JPH0241165A - 茶葉成分含有消臭剤およびその製造方法 - Google Patents

茶葉成分含有消臭剤およびその製造方法

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JPH0241165A
JPH0241165A JP63188125A JP18812588A JPH0241165A JP H0241165 A JPH0241165 A JP H0241165A JP 63188125 A JP63188125 A JP 63188125A JP 18812588 A JP18812588 A JP 18812588A JP H0241165 A JPH0241165 A JP H0241165A
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JP
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caffeine
deodorant
deodorizing
extraction
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JP63188125A
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English (en)
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Sanehiro Sato
佐藤 修弘
Michio Takeshita
竹下 道夫
Takashi Kono
敬 河野
Hiromi Yabuta
藪田 博美
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主要消臭有効成分としてタンニンを含み、カ
フェインを実質的に含まない茶葉成分含有消臭剤に関す
るものであり、さらに、茶葉から、タンニンなどの消臭
剤としての有効成分を溶剤により抽出する方法と、茶葉
からカフェインを超臨界状態の流体により抽出除去する
方法とを組み合わせてカフェインを実質的に含まない茶
葉成分含有消臭剤を製造する方法に関するものである。
前記の茶葉成分含有消臭剤は、実質的にカフェインを含
まないために、口中清涼剤、キャンデイ、チューインガ
ムはじめ食品の消臭に安全に使用することができる。
〔従来技術の説明〕
従来、消臭または脱臭の方法としては、例えばカンプラ
油等の芳香性物質により悪臭をマスキングする方法、過
マンガン酸カリウム等の酸化剤により有臭物質を酸化分
解して無臭とする方法、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、
硫酸鉄等の金属塩畑により、アンモニア、硫化水素等の
悪臭の固定を行う方法、塩類、硝酸、水酸化ナトリウム
、炭酸ナトリウム等の中和剤により有臭物質を中和して
無臭とする方法、活性炭により悪臭を吸着させる方法等
が用いられてきた。しかしながら、これらの方法は何れ
も使用目的により著しい制限を受ける場合が多く、特に
食品分野における開発は十分に行われていない。これま
でに、ツバキ科植物またはクスノキ科植物の生葉または
乾燥葉のアルコール系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、水
またはそれらの混合溶剤による熱抽出物を有効成分とし
て含有してなる消臭・脱臭剤(特公昭第58−1809
8号)緑茶をアルキルケトン類の有機溶剤で抽出し、こ
れを苛性アルカリ水溶液で加熱し鹸化して得た成分、ま
たは緑茶を苛性アルカリ水溶液で加熱して鹸化した後に
アルキルケトン類の有機溶剤で抽出して得た成分、ある
いはまた緑茶を苛性アルカリ水溶液とアルキルケトン類
の有機溶剤とを用いて加熱し、鹸化と抽出を同時に行っ
て得た成分を含有することを特徴とする脱臭剤(特開昭
第58−190445号)などが提案されている。また
、着色が強く、しかも水に対する溶解性が悪いために消
臭対象物によっては使用制限を受ける欠点がある上記特
