JP2001206938A - 酸性基を有する可溶性導電性ポリマーの製造方法 - Google Patents

酸性基を有する可溶性導電性ポリマーの製造方法

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JP2001206938A
JP2001206938A JP2000016293A JP2000016293A JP2001206938A JP 2001206938 A JP2001206938 A JP 2001206938A JP 2000016293 A JP2000016293 A JP 2000016293A JP 2000016293 A JP2000016293 A JP 2000016293A JP 2001206938 A JP2001206938 A JP 2001206938A
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Shinichi Maeda
晋一 前田
Masashi Uzawa
正志 鵜澤
Takashi Saito
隆司 齋藤
Shigeru Shimizu
茂 清水
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い導電性および溶解性を有し、且つ残存す
るモノマーを低減して高分子量の可溶性導電性ポリマー
の有用な工業的製法の提供。 【解決手段】 酸性基置換アニリン、酸性基置換アミノ
ナフタレン、酸性基置換アミノアントラセン、酸性基置
換ピロール、酸性基置換インドール、酸性基置換チオフ
ェン、酸性基置換ベンゾチオフェン、酸性基置換フラ
ン、酸性基置換ベンゾフラン、酸性基置換セレノフェ
ン、酸性基置換ベンゾセレノフェン、酸性基置換テルロ
フェン、酸性基置換ベンゾテルロフェン、これらの金属
塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩よりなる
群から選ばれた少なくとも一種の化合物(イ)を酸化重
合させて酸性基を有する可溶性導電性ポリマーを製造す
る方法において、重合時のpHを0.1以上5以下にコ
ントロールすることを特徴とする酸性基を有する可溶性
導電性ポリマーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性基を有する溶
媒に可溶性の導電性ポリマーの製造方法に関する。該可
溶性導電ポリマーを主成分とする溶液は、各種基材上
に、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコー
ト法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールコ
ート法、エアナイフコート法、カーテンコート法等の簡
便な手法で導電体や導電膜を形成することができる。ま
た、導電膜の接着性、塗膜強度を上げるために、適当な
バインダーポリマーを混合して用いることもできる。
【0002】
【従来の技術と課題】ドープされたポリアニリン(可溶
性導電ポリマー)は良く知られているが、一部の非プロ
トン系極性溶媒を除くほとんど全ての一般溶剤に不溶で
あり、成形、加工に難点がある。また、アニリンを電解
酸化重合する方法〔特開昭60−235831号公報、
J.Polymer Sci.Polymer Che
m.Ed.,26,1531(1988)〕は電極上に
ポリアニリンのフィルムを形成することが可能である
が、単離操作が煩雑になることや大量合成が困難である
という問題がある。
【0003】また、近年ドープ剤を添加することなく導
電性を発現するアルカリ可溶性のスルホン化ポリアニリ
ンとその合成法やカルボキシル化ポリアニリンとその合
成法が提案されている。
【0004】スルホン化ポリアニリンの合成法として
は、例えば、アニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸
を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成
する方法(日本化学会誌、1985,1124、特開平
02−166165号公報)、o−、m−、p−アミノ
ベンゼンスルホン酸をそれぞれ単独で電気化学的に重合
してスルホン化ポリアニリンを合成する方法〔日本化学
会第64秋季年会、講演予稿集II、706(199
2)〕、アニリンとo−、m−アミノベンゼンスルホン
酸を化学的に重合してスルホン化ポリアニリンを合成す
る方法(特開平01−301714号公報)、アミノベ
ンゼンスルホン酸系化合物またはアミノベンゼンスルホ
ン酸系化合物とアニリン系化合物を含む単量体を化学酸
化重合する方法(特開平6−56987号公報)、化学
的あるいは電気化学的に重合して得られたエメラルディ
ンタイプの重合体(ポリアニリン)を濃硫酸でスルホン
化する方法(特開昭58−210902号公報)、無水
硫酸/リン酸トリエチル錯体を用いてスルホン化する方
法(特開昭61−197633号公報)、発煙硫酸でス
ルホン化する方法〔J.Am.Chem.Soc.,
(1991)113,2665〜2671、J.Am.
Chem.Soc.,(1990)112,2800、
WO91−06887〕、ジフェニルアミン−4−スル
ホン酸(ナトリウム塩)を化学的に重合し、N−置換型
のスルホン化ポリアニリン合成する方法〔Polyme
r,(1993)34,158〜162〕などが知られ
ている。
【0005】J.Am.Chem.Soc.,(199
1)113,2665〜2671によるとo−、m−ア
ミノベンゼンスルホン酸を化学的および電気化学的に重
合を試みたが成功しなかったと記されている。
【0006】特開平6−56987号公報には、アミノ
ベンゼンスルホン酸系化合物またはアミノベンゼンスル
ホン酸系化合物とアニリン系化合物は、酸性、中性およ
びアルカリの何れの溶液でも、化学酸化重合することに
より水に可溶性の可溶性導電ポリマーが得られるとの記
載があり、硫酸酸性溶液中での重合例に示されている
が、ポリマーの分子量、その他の物性に関する記載はな
く、どのような物性のポリマーが得られたのか明らかで
ない。本発明者らの追試によれば、フィルム形成するの
に充分な分子量を有するポリマーを得ることができなか
った。
【0007】更に本発明者らが酸化剤にペルオキソ二硫
酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む水溶液中で
の重合を試みたところ、水に可溶なポリマーは得られる
が、低分子量のためフィルムを形成するような実用的な
ポリマーを得ることができなかった。
【0008】本発明者らは、特開平01−301714
号公報で記載されているアニリンとm−アミノベンゼン
スルホン酸をペルオキソ二硫酸アンモニウムで化学的に
重合する方法および特開平6−56987号公報で記載
されているアニリンとm−アミノベンゼンスルホン酸を
過マンガン酸カリウムで化学的に重合する方法について
追試したところ、芳香環5個に約1個のスルホン酸基が
導入されるのみであり、高い導電性を示すが中性および
酸性の水には完全に不溶であり、アンモニアなどのアル
カリ性水溶液にもほとんど不溶であった。また、特開昭
61−197633号公報の方法でスルホン化した場合
も同公報7頁に記載されているとおり、スルホン化溶媒
に対するポリアニリンの溶解性が充分でなく、同ポリマ
ーの分散状態でスルホン化反応が行われているため、芳
香環5個に約1個のスルホン酸基しか導入されない。か
くして得られるスルホン酸基導入割合の小さいスルホン
化ポリアニリンは、導電性および溶解性が充分でないと
いう問題がある。
【0009】J.Am.Chem.Soc.,(199
1)113,2665〜2671、J.Am.Che
m.Soc.,(1990)112,2800による
と、ポリアニリンを発煙硫酸でスルホン化した場合、芳
香環2個に約1個のスルホン酸基が導入されると記され
ている。しかし、本方法でポリアニリンを充分にスルホ
ン化しようとした場合、発煙硫酸に対するポリアニリン
の溶解性が充分でないため、発煙硫酸が大過剰必要とさ
れる。また、発煙硫酸にポリアニリンを添加する際もポ
リマーが固化し易いという問題がある。更に以上の方法
で合成された重合物およびそのスルホン化物は、アンモ
ニアおよびアルキルアミン等の塩基を含む水溶液には溶
解するが水単独には溶解しないという問題もある。
【0010】Polymer(1993)34,158
〜162によると、ジフェニルアミン−4−スルホン酸
(ナトリウム塩)を重合した場合、ベンゼンスルホン酸
基がアニリン骨格に対して1個導入されたN位置換型の
スルホン化ポリアニリンが得られ、これは水単独にも溶
解するが、重合物の単離に超遠心分離操作が必要である
と記されている。本発明者らが追試したところ、高溶解
性のため重合溶媒中からの重合物の取得収率は低いもの
であり、高速遠心分離操作を行わない場合、重合物を単
離することはできなかった。また、N位置換型のため、
前述のJ.Am.Chem.Soc.,(1991)1
13,2665〜2671の方法で合成した重合体に比
べ導電性は低いものであった。
【0011】カルボキシル化ポリアニリンの合成法とし
ては、例えば、2−または3−カルボン酸基置換アニリ
ンまたはその塩を酸化重合し、ついで塩基性物質で処理
し、カルボン酸基が塩形で得られる製造法(特開平4−
268331号公報)が提案されているが、酸化剤の使
用量が原料に対して2倍等量以上必要であり、導電性は
低い値である。このことよりモノマーの反応性が低く低
分子量のポリマーが生成していると考えられる。
【0012】メチルアントラニレート(アントラニル酸
メチルエステル)をペルオキソ二硫酸アンモニウムの存
在下で水性の酸性媒体中で重合後、ついでアルコール性
水酸化カリウムによってメチルエステルをケン化する合
成法(特開平5−226238号公報)が提案されてい
るが、反応が2段階となるため、操作が非常に煩雑であ
る。
【0013】更に本発明者らが、2−カルボン酸基置換
アニリンを酸化剤としてのペルオキソ二硫酸アンモニウ
ムを用いて、プロトン酸を含む水溶液中での重合を試み
たところ、生成物を得ることができなかった。また、ア
ニリンと2−カルボン酸基置換アニリンを酸化剤にペル
オキソ二硫酸アンモニウムを用いて、プロトン酸を含む
水溶液中での重合を試みたところ、共重合体が得られた
が溶解性、導電性も共に低いものであった。このことよ
