JP2000066017A - カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、カラーフィルターならびに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、カラーフィルターならびに液晶表示装置

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JP2000066017A
JP2000066017A JP10233286A JP23328698A JP2000066017A JP 2000066017 A JP2000066017 A JP 2000066017A JP 10233286 A JP10233286 A JP 10233286A JP 23328698 A JP23328698 A JP 23328698A JP 2000066017 A JP2000066017 A JP 2000066017A
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color filter
thermosetting resin
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JP10233286A
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Kunihiko Nakada
邦彦 中田
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Akiko Nomura
章子 野村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保存安定性が良好で、1液化することが可能な
カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、表面平坦
性に優れるカラーフィルターおよび液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成
物を、密閉した容器内で、101.325kPa、20
℃の条件で7日間保存した場合の粘度変化率が0〜3%
の範囲とし、また該カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶
液組成物により透明保護膜を形成したカラーフィルタ
ー、該カラーフィルターを用いた液晶表示装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用バッファ
コート、層間絶縁膜、パッシベーション膜等に適用でき
るカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、カラー
フィルターおよび液晶表示装置に関するものであり、特
に液晶表示装置におけるカラーフィルターなどの透明保
護膜を形成するのに好適であり、一液で使用可能なエポ
キシ系カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、平
坦性に優れたカラーフィルターおよび該カラーフィルタ
ーを使用した液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶素子に色分解用カラーフィル
ターを組み合わせたカラー液晶表示素子が多々提案され
ている。ここで、カラーフィルターとは、光透過性基板
上に形成された赤、緑、青の3原色の画素を一絵素とし
た多数の絵素から構成され、各画素間には、表示コント
ラストを高めるために、一定の幅をもつ遮光領域(ブラ
ックマトリクス)が設けられているものであり、必要に
応じて、透明保護膜や透明電極を配しているものもあ
る。透明保護膜には、カラーフィルターの表面を平坦化
する能力(平坦化特性)、下層を構成する光透過性基
板、画素、および、ブラックマトリクスとの接着性、上
層を構成する透明電極などとの接着性、液晶セルを構成
するための封止剤との接着性、画素不純物成分の遮断
性、平滑性、耐光性、耐湿熱性、耐溶剤性、耐薬品性、
耐熱性、および液晶セルを製造する際の基板貼り合わせ
工程における耐圧性、強靱性等の幅広い特性が要求され
る。
【0003】とくに、液晶表示装置に、高視野角化、高
速応答化などの高性能化が要求される場合には、カラー
フィルターの平坦性が重要となるため、透明保護膜の平
坦化特性の向上が望まれる。
【0004】このような透明保護膜として、従来、シロ
キサンポリマー、シリコーンポリイミド、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等が使用されてきたが、平坦化特性に
優れていることからエポキシ樹脂が使用される場合が多
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ樹脂は、反応
性に富んだエポキシ化合物の硬化反応により生成する。
その硬化反応は、エポキシ化合物それ自身の開環重合に
よるホモポリマーの生成と、硬化剤との重付加によるコ
ポリマーの生成に区別される。前者は、硬化促進剤を作
用した重合により硬化が進行するのに対し、後者は、硬
化促進剤が存在する、または存在しない条件で、硬化剤
とエポキシ樹脂を重付加させることにより、硬化が促進
する。いずれの硬化反応においても、室温において反応
が徐々に進むため、粘度が上昇するなど保存安定性に問
題があり、使用直前にエポキシ化合物と硬化促進剤、あ
るいは、硬化剤を混合する2液型の溶液として使用され
る必要があった。
【0006】本発明はかかる従来技術の欠点を改良し、
極めて保存安定性がよく一液化して保存することが可能
なカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、および
該カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物により形
成される透明保護膜を使用した平坦性に優れたカラーフ
ィルター、該カラーフィルターを使用した液晶表示装置
を提供することをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は次のような構成をとる。
【0008】すなわち、密閉した容器内で、101.3
25kPa、20℃の条件で7日間保存した場合の粘度
変化率が0〜3%の範囲にあることを特徴とするカラー
フィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物である。
【0009】特に上記カラーフィルター用熱硬化性樹脂
溶液組成物が、一液であること、エポキシ化合物と、硬
