第3、第5、第7、第9、第
11、第13、第15、もしくは第17の実施の形態に
よる研磨体を用いた第2、第4、第6、第8、第10、
第12、第14、第16、もしくは第18の実施の形態
による研磨装置において、研磨特性をコントロールする
ためには、本発明で規定した範囲内で溝構造、及び研磨
体の厚さを次のようにすれば良い。均一性を向上させる
ためには、溝の深さを深くし、研磨体の厚さを厚くすれ
ば良い。また、平坦性を向上させるためには、溝の深さ
を浅くし、研磨体の厚さを薄くすれば良い。さらに研磨
体速度を上昇させるためには、研磨体の溝間の凸部分の
幅を広くすれば良い。
【0099】また、第1、第3、第5、第7、第9、第
11、第13、第15、もしくは第17の実施の形態に
よる研磨体において表面に溝を形成する方法は、周知の
方法、例えば、溝加工用バイトを用いて研磨体の表面を
旋盤加工する方法等を用いることができる。
【0100】図7は半導体デバイス製造プロセスを示す
フローチャートである。半導体デバイス製造プロセスを
スタートして、まずステップS200で、次に挙げるステッ
プS201〜S204の中から適切な処理工程を選択する。選択
に従って、ステップS201〜S204のいずれかに進む。
【0101】ステップS201はシリコンウエハの表面を酸
化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等により
シリコンウエハ表面に絶縁膜を形成するCVD工程であ
る。ステップS203はシリコンウエハ上に電極を蒸着等の
工程で形成する電極形成工程である。ステップS204はシ
リコンウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程で
ある。
【0102】CVD工程もしくは電極形成工程の後で、ス
テップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP
工程では本発明に係る研磨装置により、層間絶縁膜の平
坦化や、半導体デバイスの表面の金属膜の研磨によるダ
マシン(damascene)の形成等が行われる。
【0103】CMP工程もしくは酸化工程の後でステップS
206に進む。ステップS206はフォトリソ工程である。フ
ォトリソ工程では、シリコンウエハへのレジストの塗
布、露光装置を用いた露光によるシリコンウエハへの回
路パターンの焼き付け、露光したシリコンウエハの現像
が行われる。さらに次のステップS207は現像したレジス
ト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジス
ト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジ
ストを取り除くエッチング工程である。
【0104】次にステップS208で必要な全工程が完了し
たかを判断し、完了していなければステップS200に戻
り、先のステップを繰り返して、シリコンウエハ上に回
路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了
したと判断されればエンドとなる。
【0105】本発明に係る半導体デバイス製造方法で
は、CMP工程において本発明に係る研磨装置を用いてい
るため、CMP工程での研磨終点の検出精度または膜厚の
測定精度が向上することにより、CMP工程での歩留まり
が向上する。これにより、従来の半導体デバイス製造方
法に比べて低コストで半導体デバイスを製造することが
できるという効果がある。
【0106】なお、上記の半導体デバイス製造プロセス
以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明
に係る研磨装置を用いても良い。
【0107】本発明に係る半導体デバイスは、本発明に
係る半導体デバイス製造方法により製造される。これに
より、従来の半導体デバイス製造方法に比べて低コスト
で半導体デバイスを製造することができ、半導体デバイ
スの製造原価を低下させることができるという効果があ
る。
【0108】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0109】[実施例1]研磨装置の研磨定盤の表面に
溝構造を有するエポキシ樹脂からなる無発泡性の研磨体
を両面テープにより貼り付けた。エポキシ樹脂の圧縮弾
性率は、0.98GPaである。実施例1の研磨体の表面に
は、溝幅W0.35mm、溝間の凸部分の幅0.15mm、深さ0.30
mmのV字形の溝が螺旋状に形成されている。研磨体の厚
さは4.0mmであり、溝が形成されている領域を含む研磨
体の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積
の割合VLは、2.6%である。
【0110】研磨ヘッドにバッキング材を介し、熱酸化
膜が1μm形成された6インチシリコンウエハを取り付
け、以下の条件で150秒間研磨を行った。
【0111】研磨ヘッド回転数:50rpm、研磨定盤回転
数:50rpm、研磨ヘッドへの荷重:3.92×104Pa、研磨
ヘッドの揺動幅:30mm、研磨ヘッドの揺動速度:15スト
ローク/分、使用研磨剤:Cabot社製SS25をイオン交換
水で2倍希釈、研磨剤流量:200ml/分また、上記条件で
