JP2001166128A - カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物、透明保護膜、カラーフィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物、透明保護膜、カラーフィルターおよび液晶表示装置

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JP2001166128A
JP2001166128A JP2000286883A JP2000286883A JP2001166128A JP 2001166128 A JP2001166128 A JP 2001166128A JP 2000286883 A JP2000286883 A JP 2000286883A JP 2000286883 A JP2000286883 A JP 2000286883A JP 2001166128 A JP2001166128 A JP 2001166128A
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color filter
curable resin
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JP2000286883A
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English (en)
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Kunihiko Nakada
邦彦 中田
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Akiko Nomura
章子 野村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、極めて保存安定性がよく、一液保存
性が優れているカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成
物、かかる組成物により形成される高硬度、高屈折率、
低複屈折率の透明保護膜を有するカラーフィルター、お
よび、表示特性に優れた液晶表示装置を提供せんとする
ものである。 【解決手段】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物は、オキセタン環を有する化合物と、側鎖に平
面構造基を有するエポキシ化合物と、カチオン性重合開
始剤とを含有することを特徴とするものであり、また、
本発明のカラーフィルターは、かかるカラーフィルター
用硬化性樹脂溶液組成物を硬化させてなる透明保護膜を
有するものであるか、あるいは、該透明保護膜の押し込
み硬度が30〜60、屈折率が1.6〜1.8であるこ
とを特徴とするものである。また、本発明の液晶表示装
置は、かかるカラーフィルターを使用したことを特徴と
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
用硬化性樹脂溶液組成物、透明保護膜、カラーフィルタ
ー、および、液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶素子に色分解用カラーフィル
ターを組み合わせたカラー液晶表示素子が多々提案され
ている。ここで、カラーフィルターとは、光透過性基板
上に形成された赤、緑、青の3原色の画素を一絵素とし
た多数の絵素から構成されており、各画素間には、表示
コントラストを高めるために、一定の幅をもつ遮光領域
(ブラックマトリクス)が設けられており、さらに保護
膜層やITO透明電極を配しているものもある。この保
護膜層には、下層を構成する画素、ガラス、および遮光
層等との接着性、上層を構成するITOとの接着性、液
晶セルを構成するためのエポキシ封止剤との接着性、画
素不純物成分の遮断性、平滑性、耐光性、耐湿熱性、耐
溶剤性、耐薬品性、耐熱性、および液晶セルを製造する
際の基板貼り合わせ工程における耐圧性、強靱性等の幅
広い特性が要求される。ガラス基板への保護膜としても
同様の特性が要求され、このような保護膜層として、オ
ルガノポリシロキサン、シリコーンポリイミド、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂等が使用されてきたが、平坦化特
性に優れていることからエポキシ樹脂が使用される場合
が多い。
【0003】また、カラー液晶表示装置の製造工程の中
で、セルを作成する工程は次の通りである。まず、2枚
のガラス基板に配向膜を形成しラビングを行う。続い
て、一方の基板に、ガラスファイバーからなるロッドス
ペーサーが混入されているシール材を塗布し、2枚の基
板を貼り合わせるが、このとき、2枚の基板のギャップ
を制御するため、ミクロパールと呼ばれる球状スペーサ
ーを基板上に散布する。貼り合わせた2枚の基板の隙間
に液晶を注入し、注入口を紫外線硬化樹脂などで封口
し、その後、2枚のガラス基板の外側に偏光板を貼り付
けてセルが完成する。
【0004】従来、透明保護膜として使用されてきたエ
ポキシ樹脂は、反応性に富んだエポキシ化合物の硬化反
応により生成する。その硬化反応は、エポキシ化合物そ
れ自身の開環重合によるホモポリマーの生成と、硬化剤
との重付加によるコポリマーの生成に区別される。前者
は、重合促進剤を使用した重合により硬化が進行するの
に対し、後者は、重合促進剤が存在する、または存在し
ない条件で、硬化剤とエポキシ樹脂を重付加させること
により、硬化が促進する。いずれの硬化反応において
も、室温において反応が徐々に進むため、粘度が上昇す
るなど保存安定性に問題があり、使用直前にエポキシ化
合物と重合促進剤、あるいは、硬化剤を混合する二液型
の溶液として使用される必要があり、一液で保存するこ
とは困難であった。
【0005】また、従来の透明保護膜では、硬度が小さ
いため、液晶セルを製造する際の基板貼り合わせ工程に
おいて、透明保護膜層やカラーフィルターにスペーサー
がめり込むことによりセルギャップの不均一化が起こる
ことや、また、透明保護膜と透明電極の屈折率差が大き
いことに基づく反射光強度増大による干渉縞の発生など
のために、液晶表示装置に表示不良が発生する場合があ
った。
【0006】さらに、エポキシ樹脂等を使用したカラー
フィルター用硬化性樹脂溶液組成物においては、透明保
護膜の複屈折率が大きくなり、液晶表示装置において、
視野角依存性が表示装置の左右で異なるなどの表示不良
が発生する場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を改良し、極めて保存安定性がよく、一液保
存性が優れているカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組
成物、該カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物によ
り形成される高硬度、高屈折率、低複屈折率の透明保護
膜、さらにかかる透明保護膜を有するカラーフィルタ
ー、および、表示特性に優れた液晶表示装置を提供せん
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂
溶液組成物は、オキセタン環を有する化合物と、側鎖に
平面構造基を有するエポキシ化合物と、カチオン性重合
開始剤とを含有することを特徴とするものであり、本発
明の透明保護膜は、かかるカラーフィルター用硬化性樹
脂溶液組成物を硬化させてなるものであり、また、本発
明のカラーフィルターは、かかる透明保護膜を有するも
のであるか、あるいは、オキセタン環を有する化合物
と、側鎖に平面構造基を有するエポキシ化合物とを硬化
させてなる透明保護膜を有し、かつ、該透明保護膜の押
し込み硬度が30〜60、屈折率が1.6〜1.8であ
ることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の液晶表示装置は、かかるカ
ラーフィルターを使用したことを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者は、透明保護膜の平坦化
特性を向上させるために、カラーフィルター用硬化性樹
脂溶液組成物の構成成分を低分子量化すること、およ
び、硬化反応での塗膜収縮を小さくすることが重要であ
ることに着目して検討を行った結果、オキセタン環を有
する化合物(以下、単にオキセタン化合物という)を、
カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に使用してみ
たところ、従来にない極めて良好な平坦化特性を示すこ
とを見出した。
【0011】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物における、エポキシ化合物とオキセタン化合物
の混合比率は、エポキシ化合物100重量部に対して、
オキセタン化合物を5〜300重量部使用するのが好ま
しく、より好ましくは、15〜200重量部、さらに好
ましくは、10〜100重量部使用するものである。オ
キセタン化合物が少なすぎると、塗膜の硬度が低下する
恐れがあり、また、多すぎると、耐熱性が低下する恐れ
があるため好ましくない。
【0012】カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物
は、反応性が高いほど、硬化する際、架橋密度が向上す
るため押し込み硬度が高くなる。しかし、反応性が高い
ほどゲルタイムが短くなるので、保存安定性が低下し、
一液で保存することは困難となる。そこで、一液保存安
定性に優れていながらも、硬化する際には反応性が高く
架橋密度が向上し、押し込み硬度も高くすることが可能
であるようなカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物
の開発が必要である。
【0013】エポキシ化合物やオキセタン化合物のよう
な環状エーテルの硬化反応は、重付加型、アニオン重合
型、カチオン重合型の大きく3タイプに分けられる。そ
の中で、本発明者らは、架橋密度向上に有効であるカチ
オン重合型に着目した。
【0014】エポキシ化合物は3員環の環状エーテルで
あるのに対し、4員環の環状エーテル化合物であるオキ
セタン環は、炭素−酸素間の結合がエポキシ環より分極
していることから高い反応性を示し、ルイス酸などを熱
重合開始剤を用いるとカチオン開環反応が進行する。カ
チオン開環反応とは、カチオン性重合開始剤が加熱する
ことにより、ルイス酸を放出し、環状エーテルの酸素を
オキソニウムイオンとし、連鎖的に環状エーテル酸素を
攻撃し反応が進行するものである。すなわち、塗液中で
は、ルイス酸を放出されない限り、反応は開始しないの
で、一液保存が可能である。一方、オキセタン環はエポ
キシ環より環の歪みが小さいため、熱力学的にオキセタ
ン環はエポキシ環より安定である。従って、開始反応に
おいては、エポキシ環はオキセタン環より速いが、成長
反応においては、オキセタン環はエポキシ環より速い。
そこで、オキセタン化合物とエポキシ化合物をブレンド
することによりお互いの短所を補うことができる。つま
り、開始反応も速く成長反応も速くかつ一液保存安定性
に優れていながら、架橋密度が向上し、押し込み硬度を
高くすることができることを見いだした。
【0015】ここで、カチオン開環反応は、エポキシ化
合物およびオキセタン化合物が硬化すると架橋部は、す
べてエーテル結合となり、水に弱いエステル結合や、フ
リーの水酸基の存在がないため、電気特性、耐水性、耐
溶剤性等に優れている特徴を有する。
【0016】次に、屈折率向上及び低複屈折率化につい
て述べる。オキセタン化合物やエポキシ化合物などに含
まれる芳香環は高い分極性を示すため、屈折率向上には
大いに寄与する。しかし、芳香環はガラス基板上に沿っ
て配向する。そのため、透明保護膜面に垂直方向の屈折
率(nz)と該透明保護膜の面内で直交する任意の二つ
の軸方向の屈折率(nx)および(ny)との差(複屈折
率)が発生すると考えられる。そこで、低複屈折率化の
方法として、面内での配向を抑制すること、ポリマー主
鎖方向の分極率を小さくする、あるいはポリマー主鎖と
直交する方向の分極率を大きくすることに着目した。
【0017】すなわち、本発明においては、オキセタン
