JP2001205086A - 白金−ルテニウム合金担持触媒の製造方法 - Google Patents

白金−ルテニウム合金担持触媒の製造方法

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JP2001205086A
JP2001205086A JP2000017184A JP2000017184A JP2001205086A JP 2001205086 A JP2001205086 A JP 2001205086A JP 2000017184 A JP2000017184 A JP 2000017184A JP 2000017184 A JP2000017184 A JP 2000017184A JP 2001205086 A JP2001205086 A JP 2001205086A
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Masayuki Oguri
雅之 小栗
Koki Sasaki
幸記 佐々木
Tomomi Asaki
知美 朝木
Yoshio Takasu
芳雄 高須
Yasushi Murakami
泰 村上
Wataru Sugimoto
渉 杉本
Satoru Fujiwara
哲 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な白金−ルテニウム合金粒子を高度に分
散した状態で担持させることができ、且つ高触媒量の担
持触媒を容易に製│造することができる方法を提供する
こと。 【解決手段】 式 [Pt(NH3)x(NO2)yL]Az 式中、Lはアルコキシ基、アルカノイル基又はアルカノ
イルオキシ基を表し、AはH、NO2又はNO3を表し、
xは0、1又は2であり、且つyは1、2又は3であ
り、ただし、xとyの合計は中心白金の電荷によって変
わり3〜5であり、zは中心金属の電荷によって変わり
(y−1)〜(y−3)である、で示される白金アンミン系
錯体及び塩素を含まないルテニウム塩をカーボン粉末に
付着させた状態で還元することを特徴とする白金−ルテ
ニウム合金担持触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は白金−ルテニウム合
金担持触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白金−ルテニウム合金担持触媒は、主に
燃料電池用触媒として使用されている。燃料電池では、
一般に、燃料として天然ガスやメチルアルコールなどを
改質して得られる水素リッチなガスが用いられる。とこ
ろが、このような改質ガスは数%の一酸化炭素を含有し
ているのが通常である。このような一酸化炭素を含有す
るガスを燃料電池の燃料として用いた場合、特に低温に
おいて、りん酸型燃料電池に触媒として一般的に用いら
れている白金が一酸化炭素により被毒されることによ
り、りん酸型燃料電池の出力特性が大きく低下する現象
があることはよく知られていることである。
【0003】そこで、従来から、この現象を防ぐため
に、特に低温にて起動するかあるいは作動する固体高分
子型燃料電池(PEFC)では、そのアノード触媒とし
て白金単独のかわりに白金−ルテニウム系の触媒がよく
用いられている。
【0004】一酸化炭素を含む水素リッチなガスに対す
る触媒活性は、触媒粒子を微細化し且つ担体上に均一に
分散させることにより増大する。
【0005】白金−ルテニウム合金担持触媒の製造法と
しては、従来からいくつかの方法が知られており、例え
ば、特開昭63−213260号公報には、カーボン粉
末を塩化白金酸水溶液に含浸し、これにヒドラジン、水
素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を加え、白金を還元す
ることにより得られる白金担持触媒を塩化ルテニウム水
溶液と充分に接触させ、液のpHをアルカリ性としてル
テニウムの水酸化物を担体上に析出させ、ついで、水素
気流中で熱処理して水酸化ルテニウムを金属ルテニウム
に還元し、さらに、不活性ガス中で熱処理して合金化す
る方法が開示されており、また、特開平1−30926
2号公報には、ホルマリンを還元剤として含有する水溶
液を母液とし、これに塩化白金酸と塩化ルテニウムを含
む水溶液を滴下し、白金−ルテニウム合金コロイド溶液
を予め作製し、この溶液をカーボン粉末の分散水溶液に
滴下しさらに硝酸塩を加えてコロイド粒子をカーボン粉
末に担持させることにより得られる、白金−ルテニウム
合金触媒の格子定数の値が0.035Å〜0.1Åの範
囲内にある白金−ルテニウム合金担持触媒からなる電極
