JP2001207038A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物

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JP2001207038A
JP2001207038A JP2000019865A JP2000019865A JP2001207038A JP 2001207038 A JP2001207038 A JP 2001207038A JP 2000019865 A JP2000019865 A JP 2000019865A JP 2000019865 A JP2000019865 A JP 2000019865A JP 2001207038 A JP2001207038 A JP 2001207038A
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Toshiyuki Higashijima
利之 東島
Makoto Saito
良 斉藤
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃剤のブリードアウト抑制、強度、耐熱性
に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂99〜60
重量部と(B)芳香族ポリカーボネート樹脂1〜40重
量部との合計100重量部に対し、(C)ホスホニトリ
ル化合物5〜50重量部、(D)熱可塑性フェノール系
樹脂3〜40重量部および(E)強化充填材を含む難燃
性ポリエステル樹脂組成物であって、(E)強化充填材
の割合が該難燃性ポリエステル樹脂組成物の0〜50重
量%である難燃性ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性ポリエステル
樹脂組成物に関し、詳しくは、難燃剤のブリードアウト
が抑制された、機械的強度に優れる非ハロゲン系難燃性
ポリエステル樹脂組成物及び該難燃性ポリエステル樹脂
組成物からなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂の中
でも電気特性に優れており、電気電子部品や自動車部品
等に広く使用されている。こうした分野においてはUL
規格に規定される難燃性が多くの場合求められ、一般的
にハロゲン/アンチモン系難燃剤等に代表される難燃剤
により難燃性を付与することが以前より知られている。
しかし、ハロゲン/アンチモン系化合物の添加により燃
焼時に臭化水素や塩化水素ガスに加え黒煙を多量に発生
するという欠点が指摘されている。
【0003】非ハロゲン系難燃剤としては、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機化合物が一
般に知られている。しかし、これらの含水無機化合物は
ハロゲン系難燃剤に対し難燃化効果が乏しく、相対的に
多量に添加する必要があり、そのために機械的強度や成
形性を著しく損なうという欠点を有している。
【0004】トリアジン環を有する窒素化合物を使用す
る方法は、難燃効果が低いのみならず、機械的強度を著
しく低下させたりするなどの問題を有している。燐酸エ
ステルを使用する方法も知られているが、ハロゲン系難
燃剤に比較し難燃効果が小さいため相対的に多量の添加
量を必要とし、機械的強度の低下や耐加水分解性の低下
を生じる。赤燐化合物は難燃効果が比較的大きく、適切
な表面処理を施すことにより耐加水分解性の低下もほと
んど見られなくなるものの、ポリブチレンテレフタレー
トにおいては高度な難燃性を得るには多量の添加量を必
要とし、機械的強度の低下や金型腐食が生じる。
【0005】ノンハロゲンの難燃性ポリエステル系樹脂
組成物としては、例えば、特開平7−278267号公
報には、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂及びフェノ
ール樹脂を溶融反応した難燃剤を配合した樹脂組成物が
開示されており、特開平9−249800号公報には、
ポリエステル樹脂、燐酸エステル及びノボラック型フェ
ノール樹脂よりなるより樹脂組成物が開示されている
が、こうした樹脂組成物においても、機械的強度や難燃
剤のブリードアウト抑制の点では必ずしも満足できるも
のではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、臭素
原子や塩素原子を含有しない難燃剤を使用することで成
形加工時の腐食性ガスの発生および燃焼時の刺激性ガス
・腐食性ガス・黒煙の発生を飛躍的に抑制し、且つ難燃
剤のブリードアウト抑制、強度、耐熱性に優れた難燃性
ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、(A)
熱可塑性ポリエステル樹脂99〜60重量部と(B)芳
香族ポリカーボネート樹脂1〜40重量部との合計10
0重量部に対し、(C)ホスホニトリル化合物5〜50
重量部、(D)熱可塑性フェノール系樹脂3〜40重量
部および(E)強化充填材を含む難燃性ポリエステル樹
脂組成物であって、(E)強化充填材の割合が該難燃性
ポリエステル樹脂組成物の0〜50重量%である難燃性
ポリエステル樹脂組成物に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける(A)熱可塑性ポリエステル樹脂としては、少な
くとも1種の芳香族ジカルボン酸成分を主たる酸成分と
し、少なくとも1種のグリコール成分またはオキシカル
ボン酸の重縮合により得られる熱可塑性ポリエステル樹
脂が好ましく、具体例としては、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリテトラメチレンオキシドグリコール残基を
主鎖に含むポリブチレンテレフタレート系共重合体、ポ
リブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノ
ールテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等が挙げられ、好ましくは、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンオキシ
ドグリコール残基を含むポリブチレンテレフタレート系
共重合体およびポリエチレンテレフタレートなどが挙げ
られる。熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、好ま
しくは0.4以上である。
【0009】芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデシン2酸、
またはこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
中でも芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形
成性誘導体が好ましく、特にはテレフタル酸またはテレ
フタル酸ジエステルが好ましい。
【0010】グリコール成分としては、例えばエチレン
グリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール等の炭素数2〜10のα,ω−アルキレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAポリオキシエチレングリコール、
ポリオキシテトラメチレングリコール、またはこれらの
エステル形成性誘導体が挙げられる。中でもエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール等のα,ω−アルキ
レングリコールが好ましい。更にグリコール成分の一部
としてポリテトラメチレンオキシドグリコールなどを用
いることもできる。またポリエステルを形成する全酸成
分または全ジオール成分の70mol%以上が単一成分
であれば任意の共重合体であってもよい。更にポリエス
テル60重量%以上とABS樹脂等の他の熱可塑性樹脂
40重量%以下との混合物であっても本発明に適用する
ことができる。
【0011】ポリテトラメチレンオキシドグリコール残
基を含むポリブチレンテレフタレート系共重合体として
は、テレフタル酸及び/またはそのエステル誘導体を主
成分とするジカルボン酸成分とテトラメチレングリコー
ルおよびポリテトラメチレンオキシドグリコールを主成
分とするジオール成分とを重合してなりポリテトラメチ
レンオキシドグリコール残基の割合が1〜30重量%で
あるポリエステルエーテル樹脂が好ましい。ポリテトラ
メチレンオキシドグリコール残基の割合は、好ましくは
5〜20重量%である。
【0012】本発明における(B)芳香族ポリカーボネ
ート樹脂としては、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれ
と少量のポリヒドロキシ化合物などをホスゲンまたは炭
酸のジエステルと反応させることによって得ることの出
来る、分岐していてもよいポリカーボネート重合体また
は共重合体である。これらのポリカーボネート重合体ま
たは共重合体は2種以上混合して用いてもよい。芳香族
ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テ
トラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−p−ジイソプロピリデンベンゼン、ハイドロ
キノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙
げられる。これらのジヒドロキシ化合物が2種以上併用
しても良い。
【0013】分岐した芳香族ポリカーボネートを得るに
は、フロログリシン、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6
−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5
−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,
1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4
−メチルフェノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒド
ロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベン
ゼンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは
3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシインド
ール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチ
ンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェ
ノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどを前記
芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、
使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは
0.1〜2モル%である。
【0014】芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量
は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃
で測定された溶液粘度より換算した値で、好ましくは、
12,000〜100,000であり、より好ましくは
16,000〜30,000であり、最も好ましくは1
8,000〜23,000である。芳香族ポリカーボネ
ートの分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化
合物を用いればよく、m−及びp−メチルフェノール、
m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチ
ルフェノール及びP−長鎖アルキル置換フェノールなど
が挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、
好ましくは芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノ
ールAを使用したポリカーボネート樹脂、またはビスフ
ェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導
される芳香族ポリカーボネート共重合体が挙げられる。
【0015】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物に
おける(A)熱可塑性ポリエステル樹脂と(B)芳香族
ポリカーボネート樹脂との重量比率は、99/1〜60
/40である。芳香族ポリカーボネート樹脂の比率が少
なすぎると難燃剤のブリードアウト抑制が不十分であ
り、多すぎると曲げ強度や耐熱性が不十分である。
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂と(B)芳香族ポリカ
ーボネート樹脂との比率は、好ましくは98/2〜65
/35である。
【0016】本発明における(C)ホスホニトリル化合
物としては、下記一般式(1)で表される基を有する化
合物が好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】X及びXは、それぞれ、O(酸素原
子)、S(イオウ原子)またはN−H(水素原子が1個
結合した窒素原子)を表し、好ましくは、OまたはN−
Hであり、より好ましくは、Oである。R〜Rは、
それぞれ、炭素数20以下のアリール基、炭素数1〜2
0のアルキル基または炭素素20以下のシクロアルキル
基を表し、具体例としては、メチル、エチル、ブチル、
ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフ
チル等が挙げられる。nおよびpは、それぞれ、12以
下の整数を表し、好ましくは、3〜10であり、より好
ましくは3または4である。また、ホスホニトリル化合
物は線状重合体であることが好ましい。
【0019】ホスホニトリル化合物の含有量は、(A)
熱可塑性ポリエステル樹脂及び(B)芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の合計100重量部に対し、5〜50重量部
である。ホスホニトリル化合物の含有量が5重量部未満
であると樹脂組成物の難燃性が不十分となり、50重量
部を越えると機械的物性、耐加水分解性、成形性が低下
する。ホスホニトリル化合物の含有量は、(A)熱可塑
性ポリエステル樹脂及び(B)芳香族ポリカーボネート
樹脂の合計100重量部に対し、好ましくは8〜40重
量部であり、より好ましくは10〜30重量部である。
【0020】本発明における(D)熱可塑性フェノール
系樹脂としては、過剰のフェノールとホルムアルデヒド
とを反応させた可溶性の樹脂が挙げられ、ヘキサメチレ
ンテトラミン等の硬化剤を添加していない樹脂である。
フェノールとホルムアルデヒドより得られる熱可塑性フ
ェノール樹脂の他に、アルキル基、ベンジル基等で置換
された変成フェノール樹脂やフェノールの代わりにクレ
ゾールを用いるクレゾール樹脂を使用することもでき
る。熱可塑性フェノール系樹脂としては、好ましくは、
ノボラックフェノールが挙げられる。
【0021】熱可塑性フェノール系樹脂の含有量は、
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂及び(B)芳香族ポリ
カーボネート樹脂の合計100重量部に対し、3〜40
重量部である。熱可塑性フェノール系樹脂の含有量が3
重量部未満であると難燃効果が不十分であり、40重量
部を越えると機械的特性が低下する。熱可塑性フェノー
ル系樹脂の含有量は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂
及び(B)芳香族ポリカーボネート樹脂の合計100重
量部に対し、好ましくは3〜35重量部である。
【0022】本発明における(E)強化充填材として
は、有機充填材および無機充填材が挙げられ、具体例と
しては、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ミルドファイバー、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド
繊維、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、窒化硼素、チタン酸カリウィスカー
等が挙げられ、好ましくは無アルカリガラスのガラス繊
維が挙げられる。強化充填材は、熱可塑性ポリエステル
樹脂との界面密着性を向上させるため、シラン系または
チタン系のカップリング剤等で予備処理したものを用い
