JP2001201619A - 反射板及び反射型液晶表示パネル、並びにその製造方法。 - Google Patents

反射板及び反射型液晶表示パネル、並びにその製造方法。

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JP2001201619A
JP2001201619A JP2000012882A JP2000012882A JP2001201619A JP 2001201619 A JP2001201619 A JP 2001201619A JP 2000012882 A JP2000012882 A JP 2000012882A JP 2000012882 A JP2000012882 A JP 2000012882A JP 2001201619 A JP2001201619 A JP 2001201619A
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JP
Japan
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convex
substrate
layer
photosensitive polymer
underlayer
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Application number
JP2000012882A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kubota
浩史 久保田
Hisahide Wakita
尚英 脇田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射層の凸部傾斜面を従来よりも急峻に形成
し、正面から極角30°程度の広い範囲に亘って高輝度
を保つことができる理想的な反射率特性を備えた反射板
及びその製造方法並びにパネル反射率が向上し良好な表
示が得られる反射型液晶表示パネルとその製造方法を提
供する 【解決手段】 凹凸状構造体7が形成された基板3と、
凹凸状構造体7を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされ
た光反射層8とを有する反射板において、凹凸状構造体
7は、基板上に間隔を開けて配置された複数の凸状下地
層10と、凸状下地層10を覆い凹凸状に形成された被
覆層11とからなる積層構造となっている。凸状下地層
10の頂点の広がり角が、被覆層11の凸部頂点の広が
り角よりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OA機器、パーソ
ナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などに用い
られる液晶表示パネルのうち、バックライトを必要とせ
ず、外光を反射することにより画像を表示する反射型液
晶表示等に使用される反射板及びその製造方法並びに反
射型液晶表示パネル及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】モバイル端末等の急速な普及に伴い、反
射型液晶パネルが注目されている。反射型液晶パネルは
外光を反射して表示を行なうため、屋外等の外光が強い
環境では充分な表示性能が得られるが、暗い屋内や夜間
では視認性が極端に低下する。反射型液晶パネルの反射
率を向上する手段として、画素電極に複数の凹凸構造を
形成する手法が開示されている。(特開平5−2815
33)このとき、凹凸構造は、感光性高分子膜の塗布と
露光、及び現像と熱アニール処理を施すプロセスを繰り
返すことで複数層から成る凹凸構造が形成されていた。
また、現像後のパターンの断面形状は半球形状であるの
が通常であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パネル反射
率は反射層の凹凸形状で決定される。ここで図4は理想
的な反射率特性と従来例の違いを示した図である。図4
は入射角30°の平行光入射時の反射特性である。従来
の手法で形成される反射層の反射率特性は、参照符号m
1で示すように正反射方向に極大値を有し正面から極角
30°までの範囲の反射光が低い。一方、参照符号m2
で示す理想的な反射特性では正面から極角30°までの
範囲で高い輝度を保つことが必要となる。
【0004】従って、理想的な反射率特性を実現するに
は、凹凸形状の凸部の傾斜面が略三角形状のように急峻
にする必要がある。しかし、凹凸形状の傾斜面を略三角
形状に容易に形成する手法はこれまで得られていなかっ
た。また、従来は凹凸形状を形成するために感光性高分
子膜の塗布と露光、及び現像と熱アニール処理を施すプ
ロセスを繰り返す手法が取られており、プロセスが複雑
で生産性に課題があった。
【0005】本発明の目的は、反射層の凸部傾斜面が従
来よりも急峻に形成され、正面から極角30°程度の広
い範囲に亘って高輝度を保つことができる理想的な反射
率特性を備えた反射板及び、その反射板を簡単な製造プ
ロセスにより製造することができる反射板の製造方法を
提供することである。
【0006】また本発明の他の目的は、凸部傾斜面が従
来よりも急峻に形成された反射層を備え、パネル反射率
の向上により良好な表示が得られる反射型液晶表示パネ
ル及び、その反射型液晶表示パネルを簡単な製造プロセ
スにより製造することができる反射型液晶表示パネルの
製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は凹凸構造を有する反射板及びその製造方
法、並びに該反射板を用いた反射型液晶パネル及びその
製造方法において、以下の手段を講じた。
【0008】本発明のうち請求項1記載の発明は、凹凸
状構造体が形成された基板と、凹凸状構造体を被覆し表
面が凹凸状の光反射面とされた光反射層とを有する反射
板において、前記凹凸状構造体は、基板上に間隔を開け
て配置された複数の凸状下地層と、凸状下地層を覆い凹
凸状に形成された被覆層とからなる積層構造となってお
り、前記凸状下地層の頂点の広がり角が、前記被覆層の
凸部頂点の広がり角よりも小さいことを特徴とする。
【0009】上記の如く、凸状下地層の頂点の広がり角
を、被覆層の凸部頂点の広がり角よりも小さくすること
により、凹凸構造体の凸部傾斜面が従来例よりも急峻と
なる。このため、凹凸構造体を被覆いる光反射層の凸部
傾斜面が急峻となり、従来例に比べて、反射率特性を格
段に向上することができる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の反
射板において、前記光反射層の凸部傾斜面は、その凸部
傾斜面の最下端から頂点に向かう曲面形状が、前記最下
端を原点とし、頂点の座標を(1,1)に規格化し、凸
部の基板面内方向をX(但し、0<X<1)とし、凸部
の高さ方向をYとしたときに、Y=Xk (但し、2/
3≦k≦1)で示されることを特徴とする。
【0011】従来例の反射板では、その凸部断面形状が
上に凸で且つY=X2 (但し、0<X<1)で示され
る放物線状(上記請求項2記載の表現に従う場合の関数
表示ではX1/2 )である。これに対して、本発明では
凸部傾斜面が上記の式で示される曲面形状となってい
る。従って、本発明の反射板は、凸部傾斜面が従来例の
凸部傾斜面よりも急峻であり、そのため、ほぼ理想的な
反射率特性を有することになる。本発明者のシミュレー
ション結果によれば、反射層での反射光がほぼパネル正
面から極角30°以内の角に出射し、高輝度化に有効で
あった。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の反
射板において、前記凸状下地層は、無機材料から成るこ
とを特徴とする。
【0013】被覆層は、無機材料であってもよく、有機
材料であってもよい。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1記載の反
射板において、前記凸状下地層は、基板上に形成された
色素を含む感光性高分子を露光・現像処理して基板に垂
直な断面が逆台形形状の構造体を形成し、この構造体を
加熱処理することにより形成されたものであることを特
徴とする。
【0015】露光光の吸収度合いや、感光性高分子の膜
厚方向での光強度の減衰度合い等を考慮して色素の種類
を適宜選択すれば、逆台形形状構造体の形状を制御でき
る。これにより逆台形形状構造体の加熱されて形成され
た凸状下地層の傾斜面の傾斜角度を調整するこができ
る。従って、希望する形状の凹凸状の光反射層を有する
反射板が構成される。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1記載の反
