JP2001192620A - 水性塗料組成物、配合法および塗膜 - Google Patents

水性塗料組成物、配合法および塗膜

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JP2001192620A
JP2001192620A JP2000335742A JP2000335742A JP2001192620A JP 2001192620 A JP2001192620 A JP 2001192620A JP 2000335742 A JP2000335742 A JP 2000335742A JP 2000335742 A JP2000335742 A JP 2000335742A JP 2001192620 A JP2001192620 A JP 2001192620A
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acidic organic
organic compound
paint
aqueous
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JP2000335742A
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Yoshiyuki Kono
良行 河野
Takanori Hatano
貴典 畑野
Masato Kusakabe
正人 日下部
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性樹脂分散体に由来する基本的な塗膜物性
を損なうことなく、従来の水性塗料特有の塗膜表面の曇
りをなくし、鮮映性の高い(入射角20°において高光
沢値)塗膜を得ること。 【解決手段】 (A)水性樹脂分散体と、(B)有機性
酸性化合物および(C)塩基性化合物を含有してなる塗
料用樹脂組成物であって、かつ(B−1)酸性有機化合
物と(B−2)塩基性化合物の酸/塩基当量比が、1/
0.01から1/3である水性塗料用樹脂組成物を使用
することで上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の鮮映性に優
れた塗膜を与えることができる水性塗料組成物、水性塗
料用鮮映化剤、及び、塗装方法に関する。さらに詳しく
は、例えば建築外装、自動車、家電用品、プラスチック
などの各種用途に塗装したときに、従来の水系塗料特有
の塗膜表面の曇りを解消し、優れた鮮映性を達成できる
水性塗料組成物、水性塗料用鮮映化剤、及び、塗装方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料の分野において、公害対策あ
るいは省資源の観点より、有機溶剤を使用するものか
ら、水溶性あるいは水分散樹脂への転換が試みられてい
る。しかしながら、従来の水系塗料は、その製膜過程が
粒子の融着によることや樹脂の分子量が高いことなどか
ら、レベリング性が悪いものであった。溶剤系塗料に比
べ、特にエナメル化した場合に、水系塗料特有の塗膜表
面の曇りが発生しやすく、鮮映性が乏しく、かつ光沢に
劣る欠点を有していた。
【0003】これまでに上記欠点の改良方法として、樹
脂の低分子量化やエマルションの微粒子化等により、水
系塗料の製膜過程を改良し、鮮映性及び光沢を改良する
方法が一般的に提案されているが、これらの方法では塗
膜表面の曇りや鮮映性の改良には不十分であり、また、
耐候性、耐水性及び機械的安定性等の低下といった問題
が発生する。
【0004】一方、酸性燐酸エステル化合物及び塩基性
化合物の混合物又は反応物を、反応性シリコン化合物含
有エマルションに硬化剤として添加する方法が開示され
ている(特開平7−133396号公報)。しかしこれ
は硬化剤としての添加であり、この添加による光沢度の
改良については記載されていない。また、上記文献で目
的とされる光沢度の改良は、比較的条件の緩い入射角6
0°におけるものであり、塗膜表面の鮮映性向上、曇り
の改良の効果を一層反映する入射角20°というより厳
しい条件での光沢度改良という点では不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、水性分散体に由来する基本的な塗膜物性を損なう
ことなく、水性塗料特有の塗膜表面の曇りをなくし、鮮
映性の高い塗膜を得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)水性樹脂分散体に、(B−1)酸性有機化合物及
び(B−2)塩基性化合物からなる(B)塗膜鮮映化成
分を配合してなることを特徴とする水性塗料用樹脂組成
物である。
【0007】また本発明は、上記水性樹脂分散体(A)
からなる塗料を予め調製したあと、上記酸性有機化合物
(B−1)及び上記塩基性化合物(B−2)の混合物並
びに/又は上記酸性有機化合物(B−1)及び上記塩基
性化合物(B−2)の反応物を別途、上記塗料に添加剤
として添加する、上記水性塗料用樹脂組成物の製造方法