公昭第58−18098号公報に開示された発明の改良
法として、ツバキ科植物または/およびクスノキ科植物
の生葉またはそれらの生葉を自然乾燥または蒸気の熱ま
たは火熱で熱して乾燥した乾燥葉を多価アルコール系有
機溶剤の単独または2種以上の混合溶剤で熱抽出を行い
、得られた熱抽出溶液を減圧下で留出させて、シリカゲ
ル吸着法で有効成分を分離してなる消臭剤(特開昭第6
0−40059号)、ツバキ科または/およびクスノキ
科の植物の生葉または乾燥葉をアルコール系有機溶剤、
ケトン系有機溶剤、多価アルコール系有機溶剤、水また
はそれらの混合溶剤により冷抽出または熱抽出を行い、
その抽出物を活性炭素、酸性白土、または珪藻上等を使
用して説色処理を行い、得られた処理物を有効成分とし
て含有してなる消臭剤(特開昭第60−122566号
)などが提案されている。
しかしながら、前記特公昭第58−18098号公報、
特開昭第58−190445号公報、特開昭第60−4
0059号公報および特開昭第60−122566号公
報等に開示されている消臭・脱臭剤は、何れもそれらの
最終製品中に中枢神経系、心臓、腎臓などに対し興奮作
用を示すカフェインが含まれており、例えば、これらの
消臭・脱臭剤を口中清涼剤や口臭除去剤としてキャンデ
イ、チューインガム等に添加するなど、食品に添加する
消臭・脱臭剤として使用する場合、健康上、必ずしも安
全な消臭・脱臭剤とはいえなかったのである。
そこで、カフェインを含まず、安全性に優れ、かつ、良
好な消臭もしくは脱臭効果を有する付加価値の高い消臭
・脱臭剤の出現が特に食品市場分野で望まれていたので
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前述のように、最終製品中にカフェイ
ンが含まれており、安全性の面では必ずしも満足すべき
ものではないという従来公知の消臭・脱臭剤における問
題点を解消した新しい茶葉成分含有消臭剤およびそれを
製造する方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者等は、上記先願発明の問題点に鑑み、実
質的にカフェインを含まない消臭剤を製造す名ことを目
的として鋭意研究した結果、超臨界流体によるカフェイ
ンの選択的抽出除去法と消臭剤としての有効成分の溶剤
による抽出法との組み合わせによりカフェイン含有量の
極めて少ない消臭剤が得られるという知見を得、遂に本
発明に到達したものである。
すなわち、第1の発明は、主要消臭有効成分として5〜
20重量%のタンニンを含有し、消臭率が少なくとも8
0%以上であり、がっ、カフェインの含有割合が1重量
%以下である茶葉成分含有消臭剤に関する。また、第2
の発明は、(A)茶葉を、水の存在下に、ガスから超臨
界状態となした流体(第一成分)と炭素数1〜4個の低
級脂肪族飽和一価アルコール類から選ばれた少なくとも
1種のアルコール系有機溶剤(第二成分)との混合溶液
と超臨界状態下に接触させ、前記茶葉からカフェインを
選択的に抽出除去する工程、(B)前記(A)工程で得
られた抽出残渣物を溶剤を用いて抽出し、得られた抽出
溶液から原料残渣を濾去し、濾液を濃縮またはa縮乾固
して消臭原液剤または消臭粉末剤を得る工程からなるこ
とを特徴とする茶葉成分含有消臭剤の製造方法に関する
〔本発明の各要件の詳しい説明] 本発明に用いることができる原料、の茶葉としては各種
のものがあり、例えば緑茶、紅茶、ウーロン茶およびマ
チ茶(パラグアイ茶ともいわれる。)などの茶樹の生葉
またはその乾燥物が挙げられるが、特に茶樹の種類とし
ては緑茶が好ましい。
本発明の消臭剤は、消臭作用を有する主要有効成分とし
てタンニンを5〜20重量%含有している。さらに、本
発明の消臭剤は、消臭作用を有する有効成分として、茶
の主要成分である前記の含有量のタンニンのほかに、茶
の成分であるクロロフィル、フラボノイド、アミノ酸、
有機酸、糖類などを含有していてもよい。
本発明の消臭剤は、後述の消臭率測定法で求められるr
悪臭物質であるベンジルメルカプタンおよびトリメチル
アミンに対するガスクロマトグラフ分析の結果により求