射板において、前記凸状下地層及び被覆層が高分子材料
から成ることを特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、凹凸状構造体が形
成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状
の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数
の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積
層構造となっており、前記凸状下地層を覆う被覆層の凸
部傾斜面が、液滴が表面張力により形成されるときの傾
斜面より急峻な形状であることを特徴とする。
【0018】液滴が表面張力により形成する傾斜面は、
上述したように通常は、上に凸で且つ、Y=X2 (但
し、0<X<1)で示される放物線状となる。これが従
来例の凸部傾斜面である。従って、上記の如く凸状下地
層を覆う被覆層の凸部傾斜面を、液滴が表面張力により
形成されるときの傾斜面より急峻な形状とすることによ
り、反射率特性が従来例に比べて向上する。
【0019】請求項7記載の発明は、凹凸状構造体が形
成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状
の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、基板上に間隔を開けて配置さ
れた複数の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とか
らなる積層構造となっており、前記凸状下地層は、頂部
を含み基板に垂直な断面形状が略三角形状であって、且
つ略三角形状の両側辺が、少なくとも前記頂点から所定
の範囲に亘って内方側に湾曲した曲線部分を有すること
を特徴とする。
【0020】上記構成により、凸状下地層の略三角形状
の傾斜面は内側に抉れた形状となる。このため、上部の
被覆層を積層すると、最終の光反射層の凸部傾斜面は膨
らみが少なく、より急峻な形状が得られる。
【0021】請求項8記載の発明は、凹凸状構造体が形
成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状
の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数
の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積
層構造となっており、前記凸状下地層は、頂部を含み基
板に垂直な断面形状が、略三角形状であって、且つ、該
三角形状の内角の和が180°未満であることを特徴と
する。
【0022】上記の如く、前記凸部下地層の断面形状
が、略三角形状であって、且つ、該三角形状の内角の和
が180°未満であれば、上記請求項7記載の発明と同
様に凸状下地層の傾斜面は内側に抉れた形状となる。従
って、このような請求項8記載の構成よってもまた、最
終の光反射層の凸部傾斜面は膨らみが少なく、より急峻
な形状が得られる。
【0023】請求項9記載の発明は、凹凸状構造体が形
成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状
の光反射面を構成する光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数
の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積
層構造となっており、前記凸状下地層及び被覆層の凸部
は、共に頂部を含み基板に垂直な断面形状が略三角形状
であり、しかも、凸状下地層の略三角形状の内角の和が
180°未満とされ、被覆層の略三角形状の内角の和が
180°以上とされていることを特徴とする。
【0024】上記構成の如く、被覆層の略三角形状の内
角の和が180°以上であっても、凸状下地層の略三角
形状の内角の和が180°未満であれば、光反射層の凸
部傾斜面が従来例に比べて急峻な形状が得られることに
なる。
【0025】請求項10記載の発明は、凹凸状構造体が
形成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸
状の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数
の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積
層構造となっており、前記凸状下地層及び被覆層の凸部
は、共に頂部を含み基板に垂直な断面形状が略三角形状
であり、しかも、下地層の略三角形状の内角の和及び被
覆層の略三角形状の内角の和が共に180°未満とされ
ていることを特徴とする。
【0026】上記構成の如く、凸状下地層の略三角形状
の内角の和が180°未満であることに加えて、被覆層
の略三角形状の内角の和が180°未満であれば、光反
射層の凸部傾斜面が請求項9記載の発明よりも急峻な形
状が得られることになる。
【0027】請求項11記載の発明は、凹凸状構造体が
形成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸
状の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数
の凸状下地層と、下地層を覆う被覆層とからなる積層構
造となっており、前記凸状下地層は、頂部を含み基板に
垂直な断面形状が略台形形状であり、しかも略台形形状
の内角の和が360°未満とされていることを特徴とす
る。
【0028】上記構成により、凸状下地層の略台形形状
の傾斜面は内側に抉れた形状となる。このため、上部の
被覆層を積層すると、最終の光反射層の凸部傾斜面は膨
らみが少なく、より急峻な形状が得られる。
【0029】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の反射板において、前記被覆層の凸部は、頂部を含み基
板に垂直な断面形状が略三角形状であり、しかも、略三
角形状の内角の和が180°以上であることを特徴とす
る。
【0030】上記の如く、被覆層の凸部断面形状が略三
角形状であり、しかも、略三角形状の内角の和が180
°以上であれば、凸部の傾斜面を急峻とする効果が得ら
れる。
【0031】請求項13記載の発明は、請求項11記載
の反射板において、前記被覆層の凸部は、頂部を含み基
板に垂直な断面形状が略三角形状であり、しかも、略三
角形状の内角の和が180°未満であることを特徴とす
る。
【0032】上記の如く、略三角形状の内角の和を18
0°未満とすることで、凸部を更に急峻とする効果が得
られる。
【0033】請求項14記載の発明は、凹凸状構造体が
形成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸
状の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、残膜厚特性が相互に異なる複
数の感光性高分子材料が露光・現像・加熱の各処理を施
されて形成されたものであって、間隔を開けて配置され
た複数の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とから
構成されていることを特徴とする。
【0034】上記の如く、上下の高分子が異なる残膜厚
特性を有することで、現像・加熱処理後の凸部の形状を
容易に規定することができる。
【0035】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の反射板において、露光後の現像経過時間tにおける前
記下地層を構成する感光性高分子の膜厚d1の時間変化
特性をd1(t)、前記被覆層を構成する感光性高分子
の膜厚d2の時間変化特性をd2(t)としたときに、
同一の現像経過時間tにおいて、d1(t)<d2
(t)が成り立つことを特徴とする。
【0036】上記構成により、現像後の高分子の積層構
造が積層の境界部にくびれを有する茸状の構造となる。
このとき、加熱処理により上部と下部の高分子が溶解す
ることで急峻な傾斜面を有する凸部が形成される。
【0037】請求項16記載の発明は、凹凸状構造体が
形成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸
状の光反射面とされた光反射層とを有する反射板におい
て、前記凹凸状構造体は、γ特性が相互に異なる複数の
感光性高分子材料が露光・現像・加熱の各処理を施され
て形成されたものであって、間隔を開けて配置された複