化促進剤と、硬化抑制剤とからなること、エポキシ化合
物として、脂環式エポキシ化合物を含有すること、脂環
式エポキシ化合物の硬化反応が、カチオン開環重合であ
ること、硬化促進剤として、酸発生剤を含有すること、
硬化促進剤として、スルホニウム塩類、シラノール類、
金属キレート化合物の少なくとも1種を含有すること、
硬化促進剤が、エポキシ化合物100重量部に対して
0.1〜20重量部含有されること、硬化促進剤が、次
の一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシラン類
あるいは該オルガノアルコキシシラン類の加水分解物、
および/または、加水分解縮合物と金属キレート化合物
の組合せであること、 R1 nSi(OR24-n (1) (ここで、R1 は、アルキル基、ビニル基、フェニル
基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
あり、R2 は、水素、アルキル基から選ばれる有機基で
あり、nは1〜3の整数を示す。)、硬化促進剤が、一
般式(1)で表されるオルガノアルコキシシラン類ある
いは該オルガノアルコキシシラン類の加水分解物および
/または加水分解縮合物100重量部、金属キレート化
合物0.1〜20重量部からなること、硬化抑制剤とし
て、β−ジケトン、β−ケト酸エステル類、塩基性化合
物の少なくとも1種を含有すること、硬化促進剤が、一
般式(1)で表されるオルガノアルコキシシラン類ある
いは該オルガノアルコキシシラン類の加水分解物、およ
び/または、加水分解縮合物と金属キレート剤の組合せ
であり、硬化促進剤1重量部に対し硬化抑制剤を0.0
9〜10重量部含むことが好ましい。
【0010】また、本発明のカラーフィルターは、少な
くとも、遮光部となるブラックマトリクスと、開口部に
画素を形成する3原色の着色層および透明保護膜から構
成されるカラーフィルターにおいて、透明保護膜が上記
カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物を用いて形
成されたものである。
【0011】上記各カラーフィルターにおいて、ブラッ
クマトリクス上の一部に3原色のすべて、あるいは一部
からなる着色層の積層により形成された複数個のドット
状スペーサーを有すること、透明電極層が透明保護膜を
介して着色層上に設けられること、配向膜が最上層に設
けられること、画素の長軸方向の中心部において、着色
層がブラックマトリックスと重なった部分と、開口部の
最も低い部分との高低差が0.15μm以下で、かつ着
色層がブラックマトリクスと重なった部分から開口部へ
向かう傾斜の最大角度が2゜以下であること、カラーフ
ィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物がエポキシ化合物
と、硬化促進剤と、硬化抑制剤とからなり、エポキシ化
合物として用いられる脂環式エポキシ化合物の硬化反応
がカチオン開環重合であり、画素の長軸方向の中心部に
おいて、着色層がブラックマトリックスと重なった部分
と、開口部の最も低い部分との高低差が0.12μm以
下で、かつ着色層がブラックマトリクスと重なった部分
から開口部へ向かう傾斜の最大角度が1.5゜以下であ
ること、ブラックマトリクスが、遮光剤を樹脂中に分散
したものであること、ブラックマトリクスあるいは着色
層の樹脂成分がポリイミドからなることが好ましい。
【0012】本発明の液晶表示装置は、上記カラーフィ
ルターを使用したことを特徴とするものであり、特に薄
膜トランジスタにより液晶を駆動することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルター用熱硬
化性樹脂溶液組成物は、密閉した容器内で、101.3
25kPa、20℃の条件で7日間保存した場合の粘度
変化率が0〜3%の範囲にあることを特徴とするもので
ある。粘度変化率が3%を超えると、保存安定性が悪
く、一液で使用可能な熱硬化性樹脂溶液組成物とはなら
ず、本発明の目的は達成されない。
【0014】このようなカラーフィルター用熱硬化性樹
脂溶液組成物としては、エポキシ化合物と、硬化促進剤
と硬化抑制剤から構成されるものが好ましく挙げられ
る。
【0015】ここで、エポキシ化合物としては、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポ
キシ化合物、フェノールノボラックエポキシ化合物、ク
レゾールノボラックエポキシ化合物、トリスヒドロキシ
フェニルメタン型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合
物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジル
アミン系エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物など
が使用できるが、低分子量化が平坦化特性向上には重要
であることから考えて、エポキシ当量が200以下のエ
ポキシ化合物を主に用いることが好ましい。ここで、エ
ポキシ当量とは、エポキシ基1モル当たりのグラム数を
表すものであり、エポキシ当量が小さい化合物ほど、分
子量が低いことを意味する。
【0016】また、エポキシ化合物としては、上記エポ
キシ当量が200以下のエポキシ化合物のみを使用する
ことが可能であるが、塗膜の接着性、強靱性などの観点
から、エポキシ当量が200より大きいエポキシ化合物
を含んでいても良い。しかしながら、平坦化特性を良好
に保つため、エポキシ当量が200より大きいエポキシ
化合物の含有量は、エポキシ化合物全体の40%以下と
するのが好ましく、30%以下とするとより好ましい。
【0017】平坦性、膜硬度、耐溶剤性、耐昇華性など
の観点から、エポキシ化合物として脂環式エポキシ化合
物を使用することが好ましく、特に該脂環式エポキシ化
合物がカチオン開環重合により硬化するものであること
が好ましい。
【0018】また硬化促進剤は、カラーフィルター用熱
硬化性樹脂溶液組成物中、0.1〜10重量%、より好
ましくは0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜
3重量%含まれることが好ましい。添加量が少なすぎる
と透明保護膜の硬化が十分に進行しない。添加量が多す
ぎると硬化促進剤が析出し膜が白濁したり、着色した
り、塗膜表面が荒れる等の問題が生じる。硬化促進剤と
しては、特に限定はなく、通常エポキシ樹脂の硬化に際
して用いられるものをそのまま使用することができる。
【0019】具体的には、塩酸等の無機酸、酢酸、シュ
ウ酸等の有機酸、トリエチルアミン等の第3級アミン、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−
