JP2001194151A - 共振素子 - Google Patents

共振素子

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JP2001194151A
JP2001194151A JP2000001412A JP2000001412A JP2001194151A JP 2001194151 A JP2001194151 A JP 2001194151A JP 2000001412 A JP2000001412 A JP 2000001412A JP 2000001412 A JP2000001412 A JP 2000001412A JP 2001194151 A JP2001194151 A JP 2001194151A
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vibration
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fixed
plane
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JP2000001412A
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English (en)
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Kenichi Atsuji
健一 厚地
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振素子の感度を向上させる。 【解決手段】 振動子5のX、Z二次元平面方向の裏面
5cにはX方向に間隔を介して左右の端縁部領域に振動
側振動調整用電極30,31を絶縁層32を介して形成
する。これら振動側振動調整用電極30,31にY方向
に間隔を介して導電層20,21を基板2上に対向配置
する。導電層20,21のX方向の幅は振動子5がX方
向に振動しているときに振動側振動調整用電極30,3
1が導電層20,21の対向領域から食み出さない広幅
となっている。振動子5と導電層20,21がほぼ同電
圧である状態で、振動側振動調整用電極30,31に静
電引力付与用電圧を印加して、振動子5の共振周波数を
調整すると共に、基板2の基板面に対する振動子5の傾
きを補正する。振動子5が基板面に沿ってX方向に理想
的に振動して共振素子1の感度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度センサやフ
ィルタ等に用いられる共振素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8(a)には本出願人が以前に提案し
た共振素子の斜視図が示され、また、図8(b)には上
記図8(a)に示すI−I部分の断面図が示されてい
る。この図8(a)、(b)に示す共振素子は、従来の
シリコンのマイクロマシニング技術等を利用して作製し
た微細素子の共振素子1であり、シリコンの基板2の上
に、窒化膜3を形成し、その上にポリシリコン膜4を形
成し、これらの膜3,4をドライエッチング等により予
め定めた設定パターンとしたものである。
【0003】基板2は、X,Z二次元平面方向を基板面
方向とした固定基板として機能するものである。この基
板2上には、該基板2から浮いた状態で振動子5が配置
されており、この図8に示す共振素子1においては、こ
の振動子5が平面振動体6として機能する。この振動子
5は支持梁7を介してX方向の振動が可能に支持されて
おり、各支持梁7の一端側は、固定部8を介して基板2
に固定されている。
【0004】振動子5の図の左右両側にはそれぞれ横方
向(X方向)の外側に向かって可動側櫛歯電極10(1
0a,10b)が形成されており、この櫛歯電極10と
対向する位置には、横方向の内側に向かって固定側櫛歯
電極11(11a,11b)が上記可動側櫛歯電極10
に間隔を介して噛み合う状態で配置されている。これら
可動側櫛歯電極10と固定側櫛歯電極11は、それぞ
れ、図示しない導体パターンを介して外部の電極パッド
(図示せず)に接続されて励振器12を形成している。
【0005】例えば、上記可動側櫛歯電極10a,10
bを設定の定電圧(例えば零V)の状態にして、固定側
櫛歯電極11a,11bにはそれぞれ互いに位相が18
0°異なる交流電圧を印加すると、可動側櫛歯電極10
と固定側櫛歯電極11間に静電力が発生し、この静電力
により振動子5は、X方向に振動するように構成されて
いる。
【0006】上記構成の共振素子1では、上記のように
振動子5をX方向に振動させて、共振素子1をZ軸を回
転軸として回転させると、前記X,Z二次元平面方向に
直交するY方向にコリオリ力が発生する。このコリオリ
力が振動子5(平面振動体6)に加えられ、振動子5は
コリオリ力の方向に振動する。このときの振動子5のコ
リオリ力による振動振幅の大きさに対応する電気信号を
測定することで、例えば、回転の角速度の大きさを検知
することができる。
【0007】なお、共振素子1を角速度センサとして適
用する場合は、前記コリオリ力による振動子5の振動振
幅の大きさに対応する電気信号を測定するための検出部
が設けられる。
【0008】ところで、共振素子1を作製する場合、振
動子5(平面振動体6)のコリオリ力の方向(Y方向)