プラズマTEOS(テトラエチルオルソシリケート)膜パタ
ーン付きシリコンウエハを研磨した。このパターン付き
シリコンウエハはパターン部分が、1.5μmのプラズマTE
OS膜、パターンなし部分が1.0μmのプラズマTEOS膜で、
初期の段差として0.5μmの段差がある。シリコンウエハ
内には4.0mm角のパターンが2次元に配列している。こ
の膜をパターンなし部分が0.8μmになるまで研磨した。
【0112】[実施例2]表面に溝構造を有するエポキ
シ樹脂からなる無発泡性の研磨体にて、実施例1と同様
の研磨対象物(熱酸化膜が1μm形成された6インチシリ
コンウエハ、及びプラズマTEOS膜パターン付きシリコン
ウエハ)の研磨を行った。実施例2の研磨体の表面に
は、溝幅W0.25mm、溝間の凸部分の幅0.25mm、深さ0.25
mmのV字形の溝が螺旋状に形成されている。研磨体の厚
さは4.0mmであり、溝が形成されている領域を含む研磨
体の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積
の割合VLは、1.6%である。研磨条件は実施例1と全
く同一条件である。
【0113】[実施例3]表面に溝構造を有するエポキ
シ樹脂からなる無発泡性の研磨体にて、実施例1と同様
の研磨対象物(熱酸化膜が1μm形成された6インチシリ
コンウエハ、及びプラズマTEOS膜パターン付きシリコン
ウエハ)の研磨を行った。実施例3の研磨体の表面に
は、溝幅W0.25mm、溝間の凸部分の幅0.25mm、深さ0.25
mmのV字形の溝が螺旋状に形成されている。研磨体の厚
さは2.0mmであり、溝が形成されている領域を含む研磨
体の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積
の割合VLは、3.1%である。研磨条件は実施例1と全
く同一条件である。
【0114】[実施例4]実施例3の研磨体にて、熱酸
化膜が1μm形成された6インチシリコンウエハを1000枚
研磨した後に、実施例1と同様の研磨対象物(熱酸化膜
が1μm形成された6インチシリコンウエハ、及びプラズ
マTEOS膜パターン付きシリコンウエハ)の研磨を行っ
た。この研磨については、研磨前、研磨中にドレッシン
グを行っていない。研磨条件は実施例1と全く同一条件
である。
【0115】[実施例5]表面に溝構造を有するエポキ
シ樹脂からなる無発泡性の研磨体にて、実施例1と同様
の研磨対象物(熱酸化膜が1μm形成された6インチシリ
コンウエハ、及びプラズマTEOS膜パターン付きシリコン
ウエハ)の研磨を行った。実施例5の研磨体の表面に
は、溝幅W0.25mm、溝間の凸部分の幅0.25mm、深さ0.25
mmのU字形の溝が編み目状に形成されている。研磨体の
厚さは4.0mmであり、溝が形成されている領域を含む研
磨体の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体
積の割合VLは、5.2%である。研磨条件は実施例1と
全く同一条件である。
【0116】[比較例1]表面に溝構造を有するエポキ
シ樹脂からなる無発泡性の研磨体にて、実施例1と同様
の研磨対象物(熱酸化膜が1μm形成された6インチシリ
コンウエハ、及びプラズマTEOS膜パターン付きシリコン
ウエハ)の研磨を行った。比較例1の研磨体の表面に
は、溝幅W0.05mm、溝間の凸部分の幅0.45mm、深さ2.0m
mの矩形の溝が螺旋状に形成されている。研磨体の厚さ
は4.0mmであり、溝が形成されている領域を含む研磨体
の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積の
割合VLは、5.0%である。研磨条件は実施例1と全く
同一条件である。
【0117】[比較例2]表面に溝構造を有するエポキ
シ樹脂からなる無発泡性の研磨体にて、実施例1と同様
の研磨対象物(熱酸化膜が1μm形成された6インチシリ
コンウエハ、及びプラズマTEOS膜パターン付きシリコン
ウエハ)の研磨を行った。比較例2の研磨体の表面に
は、溝幅W0.45mm、溝間の凸部分の幅0.05mm、深さ2.0m
mの矩形の溝が螺旋状に形成されている。研磨体の厚さ
は4.0mmであり、溝が形成されている領域を含む研磨体
の体積に対する、前記溝が形成されている領域の体積の
割合VLは、45.0%である。研磨条件は実施例1と全く
同一条件である。
【0118】[評価]実施例1、2、3、4、5、比較
例1、2について、各々の研磨後の研磨対象物を用い
て、研磨速度、均一性、平坦性を測定した。研磨速度に
ついては、熱酸化膜が1μm形成された6インチシリコン
ウエハのエッジから内側5mmの部分を除いた部分の平均
研磨量と研磨時間から換算して算出した。均一性につい
ては、熱酸化膜が1μm形成された6インチシリコンウエ
ハのエッジから内側5mmの部分を除いた研磨量プロファ
イルから、以下の式によって均一性を算出した。
【0119】均一性(%)=(RA−RI)/(RA+
RI)×100 ここで、RAは測定した研磨量プロファイルでの最大研
磨量、RIは測定した研磨量プロファイルでの最小研磨
量である。また、平坦性については、6インチのプラズ
マTEOS膜パターン付きシリコンウエハを用いて、パター
ンなし部分が0.8μmになるまで研磨し、その時のシリコ
ンウエハ内の複数の個所で残留段差を測定し、それらの