り得られた共重合体は2−カルボン酸基置換アニリンの
共重合比率が低いものと考えられる。
【0014】また、塗布による成膜等の成形性を考えた
場合、特に親水性、疎水性いずれの基材にも塗布可能と
するためには、水および有機溶剤の両方に溶解性のある
ことが望まれる。ところが、ポリアニリンのスルホン化
物は、アルカリ水に対する溶解性はあるが、中性から酸
性を示す水溶液には不溶であり、また有機溶剤に対する
溶解性が十分であるとはいえない。
【0015】これら諸々の問題を解決する方法として、
本発明者らは、ポリマーにドープ剤を添加することなく
導電性を発現させ、溶解性を向上させるためにはより多
くのスルホン酸基またはカルボン酸基などの酸性基を主
鎖の芳香環に導入する必要があるものと考え、アニリ
ン、N−アルキルアニリンおよびフェニレンジアミン類
よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物と、ア
ミノベンゼンスルホン酸とを酸性溶媒中酸化剤を用いて
共重合させ、更にスルホン化剤によりスルホン化するア
ニリン系共重合体スルホン化物の製造方法を提案した
(特開平5−178989号公報)。しかし、該方法に
おいては濃硫酸中でスルホン化する操作を行うので、廃
酸処理の問題がある。なお、以上の方法で合成された共
重合体は何れも下式(7)の構造を持つと推定される。
【0016】
【化7】 〔式中、R20〜R23は、それぞれ水素およびスルホ
ン酸基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
り、R′は水素または炭素数1〜4のアルキル基よりな
る群から選ばれた基であり、スルホン酸基の存在割合は
下記式
【数1】(スルホン酸基が置換した繰り返し単位の数)
÷(共重合体全体の繰り返し単位の数)×100(%) で表して、40〜80%の含有量であり、xは0〜1の
任意の数を表わし、nは重合度を示す2〜1500の数
である。〕
【0017】また、本発明者らは、アニリン、N−アル
キルアニリンおよびフェニレンジアミン類よりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の化合物とアルコキシ基置換
アミノベンゼンスルホン酸とを共重合させることによ
り、廃棄物を大量に発生させるスルホン化操作を省略す
ることを特徴とするアニリン系共重合体の製造方法(特
開平6−293828号公報)を提案した。なお、以上
の方法で合成された共重合体は何れも下式(8)の構造
を持つと推定される。
【0018】
【化8】 〔式中、R24〜R31は、それぞれ水素、アルコキシ
基およびスルホン酸基よりなる群からそれぞれ独立して
選ばれた基であり、スルホン酸基の存在割合は下記式
【数2】(スルホン酸基が置換した繰り返し単位の数)
÷(共重合体全体の繰り返し単位の数)×100(%) で表して、25〜50%の含有量であり、同一芳香環に
アルコキシ基およびスルホン酸基を含有しており、R′
は水素または炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から
選ばれた基であり、xは、0〜1の任意の数を表し、n
は重合度を示す2〜1500の数である。〕
【0019】また、本発明者らは、スルホン酸基置換ア
ニリンまたはカルボン酸基置換アニリンなどの酸性基置
換アニリンを、塩基性化合物含む溶液中で重合する可溶
性アニリン系可溶性導電ポリマーとその製造方法(特開
平7−196791号公報、特開平7−324132号
公報)を提案した。本方法は、従来スルホン酸基または
カルボン酸基を有するアニリン類はそれ単独では重合し
にくいと云う定説に反し、高分子量の重合体の製造が可
能である。しかも、得られた可溶性導電ポリマーは、高
い導電性を示すと共に酸性からアルカリ性の何れの水溶
液にも優れた溶解を示す。しかし、可溶性導電ポリマー
と酸化重合に使用した酸化剤の副生塩とを単離する際、
可溶性導電ポリマー自体の溶解性が非常に優れているた
め、その操作が工業的実施では容易でないという課題点
がある。なお、以上の方法で合成された共重合体は何れ
も下式(9)の構造を持つと推定される。
【0020】
【化9】 (式中、A〜Aは、スルホン酸基、カルボン酸基、
そのアルカリ金属塩、ンモニウム塩、置換アンモニウム
塩よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた一つの基で
あり、B〜Bは、水素、炭素数1〜4の直鎖または
分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のア
ルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲン
基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた一つの基を
示す。xは、0〜1の任意の数を表し、nは重合度を示
す2〜5,000の数である。)
【0021】一方、アニリンとm−アミノベンゼンスル
ホン酸を電気化学的に重合してスルホン化ポリアニリン
を合成する方法(日本化学会誌、1985,1124、
特開平02−166165号公報)、アミノベンゼンス
ルホン酸を電気化学的に重合する方法〔日本化学会第6
4秋季年会、講演予稿集II、706(1992)〕が報
告されている。しかし、これら方法は電解質として無機
塩を添加するため、重合後可溶性導電ポリマーと電解質
を単離操作が煩雑になり、工業的な大量合成に適用が非
常に難しいと云う問題点がある。
【0022】そこで、さらに本発明者らは、モノマーと
してスルホン酸基置換アニリンまたはカルボン酸基置換
アニリンなどの酸性基置換アニリン、または該酸性基置
換アニリンとアニリン誘導体とを、塩基性化合物を含む
溶液中で電解酸化重合すると高導電性、高溶解性、且つ
高分子量の可溶性導電ポリマーが得られることを見出し
た(特開平10−158395)。しかも、モノマーお
よびポリマーは、電解質として働くため、通常電解酸化
重合で必要な電解質が不必要であり、電解質や残存する
モノマーと可溶性導電ポリマーを分離する操作を省略す
ることができた。従って、重合液をそのままコーティン
グ剤等の製品として使用できるため、工業的に好都合で
ある。しかしながら、重合の進行と共に電解重合効率が
低下し、8%程度のモノマーが残存し導電性、ならびに
基材への塗布性に課題が残っていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
導電性および溶解性を有し、且つ残存するモノマーを低
減して高分子量の可溶性導電性ポリマーの有用な工業的
製法を提供する点にある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い導電
性と溶解性を有するポリアニリンとして、芳香環に対す
るスルホン酸基導入割合の大きいスルホン化ポリアニリ
ンおよび/またはカルボン酸基導入割合の大きいカルボ
キシル化ポリアニリン等の、酸性基導入割合の大きい酸
性基置換ポリアニリンの製法について鋭意検討した結
果、モノマーとしてスルホン酸基置換アニリンおよび/
またはカルボン酸基置換アニリンなどの酸性基置換アニ
リン、または該酸性基置換アニリンとアニリン誘導体と
を、重合時のpHを0.1以上5以下にコントロールし
て酸化重合すると、高導電性、高溶解性、且つ残存モノ
マーが非常に少ない高分子量の可溶性導電性ポリマーが
得られることを見出した。更に、重合したポリマーが反
応液に可溶であるため、フロースルーシステムなどの連
続電解システムへ適用できる。フロースルーシステムと
は、作用極と陰極との間のセルに反応溶液を送液ポンプ
で循環させて重合を行う方法であり、このセルを直列あ
るいは並列に接続することで最適条件下での重合反応を
行うことが可能となる。また、これらの酸性基置換アニ
リン類での電解重合の知見は全く同様に、酸性基置換の
アミノナフタレン、アミノアントラセン、ピロール、イ
ンドール、チオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ベ
ンゾフラン、セレノフェン、ベンゾセレノフェン、テル
ロフェン、ベンゾテルロフェンにも適用できることを見
出した。そして本発明は、これらの知見に基づいて達成
されたものである。
【0025】すなわち、本発明の第一は、酸性基置換ア
ニリン、酸性基置換アミノナフタレン、酸性基置換アミ
ノアントラセン、酸性基置換ピロール、酸性基置換イン
ドール、酸性基置換チオフェン、酸性基置換ベンゾチオ
フェン、酸性基置換フラン、酸性基置換ベンゾフラン、
酸性基置換セレノフェン、酸性基置換ベンゾセレノフェ
ン、酸性基置換テルロフェン、酸性基置換ベンゾテルロ
フェン、これらの金属塩、アンモニウム塩および置換ア
ンモニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の
化合物(イ)を酸化重合させて酸性基を有する可溶性導
電性ポリマーを製造する方法において、重合時のpHを
0.1以上5以下にコントロールすることを特徴とする
酸性基を有する可溶性導電性ポリマーの製造方法に関す
る。
【0026】本発明の第二は、(イ)酸性基置換アニリ
ン、酸性基置換アミノナフタレン、酸性基置換アミノア
ントラセン、酸性基置換ピロール、酸性基置換インドー
ル、酸性基置換チオフェン、酸性基置換ベンゾチオフェ
ン、酸性基置換フラン、酸性基置換ベンゾフラン、酸性
基置換セレノフェン、酸性基置換ベンゾセレノフェン、
酸性基置換テルロフェン、酸性基置換ベンゾテルロフェ
ン、これらの金属塩、アンモニウム塩および置換アンモ
ニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合
物と、(ロ)アニリン誘導体、アミノナフタレン誘導
体、アミノアントラセン誘導体、ピロール誘導体、イン
ドール誘導体、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン誘
導体、フラン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、セレノフ
ェン誘導体、ベンゾセレノフェン誘導体、テルロフェン
誘導体、ベンゾテルロフェン誘導体よりなる群から選ば
れた少なくとも一種の化合物を酸化重合させて酸性基を
有する可溶性導電性ポリマーを製造する方法において、
重合時のpHを0.1以上5以下にコントロールするこ