化合物、側鎖に平面構造基を有するエポキシ化合物、カ
チオン性重合開始剤を使用することにより、(1)構成
成分の低分子量化、(2)オキセタン、エポキシ開環付
加による硬化反応における硬化収縮の抑制、(3)オキ
セタン化合物の高反応性による架橋密度向上、(4)カ
チオン開環反応を行うことにより、一液化可能で、高い
平坦化特性、高硬度を有する透明保護膜を与えるカラー
フィルター用硬化性樹脂溶液組成物を得ることが可能と
なった。さらに、ポリマーの側鎖に平面構造基を導入す
ることにより、ポリマー面に垂直方向の屈折率(nz
が高められ、また、ポリマー主鎖方向の面内での配向を
立体障害により、抑制することが可能となり、他の特性
を損なうことなく、低複屈折率とすることができること
を見出した。また、該ポリマーの側鎖に平面構造基の導
入は、屈折率向上にも寄与する。
【0018】本発明の硬化性樹脂組成物を構成するオキ
セタン環を有する化合物は、下記式(4)で表されるオ
キセタン環を1つ以上有する化合物である。
【0019】
【化3】
【0020】該化合物は、カチオン性重合開始剤の存在
下で加熱することにより重合反応や架橋反応を起こす。
このようなオキセタン環を有する化合物としては、オキ
セタン環を1つ以上有する化合物であれば、種々のもの
が使用できる。以下に例示する。
【0021】1個のオキセタン環を有する化合物として
は、下記一般式(5)で表される化合物等が挙げられ
る。
【0022】
【化4】
【0023】一般式(5)において、Zは酸素原子また
は硫黄原子を示す。R1は水素原子、フッ素原子、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数
1〜6個のアルキル基、トリフルオロメチル基、パーフ
ルオロエチル基、パーフルオロプロピル基等の炭素原子
数1〜6個のフルオロアルキル基、フェニル基、ナフチ
ル基等の炭素原子数6〜18のアリール基、フリル基ま
たはチエニル基である。R2は、水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜6
個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル
基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−
プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−
ブテニル基等の炭素原子数2〜6個のアルケニル基、フ
ェニル基、ナフチル基、アントニル基、フェナントリル
基等の炭素原子数6〜18のアリール基、ベンジル基、
フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェネチル
基、スチリル基、シンナミル基、エトキシベンジル基等
の置換または非置換の炭素原子数7〜18のアラルキル
基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等のアリ
ーロキシアルキルなどのその他の芳香環を有する基、エ
チルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカル
ボニル基等の炭素原子数2〜6個のアルキルカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基等の炭素原子数2〜6個のアルコ
キシカルボニル基、エチルカルバモイル基、プロピルカ
ルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバ
モイル基等の炭素原子数2〜6個のN−アルキルカルバ
モイル基等である。
【0024】2個のオキセタン環を有する化合物として
は、下記一般式(6)で表される化合物等が挙げられ
る。
【0025】
【化5】
【0026】一般式(6)において、R1は、前記一般
式(5)における定義の通りである。R3は、例えば、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状或いは
分枝状の、通常炭素原子数1〜20のアルキレン基、ポ
リ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基
等の線状或いは分枝状の、通常炭素原子数1〜120の
ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチル
プロペニレン基、ブテニレン基等の線状或いは分枝状の
不飽和炭化水素基、カルボニル基、カルボニル基を含む
アルキレン基、分子鎖の途中にカルボキシル基を含むア
ルキレン基、分子鎖の途中にカルバモイル基を含むアル
キレン基等である。また、R3は、下記一般式(7)、
(8)および(9)で表される基から選択される多価の
基でもよい。
【0027】
【化6】
【0028】一般式(7)において、R4は、水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭
素原子数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜4個
のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキル
カルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル
基であり、xは1〜4の整数である。
【0029】
【化7】
【0030】一般式(8)において、R5は、酸素原
子、硫黄原子、メチレン基、−NH−、−SO−、−S
2−、−C(CF32−または−C(CH32−であ
る。
【0031】
【化8】
【0032】一般式(9)において、R6は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1
〜4個のアルキル基またはフェニル基、ナフチル基等の
炭素原子数6〜18のアリール基である。yは、0〜2
00の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4個のアルキル基ま
たはフェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜18の
アリール基である。R7は、下記一般式(10)で表さ
れる基でもよい。
【0033】
【化9】
【0034】一般式(10)において、R8は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1
〜4個のアルキル基またはフェニル基、ナフチル基等の
炭素原子数6〜18のアリール基である。zは、0〜1
00の整数である。
【0035】3個以上のオキセタン環を有する化合物と
しては、下記一般式(11)で表される化合物等が挙げ
られる。
【0036】
【化10】
【0037】一般式(11)において、R1は、前記一
般式(5)における定義の通りである。R9は、3〜1
0価の有機基を示し、例えば下記式(12)〜(14)
で表される基等の炭素原子数1〜30の分枝状または線
状のアルキレン基、下記式(15)で表される基等の分
枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、下記式(16)また
は式(17)で表される線状または分枝状ポリシロキサ
ン含有基等が挙げられる。jは、R9の価数に等しい3
〜10の整数を示す。 一般式(12)
【0038】
【化11】
【0039】一般式(13)
【0040】
【化12】
【0041】一般式(14)
【0042】
【化13】
【0043】一般式(15)
【0044】
【化14】
【0045】一般式(16)
【0046】
【化15】
【0047】一般式(17)
【0048】
【化16】
【0049】式(12)において、R10はメチル基、エ
チル基、プロピル基等の炭素原子数1〜6個のアルキル
基である。
【0050】式(15)において、Lはそれぞれ同一ま
たは異なる1〜10の整数である。
【0051】また、オキセタン環を有する化合物として
は、上述以外にも、ポリスチレン換算の数平均分子量1
000〜5000程度の高分子量を有する化合物も挙げ
られる。
【0052】これらは1種単独あるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0053】これらの中でも、本発明のカラーフィルタ
ー用硬化性樹脂溶液組成物成分として特に好適に使用で
きるオキセタン環を有する化合物としては、例えば、カ
ーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタ
ン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジ
カルボン酸ビスオキセタン、(3−エチル−3−オキセ
タニルメトキシ)メチルベンゼン、1,4−ビス[(3
−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼ
ン、1,2−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメト
キシ)エタン、トリメチロールプロパントリス(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテル等で表される
化合物が挙げられる。その中でも、さらに特に好適に使
用できるのは、透明保護膜の透明性の観点からカーボネ
ートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、シク
ロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、トリロールプ
ロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)
エーテルである。
【0054】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物は、カチオン性重合性化合物を含有し、加熱あ
るいは光などのエネルギー線により重合する。カチオン
性重合開始剤として、カチオン性熱重合開始剤とカチオ
ン性光重合開始剤があり、プロセス等により使い分ける
ことができる。ここでいうカチオン性重合開始剤とは、
熱あるいは光により、ルイス酸を放出する化合物であ
る。
【0055】カチオン性熱重合開始剤として、脂肪族ス
ルホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオ
ニウム塩及びシラノール・金属キレート複合体等を用い
ることができる。
【0056】好適に用いることができるカチオン性熱重
合開始剤の市販品として、アデカオプトンCP−66、
Cp−77(以上、旭電化工業株式会社製)、サンエイ
ドSI−60L、SI−80L、SI−100Lなどを
使用することができる。カチオン性熱重合開始剤の市販
品として、UVI−6950、UVI−6970、UV
I−6974,UVI−6990(以上、ユニオンカー
バイド株式会社製)、アデカオプトマーSP−150,
SP−151、SP−170、SP−171(以上、旭
電化工業株式会社製)、Irgacure 261(以
上、チバスペシャリティケミカルズ社)、CI−248
1、CI−2624、CI−2639、CI−2064
(以上、日本曹達株式会社製)、DTS−102、DT
S−103、NAT−103,NDS−103、TPS
−103,MDS−103、MPI−103,BBI−
103(以上、みどり化学株式会社製)などを使用する
ことができる。
【0057】さらに本発明者らは、検討を重ねた結果、
カチオン性熱重合開始剤として、シラノール−金属キレ
ート複合体がガラス基板との密着性向上に有効であるこ
とを見出した。金属キレート化合物としては、ジルコニ
ウムトリスアセチルアセトネートあるいはアルミニウム
トリスアセチルアセトネートが好ましく、シラノールと
しては、オルガノアルコキシシランが好適である。
【0058】この時、オルガノアルコキシシランとして
は、次の一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシ
ラン類、あるいは該オルガノアルコキシシラン類の加水
分解物および/または加水分解縮合物が好ましい。
【0059】 R11 nSi(OR124-n (1) (ここで、R11 は、アルキル基、ビニル基、フェニル