残留段差の測定値の中の最大値を平坦性とした。
【0120】[結果]上記各実施例、比較例の研磨体の
溝構造、厚さ、及び上記測定による結果を表1に示す。
【0121】
【表1】
【0122】本発明に係る溝構造と研磨体の厚さの規定
により、研磨体の材料は全く同じながら、上記に示した
ように研磨特性に大きな違いが見られた。
【0123】実施例1と実施例2では、溝構造が異なる
のみであるが、溝の幅が広く、深さが深い実施例1で均
一性が優れていて、その逆の実施例2で平坦性が優れて
いる。これは既に述べているように、溝が形成されてい
る領域の見かけ上の弾性率の違いが原因である。研磨速
度についても、溝間の凸部分の幅の広い実施例2で大き
な上昇が見られている。
【0124】実施例2と実施例3については、溝構造が
同じで研磨体の厚さが異なるものである。実施例2では
均一性が優れていて、実施例3では平坦性が優れてい
る。この例についても、研磨体の厚さの違いによる研磨
時の絶対変形量の違いが原因である。
【0125】実施例3と実施例4については、連続研磨
前と連続研磨後の評価である。本発明による研磨体で
は、研磨毎のドレッシング工程を行っていない。にもか
かわらず、連続研磨により研磨特性が変化しないことを
示している。
【0126】実施例5と実施例2では、研磨体の表面に
おける溝の形状が編み目状のものと螺旋状のものの比較
である。この例では研磨剤の供給排出能力の優れている
実施例5の編み目状の構造が優れていることを示してい
る。
【0127】比較例1及び比較例2は、本発明の請求項
の範囲から外れた溝構造を持っているものである。比較
例1では溝間の幅が広く研磨剤が十分に供給できておら
ず、研磨効率が悪い。また、比較例2では溝間の幅が極
端に小さいため、研磨時の接触面積が小さいことにより
研磨効率が劣っている。さらに、この両者については研
磨時に発生するシリコンウエハの研磨面の傷が極端に大
きい傾向があった。
【0128】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
研磨体の使用による磨耗が非常に少なく、さらに、ドレ
ッシングが不要もしくはドレッシングに要する時間が短
くて済むので、摩耗による溝構造の変化がないため、常
に安定な研磨特性を得ることができる研磨体及び研磨装
置を提供できる。これに伴い、研磨体の交換頻度が低下
するため、研磨に要する費用を低減させることができる
という効果を有する。
【0129】さらに、本発明によれば、表面に形成され
ている溝構造により研磨特性の中の均一性、平坦性、及
び研磨速度をコントロールすることができ、好適な研磨
特性が得られるように溝構造を選択する研磨体及び研磨
装置を提供できる。これに伴い、研磨の歩留まりが向上
したり、研磨に要する時間が短縮するので、研磨に要す
る費用を低減させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による研磨体の一部
分の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による研磨装置の概
略構成図である。
【図3】荷重が加えられた状態の研磨体の状態を示す断
面図である。図3(a)は荷重が加えられていない状態
であり、図3(b)は荷重が加えられている状態であ
る。
【図4】第7の実施の形態による研磨体の概略構成図で
ある。
【図5】第9の実施の形態による研磨体の断面図であ
る。図5(a)は、溝の断面形状がV字形である研磨体
であり、図5(b)は、溝の断面形状がU字形である研
磨体である。
【図6】本発明の第18の実施の形態による研磨装置の
概略構成図である。
【図7】半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャ
ートである。
【図8】半導体製造プロセスにおける平坦化技術の概念
図であり、半導体デバイスの断面図である。図8(a)
は半導体デバイスの表面の層間絶縁膜を平坦化する例で
あり、図8(b)は半導体デバイスの表面の金属膜を研
磨し、いわゆるダマシン(damascene)を形成する例で
ある。
【図9】従来のCMP装置の概略構成図である。
【符号の説明】
11、41、51、137 研磨体 13、52 断面形状がV字形である溝 21 シリコンウエハ 22 層間絶縁膜(SiO2) 23 金属膜(Al) 24 半導体デバイス 31、131 研磨部材 32、132 研磨ヘッド 33、42、133 研磨対象物(シリコンウエハ) 34、134 研磨剤供給部 35、135 研磨剤(スラリー) 36、136 研磨定盤 38 開口部 39 研磨状態を観察する装置 43 表面から溝の底までの領域 44 溝の入っていない研磨体のバルク領域 53 断面形状がU字形である溝

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研磨体と研磨対象物との間に研磨剤を介在
    させた状態で、前記研磨体と前記研磨対象物とを相対移
    動させることにより、前記研磨対象物を研磨する研磨装
    置に用いる研磨体において、 表面に形成されている溝を有し、 前記溝の前記表面での幅Wは、 0.1mm≦W≦2.0mm であり、 前記溝が形成されている領域を含む研磨体の体積に対す