の共振周波数を、予め設計段階でX方向の共振周波数に
設定して、振動子5の形状、寸法、重量等をその共振周
波数になるように設計製作する。しかし、振動子5の形
状、寸法、重量等は、シリコンのマイクロマシニング技
術の加工精度により設計通りに作製されない場合が度々
あり、振動子5の共振周波数が設計上の周波数からずれ
ることが度々発生する。振動子5の振動が共振状態なら
ば、構造的に起因するQ(Quality Factor)の値により
振幅が飛躍的に増幅されるが、周波数がずれると増幅が
殆どされず、共振素子の感度を著しく低下するという問
題がある。そのため、振動子5や支持梁7を、例えば、
面倒な機械加工等によるトリミングを行い、振動子5の
共振周波数を設計の設定周波数に調整する必要がある。
【0009】しかしながら、前記共振素子1はシリコン
のマイクロマシニング技術を応用して作製した微細な素
子である。このため、機械加工を利用して所望の共振周
波数を得るために必要な微小のトリミング調整部分をト
リミングしようとしても、面倒な機械加工では加工精度
上から微細な平面振動体6や支持梁7を所望の寸法、形
状、重量等に削り加工することは殆ど不可能である。し
たがって、平面振動体6の共振周波数を設定の値に調整
することは極めて困難であった。
【0010】そこで、上記図8に示す提案の共振素子1
においては、図8(a)、(b)に示すように、基板2
上の、振動子5とY方向に間隔を介して対向する位置
に、静電引力14を付与する導電層15を設けている。
この導電層15は、図8(a)に示すように、導電パタ
ーン16を介して導電パッド17に接続されている。こ
れら導電パターン16と導電パッド17を介して導電層
15に印加する電圧を制御することにより、振動子5の
共振周波数を設定値に調整できるようにした。
【0011】つまり、導電層15に直流電圧を印加する
と、振動子5に静電力が作用し、これが静電的なバネと
して振動子5に作用する。すなわち、振動子5が基板2
に近づく方向に振動するときに振幅を増大させる方向に
静電力が作用するため、機械的なバネと反対方向の力を
発生させる効果がある。これにより、結果的に振動子5
のY方向の共振周波数を低下させる。この共振周波数の
低下量は、印加する静電引力14の大きさに応じて変化
するため、導電層15に印加する直流電圧の大きさを調
整することで、振動子5の固有の共振周波数から低周波
数側に共振周波数を微調整できる。
【0012】この効果を利用すると、振動子5の固有の
Y方向の共振周波数を最も高感度な共振周波数(つま
り、X方向の共振周波数と等しい周波数)よりも僅かに
高く設計しておけば(言い換えれば励振器12による振
動子5の振動方向の共振周波数よりもY方向の共振周波
数を高めに設計しておけば)、導電層15に印加する直
流電圧の調整によって、振動子5を設定の共振周波数で
もって共振させることができることとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように導電層15を設けて振動子5の共振周波数の調整
を行ったのにも拘わらず、共振素子1の感度が悪くなる
場合があった。
【0014】本発明者は、その感度劣化の原因を探った
ところ、その原因が振動子5の振動状態にあることが分
かった。つまり、上記振動子5をX方向に振動させたと
きにZ軸周りの角速度がないときには、振動子5のX−
Y平面内での振動状態は、図9(b)に示すように、Y
方向のぶれが殆どない状態でX方向に振動することが望
ましい。これに対して、図9(a)に示すように、振動
子5の振動状態がコリオリ力の検出方向であるY方向に
大きくぶれている場合があり、このような場合に、共振
素子1の感度が悪くなることが分かった。
【0015】そこで、本発明者は、上記振動子5のY方
向のぶれが基板2の基板面に対する振動子5の傾きに因
ることに着目して、上記振動子5の傾きを補正する傾き
補正手段を設けた共振素子1を提案している。図5
(a)には、その提案の共振素子1の一例が斜視図によ
り示され、図5(b)には図5(a)のI−I部分の断
面図が示されている。なお、図5(a)、(b)には上
記図8(a)、(b)の共振素子1と同一構成部分には
同一符号を付してあり、その共通部分の重複説明は省略
する。
【0016】図5(a)、(b)に示す共振素子1にお
いて、基板2のX、Z二次元平面方向の面には導電層2
0,21がX方向に間隔を介し、かつ、振動子5の図の
左あるいは右の端縁部領域にY方向に間隔を介して対向
するように配設されている。これら導電層20,21は
それぞれ導電パターン22,23を介して導電パッド2
4,25に導通接続されている。この図5に示す共振素
子1では、上記導線層20,21により傾き補正手段が
構成されている。
【0017】上記導電層20,21にそれぞれ導電パタ
ーン22,23と導電パッド24,25を介して個別に
直流電圧を印加することにより、導電層20,21と振
動子5間に静電引力26,27が発生する。上記導電層
20,21への各印加直流電圧の調整によって上記振動
子5の左右の各静電引力26,27を調整することで、
振動子5の傾きを補正することができる。
【0018】具体的には、振動子5が図5(b)に示す
点線αのように右下がりに傾いているときには、導電層
21に印加する直流電圧よりも大きな直流電圧を導電層
20に印加する。これにより、導電層20に対向してい