2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフ
ェニルホスフィン等のホスフィン類、スルホニウム塩
類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のシラ
ノール類、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、
アルミニウムトリスエチルアセトネート等の有機アルミ
ニウム化合物類、テトラブチルジルコネート、ブトキシ
トリスアセチルアセトナートジルコニウム等の有機ジル
コニウム類、ジブチルスズラウリレート、ジブチルスズ
オクチエート、ジブチルスズアセテート、ジオクチルス
ズラウレート等の有機スズ化合物類の金属キレート化合
物、BF3等ルイス酸またはルイス塩基等が挙げられ
る。エポキシ化合物のカチオン開環重合は収縮が小さく
て、平坦化能が高くなるので、硬化促進剤は酸発生剤で
あることが好ましい。酸発生剤の中でも、本発明のカラ
ーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物を、カラーフィ
ルター用透明保護膜に使用する場合、可視光領域におい
て高い透過率が要求されるため、スルホニウム塩類、シ
ラノール類、金属キレート化合物の少なくとも1種を使
用することが好ましい。
【0020】さらに本発明者らは、透明保護膜の平坦化
特性を向上させるために、カラーフィルター用熱硬化性
樹脂溶液組成物の構成成分を低分子量化すること、およ
び、硬化反応での塗膜収縮を小さくすることが重要であ
ることに着目し、検討を重ねた結果、本発明において、
特に硬化促進剤としてオルガノアルコキシシランを使用
することが、構成成分を低分子量化すると共に、エポキ
シ化合物の開環付加反応による硬化反応で、硬化収縮の
抑制を達成し、高い平坦化特性を有する透明保護膜を与
えるカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物を提供
できる点で好ましいことを見い出した。
【0021】この時、オルガノアルコキシシランとして
は、次の一般式(1)で表されるオルガノアルコキシシ
ラン類、あるいは該オルガノアルコキシシラン類の加水
分解物および/または加水分解縮合物が挙げられ、金属
キレート化合物と組合せて用いることが好ましい。
【0022】 R1 nSi(OR24-n (1) (ここで、R1 は、アルキル基、ビニル基、フェニル
基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
あり、R2 は、水素、アルキル基から選ばれる有機基で
あり、nは1〜3の整数を示す。)オルガノアルコキシ
シラン類の具体的な例としては、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン
などが挙げられるが、これらに限定されない。また、エ
ポキシ化合物との相溶性を高めるために、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシランなどのエポキシ基含有オルガノア
ルコキシシランを使用することができる。これらのオル
ガノアルコキシシランは、単独で、または、複数のもの
を併用して使用することができる。また、これらのオル
ガノアルコキシシラン類は、そのままの状態で使用でき
るが、加水分解物、加水分解縮合物の状態でも使用でき
る。加水分解は、オルガノアルコキシシラン類に水を加
えて、低温で反応させることにより行い、加水分解縮合
は、オルガノアルコキシシラン類に水を加えて、加熱す
ることにより、水とアルコールを留去することにより行
う。ここで、加水分解、加水分解縮合には、酸触媒を添
加してもよい。
【0023】これらのオルガノアルコキシシランの中
で、カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物の溶剤
中に、水、アルコールなどの低沸点溶剤が残存しないと
いう点から、加水分解縮合物を使用することが好まし
い。
【0024】特に硬化促進剤が、上記オルガノアルコキ
シシラン類、あるいは該オルガノアルコキシシラン類の
加水分解物および/または加水分解縮合物100重量部
と金属キレート化合物0.1〜20重量部の割合で構成
されることが好ましい。金属キレート化合物が多すぎる
と、粘度変化率が高くなり、かつ塗膜の透明性を損な
う。少なすぎると塗膜の硬化が十分でない。
【0025】また、本発明のカラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物における、エポキシ化合物と硬化促進
剤の混合比率は、エポキシ化合物100重量部に対し
て、オルガノアルコキシシラン0.1〜20重量部、好
ましくは、0.5〜15重量部、より好ましくは、1〜
10重量部である。オルガノアルコキシシランが少なす
ぎると、エポキシ化合物の硬化が不十分およびガラス基
板との密着性が弱くなり、また、多すぎると、塗膜の強
靱性が低下するため、好ましくない。
【0026】また、硬化抑制剤としては、β−ジケトン
類、β−ケト酸エステル類および塩基性化合物が好まし
く挙げられ、硬化促進剤1重量部に対して、0.09〜
10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、さらに
好ましくは3〜4重量部含まれることが好ましい。添加
量が少なすぎると保存安定性が十分でなく、多すぎると
逆に平滑性、透明性等膜物性の低下を引き起こす。これ
らの硬化抑制剤が、室温または低温領域では、硬化促進
剤として本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液
組成物に含まれる酸発生剤に配位し、超強酸の発生を防
ぐとともに、熱を加えると、酸発生剤に配位している硬
化抑制剤が揮発し、超強酸が発生し急激に硬化が促進す
る。
【0027】ここでβ−ジケトン類、β−ケト酸エステ
ル類の具体例としては、アセチルアセトン、ベンゾイル
アセトン、ジベンゾイルアセトン、メチルアセトアセテ
ート、エチルアセトアセテート、ベンゾイルアセトアセ
テート、エチルベンゾイルアセテート、メチルベンゾイ
ルアセテートなどが挙げられ、塩基性化合物の具体例と
しては炭酸カルシウム、アルミナなどのフィラー、アミ
ン変性物などが挙げられる。特に硬化促進剤として、ス
ルホニウム塩類、シラノール類を使用した場合、塩基性
化合物が、金属キレート化合物を使用した場合、β−ジ
ケトン類、β−ケト酸エステル類が有効である。