められる消臭率1が少なくとも80%以上、好ましくは
90%以上であり、特に、ベンジルメルカプタンに対し
ては80%以上、好ましくは90%以上、そして、トリ
メチルアミンに対しては90%以上、好ましくは95%
以上であることが望ましい。
本発明の消臭剤は、上記のベンジルメルカプタンやトリ
メチルアミンに対してはもちろんのこと、上記以外のメ
ルカプタンやアミン化合物、その他硫化水素、硫化メチ
ル、アンモニア等の有臭成分に対しても消臭効果を有す
るほか、その他あらゆる種類の悪臭に対しても有効であ
る。
本発明の消臭剤による上記消臭効果の作用機構は明らか
ではないが、恐らく茶の成分であるクロロフィルによる
縮合およびキレート反応、また、茶の成分であるフラボ
ノイド類やタンニン類などのポリフェノール基と−NI
T基との結合、さらには、茶の成分であルアミノ酸(7
) Nll □c (R) HCOOI(と−5H基、
−N)l基との中和反応、茶の成分である有機酸と−N
H基との中和反応、または、茶の成分である糖類による
吸収、吸着、包接作用等の化学的・物理的な作用が複合
的に働いて消臭作用を奏するものと思われる。
本発明の消臭剤においては、後述するカフェイン含有率
測定法で求められるカフェインの含有割合は、1重量%
以下、好ましくは0.5重量%以下であり、実質的にカ
フェインを含有しないものである。
次に、本発明の製造方法は、本発明者等が先に提案した
特願昭第63−118165号明細書に記載されたT超
臨界流体によるカフェインの選択的抽出除去法1を利用
するものである。
本発明の製造方法において、前述した原料の茶葉からの
脱カフエインに用いる第一成分と第二成分の組み合わせ
による抽出溶剤C以下、本明細書において混合溶液とい
う。)のうち、第一成分、すなわち、その使用に際して
ガスから超臨界状態となさしめる流体としては、例えば
、健康上無害で、物質の化学的変化をもたらさないCo
2、Neo、SF’6 、Xe5CF4、メタン、エタ
ン、エチレン、アセチレン、シクロプロパンなどのガス
が好適であり、これらのガスは単独でまたは混合物で使
用することができる。
上記第一成分に添加して前記混合溶液を形成するための
第二成分としては、メタノール、エタノール、プロパツ
ール、イソプロパツール、ブタノール、イソブチルアル
コール、5ec−ブチルアルコールなどの炭素数1〜4
個の低級脂肪族飽和一価アルコール類が適当であり、そ
れらを単独でまたは相互に混合して使用することができ
る。
これらの混合溶液としての第一成分および第二成分の選
択は、カフェインに対する可能な限り高い選択性および
溶解度を持たせるというような選択した適用条件、茶樹
の種類および第二成分と一緒になって液状の混合溶液を
形成すべき第一成分の性質により決定する。すなわち、
第一成分のカフェインに対する溶解性および/または選
択性が適用条件で比較的低い場合には、第二成分を生成
する混合溶液のカフェインに対する選択性および溶解性
が高くなるように選択するのである。
前記の原料茶葉からの脱カフエインは、これら原料茶葉
を、水の存在下に超臨界状態の上記混合溶液と接触させ
ることにより実施されるが、ここでr水の存在下」とは
、例えば、超臨界状態の上記混合溶液が水の中を通過す
ることによって随伴される水分量で良く、従って、適用
条件で超臨界状態の第一成分に対する溶解度以下、すな
わち、飽和以下の含水量で行うのが良く、例えば、後述
するように、本発明の脱カフエイン化処理工程の一実施
例である超臨界状態の第一成分として温度50″C1圧
力300kg/cfifGの二酸化炭素を使用した場合
においては、約0.3 g −u2o、/ g −Go
□以下の含水量であれば良い。水の量が少ないと、カフ
ェインの抽出は不完全、すなわち、不満足となる傾向が
ある。一方、水の量が多いと、カフェイン選択性がなく
なり、カフェイン以外の有用物質も同時に抽出されると
いう問題点がある。なお、脱カフエインのために、抽出
系に水を存在させる方法としては、水で固体の茶葉を加
湿する方法、水で第一成分を湿潤させる方法、また水を
第二成分に添加する方法のいずれであっても良い。ある