触媒が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭6
3−213260号公報に記載の方法では、白金とルテ
ニウムの担持量が少ない場合には比較的分散した担持触
媒が得られるものの、担持量を増やした場合には、高温
で合金化する過程で触媒粒子の凝集が起こり、十分に満
足し得る製品がえられない。一方、特開平1−3092
62号公報に記載の担持触媒では、一酸化炭素の吸着に
よる触媒被毒に対して優れた効果が得られるものの、白
金−ルテニウム合金コロイド粒子の担体への吸着率が低
く歩留まりが悪く、また、高触媒量の担持触媒が得にく
いという問題がある。
【0007】本発明の主たる目的は、微細な白金−ルテ
ニウム合金粒子を高度に分散した状態で担持させること
ができ、且つ高触媒量の担持触媒、特に燃料電池用の触
媒を容易に製造することができる方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式 [Pt(NH3)x(NO2)yL]Az (I) 式中、Lはアルコキシ基、アルカノイル基又はアルカノ
イルオキシ基を表し、AはH、NO2又はNO3を表し、
xは0、1又は2であり、且つyは1、2又は3であ
り、ただし、xとyの合計は中心白金の電荷によって変
わり3〜5であり、zは中心金属の電荷によって変わり
(y−1)〜(y−3)である、で示される白金アンミン系
錯体及び塩素を含まないルテニウム塩をカーボン粉末に
付着させた状態で還元することを特徴とする白金−ルテ
ニウム合金担持触媒の製造方法を提供するものである。
【0009】白金アンミン系錯体及び塩素を含まないル
テニウム塩のカーボン粉末への付着は、一般に、白金ア
ンミン系錯体を溶存種として含有し且つ該ルテニウム塩
を溶解する溶液をカーボン粉末に適用することによって
行うことができる。以下、本発明の方法について更に詳
細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の方法において白金前駆体
として使用される前記式(I)の白金アンミン系錯体
は、それ自体既知のものであり(特開平8−17617
5号公報参照)、例えば、2価のジニトロジアンミン白
金塩を硝酸で処理し、得られるトリニトロジアンミン白
金塩をアルコールと反応させることによって製造するこ
とができる。
【0011】ここで原料として使用される2価のジニト
ロジアンミン白金塩は、それ自体概知の化合物であり、
例えば、白金を王水に溶解し、その後脱硝を行い塩化白
金酸水溶液とした後、亜硝酸を加え煮沸して亜硝酸白金
溶液を得、次いでこの溶液にアンモニア水を加え反応さ
せることにより製造することができる。また、2価のジ
ニトロジアンミン白金塩は平面4配位錯体であり、シス
型及びトランス型の形態を持つが、上記式(I)の白金
ニトロアンミン錯体を製造するにあたっては、いずれの
形態の錯体を用いてもよくあるいはその混合物を用いて
もよく、いかなる市販品を用いることも可能である。
【0012】このようにして得られる2価のジニトロジ
アンミン白金塩は、硝酸水溶液、通常濃度が200〜7
00g/dm3の硝酸水溶液中に60〜112℃におい
て溶解し、約3〜約16時間維持することにより、4価
の白金錯体、例えばトリニトロジアンミン白金塩を生成
させることができる。
【0013】より具体的には、白金換算で350〜60
0g/dm3のジニトロジアンミン白金塩を硝酸濃度が
450〜700g/dm3の硝酸水溶液に溶解し、該溶
液を常圧で107℃以上の煮沸条件下に約3〜約6時間
維持することにより、4価の白金錯体を得ることができ
る。この4価の白金錯体の生成は、JIS−K8153
に記載の方法に従い、JIS特級試薬に該当する塩化白金
酸6水和物の吸光度と対比することにより確認すること
ができ、その生成量は、通常、塩化白金酸6水和物の吸
光度を100とした相対吸光度で92〜94%程度であ
る。
【0014】前記式(I)の白金アンミン系錯体は、上
記の如くして得られるトリニトロジアンミン白金塩とア
ルコールとを反応させることにより得ることができる。
この反応はトリニトロジアンミン白金塩にアルコールを
徐々に加え、約20〜約50℃の温度に保持しながら行
うことができる。その際トリニトロジアンミン白金塩を
溶液状で用いる場合、その溶液中の白金メタル濃度は一
般に250g/dm3以上であることが好ましく、更に
ロータリーエバポレータを使用して、加熱乾固を行ない
粉末状としたものを使用するのがより好ましい。また、
アルコールの使用量は厳密に制限されるものではない
が、通常、4価の白金錯体中の白金重量に基づいて0.