数の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とから構成
されていることを特徴とする。
【0038】上記の如く、上下の高分子が異なるγ特性
を有することで、現像・加熱処理後の凸部の形状を容易
に規定することができる。
【0039】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の反射板において、前記凸状下地層を構成する感光性高
分子のγ値をγ1、前記被覆層を構成する感光性高分子
のγ値をγ2としたときに、γ1<γ2が成り立つこと
を特徴とする。
【0040】上記構成により、現像時に凸状下地層を構
成する感光性高分子が被覆層を構成する感光性高分子よ
り多くエッチングされ高分子の積層構造が積層の境界部
にくびれを有する茸状の構造となる。このとき、加熱処
理により上部と下部の高分子が溶解することで急峻な傾
斜面を有する凸部が形成される。
【0041】請求項18記載の発明は、反射型液晶表示
パネルであって、液晶層を挟んで一方に基板が、他方に
請求項1乃至17の何れかに記載の反射板が設けられて
いることを特徴とする。
【0042】上記構成により、凸部傾斜面が従来よりも
急峻に形成された反射層を備え、パネル反射率の向上に
より良好な表示が得られる反射型液晶表示パネルが構成
される。
【0043】請求項19記載の発明は、凹凸状構造体が
形成された基板と、該凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸
状の光反射面を構成する光反射層とを有する反射板の製
造方法において、基板上に、第1の感光性高分子材料
と、該第1の感光性高分子材料よりもエッチングレート
の大きい第2の感光性高分子材料とをこの順序で塗布し
て、基板上に第1の感光性高分子層と第2の感光性高分
子層とからなる積層構造を形成する塗布工程と、前記塗
布工程により得られた第1の感光性高分子層及び第2の
感光性高分子層に対して、マスク露光処理と現像処理を
それぞれ1度行い、基板に垂直な断面形状が両側にくび
れ部を有する複数の茸状構造体を形成する工程と、前記
複数の茸状構造体が形成されている基板に熱処理を施
し、茸状構造体を溶融変形し前記くびれ部を解消させ、
基板上に間隔を開けて配置された複数の凸状下地層と該
凸状下地層を覆う被覆層とからなる凹凸状構造体を形成
する熱処理工程と、前記凹凸状構造体上に光反射層を形
成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0044】上記の如く、第1と第2の感光性高分子層
の境界にくびれ部を有する形状を形成した後、熱処理で
くびれ部を解消すると、第2の感光性高分子が第1の感
光性高分子を完全に覆う形状となる。このとき、上部の
高分子膜がくびれ部を埋める形で溶解するため、通常の
くびれ部を有しない高分子膜に熱処理で傾斜面が形成さ
れた場合に比べ、傾斜面はより急峻となる効果が得られ
る。
【0045】請求項20記載の発明は、基板上に形成さ
れた鋸刃形状の凸部と、該鋸刃形状凸部を被覆し表面が
鋸刃形状の光反射面を有する光反射層とを備えた反射板
の製造方法において、基板上に、第1の感光性高分子材
料と、該第1の感光性高分子材料よりもエッチングレー
トの大きい第2の感光性高分子材料とをこの順序で塗布
して、基板上に第1の感光性高分子層と第2の感光性高
分子層とからなる積層構造を形成する塗布工程と、前記
塗布工程により得られた第1の感光性高分子層及び第2
の感光性高分子層に対して、フォトマスクに対して斜め
方向から光を照射する斜め露光処理と現像処理をそれぞ
れ1度行い、基板に垂直な断面形状が両側に非対称なく
びれ部を有する複数の茸状構造体を形成する工程と、前
記複数の茸状構造体が形成されている基板に熱処理を施
し、茸状構造体を溶融変形し前記くびれ部を解消させ、
基板上に間隔を開けて配置された複数の鋸刃形状凸部を
形成する熱処理工程と、前記鋸刃形状凸部上に光反射層
を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0046】上記の如く、斜め露光処理により、凸部の
形状を容易に制御することができる。
【0047】請求項21記載の発明は、基板上に形成さ
れた鋸刃形状の凸部と、該鋸刃形状凸部を被覆し表面が
鋸刃形状の光反射面を有する光反射層とを備えた反射板
の製造方法において、基板上に、第1の感光性高分子材
料と第2の感光性高分子材料とをこの順序で塗布して、
基板上に第1の感光性高分子層と第2の感光性高分子層
とからなる積層構造を形成する塗布工程と、前記塗布工
程により得られた第1の感光性高分子層及び第2の感光
性高分子層に対して、異なる透過率を有する箇所が連続
的に形成された半透過膜から成る中間調フォトマスクを
用いたマスク露光処理と現像処理をそれぞれ1度行い、
基板に垂直な断面形状が両側に非対称なくびれ部を有す
る複数の茸状構造体を形成する工程と、前記複数の茸状
構造体が形成されている基板に熱処理を施し、茸状構造
体を溶融変形し前記くびれ部を解消させ、基板上に間隔
を開けて配置された複数の鋸刃形状凸部を形成する熱処
理工程と、前記鋸刃形状凸部上に光反射層を形成する工
程と、を備えたことを特徴とする。
【0048】上記の如く、中間調フォトマスクの使用に
より、凸部の形状を容易に制御することができる。
【0049】請求項22記載の発明は、反射板と、反射
板に対向するように設けられた基板と、反射板及び基板
に挟まれた液晶層とを備えた反射型液晶表示パネルの製
造方法において、前記反射板は、請求項19乃至21の
何れかに記載の方法によって製造されることを特徴とす
る。 上記構成により、簡単な製造プロセスにより反射
率の向上した反射型液晶表示パネルを製造方法すること
ができる。
【0050】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は実施の形
態1に係る反射型液晶表示パネルの断面図である。反射
型液晶表示パネル1は、薄膜トランジスタ(TFT)2
や金属配線(図示せず)等が形成されたアレイ基板3
と、対向基板4(表示面側)と、アレイ基板3及び対向
基板4間に挟持された液晶層5とを有する。アレイ基板
3上には、平坦化層6、表面(図1の上面)が凹凸状に
形成された凹凸状構造体7、及び光反射層8が、この順
序で積層されている。前記凹凸状構造体7は、平坦化層
6上に間隔を開けて配置された複数の凸状下地層10
と、凸状下地層10を覆う被覆層11とからなる2層積
層構造となっている。これら凸状下地層10及び被覆層
11は、感光性高分子材料から成る。また、光反射層8
はアルミニウム(Al)等の金属薄膜から成り、その一
端部はコンタクトホール14を介してTFT2と電気的
に接続されており、画素電極として機能する。この光反
射層8の表面(光反射面8aに相当)は、凹凸状構造体
7の表面形状を反映して凹凸状に形成されている。光反
射層8の凸部は、アレイ基板3に平行な断面が円形状ま
たは楕円形状である。なお、光反射層8の内側面には、
配向膜(図示せず)が形成されている。
【0051】また、前記対向基板4は、例えばガラス基
板等の光透過性を有する基板であり、この対向基板4の
外側面には位相差フィルム9が形成され、対向基板4の
内側面にはカラーフィルタ15が形成されており、この
カラーフィルタ15の内側面にはインジウム錫酸化物
(ITO:Indium Tin Oxide)からなる透明電極16が
形成されている。更に、透明電極16の内側面には配向
膜(図示せず)が形成されている。なお、透明電極16
は共通電極として機能する。また、上記液晶層5は、例
えば液晶分子17が基板間で約90度捻れた配向となっ
ているTN型液晶層である。
【0052】ここで、注目すべきは、凸状下地層10の
頂点の広がり角が、被覆層11の凸部頂点の広がり角よ
り小さく構成されていることである。このような構成と
することにより、光反射層8の凸部傾斜面が、従来例よ
りも急峻となり、理想的な反射率特性が得られことにな
る。
【0053】以下に、凸状下地層10の頂点の広がり角
が、被覆層11の凸部頂点の広がり角より小さくするこ
とにより、反射率特性が向上する理由について詳述す
る。
【0054】液晶パネルの反射率は光反射層8の凹凸形
状に大きく依存する。本発明者のシミュレーション結果
によれば、光反射層8の凸部傾斜面を以下の第1式の関
数形で現した場合に、良好な反射率特性が得られた。
【0055】 Y=Xk …(1) (但し、2/3≦k≦1) 上記第1式は、図2に示すように凸部傾斜面の最下端P
1から頂点P2に向かう曲面形状が、図3に示すように
前記最下端P1を原点とし、頂点P2の座標を(1,
1)に規格化し、凸部の基板面内方向をX(但し、0<