とを特徴とする酸性基を有する可溶性導電性ポリマーの
製造方法に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明について最も好まし
い例である酸性基置換アニリン系を例にして詳しく説明
するが、酸性基置換のアミノナフタレン、アミノアント
ラセン、ピロール、インドール、チオフェン、ベンゾチ
オフェン、フラン、ベンゾフラン、セレノフェン、ベン
ゾセレノフェン、テルロフェン、ベンゾテルロフェンの
場合も全く同様である。前記酸性基置換アニリンは、一
般式(10)
【化10】 (式中、R40、R41、R42、R43およびR44
は、水素炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル
基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、
酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群
からそれぞれ独立して選ばれた置換基であり、その少な
くとも一つは酸性基を示す。なお、本発明における酸性
基はスルホン酸基および/またはカルボン酸基であるこ
とが好ましい。)で示される酸性基置換アニリン、その
金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩より
なる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を表す。
【0028】なお、前記一般式(10)で示される化合
物はアミノ基に対して酸性基がo位またはm位に結合し
ているものの方が得られるポリマーの導電性、溶解性な
どの性能が優れている。
【0029】前記酸性基置換アニリンとして最も代表的
なものは、スルホン酸基置換アニリンまたはカルボン酸
基置換アニリンである。好ましくはスルホン酸基置換ア
ニリンであり、カルボン酸基置換アニリンに比べ導電性
が高い傾向を示す。
【0030】スルホン酸基置換アニリンとして最も代表
的なものは、アミノベンゼンスルホン酸類であり、具体
的にはo−、m−、p−アミノベンゼンスルホン酸、ア
ニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジ
スルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリ
ン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスル
ホン酸が好ましく用いられる。
【0031】その他のスルホン酸基置換アニリンとして
は、メチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベ
ンゼンスルホン酸、n−プロピルアミノベンゼンスルホ
ン酸、iso−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、n
−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルア
ミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンス
ルホン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンスルホン
酸類;メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシア
ミノベンゼンスルホン酸、n−プロポキシアミノベンゼ
ンスルホン酸、iso−プロポキシアミノベンゼンスル
ホン酸、n−ブトキシアミノベンゼンスルホン酸、se
c−ブトキシアミノベンゼンスルホン酸、t−ブトキシ
アミノベンゼンスルホン酸などのアルコキシ基置換アミ
ノベンゼンスルホン酸類;ヒドロキシ基置換アミノベン
ゼンスルホン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンスルホ
ン酸類、フルオロアミノベンゼンスルホン酸、クロロア
ミノベンゼンスルホン酸、ブロムアミノベンゼンスルホ
ン酸などのハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類
などを挙げることができる。このなかではアルキル基置
換アミノベンゼンスルホン酸類、アルコキシ基置換アミ
ノベンゼンスルホン酸類またはヒドロキシ基置換アミノ
ベンゼンスルホン酸類が実用上もっとも好ましい。な
お、これらのスルホン酸基置換アニリンはそれぞれ単独
で用いても、また異性体を任意の割合で混合しても良
い。
【0032】カルボン酸基置換アニリンとして最も代表
的なものは、アミノベンゼンカルボン酸類であり、具体
的にはo−、m−、p−アミノベンゼンカルボン酸、ア
ニリン−2,6−ジカルボン酸、アニリン−2,5−ジ
カルボン酸、アニリン−3,5−ジカルボン酸、アニリ
ン−2,4−ジカルボン酸、アニリン−3,4−ジカル
ボン酸が好ましく用いられる。
【0033】その他のカルボン酸基置換アニリンとして
は、メチルアミノベンゼンカルボン酸、エチルアミノベ
ンゼンカルボン酸、n−プロピルアミノベンゼンカルボ
ン酸、iso−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、n
−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、sec−ブチルア
ミノベンゼンカルボン酸、t−ブチルアミノベンゼンカ
ルボン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンカルボン
酸類;メトキシアミノベンゼンカルボン酸、エトキシア
ミノベンゼンカルボン酸、n−プロポキシアミノベンゼ
ンカルボン酸、iso−プロポキシアミノベンゼンカル
ボン酸、n−ブトキシアミノベンゼンカルボン酸、se
c−ブトキシアミノベンゼンカルボン酸、t−ブトキシ
アミノベンゼンカルボン酸などのアルコキシ基置換アミ
ノベンゼンカルボン酸類;ヒドロキシ基置換アミノベン
ゼンカルボン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンカルボ
ン酸類、フルオロアミノベンゼンカルボン酸、クロロア
ミノベンゼンカルボン酸、ブロムアミノベンゼンカルボ
ン酸などのハロゲン基置換アミノベンゼンカルボン酸類
などを挙げることができる。このなかではアルキル基置
換アミノベンゼンカルボン酸類、アルコキシ基置換アミ
ノベンゼンカルボン酸類またはヒドロキシ基置換アミノ
ベンゼンカルボン酸類が実用上もっとも好ましい。これ
らのカルボン酸基置換アニリンはそれぞれ単独で用いて
も、また異性体を任意の割合で混合しても良い。
【0034】更に詳しく前記一般式(10)の酸性基置
換アニリンの具体例としては、 スルホン酸基置換アルキルアニリン カルボン酸基置換アルキルアニリン スルホン酸基置換アルコキシアニリン カルボン酸基置換アルコキシアニリン スルホン酸基置換ヒドロキシアニリン カルボン酸基置換ヒドロキシアニリン スルホン酸基置換ニトロアニリン カルボン酸基置換ニトロアニリン スルホン酸基置換フルオロアニリン カルボン酸基置換フルオロアニリン スルホン酸基置換クロロアニリン カルボン酸基置換クロロアニリン スルホン酸基置換ブロムアニリン および、カルボン酸基置換ブロムアニリンなどを挙げる
ことができ、これらの置換基の位置と組合わせの具体例
を表1に示す。
【0035】
【表1】 ここで、 A:スルホン酸基またはカルボン酸基、そのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩から選ばれ
た一つの基を示し、 B:メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−
プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコ
キシ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;フルオロ基、クロロ
基、ブロム基などのハロゲン基から選ばれた一つの基を
示し、H:水素を示す。
【0036】これらモノマーにおける塩を形成する金属
としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが例示
できる。
【0037】また、置換アンモニウムとしては、脂式ア
ンモニウム類、環式飽和アンモニウム類、環式不飽和ア
ンモニウム類などが挙げられる。
【0038】前記脂式アンモニウム類としては、下記一
般式(11)
【化11】 (式中R45〜R48は、水素、炭素数1〜4のアルキ
ル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
る。)で示される化合物が挙げられる。たとえば、メチ
ルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルア
ンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウ
ム、トリエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウ
ム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアン
モニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニ
ウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアン
モニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウ
ム、メチルプロピルアンモニウム、エチルプロピルアン
モニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、エチルイ
ソプロピルアンモニウム、メチルブチルアンモニウム、
エチルブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウ
ム、テトラメチロールアンモニウム、テトラエチルアン
モニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、テトラse
