JP2004256754A - 樹脂組成物および保護膜とその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保護膜として要求される諸特性、例えば低誘電率、低収縮性、密着性、表面硬度、透明性、耐熱寸法安定性、耐熱変色性、耐スパッタ性を満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まずそして下地基板であるカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜形成材料として好適な組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ基含有不飽和化合物とそれ以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、上記重合体以外のカチオン重合性化合物、ならびにフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体を含有する硬化性組成物あるいは、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、エポキシ基含有不飽和化合物、ならびにこれらの2種類の化合物以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、ならびにカチオン重合性化合物を含有する硬化性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】エポキシ基含有不飽和化合物とそれ以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、上記重合体以外のカチオン重合性化合物、ならびにフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体を含有する硬化性組成物あるいは、不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、エポキシ基含有不飽和化合物、ならびにこれらの2種類の化合物以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、ならびにカチオン重合性化合物を含有する硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性組成物、保護膜の形成方法、および保護膜に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子(LCD)用カラーフィルターおよび電荷結合素子(CCD)用カラーフィルターに用いられる保護膜を形成するための材料として有用な、低誘電率、低収縮性および高耐熱性を兼ね備えた硬化性組成物、その組成物を使用する保護膜の形成方法、ならびにその組成物から形成された保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCDやCCD等の放射線デバイスは、その製造工程中に、溶剤、酸またはアルカリ溶液等による表示素子の浸漬処理が行なわれ、また、スパッタリングにより配線電極層を形成する際には、素子表面が局部的に高温に曝される。従って、このような処理によって素子が劣化あるいは損傷することを防止するために、これらの処理に対して耐性を有する薄膜からなる保護膜を素子の表面に設けることが行なわれている。
【0003】
このような保護膜には、当該保護膜を形成すべき基体または下層、さらに保護膜上に形成される層に対して密着性が高いこと、膜自体が平滑で強靭であること、透明性を有すること、耐熱性および耐光性が高く、長期間にわたって着色、黄変、白化等の変質を起こさないこと、耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであること等の性能が要求される。これらの諸特性を満たす保護膜を形成するための材料としては、特開平5−78453号公報に開示されているグリシジル基を有する重合体を含む熱硬化性組成物が知られている。
【0004】
また、このような保護膜をカラー液晶表示装置や電荷結合素子のカラーフィルターの保護膜として使用する場合には、一般的に下地基板上に形成されたカラーフィルターによる段差を平坦化できることが要求される。
【0005】
さらに、カラー液晶表示装置、例えばSTN(Super Twisted Nematic)方式あるいはTFT(Thin Film Transister)方式のカラー液晶表示素子では、液晶層のセルギャップを均一に保持するためにビーズ状のスペーサーを保護膜上に散布したうえでパネルを貼り合わせることが行われている。その後にシール材を熱圧着することにより液晶セルを密封することとなるが、その際にかかる熱と圧力で、ビーズが存在する部分の保護膜が凹む現象が見られ、セルギャップが狂うことが問題となっている。
【0006】
特にSTN方式のカラー液晶表示素子を製造する際には、カラーフィルターと対向基板との張り合わせの精度を極めて厳密に行わなければならず、保護膜には極めて高度な段差の平坦化性能および耐熱耐圧性能が要求されている。
【0007】
また、近年ではスパッタリングによりカラーフィルターの保護膜上に配線電極(インジウムチンオキサイド:ITO)を成膜し、強酸や強アルカリ等でITOをパターニングする方式も採られている。このため、保護膜はスパッタリング時に表面が局部的に高温に曝されたり、数々の薬品処理がなされる。したがって、これらの処理に耐えること、および薬品処理時にITOが保護膜上から剥がれないように配線電極と密着性があることも要求されている。
【0008】
さらにLCDパネルにおいては、高輝度を目的としたITO等の透明電極部分とTFT素子部分を透明性の高い層間絶縁膜を介して積層構造にすることで、開口面積を大きくしたパネルも開発されている。また、従来、カラーフィルターとTFT電極基板は別基板で作製されていたが、層間絶縁膜を介することでカラーフィルターをTFT素子上に形成する手法も開発されている。このような技術背景のもと、耐熱性が高く誘電率の低いカラーフィルター平坦化膜の開発が望まれている。
【0009】
このような保護膜の形成には、簡易な方法で硬度に優れる保護膜を形成できる熱硬化性組成物を使用することが有利であるが、透明性などの保護膜としての一般的な要求性能を満たした上記のような諸性能を併せ持つ保護膜を形成でき、かつ組成物としての保存安定性にも優れた材料は未だ知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、表面の平坦性が低い基体であっても、当該基体上に、平坦性の高い硬化膜を形成することができ、しかも、高い表面硬度、低い誘電率、低い収縮性、さらに耐熱耐圧性、耐酸性、耐アルカリ性、耐スパッタ性の如き各種の耐性に優れた光デバイス用保護膜を形成するために好適に用いられる組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、上記組成物を用いた保護膜の形成方法を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、上記組成物から形成された保護膜を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第一に、
[A](a1)エポキシ基含有不飽和化合物、および(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体(以下、「共重合体[A]ということがある。」)、
[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物、ならびに
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、
を含有することを特徴とする硬化性組成物(以下、第1の組成物ということがある)によって達成される。
【0015】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第二に、
[E](e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体(以下、共重合体[E]ということがある。)、
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、ならびに
ならびに、
[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物
を含有することを特徴とする硬化性組成物(以下、第2の組成物ということがある)によって達成される。
【0016】
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第三に、本発明の上記組成物および[D]硬化剤を混合し、その混合物を基板上に塗布し、次いで熱および/または放射線で処理する、ことを特徴とする保護膜の形成方法によって達成される。
【0017】
さらに、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第四に、上記組成物より形成された保護膜、によって達成される。
【0018】
【発明の好ましい実施形態】
以下、本発明の組成物の構成成分について詳説する。先ず、本発明の第1の組成物について説明する。
【0019】
共重合体[A]
本発明で使用される共重合体[A]は、(a1)エポキシ基含有不飽和化合物および(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体である。
【0020】
上記(a1)エポキシ基含有不飽和化合物は、エポキシ基と重合性炭素−炭素二重結合を一分子中に少なくとも1つずつ持つ化合物である。具体的には例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0021】
これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが共重合反応性および得られる保護膜の耐熱性、硬度を高める点から好ましく用いられる。これらの(a1)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0022】
上記(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物は、エポキシ基を有さず、かつ重合性炭素−炭素二重結合を一分子中に少なくとも1つ持つ化合物である。具体的には例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートの如きメタクリル酸アルキルエステル;
メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートの如きアクリル酸アルキルエステル;
【0023】
シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてメタクリル酸ジシクロペンタニルといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートの如きメタクリル酸環状アルキルエステル;
シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてアクリル酸ジシクロペンタニルといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートの如きアクリル酸環状アルキルエステル;
フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートの如きアクリル酸アリールエステル;
【0024】
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルの如きジカルボン酸ジエステル;
【0025】
インデン、1−メチルインデンの如きインデン誘導体;
フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジル)マレイミドの如きジカルボニルイミド誘導体;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きヒドロキシアルキルエステル;
【0026】
およびスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
【0027】
これらのうち、スチレン、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸ジシクロペンタニル、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエン、フェニルマレイミド、シクロヘキシルなどが共重合反応性および得られる保護膜の耐熱性の点から好ましい。
【0028】
これらの化合物(a2)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0029】
本発明で用いられる共重合体[A]の好ましい具体例としては、例えば、
スチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/グリシジルアクリレート共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルアクリレート共重合体、
スチレン/シクロヘキシルマレイミド/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/フェニルマレイミド/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、および
スチレン/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体等が挙げられる。
【0030】
これらのうちさらに好ましいものとして、スチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/シクロヘキシルマレイミド/グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0031】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、共重合体[A]中に、好ましくは1〜90重量%、より好ましくは40〜90重量%含有している。
【0032】
本発明に用いられる共重合体[A]は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)が、好ましくは3,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。
【0033】
本発明で使用される共重合体[A]は、上記(a1)エポキシ基含有不飽和化合物および(a2)オレフィン系不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下、例えばラジカル重合によって合成することができる。
【0034】
共重合体[A]の合成に使用される溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールの如きアルコール類;テトラヒドロフランの如きエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルの如きグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートの如きエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルの如きジエチレングリコール類エーテル;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルの如きプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートの如きプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートの如きプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトンの如きケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0035】
これらのうち、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましく、特に、エチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートが好ましい。
【0036】
共重合体[A]の製造に使用される開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンの如き有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0037】
[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物
本発明で使用される[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物としては、例えば、オキセタン基、3,4−エポキシシクロへキシル基またはエポキシ基の如きカチオン重合性基を分子内に2以上有する化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0038】
このような[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物の具体例としては、以下のようなものを挙げることができる。
【0039】
オキセタン基を分子内に2以上有する化合物としては、例えば3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとカプロラクトンとの反応物、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとカプロラクトンとの反応物、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応物、ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応物、水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応物、水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応物、ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応物等を挙げることができる。