る振動子5の左端縁部領域に作用する静電引力26は導
電層21に対向している振動子5の右端縁部領域に作用
する静電引力27よりも大きいので、振動子5の左端縁
部領域は右端縁部領域よりも強く基板2側に引っ張られ
ることとなり、前記傾きが補正される。
【0019】また、振動子5が図5(b)に示す破線β
のように右上がりに傾いているときには、導電層20に
印加する直流電圧よりも大きな直流電圧を導電層21に
印加する。これにより、上記静電引力27は静電引力2
6よりも大きいので、振動子5の右端縁部領域は左端縁
部領域よりも強く基板2側に引っ張られることとなり、
前記傾きが補正される。
【0020】この図5に示す提案の共振素子1では、上
記のような導電層20,21を設けたことにより、振動
子5の傾きを補正することができて振動子5の振動状態
を改善することができる。また、振動子5を基板2側に
引っ張ることができるので、前記図8の共振素子1と同
様に、振動子5の共振周波数を調整することができるこ
ととなる。
【0021】しかしながら、図5に示す構成では、振動
子5の図5(b)に示す中央部Aにおける振動状態を前
記図9(b)に示すようなY方向のぶれが無い理想的な
振動状態に補正することはできるが、そのように振動子
5の中央部Aの振動状態を補正しても、振動子5の左右
の端縁部である部位Bや部位Cの振動状態を見てみる
と、その部位Bや部位Cの振動状態は満足できる程の改
善が成されていない。
【0022】それというのは次に示すような理由に因
る。図6(a)〜(e)には振動子5を励振器12によ
りX方向に振動させたときの振動子5の姿勢状態が時間
の経過に従って示されている。なお、振動子5のX方向
の振動の1周期をTとした場合に、図6(a)の状態か
らT/4、T/2、3T/4、Tの各時間が経過したと
きの振動子5の姿勢状態がそれぞれ図6(b)、
(c)、(d)、(e)に示されている。
【0023】図6(a)、(c)、(e)に示すよう
に、振動子5が基準位置にあるときには、導電層20,
21の傾き補正手段によって振動子5は基板2に対して
殆ど傾きが無い状態であるが、図6(b)や(d)に示
すように、振動子5が上記基準位置よりも右側あるいは
左側に変位している場合には、振動子5は基板2に対し
て傾きを持つ。このため、振動子5の左右の端縁部であ
る部位Bや部位Cの振動状態は前記図9(b)に示すよ
うな理想的な状態ではなく、図9(a)に示すようなY
方向のぶれを持つ振動状態となっている。
【0024】それというのは、振動子5のX方向の振動
に伴って振動子5の重心Gからの力のモーメントが振動
子5の左右両端縁部領域では次に示すように周期的に変
化してしまうことに因る。
【0025】図7(a)には上記図6(a)、(c)、
(e)に示すように振動子5が基準位置にあるときの振
動子5の状態例が、また、図7(b)には上記図6
(b)に示すように振動子5が基準位置よりも右側に変
位したときの振動子5の状態例が、さらに、図7(c)
には上記図6(d)に示すように振動子5が基準位置よ
りも左側に変位したときの振動子5の状態例が、それぞ
れ、図5の上側から見た状態図と、I−I部分の断面図
と、図7に示すΔZ部分の断面図とにより示されてい
る。
【0026】図7(b)に示すように振動子5が基準位
置よりも右側に変位していくに従って、上記振動子5が
上記図7(a)に示すような基準位置にあるときに比べ
て、導電層20と振動子5の対向面積が減少していく。
このため、振動子5の左端縁部領域の静電引力26が小
さくなっていく。これに対して、導電層21と振動子5
の対向面積は変化しないので、振動子5の右端縁部領域
の静電引力27は変化しない。
【0027】また、反対に、図7(c)に示すように振
動子5が基準位置よりも左側に変位していくに従って、
上記振動子5が基準位置にあるときに比べて、導電層2
1と振動子5の対向面積が減少していく。このため、振
動子5の右端縁部領域の静電引力27が小さくなってい
く。これに対して、導電層20と振動子5の対向面積は
変化しないので、振動子5の左端縁部領域の静電引力2
6は変化しない。
【0028】また、振動子5における上記静電引力26
の作用質点を点Dとし、振動子5における静電引力27
の作用質点を点Eとした場合に、図7(a)に示すよう
に、振動子5が基準位置にあるときには、上記振動子5
の重心Gと上記作用質点D間の距離L1と、上記重心G
と作用質点E間の距離L2とはほぼ等しくなっている。
【0029】これに対して、図7(b)に示すように、
振動子5が基準位置よりも右側に変位していくと、上記
重心Gと上記作用質点D間の距離L1は殆ど変化しない
のに、上記重心Gと作用質点E間の距離L2は上記基準
状態時よりも短くなっていき、上記距離L2は距離L1
よりも短くなってしまう。また、反対に、図7(c)に
示すように、振動子5が基準位置よりも左側に変位して
いくに従って、重心Gと作用質点E間の距離L2は変化
しないのに、上記重心Gと作用質点D間の距離L1は上
記基準状態時よりも短くなっていき、上記距離L1は距
離L2よりも短くなってしまう。
【0030】上記のように、図5に示す構成では、振動
子5のX方向の振動によって、振動子5の左右両端縁部
領域に作用する静電引力26,27が振動子5のX方向
の振動周期でもって変動し、また、振動子5の重心Gと
静電引力26の作用質点Dとの距離L1および上記重心