いはまた、−それらの方法の組み合わせであっても良い
ところで、本発明の脱カフエイン化処理工程の好ましい
態様は、混合溶液の第一成分として超臨界状態の湿った
CO□ (二酸化炭素)ガスを使用し、そして、混合溶
液の第二成分としてエタノールを添加して、緑茶の生葉
またはその乾燥物からカフェインを選択的に抽出除去す
る方法である。
混合溶液の第一成分としての二、酸化炭素にとって、温
度に関するr超臨界状態」とは、31.6°Cより高い
温度であり、本発明の脱カフエイン化処理工程の好まし
い態様による抽出の温度は、32〜100°C1好まし
くは、32〜60°Cである。抽出の温度が32°Cを
下回ると、カフェイン抽出量は急激に減少し、本発明の
脱カフエイン化処理方法の作業が著しく不経済になり、
著しく長い抽出時間が必要になる。
本発明の脱カフエイン化処理工程における抽出圧は、少
なくとも本発明の脱カフエイン化処理工程において使用
する混合溶液(第一成分と第二成分の混合物)が選択し
た組成および適用温度で液状であるように選択すべきで
あり、その場合に適用される抽出圧の上限は単に経済的
な考慮から決定される。すなわち、抽出圧力が高い場合
は、低圧の場合に比べてカフェインの抽出速度は速いが
、装置としては高い耐圧性能が要求され、設備に多くの
コストがかかる。反対に、抽出圧力として低圧を適用す
る場合は、僅かな装置上の経費で間に合うことになるが
、高圧の場合に比べて、カフェインの抽出速度が遅くな
り、抽出時間が長くかかる。従って、混合溶液の第一成
分としての二酸化炭素にとって圧力に関するr超臨界状
態1とは、74.3kg/ ci Gより高い圧力であ
り、本発明の脱カフエイン化処理工程の好ましい態様に
よる抽出の圧力は、75〜500 kg/dG、好まし
くは、75〜350kg/cnlGである。
ところで、本発明の脱カフエイン化処理工程におけるカ
フェインの抽出時間は、2〜10時間が適当である。
従って、前記原料の茶樹の生葉またはその乾燥物に対す
る混合溶液の量比は、カフェインの抽出時間が上記範囲
で出来る限り短いように選択すべきであり、不経済とな
る大きな混合溶液量は回避すべきである。
また、本発明の脱カフエイン化処理工程においては、混
合溶液を循環使用することが望ましい。
そこで、混合溶液の流速、従って、混合溶液の循環流量
の程度は、本発明の脱カフエイン化処理方法に関する他
の選択要因、例えば第一成分および第二成分の種類、操
作温度、操作圧力ならびに処理すべき茶樹の種類により
、カフェインの抽出時間を上記2〜10時間の範囲で幾
らに所望するかによって左右されるのである。
それ故、例えば、本発明の好ましい態様による脱カフエ
イン化処理方法では、乾燥した前記の原料茶葉1g当た
りの混合溶液の量は、第一成分の二酸化炭素ガスについ
ては、50〜1.000g、、好ましくは、100〜5
00g、そして、第二成分のエタノールについては、0
.5〜50戚、好ましくは、2〜10dである。
さらに、抽出されたカフェインは、例えば、吸着剤を用
いて循環溶液からカフェインを吸着分離する方法や圧力
−および/または温度変化によって1#環溶液からカフ
ェインを分離する方法など公知の分離法で循環溶液から
分離され得る。
次に、本発明の消臭剤の有効成分の溶剤による抽出工程
について説明する。
この抽出工程に供給される原料としては、前記の原料茶
葉からカフェインを、前記のようにして、水の存在下に
超臨界流体で選択的に抽出除去した抽出残漬物である。
消臭剤としての有効成分の抽出に用いる溶剤としては、
例えば、メタノール、エタノール、プロパツール、イソ
プロパツール等のモノアルコール系有機溶剤、グリセリ
ン、プロピレングリコール等の多価アルコール系有機溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
、イソブチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤、水お
よびこれらの混合溶剤などが挙げられ、とりわけ、エタ
ノール、イソプロパツール、シクロヘキサノンが有効成
