JP2001198200A - 生理臭消臭用組成物 - Google Patents
生理臭消臭用組成物Info
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Abstract
所謂生理臭の原因成分を解明するとともに、当該生理臭
に対する消臭効果に優れた消臭剤を提供する。 【解決手段】アセトイン及びジアセチル、好ましくはさ
らにイソアミルアルコール、より好ましくはさらにトリ
メチルアミン及びイソ吉草酸の少なくとも1種を含有す
る不快臭組成物。茶抽出物等の植物抽出物、好ましくは
更に二酸化ケイ素を含む生理臭消臭用組成物。
Description
は消臭の用途に用いられる消臭剤に関する。より詳細に
は、本発明は月経時の経血に起因して発生する不快臭で
ある所謂生理臭に対する消臭効果に優れた消臭剤に関す
る。また本発明は人工的に作成した模擬生理臭に関し、
さらに当該模擬生理臭を利用して生理臭に対する消臭用
組成物をスクリーニングして取得する方法に関する。
存在しており、臭いは私たちの生活に密接に関係してい
る。日常生活の中で我慢できないのはいわゆる「不快」
な臭いである。出願人において行った調査によると、か
かる「不快臭」として「生ゴミの臭い」、「排気管・排
水溝の臭い」、「使用後のトイレの臭い」、「タバコの
臭い」、「車の中の臭い」、「焼き魚などの料理臭」、
「ペットの臭い」、「トイレの汚物入れの臭い」及び
「冷蔵庫内の臭い」等が上位を占めるという結果が得ら
れている。
水溝の臭い」、「使用後のトイレの臭い」、「タバコの
臭い」、「車の中の臭い」、「焼き魚などの料理臭」、
「ペットの臭い」及び「冷蔵庫内の臭い」については、
従来から消臭等を目的として各種の消臭剤や芳香剤が開
発されているものの、「トイレの汚物入れの臭い」につ
いては、その対策は勿論、その臭いの実態も知られてい
ないのが実情である。
臭い」は、アンモニアやメチルメルカプタン等によって
生じるトイレの糞便臭や低級脂肪酸等によって生じる体
臭とは異なる特有の不快臭であり、月経時の経血自体の
臭いだけでなく、経血などが細菌によって分解された臭
いを含めて、多数の悪臭成分から構成されると考えられ
る。しかしながら、前述するようにその臭いの原因は未
だ解明されていない。ゆえに、この臭いを除去もしくは
マスキングするためには、従来の消臭処理方法では不十
分であり、新たに有効な消臭剤を開発する必要がある。
のであり、第1に月経時の経血に起因して生じる臭い
(以下、生理臭という)が如何なる性質の臭いであるの
か、その本質を突き止め、その臭い成分を解明し提供す
ることを目的とするものである。また本発明の第2の目
的は、かかる月経経血に起因する特有の臭いを有意に消
臭することのできる消臭用組成物を提供することであ
る。さらに本発明の第3の目的は、下着やストッキング
等への生理臭の付着や、これら下着等から発生する生理
臭を抑制乃至は防止するために効果的に用いられる消臭
剤を提供することである。
達成するための鋭意検討を重ねていたところ、不快臭を
構成する生理臭には、従来から体臭の代表的な原因物質
として認知されている成分とは異なる成分であって、ま
た従来悪臭成分としても広くは認識されていなかったジ
アセチル、及びアセトインが深く関わっていることを見
出し、かかる原因物質を特定することに成功した。さら
に本発明者らは、かかる知見をもとに生理臭を人工的に
作製し、これを利用してスクリーニングすることによっ
て、該生理臭をマスキング乃至は消臭する効果にすぐれ
た消臭成分を見出すことに成功し、かかる消臭成分を有
する消臭組成物が生理臭の抑制乃至消臭に有効であるこ
とを確認した。本発明はかかる知見に基づいて開発され
たものである。
特徴づけられる、下記(1)〜(3)に記載する不快臭
組成物である: (1)ジアセチル及びアセトインを主成分とする不快臭
組成物。 (2)さらにイソアミルアルコールを有する(1)記載
の不快臭組成物。 (3)さらにトリメチルアミン及びイソ吉草酸の少なく
とも1種を含有する(2)記載の不快臭組成物。
臭として生理臭用の消臭剤をスクリーニングするために