Gと静電引力27の作用質点Eとの距離L2も、振動子
5のX方向の振動周期でもって変動してしまう。
【0031】このことにより、振動子5の重心Gから左
端縁部領域への力のモーメント(つまり、静電引力26
に基づいた力Fに、重心Gからその力Fの作用質点Dへ
の位置ベクトルを乗算した値で表す物理量)と、振動子
5の重心Gから右端縁部領域への力のモーメント(つま
り、静電引力27に基づいた力Fに、重心Gからその力
Fの作用質点Eへの位置ベクトルを乗算した値で表す物
理量)とが、振動子5のX方向の振動に伴って周期的に
変化して、振動子5の左右両側における力のモーメント
のバランスが崩れてしまう。
【0032】この力のモーメントのバランスの崩れに起
因して、図6(b)や(d)に示すように、振動子5が
基準位置よりも右側や左側に変位した際に振動子5が基
板2に対して傾いてしまい、振動子5の左右の端縁部領
域B、CはY方向にぶれた振動状態となってしまう。
【0033】上記のような振動子5の左右両端縁部領域
のY方向のぶれは、特に、振動子5のX方向の振動振幅
が大きい場合や、振動子5(平面振動体6)の共振周波
数が低いときや、上記静電引力26,27の大きさが大
きいときには顕著に現れてしまう。
【0034】上記のようなY方向のぶれは、例えば、角
速度センサである共振素子1の検出信号にノイズ成分で
あるゆらぎを発生させて、角速度センサのジャイロ特性
が悪くなる等の問題を発生させてしまう。
【0035】また、前記のように振動子5の右端縁部あ
るいは左端縁部がY方向にぶれて導電層20や導電層2
1に非常に近付いたときには、静電引力26,27が非
常に大きくなって振動子5が基板2側に強く引っ張られ
て振動子5が導電層20又は導電層21に接着してしま
うという問題発生の虞があった。この場合には、共振素
子として機能できなくなってしまい非常に重大な問題で
ある。
【0036】この発明は上記課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、平面振動体(振動子)を
より理想的にX方向に振動させて、より高感度な共振素
子を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、第1の発明は、固定基板
のX、Z二次元平面方向の面に間隔を介して対向配置さ
れる平面振動体を有し、この平面振動体はX方向に振動
可能に支持梁を介して上記固定基板に支持されている共
振素子であって、上記平面振動体のX、Z二次元平面方
向の面にはX方向に間隔を介して少なくとも両端縁部領
域に振動側振動調整用電極が形成され、この振動側振動
調整用電極には上記X、Z二次元平面方向に直交するY
方向に間隔を介して固定側振動調整用電極が対向配置さ
れており、この固定側振動調整用電極のX方向の幅は、
平面振動体がX方向に振動しているときに上記振動側振
動調整用電極が固定側振動調整用電極の対向領域から食
み出さない広幅となっている構成をもって前記課題を解
決する手段としている。
【0038】第2の発明は、上記第1の発明の構成を備
え、振動側振動調整用電極と固定側振動調整用電極の組
は平面振動体に静電引力を付与して平面振動体の共振周
波数を調整すると共に、固定基板の基板面方向に対する
平面振動体の傾きを補正する傾き補正手段と成している
ことを特徴として構成されている。
【0039】第3の発明は、上記第1又は第2の発明の
構成を備え、平面振動体は導電材料により構成されてお
り、振動側振動調整用電極は絶縁層を介して平面振動体
に設けられることを特徴として構成されている。
【0040】第4の発明は、上記第3の発明の構成を備
え、振動側振動調整用電極と固定側振動調整用電極の組
は、平面振動体と固定側振動調整用電極がほぼ同電圧で
ある状態で振動側振動調整用電極に静電引力付与用電圧
が印加されて傾き補正手段として機能することを特徴と
して構成されている。
【0041】第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何
れか1つの発明の構成を備え、平面振動体の表面と裏面
の少なくとも一方には垂直移動側電極が設けられ、ま
た、この垂直移動側電極にY方向に間隔を介した対向側
には固定対向電極が設けられ、前記垂直移動側電極と固
定対向電極の組はZ軸回りの回転の角速度変化に対応す
る平面振動体のY方向の振動振幅を検出するZ軸回り角
速度検出手段と成していることを特徴として構成されて
いる。
【0042】上記構成の発明において、平面振動体がX
方向に振動しているときに、その平面振動体に形成され
ている振動側振動調整用電極は固定側振動調整用電極の
対向領域から食み出さない。
【0043】このため、平面振動体のX方向の振動中
に、振動側振動調整用電極と固定側振動調整用電極の対
向面積は変化せず、これにより、振動側振動調整用電極
と固定側振動調整用電極によって平面振動体の両端縁部
領域に作用する静電引力や、平面振動体の重心から両端
縁部領域への力のモーメントの周期的な変動を防止する
ことができる。このことに起因して、平面振動体の両端
縁部も平面振動体の中央部と同様に、Y方向のぶれが無
い理想的な振動状態でX方向の振動を行わせることがで
きる。
【0044】これにより、共振素子の感度をより一層高
めることができる。また、平面振動体の振動側振動調整
用電極が固定側振動調整用電極に接着して共振素子とし
て機能できなくなるという重大な問題発生を回避するこ
とができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づいて説明する。
【0046】図1(a)には本発明に係る共振素子の一
実施形態例が斜視図により示され、図1(b)には上記
図1(a)に示すI−I部分の断面図が示され、図1
(c)には上記図1(a)に示すIII-III部分の断面図
が示されている。なお、この実施形態例の説明におい
て、前記図5や図8に示す提案例と同一構成部分には同
一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0047】この実施形態例に示す共振素子1は角速度
センサや加速度センサやフィルター等の共振素子として
用いることができるものである。この実施形態例では、
図1(a)〜(c)に示すように、平面振動体である振
動子5の裏面5c、つまり、基板(固定基板)2と間隔
を介して対向するX、Z二次元平面方向の面5cには、
X方向に間隔を介して図の左右の端縁部領域に振動側振
動調整用電極30,31が形成されている。
【0048】この実施形態例では、振動子5は導電材料
であるポリシリコンにより構成されているので、振動子
5と上記振動側振動調整用電極30,31を絶縁させる
ために、振動側振動調整用電極30,31は絶縁層(例
えば窒化層)32を介して振動子5に設けられている。
【0049】上記振動側振動調整用電極30,31には
Y方向に間隔を介して導電層20,21が基板2上に対
向配置されており、これら導電層20,21は固定側振
動調整用電極として機能し、上記振動側振動調整用電極
30,31と共に振動子5の傾き補正手段として機能す
るものである。
【0050】この実施形態例では、上記導電層20,2
1のX方向の幅は、振動子5がX方向に振動していると
きに上記振動側振動調整用電極30,31が導電層2
0,21の対向領域から食み出さない広幅に形成されて
いる。
【0051】例えば、振動子5のX方向の振動振幅をa
とした場合に、図1(b)に示すように振動子5が基準
位置にあるときに、導電層21の図の右端縁21bは振
動側振動調整用電極31の右端縁31bよりも上記振幅
aに余裕分Δaを加算した長さ(a+Δa)分だけ右側
に食み出した位置にあり、また、同様に、導電層21の
図の左端縁21aは振動側振動調整用電極31の左端縁
31aよりも上記振幅aに余裕分Δa’を加算した長さ
(a+Δa’)分だけ左側に食み出した位置となるよう
に導電層21は広幅に形成される。導電層20に関して
も同様である。なお、上記余裕分ΔaとΔa’は等しく
とも、異なっていてもよい。また、上記余裕分Δa、Δ
a’は零でもよい。
【0052】また、図1(a)に示すように、基板2上
には電極パッド33,34が形成され、さらに、図1
(c)に示すように、支持梁7の底部には絶縁層32を
介して配線層35が形成されており、前記振動側振動調
整用電極30,31はそれぞれ上記配線層35を介して
電極パッド33,34に導通接続されている。これら電
極パッド33,34は絶縁層32により絶縁されてい
る。
【0053】上記以外の構成は前記図5に示す提案例の
共振素子1と同様である。なお、共振素子1が角速度セ
ンサとして用いられる場合には、振動子5自体が垂直移
動側電極として機能し、図1(b)の点線に示すよう
に、基板2上には振動子5にY方向に間隔を介して対向
し、かつ、上記導電層20,21を除いた領域に固定対
向電極36が形成される。上記垂直移動側電極である振
動子5と固定対向電極36の組によって、Z軸回りの角
速度検出手段が構成される。
【0054】この実施形態例に示す共振素子1は上記の
ように構成されている。このような共振素子1において
は、振動子5および可動側櫛歯電極10(10a,10
b)を設定の定電圧(例えば、零V)とし、また、導電
層20,21も上記振動子5とほぼ等しい定電圧(例え
ば、零V)とした状態で、振動側振動調整用電極30,
31にそれぞれ個別に静電引力付与用電圧を印加して、
導電層20,21と振動側振動調整用電極30,31間
に静電引力を発生させる。上記振動側振動調整用電極3
0と振動側振動調整用電極31に印加する電圧をそれぞ
れ個別に制御して上記静電引力を制御することにより、
振動子5の共振周波数を設定の周波数に調整すると共
に、振動子5の傾きを補正する(姿勢調整を行う)。
【0055】このように振動子5の共振周波数の調整お
よび傾き補正が成されている状態で、固定側櫛歯電極1
1a,11bにそれぞれ互いに180°位相が異なる交
流電圧を印加して振動子5をX方向に振動させることに
より、振動子5の中央部Aはもちろんのこと、左右の端
縁部B、Cにおいても、前記図9(a)に示すようなY
方向のぶれが無いほぼ理想的な振動状態となっており、
振動子5はゆらぎのない共振振動を行うことができるこ
ととなる。
【0056】つまり、この実施形態例では、上記したよ
うに導電層20,21は、振動子5がX方向に振動した
ときに振動側振動調整用電極30,31が導電層20,
21の対向領域から食み出さない広幅に形成されている
ので、振動子5のX方向の振動によって、図2(b)に
示すように振動子5が図の右側に変位した場合や、図2
(c)に示すように左側に変位した場合に、導電層2
0,21と振動側振動調整用電極30,31の対向面積
は変化せず、図2(a)に示すように振動子5が基準位
置にあるときと同様である。このため、導電層20,2