5〜20倍、好ましくは2〜15倍の重量で用いるのが
適当である。
【0015】この反応で4価の白金錯体中の白金イオン
がアルコールにより還元され、それと同時にアルコール
は反応条件に依存してその少なくとも一部はアルデヒド
及び/又はカルボン酸に変化し、それらはそれぞれアル
コキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基とし
て錯体中に導入される。ここでアルコールとしては、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール等の低級アルコール等が挙げら
れ、中でもエタノールが好適である。
【0016】しかして、前記式(I)においてLによっ
て表されるアルコキシ基としは、例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等が挙
げられ、また、アルカノイル基としは、例えば、ホルミ
ル、アセチル等が挙げられ、さらに、アルカノイルオキ
シ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキ
シ等が挙げられる。
【0017】前記式(I)の白金アンミン系錯体の具体
例としては、例えばその製造の溶媒としてエタノールを
用いた場合、次のものが上げられる。 Pt(IV)(NH3)2(NO2)3(OC2H5) Pt(IV)(NO2)3(OC2H5) Pt(IV)(NH3)2(NO2)2(OC2H5)(NO3) Pt(II)(NH3)(NO2)(OC2H5) [Pt(II)(NH3)(NO2)2(OC2H5)]H [Pt(II)(NO2)3(OC2H5)]H2 Pt(IV)(NH3)2(NO2)3(COCH3) Pt(II)(NH3)2(NO2)(COCH3) [Pt(II)(NH3)(NO2)2(COCH3)]H Pt(IV)(NH3)2(NO2)3(OCOCH3) Pt(II)(NH3)2(NO2)(OCOCH3) [Pt(II) (NH3)(NO2)2(OCOCH3)]Hなど。
【0018】以上に述べた如くして製造される前記式
(I)の白金アンミン系錯体は、アルコール又はアルコ
ール水溶液で希釈し、白金アンミン系錯体のアルコール
溶液からなる担持溶液とすることができる。該担持溶液
中の白金メタル量は、一般に、1〜50g/dm3の範
囲内が好ましい。また、アルコール水溶液を使用して白
金アンミン系錯体のアルコール溶液を得る場合の該水溶
液中のアルコール濃度は、通常、20wt%以上、好ま
しくは30wt%以上とすることができる。
【0019】一方、本発明においてルテニウム前駆体と
して使用される塩素を含まないルテニウム塩としては、
例えば、硝酸ルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニ
ウム、トリスアセチルアセトナトルテニウムなどが挙げ
られ、中でも特に硝酸ルテニウムが好適である。
【0020】上記ルテニウム塩は、例えば、アルコー
ル、水又はその混合溶液中に溶解し、上記の白金アンミ
ン系錯体のアルコール溶液に加え担持溶液とすることが
できる。また、ルテニウム塩を白金アンミン系錯体のア
ルコール溶液に直接加えて担持溶液を得ることもでき
る。該担持溶液中のルテニウムメタル量は、一般に、
0.1〜200g/dm3の範囲内とすることができ、特
に0.5〜100g/dm3の範囲内が好ましい。また、
該担時溶液における白金アンミン系錯体とルテニウム塩
の相対的比率は、白金対ルテニウムのメタルとしてのモ
ル比で、一般に9:1〜1:9、特に7:3〜3:7の
範囲内が好適である。
【0021】この担持溶液にカーボン粉末を浸漬し、例
えば超音波分散等の手段によりカーボン粉末に該担持溶
液を十分に付着させた後、還元することにより、白金−
ルテニウム合金の超微粒子が高分散状態で担持されてい
る触媒を得ることができる。
【0022】本発明において担体として用いられるカー
ボン粉末としては、触媒担体用として通常使用されてい
るものを使用することができ、例えば、カーボンブラッ
クや活性炭などが挙げられる。これらは市販品をそのま
ま使用することもできるが、一般には、それ自体既知の
方法による親水化処理(例えば、硝酸による処理)を予
め施しておくことが望ましい。
【0023】白金アンミン系錯体及び塩素を含まないル
テニウム塩を付着せしめたカーボン粉末の還元方法は特
に制限されるもではなく、液相中及び気相中のいずれの
還元方法で行ってもよい。例えば、気相中(例えば水素
雰囲気中)で還元する場合には、前記の如くして担持溶
液に浸漬したカーボン粉末を減圧下で乾燥した後、ガス
置換可能な電気炉に入れ、炉内雰囲気を不活性ガス雰囲
気に置換し、次いで水素ガスを流しながら、白金アンミ
ン系錯体及びルテニウム塩の熱分解温度、通常、約10