有意に利用することができる。ゆえに本発明は下記
(4)又は(5)に記載する、生理臭に対する消臭物質
のスクリーニング方法乃至は取得方法に関するものであ
る。 (4)上記(1)〜(3)に記載する組成物に起因する
不快臭を模擬生理臭として用い、該生理臭に対して消臭
効果を発揮する被験物質をスクリーニングする方法。 (5)上記(4)記載のスクリーニング方法で得られる
1種または2種以上の被験物質を製造乃至は調合して、
生理臭の消臭用組成物を調製する方法。
生理臭の消臭用組成物であり、かかるものとしては、例
えば(6)〜(9)に記載するものを挙げることができ
る: (6)植物抽出物を含むことを特徴とする、ジアセチル
を成分とする不快臭の消臭用組成物。 (7)植物抽出物を含むことを特徴とする、生理臭に対
する消臭用組成物。 (8)植物抽出物が茶、柿及びシソ科植物よりなる群か
ら選択される少なくとも1種の植物の抽出物である
(6)または(7)に記載の消臭用組成物。 (9)さらに二酸化ケイ素を含有することを特徴とする
(6)乃至(8)のいずれかに記載の消臭用組成物。
るものである。
例1に詳述するように、使用済み生理用品から生じる臭
いを「ヘッドスペース捕集方法」により、Tenax TA樹脂
に吸脱着させ、得られた臭い成分をガスクロマトグラフ
質量分析計(GC−MS)を用いて分析し、さらにその
分析を元に調製した各種の模擬臭を専門パネラー5名に
よって官能評価試験することによって行った。ガスクロ
マトグラフ質量分析計による結果を図1に示す。
クは、使用済み生理用品試料10検体のうち8検体以上
に共通して検出され、且つ未使用生理用品からは検出さ
れなかった成分のピークであり、それぞれ1:ジアセチ
ル、2:イソ吉草酸アルデヒド、3:メチルプロピルケ
トン、4:アセトイン、5:イソアミルアルコール、
6:イソ吉草酸に相当するものである。
であるといわれているトリメチルアミン(図1中、*で
示す)を加えた合計7種類の成分を用いて数種の生理臭
模擬臭を作製し、専門パネラー5名による官能試験を行
った結果を表1に示す。
セトイン、イソアミルアルコール、トリメチルアミン及
びイソ吉草酸の5種類が主として生理臭の臭い成分とし
て寄与していることが認められた。GC−MS分析の結
果及び官能評価の結果から、中でもジアセチル及びアセ
トインが生理臭を構成する中心成分である可能性が強く
示唆された。一方、トリメチルアミンは、採取した試料
からは多くは検出できなかった成分であるが、官能評価
ではトリメチルアミンを添加した模擬臭が未添加の模擬
臭と比べて、より実際の生理臭に近くなったことから、
生理臭の一構成成分であると考えられる。
としてジアセチル、アセトインであり、好ましくはさら
にイソアミルアルコールを含むものと考えられる。また
生理臭の原因成分としてさらにトリメチルアミンまたは
イソ吉草酸のいずれか少なくとも1種を含んでいてもよ
い。なお、ジアセチルはバターのような甘味のある臭い
を、アセトインはアルコールが発酵したような強烈な臭
いを、イソアミルアルコールは刺激的なアルコールの臭
いを有するものであり、従来体臭に起因する不快臭とし
て広くは認識されていなかった成分である点、特記すべ
きことである。
有することを特徴とするものであり、その限りにおいて
それら各成分の配合割合は特に制限されない。
特に生理臭をマスキング乃至は抑制する効果に優れた消
臭用組成物に関するものである。
抽出物を含有することを特徴とする。
するものであれば特に制限されず、いずれの植物抽出物
をも使用することができるが、好ましくは茶、柿または
シソ科植物の抽出物を例示することができる。なお、シ
ソ科植物としては、好適にはローズマリー、タイム、セ
ージ等を例示することができる。好ましくは茶抽出物で
ある。
部をそのまま若しくは破砕物として抽出操作に付すか、
また乾燥後、必要に応じて粉砕粉体状として抽出操作に
付して調製することができる。
ル,エタノール,プロパノール及びブタノール等の炭素
数1〜4の低級アルコール;酢酸エチルエステル等の低
級アルキルエステル;エチレングリコール、ブチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのグ
リコール類;その他エチルエーテル、アセトン、酢酸等
の極性溶媒;ベンゼンやヘキサン等の炭化水素;エーテ
ルや石油エーテルなどのエーテル類等の非極性溶媒の公
知の有機溶媒を挙げることができる。これら溶媒は、単
独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用するこ
ともできる。例えば脂肪分の多い原料などの場合は、必
要に応じて有機溶媒に適量な水を加えて含水有機溶媒と
して用いることもできる。本発明において好ましくは、
水、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール
などのグリコール類、または20〜40重量%程度のエ
タノール水溶液などといった含水アルコール溶液を用い
ることができる。
を採用することができる。制限はされないが、例えば溶
媒中に全草またはその一部(そのまま若しくは粗末、細
切物)、又はそれらの乾燥破砕物(粉末など)を冷浸、
温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出
を行い、濾過して抽出液を得る方法、またはパーコレー
ション法等を挙げることができる。得られた抽出液は、
必要に応じてろ過または遠心分離によって固形物を除去
した後、使用の態様により、そのまま用いるか、または
溶媒を留去して一部濃縮若しくは乾燥して用いてもよ
い。また濃縮乃至は乾燥後、該濃縮乃至は乾燥物を非溶
解性溶媒で洗浄して精製して用いても、またこれを更に
適当な溶剤に溶解もしくは懸濁して用いることもでき
る。また、抽出液を、慣用されている精製法、例えば向
流分配法や液体クロマトグラフィー等を用いて精製して
使用することも可能である。更に、本発明においては、
例えば、上記のようにして得られた溶媒抽出液を、減圧
乾燥、凍結乾燥等の通常の手段により植物エキス乾燥物
として使用することもできる。
られる果肉や搾汁の抽出物が包含される。なお、ここで
果実とは果肉や果皮の別を問うものではなく、原料とし
て果肉と果皮を含む全果、果皮を除いた果肉、または果
皮のいずれをも使用することができる。
いが、原料果実をそのまま、若しくはビタミンC、エリ
ソルビン酸等の抗酸化剤を添加しながら、破砕や圧搾等
により搾出果汁を得、好ましくはペクチン分解酵素処理
を行い、次いで、必要に応じて遠心分離やろ過などの分
別手段によってパルプ分を除去し、搾汁を得る方法を挙
げることができる。また、抽出方法としては、特に制限
されないが、原料果実をアルコール(エタノール等)な
どの有機溶媒と混合して破砕し、そのまま浸漬及び圧搾
して抽出するか、または必要に応じて加熱還流しながら
抽出し、次いで有機溶媒を蒸発留去した後、遠心分離ま
たは有機溶媒(ヘキサン、クロロホルムなど)による分
配工程に付して、分別し、抽出液を得る方法を挙げるこ
とができる。得られた清澄搾汁または清澄抽出液は、そ
のままで使用することもできるが、さらに濃縮工程に供
することによって濃縮果汁、ピューレもしくはペースト
として、または噴霧乾燥、減圧乾燥若しくは凍結乾燥等
の乾燥工程に供することによって果汁乾燥物として使用
することもできる。
ス、植物乾留液、果実エキスなどとして商業的に販売さ
れているものを使用することもできる。また、上記の各
種植物抽出物は1種単独で使用されてもよいし、また2
種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
物抽出物の配合割合は、使用する植物抽出物の種類や他
の配合成分との関係などに応じて適宜選択、使用される
ものであって一概に特定することはできないが、例えば
組成物100重量部あたりに含まれる原植物重量部とし
て、通常0.1重量部以上、好ましくは0.4〜40重量
部、より好ましくは1〜30重量部の範囲を例示するこ
とができる。なお、配合量の上限は特に制限されない
が、経済性や消臭効果に鑑みれば、1重量部程度の配合
で十分である。
上記植物抽出物に加えてさらに二酸化ケイ素を含有する
ことができる。二酸化ケイ素を配合することにより、植