    る、前記溝が形成されている領域の体積の割合VLは、 0.1%≦VL≦30% であり、 前記溝が形成されている領域を含まない研磨体の体積に
    対して、発泡による空孔領域が20%以下である材料で形
    成されていることを特徴とする研磨体。
  2. 【請求項2】厚さDは、 0.5mm≦D≦5.0mm であることを特徴とする請求項1に記載の研磨体。
  3. 【請求項3】前記溝の深さは、前記溝の幅Wの3倍以下
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    研磨体。
  4. 【請求項4】表面に対する前記溝の形状は、螺旋状、同
    心円状、格子状、三角格子状、編み目状、ランダム形
    状、又はこれらの中の2種類以上を含む形状であること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    研磨体。
  5. 【請求項5】前記溝の断面形状は、曲率を有する形状、
    矩形、V字形、又は多角形であることを特徴とする請求
    項1から請求項4のいずれかに記載の研磨体。
  6. 【請求項6】前記材料の圧縮弾性率Kは、 0.1GPa≦K≦2.0GPa であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれ
    かに記載の研磨体。
  7. 【請求項7】前記材料の主成分は、エポキシ樹脂、アク
    リル樹脂、又は無発泡ウレタン樹脂であることを特徴と
    する請求項1から請求項6のいずれかに記載の研磨体。
  8. 【請求項8】表面に前記研磨剤を供給及び排出する溝が
    さらに形成されていて、該研磨剤を供給及び排出する溝
    は、前記溝の一部であるか、または前記溝とは別に形成
    されている溝であることを特徴とする請求項1から7の
    いずれかに記載の研磨体。
  9. 【請求項9】少なくとも一部に透明領域を有することを
    特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の研磨体。
  10. 【請求項10】研磨体と研磨対象物との間に研磨剤を介
    在させた状態で、前記研磨体と前記研磨対象物とを相対
    移動させることにより、前記研磨対象物を研磨する研磨
    装置において、前記研磨体の表面に形成されている溝を
    有し、前記溝の前記表面での幅Wは、 0.1mm≦W≦2.0mm であり、前記溝が形成されている領域を含む研磨体の体
    積に対する、前記溝が形成されている領域の体積の割合
    VLは、 0.1%≦VL≦30% であり、前記溝が形成されている領域を含まない研磨体
    の体積に対して、発泡による空孔領域が20%以下である
    材料で形成されていることを特徴とする研磨装置。
  11. 【請求項11】前記研磨体の厚さDは、 0.5mm≦D≦5.0mm であることを特徴とする請求項10に記載の研磨装置。
  12. 【請求項12】前記溝の深さは、前記溝の幅Wの3倍以
    下であることを特徴とする請求項10又は請求項11に
    記載の研磨装置。
  13. 【請求項13】前記研磨体の表面に対する前記溝の形状
    は、螺旋状、同心円状、格子状、三角格子状、編み目
    状、ランダム形状、又はこれらの中の2種類以上を含む
    形状であることを特徴とする請求項10から請求項12
    のいずれかに記載の研磨装置。
  14. 【請求項14】前記溝の断面形状は、曲率を有する形
    状、矩形、V字形、又は多角形であることを特徴とする
    請求項10から請求項13のいずれかに記載の研磨装
    置。
  15. 【請求項15】前記研磨体の材料の圧縮弾性率Kは、 0.1GPa≦K≦2.0GPa であることを特徴とする請求項10から請求項14のい
    ずれかに記載の研磨装置。
  16. 【請求項16】前記研磨体の材料の主成分は、エポキシ
    樹脂、アクリル樹脂、又は無発泡ウレタン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項10から請求項15のいずれかに
    記載の研磨装置。
  17. 【請求項17】前記研磨体の表面に前記研磨剤を供給及
    び排出する溝がさらに形成されていて、該研磨剤を供給
    及び排出する溝は、前記溝の一部であるか、または前記
    溝とは別に形成されている溝であることを特徴とする請
    求項10から16のいずれかに記載の研磨装置。
  18. 【請求項18】前記研磨体の少なくとも一部に透明領域
    を有することを特徴とする請求項10から17のいずれ
    かに記載の研磨装置。
  19. 【請求項19】請求項10から18のいずれかに記載の
    研磨装置を用いて半導体シリコンウエハの表面を平坦化
    する工程を有することを特徴とする半導体デバイス製造
    方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の半導体デバイス製造
    方法により製造されることを特徴とする半導体デバイ
    ス。
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