0〜約600℃、好ましくは約200〜約500℃の温
度に昇温し、該温度に数時間保持することにより還元を
行うことができる。
【0024】以上に述べた本発明の方法により得られる
白金−ルテニウム合金担持触媒は、微細な白金−ルテニ
ウム合金粒子がカーボン粉末担体上に高度に且つ均一に
分散しており、しかも該合金触媒の担持量も多く、一酸
化炭素による被毒を受けにくいという顕著な効果を有し
ている。
【0025】かくして、本発明の方法により製造される
白金−ルテニウム合金担持触媒は、例えば、燃料電池
用、特に直接メタノール燃料電池(DMFC)用の電極
触媒として極めて有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0027】実施例1 白金換算で50gのジニトロジアンミン白金塩を硝酸濃度5
00g/dm3の溶液100mLに添加し、109℃にて5時間混合
攪拌し、ジニトロジアンミン白金塩を溶解、熟成してト
リニトロジアンミン白金の硝酸溶液を得た。次に80℃の
ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させて黄茶色粉末
を得た。この粉末に温度を50℃以下に保持しながらエタ
ノールを徐々に加えて白金濃度50g/dm3の白金アン
ミンエトキシド錯体溶液を調製した。
【0028】この白金アンミンエトキシド錯体溶液80mL
にエタノール720mLを加えて橙赤色の溶液を得た。この
溶液に白金対ルテニウムのメタルのモル比が1:1となる
ようにしてルテニウム濃度50g/dm3の硝酸ルテニ
ウム水溶液を加えて担持溶液とした。
【0029】この担持溶液に、60%硝酸水溶液で親水
化処理したカーボン粉末バルカンXC-72R(Cabot社製)
7.1gを加えて超音波ホモジナイザーで混合した。そ
の後、該担持溶液をロータリーエバポレーターにて、78
℃で3時間加熱、吸引し乾燥させた。ついで、この担持
乾燥物を電気炉に入れ、炉内を窒素ガスで充分に置換
し、さらに、7%水素ガスを含む窒素と水素の混合ガス
で置換し、200℃に昇温後同温度に2時間保持した。
しかる後、炉内を窒素ガスで置換し室温まで冷却して白
金−ルテニウム担持触媒を得た。
【0030】実施例2 実施例1と同様にして得られた担持乾燥物を電気炉に入
れ、炉内を窒素ガスで充分に置換し、さらに7%水素ガ
スを含む窒素と水素の混合ガスで置換し、450℃に昇
温後同温度に2時間保持した。しかる後、炉内を窒素ガ
スで置換し室温まで冷却して白金−ルテニウム担持触媒
を得た。
【0031】比較例1 塩化白金酸を白金メタル量で4.0gとなるように秤量し
て、エチルアルコール800mLに添加し、さらにこの溶
液に白金対ルテニウムのメタルのモル比が1:1となる
ように硝酸ルテニウム水溶液を加えて担持溶液とした。
【0032】この担持溶液に、60%硝酸水溶液で親水
化処理したカーボン粉末バルカンXC-72R(Cabot社製)
7.1gを加えて超音波ホモジナイザーで混合した。そ
の後、該担持溶液をロータリーエバポレーターにて、78
℃で3時間加熱、吸引し乾燥させた。ついで、この担持
乾燥物を電気炉に入れ、炉内を窒素ガスで充分に置換
し、さらに7%水素ガスを含む窒素と水素の混合ガスで
置換し、450℃に昇温後同温度に2時間保持した。し
かる後、炉内を窒素ガスで置換し室温まで冷却して白金
−ルテニウム担持触媒を得た。
【0033】比較例2 実施例1と同様にしてで得られた白金濃度50g/dm3
白金アンミンエトキシド錯体溶液80mLにエタノール720m
Lを加えて橙赤色の溶液を得た。さらに、白金対ルテニ
ウムのメタルのモル比が1:1となるように塩化ルテニウ
ムを加えて担持溶液とした。
【0034】この担持溶液に実施例1と同じ親水化処理
をしたカーボン粉末7.1gを加えて超音波ホモジナイ
ザーで混合した。その後、該担持溶液を78℃で3時間加
熱、吸引し乾燥させた。ついで、この担持乾燥物を電気
炉に入れ、炉内を窒素ガスで充分に置換し、さらに7%
水素ガスを含む窒素と水素の混合ガスで置換し、450
℃に昇温後同温度に2時間保持した。しかる後、炉内を
窒素ガスで置換し室温まで冷却して白金−ルテニウム担
持触媒を得た。
【0035】比較例3 ホルマリン0.6gと中和剤である水酸化ナトリウム
6.0g、さらに分散剤として過酸化水素4.5gを蒸
留水250gに添加して母液を得た。ホルマリン1.0g
を含む300gの水溶液に、塩化白金酸を白金メタル量
で0.3gと、白金対ルテニウムのメタルのモル比が1:
1となる量の塩化ルテニウムを溶解し適下液を調製し
た。
【0036】母液の温度を60℃に保持して滴下液を
2.0mL/分の速度で滴下してPt−Ruコロイド溶
液を得た。
【0037】つぎに、60%硝酸水溶液で親水化処理し
たカーボン粉末バルカンXC-72R(Cabot社製)0.55g