【0028】さらに本発明のカラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物には、溶剤として、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエー
テル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ−
3−メチルブチルアセテート、エチレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトンなどのエス
テル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどのアミド類、2−ピロリドン、N
−メチルピロリドンなどのピロリドン類などを含むこと
ができる。これらの中で、エステル系高沸点溶剤が透明
保護膜の平坦化特性の点から好ましく、単独で、また
は、2種類以上を混合して使用することができる。特
に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの溶
剤が高沸点、かつ、保存安定性の観点から好ましい。ま
た、本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成
物の固形分(樹脂成分)濃度については、塗布方法や溶
解性の観点から、10〜70%が好ましく、より好まし
くは15〜60%、さらに好ましくは20〜50%であ
る。
【0029】また、本発明のカラーフィルター用熱硬化
性樹脂溶液組成物には、塗布性、および、乾燥性を良好
にする目的で、界面活性剤を添加することができる。界
面活性剤の添加量は、通常、樹脂100重量部に対して
0.01〜10重量部であり、好ましくは0.03〜1
重量部である。添加量が少なすぎると、塗布性、乾燥性
の改良効果がなく、多すぎると逆に塗布性の不良や、塗
膜の強靱性低下を引き起こす。
【0030】界面活性剤の具体例としては、ジメチルシ
リコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなど
のシリコーンオイル類、アルキル、フッ素変性シリコー
ンオイル、ポリエーテル、アルコール変性シリコーンオ
イル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリ
コーンオイル、フェノール、カルボキシ、メルカプト変
性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル類、ラ
ウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面
活性剤、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドな
どの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキ
サイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイ
ミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非
イオン界面活性剤などが挙げられる。本発明では、これ
らに限定されずに、上記のような界面活性剤を1種、ま
たは、2種以上組み合わせて用いることができる。
【0031】さらに、本発明のカラーフィルター用熱硬
化性樹脂溶液組成物には、塗膜の強靱性および屈折率を
向上させる目的で、無機酸化物微粒子、無機金属アルコ
キシド、無機金属キレートなどを含有していてもよい。
【0032】無機酸化物微粒子の具体例としては、Ti
2、Sb25、ZrO2、Al23、SiO2、Nb2
5、PbO、Bi23、SnO2、ZnO、MnO2、H
fO2、Ta25、WO3、Tl2O、In23、Ge
2、TeO2、La23、Ce23、Pr23、Nd2
3等が挙げられるが、保存安定性、着色性の点から、
TiO2、Sb25、Al23、ZrO2、SiO2が好
ましい。
【0033】これらの無機酸化物微粒子の粒径は、透明
保護膜の透明性の点から、可視光の波長よりも小さいこ
とが必要であり、粒径の好適な範囲は、5〜200n
m、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜
50nmである。
【0034】また、無機金属アルコキシド、無機金属キ
レートとしては、チタンイソプロピレート、チタンブチ
レート、チタンアセチルアセトネート、チタンアルキル
アセトアセテート、ジルコニウムイソプロピレート、ジ
ルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネ
ート、ジルコニウムアルキルアセトアセテート、タンタ
ルイソプロピレート、タンタルブチレート、タンタルア
セチルアセトネート、タンタルアルキルアセトアセテー
ト、ハフニウムイソプロピレート、ハフニウムブチレー
ト、ハフニウムアセチルアセトネート、ハフニウムアル
キルアセトアセテート等が挙げられるがこれらに限定さ
れない。
【0035】無機酸化物微粒子、無機金属アルコキシ
ド、無機金属キレートの含有量が少なすぎると強靱性向
上が十分でなく、多すぎると透明性、平坦化特性の点か
ら好ましくない。したがって、これらの添加物の含有量
の好適な範囲は、樹脂100重量部に対し、3〜100
重量部、好ましくは3〜70重量部、より好ましくは5
〜50重量部である。
【0036】また、これらの無機物の導入により、本発
明のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物により
形成されるカラーフィルター用透明保護膜と、ガラス基
板や透明電極との熱膨張率の相違が小さくなるため、カ
ラーフィルター用透明保護膜と透明電極との接着力が向
上する。従って、カラーフィルター用透明保護膜と透明
電極との間にSiO2膜の様な無機中間膜を設ける必要
がなくなり、カラーフィルターの製造時間の短縮やコス
トの低減が図れる利点もある。
【0037】次にカラーフィルターについて説明する。
本発明のカラーフィルターは、少なくとも、遮光部とな
るブラックマトリクスと、開口部に画素を形成する3原
色の着色層および透明保護膜から構成されるカラーフィ
ルターであり、透明保護膜が、上記カラーフィルター用
熱硬化性樹脂溶液組成物により形成されるものである。
【0038】特に、ブラックマトリクス上の一部に3原
色のすべて、あるいは一部からなる着色層の積層により
形成された複数個のドット状スペーサーを有することが
好ましい。ドット状スペーサーは、液晶表示装置製造工
程上のスペーサー散布を不要にするものであり、歩留ま
り向上に大きく寄与する。
【0039】また、画素の長軸方向の中心部において、
着色層がブラックマトリックスと重なった部分と、開口