基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
あり、R12 は、水素、アルキル基から選ばれる有機基
であり、nは1〜3の整数を示す。) オルガノアルコキシシラン類の具体的な例としては、メ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限
定されない。また、エポキシ化合物との相溶性を高める
ために、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのエ
ポキシ基含有オルガノアルコキシシランを使用すること
ができる。これらのオルガノアルコキシシランは、単独
で、または、複数のものを併用して使用することができ
る。また、これらのオルガノアルコキシシラン類は、そ
のままの状態で使用できるが、加水分解物、加水分解縮
合物の状態でも使用できる。加水分解は、オルガノアル
コキシシラン類に水を加えて、低温で反応させることに
より行い、加水分解縮合は、オルガノアルコキシシラン
類に水を加えて、加熱することにより、水とアルコール
を留去することにより行う。ここで、加水分解、加水分
解縮合には、酸触媒を添加してもよい。
【0060】これらのオルガノアルコキシシランの中
で、カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物の溶剤中
に、水、アルコールなどの低沸点溶剤が残存しないとい
う点から、加水分解縮合物を使用することが好ましい。
【0061】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物における、カチオン性熱重合開始剤として、金
属キレート化合物とオルガノアルコキシシランの混合比
率は、オルガノアルコキシシラン100重量部に対し
て、金属キレート化合物1〜10重量部、好ましくは、
2〜8重量部である。金属キレート化合物が少なすぎる
と、熱重合開始剤としての機能を十分果たせない。ま
た、多すぎると、塗膜の強靱性、透明性が低下するた
め、好ましくない。
【0062】カチオン性光重合開始剤として、ヘキサフ
ルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシア
ンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキ
サフルオロアルセネート塩、テトラフルオロボレート塩
等を用いることができる。
【0063】カチオン性重合開始剤は、カラーフィルタ
ー用硬化性樹脂溶液組成物100重量部に対し0.2〜
70重量部、好ましくは0.4〜50重量部、より好ま
しくは0.6〜20重量部である。重合開始剤の含有量
が過大になると、一液保存安定性が低下したり、塗膜の
透明性を損なう傾向にある。カチオン性重合開始剤の含
有量が過小になると、カチオン重合反応速度(硬化速
度)が低下するため、塗膜の硬化が十分でなくなる恐れ
がある。
【0064】平面構造基を有するエポキシ化合物として
は、側鎖に平面構造基を有するエポキシ化合物を使用す
ることができる。ここで、側鎖とは、ポリマーの主鎖方
向から枝分かれした部分のことである。また、平面構造
基とは、ベンゼン環を少なくとも1つ以上有するもので
あり、単環式のものでは、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネ
チル基、スチリル基、シンナミル基など、多環式のもの
では、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、
インデン基、アズレン基、フルオレン基など、複素環式
のものでは、フリル基、ピリジル基など、「全有機化合
物名称のつけ方(新増補版)」に記載されているものな
どが挙げられ、これらは、炭化水素基、ハロゲンなどの
置換基を有するものでもよい。平面構造基の分子量は小
さい場合には配向抑制の効果が小さくなること、また、
大きい場合にはポリマー合成の反応性が低下することか
ら、76〜2000の範囲にあること、さらには100
〜1000の範囲にあることが好ましい。特に、配向抑
制効果とポリマー反応性の兼ね合いから、フルオレン基
類が好ましい。フルオレン基類とは、フルオレンを骨格
中に有する基であり、もちろん、炭化水素基、ハロゲン
などの置換基を有しているものも含まれる。1〜9位の
一価基、および9位での二価基のうち、配向抑制効果の
点から、9位の一価基または二価基が好ましく、特に、
9位の二価基が好ましい。さらに、入手の容易性からみ
て、下記一般式(2)のようなエポキシ化合物を使用す
ることが、より好ましい。
【0065】
【化17】
【0066】(ただし、Rは、−O−、−OCH2CH2
O−を示し、R’は、水素、または、炭素数4以下のア
ルキル基を示す。) また、フルオレン基を含有するエポキシ化合物において
は、フルオレン基の存在により、加熱硬化時の昇華、蒸
発が抑制できるという効果が得られる。本発明のカラー
フィルター用硬化性樹脂溶液組成物は、カチオン性重合
開始剤が熱あるいは光などのエネルギー線により、ルイ
ス酸を発生し、エポキシあるいはオキセタンの環状酸素
を攻撃しオキソニウムイオンとし、連鎖的に反応が開始
する。従って、カチオン性重合開始剤は加熱あるいは光
などが照射されない限り安定であるが、より保存安定性
を向上するため重合抑制剤を添加してもよい。カチオン
性重合開始剤が、金属キレート化合物の場合、重合抑制
剤としては、β−ジケトン類、β−ケト酸エステル類お
よび塩基性化合物が好ましく挙げられ、重合開始剤1重
量部に対して、0.09〜10重量部、より好ましくは
0.5〜5重量部、さらに好ましくは3〜4重量部含ま
れることが好ましい。添加量が少なすぎると保存安定性
向上に対してほとんど効果がなく、多すぎると透明性等
膜物性の低下を引き起こす恐れがある。これらの重合抑
制剤が、室温または低温領域では、本発明のカラーフィ
ルター用硬化性樹脂溶液組成物に含まれる重合開始剤に
過剰配位し、ルイス酸の発生を防ぐ。一方で、熱を加え
ると、重合開始剤に配位している重合抑制剤が揮発し、
ルイス酸が発生し急激に硬化が促進する。
【0067】β−ジケトン類、β−ケト酸エステル類の
具体例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセト
ン、ジベンゾイルアセトン、メチルアセトアセテート、
エチルアセトアセテート、ベンゾイルアセトアセテー
ト、エチルベンゾイルアセテート、メチルベンゾイルア
セテートなどが挙げられ、塩基性化合物の具体例として
は炭酸カルシウム、アルミナなどのフィラー、アミン変
性物などが挙げられる。特に重合開始剤として、スルホ
ニウム塩類またはシラノール類を使用した場合は、塩基
性化合物が、重合開始剤として金属キレート化合物を使
用した場合は、β−ジケトン類、β−ケト酸エステル類
が有効である。
【0068】上記のようなカラーフィルター用硬化性樹
脂溶液組成物を使用すると、密閉した容器内で、10
1.325kPa、20℃の条件で7日間保存した場合
の粘度変化率が0〜2%の範囲にある。
【0069】さらに、脂環式エポキシ化合物を本発明の
カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に添加しても
よい。脂環式エポキシ化合物はカチオン開環重合を行
う。ここで、脂環式エポキシ化合物は、特に限定されな
いが、低分子量化が平坦化特性向上には重要であること
から考えて、エポキシ当量が200以下の脂環式エポキ
シ化合物を使用することが好ましい。ここで、エポキシ
当量とは、エポキシ基1モル当たりのグラム数を表すも
のであり、エポキシ当量が小さい化合物ほど、分子量が
低いことを意味する。
【0070】また、エポキシ化合物として、エポキシ当
量が200以下のエポキシ化合物のみを使用することが
可能であるが、塗膜の接着性、強靱性などの観点から、
エポキシ当量が200より大きいエポキシ化合物を含ん
でいても良い。しかしながら、平坦化特性を良好に保つ
ため、エポキシ当量が200より大きいエポキシ化合物
の含有量は、エポキシ化合物全体の40%以下とするの
が好ましく、30%以下とするとより好ましい。
【0071】また、脂環式エポキシ化合物としては、入
手の容易性、コストから考えて、下記一般式(3)の構
造の化合物を使用することが好ましい。
【0072】
【化18】
【0073】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物における、エポキシ化合物の混合比率は、側鎖
に平面構造基を有するエポキシ化合物100重量部に対
して、脂環式エポキシ化合物10〜100重量部、好ま
しくは、15〜80重量部、より好ましくは、20〜5
0重量部である。脂環式エポキシ化合物が少なすぎる
と、塗膜の硬度が低下する、また、多すぎると、耐熱性
が低下するため好ましくない。
【0074】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物にポリオール化合物を添加すると、エポキシ基
と一級水酸基との反応速度がエポキシ基同士よりも早い
ので、硬化速度が向上することにより架橋密度が上昇す
るため、押し込み硬度向上の観点から好ましい。ポリオ
ール化合物の添加量は、通常、カラーフィルター用硬化
性樹脂溶液組成物100重量部に対して3〜10重量部
であり、好ましくは5〜7重量部である。添加量が少な
すぎると、押し込み硬度の改良効果がなく、多すぎると
逆に塗布性の不良や、耐薬品性の低下を引き起こす。ポ
リオール化合物としては、反応性の観点から分子量が5
0〜1000であることが好ましく、より好ましくは5
0〜500であり、さらに好ましくは50〜100であ
る。分子量が過多になると、ポリオール化合物の反応性
が低下し、過小になると、ポリオール化合物が揮発し易
くなる。
【0075】本発明の熱硬化性樹脂組成物で、使用され
るポリオールは、1分子中に1個以上、好ましくは2〜
6個の水酸基を有するものである。一方、1分子中に6
個を超える水酸基を含有するポリオールを使用する場合
には、得られる透明樹脂膜の押し込み硬度が低下する傾
向にある。
【0076】かかるポリオールとしては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、トリシクロデカンジメチロール、シクロヘ
キサンジメチロール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオ
ール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA
ポリエトキシグリコール、ポリカーボネートポリオー
ル、ペンタエリスルトール、ソルビトール、スクロー
ス、クオドロールなポリブタジエンポリオール、水添ポ
リブタジエンポリオール、水添ダイマージオールペンタ
エリトリトール等があり、また、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスルトール、ソルビトー
ル、スクロース、クオドロールなどの3価以上の水酸基
を含有する化合物を、エチレンオキシド(EO)、プロ
ピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド、テトラヒ
ドロフランなどの環状エーテル化合物で変性することに
より得られるポリエーテルポリオールやカプロラクトン
で変性することにより得られるポリカプロラクトンポリ
オールや、2塩基酸とジオールからなるポリエステルで
変性することにより得られるポリエステルポリオールを
挙げることができる。具体的には、EO変性トリメチロ
ールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、テト
ラヒドロフラン変性トリメチロールプロパン、カプロラ
クトン変性トリメチロールプロパン、EO変性グリセリ
ン、PO変性グリセリン、テトラヒドロフラン変性グリ
セリン、カプロラクトン変性グリセリン、EO変性ペン
タエリスリトール、PO変性ペンタエリスリトール、テ
トラヒドロフラン変性ペンタエリスリトール、カプロラ
クトン変性ペンタエリスリトール、EO変性ソルビトー
ル、PO変性ソルビトール、カプロラクトン変性ソルビ
トール、EO変性スクロース、PO変性スクロース、E
O変性スクロース、EO変性クオドールなどを例示する
ことができる。