X<1)とし、凸部の高さ方向をYとしたときに、凸部
傾斜面を関数形で現したものである。特に、k=2/3
程度のとき図4の参照符号m2で示す理想的な反射特性
が得られて、高輝度が実現された。一方、従来例のよう
に通常の熱アニール処理で高分子が融解した場合の凸部
の傾斜面は、液滴の表面張力により形成される凸部傾斜
面となり、関数形ではX2(図3の表示に従う場合の関
数表示ではX1/2)程度である。従って、高輝度化を図
るには通常の熱アニール処理よりもさらに急峻な上記の
ような凸部を形成する必要がある。そこで、上記のよう
に高分子を2層積層して凹凸構造体を形成する場合、凸
状下地層10の凸部頂点の広がり角を、被覆層11の凸
部頂点の広がり角より小さく構成することにより、最終
の反射面8aの形状をX2/3程度に形成でき、高輝度化
が実現できる。
【0056】また、凹凸構造体7を2層化することで凹
凸構造体7の凸部(被覆層11の凸部に相当)を密に形
成でき、平坦な部位を低減できる。このため正反射光が
低減し、映り込み防止の効果が得られる。
【0057】上記の例では、凹凸構造体は高分子材料で
あったけれども、これに限定されるものではなく、その
他の有機材料を用いてもよく、また無機材料を用いても
よい。
【0058】また、凸状下地層を無機絶縁層のエッチン
グで形成し、凸状下地層上に高分子からなる被覆層を形
成する等、無機と有機の双方を用いても良い。
【0059】また、凹凸構造体は、凸状下地層と複数の
被覆層から構成された多層積層構造であってもよい。勿
論、このような多層積層構造の凹凸構造体であっても、
任意の被覆層と当該被覆層を覆う上部被覆層との関係に
おいては、下部被覆層の凸部頂点の広がり角が、上部被
覆層の凸部頂点の広がり角より大きく構成されている。
【0060】こうして、本実施の形態1では、反射光を
正面方向へ集光することが可能となり、正面から極角3
0°の広い範囲に亘って反射率が向上し、理想的な反射
率特性が得られる。
【0061】(実施の形態2)図5は実施の形態2に係
る反射型液晶パネルのアレイ基板付近の断面図である。
本実施の形態2に係る反射型液晶パネルは、図5に示す
アレイ基板側に特徴を有するものであり、図5に図示さ
れていない構成は実施の形態1の反射型液晶パネルと同
様の構成を有している。なお、図5では発明内容の容易
化のためアレイ基板上の平坦化層等は省略し、アレイ基
板上に直接凹凸構造体を形成した場合を示している。こ
の点に関しては、後述する実施の形態3〜9も実施の形
態2と同様であり、主たる特徴であるアレイ基板側につ
いてのみ説明する。なお、本発明は、平坦化層を有する
構造であってもよく、また平坦化層のない構造であって
もよい。
【0062】本実施の形態2において、上記実施の形態
1に対応する部分については同一の参照符号を付し、詳
細な説明は省略する。本実施の形態2では、凸状下地層
10Aが、その頂部を含み基板に垂直な断面形状(以
下、単に断面形状と称する)が略三角形状であって、且
つ、該三角形状の内角の和が180°未満であることを
特徴とするものである。即ち、凸状下地層10Aの断面
形状は、図5に示すように略三角形状であり、しかも、
略三角形状の内角18A、内角18B、及び内角18C
の和が180°未満となっている。従って、凸状下地層
10Aの傾斜面は、図5に示すように内側に抉れた形状
となる。このため、被覆層11Aで凸状下地層10Aを
被覆し、更に被覆層11Aを光反射層8で被覆すると、
最終の光反射層8の凸部傾斜面は、凸状下地層10Aの
抉れた傾斜面に影響されて急峻な形状となる。これによ
り、液晶表示パネルの反射率が向上する。
【0063】ここで、凸状下地層10Aの断面形状は、
略三角形状の内角の和が150°以上、180°未満が
望ましい。内角の和を150°以上とするのは、150
°未満であると略三角形状の頂部が脆くなり形状維持が
困難となるからである。さらに望ましくは、内角の和を
160°以上、170°以下とする。このようにすれ
ば、反射率の向上を図ると共に、構造的強度の向上をも
図ることができる。
【0064】なお、本実施の形態2では、被覆層11A
の断面形状は、特に限定されるものではなく、図5に示
すように内角の和が180°以上の略三角形状であって
もよく、また、内角の和が180°未満の略三角形状で
あってもよい。
【0065】なお、上記構成の液晶表示パネルの製造方
法については、後述する実施例1において説明する。ま
た、本構成の凹凸構造は当然のことながらTFTパネル
構成に用いても同様の効果が得られる。
【0066】(実施の形態3)図6は実施の形態3に係
る反射型液晶パネルのアレイ基板付近の断面図である。
本実施の形態3は、凸状下地層10B及び被覆層11B
の凸部は、断面形状が略三角形状であり、しかも、下地
層10Bの前記略三角形状の内角の和が180°未満と
され、被覆層11Bの前記略三角形状の内角の和が18
0°以上とされていることを特徴とするものである。こ
のように凸状下地層10Bの略三角形状の内角の和が1
80°未満であれば、たとえ被覆層11Bの略三角形状
の内角の和が180°以上でも、被覆層11Bの凸部傾
斜角は熱アニール時の傾斜角より急峻となる効果が得ら
れる。また、被覆層11Bの内角の和が180°以上で
あれば略三角形状の傾斜面は上に凸となる。この場合、
反射層8が薄くてもクラック等が入りにくく表示不良の
解消や電極線とコンタクトが取りやすい効果が得られ
る。したがって、本構成を用いることで、特に反射層8
が薄い場合に反射率と生産性の向上の両立が図れる。
【0067】(実施の形態4)図7は実施の形態4に係
る反射型液晶パネルのアレイ基板付近の断面図である。
本実施の形態4では、凸状下地層10C及び被覆層11
Cの凸部は、共に断面形状が略三角形状であり、しか
も、凸状下地層10Cの前記略三角形状の内角の和及び
被覆層11Cの略三角形状の内角の和が共に180°未
満とされていることを特徴とするものである。このよう
に略三角形状の内角の和が共に180°未満であれば、
反射層8を形成した後の反射層8の凸部が急峻となる効
果が得られる。また、被覆層11Cの凸部傾斜面が下に
抉れた構造であるため、反射層8が厚い場合でも最終の
反射層8の凸部形状が急峻になる効果が得られる。
【0068】(実施の形態5)図8は実施の形態5に係
る反射型液晶パネルのアレイ基板付近の断面図である。
本実施の形態5では、凸状下地層10Dは、断面形状が
略台形形状であり、しかも略台形形状の内角22A,2
2B,22C,22Dの和が360°未満であることを
特徴とするものである。このように凸状下地層10Dの
断面形状が略台形形状で内角の和が360°未満であれ
ば、略台形の傾斜面は内に抉れた形状となる。このため
被覆層11Dで凸状下地層10Dを被覆し、更に被覆層
11Dを光反射層8で被覆すると、最終の光反射層8の
凸部傾斜面が急峻となる効果が得られる。また、凸状下
地層10Dの断面を略台形形状とすると、台形の上面に
被覆層11Dが乗載された形状となるため構造の安定性
が向上し、凸形状を均一に作れる効果がある。
【0069】なお、本実施の形態5では、被覆層11D
の断面形状は、特に限定されるものではなく、図8に示
すように内角の和が180°以上の略三角形状であって
もよく、また、内角の和が180°未満の略三角形状で
あってもよい。
【0070】(実施の形態6)実施の形態6は実施の形
態5に類似する。但し、実施の形態6では、被覆層が略
三角形状とされ、且つ略三角形状の内角の和が180°
以上であることを特徴とする。このとき、実施の形態3
と同様の理由で反射層が薄くてもクラック等が入りにく
く表示不良の解消や電極線とコンタクトが取りやすい効
果が得られる。したがって、本構成を用いることで、特
に反射層が薄い場合に反射率と生産性の向上の両立が図
れる。
【0071】(実施の形態7)図9は実施の形態7に係
る反射型液晶パネルのアレイ基板付近の断面図である。
本実施の形態7は、凸状下地層11Eの断面形状が略台
形形状であり、しかも略台形形状の内角の和が360°
未満とされており、被覆層11Eの凸部の断面形状が略
三角形状であり、しかも、略三角形状の内角の和が18
0°未満であることを特徴とするものである。このよう
に、被覆層11Eの略三角形状の内角の和を180°未
満とすることで、上記実施の形態4と同様の理由で、凸
部を更に急峻とする効果が得られる。また、反射層8が
厚い場合でも凸部の形状が急峻になる効果が得られる。
【0072】(実施の形態8)実施の形態8に係る液晶
表示パネルでは、凸状下地層を構成する感光性高分子
と、被覆層を構成する感光性高分子の残膜厚特性が異な
ることを特徴とするものである。ここで、残膜厚特性と
は、露光された感光性高分子膜を現像処理したとき、現
像経過時間における膜厚の時間変化特性(残膜厚率)を