c−ブチルアンモニウム、テトラt−ブチルアンモニウ
ムなどを例示することができる。なかでも、R45〜R
のうち1つが水素、他の3つが炭素数1〜4のアル
キル基の場合が最も好ましく、ついでR45〜R48
うち2つが水素、他の2つが炭素数1〜4のアルキル基
の場合が好ましい。
【0039】環式飽和アンモニウム類としては、ピペリ
ジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピペラジ
ニウムおよびこれらの骨格を有する誘導体などが例示さ
れる。
【0040】環式不飽和アンモニウム類としては、ピリ
ジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−
ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロ
リニウムおよびこれらの骨格を有する誘導体などが例示
される。
【0041】本発明でpH調製に用いられる酸性化合物
としては、前記酸性基置換アニリン類と塩を形成し、反
応溶液のpHを0.1から5の間にコントロールできる
化合物であれば特に限定されないが、無機酸類、有機酸
類、高分子酸類などが好ましく用いられる。またこれら
の酸性化合物は、それぞれ任意の割合で混合して用いる
こともできる。
【0042】無機酸としては、フッ化水素酸、塩酸、過
塩素酸、次亜塩素酸、臭酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、次
亜ヨウ素酸、リン酸、次亜リン酸、ホウ酸、硫酸、発煙
硫酸、硝酸、酸化クロム等が挙げられる。このなかでは
塩酸、過塩素酸、硫酸、硝酸が実用上好ましい。
【0043】有機酸としては、脂肪族カルボン酸、脂肪
族スルホン酸、脂肪族ホウ酸、脂肪族リン酸、芳香族カ
ルボン酸、芳香族スルホン酸、芳香族ホウ酸、芳香族リ
ン酸、酸性水酸基を有する酸等が挙げられる。
【0044】前記脂肪族スルホン酸としては、クロロス
ルホン酸、メタンスルホン酸、クロロメタンスルホン
酸、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスル
ホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ブロモメタン
スルホン酸、プロピオンスルホン酸、フルオロプロピオ
ンスルホン酸、ブタンスルホン酸、フルオロブタンスル
ホン酸等、およびこれらの骨格を有する誘導体が挙げら
れる。
【0045】芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスル
ホン酸、ハロゲン置換ベンゼンスルホン酸、アルキル置
換ベンゼンスルホン酸、アルコキシ置換ベンゼンスルホ
ン酸、ヒドロキシ基置換ベンゼンスルホン酸、ニトロ基
置換ベンゼンスルホン酸等、およびこれらの骨格を有す
る誘導体が挙げられる。
【0046】前記高分子酸は、ポリスチレンスルホン
酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド
−2−メチルプロパン)スルホン酸、ポリビニル硫酸
等、およびこれらの骨格を有する誘導体が挙げられる。
【0047】次に、本発明でpH調製に用いられる塩基
性化合物としては、前記酸性基置換アニリン類と塩を形
成し、反応溶液のpHを0.1から5の間にコントロー
ルできる化合物であれば特に限定されないが、無機塩基
類、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミ
ン類、などが好ましく用いられる。とりわけ脂式アミン
類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類などが好ま
しい。また、これらの塩基性化合物は、それぞれ任意の
割合で混合して用いることもできる。
【0048】脂式アミン類としては、下記一般式(1
2)
【化12】 (式中、R49〜R51は、炭素数1〜4のアルキル基
よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である。)
で示される化合物、
【0049】または下記一般式(13)
【化13】 (式中、R52〜R55はそれぞれ水素、炭素数1〜4
のアルキル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた
基である。)で示されるハイドロキサイド化合物を挙げ
ることができる。
【0050】環式飽和アミン類としては、ピペリジン、
ピロリジン、モルホリン、ピペラジンおよびこれらの骨
格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロ
キシド化合物などが好ましく用いられる。
【0051】環式不飽和アミン類としては、ピリジン、
α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリ
ン、イソキノリン、ピロリンおよびこれらの骨格を有す
る誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化
合物などが好ましく用いられる。
【0052】無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物の塩など
が好ましく用いられるが、前記の脂式アミン類、環式飽
和アミン類、環式不飽和アミン類を用いた場合に比べる
と得られるポリマーの導電性は劣る傾向にある。
【0053】酸性化合物あるいは塩基性化合物の添加量
は、重合時の反応溶液のpHを0.1以上5以下にコン
トロールする量である。pHが5を超えると、得られる
ポリマー中のアミノ基と酸性化合物、あるいはポリマー
中の酸性基と塩基性化合物が塩を形成する割合が高くな
り導電性が低下する傾向を示し、pHが0.1以下では
モノマーが析出し反応性が低下する傾向を示し、どちら
の条件でもポリマーの性能上好ましくない。
【0054】このときの酸性化合物あるいは塩基性化合
物の添加方法は、重合開始前に予め重合時のpHが0.
1以上5以下になるように調整して添加するか、あるい
は、重合時のpHが0.1以上5以下のなるように重合
時に連続的または非連続的に添加する方法などがある。
【0055】前記アニリン誘導体(ロ)としては、下記
一般式(14)
【化14】 (式中、R56〜R60は、水素、炭素数1〜24の直
鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖また
は分岐のアルコシキ基、水酸基、ニトロ基およびハロゲ
ン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた置換基で
ある。)で示される化合物を挙げることができる。
【0056】前記アニリン誘導体(ロ)として最も代表
的なものは、アニリンであり、その他にメチルアニリ
ン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、iso−
プロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチ
ルアニリン、t−ブチルアニリンなどのアルキルアニリ
ン;メトキシアニリン、エトキシアニリン,n−プロポ
キシアニリン、iso−プロポキシアニリン、n−ブト
キシアニリン、sec−ブトキシアニリン、t−ブトキ
シアアニリンなどのアルコキシアニリン;ヒドロキシア
ニリン;ニトロアニリン;フルオロアニリン、クロロア
ニリン、ブロムアニリンなどのハロゲン化アニリンなど
を挙げることができる。アニリン誘導体(ロ)の共存
は、得られる導電ポリマーの導電性、塗膜性などの改善
に有効な作用を示す。
【0057】また、前記酸性基置換アニリンなどの化合
物(イ)とアニリン誘導体(ロ)との割合(モル比)
は、(イ):(ロ)=100:0〜30:70、好まし
くは99.999:0.001〜50:50、更に好ま
しくは99.999:0.001〜70:30の範囲で
ある。ここで、アニリン誘導体の割合が高い(70を越
える)と得られるポリマー中のスルホン基含有率が充分
でなく、溶解性が低下する傾向にある。
【0058】酸化重合時の酸性基置換アニリンなどの前
記(イ)の化合物および前記(ロ)の化合物の濃度は、
溶媒に対して0.1%以上、好ましくは0.5〜50
%、より好ましくは1〜30%の範囲である。
【0059】重合または共重合は、これら(イ)や
(ロ)の塩基性化合物(モノマー)を含む溶液中、酸化
重合することにより行う。酸化重合時の酸性基置換アニ
リンなどの前記(イ)の化合物および前記(ロ)の化合
物の濃度は、溶媒に対して0.075wt%以上、好ま
しくは0.375〜37.5wt%、より好ましくは
0.75〜22.5wt%の範囲である。溶媒として特
別の制限はないが、好ましい溶媒としては、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリ
ル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等がある。
【0060】酸化重合時に用いる酸化剤は、標準電極電
位が0.6V以上である酸化剤であれば特に限定されな
いが、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、およびペルオキソ二
硫酸カリウムなどのペルオキソ二硫酸類、過酸化水素等
が好ましく用いられる。これらの酸化剤を2種以上併用
しても何ら差し支えない。酸化剤の使用量はモノマー1
モルに対して1〜5モル、好ましくは1〜3モル用いら
れる。
【0061】この際、触媒として鉄、銅などの遷移金属
の化合物を添加することも有効である。
【0062】前述の酸化剤の代わりに、電気的酸化によ
る重合も可能である。電解酸化重合時の電極材料として
は、金、銀、白金、ニッケル、水銀、ステンレス鋼や、
銅、亜鉛、スズ、鉛、鉄、アルミニウム、チタン、ルテ
ニウム、イリジウム、またはこれらの酸化物等の金属板
や網電極、グラッシーカーボン等の炭素電極、ITO、
スズ−インジウム酸化物、酸化錫等の金属酸化物を付与
したガラス電極等を用いることができ、この中でも銀、
白金、チタン、グラッシーカーボン、ITOガラスが好
ましい。
【0063】電解酸化法としては、定電流電解法、定電
位電解法、定電圧電解法のいずれの方法を用いることが
できる。定電流電解重合時の電流密度は、0.01〜5