部の最も低い部分との高低差(以下、高低差と略する)
が0.15μm以下で、かつ着色層がブラックマトリク
スと重なった部分から開口部へ向かう傾斜の最大角度
(以下、最大傾斜角と略する)が2゜以下であることが
好ましい。
【0040】本発明のカラーフィルターの一例について
図を用いて説明する。
【0041】図1(a)は、本発明のカラーフィルター
の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図を
示す。本発明のカラーフィルターは、ガラス4上に形成
されたブラックマトリクス1と着色層2と透明保護膜5
から構成されており、ブラックマトリクスには、開口部
3が存在する。
【0042】図1において、A−A’断面、すなわち、
開口部に形成された画素の長軸方向の中心部の断面にお
いて、高低差6が0.15μm以下で、かつ、最大傾斜
角7が2゜以下であれば、液晶表示装置において、カラ
ーフィルターの表面の凹凸に基ずく表示不良は観察され
ない。高低差が0.15μmより大きくなれば、液晶表
示装置の2枚の基板の間隔(セルギャップ)を制御する
ビーズスペーサーの支持が不安定となり、ビーズスペー
サーの移動などにより、表示不良が引き起こされること
がある。一方、最大傾斜角が2゜より大きくなれば、液
晶のプレチルト角が乱れ、表示不良が発生することがあ
る。
【0043】このようなカラーフィルター表面の平坦性
は、カラーフィルターの構成に関係なく必要とされるも
のである。
【0044】特に、カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶
液組成物がエポキシ化合物と、硬化促進剤と、硬化抑制
剤とからなり、エポキシ化合物として用いられる脂環式
エポキシ化合物の硬化反応がカチオン開環重合であり、
画素の長軸方向の中心部において、高低差が0.12μ
m以下で、かつ最大傾斜角が1.5゜以下であることが
より好ましい。
【0045】さらにカラーフィルターが、透明保護膜を
介して着色層上に透明電極層が設けられたものであるこ
と、また配向膜が最上層に設けられたものであることが
好ましい。
【0046】次に本発明のカラーフィルターの各構成要
素について詳しく述べる。
【0047】ブラックマトリクスは画素間の遮光領域で
あり、液晶表示装置のコントラスト向上などの役割を果
たすものであるが、微細なパターンからなる金属薄膜よ
り形成されることが多い。金属としては、Cr、Ni、
Alなどが使用される。金属薄膜の形成方法としては、
スパッタ法や真空蒸着法などが広く用いられている。ま
た、微細なパターンについては、金属薄膜上に、フォト
リソグラフィ法によりフォトレジストのパターンを形成
した後、このレジストパターンをエッチングマスクとし
て金属薄膜のエッチングを行うことにより得られる。
【0048】ところが、金属薄膜により形成されたブラ
ックマトリクスは、製造コストが高く、カラーフィルタ
ーそのものの価格を引き上げる原因となっている。さら
に、ブラックマトリクス用金属薄膜として一般的に用い
られているCrは、反射率が高いため、外光の強い場所
ではCrの反射光により表示品位が著しく低下するとい
う問題をもつ。また、ブラックマトリクスの反射率を低
減するために、Crと光透過性基板の間に酸化クロムの
層を設ける方法が提案されているが、製造コストの面か
らみて、好ましくない。
【0049】そのため、樹脂ブラックマトリクスとして
は、遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクス
を使用することが好ましい。
【0050】樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光
剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、四酸化
鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉の他
に、赤、青、緑色の顔料混合物などを用いることができ
る。この中でも、とくにカーボンブラックは、遮光性に
優れており、好ましい。
【0051】遮光剤としてカーボンブラックを使用する
場合、色調を無彩色とするため、カーボンブラックの補
色の顔料を混合することが好ましい。補色用の顔料とし
ては、青色顔料および紫色顔料を、それぞれ単独で、あ
るいは両者を混合して使用することができる。
【0052】遮光剤として、カーボンブラックとカーボ
ンブラックに対して補色の顔料を用いた場合には、高い
遮光性を得るために、遮光剤中にしめるカーボンブラッ
クの割合を、50重量%以上にするのが好ましく、より
好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量
%以上である。
【0053】カーボンブラックの補色として使用する代
表的な顔料の例をカラーインデックスナンバーで示す。
青色顔料の例としては、ピグメントブルー15、15:
1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、
21、22、60、64などが挙げられるが、とくにピ
グメントブルー15、15:1、15:2、15:6が
好ましい。紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレ
ット19、23、29、31、32、33、36、3
7、39、43、50などが挙げられるが、とくに、ピ
グメントバイオレット23、31、33、43、50が
好ましい。
【0054】これ以外にも、緑色顔料、黄色顔料、オレ
ンジ色顔料なども適宜添加しても構わないが、遮光剤中
にしめる割合としては、10重量%以下が好ましい。こ
れ以上にすると、ブラックマトリクスの膜厚あたりの遮
光性が低下して好ましくない。
【0055】樹脂ブラックマトリクスに使用される樹脂
としては、アクリル系、エポキシ系などの透明樹脂を使
用することができるが、塗膜の耐熱性、耐光性、耐溶剤
性からみて、ポリマーとしては、ポリイミドを使用する
ことが好ましい。
【0056】ポリイミドは、ポリアミック酸を加熱する
ことなどにより得ることができる。従って樹脂ブラック
マトリクス用溶液においては、ポリマーとしてポリアミ
ック酸を使用することが好ましい。
【0057】ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。
【0058】このとき用いられるテトラカルボン酸二無
水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系のもの