意味する。このような残膜厚特性が異なる2つの感光性
高分子を用いることにより、凸部の形状を容易に制御す
ることが可能となる。この結果、光反射層の凸部傾斜面
を急峻にすることができ、液晶表示パネルの反射率特性
を向上することができる。
【0073】以下に、残膜厚特性が異なる2つの感光性
高分子を用いることにより、凸部の形状を容易に制御す
ることができる理由について説明する。
【0074】図10は凸状下地層を構成する感光性高分
子(以下、第1の感光性高分子と称する)と、被覆層を
構成する感光性高分子(以下、第2の感光性高分子と称
する)のそれぞれの露光後の現像経過時間tにおける膜
厚dの時間変化特性(残膜厚率)を示すグラフである。
図10において、曲線L1は露光後の現像経過時間tに
おける第1の感光性高分子の膜厚d1の時間変化特性d
1(t)を示し、曲線L2は第2の感光性高分子の膜厚
d2の時間変化特性d2(t)を示す。従って、同一の
現像経過時間tにおいて、d1(t)<d2(t)が成
り立つことで、現像後の高分子積層構造体27は図11
に示すように第1の感光性高分子層25と第2の感光性
高分子層26との積層境界部にくびれ部28を有する茸
状の構造となる。これは、フォトマスクのエッジからの
回折光による露光の回り込みを考えた場合、第1の感光
性高分子のエッチングレートが第2の感光性高分子より
速いために第1の感光性高分子層25の細りが速くな
り、結果として第1の感光性高分子層25と第2の感光
性高分子層26との境界部にくびれ部28が発生するた
めである。
【0075】そして、このようなくびれ部28を有する
ことにより、アニール処理されると、第2の感光性高分
子が熱溶融されてくびれ部28を覆うように第1の感光
性高分子を被覆する。このとき、くびれ部28の大きさ
(即ち、くびれ部28の湾曲状態)及び第2の感光性高
分子層26の厚みに対応して第2の感光性高分子の傾斜
角度が決定される。例えば、くびれ部28が大きい場
合、第2の感光性高分子の傾斜角度は大きくなる。ま
た、くびれ部28の大きさが同一の場合には、第2の感
光性高分子層26の厚みが大きいと、第2の感光性高分
子の傾斜角度は小さくなる。従って、くびれ部28の大
きさ及び第2の感光性高分子層26の厚みを適宜選択す
れば、第2の感光性高分子の凸部傾斜角度を希望するも
のととすることができ、この結果、光反射性層の凸部形
状を制御することが可能となる。
【0076】ここで、第1の感光性高分子としてはOF
PR−800(商品名:東京応化工業(株)製)、第2
の感光性高分子としてはTSMR−8700(商品名:
東京応化工業(株)製)が例示される。
【0077】なお、残膜厚特性が異なる2つの感光性高
分子を用いて具体的に液晶表示パネル(主として反射層
を有するアレイ基板)を作製するに当たっては、後述す
る実施の形態10,11の製造方法を用いればよい。
【0078】(実施の形態9)実施の形態9に係る液晶
表示パネルでは、凸状下地層を構成する感光性高分子の
γ値と、被覆層を構成する感光性高分子のγ値とが異な
ることを特徴とするものである。ここで、γ値とは、光
照射量変化に対する溶解度変化の大きさを表す量であ
り、露光量の対数表示を横軸、溶解残膜量を縦軸に取っ
たときに、特性を示す直線部とx軸が交わる角度をαと
したときのtan(α)で定義される。このようなγ値
が異なる2つの感光性高分子を用いることにより、凸部
の形状を容易に制御することが可能となる。この結果、
光反射層の凸部傾斜面を急峻にすることができ、液晶表
示パネルの反射率特性を向上することができる。
【0079】以下に、γ値が異なる2つの感光性高分子
を用いることにより、凸部の形状を容易に制御すること
ができる理由について説明する。
【0080】図12は凸状下地層を構成する感光性高分
子(以下、第1の感光性高分子と称する)及び被覆層を
構成する感光性高分子(以下、第2の感光性高分子と称
する)のそれぞれのγ値を示すグラフである。図12に
おいて、曲線L3は第1の感光性高分子のγ値であるγ
1を示し、曲線L4は第2の感光性高分子のγ値である
γ2を示す。従って、γ1<γ2が成り立ち、これによ
り現像時に第1の感光性高分子が第2の感光性高分子よ
り多くエッチングされ、現像後の高分子積層構造体27
は図11に示すように第1の感光性高分子層25と第2
の感光性高分子層26との積層境界部にくびれ部28を
有する茸状の構造となる。
【0081】そして、このようなくびれ部28を有する
ことにより、アニール処理されると、第1及び第2の感
光性高分子が溶解することでくびれ部28が消滅し急峻
な傾斜面を有する凸部が形成される。第1の感光性高分
子としてはOFPR−800(商品名:東京応化工業
(株)製)第2の感光性高分子としては、TSMR−8
700(商品名:東京応化工業(株)製)が例示され
る。
【0082】なお、γ値が異なる2つの感光性高分子を
用いて具体的に液晶表示パネル(主として反射層を有す
るアレイ基板)を作製するに当たっては、後述する実施
の形態10,11の製造方法を用いればよい。
【0083】(実施の形態10)図13は本発明に係る
反射型液晶表示パネルの製造工程を示す断面である。な
お、図13は本発明の主たる特徴をなすアレイ基板側に
ついての製造方法を示したものであり、その他の製造工
程は通常の液晶表示パネルの製造工程と同様である。こ
の点に関しては、後述する実施の形態11〜13につい
ても同様であり、アレイ基板側についての製造方法につ
いてのみ説明している。
【0084】以下、図13を参照して、本実施の形態1
0に係る製造方法について説明する。
【0085】先ず、図13(a)に示すように、ガラス
基板30上に第1の感光性高分子膜31と第2の感光性
高分子膜32をスピナー塗布により積層して形成した。
次いで、図13(b)に示すように遮光部33aと透光
部33bとが所定マスクパターンに形成されたフォトマ
スク33を用いて露光処理を行い、次いで現像処理を行
う。このとき、第1の感光性高分子膜31のエッチング
レートを第2の感光性高分子膜32より大きくした。
【0086】なお、第1の感光性高分子膜31と第2の
感光性高分子膜32のエッチングレートを変える具体的
方法としては、例えば上記実施の形態8で述べた残膜厚
特性がd1(t)<d2(t)を満たす感光性高分子材
料(但し、d1(t)は第1の感光性高分子膜31の残
膜厚特性であり、d2(t)は第2の感光性高分子膜3
2の残膜厚特性である。)を使用する。あるいは、上記
実施の形態9で述べたγ値がγ1<γ2を満たす感光性
高分子材料(但し、γ1は第1の感光性高分子膜31の
γ値であり、γ2は第2の感光性高分子膜32のγ値で
ある。)を使用する。
【0087】こうして、第1の感光性高分子膜31のエ
ッチングレートを第2の感光性高分子膜32より大きく
すると、フォトマスク33からの回折光の回り込みによ
り、第1の感光性高分子膜31は図13(c)の上端に
向かうにつれて先細状の第1の高分子34となり、第2
の感光性高分子膜32はほぼマスクパターンと同形の第
2の高分子35に加工される。その結果、図13(c)
に示すように、断面の両側にくびれ部36を有する構造
体37が形成される。
【0088】次いで、構造体37に対してアニール処理
を行うと、第1の高分子34及び第2の高分子35が溶
解し、第2の高分子35の熱ダレでくびれ部が解消し、
基板上に頂点を有する凸部38(凹凸構造体に相当)が
形成される(図13(d))。次いで、凸部38表面を
覆うように金属薄膜を蒸着等することにより凹凸状反射
層8が形成される。
【0089】こうして、第1と第2の感光性高分子膜の
境界にくびれ部を有する形状を形成した後、アニール処
理でくびれ部を解消することで、第2の感光性高分子膜
が第1の感光性高分子膜を完全に覆う形状となる。この
とき、通常のくびれ部を有しない高分子膜にアニール処
理を行う場合に比べ、くびれ部に第2の高分子が流れ込
む分、傾斜面がより急峻となる効果が得られる。
【0090】なお、上記の例では、隣り合う凸部38間
に平坦部が生じているが、これは例えば透光部33bの
間隔が狭いマスクパターンのフォトマスク33を使用す
れば、第2の高分子35がアニール処理で溶融した際
に、基板上で隣り合う第2の高分子35の溶融部分が接
触するため、平坦部のない形状が形成され得る。
【0091】(実施の形態11)実施の形態11におけ
る反射型液晶表示パネルの製造方法は、上記実施の形態
10に係る製造方法と基本的には同様である。但し、実
施の形態10ではフォトマスク33を用いたけれども、
本実施の形態11ではフォトマスク33に代えて中間調
フォトマスクを用いる点において相違する。中間調フォ
トマスクの一例を図14(a),(b)に示す。この中
間調フォトマスク40は、透明なマスク基板41と、マ