【0040】
3,4−エポキシシクロヘキシル基を分子内に2以上有する化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0041】
また、エポキシ基を2以上有する化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテルの如き各種ビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル類;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの如き多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ポリフェノール型エポキシ樹脂;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等を挙げることができる。
【0042】
上記エポキシ基を分子内に2以上有する化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等;ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等;フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等;ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等;環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、184(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、ERL−4234、4299、4221、4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等;脂肪族ポリグリシジルエーテルとしてエポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
【0043】
上記のカチオン重合性化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
これらの[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物のうち、好ましいものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0045】
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体
本発明で用いられるフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体(以下、フラーレン類と略す)としては、例えば、C36、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C96および1分子中の炭素数が96を超えかつ最大凝集塊径が30nm以下の高次フラーレンなどを挙げることができる。これらのうちC60、C70、C76、C82などが好ましく用いられる。
これらフラーレン類は公知の方法によって合成することができる。
【0046】
例えば、C36の製造方法はNew Diamond. Vol.16, No.2, 2000, p.30−31に開示されており、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90およびC96の製造方法としては、J. Phy. Chem., 94, 8634(1990)にアーク放電法による製造方法が、Z.Phys. D, 40, 414(1997)にオーブン・レーザー法による製造方法がそれぞれ開示されている。また、1分子中の炭素数が96を超えかつ最大凝集塊径が30nm以下の高次フラーレンは上記アーク放電法の副成物として得ることができる。
【0047】
これらフラーレン類の市販品としては、C60およびC70がフロンティアカーボン(株)製、MATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR LIMITED社製などが挙げられ、C76、C78、C84としてMATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR
LIMITED社製などが挙げられる。
【0048】
上記フラーレン類は炭素数の異なるフラーレンの混合物でも本発明の目的を達成することができる。その市販品としては、フロンティアカーボン(株)製またはMATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR
LIMITED社製のC60/C70の混合物が挙げられる。
【0049】
また、上記フラーレン類としてはその表面に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を有するものであってもよい。上記アミノ基は式−NR2で表される。ここで、Rとしてはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基または分子量30〜50,000のポリエーテル鎖であることができる。上記アミノ基において置換基Rがポリエーテル鎖であるときには、その遊離の末端は水酸基または炭素数1〜6のアルコキシル基であることができる。
【0050】
上記フラーレン類は、例えばScience, 252,548(1991)およびJ.Am.Chem.Soc, 114,1103(1992)に開示されているエポキシ化反応、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,30,1309(1991)に開示されている1級または2級アミンの付加反応、J.Am.Chem.Soc, 114,7301(1992) に開示されているDiels−Alder反応、あるいはJ. Chem. Soc.,Chem. Commun., 1791(1992)に開示されているポリ水酸化反応等により合成することができる。
【0051】
これらのフラーレン類は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0052】
これらフラーレン類の添加量は、共重合体[A](後述する第2の組成物にあっては共重合体[E])100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満のときは、フラーレン類による耐熱性、低収縮性および誘電率の効果が発現しにくい。一方、20重量部を超える場合は、フラーレン類自体の吸収が強くなり、透明性が低下するとともに、カラーフィルター平坦性能が低下する場合がある。
【0053】
[D]硬化剤
本発明の組成物で使用される[D]硬化剤としては、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、および不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体が挙げられる。
【0054】
上記多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸の如き脂環族多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸の如き芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。これらの中では、硬化性組成物の反応性、形成される硬化膜の耐熱性等の観点から、芳香族多価カルボン酸が好適である。
【0055】
上記多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸の如き脂肪族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物の如き脂環族多価カルボン酸二無水物;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸の如き芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートの如きエステル基含有酸無水物を挙げることができる。これらのうち、芳香族多価カルボン酸無水物、特に無水トリメリット酸は耐熱性の高い硬化膜が得られる点で好ましい。
【0056】
上記不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を合成するために用いられる不飽和多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸、シス1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物の如き不飽和多価カルボン酸無水物が挙げられる。これらは1種または2種以上で用いられる。
【0057】
また、不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を合成するために用いられるオレフィン系不飽和化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、フェニルマレイミド、シクロヘキシルの如きオレフィン系不飽和化合物が挙げられる。これらは1種または2種以上で用いられる。
【0058】
不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体中の不飽和多価カルボン酸無水物の共重合割合は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは10〜60重量%である。このような共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0059】
不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体の好ましい例としては、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水シトラコン酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル共重合体等が挙げられる。
【0060】
また、上記不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは500〜50,000、より好ましくは500〜10、000である。このような分子量範囲の共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0061】
次に、本発明の第2の組成物について説明する。なお、ここに記載のない事項は、第1の組成物に記載の事項がそのままあるいは当業者に自明の変更を加えて適用されると理解されるべきである。
【0062】
共重合体[E]
本発明で使用される共重合体[E]は、(e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体である。
【0063】
本発明で用いられる共重合体[E]は、化合物(e1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜40重量部、特に好ましくは10〜30重量部含有している。この構成単位が5重量部未満である共重合体は、耐熱性、耐薬品性、表面硬度が低下する傾向にあり、一方40重量部を超える共重合体は保存安定性が低下する場合がある。
【0064】
上記(e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;およびこれらジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、耐熱性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらの化合物(e1)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0065】
本発明で用いられる共重合体[E]は、化合物(e2)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られる保護膜の耐熱性、表面硬度が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は、そのような共重合体を含有する組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0066】
(e2)エポキシ基含有不飽和化合物としては、前述共重合体[A]に用いられる化合物(a1)として例示したものと同様のものを使用することができる。
【0067】
本発明で用いられる共重合体[E]は、化合物(e3)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、そのような共重合体を含有する組成物の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は得られる保護膜の耐熱性、表面硬度が低下する場合がある。
【0068】
(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物としては、前述の共重合体[A]に用いられる化合物(a2)として例示したものと同様のものを使用することができる。
【0069】
本発明で用いられる共重合体[E]の具体例としては、例えば、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/アククリル酸/アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/アクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/フェニルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/アクリル酸/フェニルマレイミド/アクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、スチレン/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、t−ブチルメタクリレート/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、p−メトキシスチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルアクリレート/メタクリル酸グリシジル共重合体等が挙げられる。
【0070】
それらのうちさらに好ましいものとしては、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/フェニルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体が挙げられる。
【0071】
本発明に用いられる共重合体[E]は、ポリスチレン換算重量平均分子量が、好ましくは3,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。この範囲の分子量を持つ共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0072】
本発明で使用される共重合体[E]は、上記(e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下、例えばラジカル重合によって合成することができる。
【0073】
共重合体[E]の合成に使用できる溶媒および重合開始剤としては、前述の共重合体[A]の製造に使用される溶媒および重合開始剤として例示したものと同様のものを使用することができる。
【0074】
[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物
本発明に使用される[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物としては、前述の[B]成分として挙げたものと同様のものを使用することができる。
【0075】
[G]熱および/または放射線により酸を発生する化合物
本発明に使用される[G]成分は、感放射線酸発生剤または感熱酸発生剤である。
【0076】
感放射線酸発生剤としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、ジアリールホスホニウム塩類等を好ましく使用できるものとして挙げられる。また、感熱酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩類(前述のトリアリールスルホニウム塩類を除く)、ベンゾチアゾニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類等が好ましいものとして挙げられる。これらのうちでもスルホニウム塩類(前述のトリアリールスルホニウム塩類を除く)、ベンゾチアゾニウム塩類がさらに好ましく用いられる。
【0077】
上記ジアリールヨードニウム塩類としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。これらのうちでも、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートが好適に用いられる。
【0078】
上記トリアリールスルホニウム塩類としては、例えばトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。これらのうちでも、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートが好適に用いられる。
【0079】
上記ジアリールホスホニウム塩類としては、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスホネート等を挙げることができる。
【0080】
感放射線性酸発生剤として好適に用いられる酸発生剤の市販品としては、ジアリールヨードニウム塩類として、ユニオンカーバイド社製 商品名:UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、みどり化学(株)製 商品名:MPI−103、BBI−103等を挙げることができる。
【0081】