【0077】使用できるポリオールの市販品として
は、”サンニックス”TP−400、”サンニックス”
GP−600、”サンニックス”GP−1000、”サ
ンニックス”SP−750、”サンニックスGP−25
0、”サンニックス”GP−400、”サンニックス”
GP−600(以上、三洋化成株式会社)、TMP−3
Glycol、PNT−4 Glycol、EDA−P
−4、EDA−P−8(以上、日本乳化剤株式会社)、
G−300、G−400、G−700、T−400、E
DP−450、SP−600、SC−800(以上、旭
電化工業株式会社)、TONE0301、TONE03
05、TONE0310(以上、ユニオンカーバイド
社)、”プラクセル”303、”プラクセル”30
5、”プラクセル”308(以上、ダイセル化学工業株
式会社)などの商品名で入手することができるものを挙
げることができる。
【0078】ポリオール化合物の中でも、特に2価の水
酸基を含有する化合物が好適であり、具体的にはエチレ
ングリコールが反応性、分子量の観点から好ましい。
【0079】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物において、酸化物超微粒子や金属アルコキシド
を添加することにより、該透明保護膜の押し込み硬度お
よび屈折率を大幅に向上させることができる。酸化物超
微粒子を含有させる方法は物理的に酸化物超微粒子を透
明保護膜中に分散させるのに対し、金属アルコキシドを
含有させる方法は化学的に無機酸化物を分散させる方法
である。どちらの方法においても、屈折率、平滑性、膜
の硬度に及ぼす影響に大きな差違はない。
【0080】酸化物超微粒子および金属アルコキシドの
具体例は、以下のとおりである。 (a)Sb25、CeO2、ZnO、WO3、Tl2O、
GeO2、TeO2、Pr23、In23、La23、T
25、ThO2、Y23、TiO2、ZrO2、Al2
3、Nb25、MnO2、PbO、Bi23、SnO2
HfO2、Nd23等の酸化物超微粒子。 (b)Ti(OCH(CH324、Hf(OCH2CH
2CH2CH34、Ta(OC255、Zr(OCH2
2CH2CH34、Ba(OC252、Pb(OCH2
CH2CH2CH32、Al(OC253、Zn(OC2
52、Ga(OCH33、Ge(OC254、W
(OC256、Nb(OC255、Mo(OC25
6、Y(OCH33、La(OC253、Te(OC2
54などの金属アルコキシド。
【0081】ここで、透明保護膜の押し込み硬度および
屈折率を向上させるため、(a)のような酸化物超微粒
子を例として挙げたが、とくにこれに限定されたもので
はなく、透明保護膜の樹脂成分より高い屈折率を有する
酸化物超微粒子であれば使用することができる。屈折率
向上にはできるだけ高い屈折率を有する酸化物超微粒子
であることが好ましく、屈折率が2.0以上、より好ま
しくは2.3以上である。
【0082】また、酸化物超微粒子とは、可視光の波長
よりも小さな粒径を持つ酸化物粒子のことであり、透明
保護膜の透明性を損なわないため、粒径としては、5〜
100nmであることが好ましく、5〜50nmであれ
ばより好ましく、5〜10nmであればさらに好まし
い。材料としては、下記に示したものを使用できるが、
保存安定性、汎用性、コスト、着色性、屈折率向上効率
を鑑みると、TiO2、Sb25、Ta25、ZrO2
Al23などが好ましい。さらに、屈折率が2.0以上
かつ透明性を考慮すると、Sb25、TiO2、Ta2
5がより好ましい。
【0083】酸化物超微粒子は、粉体をそのまま樹脂溶
液に添加することが可能であるが、酸化物超微粒子の微
分散化、分散安定化の点で、酸化物超微粒子を溶剤に分
散した酸化物超微粒子ゾルを使用することが好ましい。
【0084】酸化物超微粒子の分散溶剤としては、水、
エタノール、メタノール、イソブタノール、3−メチル
−3−メトキシブタノールなどのアルコール類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル
などのエーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロ
ラクトンなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、
2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどのピロリド
ン類などが挙げられる。これらの溶剤のうち、エステル
系高沸点溶剤が、酸化物超微粒子の微分散性、保存安定
性の点から好ましく、単独で、または、2種類以上を混
合して使用することができる。特に、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートなどの溶剤が、高沸点かつ保存
安定性の観点から好ましい。また、酸化物超微粒子含有
透明保護膜塗液の保存安定性を鑑みると、酸化物超微粒
子の分散溶剤は、透明保護膜で使用される溶剤と同一の
ものにすることが好ましい。
【0085】(b)の金属アルコキシドの添加も、押し
込み硬度および屈折率向上に有効な手段である。シリコ
ン系アルコキシド以外の金属アルコキシドは、水やアル
コールと酸性触媒との存在下で、加水分解物を生成し、
縮合反応により重合していくことが知られている。その
ため、水や酸性触媒の存在する系では、塗液の保存安定
性が悪化する場合がある。しかしながら、β−ジケトン
やβ−ケト酸エステル類と金属アルコキシド類の反応で
生成する金属錯体は、加水分解および縮合反応を抑制す
ることができるため、保存安定性が向上することが可能
となる。したがって、金属アルコキシドを添加する場合
は、使用する樹脂や溶剤により、金属アルコキシドを直
接添加する方法、あるいは、金属アルコキシドを金属錯
体に変換してから添加する方法のどちらかを選択する。
【0086】(b)の金属アルコキシドの中で、経済
性、汎用性、透明性の点から、Ti(OCH(C
324、Hf(OCH2CH2CH2CH34、Ta
(OC255、Zr(OCH2CH2CH2CH34を使
用することが好ましい。その中で、とくに、Ti(OC
H(CH324、Zr(OCH2CH2CH2CH34
どのチタン、あるいは、ジルコニウムのアルコキシド
が、金属錯体生成の安定性、簡便性の点からより好まし
い。β−ジケトン、β−ケト酸エステル類の具体例とし
ては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベン
ゾイルメタン、メチルアセトアセテート、エチルアセト
アセテート、ベンゾイルアセトアセテート、エチルベン
ゾイルアセテート、メチルベンゾイルアセテートなどが
挙げられる。本発明で用いられる、チタンおよびジルコ
ニウムのアルコキシドの具体例としては、テトラメトキ
シチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキ
シチタン、テトラ(n−プロポキシ)チタン、テトラ
(n−ブトキシ)チタン、テトライソブトキシチタン、
テトラ(s−ブトキシ)チタン、テトラ(t−ブトキ
シ)チタン、テトラ(n−ペントキシ)チタン、テトラ
(t−ペントキシ)チタン、テトラ(n−ヘキソキシ)
チタン、テトラ(n−ヘプトキシ)チタン、テトラ(n
−オクトキシ)チタン、テトラフェノキシチタン、テト
ラステアロキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、
テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジ
ルコニウム、テトラ(n−プロポキシ)ジルコニウム、
テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウム、テトライソブト
キシジルコニウム、テトラ(s−ブトキシ)ジルコニウ
ム、テトラ(t−ブトキシ)ジルコニウム、テトラ(n
−ペントキシ)ジルコニウム、テトラ(t−ペントキ
シ)ジルコニウム、テトラ(n−ヘキソキシ)ジルコニ
ウム、テトラ(n−ヘプトキシ)ジルコニウム、テトラ
(n−オクトキシ)ジルコニウム、テトラフェノキシジ
ルコニウム、テトラステアロキシジルコニウムなどのチ
タンまたはジルコニウムアルコキシドが挙げられる。こ
れらを用いて作製した金属錯体の具体例として、チタン
アセチルアセトネート、チタンベンゾイルアセトネー
ト、チタンベンゾイルアセトアセテート、チタンアセト
アセテート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジル
コニウムベンゾイルアセトネート、ジルコニウムベンジ
ルアセトアセテート、ジルコニウムアセトアセテートな
どが挙げられ、その中でもチタンアセチルアセトネー
ト、および、ジルコニウムアセチルアセトネートが保存
安定性、コストの観点から、とくに好ましい。保存安定
性などの問題が生じない場合には、金属アルコキシドの
みを直接添加しても構わない。
【0087】本発明において、金属錯体の生成法は、金
属からの合成、金属ハロゲン化物からの合成、金属ハロ
ゲン化物以外の金属塩からの合成、金属酸化物や水酸化
物からの合成、有機金属化合物からの合成などが挙げら
れるが、入手性、有毒性の観点から、金属アルコキシド
からの合成が好ましい。
【0088】以上のような金属アルコキシドを樹脂に含
有させる方法は、溶液状態を経由するため、分子レベル
で樹脂と均一に反応することが可能である。
【0089】本発明において、前記の(a)の含有率
は、カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物100重
量部に対し、2〜300重量部、好ましくは3〜200
重量部、より好ましくは4〜100量部である。成分
(a)の添加量がこれより少ないと、屈折率向上が十分
でなく、また、これより多いと透明保護膜の重要な要求
特性である透明性が低下したり、クラック等を生じて膜
の強度低下の原因となるおそれがある。一方、前記の
(b)の含有率は、樹脂100重量部に対し、2〜20
0重量部、好ましくは3〜100重量部、より好ましく
は4〜50重量部である。成分(b)の添加量がこれよ
り少ないと、屈折率向上が十分でなく、また、これより
多い場合、透明保護膜の最重要な要求特性である平坦
性、透明性を損なわれる恐れがある。
【0090】(a)、(b)の方法の相違は(a)は物
理的に屈折率が高い超微粒子を透明保護膜中に分散させ
るのに対し、(b)は化学的に金属酸化物を分散させる
方法である。(a)の方法は酸化物超微粒子の分散度合
いにより、平滑性等に及ぼす影響に差が生じる。一方、
(b)の方法は硬化時に加水分解、縮合反応が発生する
ので、平坦性に悪影響を及ぼす可能性がある。平滑性の
観点から、押し込み硬度および屈折率向上には(a)の
方法の方がより好ましい。
【0091】塗布性、および、表面の平滑性を良好にす
る目的で、本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液
組成物には界面活性剤を添加することができる。界面活
性剤の添加量は、通常、樹脂100重量部に対して、
0.01〜10重量部で好ましくは0.03〜1重量部
である。添加量が少なすぎると、塗布性、膜表面の平滑
性の改良、あるいは無機酸化物微粒子の分散性の改良の
効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、
塗膜の強靱性が低下したり、無機酸化物微粒子の凝集が
起こる。
【0092】界面活性剤の具体例としては、ジメチルシ
リコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなど
のシリコーンオイル類、アルキル、フッ素変性シリコー
ンオイル、ポリエーテル、アルコール変性シリコーンオ
イル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリ
コーンオイル、フェノール、カルボキシ、メルカプト変
性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル類、ラ
ウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面
活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドな
どの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキ
サイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイ
ミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非
イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0093】本発明では、これらに限定されずに、上記
のような界面活性剤を1種、または、2種以上組み合わ
せて用いることができる。界面活性剤の添加は、酸化物
超微粒子、あるいは、金属アルコキシドの添加前後の、
どの時点でも行うことができる。しかし添加の時点で、
酸化物超微粒子の分散性が変わる場合があるので、注意
を要する。
【0094】また、無機酸化物の導入により、透明保護
膜と、ガラス基板や透明電極との熱膨張率の相違が小さ
くなるため、カラーフィルターの耐クラック性が改良さ
れたり、透明保護膜とガラス基板、透明電極との接着力
が向上する。したがって、透明保護膜と透明電極との間
にSiO2膜のような無機中間膜を設ける必要がなくな
り、カラーフィルターの製造時間の短縮やコストの低減
が図れる場合がある。
【0095】本発明者は透明保護膜の押し込み硬度に着
目し、鋭意検討を続けた結果、透明保護膜の押し込み硬
度が下記の式(19)で表される範囲内にあれば、セル
ギャップの不均一による液晶表示装置の表示ムラが発生
しないことを見出した。
【0096】kP/gh2≧30 (19) (ただし、P:硬さ評価時の押し込み荷重(mN)、
h:押し込み荷重P(mN)における押し込み深さ(μ
m)、g:重力加速度(=9.807m/s2)、k:
圧子の形状によって決まる定数(=37.838)) 基板貼り合わせ工程では、シール材が塗布された基板と
球状スペーサーが散布された基板をアライメントして貼
り合わせ、両基板の間隔を所定の液晶セルギャップにな
るまで加熱プレスで締め付けて、シール材を加熱硬化さ
せる。シール材には、通常、均一なセルギャップを実現
するために、短く断裁された所定径のガラスファイバー
からなるロッドスペーサーが一定量混入されている。こ
のスペーサーの径は、カラーフィルター層の厚みを補正
するために、セル内に散布する球状スペーサーの径より
1〜2μm程度大きく設定されている。したがって、基
板貼り合わせ工程では、ロッドスペーサーに接触する部
位に非常に大きな圧力が加えられることになる。
【0097】保護膜層の押し込みに対する硬度が小さい
と、ロッドスペーサーが保護膜層やカラーフィルターへ
めり込む、または、めり込みによる保護膜層やカラーフ
ィルター上の画素または遮光層の破壊が発生し、セルギ
ャップが不均一化してしまう。したがって、透明保護膜
においては、式(19)に示すように、30以上、好ま
しくは40以上の押し込み硬度を有することが望まし
い。また、押し込み硬度が60より大きいとスペーサー
がめり込むことはないが透明保護膜にクラックが入りや
すくなるため、押し込み硬度は60以下が好ましい。
【0098】本発明の押し込み硬度とは、一定の荷重速
度で徐々に荷重を加えながら稜間角115°の三角錐ダ
イヤモンド圧子を試料表面に押し込んだときの荷重と押
し込み深さの2乗との比から算出される硬度であり、ビ
ッカース硬度と同じ次元を有するが、数値の算出方法や
負荷レベル圧子形状の違いから完全に一致するものでは
ない。
【0099】本発明の押し込み硬度は、下記の式(2
0)によって定義される。
【0100】 押し込み硬度=kP/gh2 (20) [ただし、P:硬さ評価時の押し込み荷重(mN)、
h:押し込み荷重P(mN)における押し込み深さ(μ
m)、g:重力加速度(=9.807m/s2)、k:
圧子の形状によって決まる定数(=37.838)] 押し込み硬度測定に使用する透明保護膜の膜厚には特に
制限はないが、膜厚が薄い場合、測定値に保護膜の下地
の影響が現れる。したがって、保護膜本来の硬度を測定
するための膜厚の好適な範囲としては、3μm以上が好
ましく、さらに好ましくは5μm以上がよい。また、保
護膜本来の押し込み硬度測定のためには、圧子の押し込
み深さの好適な範囲は保護膜の膜厚の1/8以下が好ま
しく、さらに好ましくは1/10以下である。
【0101】また、圧子の先端形状が加工精度の限界か
ら丸みを持っていることなどにより、押し込み初期の抵
抗が大きくなるため、試料最表面層では見かけ上、測定
値が大きくなることが知られている。したがって、測定
値の信頼性の点から、圧子の押し込み深さは、保護膜の
膜厚に対する好適な範囲を超えない範囲で、好ましくは
0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上、特
に好ましくは0.6μm以上がよく、押し込み深さが上
記の好適範囲に含まれるように、押し込み荷重等の測定
条件を設定することが好ましい。
【0102】透明保護膜がカラーフィルター等の基板上
に形成されており、かつ上記の膜厚以下の場合は、押し
込み硬度の測定値は基板等の下地の影響も含む値となり
得る。下地がガラス基板等の場合、下地の影響を含んだ
押し込み硬度の測定値は、一般的に膜本来の押し込み硬
度よりも大きくなる傾向にある。したがって、上記の膜
厚以下の透明保護膜層を有するカラーフィルターでは、
式(20)から求められる本発明の押し込み硬度の測定
値の好適な範囲は、40以上が好ましく、さらに好まし
くは50以上である。
【0103】また、該透明保護膜の屈折率は1.6〜
1.8が好ましく、さらに好ましくは1.65〜1.
8、特に好ましくは1.7〜1.8である。屈折率がこ
れより小さいと、透明保護膜と透明電極との屈折率差が
大きくなり、反射光強度増大による干渉縞が発生する、
また、これより大きいと透明電極の屈折率は1.8なの
で、透明保護膜と透明電極との屈折率差が大きくなり、
同様に干渉縞が発生する。
【0104】ここで、本発明の複屈折率および屈折率
は、以下のような光学特性値により定義される。
【0105】nxy:透明保護膜のTE方向(膜面と平行
な方向)の屈折率 nz :透明保護膜のTM方向(垂直な方向)の屈折率 d :透明保護膜の膜厚 屈折率n=(2nxy+nz)/3 複屈折率Δn=nxy−nz リタデーション:複屈折率と膜厚の積(Δn×d) TE方向の屈折率nxyは、一般的な分光光度計を用いて
測定した反射光の干渉波の振幅から計算した。また、T
M方向の屈折率nzおよび、複屈折率Δnはエリプソメ
ーターにより、透過モードで測定したリタデーション
と、上記nxyの値から計算した。
【0106】液晶表示装置の表示むらを低減するには、
本発明の透明保護膜の複屈折率の絶対値が0.0005
以下が好ましく、より好ましくは0.0002以下、特
に好ましくは0.0001以下である。
【0107】本発明のカラーフィルター用硬化性樹脂溶
液組成物に使用される溶剤としては水、エタノール、メ
タノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシ
ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル
類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−3−
メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエステル
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、2−ピロリドン、N−メ
チルピロリドンなどのピロリドン類などが挙げられる。
これらの中で、エステル系高沸点溶剤が透明保護膜の平
滑性の点から好ましく、単独で、または、2種類以上を
混合して使用することができる。特に、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテートなどの溶剤が高沸点かつ保存
安定性の観点から好ましい。
【0108】次に、本発明のカラーフィルターの構成に
ついて述べる。
【0109】本発明のカラーフィルターは、少なくとも
ブラックマトリクス、3原色からなる着色層と、本発明
の透明保護膜からなることが好ましく、通常、ガラス基
板上に形成される。ガラス基板の厚さは、一般的に、
0.5mmから1.5mmの範囲にあるものを使用する
場合が多い。
【0110】また、本発明のカラーフィルターは、ブラ
ックマトリクス上の一部に着色層の積層により形成され
た複数個のドット状スペーサーが形成されていることが
好ましい。
【0111】ここで、ドット状スペーサーは、液晶表示
装置製造工程上のスペーサー散布を不要にするものであ
り、歩留まり向上に大きく寄与する。
【0112】さらに、これらのカラーフィルターには、
必要に応じて、透明電極、配向膜が設けられていても良
い。
【0113】本発明のカラーフィルターの一例について
図を用いて説明する。
【0114】図1(a)は、本発明のカラーフィルター
の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図を
示す。本発明のカラーフィルターは、ガラス4上に形成
されたブラックマトリクス1と着色層2と透明保護膜5
から構成されており、ブラックマトリクスには、開口部
3が存在する。
【0115】図1において、A−A’断面、すなわち、
開口部に形成された画素の長軸方向の中心部の断面にお
いて、高低差6が0.20μm以下で、かつ、最大傾斜
角7が2゜以下であれば、液晶表示装置において、カラ
ーフィルターの表面の凹凸に基ずく表示不良は観察され
ない。高低差が0.20μmより大きくなれば、液晶表
示装置の2枚の基板の間隔(セルギャップ)を制御する
ビーズスペーサーの支持が不安定となり、ビーズスペー
サーの移動などにより、表示不良が引き起こされること
がある。一方、最大傾斜角が2゜より大きくなれば、液
晶のプレチルト角が乱れ、表示不良が発生することがあ
る。
【0116】このようなカラーフィルター表面の平坦性
は、カラーフィルターの構成に関係なく必要とされるも
のである。
【0117】さらにカラーフィルターが、透明保護膜を
介して着色層上に透明電極層が設けられたものであるこ
と、また配向膜が最上層に設けられたものであることが
好ましい。
【0118】次に本発明のカラーフィルターの各構成要
素について述べる。
【0119】ブラックマトリクスは画素間の遮光領域で
あり、液晶表示装置のコントラスト向上などの役割を果
たすものであるが、微細なパターンからなる金属薄膜よ
り形成されることが多い。金属としては、Cr、Ni、
Alなどが使用される。金属薄膜の形成方法としては、
スパッタ法や真空蒸着法などが広く用いられている。ま
た、微細なパターンについては、金属薄膜上に、フォト
リソグラフィ法によりフォトレジストのパターンを形成
した後、このレジストパターンをエッチングマスクとし
て金属薄膜のエッチングを行うことにより得られる。
【0120】ところが、金属薄膜により形成されたブラ
ックマトリクスは、製造コストが高く、カラーフィルタ
そのものの価格を引き上げる原因となっている。さら
に、ブラックマトリクス用金属薄膜として一般的に用い
られているCrは、反射率が高いため、外光の強い場所
ではCrの反射光により表示品位が著しく低下するとい
う問題をもつ。また、ブラックマトリクスの反射率を低
減するために、Crと光透過性基板の間に酸化クロムの
層を設ける方法が提案されているが、製造コストの面か
らみて、好ましくない。
【0121】そのため、ブラックマトリクスとしては、
遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクスを使
用することが好ましい。
【0122】樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光
剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、四酸化
鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉の他
に、赤、青、緑色の顔料混合物などを用いることができ
る。この中でも、とくにカーボンブラックは、遮光性に
優れており、好ましい。
【0123】遮光剤としてカーボンブラックを使用する
場合、色調を無彩色とするため、カーボンブラックの補
色の顔料を混合することが好ましい。補色用の顔料とし