スク基板41上に所定幅で形成された複数(本実施の形
態では7つ)の金属膜42A,42B,42B’,42
C,42C’,42D,42D’から構成されている。
この金属膜42A,42B,42B’,42C,42
C’,42D,42D’は、半透過膜である。金属膜4
2Bと金属膜42B’とは厚みが同一であり、金属膜4
2Cと金属膜42C’とは厚みが同一であり、金属膜4
2Dと金属膜42D’とは厚みが同一であり、更に、金
属膜42Aと、金属膜42B,42B’と、金属膜42
C,42C’と、金属膜42D,42D’とは、この順
序で厚みが大きく形成されている。このような中間調フ
ォトマスク40を用いると、露光場所の透過光強度を厳
密に制御できるため実施の形態10で示したフォトマス
ク端からの回折光による露光と同様の効果をさらに精度
良く行うことができる。その結果、図14(c)に示す
ように凸部38の凸部の形状制御がさらに容易になり反
射率の向上が図れる。このため、中間調フォトマスクに
より特に残膜特性が異なる高分子膜を積層した場合の形
状制御が容易になる効果が得られる。
【0092】なお、中間調フォトマスクは、図14に示
す構成に限定されるものではなく、金属膜の個数、幅、
厚みを調整することにより、透過率の調整が可能であ
り、凸部の形状に応じて透過率調整のなされた中間調フ
ォトマスクを使用すればよい。
【0093】(実施の形態12)図15は実施の形態1
2に係る液晶表示パネルの製造方法の工程を示す断面図
である。本実施の形態12に係る液晶表示パネルは、反
射層が鋸刃形状に形成されていることを特徴とするもの
である。このような鋸刃形状反射層の場合、反射光の指
向性に非対称性が付与される。従って、例えば液晶表示
パネルの使用時における特定の観察方向を考慮し、当該
特定の観察方向での視認性が向上した液晶表示パネルと
して用いることができる。
【0094】上記構成の液晶表示パネルの製造方法は、
基本的には実施の形態10の製造方法と同様である。但
し、実施の形態10ではフォトマスクに対して垂直な光
で露光した(図13(b))けれども、本実施の形態1
2ではマスク露光を斜めから行うようにした(図15
(b))ことが相違する。このような斜め露光により、
断面の両側に非対称なくびれ部50a,50bが形成さ
れた。このとき、紫外線露光時の紫外線の入射側に形成
されるくびれ部50aが、反対側のくびれ部50bより
大きく形成された(図15(c))。さらにアニール処
理によりくびれ部50a,50bを解消することで、基
板30上に鋸刃形状の凸部55を形成された(図15
(d))。このように一度の露光・現像処理で鋸刃形状
の凹凸構造が形成され、生産性が向上した。また、凹凸
構造を鋸刃とすることで反射光の指向性に非対称性が付
与され、視認方向を踏まえて反射特性の最適化を図るこ
とができる。
【0095】(実施の形態13)実施の形態12とほぼ
同様な製造方法で、フォトマスクを図14に示したよう
な中間調フォトマスクとした。中間調フォトマスクとす
ることで露光量に非対称性が付与された。このため正面
から露光してもくびれ部が発生し、アニール後に鋸刃形
状が形成された。このように中間調フォトマスクを用い
ることで、一度の正面露光で鋸刃形状の作成が可能とな
り、生産設備の簡素化や生産性の向上が図れた。
【0096】
【実施例】本発明の内容を、以下の実施例に基づき更に
具体的に説明する。
【0097】(実施例1)図16は実施例1に係る液晶
表示パネルのアレイ側基板の製造方法を示す図である。
この実施例1は、実施の形態2に対応するものである。
以下、図16を参照して、液晶表示パネルの製造方法を
説明する。
【0098】TFT2や金属配線(図示せず)が形成さ
れたアレイ基板3上に平坦化層6を形成し、次いで、平
坦化層6上にネガ型レジスト(SC−100、富士フィ
ルムオーリン社製)に黒色色素を0.5%含有させた黒
色レジストを膜厚3μmで塗布した。次にフォトマスク
を用いて紫外線露光と現像処理を行い、図16(a)に
示すような断面が逆台形形状のレジスト体70を作製し
た。このような逆台形形状のレジスト体70が得られる
のは、黒色色素を含有した黒色レジストは紫外線を吸収
するため、紫外線照射時における黒色レジストの紫外線
強度が膜厚方向で減衰し、このため現像処理を行うと逆
台形形状の構造が形成されるからである。
【0099】次にアレイ基板3に200℃/1hのアニ
ール処理を施し、逆台形形状のレジスト体70を熱融解
させ図16(b)に示すような断面が略三角形状の凸状
下地層10Aを形成した。レジスト体70が逆台形形状
であったため熱融解後のレジスト形状は、急峻な略三角
形状となった。略三角形状の内角の和は約170°であ
った。このような逆台形形状のレジスト体70を熱融解
することで急峻な略三角形状が形成されるのは、以下の
理由による。即ち、現像後のレジスト断面が長方形、若
しくは正方形である通常のレジスト構造の場合、アニー
ル後も断面の底辺の長さはほぼ一定である。このため形
状は長方形、若しくは正方形の上辺の角がとれて丸みを
帯びた形状になる。一方、逆台形形状の場合、レジスト
構造の上部が大きいためアニール処理で上部が熱融解し
て下部の空領域が埋まる。このため、急峻な構造が得ら
れることになる。
【0100】次に、ネガ型レジストを再度塗布して、被
覆層11Aを形成し、平坦な部位をなくした(図16
(c))。次いで、被覆層11Aの上面にアルミを蒸着
して反射層8を形成してアレイ側基板を作製した(図1
6(d))。
【0101】上記方法で作製された液晶表示パネルは、
凸状下地層10Aの略三角形状断面の両側辺の傾斜が急
峻な構造であるため、アルミを蒸着した反射層も急峻な
構造が得られて反射率が向上した。本実施例1の液晶表
示パネルの反射率を測定したところ、38%であった。
【0102】上記例では、色素を含有したレジストで逆
台形形状を形成したが、これは、露光と現像処理後にレ
ジスト下部より上部の体積が大きい構造が作製できれば
同様の効果が得られる。例えば、逆三角形状でも良い。
【0103】これらの構造が得られる材料として、例え
ば、リフトオフ法に用いられるレジスト材料を用いても
良い。また、OAP(溶液)処理時間を変えてサイドエ
ッチ量を変化させても、上部が大きい構造が形成され、
例えば、OFPR−800(東京応化工業(株))等を
用いることができる。
【0104】上記例では、ネガ型レジストを用いたが、
これはポジ型レジストでも良い。
【0105】レジストの着色材料は、上記の黒色以外の
色でも良い。着色材料は露光波長での露光光の吸収度合
いと、膜厚方向での強度の減衰度合いを勘案して決定で
きる。
【0106】(実施例2)図17は実施例2に係る液晶
表示パネルのアレイ側基板の製造方法を示す図である。
この実施例2は、実施の形態5に対応するものである。
以下、図17を参照して、液晶表示パネルの製造方法を
説明する。
【0107】先ず、図17(a)に示すようにガラス基
板50(アレイ基板3に相当)上にTFT素子2、平坦
化膜6等を形成した。次に、スピナーで第1の感光性高
分子膜51としてOFPR−800(商品名:東京応化
工業(株)製)を膜厚2μm、及び第2の感光性高分子
膜52としてTSMR−8700(商品名:東京応化工
業(株)製))を膜厚1.5μmで積層した。ここで、
第1の感光性高分子膜51は、現像後の膜減り量が第2
の感光性高分子膜52より大きい特性を有する。
【0108】次いで、図17(b)に示すようにフォト
マスク53を用いてg線で露光を行った。次いで、現像
とリンスを行った。リンス後の基板には、現像時の高分
子膜の膜減り特性の違いで境界にくびれ部54を有する
構造が形成されていた(図17(c))。このとき、第
1の感光性高分子膜51から形成された第1の高分子5
5(凸状下地層に相当)は略台形形状で、内角の和は3
60°未満となっていた。また、第2の感光性高分子膜
52から形成された第2の高分子56(被覆層に相当)
は、第1の高分子55に乗る形で形成されていた。
【0109】次に基板3に熱アニール処理を施すと、第
1の高分子55と第2の高分子56が共に融解した。特
に第2の高分子56の融解によりくびれ部が消滅し、第
1の高分子55を完全に覆う形状となることで、急峻な
凹凸形状が形成された。最後に第2の高分子56の上面
にアルミ膜を蒸着し反射層8とした(図17(d))。
【0110】感光性高分子膜の種類と膜厚は上記によら
ず、現像時の膜減り特性が異なる膜を積層することがで
きる。このとき、下部に位置する膜の膜減り特性を、上
部の膜より大きくすることで、現像後に境界にくびれ部
を有する構造が形成される。
【0111】また、積層する膜の膜厚によっても熱アニ
ール後の形状が異なる。急峻な凹凸形状を形成するに
は、下部の膜の膜厚を上部より大きくするのが望まし