でもある。
【0008】更に本発明は、上記水性塗料用樹脂組成物
から形成される塗膜でもある。更にまた、本発明は、上
記酸性有機化合物(B−1)及び上記塩基性化合物(B
−2)からなる水性塗料用塗膜鮮映化剤でもある。更に
本発明は、酸性有機化合物(B−1)及び塩基性化合物
(B−2)の混合物、又は、酸性有機化合物(B−1)
及び塩基性化合物(B−2)の反応物を使用する水性塗
料用塗膜鮮映化剤の製造方法でもある。更にまた、
(A)水性樹脂分散体に、(B−1)酸性有機化合物及
び(B−2)塩基性化合物からなる(B)塗膜鮮映化成
分を配合して水性塗料を調製し、被塗物に塗布する塗装
方法でもある。最後に、本発明は、(A)水性樹脂分散
体からなる水性塗料組成物に、(B−1)酸性有機化合
物及び(B−2)塩基性化合物を配合する水性塗料塗膜
の鮮映化方法でもある。以下に、本発明を詳述する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における(A)成分の水性
樹脂分散体としては特に限定されず、例えば、スチレン
−ブタジエンゴムラテックス、(メタ)アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレン系ラテッ
クス、ブチルゴムラテックス、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体エマルション、酢酸ビニル重合体エマルシ
ョン、エチレン−酢酸ビニル系エマルション、酢酸ビニ
ル−アクリル共重合体エマルション、アクリル共重合体
エマルション、アクリル−スチレン重合体エマルショ
ン、ポリスチレンエマルション、ポリアミドエマルショ
ン、エポキシ樹脂エマルション、ポリエステル系樹脂エ
マルション、アルキド樹脂エマルション、シリコン系樹
脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、アミノ樹脂
エマルション、メラミン樹脂エマルション、ポリイソブ
チレン樹脂エマルション、ポリウレタン樹脂エマルショ
ンなどを挙げることができる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0010】本発明の水性塗料用樹脂組成物における
(B)成分、すなわち塗膜鮮映化成分又は水性塗料用塗
膜鮮映化剤は、(B−1)酸性有機化合物と(B−2)
塩基性化合物からなるものである。上記酸性有機化合物
(B−1)としては、一般の塩基性化合物と反応し塩を
形成するような酸性化合物であって、有機基を有するも
のであればよいが、特に、水に対して難溶性のものが好
ましく、例えば、水に対する溶解度が2.0%〜0.0
01%のものが好適に使用することができる。また、酸
性有機化合物(B−1)が持つ炭素原子の数は1分子
中、4個以上であることが好ましく、より好ましくは7
個以上であり、更に好ましくは8個以上である。
【0011】酸性有機化合物(B−1)としては特に限
定されないが、具体的には、カルボン酸化合物、硫酸化
合物、スルホン酸化合物、燐酸化合物が好ましい。なか
でも、一般式(1)で表される燐酸化合物から選択され
る少なくとも1種が酸性有機化合物(B−1)としてよ
り好ましい。
【0012】
【化2】 (式中、Xは、アルコキシ基、アルキル基、アラルキル
基、アリール基、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
基又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル基を表
す。aは、1又は2である。) 上記硫酸化合物及びスルホン酸化合物としては特に限定
されず、例えば、ラウリル硫酸や、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタ
レンスルホン酸等が挙げられる。上記カルボン酸化合物
としては特に限定されず、例えば、カプロン酸、n−ヘ
プタン酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ラウ
リン酸、オレイン酸等のアルキル基を有するもの、更に
はハロゲン化アルキル基を有するもの等が挙げられる。
【0013】上記燐酸化合物としては特に限定されず、
例えば、ジブチルホスフェート、2−エチルヘキシルア
シッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェ
ート、モノイソデシルアシッドホスフェート、ジイソデ
シルホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ス
テアリルアシッドホスフェート等の酸性燐酸エステル化
合物;ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸、ポリ
オキシエチレンステアリルエーテル燐酸、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル燐酸等のポリオキシエチレンア