分の抽出率が高く、かつ、その有効成分の消臭効果が大
きいので好ましい。
また、本発明による場合、消臭剤としての有効成分の抽
出に用いる溶剤は、本発明の脱カフエイン化処理工程で
使用する第二成分と同一である方が望ましく、従って、
本発明の好ましい態様においては、特に、エタノールが
好適である。
消臭剤としての有効成分の抽出は、上記溶剤による冷抽
出または熱抽出により行われるが、熱抽出による方が望
ましい。抽出の方法としては、静置法、攪拌法、ソック
スレー式の抽出法などが適用され得るが、熱抽出による
場合、熱時、十分抽出することが必要である。
本発明の抽出工程における原料である前記抽出残漬物よ
り消臭剤としての有効成分を抽出するに当たっては、例
えば熱抽出する場合には、前記抽出残漬物1重量部に対
して前記溶剤約4〜10重量部、好ましくは、約4〜6
重量部を加え、常圧下で前記溶剤の還流温度下に加熱し
て行うのである。抽出時間は、抽出方法、抽出装置の種
類、原料などによって宕千差があるが、例えば、ソック
スレー式の装置を用いる熱抽出の場合、大よそ10〜2
0時間程度であるのが望ましい。
このようにして、前記抽出残漬物中の消臭剤としての有
効成分は、前記溶剤中に移行し、抽出されるので、この
溶剤による抽出残渣を濾過または遠心分離して除去する
ことにより、前記消臭剤としての有効成分を含有した抽
出液が得られる。そこで、この抽出液より前記溶剤を蒸
留その他の方法により完全または部分除去することによ
り、濃緑色〜緑褐色の粉末ないし固形物(以下、消臭粉
末剤という。)またはその溶剤希釈液(以下、消臭原液
剤という。)として消臭剤のための有効成分を得るので
ある。
なお、前記の消臭原液剤および消臭粉末剤は、前述した
ように、着色が強く、しかも水に対する溶解性が悪いた
め消臭対象物によっては使用制限を受けることがある。
そのような場合には、特開昭第60−122566号公
報に開示された方法によって、前記消臭剤としての有効
成分を含有した抽出液を活性炭素、酸性白土または珪藻
上等を使用して脱色処理を行い、該抽出液に含まれる着
色原因成分および水に不溶の成分と考えられる葉緑素、
樹脂および精油成分を除去することにより、水に対する
溶解性がよく、着色が少なく、例えば、ベンジルメルカ
プタン、トリメチルアミン等の酸性、アルカリ性の悪臭
物質に対しても消臭効果の大なる消臭剤を得ることも可
能である。
ところで、本発明の製造方法は、前述の如く、最初に、
前記の原料茶葉から超臨界流体(第一成分と第二成分と
の混合溶液)による脱カフエイン化処理によりカフェイ
ンを選択的に抽出除去し、次いで、その抽出残漬物から
溶剤による消臭剤としての有効成分の抽出を行うもので
あるが、最初に、前記の原料茶葉から溶剤による消臭剤
とじての有効成分の抽出を行い、次いで、この抽出物を
超臨界流体(第一成分と第二成分との混合溶液)による
脱カフエイン化処理にかける方法もある。
この場合、前記抽出物からの溶剤の除去の程度は、消臭
剤としての有効成分の抽出に使用される溶剤が後工程の
脱カフエイン化処理で使用される第二成分、すなわち、
炭素数1〜4個の低級脂肪族飽和一価アルコール類から
選ばれた少なくとも1種のアルコール系有機溶剤である
場合には、脱カフエイン化処理へ供する前記抽出物中の
溶剤の含有量が次の脱カフエイン化処理において必要と
する第二成分の量になる程度に止めるのが望ましく、そ
して、消臭剤としての有効成分の抽出に使用される溶剤
が後工程の脱カフエイン化処理で使用される前記第二成
分以外の溶剤である場合には、完全に除去す゛るのが望
ましい。
しかしながら、最初に、前記の原料茶葉から溶剤による
消臭剤としての有効成分の抽出を行い、次いで、この抽
出物を超臨界流体(第一成分と第二成分との混合溶液)
による脱カフエイン化処理にかける方法は、脱カフエイ
ン化処理を水の存在下で行う必要があるため、前記の抽
出物が水により塊状になってしまい、前記の超臨界流体
との接触が十分に行われず、脱カフエイン化処理が十分
に行われ得ないという問題があり、好ましい方法とはい
えない。
ここで、上記により得られたカフェインを実質的に含有