い。これは下部の膜の傾斜面が急峻に形成されても上部
の膜の体積が大きいと熱アニール時に上部の膜が融解し
たときに傾斜面がなだらかになるためである。
【0112】(実施例3)図18は実施例3に係る液晶
表示パネルのアレイ側基板の製造方法を示すこの実施例
3は、実施の形態5に係る液晶表示パネルの他の製造方
法を示すものである。以下、図18を参照して、液晶表
示パネルの製造方法を説明する。
【0113】先ず、アレイ基板50上に平坦化膜6を形
成した後、ポジ型レジスト60(商品名:OFPR−8
00、東京応化工業(株)製)を膜厚2μmで塗布し
た。次にフォトマスク53を介して紫外線を照射した。
このとき、開口部を透過する光以外に、フォトマスク5
3のエッジから回折光61が発生した。このため遮光部
53bに光が回り込み、現像処理後のレジスト形状が略
台形形状となった(図18(b))。次にレジストを再
度塗布して被覆層を形成した後、反射層8を形成してア
レイ側基板とした。
【0114】フォトマスク端部からの回折光を用いるこ
とで、レジスト形状にテーパーが発生した。このとき、
フォトマスク部の幅とレジストの厚みを調整すること
で、台形から三角形状まで連続的に形状を制御すること
ができる。このとき、フォトマスク部の両端から回折光
の回り込む幅が、両側合計でフォトマスク部の幅以上で
あればレジストはほぼ三角形状となる。
【0115】(その他の事項)上記実施の形態及び実施
例では、液晶表示パネルについて説明したけれども、本
発明に係る反射板は液晶表示パネルの反射板に限らず、
その他の光学装置の反射板等に広く使用することができ
る。
【0116】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、反射層の
凸部傾斜面を容易に従来例よりも急峻に形成することが
でき、正面から極角30°程度の広い範囲に亘って高輝
度を保つことができる理想的な反射率特性を備えた反射
板を実現することができる。
【0117】更に、このような反射板を備えた反射型液
晶表示パネルでは、パネル反射率が向上し良好な表示が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る反射型液晶表示パネルの断
面図である。
【図2】反射層の凸部傾斜面の拡大図である。
【図3】反射層の凸部傾斜面の関数形を示すグラフであ
る。
【図4】従来例の液晶表示パネルの反射率特性及び理想
的反射率特性をそれぞれ示すグラフである。
【図5】実施の形態2に係る反射型液晶パネルのアレイ
基板付近の断面図である。
【図6】実施の形態3に係る反射型液晶パネルのアレイ
基板付近の断面図である。
【図7】実施の形態4に係る反射型液晶パネルのアレイ
基板付近の断面図である。
【図8】実施の形態5に係る反射型液晶パネルのアレイ
基板付近の断面図である。
【図9】実施の形態7に係る反射型液晶パネルのアレイ
基板付近の断面図である。
【図10】第1の感光性高分子と第2の感光性高分子の
それぞれの露光後の現像経過時間tにおける膜厚dの時
間変化特性(残膜厚率)を示すグラフである。
【図11】現像後のくびれ部を有する状態を示す断面図
である。
【図12】第1の感光性高分子と第2の感光性高分子の
それぞれのγ値を示すグラフである。
【図13】実施の形態10に係る反射型液晶表示パネル
の製造工程を示す断面である。
【図14】中間調フォトマスク40の拡大断面図であ
る。
【図15】実施の形態12に係る液晶表示パネルの製造
方法の工程を示す断面図である。
【図16】実施例1に係る液晶表示パネルのアレイ側基
板の製造方法を示す図である。
【図17】実施例2に係る液晶表示パネルのアレイ側基
板の製造方法を示す図である。
【図18】実施例3に係る液晶表示パネルのアレイ側基
板の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 :液晶表示パネル 3 :アレイ基板 4 :対向基板 5 :液晶層 6 :平坦化膜 7 :凹凸構造体 8 :反射層 10,10A,10B,10C,10D,10E :凸
状下地層 11,11A,11B,11C,11D,11E :被
覆層 16 :透明電極 17 :液晶分子 25,34 :第1の感光性高分子 26,35 :第2の感光性高分子 27,37 :構造体 28,36,50a,50b :くびれ部 33,53 :フォトマスク 40 :中間調フォトマスク 55 :鋸刃状凸部

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸状構造体が形成された基板と、凹凸
    状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた光反
    射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、基板上に間隔を開けて配置された
    複数の凸状下地層と、凸状下地層を覆い凹凸状に形成さ
    れた被覆層とからなる積層構造となっており、 前記凸状下地層の頂点の広がり角が、前記被覆層の凸部
    頂点の広がり角よりも小さいことを特徴とする反射板。
  2. 【請求項2】 前記光反射層の凸部傾斜面は、その凸部
    傾斜面の最下端から頂点に向かう曲面形状が、前記最下
    端を原点とし、頂点の座標を(1,1)に規格化し、凸
    部の基板面内方向をX(但し、0<X<1)とし、凸部
    の高さ方向をYとしたときに、Y=Xk (但し、2/
    3≦k≦1)で示されることを特徴とする請求項1記載
    の反射板。
  3. 【請求項3】 前記凸状下地層は、無機材料から成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の反射板。
  4. 【請求項4】 前記凸状下地層は、 基板上に形成された色素を含む感光性高分子を露光・現
    像処理して基板に垂直な断面が逆台形形状の構造体を形
    成し、この構造体を加熱処理することにより形成された
    ものであることを特徴とする請求項1記載の反射板。
  5. 【請求項5】 前記凸状下地層及び被覆層が高分子材料
    から成ることを特徴とする請求項1記載の反射板。
  6. 【請求項6】 凹凸状構造体が形成された基板と、該凹
    凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた光
    反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数の凸
    状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とから成る積層構
    造となっており、 前記凸状下地層を覆う被覆層の凸部傾斜面が、液滴が表
    面張力により形成されるときの傾斜面より急峻な形状で
    あることを特徴とする反射板。
  7. 【請求項7】 凹凸状構造体が形成された基板と、該凹
    凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた光
    反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、基板上に間隔を開けて配置された
    複数の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからな
    る積層構造となっており、 前記凸状下地層は、頂部を含み基板に垂直な断面形状が
    略三角形状であって、且つ略三角形状の両側辺が、少な
    くとも前記頂点から所定の範囲に亘って内方側に湾曲し
    た曲線部分を有することを特徴とする反射板。
  8. 【請求項8】 凹凸状構造体が形成された基板と、該凹
    凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた光
    反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数の凸
    状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積層構
    造となっており、 前記凸状下地層は、頂部を含み基板に垂直な断面形状
    が、略三角形状であって、且つ、該三角形状の内角の和
    が180°未満であることを特徴とする反射板。
  9. 【請求項9】 凹凸状構造体が形成された基板と、該凹
    凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面を構成する