また、トリアリールスルホニウム塩類として、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171、日本曹達(株)製 商品名:CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064、みどり化学(株)製 商品名:DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、サートマー社製 商品名:CD−1010、CD−1011、CD−1012等を挙げることができる。
【0082】
また、ジアリールホスホニウム塩類としてチバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュアー261、日本化薬(株)製 商品名:PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T等を挙げることができる。
【0083】
これらのうち、ユニオンカーバイド社製 商品名:UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトマーSP−170、SP−171、サートマー社製 商品名:CD−1012、みどり化学(株)製 商品名:MPI−103が、得られる保護膜が高い表面硬度を有することから好ましい。
【0084】
上記感熱酸発生剤のうち、スルホニウム塩類(前記のトリアリールスルホニウム塩類を除く)の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートの如きアルキルスルホニウム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートの如きベンジルスルホニウム塩;ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートの如きジベンジルスルホニウム塩;p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートの如き置換ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
【0085】
これらのうちでも4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく用いられる。
【0086】
上記ベンゾチアゾニウム塩類としては、例えば3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム テトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩が挙げられる。
【0087】
これらのうち、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく用いられる。
【0088】
感熱酸発生剤として好適に用いられる酸発生剤の市販品としては、アルキルスルホニウム塩として、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトンCP−66、CP−77を挙げることができる。
【0089】
また、ベンジルスルホニウム塩として、三新化学工業(株)製 商品名:SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−80L、SI−100L、SI−110Lを挙げることができる。
【0090】
これらのうち、SI−80、SI−100、SI−110が、得られる保護膜が高い表面硬度を有することから好ましい。
【0091】
組成物
次に、本発明の組成物について説明する。
【0092】
本発明の組成物は、各成分を、好ましくは後述する適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。
【0093】
本発明の組成物の実施態様としては、以下の各場合を挙げることができる。
【0094】
▲1▼前述の共重合体[A]、[B]成分および[C]成分を必須成分とし、場合により後述する任意添加成分を含有する組成物。
【0095】
▲2▼上記▲1▼の組成物にさらに[D]硬化剤を添加した組成物。
【0096】
▲3▼共重合体[E]、[F]成分および[C]成分を必須成分とし、場合により後述する任意添加成分を含有する組成物。
【0097】
▲4▼上記▲3▼の組成物にさらに[G]成分を含有させた組成物。
【0098】
▲1▼および▲2▼の組成物は上記第1の組成物に相当する。▲3▼および▲4▼の組成物は上記第2の組成物に相当する。
【0099】
第1の組成物中における各成分の配合割合は、以下の通りである。
【0100】
第1の組成物中に含有される[B]成分の配合割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の量である。この範囲の使用量において、十分な硬度を有する保護膜が得られる。
【0101】
[C]成分の配合割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満のときは、フラーレン類による耐熱性、低収縮性および誘電率の効果が発現しにくい。一方、20重量部を超える場合は、フラーレン類自体の吸収が強くなり、透明性が低下するとともに、カラーフィルター平坦性能が低下する場合がある。
【0102】
上記▲1▼の第1の組成物は、長期安定性に優れる。
【0103】
上記第1の組成物は、使用に際して[D]硬化剤をさらに添加して▲2▼の組成物とした後、後述する方法により保護膜を形成することができる。このようにして形成された保護膜は、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まず、および下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れる。
【0104】
[D]硬化剤は通常、適当な溶媒に溶解した状態で使用される。溶液中の[D]硬化剤の濃度は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。ここで使用できる溶媒としては、前述の共重合体[B]の製造で使用される溶媒として例示したものと同様なものを使用できる。硬化剤の添加量は、共重合体[A]100重量部当たり、好ましくは20〜60重量部、より好ましくは20〜50重量部である。この範囲の使用量において、組成物は良好な硬化特性を示すこととなり、得られる保護膜の諸物性を損なうことがない。
【0105】
なお、▲2▼の組成物、すなわち[D]硬化剤を添加した第1の組成物は、通常24時間以内に使用に供される。
【0106】
上記第2の組成物中における各成分の配合割合は、以下の通りである。
【0107】
第2の組成物中に含有される[F]成分の配合割合は、共重合体[E]100重量部に対して、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の量で用いられる。この範囲の使用量において、十分な硬度の保護膜を得ることができる。
【0108】
[C]成分の配合割合は、共重合体[E]100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満のときは、フラーレン類による耐熱性、低収縮性および誘電率の効果が発現しにくい。一方、20重量部を超える場合は、フラーレン類自体の吸収が強くなり、透明性が低下するとともに、カラーフィルター平坦性能が低下する場合がある。
【0109】
上記▲3▼の第2の組成物は、[G]熱および/または放射線により酸を発生する化合物をさらに含有させ、▲4▼の第2の組成物とすることができる。
【0110】
▲4▼の組成物に含有される[G]成分の量は、共重合体[E]100重量部当たり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲の使用量において組成物は良好な硬化特性を示し、得られる保護膜の諸物性を損なうことはない。
【0111】
上記▲3▼および▲4▼の第2の組成物は、後述する方法により保護膜に形成することができる。このようにして形成された保護膜は、低誘電率、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、などを満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まず、および下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れる。
【0112】
任意添加成分
本発明の組成物は、上記した諸態様をとりうるが、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて上記以外の他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、界面活性剤、接着助剤等を挙げることができる。
【0113】
上記界面活性剤は、組成物の塗布性を向上するために添加される。
【0114】
このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類の如きノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0115】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレンアリールエーテル類としては、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンジアルキルエステル類としては、例えばポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等が挙げられる。
【0116】
このような界面活性剤の市販品としては、例えばフッ素系界面活性剤として、BM CHIMIE社製 商品名:BM−1000、BM−1100、大日本インキ化学工業(株)社製 商品名:メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、住友スリーエム(株)社製 商品名:フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、旭硝子(株)社製商品名:サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106等;シリコーン系界面活性剤として、東レシリコーン(株)社製 商品名:SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190、信越化学工業(株)社製 商品名:KP341、新秋田化成(株)社製 商品名:エフトップEF301、同EF303、同EF352等;その他の界面活性剤として、共栄社化学(株)社製 商品名:(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.90等を挙げることができる。
【0117】
これらの界面活性剤の添加量は、上記第1の組成物に添加する場合にあっては共重合体[A]100重量部当たり、上記第2の組成物に添加する場合にあっては共重合体[E]100重量部当たり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の量が5重量部を超える場合は、塗布工程において塗膜の膜荒れが生じやすくなる場合がある。
【0118】
上記接着助剤は、形成される保護膜と基板との密着性を向上させるために添加される。
【0119】
このような接着助剤としては、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0120】
このような接着助剤は、上記第1の組成物に添加する場合にあっては共重合体[A]100重量部当たり、上記第2の組成物に添加する場合にあっては共重合体[E]100重量部当たり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が30重量部を超える場合は、得られる保護膜の耐熱性が不十分となる場合がある。
【0121】
溶媒
本発明の組成物は、各成分を、好ましくは適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。使用される溶媒としては、組成物の各成分を溶解または分散し、各成分と反応しないものが用いられる。
【0122】
このような溶媒としては、前述の共重合体[A]を製造する際に使用される溶媒として例示したものと同様のものを使用することができる。溶媒の使用量は、本発明の組成物中の全固形分の含有量が好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部となるような範囲である。
【0123】
また、前記溶媒とともに高沸点溶媒を併用することができる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
【0124】
高沸点溶媒を併用する際の使用量は、全溶媒量に対して、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。
【0125】
上記のようにして調製された組成物は、孔径0.2〜3.0μm、好ましくは孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
【0126】
保護膜の形成
次に、本発明の組成物を用いて本発明の保護膜を形成する方法について説明する。
【0127】
本発明の第1の組成物および第2の組成物は、それぞれ、基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、加熱処理をすることにより目的とする保護膜を形成することができる。
【0128】
上記基板として使用できるものとしては、例えばガラス、石英、シリコン、樹脂等の基板を挙げることができる。樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ならびに環状オレフィンの開環重合体およびその水素添加物の如き樹脂を挙げることができる。
【0129】
塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法などの適宜の方法を採用することができる。
【0130】
上記プレベークの条件としては、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、好ましくは70〜90℃で1〜15分間程度の条件を採用できる。
【0131】
塗膜形成後の加熱処理は、ホットプレートやオーブンなどの適宜の加熱装置により実施することができる。処理温度としては、150〜250℃程度が好ましく、加熱装置としてホットプレート使用の場合は5〜30分間、オーブン使用の場合は、30〜90分間の処理時間を採用することが好ましい。
【0132】
一方、本発明の組成物が、[G]成分として感放射線酸発生剤を添加した上記第2の組成物である場合には、当該組成物を基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、放射線照射処理(露光処理)を施すことにより目的とする保護膜を形成することができる。必要に応じて、露光処理後にさらに加熱処理を行ってもよい。
【0133】
この場合、上記と同様にして基板上に塗膜を形成することができる。
【0134】
上記放射線の照射処理において使用できる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を挙げることができる。190〜450nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。
【0135】
露光量は、好ましくは100〜20,000J/m2、より好ましくは1,000〜10,000J/m2である。
【0136】
このように形成された保護膜は、その膜厚が、好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.1〜4μmである。なお、本発明の保護膜がカラーフィルターの段差を有する基板上に形成される場合には、上記の膜厚は、カラーフィルターの最上部からの厚さとして理解されるべきである。
【0137】
本発明の保護膜は、下記する実施例から明らかなように、低誘電率、低収縮性、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、熱のかかった状態での荷重によっても凹まず、また下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜として好適である。
【0138】
【実施例】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0139】
共重合体[A]の製造
以下、本発明に使用される共重合体[A]の製造例を合成例1および2に示す。
【0140】
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2−アゾビスイソブチロニトリル6重量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン6重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きグリシジルメタクリレート80重量部およびスチレン20重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を4時間保持して共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は、8,000であった。
【0141】
合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2−アゾビスイソブチロニトリル6重量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン10.0重量部およびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きグリシジルメタクリレート50重量部およびメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル50重量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を95℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(A−2)の重量平均分子量(Mw)は、6,000であった。
【0142】
共重合体[E]の製造