せず、消臭有効成分を含有する抽出物を消臭剤として使
用するに当たっては、消臭もしくは脱臭の目的に応じて
適宜の剤型が採用できる。
例えば、 (A)消臭原液剤を使用する場合は、 (a)  低級アルコール、含水低級アルコールおよび
多価アルコール、含水多価アルコール等で適切な濃度ま
で希釈を行い、得られた消臭液剤を悪臭発生場所に散布
する。
(b)  食品関係には直接配合し、よく混合する。
(C)  香粧類には直接配合する。
(d)  消臭、脱臭器の消臭成分として用いる。
(e)  医薬品等の悪臭を消臭する場合は粉末として
常法により顆粒剤または錠剤に成型して包装ないしは貯
蔵容器内に別封する。
(B)また消臭粉末剤を使用する場合は、(a)  冷
蔵庫用および吸湿剤用としては、適当な形に成型して単
独またはヤシガラ活性炭の1部として用いる。
ら)生理用品、靴の敷皮、空調関係には直接配合する。
(C)  工場廃液処理槽に直接添加する。
(d)  薫製に用いる薫剤の一成分として配合する。
などの用途が考えられるが、特に食品関係における使用
が好ましい。
このようにして得られた消臭剤は、そのカフェイン含有
割合が1重量%以下であることのほかは、組成および物
性において従来公知の方法によって得られたものと何ら
異なることはなく、また、消臭効果も従来公知の消臭・
脱臭剤に比べて同等以上の効果を示すものである。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳し
く説明する。
実施例1(カフェインを含まない消臭原液剤の製造) 底部が網目状になった内筒を持つ抽出器の内筒部に乾燥
緑茶(サンプル)を10g仕込んだ。なお、サンプルが
吹き飛ばないようにサンプルの上下には、グラスウール
を詰めておいた。さらに、抽出器の底部に蒸留水を15
g仕込んだ。そこで、液体二酸化炭素(COz )を7
36d/hの供給速度でCO□ボンベから熱交換器へ導
き、冷媒により完全に液化した後、CO□ポンプにて抽
出器に供給し、抽出器を昇圧するとともに、抽出器ヒー
ターを用いて抽出器を昇温しで、抽出器内を超臨界状態
(温度:50°C1圧カニ  300kg/cnlG)
とした。なお、抽出器内の圧力は、抽出器から後流側の
第一分離器への導管中に設けられた圧力調節弁によって
一定に保たれた。これにより、供給されたCO□は、抽
出器内の底部にて水で湿潤され、さらに、サンプルの乾
燥緑茶の充填部内を通過中に緑茶を湿り状態にしてカフ
ェインを選択的に抽出した。
第二成分としてのエタノールは、抽出器への導入に先立
って、供給ポンプによって15m1/hの供給速度で液
体CO2と予め混合された。カフェイン、水およびエタ
ノールを含有する超臨界状態のCOzは、抽出器の上部
より抜き出され、第一分離器から次の第二分離器への導
管中に設けられた圧力調節弁にてガス状態まで減圧され
、抽出器と同一温度かつ圧力50kg/aac、に保持
された第一分離器に導かれた。ここで、ガス状のCO□
とカフェインを含有するエタノール溶液とに分離された
。そして、ガス状のCO□は、第一分離器の頂部より抜
き出され、圧力調節弁および第二分離器を経て第二分離
器下流側の圧力調節弁にてさらに大気圧まで減圧された
後、大気中にブローされた。上記操作は、5時間実施さ
れた。
次に、抽出器内の緑茶抽出残漬物を取り出し、ソックス
レー抽出器の抽出管部に仕込んだ。さらにソックスレー
抽出器の底部フラスコにエタノール70歳を仕込んで、
10時間加熱還流抽出した。得られた抽出物から緑茶残
渣を濾紙にて濾去した後、濾液を減圧下に!!してエタ
ノールを一部留去し、濃緑色〜濃褐色の粘稠液体の濃縮
物(固形分約25重量%)11gを得た。
実施例2(カフェインを含まない消臭粉末剤の製造) ソックスレー抽出器による加熱還流抽出物から緑茶残渣
を濾紙にて濾去し、濾液を減圧下に濃縮乾固したほかは
、実施例1と同様に処理した。結果として濃緑色の固形
物2.7gを得た。
実施例3(カフェインを含まない消臭剤の溶剤希釈液の
製造) 実施例2で得た消臭粉末剤1.0gを含水エタノール2