ては、青色顔料、および、紫色顔料を、それぞれ単独
で、あるいは、両者を混合して使用することができる。
【0124】遮光剤として、カーボンブラックとカーボ
ンブラックに対して補色の顔料を用いた場合には、高い
遮光性を得るために、遮光剤中にしめるカーボンブラッ
クの割合を、50重量%以上にするのが好ましく、より
好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量
%以上である。
【0125】カーボンブラックの補色として使用する代
表的な顔料の例をカラーインデックスナンバーで示す。
青色顔料の例としては、ピグメントブルー15、15:
1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、
21、22、60、64などが挙げられるが、とくにピ
グメントブルー15、15:1、15:2、15:6が
好ましい。紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレ
ット19、23、29、31、32、33、36、3
7、39、43、50などが挙げられるが、とくに、ピ
グメントバイオレット23、31、33、43、50が
好ましい。
【0126】これ以外にも、緑色顔料、黄色顔料、オレ
ンジ色顔料なども適宜添加しても構わないが、遮光剤中
にしめる割合としては、10重量%以下が好ましい。こ
れ以上にすると、ブラック・マトリクスの膜厚あたりの
遮光性が低下して好ましくない。
【0127】樹脂ブラックマトリクスに使用される樹脂
としては、アクリル系、エポキシ系などの透明樹脂を使
用することができるが、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤
性からみて、樹脂としては、ポリイミドを使用すること
が好ましい。ポリイミドは、前記のポリアミック酸を経
由して合成したものを使用することができる。
【0128】3原色の着色層については、色素を樹脂中
に分散したものを用いることができる。顔料は3原色を
表すために適当なものを組み合わせて使用することがで
きる。使用できる色素としては、赤、橙、黄、緑、青、
紫などの顔料や染料が挙げられるが、これらに限定され
ない。また、樹脂としては、アクリル系、エポキシ系な
どの透明樹脂を使用することができるが、塗膜の耐熱
性、耐光性、耐溶剤性からみて、樹脂としては、ポリイ
ミドを使用することが好ましい。
【0129】また、透明電極は、通常、インジウム・錫
酸化物(ITO)が使用される。透明電極は、液晶を駆
動させるために必要なものであるが、横電界駆動の表示
方式の液晶表示装置では、透明電極はカラーフィルター
側には必要でないため、透明電極を設けないカラーフィ
ルターが使用される。
【0130】さらに本発明のカラーフィルターには、必
要に応じて配向膜を形成する。これはポリイミド、ポリ
アミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂膜をラビ
ングしたもので良い。
【0131】本発明の液晶表示装置は、本発明のカラー
フィルターを使用したことを特徴とするものである。本
発明のカラーフィルターを使用することにより、干渉縞
などの表示不良発生を抑制することが可能になる。ま
た、本発明のカラーフィルターは、カラー液晶表示装置
に用いられることから、本発明の液晶表示装置の駆動に
は、薄膜トランジスタ(TFT)を使用することが好ま
しい。
【0132】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されな
い。 実施例1 ビニルトリメトキシシラン 562.07gをプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート 700g
に溶解したのち、水 204.89g、シュウ酸0.0
5gを加えた。得られた混合物を、120℃で2時間加
熱し、水とメタノールを留去して、加水分解縮合を進行
させた。その後、エバポレーターで水とメタノールをさ
らに留去した。得られた加水分解縮合物28g(固形分
濃度30%)、アルミニウムトリスアセチルアセトネー
ト0.46g、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ
グリシジルエーテル30.2g、シクロヘキサンジカル
ボン酸ビスオキセタン6.7g、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート70.0g、アセチルア
セトン1.38gを加えて、カラーフィルター用硬化性
樹脂溶液組成物(A1)を得た。
【0133】得られた溶液を東機産業株式会社製(RE
110L)粘度計によって25℃、20rpmの条件で
測定された粘度は3.82mPasであった。101.
325kPa、20℃の密閉容器内で7日間放置した
後、粘度を測定すると、3.83mPasであった。粘
度変化率は0.26%/7日であり、一液化可能であっ
た。得られた溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィ
ルターで濾過した後、スピナーを用いてガラス基板上に
塗布し、150℃の恒温槽にて10分間、230℃の恒
温槽にて30分間加熱処理し、塗膜を硬化させ、厚さ8
μmの透明保護膜層とした。得られた塗膜の表面は極め
て平滑であり、ピンホールなどは全く見られなかった。 比較例1 ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエー
テル30.2gの代わりに、エポキシ当量が180〜1
90のビスフェノールA型エポキシ化合物30.2gを
使用したこと以外、実施例1と同様にしてカラーフィル
ター用硬化性樹脂溶液組成物(B1)を得た。実施例1
と同様に粘度変化率を測定すると、3.78mPasか
ら7日後に3.81mPasに変化した。粘度変化率は
0.79%/7日であった。 実施例2 カラーフィルターの作成方法を以下に示す。
【0134】(樹脂ブラックマトリクス層の作成)温度
計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装
置、および、攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−
ブチロラクトン 16644.1g、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル 600.7g(3.0mo
l)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン 67
0.2g(2.7mol)、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサン 74.6g(0.3mo
l)を投入し、釜を30℃に加熱した。30分後、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物 644.4g(2.0mol)、ピロメリット酸
二無水物 641.3g(2.94mol)、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.2g(1.0mol)を投入し、釜を58℃
に加熱した。3時間後、無水マレイン酸 11.8g
(0.12mol)を添加し、58℃でさらに1時間加
熱することにより、ポリアミック酸のNMP溶液(P
1)を得た。
【0135】カーボンブラック 4.6g、ポリアミッ
ク酸溶液(P1) 24.0g、N−メチルピロリドン
61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナ
イザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、
ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラックミ
ルベースを得た。
【0136】また、ピグメントブルー15:6 2.2
g、ポリアミック酸溶液(A3)24.0g、N−メチ
ルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとと
もにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間
分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料
ミルベースを得た。
【0137】得られたカーボンブラックミルベースおよ
び青顔料ミルベースを全量混合することにより、樹脂ブ
ラックマトリクス用ペーストを得た。
【0138】樹脂ブラックマトリクス用ぺーストを無ア
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.3μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化工業株式会社製OF
PR−800)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥し
て膜厚1μmのレジスト膜を得た。キャノン株式会社製
紫外線露光機PLA−501Fを用い、クロム製のフォ
トマスクを介して、波長365nmでの強度が50mJ
/cm2の紫外線を照射した。露光後、テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイドの2.38wt%の水溶
液からなる現像液に浸漬し、フォトレジストおよびポリ
イミド前駆体着色被膜の現像を同時に行った。エッチン
グ後、不要となったフォトレジスト層をメチルセロソル
ブアセテートで剥離した。さらにこのようにして得られ
たポリイミド前駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃
で30分間熱処理し、膜厚1.0μmのポリイミド着色
パターン被膜を得た。
【0139】(着色層の作成)次に、赤、緑、青の顔料
として、それぞれ、ピグメントレッド177、ピグメン
トグリーン36、ピグメントブルー15:6を用意し、
ポリアミック酸溶液(P1)と混合分散し、赤、青、緑
の3種類の着色ペーストを得た。
【0140】得られた赤ペーストを樹脂ブラックマトリ
クス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、90
℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空
気中で加熱乾燥して、膜厚1.2μmのポリイミド前駆
体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東
京応化株式会社製OFPR−800)を塗布し、80℃
で20分間加熱乾燥して膜厚1.1μmのレジスト膜を
得た。キャノン株式会社製紫外線露光機PLA−501
Fを用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長36
5nmでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射し
た。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬
し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着色被膜の
現像を同時に行った。エッチング後、不要となったフォ
トレジスト層をメチルセロソルブアセテートで剥離し
た。さらに、このようにして得られたポリイミド前駆体
着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理
し、膜厚1.0μmのポリイミド赤色パターン被膜を得
た。
【0141】その後、同様にして、緑ペースト、青ペー
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。
【0142】(透明保護膜の作成)得られたカラーフィ
ルターにカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物(A
1)をスピンコートし、100℃で5分、250℃で3
0分加熱することにより、厚さ1.0μmの透明保護膜
とした。また、押し込み硬度測定用として、無アルカリ