を蒸留水110gに分散させた液に、上記で得たコロイ
ド溶液を10g/分の速度で滴下し、さらに30%硝酸
水溶液1.5mLを加えて1時間保持する。その後、ろ
過、洗浄し、70℃で24時間乾燥して白金−ルテニウ
ム担持触媒を得た。
【0038】参考例 上記実施例及び比較例で得られた白金−ルテニウム担持
触媒について高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)で撮
影を行なった。実施例1及び2において作製した白金−ル
テニウム担持触媒では触媒粒子がカーボン担体上に微細
に分散しているのに対して、比較例1及び2の白金−ルテ
ニウム担持触媒では触媒粒子の一部が凝集していた。ま
た、高分解能SEM写真により、カーボン担体上に分散
している白金−ルテニウム触媒粒子の平均粒子径を求め
た。その結果を表1に示す。
【0039】また、担持されたメタル量を化学分析法に
より求め、投入したメタル量から触媒担持率を算出し
た。その結果を表1に示す。
【0040】表1から明らかなように、実施例1及び2の
触媒は、比較例1及び2の触媒に比べ、カーボンに担持さ
れた触媒の粒子径が遥かに小さいことがわかる。また、
比較例3の触媒は粒子径が小さいものの、触媒担持率が
実施例1及び2の触媒に比較して低いことがわかる。
【0041】
【表1】
【0042】また、X線回折法により得られた実施例1
及び2の白金−ルテニウム担持触媒の格子定数は、同一
組成の白金−ルテニウム合金の理論格子定数(0.386n
m)と一致しており、本発明の方法で製造される触媒に
おける白金−ルテニウムは合金化していることが確認さ
れた。一方、比較例1及び2の白金−ルテニウム担持触媒
の格子定数は、白金の格子定数(0.392nm)とほぼ一
致するものであった。
【0043】さらに、実施例1及び2並びに比較例1及び
2のそれぞれの白金−ルテニウム担持触媒を使って作製
したアノード極と、カーボンに白金を40wt%担持させた
白金触媒を使って作製したカソード極と、プロトン導電
性高分子電解質膜「ナフィオン112」(デュポン社
製)とを接合して電極接合体を作製した。該接合体を使
用して電池を構成し、アノード極用ガスとして純水素及
び100ppmCOを含む水素ガスを、そしてカソード極
用ガスとして酸素を使用した。燃料電池発電特性の測定
結果より、0.6A/cm2負荷時における電圧を求め、C
Oガスによる降下電圧を求めた。その結果を表2に示
す。表2の結果から明らかなように、実施例1及び2の
白金−ルテニウム担持触媒は、比較例1及び2の白金−
ルテニウム担持触媒に比べ、CO被毒による出力低下が
遥かに少ないことがわかる。
【0044】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 朝木 知美 埼玉県草加市青柳2−12−30 石福金属興 業株式会社草加第一工場内 (72)発明者 高須 芳雄 長野県上田市古里832−13 (72)発明者 村上 泰 長野県上田市中央2−14−10 大学宿舎 (72)発明者 杉本 渉 長野県上田市踏入2−16−25 手筒山宿舎 2−2 (72)発明者 藤原 哲 長野県上田市大字諏訪形1005−2 サンハ イツ2−B Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA08A BA08B BA08C BA27A BA27B BB02A BB02B BB02C BB12A BB12B BB12C BC70A BC70B BC70C BC75A BC75B BC75C CC32 FB14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 [Pt(NH3)x(NO2)yL]Az 式中、 Lはアルコキシ基、アルカノイル基又はアルカノイルオ
    キシ基を表し、 AはH、NO2又はNO3を表し、 xは0、1又は2であり、且つyは1、2又は3であ
    り、ただし、xとyの合計は中心白金の電荷によって変
    わり3〜5であり、 zは中心金属の電荷によって変わり(y−1)〜(y−3)
    である、で示される白金アンミン系錯体及び塩素を含ま
    ないルテニウム塩をカーボン粉末に付着させた状態で還
    元することを特徴とする白金−ルテニウム合金担持触媒
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩素を含まないルテニウム塩が、硝酸ル
    テニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム又はトリス
    アセチルアセトナトルテニウムである請求項1に記載の
    方法。
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