00mA/cm、好ましくは0.1〜200mA/c
、より好ましくは0.1〜100mA/cmの範
囲である。定電位電解重合時の電位は、Ag/AgCl
標準電極に対して+10V以下、好ましくは−2V〜+
5V、より好ましくは−1V〜+2Vの電位を作用極に
対してかけることが好都合である。
【0064】また、電解質としては必要に応じて、Li
BF、HBF、HClO、HCl、HSO
NaOH、NH等の酸、塩基、塩などを添加すること
ができる。しかし、本方法においては、酸性基置換アニ
リンなどの化合物(イ)自身およびポリマー自身が電解
質として働くため、これら電解質なしでも重合すること
ができる。
【0065】反応温度は、−15〜+70℃の温度範囲
で行うのが好ましく、より好ましくは−5〜+60℃の
範囲が適用される。ここで、−15℃以下、または+7
0℃以上では導電性が低下する傾向がある。
【0066】かくして得られた芳香環にスルホン酸基ま
たはカルボン酸基を含有する酸性基を有する可溶性導電
ポリマーの重量平均分子量は3,000以上、好ましく
は3,000〜1,000,000、さらに好ましくは
5,000〜500,000である。また、芳香環に対
する酸性基の導入割合は、下記式
【数3】(スルホン酸基および/またはカルボン酸基が
置換した繰り返し単位の数)÷(共重合体全体の繰り返
し単位の数)×100(%) で表して、50%以上、好ましくは70%以上、更に好
ましくは80%以上である。ここで、酸性基の導入割合
が50%未満であると、水に対する溶解性が小さくなる
傾向にあり、工業的に適用することが難しくなる。
【0067】この導電性ポリマーは、更にスルホン化操
作を施すことなく、単なる水、アンモニアおよびアルキ
ルアミン等の塩基または酢酸アンモニウム、シュウ酸ア
ンモニウム等の塩基および塩基性塩を含む水、塩酸およ
び硫酸等の酸を含む水またはメチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール等の溶媒またはそ
れらの混合物に溶解することができる。
【0068】溶解性について詳しく説明すると、本発明
における酸性基を有する可溶性導電ポリマーは、0.1
モル/リットルのアンモニア水などのアルカリ水溶液に
1重量%以上溶解し、0.1モル/リットルの硫酸水溶
液などの酸性水溶液に1重量%以上溶解し、単独の水な
どの中性水溶液に1重量%以上溶解し、さらに0.1モ
ル/リットルのアンモニアアルコール溶液などの有機溶
剤に1重量%以上溶解するという性質を有している。
【0069】なお、以上の方法で合成された重合体また
は共重合体は何れも下式(15)の構造を持つと推定さ
れる。
【化15】 〔式中、R61〜R76は、水素、炭素数1〜24の直
鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖また
は分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およ
びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた
基であり、xは、0〜1の任意の数を表し、nは重合度
を示す2〜1500の数である。なお、酸性基の導入割
合は、下記式
【数4】(スルホン酸基および/またはカルボン酸基が
置換した繰り返し単位の数)÷(共重合体全体の繰り返
し単位の数)×100(%) で表して、50%以上含有していることが好ましく、ま
た、ここでいう酸性基はスルホン酸基および/またはカ
ルボン酸基であることが好ましい。〕
【0070】塗布基材としては、PET、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ナイロン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フッ素
樹脂、ポリスルホン、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポ
リウレタン、フェノール樹脂、合成紙などの各種プラス
チックおよびフィルム、紙、鉄、アルミニウム、銅、亜
鉛、ニッケル、ステンレス鋼などが挙げられる。塗布工
程は、これら基材の製造工程、例えば一軸延伸法、二軸
延伸法、成形加工、エンボス加工などの工程前または工
程中に行ってもよく、これら処理工程が完成した基材に
対して行うこともできる。
【0071】また、該ポリマーを主成分とする組成物
は、各種帯電防止、制電、コンデンサー、電池、EMI
シールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食
剤、接着剤、繊維、帯電防止塗料、電着塗料、メッキプ
ライマー、静電塗装の下地、電気防食、電池の蓄電能力
の向上等に適用可能である。また、該ポリマーは、導電
性の湿度依存性がなく、透明性が高く、しかも延伸加工
や成形加工、エンボス加工等が可能なため各種帯電防止
用途への適合性が優れている。
【0072】帯電防止用途としては、包装材料、磁気カ
ード、磁気テープ、磁気ディスク、写真フィルム、印刷
基材、離型フィルム、ヒートシールテープ・フィルム、
ICトレイ、ICキャリアテープ、カバーテープなどが
ある。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0074】〔測定法〕IRスペクトルはパーキンエル
マー製(モデル1600)の装置を用いて測定した。分
子量分布および分子量の測定には、水溶液用のGPCカ
ラムを用いて、GPC測定(ポリスチレンスルホン酸換
算)を行った。カラムは水溶液用のもの;Waters
社製のUltrahydrogel120+Ultra
hydrogel250の2種類を直列に連結して用い
た。また、溶離液には20%メタノール−80%(0.
15モル/リットルの亜硝酸ナトリウム+0.05モル
/リットルのリン酸水素二ナトリウム)バッファー溶液
を用いた。導電性は、導電率の測定には4端子法、表面
抵抗の測定には2端子法を用いた。
【0075】実施例1 0.1モル/リットル濃度のピリジン水溶液200ml
に、2−アミノアニソール−4−スルホン酸 4.1
gを溶解(重合溶液のpH=4.3、以下同様)し、こ
の溶液に作用極としてグラッシーカーボン、陰極として
白金を浸漬し、撹拌しながら室温下で+1.0V(v
s.Ag/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行
った。電解重合開始直後より重合極表面で重合反応が生
じ、30分後には無色透明の反応溶液は茶褐色へと変化
した。重合開始から徐々にpHは低下し続け、10時間
後(pH=1.8)に0.1モル/リットル濃度のピリ
ジン水溶液を4.0ml後添加(pH=4.3まで上
昇)して、さらに5時間重合させた。重合反応終了後に
重合極上へのポリマーの析出等はなく、重合液は均一で
あった(pH=2.0)。また、重合極からの金属成分
の溶出やモノマー、オリゴマー等はほとんど検出されな
かった。
【0076】得られた重合液をスピンコート法によりガ
ラス基板上に塗布し100℃で乾燥させた。膜厚0.1
μmの表面の平滑な表面抵抗値7×10Ω/□のフィ
ルムが得られた。
【0077】分子量測定の結果、数平均分子量(Mn)
3000、重量平均分子量(Mw)12500、Z平均
分子量37500、分散度Mw/Mn=4.2、Mz/
Mw=3.0であった。
【0078】得られた重合液を減圧濃縮しポリマーを単
離し、ポリマー溶解量を測定した。方法は、水、0.1
モル/リットルの硫酸水溶液、または、0.1モル/リ
ットルのアンモニア水10mlにポリマーを少量ずつ加
え溶解しなくなったところで濾過し求めた。実施例1に
て合成した可溶性導電ポリマーの溶解量は、 水に対して 255mg/ml 硫酸に対して 225mg/ml アンモニア水に対して 280mg/ml であった。
【0079】実施例2 0.1モル/リットル濃度のピリジン水溶液200ml
に2−アミノベンゼンスルホン酸3.5gを溶解(重合
溶液のpH=4.1)し、この溶液に作用極としてグラ
ッシーカーボン、陰極として白金を浸漬し、撹拌しなが
ら室温下で+1.5V(vs.Ag/AgCl)の定電
圧を印加して電解重合を行った。重合開始から徐々にp
Hは低下し続け、12.5時間後(重合溶液のpH=
2.1)に0.1モル/リットル濃度のピリジン水溶液
4.0ml後添加(重合溶液のpH=4.1まで上昇)
して、更に5時間重合させた。重合反応終了後に重合極
上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一であった
(重合溶液のpH=2.2)。また、重合極からの金属
成分の溶出やモノマー、オリゴマー等はほとんど検出さ
れなかった。得られた重合液をスピンコート法によりガ
ラス基板上に塗布し80℃で乾燥させた。膜厚0.1μ
mの表面の平滑な表面抵抗値5×10Ω/□のフィル
ムが得られた。
【0080】実施例3 0.1モル/リットル濃度のトリエチルアミン水溶液2
00mlに2−アミノベンゼンスルホン酸3.5gとア
ニリン0.1gを溶解(重合溶液のpH=4.0)し、
この溶液に作用極としてITO電極、陰極として白金を
浸漬し、撹拌しながら室温下で+1.8V(vs.Ag
/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行った。重
合開始からpHは徐々に低下し続け、9時間後(重合溶
液のpH=2.3)に0.1モル/リットル濃度のトリ
エチルアミン水溶液3.0ml後添加(重合溶液のpH
=4.0まで上昇)して、更に3時間重合させた(重合
溶液のpH=2.2)。重合反応終了後に重合極上への
ポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。また、
重合極からの金属成分の溶出や、モノマー、オリゴマー
等はほとんど検出されなかった。得られた重合液をスピ
ンコート法によりガラス基板上に塗布し100℃で乾燥
させた。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値1×
10Ω/□のフィルムが得られた。
【0081】実施例4 実施例1で得られた重合体溶液100重量部と架橋剤と
してのポリビニルアルコール5重量部とを室温で撹拌溶
解し、架橋性導電性組成物を調製した。このようにして
得られた溶液を深度40μmのグラビアコーターにより