ガラス基板に厚さ8μmの透明保護膜も作成した。
【0143】押し込み硬度測定は、株式会社島津製作所
製ダイナミック超微小硬度計DUH−50を用いて、押
し込み荷重0.1gf、荷重速度2.6×10-2gf/
s、荷重時間5秒で測定する。押し込み荷重4.9×1
-3N、荷重速度2.5×10-4N/s、荷重保持時間
5秒で測定する。
【0144】得られた透明保護膜層の押し込み硬度を、
上記条件で測定した結果、36.8であった。
【0145】東京精密株式会社製サーフコム1500A
を用いて、得られたカラーフィルターの表面形状を観察
した結果、高低差は0.15μm、最大傾斜角は1.7
゜であった。
【0146】カラーフィルターのガラス基板のみの部分
で、TE方向の屈折率nxyは、大塚電子株式会社製顕微
分光光度計MCPD−2000を用いて測定した反射光
の干渉波の振幅から計算した。また、TM方向の屈折率
zおよび、複屈折率Δn(=nxy−nz)は、株式会社
島津製作所製エリプソメータ−AEP−100を用いて
透過モードで測定したリターデーションと、上記nxy
値から計算した。なお、屈折率nは(2nxy+nz)/
3である。
【0147】上記の方法により、得られた透明保護膜を
測定したところ、複屈折率は0.0003となり、光学
異方性はほとんど無いことがわかった。また、屈折率は
1.60となった。 (液晶表示装置の作成)さらに、得られたカラーフィル
ターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド樹脂からなる
配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレートで250
℃、10分間加熱した。膜厚は0.07μmであった。
この後、カラーフィルター基板をラビング処理し、シー
ル剤をディスペンス法により塗布、ホットプレートで9
0℃、10分間加熱した。
【0148】一方、ガラス上にTFTアレイを形成した
基板を別途準備し、同様に洗浄した後、配向膜を塗布、
加熱した。その後、直径5.5μmの球状スペーサーを
散布し、前記カラーフィルター基板と重ね合わせ、オー
ブン中で加圧しながら160℃で90分間加熱して、シ
ール剤を硬化させた。このセルを120℃、13.3P
aで4時間、続いて、窒素中で0.5時間放置した後
に、再度真空下において液晶注入を行った。液晶注入
は、セルをチャンバーに入れて、室温で13.3Paま
で減圧した後、液晶注入口を液晶に漬けて、窒素を用い
て常圧に戻すことにより行った。液晶注入後、紫外線硬
化樹脂により、液晶注入口を封口した。次に、偏光板を
セルの2枚のガラス基板の外側に貼り付け、セルを完成
させた。さらに、得られたセルをモジュール化して、横
電界駆動の液晶表示装置を完成させた。得られた液晶表
示装置を観察した結果、表示不良はなかった。 実施例3 実施例2で得られたカラーフィルターに以下の工程で透
明電極を付与した。 (透明電極層の作成)さらに、この後、スパッタリング
法によりITOを製膜したところ、膜厚が140nm
で、表面抵抗が15Ω/□であった。
【0149】得られたカラーフィルターについて、実施
例2と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.15μ
m、最大傾斜角は、1.7°であった。
【0150】また、得られたカラーフィルターを使用し
て、実施例2と同様の手順により、液晶表示装置を作成
したが、表示不良はなかった。 比較例2 透明保護膜として、比較例1で得られたカラーフィルタ
ー用硬化性樹脂溶液組成物(B1)を使用した以外は、
実施例2と同様にしてカラーフィルターを作成した。
【0151】得られたカラーフィルターについて、実施
例2と同様にしてカラーフィルターを作成して、表面形
状を観察した結果、表面は非常に平坦であり、もっとも
大きい段差は、0.17μm、最大傾斜角は、1.7°
であった。
【0152】しかしながら、実施例2と同様にして、透
明保護膜の光学異方性の測定を行ったところ、複屈折率
は0.01となり、光学異方性が大きいことがわかっ
た。また、屈折率および押し込み硬度はそれぞれ1.5
9、29.1となった。
【0153】さらに、得られたカラーフィルターを使用
して、実施例2と同様の手順により、液晶表示装置を作
成したが、液晶表示装置の左右で色が異なるなどの表示
不良が観察された。 実施例4 実施例2と同様にしてカラーフィルターを作成する際
に、着色層の膜厚をすべて1.8μmとし、さらに、各
着色層の形成と同時に樹脂ブラックマトリクス上の一部
にスぺーサーを形成したカラーフィルターを作成した。
なお、形成したスペーサーは3原色の着色層が積層され
た形態をとっている。
【0154】得られたカラーフィルターについて、実施
例2と同様にして、表面形状を観察した結果、表面は非
常に平坦であり、もっとも大きい段差は、0.15μ
m、最大傾斜角は、1.5°であった。
【0155】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定を行ったところ、複屈折率は0.0
004となり、光学異方性はほとんどないことがわかっ
た。
【0156】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例5 実施例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物の
アルミニウムトリスアセチルアセトネート0.46g、
アセチルアセトン1.38gの代わりに、旭電化工業株
式会社製アデカオプトマーSP−150を1.02gを
加えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用
硬化性樹脂溶液組成物(A2)を作成した。A2を実施
例1と同様に粘度変化率を測定すると、4.23mPa
sから7日後に4.35mPasに変化した。粘度変化
率は2.84%/7日であった。
【0157】得られた溶液を、孔径0.2μmのメンブ
レンフィルターで濾過した後、スピナーを用いてガラス
基板上に塗布し、80℃の恒温槽にて10分間、キャノ
ン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、露
光ギャップを300μmとして波長365nmでのエネ
ルギー線量が300mJ/cm2になるように行い、塗
膜を硬化させ、厚さ8μmの透明保護膜層とした。得ら
れた塗膜の表面は極めて平滑であり、ピンホールなどは
全く見られなかった。
【0158】その後、実施例2と同様にしてカラーフィ
ルターを作成した。得られたカラーフィルターにカラー
フィルター用硬化性樹脂溶液組成物(A2)をスピンコ
ートし、80℃で5分、露光ギャップを300μmとし
て波長365nmでのエネルギー線量が300mJ/c
2になるように露光し、厚さ1.0μmの透明保護膜と
した。表面形状を観察した結果、表面は非常に平坦であ
り、最も大きい段差は、0.15μm、最大傾斜角は、
1.7°であった。
【0159】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0003となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.60、38.1となった。
【0160】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例6 実施例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に
脂環式エポキシ化合物である”セロキサイド”2021
P(ダイセル化学株式会社製)(エポキシ当量128〜
140)6.5g、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート11gを加えた以外は実施例1と同様にし
てカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物(A3)を
作成した。A2を実施例1と同様に粘度変化率を測定す
ると、4.35mPasから7日後に4.41mPas
に変化した。粘度変化率は1.37%/7日であった。
【0161】A3を用いて実施例4と同様にしてカラー
フィルターを作成し、表面形状を観察した結果、表面は
非常に平坦であり、最も大きい段差は、0.14μm、
最大傾斜角は、1.8°であった。
【0162】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0003となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.6、38となった。
【0163】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例7 実施例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に
脂環式エポキシ化合物である”セロキサイド”2021
P(ダイセル化学株式会社製)(エポキシ当量128〜
140)3、5g、多官能型脂環式エポキシ化合物であ
るEHPE3150(ダイセル化学株式会社製)2.1
g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート1
0g加えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタ
ー用硬化性樹脂溶液組成物(A4)を作成した。A4を
実施例1と同様に粘度変化率を測定すると、4.12m
Pasから7日後に4.16mPasに変化した。粘度
変化率は0.97%/7日であった。
【0164】A4を用いて実施例4と同様にしてカラー
フィルターを作成し、表面形状を観察した結果、表面は
非常に平坦であり、最も大きい段差は、0.14μm、
最大傾斜角は、1.7°であった。
【0165】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0002となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.6、37となった。
【0166】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例8 実施例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に
脂環式エポキシ化合物である”セロキサイド”2021
P(ダイセル化学株式会社製)(エポキシ当量128〜
140)3.5g、多官能型脂環式エポキシ化合物であ
るEHPE3150(ダイセル化学株式会社製)2.1
g、エチレングリコールプロピレングリコール3g、プ
ロピレングリコールメチルエーテルアセテート10g加
えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用硬
化性樹脂溶液組成物(A5)を作成した。A5を実施例
1と同様に粘度変化率を測定すると、4.10mPas
から7日後に4.13mPasに変化した。粘度変化率
は0.73%/7日であった。
【0167】A5を用いて実施例4と同様にしてカラー
フィルターを作成し、表面形状を観察した結果、表面は
非常に平坦であり、最も大きい段差は、0.14μm、
最大傾斜角は、1.7°であった。
【0168】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0003となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.6、38となった。
【0169】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例9 実施例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に
Sb25プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートゾル溶液(固形分濃度20%)を20g加えた以
外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用硬化性樹
脂溶液組成物(A6)を作成した。A6を実施例1と同
様に粘度変化率を測定すると、3.74mPasから7
日後に3.76mPasに変化した。粘度変化率は0.