物抽出物の消臭効果がより一層増強するとともに、消臭
効果が長期にわたって持続するようになる。
素の配合割合は特に制限されないが、通常0.1〜50
重量部、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは3
〜20重量部の範囲を例示することができる。
が0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好
ましくは1〜20μmのものが好適に使用できる。
に加えて、各種形態に応じて、通常使用される担体並び
に防腐剤、安定剤、沈殿防止剤、pH調整剤、香料、界
面活性剤(アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性
界面活性剤)、着色剤、清澄剤、粘度調整剤、殺菌抗菌
剤、精油等の各種添加剤を配合することができる。かか
る担体並びに添加剤としては、人体に安全なものが好ま
しく、より好ましくは皮膚等に対して刺激性のないもの
である。
水(例えばイオン交換水)、アルコール(例えばエタノ
ール)、並びに水溶性溶剤(例えばプロピレングリコー
ルやグリセリン等)などを、また固体形態の場合は各種
のゲル化剤(例えば、カラギーナンやアルギン酸ナトリ
ウム等の海藻多糖類;グアーガムやタマリンドシードガ
ム等の種子多糖類;アラビアガムやトラガントガムなど
の植物樹液多糖類;キサンタンガムやジェランガム等の
発酵多糖類;ゼラチン等の蛋白質;カルボキシメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体等)を挙げることができ
る。
プロピオン酸、デヒドロ酢酸及びその塩;パラオキシ安
息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル等の有機
酸エステル類;亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の無機塩類;ペクチン抽出
物などの植物由来成分などを例示することができる。
アリン酸マグネシウム等の微粒子粉体、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ステアレート等の界面活性剤及びキサンタンガム、ポリ
エチレングリコール等のゲル化剤等を例示することがで
きる。
酸、DL-リンゴ酸並びにその塩類;炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどの炭酸塩類;リン酸、リン酸二水
素ナトリウム等のリン酸塩などを例示することができ
る。
ニリド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、
ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン、ジヒドロファル
ネソール、イソプロピルメチルフェノールなどを例示す
ることができる。
に過ぎず、本発明はこれらの成分に何ら限定されること
はない。すなわち本発明の消臭用組成物には、他の添加
成分も含めて、通常当業界で使用される各範疇の成分が
いずれも使用できる。
載するように、特にジアセチルに由来する不快臭、また
イソアミルアルコールの不快臭に対しての消臭効果に優
れており、これらを不快臭の成分とする生理臭に対して
有意に優れた消臭効果を備えている。
芳香剤を含む)の有効成分として配合することができ、
これにより所望の形態や剤型を有する消臭剤を調製する
ことができる。このようにして調製される消臭剤の形態
及び剤型は特に制限されず、例えばスプレーやローショ
ン、乳液などの液体状のもの、エアゾール状のもの、消
臭用組成物をカプセル若しくはゲル基材に封入させてな
る固形状若しくは半固形状のもの、シートやフィルム及
びハップ剤などに含浸させたもの等を挙げることができ
る。
の悪臭発生源に直接撒付したり、またこれらの悪臭を発
生し得る雰囲気内に配置する方法で使用することもでき
るし、また下着やストッキング等の衣類に生理臭が付着
するのを防止したり、付着した生理臭が該衣類から発生