以下、本発明に使用される共重合体[E]の製造例を合成例3および4に示す。
【0143】
合成例3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン25重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル45重量部およびメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル10重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(E−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(E−1)の重量平均分子量(Mw)は、6,000であった。
【0144】
合成例4
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン18重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびシクロヘキシルマレイミド22重量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(E−2)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(E−2)の重量平均分子量(Mw)は、12,000であった。
【0145】
合成例5(C−1)
C60のベンゼン溶液(溶液60重量部中にC60を0.08重量部含有するもの。)60重量部、25規定NaOH水溶液2重量部および40重量%のテトラブチルアンモニウム水溶液0.3重量部をフラスコにとり、空気中、室温にて攪拌した。攪拌開始後数分のうちに反応混合物のうちのベンゼン層は初期の紫色を失い、無色になり、それとともに茶色の析出物が生じた。この析出物を濾別し、60℃にて3時間減圧にて乾燥、脱溶し、褐色の固体を得た。この褐色固体についてマススペクトルを測定したところ、式C60(OH)n(n=20〜30)で表されるフラーレン誘導体の混合物であった。このフラーレン誘導体を(c−1)とする。
【0146】
合成例6(C−2)
C60のトルエン溶液(溶液100重量部中にC600.1重量部を含有するもの。)100重量部、ブロモマロン酸エステル0.064重量部および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.072重量部をフラスコにとり、窒素気流下30分攪拌した。得られた反応溶液を蒸発乾固させた後、クロマトグラフィー法によって未反応のC60を取り除いた。反応物を再びトルエンに溶解した溶液(溶液30重量部中に反応物0.095重量部を含有するもの。)30重量部に水素化ナトリウム0.040重量部を加え窒素気流下、60℃で3時間攪拌した。次いで、室温に冷却後、メタノール3.0重量部を加えると、褐色の沈殿が得られた。この褐色沈殿を濾過し、1規定塩酸で洗浄して、褐色の固体を得た。この褐色固体についてマススペクトル法で分析したところ、式C60(C(COOH)2)n(n=1〜3)で表されるフラーレン誘導体の混合物であった。このフラーレン誘導体を(C−2)とする。
【0147】
合成例7(C−3)
0.54mmol/L濃度のC60のベンゼン溶液10重量部中に、SUNBRIGHT MEPA−50H(日本油脂(株)製、一端にメトキシ基を有し別の一端にアミノ基を有するポリエチレングリコール、分子量5,000)のベンゼン溶液(溶液10重量部中にSUNBRIGHT MEPA−50Hを5重量部含有するもの)10重量部を加え、25℃にて24時間、遮光条件下で撹拌した。反応終了後、反応溶液を凍結乾燥して生成物を得た。IR、UV、1H NMRおよび13C NMRの測定結果から、C60表面に式−NH(OCH2CH2)nOCH3(ただし、n=100(平均値)で表される基を有するフラーレン誘導体であった。このフラーレン誘導体を(C−3)とする。
【0148】
第1の組成物の調製および評価
実施例1
上記合成例1で得られた共重合体(A−1)を含む溶液(共重合体(A−1)100重量部(固形分)に相当する量)に、[B]成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂「エピコート157S65」(商品名、油化シェルエポキシ(株)製)20.0重量部、[C]成分として合成例6で得られたフラーレン誘導体(C−1)10.0重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を加え、さらに固形分濃度が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して第1の組成物を調製した。
【0149】
保護膜の形成
上記のようにして調製した組成物に、[D]成分として無水トリメリット酸35重量部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル65重量部に溶解させたものを加え、保護膜形成用組成物を調製した。ここで調製した組成物は、無色透明であった。
【0150】
スピンナーを用いて上記組成物を、SiO2ディップガラス基板上に塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して膜厚2.0μmの保護膜を形成した。
【0151】
保護膜の評価
▲1▼透明性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、分光光度計(150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製))を用いて400〜800nmの透過率を測定した。400〜800nmの透過率の最小値を表1に示した。この値が95%以上のとき、保護膜の透明性は良好といえる。
【0152】
▲2▼耐熱寸法安定性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、オーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の膜厚を測定した。下記式にしたがって算出した耐熱寸法安定性を表1に示した。この値が95%以上のとき、耐熱寸法安定性は良好、つまり低収縮性といえる。
【0153】
耐熱寸法安定性=(加熱後の膜厚)/(加熱前の膜厚)×100(%)
【0154】
▲3▼耐熱変色性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、オーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の透明性を、上記▲1▼と同様にして測定した。下記式にしたがって算出した耐熱変色性を表1に示した。この値が5%以下のとき、耐熱変色性は良好といえる。
【0155】
耐熱変色性=加熱前の透過率−加熱後の透過率(%)
【0156】
▲4▼表面硬度の測定
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により保護膜の表面硬度を測定した。この値を表1に示す。この値が4Hまたはそれより硬いとき、表面硬度は良好といえる。
【0157】
▲5▼ダイナミック微小硬度の測定
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、島津ダイナミック微小硬度計DUH−201((株)島津製作所製)を用い、稜角115°三角圧子(ヘルコビッチ型)の押し込み試験により、保護膜のダイナミック微小硬度を、荷重:0.1gf、速度:0.0145gf/sec.、保持時間:5sec.、温度は23℃および140℃の測定条件で測定した。結果を表1に示す。
【0158】
▲6▼密着性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、プレッシャークッカー試験(120℃、湿度100%、4時間)を行った後、JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法により保護膜の密着性(SiO2に対する密着性)を評価した。碁盤目100個中、残った碁盤目の数を表1に示した。
【0159】
▲7▼平坦化性の評価
SiO2ディップガラス基板上に、顔料系カラーレジスト(商品名「JCR RED 689」、「JCR GREEN 706」、「CR 8200B」、以上、ジェイエスアール(株)製)をスピンナーにより塗布し、ホットプレート上で90℃、150秒間プレベークして塗膜を形成した。その後、所定のパターンマスクを介して、露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/m2の露光量で照射し、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、超純水にて60秒間リンスした後、さらにオーブン中で230℃にて30分間加熱処理して、赤、緑、および青の3色のストライプ状カラーフィルター(ストライプ幅100μm)を形成した。
【0160】
このカラーフィルターが形成された基板表面の凹凸を、表面粗さ計「α−ステップ」(商品名:テンコール社製)で測定したところ、1.0μmであった。ただし、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5で測定した。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5で測定した(合計のn数は10)。
【0161】
この上に、上記保護膜形成用組成物をスピンナーにて塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理し、カラーフィルターの上面からの膜厚が2.0μmの保護膜を形成した。
【0162】
上記のようにして形成した、カラーフィルター上に保護膜を有する基板について、接触式膜厚測定装置α−ステップ(テンコールジャパン(株)製)にて保護膜の表面の凹凸を測定した。ただし、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5で測定した。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5で測定した(合計のn数は10)。各測定ごとの最高部と最底部の高低差(nm)の10回の平均値を表1に示した。この値が300nm以下のとき、平坦化性は良好といえる。
【0163】
▲8▼誘電率の評価
研磨したSUS304製基板上にスピンナーを用いて、組成物溶液(S−1)を塗布した後、80℃にて5分間ホットプレート上でプレベークして膜厚2.0μmの塗膜を形成した。この基板をクリーンオーブン内にて230℃で1時間焼成することにより、硬化膜を得た。
この硬化膜について、蒸着法によりPt/Pd電極パターンを形成させ誘電率測定用サンプルを作成した。該基板を周波数10kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーターを用いてCV法により当該基板の比誘電率を測定した。結果を表1に示した。この値が3.3以下のとき、誘電率は良好といえる。
【0164】
実施例2〜5および比較例1、2
組成物の各成分の種類および量を表1に記載の通りとし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(S−1)の代わりに表1に記載の溶媒を使用して表1記載の固形分濃度に合わせた他は、実施例1と同様にして組成物を調製した。
【0165】
その組成物に、[D]成分として無水トリメリット酸35重量部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル65重量部に溶解させたものを加え、保護膜形成用組成物を調製した。ここで調製した組成物の外観を、表1に示した。
【0166】
上記のように調製した保護膜形成用組成物を使用し、実施例1と同様に保護膜を形成し、評価した。結果を表1に示した。
【0167】
なお、表1において、各成分の添加量は重量部であり、表中の「−」は、該当する成分を添加していないことを表す。
【0168】
また、[B]成分、溶媒の略称はそれぞれ以下のものを表す。
【0169】
B−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)
B−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート828)
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:ジエチレングリコールモノメチルエチルアセテート
【0170】
【表1】
【0171】
[G]成分を含有しない第2の組成物の調製および評価
実施例6
[E]成分として上記合成例3で得られた共重合体(E−1)を含む溶液(共重合体(E−1)100重量部(固形分)に相当する量)に、[F]成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)20.0重量部、[C]成分として合成例6で得られたフラーレン誘導体(C−1)10.0重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を混合し、固形分濃度が20.0%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(S−1)を添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して第2の組成物を調製した。ここで調製した組成物の外観は、無色透明であった。
【0172】
保護膜の形成と評価
上記のようにして調製した組成物を、スピンナーによってSiO2ディップガラス基板上に塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して保護膜を形成した。
【0173】
また、実施例1に記載の方法と同様にしてカラーフィルターを形成した基板上に、上記と同様にして保護膜を形成した。
【0174】
これらの保護膜を有する基板を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
実施例7、8および比較例3、4
組成物の各成分の種類および量を表2に記載の通りとし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの代わりに表2に記載の溶媒を使用した他は、実施例6と同様にして組成物を調製した。
【0175】
ここで調製した組成物の外観を、表2に示した。
【0176】
上記のように調製した組成物を使用し、実施例6と同様にして保護膜を形成し、評価した。結果を表2に示した。
【0177】
[G]成分を含有する第2の組成物の調製および評価
実施例9
[E]成分として上記合成例4で得られた共重合体(E−2)を含む溶液(共重合体(E−1)100重量部(固形分)に相当する量)に、[F]成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート828)10.0重量部、[C]成分として合成例7で得られたフラーレン誘導体(C−2)10.0重量部、[F]成分としてトリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル10.0重量部、[G]成分としてベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート2重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を混合し、固形分濃度が20.0%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して[G]成分を含む第2の組成物を調製した。
【0178】
ここで得られた組成物の外観を表2に示した。
【0179】
上記のように調製した組成物を使用して実施例6と同様に保護膜を形成し、評価した。結果を表2に示した。
【0180】
実施例10
組成物の各成分の種類および量を表2に記載の通りとした他は、実施例6と同様にして組成物を調製した。
【0181】
ここで調製した組成物の外観を表2に示す。
【0182】
上記組成物溶液をSiO2ディップガラス基板上に、スピンナーを用いて塗布した後、80℃で5分間ホットプレート上でプレベークを行って塗膜を形成した。
【0183】
次いで、形成された塗膜に露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/m2の露光量で照射した。さらにオーブン中230℃で60分間加熱し、保護膜を形成した。
【0184】
また、実施例1に記載の方法と同様にしてカラーフィルターを形成した基板上に、上記と同様に塗布、プレベーク、露光および加熱の各工程を実施して保護膜を形成した。
【0185】
これらの保護膜を有する基板を用いて、実施例6と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
【0186】
なお、表2において、各成分の添加量は重量部であり、表中の「−」は、該当する成分を添加していないことを表す。
【0187】
また、[F]成分、[G]成分、および溶媒の略称は、それぞれ以下のものを表す。
【0188】
F−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)
F−2:トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
G−1:ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
G−2:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
S−3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−4:ジエチレングリコールジメチルエーテル
【0189】
【表2】
【0190】
【発明の効果】