を用いることができ、その具体的な例として、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテ
トラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−
1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族系のも
のを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミ
ック酸を得ることができ、その具体的な例として、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペ
リレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,
4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,
4,4’’−パラターフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3’’,4,4’’−メタターフェニルテトラ
カルボン酸二無水物が挙げられる。また、フッ素系のも
のを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換
しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な
例として、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデ
ン)ジフタル酸無水物などが挙げられる。なお、本発明
においては、これらに限定されず、テトラカルボン酸二
無水物を1種または2種以上用いることができる。
【0059】また、ジアミンとして、たとえば、脂肪族
系または脂環式系のものを用いることができ、その具体
的な例として、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,
4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’
−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルなど
が挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱
性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることが
でき、その具体的な例として、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−
ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド、m−
フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4
−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,
6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3’−ジメチ
ルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−
トリジン、4,4’’−ジアミノターフェニル、1,5
−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ンなどが挙げられる。また、フッ素系のものを用いる
と、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリ
アミック酸を得ることができ、その具体的な例として、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
【0060】また、ジアミンの一部として、シロキサン
ジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にする
ことができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミ
ン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの
量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎ
れば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例と
しては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシ
ロキサンなどが挙げられる。
【0061】本発明においては、これらに限定されず、
ジアミンを1種または2種以上用いることができる。
【0062】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得ら
れるポリアミック酸の重合度を調節することができる。
【0063】このほか、テトラカルボン酸ジクロライド
とジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩
酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得る
など、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。
【0064】このようにして得られる樹脂ブラックマト
リクスは、遮光性を確保するために、1μm程度の膜厚
が必要である。したがって、樹脂ブラックマトリクスを
使用したカラーフィルターにおいては、樹脂ブラックマ
トリクスの膜厚に基づくカラーフィルター表面段差を低
減し、平坦性を向上させるため、透明保護膜が設けられ
る。該透明保護膜を、本発明のカラーフィルター用熱硬
化性樹脂溶液組成物から得られる塗膜とすることによ
り、本発明の目的とするカラーフィルター表面の平坦性
を達成することが可能となる。
【0065】一方、3原色の着色層については、色素を
樹脂中に分散したものを用いることができる。使用でき
る色素としては、赤、橙、黄、緑、青、紫などの顔料や
染料が挙げられるが、これらに限定されず、3原色を表
すために適当なものを組み合わせて使用することができ
る。また、樹脂としては、アクリル系、エポキシ系など
の透明樹脂を使用することができるが、塗膜の耐熱性、
耐光性、耐溶剤性からみて、ポリイミドを使用すること
が好ましい。
【0066】また、透明電極層は、通常、インジウム・
錫酸化物(ITO)が使用される。なお透明電極層は、
液晶を駆動させるために必要なものであるが、横電界駆