するのを防いだり、発生した臭いをマスキングする手段
として使用することもできる。後者の場合、消臭剤をス
プレーやエアゾールなどの形態で衣類に直接噴霧した
り、洗濯仕上げ剤やコーティング剤として用いることに
よって予め衣類に担持させる使用態様を好適に例示する
ことができる。
さらに本発明は生理臭に対する消臭用組成物のスクリー
ニング方法に関するものである。本発明のスクリーニン
グ方法は、基本的に前述する不快臭組成物に起因する不
快臭を模擬生理臭として用い、該生理臭に対して消臭効
果を発揮する被験物質を選別取得する方法である。なお
消臭効果の有無は、官能試験やガスクロマトグラフィー
などによって判断することができる。また、本発明は上
記スクリーニング方法で得られる1種または2種以上の
被験物質を化学的若しくは生物学的に製造し乃至は調合
して、生理臭に対する消臭用組成物を調製する方法に関
する。
される消臭用組成物を提供するものであり、かかる組成
物としては、前述する植物抽出物(例えば、茶、柿また
はシソ科植物の抽出物)を有効成分として含む組成物を
例示することができる。
詳細に説明する。ただし、本発明はかかる試験例等によ
って何ら制限されるものではない。実施例1 生理臭の分析及び模擬臭の作製 1)試料の調製 10L容量フッ素樹脂サンプリングバック(ジーエルサ
イエンス社製)にコック付きスリーブを取り付け、使用
済み生理用品を酸素20%含有窒素ガスと共に封入し
た。なお、捕集管として、捕集剤(TenaxTA20/35mesh,
0.75g:ジーエルサイエンス社製)を充填した不活性処理
済みサンプルチューブ(クロムパック社製)を用いた。
この使用済み生理用品入りバッグを室温で1〜5日間放
置し、その後サンプリングバッグに接続した捕集管をポ
ンプで吸引することにより、ヘッドスペースガス0.5
L分を捕集剤に吸着させてサンプリングした。なお、サ
ンプルチューブは捕集剤(TenaxTA20)を充填した後、
エタノールとアセトンで洗浄し、窒素ガスを流しながら
230℃で加熱して一晩空焼きを行ったものを使用し
た。また、対照試料として未使用の生理用品についても
同様にしてサンプリングを行った。
グラフ質量分析計(GC−MS)を用いて分析した。な
お、加熱脱着装置はクロムパック社製のCP4010PTI/TCT
を、GC−MSはヒューレットパッカード社製のHP6890
シリーズ MassSelective Detectorを使用し、下記の条
件で分析測定した。
(30m×0.25i.d.、膜厚1.5μm) キャリアガス:ヘリウム キャリアガス流量:1ml/mim イオン化電圧:70eV モニター質量数:35以上。
トグラムの一例として、図1に示す。各ピークのうち、
数値を付したピークは、10試料のうち8試料以上に共
通して検出され、且つ未使用生理用品からは検出されな
かった成分のピークであり、それぞれ1:ジアセチル、
2:イソ吉草酸アルデヒド、3:メチルプロピルケト
ン、4:アセトイン、5:イソアミルアルコール、6:
イソ吉草酸に相当するものである。また、*を付したピ
ークは、10試料中2試料からのみ検出されたピークで
あるが、従来より経血臭の主成分であるといわれている
トリメチルアミンに相当するピークである(「匂いの
本」第46頁、竹内書店新社、1988年2月25日発行)。
メチルプロピルケトン、アセトイン、イソアミルアルコ
ール及びイソ吉草酸が生理臭を構成すると考えられた。
そこで、これらの6種類に従来から経血臭の主成分であ
るといわれているトリメチルアミンを加えた合計7種類
の成分を用いて、配合量や組み合わせ等を種々変えて、
数種類の生理臭の模擬臭を作製した。かかる模擬臭を濾
紙の先端約1cmに付着させて、その臭いを専門パネラー
5名に嗅いでもらって、生理臭に似ているかどうかにつ
いてアンケートを採った。アンケートの結果を表2に示
す。なお、表3は、ある成分を添加した模擬臭と当該成
分を添加しない模擬臭とを比べて、当該成分が生理臭の
発生にどの程度寄与しているかを答えてもらった結果で
ある。この結果から、生理用品を使用した後放置1日目
から殆どの試料で検出されるアセトイン及びジアセチル