3mに溶解して、消臭剤の溶剤希釈液(濃度5重量%)
20gを得た。
実験例1(本発明消臭剤の脱カフエイン効果試験)実施
例1および2で得られた消臭原液剤および消臭粉末剤に
ついてカフェイン含有率を測定した。
カフェイン含有率を測定するに当たっては、まず、カフ
ェインの含有量を、液体クロマトグラフによる定量分析
により次のようにして求めた。
すなわち、予め既知量のカフェインを含有する試料溶液
を調製し、この試料溶液を液体クロマトグラフにかけて
クロマトグラムを描かせ、そのピーク面積を求め、この
ピーク面積と前記試料溶液中に含まれるカフェインの量
とから検量線を作成しておき、次に、上記実施例1およ
び2で得られた消臭原液剤および消臭粉末剤について各
々試料溶液を調製し、各試料溶液を同様に液体クロマト
グラフにかけてクロマトグラムを描かせ、そのピーク面
積を求め、前記検量線から各試料溶液中のカフェインの
量を求めた。
そして、求められたカフェインの量A (g)と上記実
施例1および2で得られた消臭原液剤および消臭粉末剤
について各々調製された試料溶液中の消臭原液剤または
消臭粉末剤の量B (g)とから、次式によってカフェ
イン含有率C(重量%)を求めた。
C−(A/B) X 100 玉上表 実験例2(本発明消臭剤の消臭効果試験)実施例1およ
び2で得られた消臭原液剤および消臭粉末剤について消
臭効果を測定した。
(A)試料の調製 悪臭成分としてベンジルメルカプタン(試薬)およびト
リメチルアミン(試薬;1gg/μ2エタノール溶液)
を用意し、消臭剤として実施例1で得られた濃縮液およ
び実施例2で得られた固形物の5重量%エタノール溶液
をそれぞれ調製した。
(B)試験方法 (a)  ベンジルメルカプタンの分析15/dのガス
クロバイアルビン2個を用意し、それぞれのガスクロバ
イアルビンに試料(実施例1で得られた濃縮液の5重量
%エタノール溶液)および試料(実施例2で得られた固
形物の5重量%エタノール溶液)を1gづつ精秤し、密
栓した後、シリンジにてベンジルメルカプタン(試薬)
をそれぞれのガスクロバイアルビンに50μ2注入し、
よく混合する。その後、前記ガスクロバイアルビン内の
空気をそれぞれシリンジにて採取し、ガスクロマトグラ
フ〔■日立製作新製2撮器名; )IITAcHI 1
63 FID )にかけ、クロマトグラムを描かせ、そ
のピーク面積を求めた。
別に同様の操作で空試験(前記試料を添加しない場合)
を行い、得られたクロマトグラムのピーク面積を求め、
ブランクとした。
(b)  )リメチルアミンの分析 15dのガスクロバイアルビン2個を用意し、それぞれ
のガスクロバイアルビンに試料(実施例1で得られた濃
縮液の5重量%エタノール溶液)および試料(実施例2
で得られた固形物の5重量%エタノール溶液)を1gづ
つ精秤し、密栓した後、シリンジにてトリメチルアミン
(試薬:1gg/μlエタノール溶液)をそれぞれのガ
スクロバイアルビンに50μ!注入し、よく混合する。
その後、前記ガスクロバイアルビン内の空気をそれぞれ
シリンジにて採取し、ガスクロマトグラフ〔■日立製作
所製:機器名;HITACHI 163 FID )に
かけ、クロマトグラムを描かせ、そのピーク面積を求め
た。
別に同様の操作で空試験(前記試料を添加しない場合)
を行い、得られたクロマトグラムのピーク面積を求め、
ブランクとした。
(C)  試験結果 次式により、実施例1および2で得られた消臭原液剤お
よび消臭粉末剤の消臭率を次式によって求めたところ第
2表の如くなった。
消臭率(%)=〔(ブランクの面積−消臭効果測定サン
プルの面積)/(ブラ ンクの面積))X100 なお、ガスクロマトグラフの主な測定条件は、下記の通
りである。
くベンジルメルカプタン〉 担体: 5ILICONE DC−710UNIPOR
T B60〜80 mesh カラム:ガラスカラム 3鵬ΦX2m カラム温度:150°C 〈トリメチルアミンのエタノール溶液〉担体: Dig
lycerol(152) +TEP(15χ) + 
KOH(2:)Chromosorb  WAW   