1と振動側振動調整用電極30,31により振動子5に
加えられる静電引力も変化しない。なお、振動子5のX
方向の振動によって、導電層20,21と振動子5との
対向面積は変化するが、この実施形態例では、導電層2
0,21と振動子5は上記の如くほぼ同電圧であるの
で、導電層20,21と振動子5間には静電引力は発生
しない。このため、導電層20,21と振動子5との対
向面積が変化しても、その変化は振動子5に生じる静電
引力に影響を及ぼさない。
【0057】また、この実施形態例では、振動子5に上
記振動側振動調整用電極30,31を設け、かつ、上記
のように振動子5がX方向に振動しても、振動側振動調
整用電極30,31の全面が常に導電層20,21に対
向していることから、振動子5のX方向の振動中に、振
動子5の図の左端縁部領域における静電引力の作用質点
Dと右端縁部領域における静電引力の作用質点Eは変化
しない。これにより、振動子5がX方向に振動しても、
振動子5の重心Gと上記作用質点D間の距離L1および
上記重心Gと上記作用質点E間の距離L2は変化しな
い。
【0058】上記のように、振動子5のX方向の振動中
に、振動子5の左右の端縁部領域にそれぞれ生じる静電
引力は変化せず、かつ、重心Gと上記作用質点D間の距
離L1および上記重心Gと上記作用質点E間の距離L2
も変化しないことから、重心Gから左右の端縁部領域へ
の力のモーメントは変化しない。
【0059】したがって、振動子5は重心Gから左右の
各端縁部領域への力のモーメントのバランスが保たれた
状態でX方向に振動することとなり、振動子5の左右の
端縁部領域におけるY方向のぶれを防止することができ
る。これにより、振動子5は基板2に対して傾くことな
く、常に、基板2に対して水平状態で理想的に振動する
ことができることとなる。
【0060】以下に、図1に示す共振素子1の作製手法
の一例を図3に基づいて簡単に説明する。まず、図3
(a)に示すように、シリコンの基板2に例えばリンや
ボロンをドープして導電層20,21や導電パターン2
2,23や導電パッド24,25を形成し、また、基板
2上の外周側には絶縁膜として機能する窒化膜3を形成
する。
【0061】次に、図3(b)に示すように、基板2上
の中央部に上記窒化膜3に跨った状態で犠牲層(例えば
酸化層)38を形成する。さらに、図3(c)に示すよ
うに、その上側に、リンやボロンをドープした低抵抗の
ポリシリコンの膜を形成し、そのポリシリコンの膜を設
定のパターンに形成して、振動側振動調整用電極30,
31と配線層35と電極パッド33,34を形作る。そ
の後に、その上側に絶縁層32として機能する窒化膜を
形成し、次に、上記電極パッド33,34の上側に形成
された絶縁層32を部分的に除去して電極パッド33,
34の上面を露出させる。
【0062】然る後に、その露出した電極パッド33,
34の上側に犠牲層(例えば酸化膜)39を形成する。
【0063】そして、図3(d)に示すように、上記絶
縁層32をパターンニングして余分な部分を除去して、
つまり、後工程で支持梁7が積層形成される部分および
振動側振動調整用電極30,31を覆っている部分を除
いた領域を除去する。
【0064】然る後に、上記犠牲層38を覆うようにリ
ンやボロンをドープして低抵抗にしたポリシリコン膜を
積層形成し、そのポリシリコン膜をパターンニングし
て、図3(e)に示すように、振動子5と支持梁7と固
定部8と可動側櫛歯電極10と固定側櫛歯電極11を形
作る。
【0065】然る後に、図3(f)に示すように、犠牲
層38,39をフッ酸溶液を利用して除去する。これに
より、前記図1に示す共振素子1が作製完成する。
【0066】なお、共振素子1を角速度センサとする場
合には、導電層20,21を形成する際に、図3(a)
の点線に示すように、導電層20,21の形成手法と同
様にして、固定対向電極36を形成する。
【0067】この実施形態例によれば、振動子5のX、
Z二次元平面方向の面5cにはX方向に間隔を介して左
右の各端縁部に振動側振動調整用電極30,31が設け
られ、かつ、これら振動側振動調整用電極30,31に
Y方向に間隔を介して対向する導電層20,21が基板
2上に設けられており、その導電層20,21は振動子
5が励振器12によりX方向に振動しているときに振動
側振動調整用電極30,31が導電層20,21の対向
領域から食み出さない広幅と成している。このことか
ら、上記したように、振動子5がX方向に振動している
ときに、振動側振動調整用電極30,31と導電層2
0,21の対向面積が変化せず、かつ、振動子5の左右
の各端縁部領域における静電引力の作用質点D、Eが変
動しないので、振動子5の重心Gから左右の各端縁部領
域への力のモーメントが変化しない。
【0068】したがって、振動子5は重心Gから左右の
各端縁部領域への力のモーメントのバランスを保った状
態でX方向の振動を行うことができるので、振動子5は
基板2の基板面に沿って水平方向に理想的なX方向の振
動を行うことができることとなり、共振素子1の検出感
度を格段に向上させることができる。
【0069】また、振動子5の左右の端縁部が静電引力
によって導電層20,21に接着してしまって共振素子
として機能しなくなってしまうという重大な問題発生を
確実に回避することができる。
【0070】なお、この発明は上記実施形態例に限定さ
れるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例え
ば、上記実施形態例では、振動子5のX、Z二次元平面
方向の面である裏面5cに振動側振動調整用電極30,
31が形成され、基板2にはその振動側振動調整用電極
30,31にそれぞれ間隔を介して対向する固定側振動
調整用電極である導電層20,21が形成されていた
が、図4の鎖線に示すように、振動子5を覆う例えばガ
ラス材料から成る蓋部材42が設けられる場合には、振
動子5のX、Z二次元平面方向の表面に上記実施形態例
同様の振動側振動調整用電極30,31を設け、蓋部材
42にはそれら振動側振動調整用電極30,31にそれ
ぞれY方向に間隔を介して対向する固定側振動調整用電
極40,41を設ける構成としてもよい。また、振動子
5の表面と裏面の両方に振動側振動調整用電極30,3
1を設け、それら振動側振動調整用電極30,31にY
方向に間隔を介して対向する上記導電層20,21、固
定側振動調整用電極40,41を設ける構成としてもよ
い。
【0071】また、上記実施形態例では、振動子5は導
電性の材料により構成されていたが、この振動子5を絶
縁材料によって構成してもよい。この場合には、振動子
5自体が絶縁材料であるので、絶縁層32を省略して振
動側振動調整用電極30,31を振動子5に直接的に設
けてもよい。
【0072】また、上記実施形態例では、振動側振動調
整用電極30,31に静電引力付与用電圧を印加して振
動子5の共振周波数調整および振動子5の傾き補正を行
っていたが、上記の如く、振動子5が絶縁材料により構
成される場合には、固定側振動調整用電極である導電層
20,21に静電引力付与用電圧を印加して振動子5の
共振周波数調整および振動子5の傾き補正を行ってもよ
い。この場合にも、上記実施形態例と同様の優れた効果
を奏することができることとなる。
【0073】さらに、上記のように振動子5を絶縁材料
により構成する場合に、共振素子1を角速度センサとす
る際には、振動子5のX、Z二次元平面方向の表面ある
いは裏面に垂直移動側電極を設け、また、その垂直移動
側電極にY方向に間隔を介した対向面に固定対向電極を
設けることとなる。
【0074】さらに、上記実施形態例では、導電層2
0,21や振動側振動調整用電極30,31は図1のZ
方向に沿って伸長形成された形状と成していたが、微小
な電極部が複数個図1のZ方向に沿って配列形成されて
いる構成としてもよい。このような場合には、少なくと
も振動子5の四隅に対応する領域に上記微小な電極部を
配置することが望ましい。このようにすることによっ
て、効果的に振動子5の共振周波数の調整および振動子
5の傾き補正を行うことができることとなる。さらに、
上記実施形態例では、基板2はシリコンにより形成され
ていたが、例えばガラス等の他の材料により基板2を形
成してもよい。
【0075】さらに、上記実施形態例では、振動子5の
左右の各端縁部領域のみに振動側振動調整用電極30,
31が形成されていたが、振動側振動調整用電極は、振
動子5の少なくとも左右の各端縁部領域に設けられてい
れば、他の領域にも設けてもよい。
【0076】さらに、上記実施形態例では、図1に示す
形状の共振素子1を例にして説明したが、この発明は、
様々な形状の共振素子に適用することができるものであ
る。例えば、上記振動子5は長方形状であったが、正方
形や円形等の他の形状でもよい。また、振動子5は支持
梁7によって両持ち梁の形状で支持されていたが、片持
ち梁の形状でもって振動子5が支持されていてもよい。
【0077】
【発明の効果】この発明によれば、平面振動体のX、Z
二次元平面方向の面にはX方向に間隔を介して少なくと
も両端縁部領域に振動側振動調整用電極が形成され、こ
の振動側振動調整用電極にはY方向に間隔を介して固定
側振動調整用電極が対向配置されており、固定側振動調
整用電極は、平面振動体がX方向に振動しているとき
に、振動側振動調整用電極が固定側振動調整用電極の対
向領域から食み出さない広幅に形成されている。この構
成を備えることによって、平面振動体がX方向に振動し
ているときに、振動側振動調整用電極と固定側振動調整
用電極の対向面積は変化しないこととなる。
【0078】これにより、振動側振動調整用電極と固定
側振動調整用電極間に静電引力を付与する際には、平面
振動体のX方向の振動中に、振動側振動調整用電極と固
定側振動調整用電極間の静電引力は常に一定となり、変
化しない。また、平面振動体のX方向の振動に関係な
く、平面振動体における上記静電引力の作用質点の位置
は上記振動側振動調整用電極の形成位置に基づいて定ま
って変化しないこととなる。
【0079】このように、平面振動体のX方向の振動中
に、平面振動体の両端縁部領域における静電引力は変化
せず、かつ、静電引力の作用質点が変化しないことか
ら、平面振動体の重心から各端縁部領域への力のモーメ
ントのバランスが平面振動体の静止時と同様に保たれた
状態で平面振動体をX方向に振動させることが可能とな
る。
【0080】振動側振動調整用電極と固定側振動調整用
電極の組が傾き補正手段と成しているものにあっては、
平面振動体の共振周波数を調整すると共に、固定基板に
対する平面振動体の傾きを補正した状態で、平面振動体
をX方向に理想的な状態で振動させることができる。
【0081】これにより、共振素子の感度を格段に向上
させることが可能となる。また、平面振動体を固定基板
の基板面に沿ってX方向に水平振動させることが可能で