本発明によれば、保護膜として従来から要求される諸特性、具体的には、低誘電率、低収縮性、密着性、表面硬度、透明性、耐熱寸法安定性、耐熱変色性、耐スパッタ性を満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まないこと、および下地基板であるカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜形成材料として好適な組成物、およびそれから形成された保護膜を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性組成物、保護膜の形成方法、および保護膜に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子(LCD)用カラーフィルターおよび電荷結合素子(CCD)用カラーフィルターに用いられる保護膜を形成するための材料として有用な、低誘電率、低収縮性および高耐熱性を兼ね備えた硬化性組成物、その組成物を使用する保護膜の形成方法、ならびにその組成物から形成された保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCDやCCD等の放射線デバイスは、その製造工程中に、溶剤、酸またはアルカリ溶液等による表示素子の浸漬処理が行なわれ、また、スパッタリングにより配線電極層を形成する際には、素子表面が局部的に高温に曝される。従って、このような処理によって素子が劣化あるいは損傷することを防止するために、これらの処理に対して耐性を有する薄膜からなる保護膜を素子の表面に設けることが行なわれている。
【0003】
このような保護膜には、当該保護膜を形成すべき基体または下層、さらに保護膜上に形成される層に対して密着性が高いこと、膜自体が平滑で強靭であること、透明性を有すること、耐熱性および耐光性が高く、長期間にわたって着色、黄変、白化等の変質を起こさないこと、耐水性、耐溶剤性、耐酸性および耐アルカリ性に優れたものであること等の性能が要求される。これらの諸特性を満たす保護膜を形成するための材料としては、特開平5−78453号公報に開示されているグリシジル基を有する重合体を含む熱硬化性組成物が知られている。
【0004】
また、このような保護膜をカラー液晶表示装置や電荷結合素子のカラーフィルターの保護膜として使用する場合には、一般的に下地基板上に形成されたカラーフィルターによる段差を平坦化できることが要求される。
【0005】
さらに、カラー液晶表示装置、例えばSTN(Super Twisted Nematic)方式あるいはTFT(Thin Film Transister)方式のカラー液晶表示素子では、液晶層のセルギャップを均一に保持するためにビーズ状のスペーサーを保護膜上に散布したうえでパネルを貼り合わせることが行われている。その後にシール材を熱圧着することにより液晶セルを密封することとなるが、その際にかかる熱と圧力で、ビーズが存在する部分の保護膜が凹む現象が見られ、セルギャップが狂うことが問題となっている。
【0006】
特にSTN方式のカラー液晶表示素子を製造する際には、カラーフィルターと対向基板との張り合わせの精度を極めて厳密に行わなければならず、保護膜には極めて高度な段差の平坦化性能および耐熱耐圧性能が要求されている。
【0007】
また、近年ではスパッタリングによりカラーフィルターの保護膜上に配線電極(インジウムチンオキサイド:ITO)を成膜し、強酸や強アルカリ等でITOをパターニングする方式も採られている。このため、保護膜はスパッタリング時に表面が局部的に高温に曝されたり、数々の薬品処理がなされる。したがって、これらの処理に耐えること、および薬品処理時にITOが保護膜上から剥がれないように配線電極と密着性があることも要求されている。
【0008】
さらにLCDパネルにおいては、高輝度を目的としたITO等の透明電極部分とTFT素子部分を透明性の高い層間絶縁膜を介して積層構造にすることで、開口面積を大きくしたパネルも開発されている。また、従来、カラーフィルターとTFT電極基板は別基板で作製されていたが、層間絶縁膜を介することでカラーフィルターをTFT素子上に形成する手法も開発されている。このような技術背景のもと、耐熱性が高く誘電率の低いカラーフィルター平坦化膜の開発が望まれている。
【0009】
このような保護膜の形成には、簡易な方法で硬度に優れる保護膜を形成できる熱硬化性組成物を使用することが有利であるが、透明性などの保護膜としての一般的な要求性能を満たした上記のような諸性能を併せ持つ保護膜を形成でき、かつ組成物としての保存安定性にも優れた材料は未だ知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、表面の平坦性が低い基体であっても、当該基体上に、平坦性の高い硬化膜を形成することができ、しかも、高い表面硬度、低い誘電率、低い収縮性、さらに耐熱耐圧性、耐酸性、耐アルカリ性、耐スパッタ性の如き各種の耐性に優れた光デバイス用保護膜を形成するために好適に用いられる組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、上記組成物を用いた保護膜の形成方法を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、上記組成物から形成された保護膜を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第一に、
[A](a1)エポキシ基含有不飽和化合物、および(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体(以下、「共重合体[A]ということがある。」)、
[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物、ならびに
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、
を含有することを特徴とする硬化性組成物(以下、第1の組成物ということがある)によって達成される。
【0015】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第二に、
[E](e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体(以下、共重合体[E]ということがある。)、
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、ならびに
ならびに、
[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物
を含有することを特徴とする硬化性組成物(以下、第2の組成物ということがある)によって達成される。
【0016】
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第三に、本発明の上記組成物および[D]硬化剤を混合し、その混合物を基板上に塗布し、次いで熱および/または放射線で処理する、ことを特徴とする保護膜の形成方法によって達成される。
【0017】
さらに、本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第四に、上記組成物より形成された保護膜、によって達成される。
【0018】
【発明の好ましい実施形態】
以下、本発明の組成物の構成成分について詳説する。先ず、本発明の第1の組成物について説明する。
【0019】
共重合体[A]
本発明で使用される共重合体[A]は、(a1)エポキシ基含有不飽和化合物および(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体である。
【0020】
上記(a1)エポキシ基含有不飽和化合物は、エポキシ基と重合性炭素−炭素二重結合を一分子中に少なくとも1つずつ持つ化合物である。具体的には例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0021】
これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが共重合反応性および得られる保護膜の耐熱性、硬度を高める点から好ましく用いられる。これらの(a1)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0022】
上記(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物は、エポキシ基を有さず、かつ重合性炭素−炭素二重結合を一分子中に少なくとも1つ持つ化合物である。具体的には例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートの如きメタクリル酸アルキルエステル;
メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートの如きアクリル酸アルキルエステル;
【0023】
シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてメタクリル酸ジシクロペンタニルといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートの如きメタクリル酸環状アルキルエステル;
シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(当該技術分野で慣用名としてアクリル酸ジシクロペンタニルといわれている)、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートの如きアクリル酸環状アルキルエステル;
フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートの如きアクリル酸アリールエステル;
【0024】
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルの如きジカルボン酸ジエステル;
【0025】
インデン、1−メチルインデンの如きインデン誘導体;
フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジル)マレイミドの如きジカルボニルイミド誘導体;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きヒドロキシアルキルエステル;
【0026】
およびスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
【0027】
これらのうち、スチレン、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸ジシクロペンタニル、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエン、フェニルマレイミド、シクロヘキシルなどが共重合反応性および得られる保護膜の耐熱性の点から好ましい。
【0028】
これらの化合物(a2)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0029】
本発明で用いられる共重合体[A]の好ましい具体例としては、例えば、
スチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/グリシジルアクリレート共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルアクリレート共重合体、
スチレン/シクロヘキシルマレイミド/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/フェニルマレイミド/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、および
スチレン/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体等が挙げられる。
【0030】
これらのうちさらに好ましいものとして、スチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、
メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体、
スチレン/シクロヘキシルマレイミド/グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0031】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、共重合体[A]中に、好ましくは1〜90重量%、より好ましくは40〜90重量%含有している。
【0032】
本発明に用いられる共重合体[A]は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)が、好ましくは3,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。
【0033】
本発明で使用される共重合体[A]は、上記(a1)エポキシ基含有不飽和化合物および(a2)オレフィン系不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下、例えばラジカル重合によって合成することができる。
【0034】
共重合体[A]の合成に使用される溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールの如きアルコール類;テトラヒドロフランの如きエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルの如きグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートの如きエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルの如きジエチレングリコール類エーテル;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルの如きプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートの如きプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートの如きプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトンの如きケトン類;および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。
【0035】
これらのうち、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましく、特に、エチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートが好ましい。
【0036】
共重合体[A]の製造に使用される開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンの如き有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
【0037】
[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物
本発明で使用される[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物としては、例えば、オキセタン基、3,4−エポキシシクロへキシル基またはエポキシ基の如きカチオン重合性基を分子内に2以上有する化合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0038】
このような[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物の具体例としては、以下のようなものを挙げることができる。
【0039】
オキセタン基を分子内に2以上有する化合物としては、例えば3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとカプロラクトンとの反応物、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとカプロラクトンとの反応物、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応物、ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応物、水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応物、水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとプロピレンオキサイドとの反応物、ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルとエチレンオキサイドとの反応物等を挙げることができる。
【0040】
3,4−エポキシシクロヘキシル基を分子内に2以上有する化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0041】
また、エポキシ基を2以上有する化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテルの如き各種ビスフェノール化合物のジグリシジルエーテル類;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの如き多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ポリフェノール型エポキシ樹脂;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等を挙げることができる。
【0042】
上記エポキシ基を分子内に2以上有する化合物の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等;ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等;フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等;ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等;環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、184(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、ERL−4234、4299、4221、4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等;脂肪族ポリグリシジルエーテルとしてエポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
【0043】