ルキルリン酸化合物が挙げられる。
【0014】上記燐酸化合物のなかでも、上記一般式
(1)におけるXがアルコキシ基のものが更に好まし
い。具体例としては、ジブチルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキ
シルホスフェート、モノイソデシルアシッドホスフェー
ト、ジイソデシルホスフェート、ラウリルアシッドホス
フェート、ステアリルアシッドホスフェート等の酸性燐
酸エステル化合物が挙げられる。
【0015】酸性有機化合物(B−1)は、1種のみを
用いてもよく2種類以上を併用してもよい。酸性有機化
合物(B−1)は、水性樹脂分散体(A)100重量部
に対して0.1〜20重量部配合するのが好ましく、よ
り好ましくは1〜10重量部である。0.1重量部未満
である場合は、塗膜鮮鋭性への改良の効果が少なくなる
傾向にあり、20重量部を超える場合は塗料の化学的安
定性が低下する傾向にある。
【0016】本発明における(B−2)成分の塩基性化
合物としては、上記(B−1)成分と反応し、塩を形成
するような一般の塩基性化合物が使用可能である。特に
限定されるものではないが、具体例としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム等
の無機系の塩基性化合物;アンモニア水溶液、1級アミ
ン、2級アミン、3級アミン等が挙げられる。
【0017】塩基性化合物(B−2)としては、アンモ
ニア及びアミン類が好ましい。それらの具体例として
は、アンモニア水溶液、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−
プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、s
ec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロ
ヘキシルアミン等のアルキルアミン化合物;エタノール
アミン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7
−ウンデセン、モルホリン、ベンジルアミン、アニリン
およびその誘導体等が挙げられる。
【0018】上記塩基性化合物(B−2)が有機系であ
る場合には、水に可溶のものが好ましい。なかでも、水
への溶解度が10g/100gH2 O以上のものが好ま
しい。このような条件を満たすものとしては、例えば、
アンモニア水溶液、メチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミ
ン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブ
チルアミン、tert−ブチルアミン、エタノールアミ
ン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウ
ンデセン等が挙げられる。
【0019】酸性有機化合物(B−1)と塩基性化合物
(B−2)の混合あるいは配合割合としては、酸/塩基
当量比で1/0.01〜1/3となるような割合が好ま
しい。より好ましくは1/0.1〜1/2となるような
割合である。1/0.01未満である場合は、塗膜鮮鋭
性への改良の効果が少なくなる傾向にあり、1/3を超
える場合は塗料の化学的安定性が低下する傾向にある。
【0020】酸性有機化合物(B−1)及び塩基性化合
物(B−2)は、混合物又は反応物として、水性樹脂分
散体(A)に添加することが好ましい。これらは直接混
合又は反応させてもよいが、溶媒を用いて混合、反応さ
せることが好ましい。このような混合物又は反応物を、
水性塗料用塗膜鮮映化剤として用いることができる。ま
た、(A)水性樹脂分散体からなる水性塗料組成物に、
(B−1)酸性有機化合物及び(B−2)塩基性化合物
を配合することにより、水性塗料塗膜の鮮映化を実現す
ることができる。
【0021】混合又は反応の際に使用する溶媒として
は、これらの混合物又は反応物を溶解することが可能で
あるかぎり特に限定されないが、水系塗料に配合するた
め、水溶性の溶剤が好ましい。例えば、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアル
コール類;親水基含有有機化合物;水そのもの等が挙げ
られる。
【0022】上記溶媒は揮発性溶剤が少ないことが好ま
しいため、上記混合物又は反応物を水に溶解あるいは分
散させることがより好ましい。
【0023】本発明の水性塗料用樹脂組成物には、必要
に応じて、通常塗料に用いられる顔料(二酸化チタン、
炭酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリンなどの白色顔
料;カーボン、ベンガラ、シアニンブルーなどの有色系
顔料)や、造膜剤、コロイダルシリカ、可塑剤、溶剤、
分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤などの
通常の塗料用成分として使用される添加剤を添加するこ
とができる。
【0024】本発明により、水性塗料独特の塗膜表面の
曇りがない鮮映性の高い塗膜を得ることができる。特
に、塗膜エナメルは入射角20°において高い光沢値が
得られ、60以上となる塗膜を得ることも可能である。
本発明による効果は、本発明の水性塗料用樹脂組成物を
エナメル化した場合に特に顕著である。
【0025】塗膜の光沢度は、JIS Z 8741で
規定されているように、通常、入射角を85°、60°
又は20°として測定する。塗膜の光沢度が高くなるに
伴い、すなわち高光沢な塗膜になるに伴い、より入射角
を小さくして光沢度を評価する必要がある。また、塗膜
表面の曇り等は、85°や60°といった入射角が大き
い場合には光沢度に大きく反映されにくく、より厳しい
条件である20°といった入射角が小さい場合に光沢度
を大きく低下させる。すなわち、塗膜表面の曇り等の鮮
映性を評価する場合には、塗膜の20°の光沢度の測定
が有効な方法である。従って、20°の光沢度を上昇さ
せることは、鮮映性を向上させることにつながる。そこ
で、例えば、入射角20°における塗膜の光沢度が5上
昇すると、この光沢度の向上は肉眼でも充分に確認する
ことができる程度である。従って、鮮映性がよいとは、
入射角20°における塗膜の光沢度が高いということが
できる。本発明の組成物、鮮映化剤、塗装方法及び鮮映
化方法においては、この20°における光沢度を、改良
することが可能であり、より詳しくは、目視評価で確認
できる改良が可能であり、さらに詳しくは、例えば、2
0°における光沢値を5上昇させることが可能である。
【0026】本発明における20°光沢度は、以下の方
法で測定することにより得られる光沢値である。すなわ
ち、分散剤等の添加剤とともに、塗料100重量部に対
して酸化チタンをPWC15W%〜30W%の範囲で添
加することにより塗料を白エナメル化し、その塗料をガ
ラス板等の平滑な基材に塗布し常温で乾燥した後、得ら
れた塗膜の入射角20°光沢度を光沢計で測定する。
【0027】本発明の目的とする鮮映性に優れた塗膜
は、従来品に比べて20°の光沢度が格段に優れたもの
である。すなわち本発明では、上記水性樹脂分散体
(A)に、酸性有機化合物(B−1)及び塩基性化合物
(B−2)を配合することにより、塗膜を鮮映化するこ
とができ、本発明の鮮映化剤(B)を配合した場合に
は、入射角20°における塗膜の光沢度を水性樹脂分散
体から形成される塗膜に比べて改良することが可能であ
り、例えば、少なくとも5上昇させることが可能であ
る。なお、本発明においては、エナメル化した場合に少
なくとも5上昇させることが可能であるが、一般にはエ
ナメル化しない場合においても同様の上昇を達成可能で
あり、従って、エナメル化しない場合を排除するもので
はない。このことは、従来の水性塗料における弱点であ
った入射角20°における塗膜の光沢度を、本発明によ
って顕著に向上させることを可能とするものであること
を表す。上記塗膜もまた本発明の対象である。
【0028】また本発明において、上記水性塗料用樹脂
組成物の製造方法としては、水性樹脂分散体(A)から
なる塗料を予め調製したあと、酸性有機化合物(B−
1)及び塩基性化合物(B−2)の混合物並びに/又は
酸性有機化合物(B−1)及び塩基性化合物(B−2)
の反応物を別途、いわゆる2液的に前記塗料に添加剤と
して添加することが好ましい。
【0029】酸性有機化合物(B−1)及び塩基性化合
物(B−2)の混合物並びに/又は反応物を添加してよ
り4日以内に塗装することが好ましく、2日以内がより
好ましい。更には塗装する直前に、酸性有機化合物(B
−1)及び塩基性化合物(B−2)の混合物及び/又は
反応物を前記塗料に添加し、24時間以内、特には10
時間以内に塗装することがより好ましい。添加後、塗布
までの間が大きくあくと、鮮映性改良効果が低下する傾
向にあり、特には5日以上経つと、鮮映性改良効果が低
下する傾向にある。
【0030】本発明では市販されている水性塗料を
(A)成分として使用することが可能である。本発明に
よれば、その市販されている水性塗料の基本的な塗膜物
性を低下させることなく、塗膜の曇り、鮮鋭性を改良で
きる。本発明においては、(A)水性樹脂分散体に、
(B−1)酸性有機化合物及び(B−2)塩基性化合物
からなる(B)塗膜鮮映化成分を配合して水性塗料を調
製し、これを被塗物に塗布することにより、容易に本発
明の塗膜を形成することができる。
【0031】本発明の水性塗料用樹脂組成物は、被塗物
として、例えば、建築内外装用;メタリックベース又は
メタリックベース上のクリアーなどの自動車用;アルミ
ニウム、ステンレスなどの金属直塗用;スレート、コン
クリート、瓦、モルタル、石膏ボード、石綿スレート、
アスベストボード、プレキャストコンクリート、軽量気
泡コンクリート、硅酸カルシウム板、タイル、レンガな
どの窯業系直塗用;ガラス用、天然大理石、御影石等の