D M CS60〜80  mesh カラム:ガラスカラム 3MΦX2m カラム温度:50°C 比較例1(従来の消臭・脱臭剤の消臭または脱臭効果試
験) (A)カフェインを含む消臭粉末剤(従来品)の製造 ソックスレー抽出器の抽出管部に乾燥緑茶(サンプル)
10gを仕込み、さらにその底部フラスコにエタノール
70dを仕込んで10時間加熱還流抽出した。得られた
抽出物から緑茶残渣を濾紙にて濾去し、濾液を減圧下に
濃縮乾固してエタノールを完全に除去し、濃緑色の固形
物3.0gを得た。得られた固形物中のカフェイン含有
率を上記実験例1に記載された方法により求めたところ
7.6重量%であった。
(B)カフェインを含む消臭粉末剤(従来品)の消臭効
果試験 悪臭成分としてベンジルメルカプタン(試薬)およびト
リメチルアミン(試薬;1μg/μ2エタノール溶液)
を用意し、上記(A)で製造された固形物の5重量%エ
タノール溶液を作製し、前記実験例2と同様にして消臭
効果を測定した。
消臭率は、ベンジルメルカプ−タンについては90.4
%、そしてトリメチルアミンについては94.6%であ
った。
第1表の結果と比較例1とを比較すると、カフェイン含
有率は第1表の結果が0.4重量%、そして比較例1の
結果が7.6重量%であり、本発明の消臭原液剤もしく
は消臭粉末剤は、従来品と比較してカフェインが約95
%も除去されており、本発明の方法により実質的にカフ
ェインを含まない消臭剤を得ることができることが判っ
た。しかも第2表の結果と比較例1とを比較すると、本
発明の消臭原液剤もしくは消臭粉末剤の消臭率が、ベン
ジルメルカプタンについては、92.2〜93.8%、
そして、トリメチルアミンについては、95.6〜96
.2%であるのに対し、従来品は、ベンジルメルカプタ
ンについて90.4%、そして、トリメチルアミンにつ
いて94.6%であり、消臭効果においても本発明の消
臭剤は、従来品と比べて同等以上の効果を示すことが判
った。
〔作用効果の説明〕
中枢神経系、心臓、腎臓などに対し興奮作用を示すカフ
ェインが含まれており、食品関係への配合、例えば、チ
ューインガム、キャンデイなどの口中清涼剤や口臭除去
菓子等への添加の場合、健康上の面から安全性に欠ける
という問題点があった従来公知の消臭・脱臭剤に対し、
超臨界状態の流体によるカフェインの選択的抽出除去法
と消臭剤としての有効成分の溶剤による抽出法との組み
合わせにより、実質的にカフェインを含まず、消臭率も
従来品より優れた健康上安全な消臭剤を得る効果を奏す
るものである。
特許出願人   宇部興産株式会社

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)主要消臭有効成分として5〜20重量%のタンニ
    ンを含有し、消臭率が少なくとも80%以上であり、か
    つ、カフェインの含有割合が1重量%以下である茶葉成
    分含有消臭剤。
  2. (2)(A)茶葉を、水の存在下に、ガスから超臨界状
    態となした流体(第一成分)と炭素 数1〜4個の低級脂肪族飽和一価アルコ ール類から選ばれた少なくとも1種のア ルコール系有機溶剤(第二成分)との混 合溶液と超臨界状態下に接触させ、前記 茶葉からカフェインを選択的に抽出除去 する工程; (B)前記(A)工程で得られた抽出残渣物を溶剤を用
    いて抽出し、得られた抽出溶液 から原料残渣を濾去し、濾液を濃縮また は濃縮乾固して消臭原液剤または消臭粉 末剤を得る工程; からなることを特徴とする茶葉成分含有消臭剤の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001198200A (ja) * 2000-01-19 2001-07-24 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 生理臭消臭用組成物
US8088429B2 (en) * 2003-12-02 2012-01-03 Kao Corporation Package drink

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