    光反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数の凸
    状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積層構
    造となっており、 前記凸状下地層及び被覆層の凸部は、共に頂部を含み基
    板に垂直な断面形状が略三角形状であり、しかも、凸状
    下地層の略三角形状の内角の和が180°未満とされ、
    被覆層の略三角形状の内角の和が180°以上とされて
    いることを特徴とする反射板。
  10. 【請求項10】 凹凸状構造体が形成された基板と、該
    凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた
    光反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数の凸
    状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とからなる積層構
    造となっており、 前記凸状下地層及び被覆層の凸部は、共に頂部を含み基
    板に垂直な断面形状が略三角形状であり、しかも、下地
    層の略三角形状の内角の和及び被覆層の略三角形状の内
    角の和が共に180°未満とされていることを特徴とす
    る反射板。
  11. 【請求項11】 凹凸状構造体が形成された基板と、該
    凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた
    光反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、間隔を開けて配置された複数の凸
    状下地層と、下地層を覆う被覆層とからなる積層構造と
    なっており、 前記凸状下地層は、頂部を含み基板に垂直な断面形状が
    略台形形状であり、しかも略台形形状の内角の和が36
    0°未満とされていることを特徴とする反射板。
  12. 【請求項12】 前記被覆層の凸部は、頂部を含み基板
    に垂直な断面形状が略三角形状であり、しかも、略三角
    形状の内角の和が180°以上であることを特徴とする
    請求項11記載の反射板。
  13. 【請求項13】 前記被覆層の凸部は、頂部を含み基板
    に垂直な断面形状が略三角形状であり、しかも、略三角
    形状の内角の和が180°未満であることを特徴とする
    請求項11記載の反射板。
  14. 【請求項14】 凹凸状構造体が形成された基板と、該
    凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた
    光反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、残膜厚特性が相互に異なる複数の
    感光性高分子材料が露光・現像・加熱の各処理を施され
    て形成されたものであって、間隔を開けて配置された複
    数の凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とから構成
    されていることを特徴とする反射板。
  15. 【請求項15】 露光後の現像経過時間tにおける前記
    下地層を構成する感光性高分子の膜厚d1の時間変化特
    性をd1(t)、前記被覆層を構成する感光性高分子の
    膜厚d2の時間変化特性をd2(t)としたときに、同
    一の現像経過時間tにおいて、d1(t)<d2(t)
    が成り立つことを特徴とする請求項14記載の反射板。
  16. 【請求項16】 凹凸状構造体が形成された基板と、該
    凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面とされた
    光反射層とを有する反射板において、 前記凹凸状構造体は、γ特性が相互に異なる複数の感光
    性高分子材料が露光・現像・加熱の各処理を施されて形
    成されたものであって、間隔を開けて配置された複数の
    凸状下地層と、凸状下地層を覆う被覆層とから構成され
    ていることを特徴とする反射板。
  17. 【請求項17】 前記下地層を構成する感光性高分子の
    γ値をγ1、前記被覆層を構成する感光性高分子のγ値
    をγ2としたときに、γ1<γ2が成り立つことを特徴
    とする請求項16記載の反射板。
  18. 【請求項18】 液晶層を挟んで一方に基板が、他方に
    請求項1乃至17の何れかに記載の反射板が設けられて
    いることを特徴とする反射型液晶表示パネル。
  19. 【請求項19】 凹凸状構造体が形成された基板と、該
    凹凸状構造体を被覆し表面が凹凸状の光反射面を構成す
    る光反射層とを有する反射板の製造方法において、 基板上に、第1の感光性高分子材料と、該第1の感光性
    高分子材料よりもエッチングレートの大きい第2の感光
    性高分子材料とをこの順序で塗布して、基板上に第1の
    感光性高分子層と第2の感光性高分子層とからなる積層
    構造を形成する塗布工程と、 前記塗布工程により得られた第1の感光性高分子層及び
    第2の感光性高分子層に対して、マスク露光処理と現像
    処理をそれぞれ1度行い、基板に垂直な断面形状が両側
    にくびれ部を有する複数の茸状構造体を形成する工程
    と、 前記複数の茸状構造体が形成されている基板に熱処理を
    施し、茸状構造体を溶融変形し前記くびれ部を解消さ
    せ、基板上に間隔を開けて配置された複数の凸状下地層
    と該凸状下地層を覆う被覆層とからなる凹凸状構造体を
    形成する熱処理工程と、 前記凹凸状構造体上に光反射層を形成する工程と、 を備えたことを特徴とする反射板の製造方法。
  20. 【請求項20】 基板上に形成された鋸刃形状の凸部
    と、該鋸刃形状凸部を被覆し表面が鋸刃形状の光反射面
    を有する光反射層とを備えた反射板の製造方法におい
    て、 基板上に、第1の感光性高分子材料と、該第1の感光性
    高分子材料よりもエッチングレートの大きい第2の感光
    性高分子材料とをこの順序で塗布して、基板上に第1の
    感光性高分子層と第2の感光性高分子層とからなる積層
    構造を形成する塗布工程と、 前記塗布工程により得られた第1の感光性高分子層及び
    第2の感光性高分子層に対して、フォトマスクに対して
    斜め方向から光を照射する斜め露光処理と現像処理をそ
    れぞれ1度行い、基板に垂直な断面形状が両側に非対称
    なくびれ部を有する複数の茸状構造体を形成する工程
    と、 前記複数の茸状構造体が形成されている基板に熱処理を
    施し、茸状構造体を溶融変形し前記くびれ部を解消さ
    せ、基板上に間隔を開けて配置された複数の鋸刃形状凸
    部を形成する熱処理工程と、 前記鋸刃形状凸部上に光反射層を形成する工程と、 を備えたことを特徴とする反射板の製造方法。
  21. 【請求項21】 基板上に形成された鋸刃形状の凸部
    と、該鋸刃形状凸部を被覆し表面が鋸刃形状の光反射面
    を有する光反射層とを備えた反射板の製造方法におい
    て、 基板上に、第1の感光性高分子材料と第2の感光性高分
    子材料とをこの順序で塗布して、基板上に第1の感光性
    高分子層と第2の感光性高分子層とからなる積層構造を
    形成する塗布工程と、 前記塗布工程により得られた第1の感光性高分子層及び
    第2の感光性高分子層に対して、異なる透過率を有する
    箇所が連続的に形成された半透過膜から成る中間調フォ
    トマスクを用いたマスク露光処理と現像処理をそれぞれ
    1度行い、基板に垂直な断面形状が両側に非対称なくび
    れ部を有する複数の茸状構造体を形成する工程と、 前記複数の茸状構造体が形成されている基板に熱処理を
    施し、茸状構造体を溶融変形し前記くびれ部を解消さ
    せ、基板上に間隔を開けて配置された複数の鋸刃形状凸
    部を形成する熱処理工程と、 前記鋸刃形状凸部上に光反射層を形成する工程と、 を備えたことを特徴とする反射板の製造方法。
  22. 【請求項22】 反射板と、反射板に対向するように設
    けられた基板と、反射板及び基板に挟まれた液晶層とを
    備えた反射型液晶表示パネルの製造方法において、 前
    記反射板は、請求項19乃至21の何れかに記載の方法
    によって製造されることを特徴とする反射型液晶表示パ
    ネルの製造方法。
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