上記のカチオン重合性化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
これらの[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物のうち、好ましいものとして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0045】
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体
本発明で用いられるフラーレンおよび/またはフラーレン誘導体(以下、フラーレン類と略す)としては、例えば、C36、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C96および1分子中の炭素数が96を超えかつ最大凝集塊径が30nm以下の高次フラーレンなどを挙げることができる。これらのうちC60、C70、C76、C82などが好ましく用いられる。
これらフラーレン類は公知の方法によって合成することができる。
【0046】
例えば、C36の製造方法はNew Diamond. Vol.16, No.2, 2000, p.30−31に開示されており、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90およびC96の製造方法としては、J. Phy. Chem., 94, 8634(1990)にアーク放電法による製造方法が、Z.Phys. D, 40, 414(1997)にオーブン・レーザー法による製造方法がそれぞれ開示されている。また、1分子中の炭素数が96を超えかつ最大凝集塊径が30nm以下の高次フラーレンは上記アーク放電法の副成物として得ることができる。
【0047】
これらフラーレン類の市販品としては、C60およびC70がフロンティアカーボン(株)製、MATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR LIMITED社製などが挙げられ、C76、C78、C84としてMATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR
LIMITED社製などが挙げられる。
【0048】
上記フラーレン類は炭素数の異なるフラーレンの混合物でも本発明の目的を達成することができる。その市販品としては、フロンティアカーボン(株)製またはMATERIALS TECHNOLOGIES RESEARCH MTR
LIMITED社製のC60/C70の混合物が挙げられる。
【0049】
また、上記フラーレン類としてはその表面に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を有するものであってもよい。上記アミノ基は式−NR2で表される。ここで、Rとしてはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基または分子量30〜50,000のポリエーテル鎖であることができる。上記アミノ基において置換基Rがポリエーテル鎖であるときには、その遊離の末端は水酸基または炭素数1〜6のアルコキシル基であることができる。
【0050】
上記フラーレン類は、例えばScience, 252,548(1991)およびJ.Am.Chem.Soc, 114,1103(1992)に開示されているエポキシ化反応、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,30,1309(1991)に開示されている1級または2級アミンの付加反応、J.Am.Chem.Soc, 114,7301(1992) に開示されているDiels−Alder反応、あるいはJ. Chem. Soc.,Chem. Commun., 1791(1992)に開示されているポリ水酸化反応等により合成することができる。
【0051】
これらのフラーレン類は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0052】
これらフラーレン類の添加量は、共重合体[A](後述する第2の組成物にあっては共重合体[E])100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満のときは、フラーレン類による耐熱性、低収縮性および誘電率の効果が発現しにくい。一方、20重量部を超える場合は、フラーレン類自体の吸収が強くなり、透明性が低下するとともに、カラーフィルター平坦性能が低下する場合がある。
【0053】
[D]硬化剤
本発明の組成物で使用される[D]硬化剤としては、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、および不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体が挙げられる。
【0054】
上記多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸の如き脂環族多価カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸の如き芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。これらの中では、硬化性組成物の反応性、形成される硬化膜の耐熱性等の観点から、芳香族多価カルボン酸が好適である。
【0055】
上記多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸の如き脂肪族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物の如き脂環族多価カルボン酸二無水物;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸の如き芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートの如きエステル基含有酸無水物を挙げることができる。これらのうち、芳香族多価カルボン酸無水物、特に無水トリメリット酸は耐熱性の高い硬化膜が得られる点で好ましい。
【0056】
上記不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を合成するために用いられる不飽和多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸、シス1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物の如き不飽和多価カルボン酸無水物が挙げられる。これらは1種または2種以上で用いられる。
【0057】
また、不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体を合成するために用いられるオレフィン系不飽和化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、フェニルマレイミド、シクロヘキシルの如きオレフィン系不飽和化合物が挙げられる。これらは1種または2種以上で用いられる。
【0058】
不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体中の不飽和多価カルボン酸無水物の共重合割合は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは10〜60重量%である。このような共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0059】
不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体の好ましい例としては、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水シトラコン酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル共重合体等が挙げられる。
【0060】
また、上記不飽和多価カルボン酸無水物とオレフィン系不飽和化合物との共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは500〜50,000、より好ましくは500〜10、000である。このような分子量範囲の共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0061】
次に、本発明の第2の組成物について説明する。なお、ここに記載のない事項は、第1の組成物に記載の事項がそのままあるいは当業者に自明の変更を加えて適用されると理解されるべきである。
【0062】
共重合体[E]
本発明で使用される共重合体[E]は、(e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体である。
【0063】
本発明で用いられる共重合体[E]は、化合物(e1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜40重量部、特に好ましくは10〜30重量部含有している。この構成単位が5重量部未満である共重合体は、耐熱性、耐薬品性、表面硬度が低下する傾向にあり、一方40重量部を超える共重合体は保存安定性が低下する場合がある。
【0064】
上記(e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸;およびこれらジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、耐熱性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらの化合物(e1)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0065】
本発明で用いられる共重合体[E]は、化合物(e2)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られる保護膜の耐熱性、表面硬度が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は、そのような共重合体を含有する組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0066】
(e2)エポキシ基含有不飽和化合物としては、前述共重合体[A]に用いられる化合物(a1)として例示したものと同様のものを使用することができる。
【0067】
本発明で用いられる共重合体[E]は、化合物(e3)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜50重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、そのような共重合体を含有する組成物の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は得られる保護膜の耐熱性、表面硬度が低下する場合がある。
【0068】
(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物としては、前述の共重合体[A]に用いられる化合物(a2)として例示したものと同様のものを使用することができる。
【0069】
本発明で用いられる共重合体[E]の具体例としては、例えば、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/アククリル酸/アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/アクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/フェニルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/アクリル酸/フェニルマレイミド/アクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、スチレン/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、t−ブチルメタクリレート/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、p−メトキシスチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルアクリレート/メタクリル酸グリシジル共重合体等が挙げられる。
【0070】
それらのうちさらに好ましいものとしては、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/フェニルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、スチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルマレイミド/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体が挙げられる。
【0071】
本発明に用いられる共重合体[E]は、ポリスチレン換算重量平均分子量が、好ましくは3,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000である。この範囲の分子量を持つ共重合体を使用することにより、平坦化性に優れた保護膜を得ることができる。
【0072】
本発明で使用される共重合体[E]は、上記(e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物を、適当な溶媒および重合開始剤の存在下、例えばラジカル重合によって合成することができる。
【0073】
共重合体[E]の合成に使用できる溶媒および重合開始剤としては、前述の共重合体[A]の製造に使用される溶媒および重合開始剤として例示したものと同様のものを使用することができる。
【0074】
[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物
本発明に使用される[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物としては、前述の[B]成分として挙げたものと同様のものを使用することができる。
【0075】
[G]熱および/または放射線により酸を発生する化合物
本発明に使用される[G]成分は、感放射線酸発生剤または感熱酸発生剤である。
【0076】
感放射線酸発生剤としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、ジアリールホスホニウム塩類等を好ましく使用できるものとして挙げられる。また、感熱酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩類(前述のトリアリールスルホニウム塩類を除く)、ベンゾチアゾニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類等が好ましいものとして挙げられる。これらのうちでもスルホニウム塩類(前述のトリアリールスルホニウム塩類を除く)、ベンゾチアゾニウム塩類がさらに好ましく用いられる。
【0077】
上記ジアリールヨードニウム塩類としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。これらのうちでも、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートが好適に用いられる。
【0078】
上記トリアリールスルホニウム塩類としては、例えばトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。これらのうちでも、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートが好適に用いられる。
【0079】
上記ジアリールホスホニウム塩類としては、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスホネート等を挙げることができる。
【0080】
感放射線性酸発生剤として好適に用いられる酸発生剤の市販品としては、ジアリールヨードニウム塩類として、ユニオンカーバイド社製 商品名:UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、みどり化学(株)製 商品名:MPI−103、BBI−103等を挙げることができる。
【0081】
また、トリアリールスルホニウム塩類として、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171、日本曹達(株)製 商品名:CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064、みどり化学(株)製 商品名:DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、サートマー社製 商品名:CD−1010、CD−1011、CD−1012等を挙げることができる。
【0082】
また、ジアリールホスホニウム塩類としてチバスペシャルティケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュアー261、日本化薬(株)製 商品名:PCI−061T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−022T等を挙げることができる。
【0083】
これらのうち、ユニオンカーバイド社製 商品名:UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトマーSP−170、SP−171、サートマー社製 商品名:CD−1012、みどり化学(株)製 商品名:MPI−103が、得られる保護膜が高い表面硬度を有することから好ましい。
【0084】
上記感熱酸発生剤のうち、スルホニウム塩類(前記のトリアリールスルホニウム塩類を除く)の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートの如きアルキルスルホニウム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートの如きベンジルスルホニウム塩;ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートの如きジベンジルスルホニウム塩;p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネートの如き置換ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