石材用の塗料又は上面処理剤として用いられる。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 [塗料作成方法] (A)成分の製造:水性樹脂エマルションの製造方法に
ついて説明する。撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管
および滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水33
重量部、Newcol−707SF(日本乳化剤(株)
製:3%希釈)2.5重量部、酢酸アンモニウム0.1
5重量部、ロンガリット0.05重量部、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド0.04重量部を仕込み、窒素ガ
スを導入しつつ50℃に昇温した。表1に示す組成の混
合物のうち5重量部を滴下して30分間初期重合を行っ
た。表1の残り95重量部およびn−ドデシルメルカプ
タン0.4重量部にアクアロンHS0515(第一工業
製薬(株)製:有効成分15%)10.25重量部、ア
クアロンRN−30(第一工業製薬(株)製:20%希
釈)3.5重量部および脱イオン水42.5重量部を加
え乳化したモノマーを、3時間かけて等速追加した。同
時にロンガリット0.4重量部、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド0.3重量部をモノマー追加時に分割投入
した。この後、1時間後重合を行い、樹脂固形分が50
重量%のエマルションを得た。
【0033】
【表1】 (A)成分を含む水性塗料(白エナメル)の作成 本実施例では、(A)成分を含む市販のシリコン変性ア
クリル塗料(オーデフレッシュSi−II(白エナメ
ル):日本ペイント株式会社製)(A−1)と前述のご
とく作成した成分を表2に示す顔料ペーストを用い、表
3の塗料化の配合方法に従い塗料化して得た白エナメル
塗料組成物(A−2)をそれぞれ使用した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】 [評価方法]1.試料配合方法 (B−1)成分の酸性有機化合物及び(B−2)成分の
塩基性化合物を表4に従い配合して、混合物あるいは反
応物を作成した。それを市販品の塗料(オーデフレッシ
ュSi−II(白エナメル):日本ペイント株式会社製)
および前述のごとく作成した塗料に塗装直前に別途添加
し、手攪拌したのちガラス板へアプリケーターにて塗装
した。得られたガラス板を常温にて2週間養生し、目的
の塗膜を得た。
【0036】
【表4】 表4中、 DP−4:ジブチルホスフェート(大八化学(株)製) AP−8:2−エチルヘキシルアシッドホスフェート
(大八化学(株)製) DP−8R:ジ−2−エチルヘキシルホスフェート(大
八化学(株)製) AP−10:イソデシルアシッドホスフェート(大八化
学(株)製) AP−3:イソプロピルアシッドホスフェート(大八化
学(株)製) MP−4:モノブチルアシドホスフェート(大八化学
(株)製) DBU:1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7
−ウンデセン2.白エナメルの外観性 目視にて塗膜表面の曇り、鮮鋭性を評価し、以下の5段
階で評価した。 5:塗膜表面に曇りがない。 4:塗膜表面に曇りがほとんどなし。 3:塗膜表面が少し曇っている。 2:塗膜表面が曇っている。艶が少ない。 1:塗膜表面が艶びけしている。3.白エナメル光沢 上記方法にて塗料をガラス板に塗布し、常温で14日間
放置した後に入射角20°および60°の光沢度を光沢
計Multi−Gloss 268(ミノルタ(株)
製)で測定した。光沢度は、3回測定した値の平均値を
得た。以上の結果を表5、表6に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】 実施例1〜11より明らかなように、本発明の組成物を
用いて得られる塗膜はいずれも20°光沢が高く、60
以上となる塗膜も得ることが出来、比較例に対して良好
な鮮映性を有している。
【0039】
【発明の効果】本発明の水性塗料用樹脂分散体は、上述
の構成からなるので、水性樹脂分散体に由来する基本的
な塗膜物性を損なうことなく、水性塗料特有の塗膜表面
の曇りをなくし、鮮映性の高い塗膜を提供することがで
きる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA041 CA071 CA081 CB051 CB131 CC021 CD041 CD081 CD091 CF021 CF071 CG001 DA111 DA161 DB001 DD001 DD121 DD231 DG001 DH001 DL031 HA176 HA186 HA316 JA38 JB03 JB06 JB09 JB39 JC09 JC13 JC24 LA06 MA08 MA10 NA01 PB05 PB07 PB09 PC02 PC03 PC04 PC08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水性樹脂分散体に、(B−1)酸