るのが好ましい。
【0023】強化充填材の含有割合は、難燃性ポリエス
テル樹脂組成物全体に対し、0〜50重量%、好ましく
は5〜45重量%である。強化充填材を含有することで
機械的強度が向上するが、含有量が150重量部を越え
ると流動性が不十分である。強化充填材の含有割合は、
難燃性ポリエステル樹脂組成物全体に対し、好ましくは
5〜45重量%である。
【0024】本発明における(F)窒素含有有機化合物
は、メラミン、シアヌル酸等のトリアジン系化合物、メ
ラミンの2量体であるメラム及び3量体であるメレム等
が挙げられ、好ましくは、メラミンとシアヌル酸との
塩、メラム及びメレム等が挙げられる。
【0025】窒素含有有機化合物の含有量は、(A)熱
可塑性ポリエステル樹脂及び(B)芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の合計100重量部に対し、好ましくは、1〜
20重量部である。窒素含有有機化合物の含有量が1重
量部未満であると難燃性の向上効果が十分でなく、20
重量部を越えると機械的特性が低下しやすい。
【0026】本発明における(G)フッ素樹脂は、垂れ
落ち防止の効果を有するフッ素原子を分子中に有する重
合体であり、具体例としては、ポリテトラフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン等
のフッ素化ポリオレフィン等が挙げられ、好ましくはポ
リテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。
【0027】フッ素樹脂の含有量は、(A)熱可塑性ポ
リエステル樹脂及び(B)芳香族ポリカーボネート樹脂
の合計100重量部に対し、好ましくは0.1〜2重量
部であり、より好ましくは0.1〜1.5重量部であ
る。フッ素樹脂を含有することで燃焼時の滴下防止能が
向上するが、2重量部を越えると流動性や機械的性質が
低下しやすい。
【0028】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物に
は、公知の添加剤等を配合することもできる。添加剤と
しては、染顔料、酸化防止剤、熱安定剤、離型剤、紫外
線吸収剤、触媒失活剤、滑剤、帯電防止剤、色調改良
剤、発泡剤、可塑剤、核剤等が挙げられる。
【0029】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物の
製造方法としては、公知の方法が適用でき、例えば、ブ
レンダーやミキサー等を用いてドライブレンドする方
法、押出機を用いて溶融混合する方法等が挙げられる
が、通常は、スクリュー押出機を用いて溶融混合してス
トランドに押し出し、ペレット化する方法が好適であ
る。本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物の各種物性
に優れており、曲げ強度は、好ましくは135MPa以
上であり、熱変形温度は、好ましくは150℃以上であ
り、より好ましくは160℃以上である。
【0030】本発明の成形品は、難燃性ポリエステル樹
脂組成物のペレットを用いて、通常、射出成形すること
により得ることができる。射出成形方法としては、公知
の方法が適用でる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例および比較
例においては次に記載の原材料を用いた。 (1)曲げ強度:射出成形により得たダンベル試験片に
ついてASTM D−790に従い曲げ破断強度を測定
した。
【0032】(2)難燃性:射出成形により得た難燃性
試験用試験片(厚み:1.6mm)について、アンダー
ライターズラボラトリーズ(Underwriter’
s Laboratories Inc.)のUL−9
4規格垂直燃焼試験により実施した。難燃性レベルはV
−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。 (3)成型品のブリードアウト:射出成形により得た引
張ダンベル試験片を目視及び素手による触診によりブリ
ードアウトの有無を判断した。 (4)耐熱性:ASTM D−648に準拠して、荷重
18.5Kgで測定した。
【0033】(5)ポリブチレンテレフタレート:固有
粘度0.95、三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製。(以下、「PBT」と称することもある。) (6)ポリテトラメチレンオキシドグリコール残基を主
鎖に含むポリブチレンテレフタレート系共重合体:固有
粘度1.15、ポリテトラメチレンオキシドグリコール
を5重量%共重合したポリブチレンテレフタレート共重
合体、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製。
(以下、「PBT共重合体」と称することもある。) (7)ポリエチレンテレフタレート:固有粘度0.6
5、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製。
(以下、「PET」と称することもある。) (8)ポリカーボネート:粘度平均分子量22,00
0、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製。(以
下、「PC」と称することもある。) (9)ホスホニトリル化合物:下記化学式(2)で表さ
れるホスホニトリル化合物。
【0034】
【化3】
【0035】式(2)において、qは3および4であ
る。 (10)熱可塑性フェノール樹脂:ノボラックフェノー
ル、住友デユレズ(株)製。 (11)シアヌル酸メラミン:三菱化学(株)製。 (12)ポリテトラフルオロエチレン:ポリフロンFA