PETフィルム上に塗布し、150℃で乾燥させた。膜
厚0.8μm表面の平滑な表面抵抗値9×10Ω/□
のフィルムが得られた。この導電膜を水、アセトンに浸
漬させたが、膜は架橋しており溶解、剥離等は観察され
なかった。
【0082】実施例5 実施例1で得られた重合体溶液100重量部と架橋剤と
してのポリビニールアルコール5重量部と水系アクリル
エマルジョン樹脂〔ニカゾールRX−301C,日本カ
ーバイド(株)製〕100重量部を、水100重量部に
室温で撹拌溶解し、架橋性導電性組成物を調製した。こ
のようにして得られた溶液を亜鉛メッキ板(20mm×
50mm×1mm)にディップコート法により塗布し、
150℃で乾燥させ、0.5μmの導電層を形成した。
この導電層付きの亜鉛板(NO.1)と、比較としてク
ロム化合物を塗布した亜鉛板(塗布厚5〜6μm)(N
O.2)および亜鉛板(NO.3)を40℃で塩水噴霧
(JIS−K−5400法に準じる)を行い、それぞれ
防食試験を行った。これらの結果を表2に示す。本発明
のものが抜群に優れていることが明らかである。
【0083】
【表2】
【0084】実施例6 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液30ml
に2−アミノアニソール−4−スルホン酸3.1gを溶
解(重合溶液のpH=4.5)し、この溶液に作用極と
して白金、陰極としてグラッシーカーボンを浸漬し、撹
拌しながら室温下で+0.8V(vs.Ag/AgC
l)の定電圧を印加して電解重合を行った。印加開始直
後より作用極表面で重合反応が生じ、当初は無色透明で
あった反応液は5分後には黒緑色へと変化した。重合開
始からpHは徐々に低下し続け、15時間後(重合溶液
のpH=1.8)に、0.5モル/リットル濃度のアン
モニア水溶液0.15ml後添加(重合溶液のpH=
4.6まで上昇)して、更に5時間重合させた(重合溶
液のpH=2.2)。重合反応終了後に作用極上へのポ
リマーの析出等はなく重合液は均一であった。また、作
用極からの金属成分の溶出や、モノマー、オリゴマー等
はほとんど検出されなかった。得られた重合液をスピン
コート法によりガラス基板上に塗布し100℃で乾燥さ
せた。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値5×1
Ω/□のフィルムが得られた。
【0085】実施例7 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液500m
lに2−アミノアニソール−4−スルホン酸51.5g
を溶解した(重合溶液のpH=4.5)。この溶液に作
用極として白金、陰極としてグラッシーカーボンとした
直列フロースルーセルに溶液をポンプを用いて流速10
0ml/分で循環させながら、室温下で+0.5V(v
s.Ag/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行
った。印加開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、
無色透明であった反応液は30分後には黒緑色へと変化
した。重合開始からpHは徐々に低下し続け、50時間
後(重合溶液のpH=1.8)に0.5モル/リットル
濃度のアンモニア水溶液2.5ml後添加(重合溶液の
pH=4.6まで上昇)して、更に25時間重合させた
(重合溶液のpH=2.2)。重合反応終了後に作用極
上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。
また、作用極からの金属成分の溶出や、オリゴマー等は
ほとんど検出されなかった。得られた重合液をスピンコ
ート法によりガラス基板上に塗布し80℃で乾燥させ
た。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値2×10
Ω/□のフィルムが得られた。
【0086】実施例7で得られた可溶性導電ポリマーの
IRチャートを図1に示す。IRスペクトルの帰属は、
つぎのとおりである。 スルホン基;1120、1020cm−1付近 ポリマーの骨格;1500cm−1付近の吸収
【0087】実施例7で得られた可溶性導電ポリマーの
GPC測定チャートを図2に示す。分子量測定の結果、
数平均分子量(Mn)2900、重量平均分子量(M
w)13000、Z平均分子量38500、分散度Mw
/Mn=4.5、Mz/Mw=2.9であった。
【0088】実施例7における、モノマー転化率の経時
変化のチャートを図3に示す。
【0089】実施例7における、重合溶液のpH経時変
化のチャートを図4に示す。
【0090】実施例8 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液500m
lに2−アミノベンゼンスルホン酸43.3gを溶解し
た(重合溶液のpH=4.5)。この溶液に作用極とし
て白金、陰極としてグラッシーカーボンとした直列フロ
ースルーセルに溶液をポンプを用いて流速100ml/
分で循環させながら、室温下で+1.5V(vs.Ag
/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行った。印
加開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、無色透明
であった反応液は5分後には黒緑色へと変化した。重合
開始からpHは徐々に低下し続け、20時間後(重合溶
液のpH=2.0)に0.5モル/リットル濃度のアン
モニア水溶液2.5ml後添加(重合溶液のpH=4.
5まで上昇)して、更に5時間重合させた(重合溶液の
pH=2.5)。重合反応終了後に作用極上へのポリマ
ーの析出等はなく重合液は均一であった。また、作用極
からの金属成分の溶出や、オリゴマー等はほとんど検出
されなかった。得られた重合液をスピンコート法により
ガラス基板上に塗布し80℃で乾燥させた。膜厚0.1
μmの表面の平滑な表面抵抗値9×10Ω/□のフィ
ルムが得られた。
【0091】実施例9 0.5モル/リットル濃度のピリジン水溶液500ml
にインドール−5−カルボン酸40.3gを溶解した
(重合溶液のpH=4.2)。この溶液に作用極として
白金、陰極としてグラッシーカーボンとした直列フロー
スルーセルに溶液をポンプを用いて流速100ml/分
で循環させながら、室温下で+1.2V(vs.Ag/
AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行った。印加
開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、無色透明で
あった反応液は5分後には黒緑色へと変化した。重合開
始からpHは徐々に低下し続け、15時間後(重合溶液
のpH=2.2)に、0.5モル/リットル濃度のピリ
ジン水溶液5.0ml後添加(重合溶液のpH=4.4
まで上昇)して、更に5時間重合させた(重合溶液のp
H=2.5)。重合反応終了後に作用極上へのポリマー
の析出等はなく重合液は均一であった。また、作用極か
らの金属成分の溶出や、オリゴマー等はほとんど検出さ
れなかった。得られた重合液をスピンコート法によりガ
ラス基板上に塗布し100℃で乾燥させた。膜厚0.1
μmの表面の平滑な表面抵抗値1×10 Ω/□のフィ
ルムが得られた。
【0092】実施例10 2―アミノアニソール−4―スルホン酸100mmol
を5℃で、4mモル/リットル濃度のトリエチルアミン
水溶液25mlに溶解し、その中へペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム100mmolを含む水溶液100mlを一
時間かけて滴下した。反応系内のpHは、滴下開始時が
pH4.5、滴下終了時がpH2.5であり、pH最低
値1.0を示した際の酸化剤滴下量は、0.2当量滴下
した時であった。滴下終了後25℃で12時間さらに攪
拌したのち、反応生成物を遠心濾過器により濾別後、メ
タノールにより洗浄後乾燥し、重合体粉末17gを得
た。この粉末3gを100mlの水に4時間40℃にて
溶解させて、得られた水溶液をスピンコート法によりガ
ラス基板上に塗布し100℃で乾燥させた。膜厚0.1
μmの表面の平滑な表面抵抗値1×10Ω/□のフィ
ルムが得られた。
【0093】比較例1(pH5以上で反応を開始した
例) 0.1モル/リットル濃度のピリジン水溶液220ml
に2−アミノアニソール−4−スルホン酸4.1gを溶
解(重合溶液のpH=7.8)し、この溶液に作用極と
してグラッシーカーボン、陰極として白金を浸漬し、撹
拌しながら室温下で+1.0V(vs.Ag/AgC
l)の定電圧を印加して電解重合を行った。電解重合開
始直後より重合極表面で重合反応が生じ、30分後には
無色透明の反応溶液は茶褐色へと変化した。重合開始か
ら徐々にpHは低下し続け、15時間重合させた(重合
溶液のpH=1.9)。重合反応終了後に重合極上への
ポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。また、
重合極からの金属成分の溶出や、モノマー、オリゴマー
等はほとんど検出されなかった。得られた重合液をスピ
ンコート法によりガラス基板上に塗布し100℃で乾燥
させた。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値8×
10Ω/□のフィルムが得られた。
【0094】比較例2(pH5以上で反応を開始した
例) 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液35ml
に2−アミノアニソール−4−スルホン酸3.1gを溶
解(重合溶液のpH=8.5)し、この溶液に作用極と
して白金、陰極としてグラッシーカーボンを浸漬し、撹
拌しながら室温下で+0.8V(vs.Ag/AgC
l)の定電圧を印加して電解重合を行った。印加開始直
後より作用極表面で重合反応が生じ、当初は無色透明で
あった反応液は5分後には黒緑色へと変化した。重合開
始からpHは徐々に低下し続け、20時間重合させた
(重合溶液のpH=1.8)。重合反応終了後に作用極
上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。
また、作用極からの金属成分の溶出や、モノマー、オリ
ゴマー等はほとんど検出されなかった。得られた重合液