については、それらを配合した模擬臭が、該成分未添加
の模擬臭よりも、より実際の生理臭に近くなることか
ら、生理臭を構成する中心成分である可能性が強く示唆
された。
セチル、アセトイン、イソアミルアルコール、トリメチ
ルアミン及びイソ吉草酸の5種類が生理臭の臭い発生に
寄与していることがわかった。トリメチルアミンは前述
するように、採種した試料からは多くは検出できなかっ
た成分であるが、ジアセチル及びアセトインと同様に、
トリメチルアミンを添加した模擬臭は未添加の模擬臭と
比べて、より実際の生理臭に近くなったことから、生理
臭の一構成成分であると考えられた。
果から、ジアセチル、アセトイン、イソアミルアルコー
ル、トリメチルアミン及びイソ吉草酸の5種類を表3に
記載の割合で調製し、かかる組成物から発生する臭気を
模擬生理臭とした。
用いて、表4に示す処方組成物の該生理臭に対する消臭
効果を調べた。具体的には、処方組成物液を2秒間塗布
した布(5cm×5cm)をバイアル瓶にいれ、さらに試験
管を挿入してその試験管内に表3の処方に従って調製し
た模擬生理臭用組成物を0.01mL加えた。バイヤル
瓶を密封して40℃で60分間加熱した後、シリンジで
バイヤル瓶中の空気を1mL採取し、各種の悪臭濃度
(ジアセチル、アセトイン、イソアミルアルコール、生
理臭)をガスクロマトグラフィーで測定した。
ensis L)の枝葉を減圧下にて、乾留を行って、留分1
部にエタノール24部を加えて混合したものであり、当
該品1gは、原植物葉0.4gに相当するものである。
結果を表4に併せて示す。
種の不快臭、特にジアセチル、イソアミルアルコール及
び模擬生理臭を効果的に消臭(マスキング、抑制)する
ことがわかり、またさらにこれに二酸化ケイ素を配合す
ることによって、その消臭力を高めることがわかる。
石油ガス96重量%をスプレー容器に充填して、消臭ス
プレーを調製した。
石油ガス96重量%をスプレー容器に充填して、消臭ス
プレーを調製した。
石油ガス96重量%をスプレー容器に充填して、消臭ス
プレーを調製した。
に代えて、柿抽出物またはローズマリー抽出物を用いて
同様に消臭剤を調製した。
マトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて分析した
結果を示す、トータルイオンクロマトグラムである。な
お、図面中、ピーク1はジアセチル、ピーク2はイソ吉
草酸アルデヒド、ピーク3はメチルプロピルケトン、ピ
ーク4はアセトイン、ピーク5はイソアミルアルコー
ル、ピーク6はイソ吉草酸、ピーク*はトリメチルアミ
ンのピークを示す。
Claims (11)
- 【請求項1】ジアセチル及びアセトインを主成分とする
不快臭組成物。 - 【請求項2】さらにイソアミルアルコールを有する請求
項1記載の不快臭組成物。 - 【請求項3】さらにトリメチルアミン及びイソ吉草酸の
少なくとも1種を含有する請求項2記載の不快臭組成
物。 - 【請求項4】生理臭の主成分として用いられる請求項1
乃至3のいずれかに記載の不快臭組成物。 - 【請求項5】植物抽出物を含むことを特徴とする、ジア
セチルを成分とする不快臭の消臭用組成物。 - 【請求項6】植物抽出物を含むことを特徴とする、生理
臭の消臭用組成物。 - 【請求項7】植物抽出物が茶、柿及びシソ科植物よりな
る群から選択される少なくとも1種の植物の抽出物であ
る請求項5または6に記載の消臭用組成物。 - 【請求項8】さらに二酸化ケイ素を含有することを特徴
とする請求項5乃至7のいずれかに記載の消臭用組成
物。 - 【請求項9】請求項1乃至3のいずれかに記載の組成物
に起因する不快臭を模擬生理臭として用い、該模擬生理
臭に対して消臭効果を発揮する被験物質をスクリーニン
グする方法。 - 【請求項10】請求項9記載のスクリーニング方法で得
られる1種または2種以上の被験物質を製造乃至は調合
して、生理臭の消臭用組成物を調製する方法。 - 【請求項11】請求項9又は10記載の方法によって得
られる生理臭の消臭用組成物。
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