    性有機化合物及び(B−2)塩基性化合物からなる
    (B)塗膜鮮映化成分を配合してなることを特徴とする
    水性塗料用樹脂組成物であって、かつ(B−1)酸性有
    機化合物と(B−2)塩基性化合物の酸/塩基当量比
    が、1/0.01から1/3である水性塗料用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (B−1)酸性有機化合物は、水に難溶
    性のものである請求項1記載の水性塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B−1)酸性有機化合物は、カルボン
    酸化合物、硫酸化合物、スルホン酸化合物及び燐酸化合
    物からなる群より選択される少なくとも1種である請求
    項1又は2記載の水性塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B−1)酸性有機化合物は、下記一般
    式(1)で表される燐酸化合物の1種又は2種以上であ
    る請求項3記載の水性塗料用樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xは、アルコキシ基、アルキル基、アラルキル
    基、アリール基、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
    基又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル基を表
    す。aは、1又は2である。)
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、Xは、炭素数が
    4以上のアルコキシ基である請求項4記載の水性塗料用
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(1)において、Xは、炭素数が
    7以上のアルコキシ基である請求項5記載の水性塗料用
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (B−2)塩基性化合物は、アンモニア
    又はアミン類である請求項1、2、3、4、5又は6記
    載の水性塗料用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 エナメル化された請求項1、2、3、
    4、5、6、又は7記載の水性塗料用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 水性樹脂分散体(A)からなる塗料を予
    め調製したあと、酸性有機化合物(B−1)及び上記塩
    基性化合物(B−2)の混合物並びに/又は上記酸性有
    機化合物(B−1)及び上記塩基性化合物(B−2)の
    反応物を別途、前記塗料に添加剤として添加することを
    特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水性
    塗料用樹脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    水性塗料用樹脂組成物から形成されることを特徴とする
    塗膜。
  11. 【請求項11】 (A)成分を含有する塗料に配合する
    ための塗料用塗膜鮮映化剤であって、(B−1)酸性有
    機化合物及び(B−2)塩基性化合物からなり、かつ
    (B−1)酸性有機化合物と(B−2)塩基性化合物の
    酸/塩基当量比が、1/0.01から1/3である水性
    塗料用塗膜鮮映化剤。
  12. 【請求項12】 (B−1)酸性有機化合物は、水に難
    溶性のものである請求項11記載の水性塗料用塗膜鮮映
    化剤。
  13. 【請求項13】 (B−1)酸性有機化合物は、カルボ
    ン酸化合物、硫酸化合物、スルホン酸化合物及び燐酸化
    合物からなる群より選択される少なくとも1種である請
    求項11又は12記載の水性塗料用塗膜鮮映化剤。
  14. 【請求項14】 (A)水性樹脂分散体に、(B−1)
    酸性有機化合物及び(B−2)塩基性化合物の混合物お
    よび/または反応物を別途配合して水性塗料を調製し、
    被塗物に塗布することを特徴とする塗装方法。
  15. 【請求項15】 (A)水性樹脂分散体からなる水性塗
    料組成物を予め調整し、それに(B−1)酸性有機化合
    物及び(B−2)塩基性化合物の混合物および/または
    反応物を別途配合することを特徴とする水性塗料塗膜の
    鮮映化方法。
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