あるので、振動側振動調整用電極と固定側振動調整用電
極間の静電引力によって平面振動体の振動側振動調整用
電極が固定側振動調整用電極に接着してしまって共振素
子として機能できなくなってしまうという問題を回避す
ることができる。このように、平面振動体の接着の問題
を回避することができるので、平面振動体の共振周波数
を調整するための静電引力の大きさを大きくすることが
可能となり、共振周波数の調整幅を拡大することができ
ることとなる。
【0082】平面振動体が導電材料により構成されてお
り、振動側振動調整用電極はその平面振動体に絶縁層を
介して設けられるものや、平面振動体が導電材料により
構成され、振動側振動調整用電極と固定側振動調整用電
極の組が傾き補正手段と成している場合に平面振動体と
固定側振動調整用電極がほぼ同電圧である状態で振動側
振動調整用電極に静電引力付与用電圧を印加して振動側
振動調整用電極と固定側振動調整用電極の組が傾き補正
手段として機能するものにあっては、平面振動体が導電
材料により構成されていても、上記のような優れた効果
を奏することができることとなる。
【0083】垂直移動側電極と固定対向電極が設けられ
てZ軸回り角速度検出手段が設けられているものにあっ
ては、上記のような本発明において特徴的な構成を備え
ることによって、角速度検出の感度を飛躍的に高めるこ
とができ、検出精度に優れ、かつ、正確な角速度センサ
を提供することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共振素子の一実施形態例を示す説
明図である。
【図2】図1に示す振動子の振動状態を説明するための
図である。
【図3】図1に示す共振素子の作製手法の一例を示す説
明図である。
【図4】その他の実施形態例を示す説明図である。
【図5】提案例を示す説明図である。
【図6】図5に示す共振素子の課題を説明するための図
である。
【図7】さらに、図5に示す共振素子の課題を説明する
ための図である。
【図8】さらに、その他の提案例を示す説明図である。
【図9】振動子をX方向に振動させたときにおけるX−
Y平面での振動子の動きの例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 共振素子 2 基板 5 振動子 6 平面振動体 7 支持梁 10 可動側櫛歯電極 11 固定側櫛歯電極 20,21 導電層 30,31 振動側振動調整用電極 36 固定対向電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定基板のX、Z二次元平面方向の面に
    間隔を介して対向配置される平面振動体を有し、この平
    面振動体はX方向に振動可能に支持梁を介して上記固定
    基板に支持されている共振素子であって、上記平面振動
    体のX、Z二次元平面方向の面にはX方向に間隔を介し
    て少なくとも両端縁部領域に振動側振動調整用電極が形
    成され、この振動側振動調整用電極には上記X、Z二次
    元平面方向に直交するY方向に間隔を介して固定側振動
    調整用電極が対向配置されており、この固定側振動調整
    用電極のX方向の幅は、平面振動体がX方向に振動して
    いるときに上記振動側振動調整用電極が固定側振動調整
    用電極の対向領域から食み出さない広幅となっているこ
    とを特徴とした共振素子。
  2. 【請求項2】 振動側振動調整用電極と固定側振動調整
    用電極の組は平面振動体に静電引力を付与して平面振動
    体の共振周波数を調整すると共に、固定基板の基板面方
    向に対する平面振動体の傾きを補正する傾き補正手段と
    成していることを特徴とした請求項1記載の共振素子。
  3. 【請求項3】 平面振動体は導電材料により構成されて
    おり、振動側振動調整用電極は絶縁層を介して平面振動
    体に設けられることを特徴とした請求項1又は請求項2
    記載の共振素子。
  4. 【請求項4】 振動側振動調整用電極と固定側振動調整
    用電極の組は、平面振動体と固定側振動調整用電極がほ
    ぼ同電圧である状態で振動側振動調整用電極に静電引力
    付与用電圧が印加されて傾き補正手段として機能するこ
    とを特徴とした請求項3記載の共振素子。
  5. 【請求項5】 平面振動体の表面と裏面の少なくとも一
    方には垂直移動側電極が設けられ、また、この垂直移動
    側電極にY方向に間隔を介した対向側には固定対向電極
    が設けられ、前記垂直移動側電極と固定対向電極の組は
    Z軸回りの回転の角速度変化に対応する平面振動体のY
    方向の振動振幅を検出するZ軸回り角速度検出手段と成
    していることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れ
    か1つに記載の共振素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010011134A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Seiko Instruments Inc 共振周波数可変mems振動子

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