をスピンコート法によりガラス基板上に塗布し100℃
で乾燥させた。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗
値9×10 Ω/□のフィルムが得られた。
【0095】比較例3(pH5以上で反応を開始した
例) 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液510m
lに2−アミノアニソール−4−スルホン酸51.5g
を溶解した(重合溶液のpH=7.5)。この溶液に作
用極として白金、陰極としてグラッシーカーボンとした
直列フロースルーセルに溶液をポンプを用いて流速10
0ml/分で循環させながら、室温下で+0.5V(v
s.Ag/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行
った。印加開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、
無色透明であった反応液は30分後には黒緑色へと変化
した。重合開始からpHは徐々に低下し続け、78時間
重合させた(重合溶液のpH=1.8)。重合反応終了
後に作用極上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一
であった。また、作用極からの金属成分の溶出や、オリ
ゴマー等はほとんど検出されなかった。得られた重合液
をスピンコート法によりガラス基板上に塗布し100℃
で乾燥させた。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗
値3×10Ω/□のフィルムが得られた。
【0096】比較例3で得られた可溶性導電ポリマーの
GPC測定チャートを図5に示す。分子量測定の結果、
数平均分子量(Mn)1300、重量平均分子量(M
w)7800、Z平均分子量24100、分散度Mw/
Mn=6.0、Mz/Mw=3.1であった。比較例3
における、モノマー転化率の経時変化のチャートを図6
に示す。比較例3における、重合溶液のpH経時変化の
チャートを図7に示す。
【0097】比較例4(pH5以上で反応を開始した
例) 0.5モル/リットル濃度のピリジン水溶液520ml
にインドール−5−カルボン酸40.3gを溶解した
(重合溶液のpH=6.8)。この溶液に作用極として
白金、陰極としてグラッシーカーボンとした直列フロー
スルーセルに溶液をポンプを用いて流速100ml/分
で循環させながら、室温下で+1.2V(vs.Ag/
AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行った。印加
開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、無色透明で
あった反応液は5分後には黒緑色へと変化した。重合開
始からpHは徐々に低下し続け、20時間重合させた
(重合溶液のpH=2.1)。重合反応終了後に作用極
上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。
また、作用極からの金属成分の溶出や、オリゴマー等は
ほとんど検出されなかった。得られた重合液をスピンコ
ート法によりガラス基板上に塗布し100℃で乾燥させ
た。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値9×10
Ω/□のフィルムが得られた。
【0098】比較例5 2―アミノアニソール−4―スルホン酸100mmol
を5℃で、5mモル/リットル濃度のトリエチルアミン
水溶液22mlに溶解し、その中へペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム100mmolを含む水溶液100mlを一
時間かけて滴下した。反応系内のpHは、滴下開始時が
pH7.5、滴下終了時がpH2.8であり、pH最低
値1.4を示した際の酸化剤滴下量は、0.2当量滴下
した時であった。滴下終了後25℃で12時間さらに攪
拌したのち、反応生成物を遠心濾過器にて濾別後、メタ
ノールにて洗浄後乾燥し、重合体粉末14gを得た。こ
の粉末3gを100mlの水に4時間40℃にて溶解さ
せて、得られた水溶液をスピンコート法によりガラス基
板上に塗布し100℃で乾燥させた。膜厚0.1μmの
表面の平滑な表面抵抗値3×10Ω/□のフィルムが
得られた。
【0099】実施例11(pH5以下で反応を開始し、
途中下限のpH0.1に達した例) 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液500m
lに2−アミノアニソール−4−スルホン酸51.5g
を溶解した(重合溶液のpH=4.5)。この溶液に作
用極として白金、陰極としてグラッシーカーボンとした
直列フロースルーセルに溶液をポンプを用いて流速10
0ml/分で循環させながら、室温下で+0.5V(v
s.Ag/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行
った。印加開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、
無色透明であった反応液は30分後には黒緑色へと変化
した。重合開始からpHは徐々に低下し続け、35時間
後(重合溶液のpH=2.5)に0.5モル/リットル
濃度の硫酸水溶液1.5ml後添加(重合溶液のpH=
0.1まで降下)して、更に15時間重合させた(重合
溶液のpH=1.2)。重合反応終了後に作用極上への
ポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。また、
作用極からの金属成分の溶出や、オリゴマー等はほとん
ど検出されなかった。得られた重合液をスピンコート法
によりガラス基板上に塗布し80℃で乾燥させた。膜厚
0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値4×10Ω/□
のフィルムが得られた。
【0100】比較例6 比較例1にて得られた重合体溶液100重量部と架橋剤
としてポリビニルアルコール5重量部を室温で撹拌溶解
し、架橋性導電性組成物を調製した。このようにして得
られた溶液を深度40μmのグラビアコーターによりP
ETフィルム上に塗布し、150℃で乾燥させた。膜厚
0.8μm表面の平滑な表面抵抗値7×10Ω/□の
フィルムが得られた。この導電膜を水、アセトンに浸漬
させたが、膜は架橋しており溶解、剥離等は観察されな
かった。
【0101】比較例7(pH5以上で反応を開始し、途
中で再度pHを5以上に調整) 0.1モル/リットル濃度のピリジン水溶液220ml
に2−アミノアニソール−4−スルホン酸4.1gを溶
解(重合溶液のpH=7.8)し、この溶液に作用極と
してグラッシーカーボン、陰極として白金を浸漬し、撹
拌しながら室温下で+1.0V(vs.Ag/AgC
l)の定電圧を印加して電解重合を行った。電解重合開
始直後より重合極表面で重合反応が生じ、30分後には
無色透明の反応溶液は明茶褐色へと変化した。重合開始
から徐々にpHは低下し続け、10時間後(重合溶液の
pH=2.2)に0.1モル/リットル濃度のピリジン
水溶液を4.0ml後添加(重合溶液のpH=7.3ま
で上昇)して、さらに5時間重合させた。重合反応終了
後に重合極上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一
であった(重合溶液のpH=2.8)。また、重合極か
らの金属成分の溶出やモノマー、オリゴマー等はほとん
ど検出されなかった。得られた重合液をスピンコート法
によりガラス基板上に塗布し100℃で乾燥させた。膜
厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値3×10Ω/
□のフィルムが得られた。
【0102】比較例8(pH5以下で反応を開始した
が、終了時のpHが5以上の例) 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液500m
lに2−アミノアニソール−4−スルホン酸51.5g
を溶解した(重合溶液のpH=4.5)。この溶液に作
用極として白金、陰極としてグラッシーカーボンとした
直列フロースルーセルに溶液をポンプを用いて流速10
0ml/分で循環させながら、室温下で+0.5V(v
s.Ag/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行
った。印加開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、
無色透明であった反応液は30分後には黒緑色へと変化
した。重合開始からpHは徐々に低下し続け、35時間
後(重合溶液のpH=2.5)に0.5モル/リットル
濃度のアンモニア水溶液2.0ml後添加(重合溶液の
pH=7.1まで上昇)して、更に15時間重合させた
(重合溶液のpH=5.2)。重合反応終了後に作用極
上へのポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。
また、作用極からの金属成分の溶出や、オリゴマー等は
ほとんど検出されなかった。得られた重合液をスピンコ
ート法によりガラス基板上に塗布し80℃で乾燥させ
た。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面抵抗値2×10
Ω/□のフィルムが得られた。
【0103】比較例9(pH5以下で反応を開始した
が、終了時のpHが0.1以下になった例) 0.5モル/リットル濃度のアンモニア水溶液500m
lに2−アミノアニソール−4−スルホン酸51.5g
を溶解した(重合溶液のpH=4.5)。この溶液に作
用極として白金、陰極としてグラッシーカーボンとした
直列フロースルーセルに溶液をポンプを用いて流速10
0ml/分で循環させながら、室温下で+0.5V(v
s.Ag/AgCl)の定電圧を印加して電解重合を行
った。印加開始直後より作用極表面で重合反応が生じ、
無色透明であった反応液は30分後には黒緑色へと変化
した。重合開始からpHは徐々に低下し続け、35時間
後(重合溶液のpH=2.5)に0.5モル/リットル
濃度の硫酸水溶液3.5ml後添加(重合溶液のpH=
0.02まで降下)して、更に15時間重合させた(重
合溶液のpH=0.05)。重合反応終了後に作用極上