動の表示方式の液晶表示装置では、透明電極層はカラー
フィルター側には必要でないため、透明電極を設けない
カラーフィルターが使用される。
【0067】配向膜を形成する場合は、ポリイミド、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール等の有機樹脂膜をラビ
ングしたものでよい。
【0068】本発明のカラーフィルターは、基板上に樹
脂ブラックマトリックスを形成した後、着色層を形成し
さらにその上に透明保護膜を形成することにより製造さ
れる。
【0069】この時、樹脂ブラックマトリックス、着色
層は、塗液を基板上に、ディップ法、ロールコータ法、
スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーによる
方法などによって塗布し、オーブンやホットプレートを
用いて加熱乾燥および硬化を行い、こうして得られた塗
布膜に、フォトリソグラフィーなどの方法を用いてパタ
ーン加工し形成される。透明保護膜は、本発明のカラー
フィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物を前記カラーフィ
ルター上にディップ法、ロールコータ法、スピナー法、
ダイコーティング法、ワイヤーバーによる方法などによ
り塗布し、加熱乾燥および硬化を行い形成される。
【0070】本発明の液晶表示装置は、本発明のカラー
フィルターを使用したことを特徴とするものである。ま
た、本発明のカラーフィルターは、カラー液晶表示装置
に用いられることから、本発明の液晶表示装置の駆動に
は、薄膜トランジスタ(TFT)を使用することが好ま
しい。
【0071】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0072】(実施例1)ビニルトリメトキシシラン
562.07gをプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート 700gに溶解したのち、水 20
4.89g、シュウ酸0.05gを加えた。得られた混
合物を、120℃で2時間加熱し、水とメタノールを留
去して、加水分解縮合を進行させた。その後、エバポレ
ーターで水とメタノールをさらに留去した。得られた加
水分解縮合物9.6g(固形分濃度30%)にセロキサ
イド2021P(ダイセル化学製)22.4gとプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート 48
g、アルミニウムトリスアセチルアセトネート0.32
g、アセチルアセトン0.96gを加えて、カラーフィ
ルター用熱硬化性樹脂溶液組成物(A1)を得た。得ら
れた溶液を東機産業製(RE110L)粘度計によって
25℃、20rpmの条件で測定された粘度は2.70
cpsであった。101.325kPa、20℃の密閉
容器内で7日間放置した後、粘度を測定すると、2.7
5cpsであった。粘度変化率は1.8%/7日であっ
た。得られた溶液を、孔径0.2μmのメンブレンフィ
ルターで濾過した後、スピナーを用いてガラス基板上に
塗布し、150℃の恒温槽にて10分間、230℃の恒
温槽にて30分間加熱処理し、塗膜を硬化させた。得ら
れた塗膜の表面は極めて平滑であり、ピンホールなどは
全く見られなかった。
【0073】A1を透明保護膜として用いたカラーフィ
ルターの作成方法を以下に示す。
【0074】(樹脂ブラックマトリクス層の作成)温度
計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装
置、および、攪拌装置を付した20Lの反応釜に、γ−
ブチロラクトン 16644.1g、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル 600.7g(3.0mo
l)、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン 67
0.2g(2.7mol)、ビス−3−(アミノプロピ
ル)テトラメチルシロキサン 74.6g(0.3mo
l)を投入し、釜を30℃に加熱した。30分後、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物 644.4g(2.0mol)、ピロメリット酸
二無水物 641.3g(2.94mol)、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
294.2g(1.0mol)を投入し、釜を58℃
に加熱した。3時間後、無水マレイン酸 11.8g
(0.12mol)を添加し、58℃でさらに1時間加
熱することにより、ポリアミック酸のNMP溶液(P
1)を得た。
【0075】カーボンブラック 4.6g、ポリアミッ
ク酸溶液(P1) 24.0g、N−メチルピロリドン
61.4gをガラスビーズ 90gとともにホモジナ
イザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、
ガラスビーズを濾過により除去し、カーボンブラックミ
ルベースを得た。
【0076】また、ピグメントブルー15:6 2.2
g、ポリアミック酸溶液(A3)24.0g、N−メチ
ルピロリドン 63.8gをガラスビーズ 90gとと
もにホモジナイザーを用い、7000rpmで30分間
分散処理後、ガラスビーズを濾過により除去し、青顔料
ミルベースを得た。
【0077】得られた両ミルベースを全量混合すること
により、樹脂ブラックマトリクス用ペーストを得た。
【0078】樹脂ブラックマトリクス用ぺーストを無ア
ルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上にスピンコート
し、50℃で10分間、90℃で10分間、110℃で
20分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.3μmのポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上
にポジ型フォトレジスト(東京応化社製OFPR−80
0)を塗布し、80℃で20分間加熱乾燥して膜厚1μ
mのレジスト膜を得た。キャノン社製紫外線露光機PL
A−501Fを用い、クロム製のフォトマスクを介し
て、波長365nmでの強度が50mJ/cm2の紫外
線を照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像
液に浸漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着
色被膜の現像を同時に行った。エッチング後、不要とな
ったフォトレジスト層をメチルセロソルブアセテートで