53%/7日であった。
【0170】A6を用いて実施例4と同様にしてカラー
フィルターを作成し、表面形状を観察した結果、表面は
非常に平坦であり、最も大きい段差は、0.16μm、
最大傾斜角は、1.8°であった。
【0171】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0004となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.63、41となった。
【0172】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例10 Ti(OCH(CH32)20gにアセチルアセトン1
8gを加え、チタンアセチルアセトネートとしてから、
実施例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に
加えた以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター用
硬化性樹脂溶液組成物(A7)を作成した。A7を実施
例1と同様に粘度変化率を測定すると、3.76mPa
sから7日後に3.79mPasに変化した。粘度変化
率は0.79%/7日であった。
【0173】A7を用いて実施例4と同様にしてカラー
フィルターを作成し、表面形状を観察した結果、表面は
非常に平坦であり、最も大きい段差は、0.19μm、
最大傾斜角は、1.9°であった。
【0174】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0004となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.64、43となった。
【0175】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 比較例3 Ti(OCH(CH32)20gにアセチルアセトン1
8gを加え、チタンアセチルアセトネートとしてから、
比較例1のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物に
加えた以外は比較例1と同様にしてカラーフィルター用
硬化性樹脂溶液組成物(B2)を作成した。B2を用い
て実施例1と同様に粘度変化率を測定すると、3.81
mPasから7日後に3.85mPasに変化した。粘
度変化率は1.05%/7日であった。
【0176】実施例2と同様にしてカラーフィルターを
作成し、表面形状を観察した結果、表面は非常に平坦で
あり、最も大きい段差は、0.19μm、最大傾斜角
は、1.9°であった。
【0177】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0021となり、光学異方
性は大きいことがわかった。また、屈折率および押し込
み硬度はそれぞれ1.66、37となった。
【0178】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、実施例2と同様の手順により、液晶表示装置を作成
したが、液晶表示装置の左右で色が異なるなどの表示不
良が観察された。 実施例11 γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン 1
00gを15℃に冷却し、0.01Nの塩酸水溶液 1
4.52gを加え、30分間攪拌した。得られた溶液
に、テレフタレートビスオキセタン2.5g、ビスフェ
ノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル15
g、エチレングリコール3g、多官能型脂環式エポキシ
化合物であるEHPE3150(ダイセル化学株式会社
製)4.2gプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート 40g、アルミニウムトリスアセチルアセ
トネート0.18g、アセチルアセトン0.54gを加
えて、カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物(A
8)を得た。
【0179】A8を実施例1と同様に粘度変化率を測定
すると、4.23mPasから7日後に4.27mPa
sに変化した。粘度変化率は0.94%/7日であっ
た。
【0180】A8を用いて実施例2と同様にしてカラー
フィルターを作成し、表面形状を観察した結果、表面は
非常に平坦であり、最も大きい段差は、0.16μm、
最大傾斜角は、1.7°であった。
【0181】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0004となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.60、35となった。
【0182】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、実施例2と同様の手順により、液晶表示装置を作成
したが、カラーフィルターに基づく表示不良は観察され
なかった。 実施例12 実施例8のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物
(A5)にTa25ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルゾル溶液(固形分濃度20%)を20g加えて、
カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物(A9)を得
た。A8を用いて実施例1と同様に粘度変化率を測定す
ると、3.82mPasから7日後に3.85mPas
に変化した。粘度変化率は0.78%/7日であった。
【0183】実施例4と同様にしてカラーフィルターを
作成し、表面形状を観察した結果、表面は非常に平坦で
あり、最も大きい段差は、0.18μm、最大傾斜角
は、1.8°であった。
【0184】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0005となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.67、42となった。
【0185】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。 実施例13 実施例8のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物
(A5)にTiO2ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルゾル溶液(固形分濃度20%)を20g加えて、
カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物(A10)を
得た。A10を用いて実施例1と同様に粘度変化率を測
定すると、3.78mPasから7日後に3.82mP
asに変化した。粘度変化率は1.05%/7日であっ
た。
【0186】実施例4と同様にしてカラーフィルターを
作成し、表面形状を観察した結果、表面は非常に平坦で
あり、最も大きい段差は、0.19μm、最大傾斜角
は、1.7°であった。
【0187】また、実施例2と同様にして、透明保護膜
の光学異方性の測定、屈折率および押し込み硬度を測定
したところ、複屈折率は0.0003となり、光学異方
性はほとんどないことがわかった。また、屈折率および
押し込み硬度はそれぞれ1.67、43となった。
【0188】さらに得られたカラーフィルターを使用し
て、スペーサー散布を取りやめる以外は、実施例2と同
様の手順により、液晶表示装置を作成したが、カラーフ
ィルターに基づく表示不良は観察されなかった。
【0189】
【発明の効果】本発明によれば、カラーフィルター表面
の平坦性を向上させ、光学異方性がほとんどない、押し
込み硬度および屈折率が高い透明保護膜を作成すること
ができるカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物を提
供することができる。また、本発明のカラーフィルター
を使用すれば、液晶表示装置における表示不良の発生を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルターの一例を示す平面図
である。
【図2】図1のA−A’での断面図である。
【符号の説明】
1:ブラックマトリクス 2:着色層 3:開口部 4:ガラス 5:透明保護膜 6:高低差 7:最大傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/20 C08K 3/20 C08L 63/02 C08L 63/02 71/00 71/00 G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 7/029 7/029 7/075 501 7/075 501 // G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキセタン環を有する化合物と、側鎖に平
    面構造基を有するエポキシ化合物と、カチオン性重合開
    始剤とを含有することを特徴とするカラーフィルター用
    硬化性樹脂溶液組成物。
  2. 【請求項2】該カチオン性重合開始剤が、カチオン性熱
    重合開始剤であることを特徴とする請求項1記載のカラ
    ーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  3. 【請求項3】該カチオン性熱重合開始剤が、シラノール
    および金属キレートからなることを特徴とする請求項2
    記載のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  4. 【請求項4】該シラノールが、下記一般式(1)で表さ
    れるオルガノアルコキシシラン類、該オルガノアルコキ
    シシラン類の加水分解物、および/または、該オルガノ
    アルコキシラン類の加水分解縮合物であることを特徴と
    する請求項3記載のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液
    組成物。 R11 nSi(OR124-n (1) (ここで、R11は、アルキル基、ビニル基、フェニル
    基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
    あり、R12は、水素、アルキル基から選ばれる有機基で
    あり、nは1〜3の整数を示す。)
  5. 【請求項5】該カチオン性重合開始剤が、カチオン性光
    重合開始剤であることを特徴とする請求項1記載のカラ
    ーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  6. 【請求項6】該側鎖に平面構造基を有するエポキシ化合
    物の平面構造基がフルオレン基類であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用
    硬化性樹脂溶液組成物。
  7. 【請求項7】該側鎖に平面構造基を有するエポキシ化合
    物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを
    特徴とする請求項6記載のカラーフィルター用硬化性樹
    脂溶液組成物。 【化1】
  8. 【請求項8】該カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成
    物が、β−ジケトン類、β−ケト酸エステル類および塩
    基性化合物から選ばれた化合物を含有することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルター
    用硬化性樹脂溶液組成物。
  9. 【請求項9】該カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成
    物が、さらに脂環式エポキシ化合物を含有することを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のカラーフィル
    ター用硬化性樹脂溶液組成物。
  10. 【請求項10】該脂環式エポキシ化合物のエポキシ当量
    が200以下であることを特徴とする請求項9記載のカ
    ラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  11. 【請求項11】該脂環式エポキシ化合物が、下記一般式
    (3)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    10記載のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物。 【化2】
  12. 【請求項12】該カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組
    成物が、ポリオール化合物を含有することを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載のカラーフィルター用
    硬化性樹脂溶液組成物。
  13. 【請求項13】該ポリオール化合物の分子量が50〜1
    000であることを特徴とする請求項12記載のカラー
    フィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  14. 【請求項14】該ポリオール化合物が2価の水酸基を含
    有することを特徴とする請求項13記載のカラーフィル
    ター用硬化性樹脂溶液組成物。
  15. 【請求項15】該ポリオール化合物が、エチレングリコ
    ールであることを特徴とする請求項14記載のカラーフ
    ィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  16. 【請求項16】該カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組
    成物が、酸化物超微粒子を含有することを特徴とする請
    求項1〜15のいずれかに記載のカラーフィルター用硬
    化性樹脂溶液組成物。
  17. 【請求項17】該酸化物超微粒子が、2.0以上の屈折
    率を有するものであることを特徴とする請求項16記載
    のカラーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物。
  18. 【請求項18】該カラーフィルター用硬化性樹脂溶液組
    成物が、金属アルコキシドを含有することを特徴とする
    請求項1〜17のいずれかに記載のカラーフィルター用
    硬化性樹脂溶液組成物。
  19. 【請求項19】請求項1〜18のいずれかに記載のカラ
    ーフィルター用硬化性樹脂溶液組成物の硬化物であるこ
    とを特徴とする透明保護膜。
  20. 【請求項20】少なくとも遮光部となるブラックマトリ
    クスと、開口部に画素を形成する3原色の着色層と、透
    明保護膜とから構成されるカラーフィルターにおいて、
    該透明保護膜が請求項19記載の透明保護膜であること
    を特徴とするカラーフィルター。
  21. 【請求項21】オキセタン環を有する化合物と、側鎖に
    平面構造基を有するエポキシ化合物と、カチオン性重合
    開始剤とを硬化させてなる透明保護膜を有し、かつ、該
    透明保護膜の押し込み硬度が30〜60であり、かつ、
    屈折率が1.6〜1.8であることを特徴とするカラー
    フィルター。
  22. 【請求項22】該透明保護膜の膜面に垂直方向の屈折率
    (nz)と該透明保護膜の面内で直交する任意の二つの
    軸方向の屈折率(nx)および(ny)との差(複屈折
    率)の絶対値が0.0005以下であることを特徴とす
    る請求項20または21に記載のカラーフィルター。
  23. 【請求項23】該ブラックマトリクス上の一部に3原色
    からなる着色層の積層により形成された複数個のドット
    状スペーサーを有することを特徴とする請求項22記載
    のカラーフィルター。
  24. 【請求項24】該カラーフィルターが、画素の長軸方向
    の中心部において、着色層がブラックマトリクスと重な
    った部分と、重なっていない部分(開口部)の最も低い
    部分との高低差が0.20μm以下で、かつ、該着色層
    がブラックマトリクスと重なった部分から開口部へ向か
    う傾斜の最大傾斜角が2°以下であることを特徴とする
    請求項20〜23のいずれかに記載のカラーフィルタ
    ー。
  25. 【請求項25】請求項20〜24のいずれかに記載のカ
    ラーフィルターを使用して構成されていることを特徴と
    する液晶表示装置。
  26. 【請求項26】該液晶表示装置が、薄膜トランジスタに
    より液晶を駆動する構造を有するものであることを特徴
    とする請求項25記載の液晶表示装置。
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