へのポリマーの析出等はなく重合液は均一であった。ま
た、作用極からの金属成分の溶出はなかった。得られた
重合液をスピンコート法によりガラス基板上に塗布し8
0℃で乾燥させた。膜厚0.1μmの表面の平滑な表面
抵抗値8×10Ω/□のフィルムが得られた。
【0104】
【効果】本発明によれば、従来の化学酸化重合では得ら
れない高い導電性および溶解性を有し、且つ残存するモ
ノマーを低減し高分子量の可溶性導電ポリマーを製造す
ることができた。また、モノマーおよびポリマーは電解
質として働くため、通常の電解酸化重合で必須な電解質
が不必要であり、電解質や残存するモノマーと可溶性導
電ポリマーを分離する操作を省略することができる。従
って、重合液をそのままコーティング剤等の製品として
使用できるため、工業的に好都合である。更に、重合し
たポリマーが反応液に可溶であるため、連続電解重合シ
ステムが適用でき、工業的大量生産を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7におけポリマーのIRチャートであ
る。
【図2】実施例7におけるポリマーのGPCチャートで
ある。
【図3】実施例7におけるモノマー転化率(変換率)の
チャートである。
【図4】実施例7における重合溶液のpH経時変化のチ
ャートである。
【図5】比較例3におけるポリマーのGPCチャートで
ある。
【図6】比較例3におけるモノマー転化率(変換率)の
チャートである。
【図7】比較例3における重合溶液のpH経時変化のチ
ャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 隆司 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社化成品開発研究所内 (72)発明者 清水 茂 東京都港区港南一丁目6番41号 三菱レイ ヨン株式会社内 Fターム(参考) 4J032 BA03 BA04 BA08 BA09 BA13 BA14 BA18 BB01 BB03 BC21 BC22 BC24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性基置換アニリン、酸性基置換アミノ
    ナフタレン、酸性基置換アミノアントラセン、酸性基置
    換ピロール、酸性基置換インドール、酸性基置換チオフ
    ェン、酸性基置換ベンゾチオフェン、酸性基置換フラ
    ン、酸性基置換ベンゾフラン、酸性基置換セレノフェ
    ン、酸性基置換ベンゾセレノフェン、酸性基置換テルロ
    フェン、酸性基置換ベンゾテルロフェン、これらの金属
    塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩よりなる
    群から選ばれた少なくとも一種の化合物(イ)を酸化重
    合させて酸性基を有する可溶性導電性ポリマーを製造す
    る方法において、重合時のpHを0.1以上5以下にコ
    ントロールすることを特徴とする酸性基を有する可溶性
    導電性ポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】(イ)酸性基置換アニリン、酸性基置換ア
    ミノナフタレン、酸性基置換アミノアントラセン、酸性
    基置換ピロール、酸性基置換インドール、酸性基置換チ
    オフェン、酸性基置換ベンゾチオフェン、酸性基置換フ
    ラン、酸性基置換ベンゾフラン、酸性基置換セレノフェ
    ン、酸性基置換ベンゾセレノフェン、酸性基置換テルロ
    フェン、酸性基置換ベンゾテルロフェン、これらの金属
    塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩よりなる
    群から選ばれた少なくとも一種の化合物と、(ロ)アニ
    リン誘導体、アミノナフタレン誘導体、アミノアントラ
    セン誘導体、ピロール誘導体、インドール誘導体、チオ
    フェン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、フラン誘導
    体、ベンゾフェノン誘導体、セレノフェン誘導体、ベン
    ゾセレノフェン誘導体、テルロフェン誘導体、ベンゾテ
    ルロフェン誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも一
    種の化合物を酸化重合させて酸性基を有する可溶性導電
    性ポリマーを製造する方法において、重合時のpHを
    0.1以上5以下にコントロールすることを特徴とする
    酸性基を有する可溶性導電性ポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(イ)の化合物において、前記酸性
    基置換アニリン、酸性基置換アミノナフタレン、酸性基
    置換アミノアントラセンが、下記一般式(1) 【化1】 (式中、R、R、R、R、R、R、R
    よびRは、水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
    アルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコ
    シキ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よ
    りなる群からそれぞれ独立して選ばれた置換基であり、
    そのうちの少なくとも二つは、一方が酸性基、他方がア
    ミノ基あるいは置換アミノ基をであり、nは0〜2の整
    数である。)で示される化合物であり、前記酸性基置換
    ピロール、酸性基置換インドール、酸性基置換チオフェ
    ン、酸性基置換ベンゾチオフェン、酸性基置換フラン、
    酸性基置換ベンゾフラン、酸性基置換セレノフェン、酸
    性基置換ベンゾセレノフェン、酸性基置換テルロフェ
    ン、酸性基置換ベンゾテルロフェンが、下記一般式
    (2)および一般式(3) 【化2】 【化3】 (式中、Z′およびZ″は、NH、S、O、Seお
    よびTeよりなる群からそれぞれ独立して選ばれたもの
    であり、R′、R′、R′、R′ 、R″
    R″、R″、R″、R″およびR″は、水
    素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭
    素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性
    基、水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から
    それぞれ独立して選ばれた置換基であり、そのうちの少
    なくとも一つは酸性基を示す。)で示される化合物であ
    る請求項1または2記載の酸性基を有する可溶性導電性
    ポリマーの製造方法。
  4. 【請求項4】前記(ロ)の化合物において、前記アニリ
    ン誘導体、アミノナフタレン誘導体、アミノアントラセ
    ン誘導体が、下記一般式(4) 【化4】 (式中、R、R10、R11、R12、R13、R
    14、R15およびR16は、水素、炭素数1〜24の
    直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖ま
    たは分岐のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基およびハロ
    ゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた置換基
    であり、そのうちの少なくとも一つはアミノ基あるいは
    置換アミノ基であり、n′は0〜2の整数である。)で
    示される化合物であり、前記ピロール誘導体、インドー
    ル誘導体、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン誘導
    体、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、セレノフェン
    誘導体、ベンゾセレノフェン誘導体、テルロフェン誘導
    体、ベンゾテルロフェン誘導体が、一般式(5)または
    一般式(6) 【化5】 【化6】 (式中、Z′およびZ″は、NH、S、O、Seお
    よびTeよりなる群かそれぞれ独立して選ばれたもので
    あり、R′、R′、R′、R′、R″、R″
    、R″、R″10、R″11およびR″12は、水
    素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭
    素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性
    基、水酸基、ニトロ基およびハロゲン基よりなる群から
    それぞれ独立して選ばれた置換基を示す。)で示される
    化合物である請求項2または3記載の酸性基を有する可
    溶性導電性ポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物(イ)と前記化合物(ロ)と
    の割合(モル比)が、(イ):(ロ)=100:0〜3
    0:70の範囲である請求項2〜4いずれか記載の酸性
    基を有する可溶性導電性ポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸化重合が、電解酸化重合である請
    求項1〜5いずれか記載の酸性基を有する可溶性導電性
    ポリマーの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電解酸化重合が、直列、並列または
    その組み合わせにより結合したフロースルーセルを用い
    て連続的に行うものである請求項6記載の酸性基を有す
    る可溶性導電性ポリマーの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸性基が、スルホン酸基またはカル
    ボン酸基である請求項1〜7いずれか記載の酸性基を有
    する可溶性導電性ポリマーの製造方法。
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