【0085】
これらのうちでも4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく用いられる。
【0086】
上記ベンゾチアゾニウム塩類としては、例えば3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウム テトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩が挙げられる。
【0087】
これらのうち、3−ベンジルベンゾチアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート等が好ましく用いられる。
【0088】
感熱酸発生剤として好適に用いられる酸発生剤の市販品としては、アルキルスルホニウム塩として、旭電化工業(株)製 商品名:アデカオプトンCP−66、CP−77を挙げることができる。
【0089】
また、ベンジルスルホニウム塩として、三新化学工業(株)製 商品名:SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−80L、SI−100L、SI−110Lを挙げることができる。
【0090】
これらのうち、SI−80、SI−100、SI−110が、得られる保護膜が高い表面硬度を有することから好ましい。
【0091】
組成物
次に、本発明の組成物について説明する。
【0092】
本発明の組成物は、各成分を、好ましくは後述する適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。
【0093】
本発明の組成物の実施態様としては、以下の各場合を挙げることができる。
【0094】
▲1▼前述の共重合体[A]、[B]成分および[C]成分を必須成分とし、場合により後述する任意添加成分を含有する組成物。
【0095】
▲2▼上記▲1▼の組成物にさらに[D]硬化剤を添加した組成物。
【0096】
▲3▼共重合体[E]、[F]成分および[C]成分を必須成分とし、場合により後述する任意添加成分を含有する組成物。
【0097】
▲4▼上記▲3▼の組成物にさらに[G]成分を含有させた組成物。
【0098】
▲1▼および▲2▼の組成物は上記第1の組成物に相当する。▲3▼および▲4▼の組成物は上記第2の組成物に相当する。
【0099】
第1の組成物中における各成分の配合割合は、以下の通りである。
【0100】
第1の組成物中に含有される[B]成分の配合割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の量である。この範囲の使用量において、十分な硬度を有する保護膜が得られる。
【0101】
[C]成分の配合割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満のときは、フラーレン類による耐熱性、低収縮性および誘電率の効果が発現しにくい。一方、20重量部を超える場合は、フラーレン類自体の吸収が強くなり、透明性が低下するとともに、カラーフィルター平坦性能が低下する場合がある。
【0102】
上記▲1▼の第1の組成物は、長期安定性に優れる。
【0103】
上記第1の組成物は、使用に際して[D]硬化剤をさらに添加して▲2▼の組成物とした後、後述する方法により保護膜を形成することができる。このようにして形成された保護膜は、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まず、および下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れる。
【0104】
[D]硬化剤は通常、適当な溶媒に溶解した状態で使用される。溶液中の[D]硬化剤の濃度は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。ここで使用できる溶媒としては、前述の共重合体[B]の製造で使用される溶媒として例示したものと同様なものを使用できる。硬化剤の添加量は、共重合体[A]100重量部当たり、好ましくは20〜60重量部、より好ましくは20〜50重量部である。この範囲の使用量において、組成物は良好な硬化特性を示すこととなり、得られる保護膜の諸物性を損なうことがない。
【0105】
なお、▲2▼の組成物、すなわち[D]硬化剤を添加した第1の組成物は、通常24時間以内に使用に供される。
【0106】
上記第2の組成物中における各成分の配合割合は、以下の通りである。
【0107】
第2の組成物中に含有される[F]成分の配合割合は、共重合体[E]100重量部に対して、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部の量で用いられる。この範囲の使用量において、十分な硬度の保護膜を得ることができる。
【0108】
[C]成分の配合割合は、共重合体[E]100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満のときは、フラーレン類による耐熱性、低収縮性および誘電率の効果が発現しにくい。一方、20重量部を超える場合は、フラーレン類自体の吸収が強くなり、透明性が低下するとともに、カラーフィルター平坦性能が低下する場合がある。
【0109】
上記▲3▼の第2の組成物は、[G]熱および/または放射線により酸を発生する化合物をさらに含有させ、▲4▼の第2の組成物とすることができる。
【0110】
▲4▼の組成物に含有される[G]成分の量は、共重合体[E]100重量部当たり、好ましくは20重量部以下、より好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲の使用量において組成物は良好な硬化特性を示し、得られる保護膜の諸物性を損なうことはない。
【0111】
上記▲3▼および▲4▼の第2の組成物は、後述する方法により保護膜に形成することができる。このようにして形成された保護膜は、低誘電率、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、などを満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まず、および下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れる。
【0112】
任意添加成分
本発明の組成物は、上記した諸態様をとりうるが、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて上記以外の他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、界面活性剤、接着助剤等を挙げることができる。
【0113】
上記界面活性剤は、組成物の塗布性を向上するために添加される。
【0114】
このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤;シリコーン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類の如きノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0115】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレンアリールエーテル類としては、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンジアルキルエステル類としては、例えばポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等が挙げられる。
【0116】
このような界面活性剤の市販品としては、例えばフッ素系界面活性剤として、BM CHIMIE社製 商品名:BM−1000、BM−1100、大日本インキ化学工業(株)社製 商品名:メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、住友スリーエム(株)社製 商品名:フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、旭硝子(株)社製商品名:サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106等;シリコーン系界面活性剤として、東レシリコーン(株)社製 商品名:SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190、信越化学工業(株)社製 商品名:KP341、新秋田化成(株)社製 商品名:エフトップEF301、同EF303、同EF352等;その他の界面活性剤として、共栄社化学(株)社製 商品名:(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.90等を挙げることができる。
【0117】
これらの界面活性剤の添加量は、上記第1の組成物に添加する場合にあっては共重合体[A]100重量部当たり、上記第2の組成物に添加する場合にあっては共重合体[E]100重量部当たり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の量が5重量部を超える場合は、塗布工程において塗膜の膜荒れが生じやすくなる場合がある。
【0118】
上記接着助剤は、形成される保護膜と基板との密着性を向上させるために添加される。
【0119】
このような接着助剤としては、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく用いられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0120】
このような接着助剤は、上記第1の組成物に添加する場合にあっては共重合体[A]100重量部当たり、上記第2の組成物に添加する場合にあっては共重合体[E]100重量部当たり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が30重量部を超える場合は、得られる保護膜の耐熱性が不十分となる場合がある。
【0121】
溶媒
本発明の組成物は、各成分を、好ましくは適当な溶媒中に均一に溶解または分散することにより調製される。使用される溶媒としては、組成物の各成分を溶解または分散し、各成分と反応しないものが用いられる。
【0122】
このような溶媒としては、前述の共重合体[A]を製造する際に使用される溶媒として例示したものと同様のものを使用することができる。溶媒の使用量は、本発明の組成物中の全固形分の含有量が好ましくは1〜50重量部、より好ましくは5〜40重量部となるような範囲である。
【0123】
また、前記溶媒とともに高沸点溶媒を併用することができる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
【0124】
高沸点溶媒を併用する際の使用量は、全溶媒量に対して、好ましくは90重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下である。
【0125】
上記のようにして調製された組成物は、孔径0.2〜3.0μm、好ましくは孔径0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
【0126】
保護膜の形成
次に、本発明の組成物を用いて本発明の保護膜を形成する方法について説明する。
【0127】
本発明の第1の組成物および第2の組成物は、それぞれ、基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、加熱処理をすることにより目的とする保護膜を形成することができる。
【0128】
上記基板として使用できるものとしては、例えばガラス、石英、シリコン、樹脂等の基板を挙げることができる。樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、ならびに環状オレフィンの開環重合体およびその水素添加物の如き樹脂を挙げることができる。
【0129】
塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法、インクジェット法などの適宜の方法を採用することができる。
【0130】
上記プレベークの条件としては、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、好ましくは70〜90℃で1〜15分間程度の条件を採用できる。
【0131】
塗膜形成後の加熱処理は、ホットプレートやオーブンなどの適宜の加熱装置により実施することができる。処理温度としては、150〜250℃程度が好ましく、加熱装置としてホットプレート使用の場合は5〜30分間、オーブン使用の場合は、30〜90分間の処理時間を採用することが好ましい。
【0132】
一方、本発明の組成物が、[G]成分として感放射線酸発生剤を添加した上記第2の組成物である場合には、当該組成物を基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去して塗膜とした後、放射線照射処理(露光処理)を施すことにより目的とする保護膜を形成することができる。必要に応じて、露光処理後にさらに加熱処理を行ってもよい。
【0133】
この場合、上記と同様にして基板上に塗膜を形成することができる。
【0134】
上記放射線の照射処理において使用できる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を挙げることができる。190〜450nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。
【0135】
露光量は、好ましくは100〜20,000J/m2、より好ましくは1,000〜10,000J/m2である。
【0136】
このように形成された保護膜は、その膜厚が、好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.1〜6μm、さらに好ましくは0.1〜4μmである。なお、本発明の保護膜がカラーフィルターの段差を有する基板上に形成される場合には、上記の膜厚は、カラーフィルターの最上部からの厚さとして理解されるべきである。
【0137】
本発明の保護膜は、下記する実施例から明らかなように、低誘電率、低収縮性、密着性、表面硬度、透明性、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などを満たすと共に、熱のかかった状態での荷重によっても凹まず、また下地基板上に形成されたカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜として好適である。
【0138】
【実施例】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0139】
共重合体[A]の製造
以下、本発明に使用される共重合体[A]の製造例を合成例1および2に示す。
【0140】
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2−アゾビスイソブチロニトリル6重量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン6重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きグリシジルメタクリレート80重量部およびスチレン20重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を95℃に上昇させ、この温度を4時間保持して共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は、8,000であった。
【0141】
合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2−アゾビスイソブチロニトリル6重量部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン10.0重量部およびプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート200重量部を仕込んだ。引き続きグリシジルメタクリレート50重量部およびメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル50重量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を95℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(A−2)の重量平均分子量(Mw)は、6,000であった。
【0142】
共重合体[E]の製造
以下、本発明に使用される共重合体[E]の製造例を合成例3および4に示す。
【0143】
合成例3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン25重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル45重量部およびメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル10重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(E−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(E−1)の重量平均分子量(Mw)は、6,000であった。
【0144】
合成例4
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きスチレン18重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびシクロヘキシルマレイミド22重量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(E−2)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.0%であった。また、共重合体(E−2)の重量平均分子量(Mw)は、12,000であった。