500、ダイキン工業(株)製。(以下、「PTFE」と
称することもある。) (13)強化充填材:ガラス繊維、日本電気硝子(株)
製。(以下、「GF」と称することもある。)
【0036】〔実施例1〜5〕表−1に示す各成分を表
−1に示す割合でブレンドし、30mmのベント式2軸
押出機(TEX−30C)を用いて260℃にて溶融混
練した後、ストランドに押し出してペレット化した。こ
のペレットについて、射出成形機とASTM成形用金
型、UL−94燃焼試験片用金型、成形温度255℃、
金型温度80℃で射出成形を行った。評価結果を表−1
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】〔実施例6〜8〕表−2に示す各成分を表
−2に示す割合でブレンドし、実施例1と同様にしてペ
レット化した。このペレットについて、実施例1と同様
にして射出成形を行った。評価結果を表−2に示す。 〔比較例1〜2〕表−2に示す各成分を表−2に示す割
合でブレンドし、実施例1と同様にしてペレット化し
た。このペレットについて、実施例1と同様にして射出
成形を行った。評価結果を表−2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物
は、非ハロゲン系難燃剤により難燃化することにより成
形時及び燃焼時に毒性及び腐食性のガス発生を抑制し、
且つ難燃剤のブリードアウト抑制、曲げ強度、耐熱性、
成形性及び難燃性に優れており、コネクター、リレー、
トランス部材、ケース部材、コイルボビン等の薄肉・小
型な電気電子機器部品、自動車部品、機械部品等におい
て極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 67/00 (C08L 67/00 69:00 69:00 61:06 61:06 27:12) 27:12) (72)発明者 斉藤 良 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4F071 AA26 AA28 AA41 AA43 AA45 AA46 AA47 AA50 AA68 AB28 AC15 AC19 AD01 AE07 AE17 AF47 AH19 BC07 4J002 BD125 CC034 CF051 CF061 CF101 CG002 CQ013 DL007 EV188 EV198 EW156 FA047 FD017 FD136 FD138

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂99〜
    60重量部と(B)芳香族ポリカーボネート樹脂1〜4
    0重量部との合計100重量部に対し、(C)ホスホニ
    トリル化合物5〜50重量部、(D)熱可塑性フェノー
    ル系樹脂3〜40重量部および(E)強化充填材を含む
    難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、(E)強化充
    填材の割合が該難燃性ポリエステル樹脂組成物の0〜5
    0重量%である難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチ
    レンテレフタレート、ポリテトラメチレンオキシドグリ
    コール残基を主鎖に含むポリブチレンテレフタレート系
    共重合体およびポリエチレンテレフタレートの群から選
    ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1
    に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)ホスホニトリル化合物が、下記一
    般式(1)で表される基を有するホスホニトリル化合物
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃
    性ポリエステル樹脂組成物。 【化1】 (X及びXは、それぞれ、O、SまたはN−Hを表
    し、R〜Rは、それぞれ、炭素数20以下のアリー
    ル基、炭素数1〜20のアルキル基または炭素素20以
    下のシクロアルキル基を表し、nおよびpは、それぞ
    れ、12以下の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 (D)熱可塑性フェノール系樹脂が、ノ
    ボラックフェノールであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)熱可塑性ポリエステル及び(B)
    芳香族ポリカーボネート樹脂の合計100重量部に対
    し、(F)窒素含有有機化合物1〜20重量部を更に含
    有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂及び
    (B)芳香族ポリカーボネート樹脂の合計100重量部
    に対し、(G)フッ素樹脂0.1〜2重量部を更に含有
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (E)強化充填材が、ガラス繊維である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の難燃
    性ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性
    ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品。
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