【0145】
合成例5(C−1)
C60のベンゼン溶液(溶液60重量部中にC60を0.08重量部含有するもの。)60重量部、25規定NaOH水溶液2重量部および40重量%のテトラブチルアンモニウム水溶液0.3重量部をフラスコにとり、空気中、室温にて攪拌した。攪拌開始後数分のうちに反応混合物のうちのベンゼン層は初期の紫色を失い、無色になり、それとともに茶色の析出物が生じた。この析出物を濾別し、60℃にて3時間減圧にて乾燥、脱溶し、褐色の固体を得た。この褐色固体についてマススペクトルを測定したところ、式C60(OH)n(n=20〜30)で表されるフラーレン誘導体の混合物であった。このフラーレン誘導体を(c−1)とする。
【0146】
合成例6(C−2)
C60のトルエン溶液(溶液100重量部中にC600.1重量部を含有するもの。)100重量部、ブロモマロン酸エステル0.064重量部および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.072重量部をフラスコにとり、窒素気流下30分攪拌した。得られた反応溶液を蒸発乾固させた後、クロマトグラフィー法によって未反応のC60を取り除いた。反応物を再びトルエンに溶解した溶液(溶液30重量部中に反応物0.095重量部を含有するもの。)30重量部に水素化ナトリウム0.040重量部を加え窒素気流下、60℃で3時間攪拌した。次いで、室温に冷却後、メタノール3.0重量部を加えると、褐色の沈殿が得られた。この褐色沈殿を濾過し、1規定塩酸で洗浄して、褐色の固体を得た。この褐色固体についてマススペクトル法で分析したところ、式C60(C(COOH)2)n(n=1〜3)で表されるフラーレン誘導体の混合物であった。このフラーレン誘導体を(C−2)とする。
【0147】
合成例7(C−3)
0.54mmol/L濃度のC60のベンゼン溶液10重量部中に、SUNBRIGHT MEPA−50H(日本油脂(株)製、一端にメトキシ基を有し別の一端にアミノ基を有するポリエチレングリコール、分子量5,000)のベンゼン溶液(溶液10重量部中にSUNBRIGHT MEPA−50Hを5重量部含有するもの)10重量部を加え、25℃にて24時間、遮光条件下で撹拌した。反応終了後、反応溶液を凍結乾燥して生成物を得た。IR、UV、1H NMRおよび13C NMRの測定結果から、C60表面に式−NH(OCH2CH2)nOCH3(ただし、n=100(平均値)で表される基を有するフラーレン誘導体であった。このフラーレン誘導体を(C−3)とする。
【0148】
第1の組成物の調製および評価
実施例1
上記合成例1で得られた共重合体(A−1)を含む溶液(共重合体(A−1)100重量部(固形分)に相当する量)に、[B]成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂「エピコート157S65」(商品名、油化シェルエポキシ(株)製)20.0重量部、[C]成分として合成例6で得られたフラーレン誘導体(C−1)10.0重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を加え、さらに固形分濃度が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して第1の組成物を調製した。
【0149】
保護膜の形成
上記のようにして調製した組成物に、[D]成分として無水トリメリット酸35重量部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル65重量部に溶解させたものを加え、保護膜形成用組成物を調製した。ここで調製した組成物は、無色透明であった。
【0150】
スピンナーを用いて上記組成物を、SiO2ディップガラス基板上に塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して膜厚2.0μmの保護膜を形成した。
【0151】
保護膜の評価
▲1▼透明性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、分光光度計(150−20型ダブルビーム(日立製作所(株)製))を用いて400〜800nmの透過率を測定した。400〜800nmの透過率の最小値を表1に示した。この値が95%以上のとき、保護膜の透明性は良好といえる。
【0152】
▲2▼耐熱寸法安定性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、オーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の膜厚を測定した。下記式にしたがって算出した耐熱寸法安定性を表1に示した。この値が95%以上のとき、耐熱寸法安定性は良好、つまり低収縮性といえる。
【0153】
耐熱寸法安定性=(加熱後の膜厚)/(加熱前の膜厚)×100(%)
【0154】
▲3▼耐熱変色性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、オーブン中250℃で1時間加熱し、加熱前後の透明性を、上記▲1▼と同様にして測定した。下記式にしたがって算出した耐熱変色性を表1に示した。この値が5%以下のとき、耐熱変色性は良好といえる。
【0155】
耐熱変色性=加熱前の透過率−加熱後の透過率(%)
【0156】
▲4▼表面硬度の測定
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により保護膜の表面硬度を測定した。この値を表1に示す。この値が4Hまたはそれより硬いとき、表面硬度は良好といえる。
【0157】
▲5▼ダイナミック微小硬度の測定
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、島津ダイナミック微小硬度計DUH−201((株)島津製作所製)を用い、稜角115°三角圧子(ヘルコビッチ型)の押し込み試験により、保護膜のダイナミック微小硬度を、荷重:0.1gf、速度:0.0145gf/sec.、保持時間:5sec.、温度は23℃および140℃の測定条件で測定した。結果を表1に示す。
【0158】
▲6▼密着性の評価
上記のようにして形成した保護膜を有する基板について、プレッシャークッカー試験(120℃、湿度100%、4時間)を行った後、JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法により保護膜の密着性(SiO2に対する密着性)を評価した。碁盤目100個中、残った碁盤目の数を表1に示した。
【0159】
▲7▼平坦化性の評価
SiO2ディップガラス基板上に、顔料系カラーレジスト(商品名「JCR RED 689」、「JCR GREEN 706」、「CR 8200B」、以上、ジェイエスアール(株)製)をスピンナーにより塗布し、ホットプレート上で90℃、150秒間プレベークして塗膜を形成した。その後、所定のパターンマスクを介して、露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/m2の露光量で照射し、0.05%水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、超純水にて60秒間リンスした後、さらにオーブン中で230℃にて30分間加熱処理して、赤、緑、および青の3色のストライプ状カラーフィルター(ストライプ幅100μm)を形成した。
【0160】
このカラーフィルターが形成された基板表面の凹凸を、表面粗さ計「α−ステップ」(商品名:テンコール社製)で測定したところ、1.0μmであった。ただし、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5で測定した。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5で測定した(合計のn数は10)。
【0161】
この上に、上記保護膜形成用組成物をスピンナーにて塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理し、カラーフィルターの上面からの膜厚が2.0μmの保護膜を形成した。
【0162】
上記のようにして形成した、カラーフィルター上に保護膜を有する基板について、接触式膜厚測定装置α−ステップ(テンコールジャパン(株)製)にて保護膜の表面の凹凸を測定した。ただし、測定長2,000μm、測定範囲2,000μm角、測定点数n=5で測定した。すなわち、測定方向を赤、緑、青方向のストライプライン短軸方向および赤・赤、緑・緑、青・青の同一色のストライプライン長軸方向の2方向とし、各方向につきn=5で測定した(合計のn数は10)。各測定ごとの最高部と最底部の高低差(nm)の10回の平均値を表1に示した。この値が300nm以下のとき、平坦化性は良好といえる。
【0163】
▲8▼誘電率の評価
研磨したSUS304製基板上にスピンナーを用いて、組成物溶液(S−1)を塗布した後、80℃にて5分間ホットプレート上でプレベークして膜厚2.0μmの塗膜を形成した。この基板をクリーンオーブン内にて230℃で1時間焼成することにより、硬化膜を得た。
この硬化膜について、蒸着法によりPt/Pd電極パターンを形成させ誘電率測定用サンプルを作成した。該基板を周波数10kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーターを用いてCV法により当該基板の比誘電率を測定した。結果を表1に示した。この値が3.3以下のとき、誘電率は良好といえる。
【0164】
実施例2〜5および比較例1、2
組成物の各成分の種類および量を表1に記載の通りとし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(S−1)の代わりに表1に記載の溶媒を使用して表1記載の固形分濃度に合わせた他は、実施例1と同様にして組成物を調製した。
【0165】
その組成物に、[D]成分として無水トリメリット酸35重量部をジエチレングリコールメチルエチルエーテル65重量部に溶解させたものを加え、保護膜形成用組成物を調製した。ここで調製した組成物の外観を、表1に示した。
【0166】
上記のように調製した保護膜形成用組成物を使用し、実施例1と同様に保護膜を形成し、評価した。結果を表1に示した。
【0167】
なお、表1において、各成分の添加量は重量部であり、表中の「−」は、該当する成分を添加していないことを表す。
【0168】
また、[B]成分、溶媒の略称はそれぞれ以下のものを表す。
【0169】
B−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)
B−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート828)
S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−2:ジエチレングリコールモノメチルエチルアセテート
【0170】
【表1】
【0171】
[G]成分を含有しない第2の組成物の調製および評価
実施例6
[E]成分として上記合成例3で得られた共重合体(E−1)を含む溶液(共重合体(E−1)100重量部(固形分)に相当する量)に、[F]成分としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)20.0重量部、[C]成分として合成例6で得られたフラーレン誘導体(C−1)10.0重量部、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を混合し、固形分濃度が20.0%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(S−1)を添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して第2の組成物を調製した。ここで調製した組成物の外観は、無色透明であった。
【0172】
保護膜の形成と評価
上記のようにして調製した組成物を、スピンナーによってSiO2ディップガラス基板上に塗布した後、ホットプレート上で80℃、5分間プレベークして塗膜を形成し、さらにオーブン中で230℃にて60分間加熱処理して保護膜を形成した。
【0173】
また、実施例1に記載の方法と同様にしてカラーフィルターを形成した基板上に、上記と同様にして保護膜を形成した。
【0174】
これらの保護膜を有する基板を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
実施例7、8および比較例3、4
組成物の各成分の種類および量を表2に記載の通りとし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの代わりに表2に記載の溶媒を使用した他は、実施例6と同様にして組成物を調製した。
【0175】
ここで調製した組成物の外観を、表2に示した。
【0176】
上記のように調製した組成物を使用し、実施例6と同様にして保護膜を形成し、評価した。結果を表2に示した。
【0177】
[G]成分を含有する第2の組成物の調製および評価
実施例9
[E]成分として上記合成例4で得られた共重合体(E−2)を含む溶液(共重合体(E−1)100重量部(固形分)に相当する量)に、[F]成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート828)10.0重量部、[C]成分として合成例7で得られたフラーレン誘導体(C−2)10.0重量部、[F]成分としてトリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル10.0重量部、[G]成分としてベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート2重量部、および界面活性剤としてSH−28PA(東レシリコーン(株)製)0.1重量部を混合し、固形分濃度が20.0%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルを添加した後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して[G]成分を含む第2の組成物を調製した。
【0178】
ここで得られた組成物の外観を表2に示した。
【0179】
上記のように調製した組成物を使用して実施例6と同様に保護膜を形成し、評価した。結果を表2に示した。
【0180】
実施例10
組成物の各成分の種類および量を表2に記載の通りとした他は、実施例6と同様にして組成物を調製した。
【0181】
ここで調製した組成物の外観を表2に示す。
【0182】
上記組成物溶液をSiO2ディップガラス基板上に、スピンナーを用いて塗布した後、80℃で5分間ホットプレート上でプレベークを行って塗膜を形成した。
【0183】
次いで、形成された塗膜に露光機Canon PLA501F(キャノン(株)製)を用いてghi線(波長436nm、405nm、365nmの強度比=2.7:2.5:4.8)をi線換算で2,000J/m2の露光量で照射した。さらにオーブン中230℃で60分間加熱し、保護膜を形成した。
【0184】
また、実施例1に記載の方法と同様にしてカラーフィルターを形成した基板上に、上記と同様に塗布、プレベーク、露光および加熱の各工程を実施して保護膜を形成した。
【0185】
これらの保護膜を有する基板を用いて、実施例6と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
【0186】
なお、表2において、各成分の添加量は重量部であり、表中の「−」は、該当する成分を添加していないことを表す。
【0187】
また、[F]成分、[G]成分、および溶媒の略称は、それぞれ以下のものを表す。
【0188】
F−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 商品名:エピコート157S65)
F−2:トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
G−1:ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート
G−2:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート
S−3:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−4:ジエチレングリコールジメチルエーテル
【0189】
【表2】
【0190】
【発明の効果】
本発明によれば、保護膜として従来から要求される諸特性、具体的には、低誘電率、低収縮性、密着性、表面硬度、透明性、耐熱寸法安定性、耐熱変色性、耐スパッタ性を満たすと共に、熱のかかった状態で荷重によって凹まないこと、および下地基板であるカラーフィルターの段差を平坦化する性能に優れた光デバイス用保護膜形成材料として好適な組成物、およびそれから形成された保護膜を得ることができる。
Claims (6)
- [A](a1)エポキシ基含有不飽和化合物および(a2)(a1)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、
[B][A]成分以外のカチオン重合性化合物、ならびに
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、
を含有することを特徴とする硬化性組成物。 - さらに[D]硬化剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1に記載の組成物および[D]硬化剤を混合し、その混合物を基板上に塗布し、次いで熱および/または放射線で処理する、ことを特徴とする保護膜の形成方法。
- [E](e1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、(e2)エポキシ基含有不飽和化合物、ならびに(e3)(e1)および(e2)以外のオレフィン系不飽和化合物の共重合体、
[C]フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体、ならびに
[F][E]成分以外のカチオン重合性化合物
を含有することを特徴とする硬化性組成物。 - さらに[G]熱および/または放射線により酸を発生する化合物を含有する請求項4に記載の組成物。
- 請求項2、4または5に記載の組成物より形成された保護膜。
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