剥離した。さらにこのようにして得られたポリイミド前
駆体着色被膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処
理し、膜厚1.0μmのポリイミド着色パターン被膜を
得た。
【0079】(着色層の作成)次に、赤、緑、青の顔料
として、それぞれ、ピグメントレッド177、ピグメン
トグリーン36、ピグメントブルー15:6を用意し、
ポリアミック酸溶液(A3)と混合分散し、赤、青、緑
の3種類の着色ペーストを得た。
【0080】得られた赤ペーストを樹脂ブラックマトリ
クス基板上にスピンコートし、50℃で10分間、90
℃で10分間、110℃で20分間オーブンを用いて空
気中で加熱乾燥して、膜厚1.2μmのポリイミド前駆
体着色膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東
京応化社製OFPR−800)を塗布し、80℃で20
分間加熱乾燥して膜厚1.1μmのレジスト膜を得た。
キャノン社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、ク
ロム製のフォトマスクを介して、波長365nmでの強
度が50mJ/cm2の紫外線を照射した。露光後、テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38
wt%の水溶液からなる現像液に浸漬し、フォトレジス
トおよびポリイミド前駆体着色被膜の現像を同時に行っ
た。エッチング後、不要となったフォトレジスト層をメ
チルセロソルブアセテートで剥離した。さらに、このよ
うにして得られたポリイミド前駆体着色被膜を窒素雰囲
気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚1.0μmの
ポリイミド赤色パターン被膜を得た。
【0081】その後、同様にして、緑ペースト、青ペー
ストのパターンを形成し、赤、緑、青の3原色を有する
カラーフィルターを得た。
【0082】(透明保護膜の作成)得られたカラーフィ
ルターにカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物
(A1)をスピンコートし、100℃で5分、250℃
で30分加熱することにより、厚さ1.0μmの透明保
護膜とした。
【0083】東京精密(製)サーフコム1500Aを用
いて、得られたカラーフィルターの表面形状を観察した
結果、高低差は0.13μm、最大傾斜角は1.7゜で
あった。
【0084】(液晶表示装置の作成)さらに、得られた
カラーフィルターを中性洗剤で洗浄した後、ポリイミド
樹脂からなる配向膜を印刷法により塗布し、ホットプレ
ートで250℃、10分間加熱した。膜厚は0.07μ
mであった。この後、カラーフィルター基板をラビング
処理し、シール剤をディスペンス法により塗布、ホット
プレートで90℃、10分間加熱した。
【0085】一方、ガラス上にTFTアレイを形成した
基板も同様に洗浄した後、配向膜を塗布、加熱する。そ
の後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、前記
カラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧
しながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化
させる。このセルを120℃、13.3Paで4時間、
続いて、窒素中で0.5時間放置した後に、再度真空下
において液晶注入を行った。液晶注入は、セルをチャン
バーに入れて、室温で13.3Paまで減圧した後、液
晶注入口を液晶に漬けて、窒素を用いて常圧に戻すこと
により行った。液晶注入後、紫外線硬化樹脂により、液
晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラ
ス基板の外側に貼り付け、セルを完成させた。さらに、
得られたセルをモジュール化して、横電界駆動の液晶表
示装置を完成させた。得られた液晶表示装置を観察した
結果、表示不良はないことがわかった。
【0086】(比較例1)アセチルアセトンを添加しな
い以外は実施例1と同様に行った。実施例1と同様に粘
度を測定すると、2.70cpsから0.3日後にはゲ
ル化し、一液で保存することはできなかった。
【0087】(実施例2)実施例1で得られたビニルト
リメトキシシランの加水分解縮合物9.6gに、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量180〜1
90)9.6g、セロキサイド2021P(ダイセル化
学製)12.8gとプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート 48g、アルミニウムトリスアセチ
ルアセトネート0.32g、アセチルアセトン0.96
gを加えてカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物
(A2)を得た。実施例1と同様に粘度を測定すると、
3.40cpsから7日後3.45cpsに変化した。
粘度変化率は1.5%/7日であった。A2を透明保護
膜として実施例1と同様にカラーフィルターを作成し
た。実施例1と同様に得られたカラーフィルターの表面
形状を観察した結果、高低差は0.08μm、最大傾斜
角は1.2゜で、実施例1と同様に液晶表示装置を作成
し、観察した結果、表示不良はないことがわかった。
【0088】(比較例2)アセチルアセトンを添加しな
い以外は実施例2と同様に行った。実施例1と同様に粘
度を測定すると、3.4cpsから0.5日後にはゲル
化し、一液で保存することはできなかった。
【0089】(実施例3)実施例1で得られたビニルト
リメトキシシランの加水分解縮合物9.6gに、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量180〜1
90)9.6g、スチレンオキサイド(ダイセル化学
製)12.8gとプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート 48g、アルミニウムトリスアセチル
アセトネート0.32g、アセチルアセトン0.96g
を加えてカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物
(A3)を得た。実施例1と同様に粘度を測定すると、
3.1cpsから7日後3.19cpsに変化した。粘
度変化率は2.9%/7日であった。A3を透明保護膜
として実施例1と同様にカラーフィルターを作成した。
実施例1と同様に得られたカラーフィルターの表面形状
を観察した結果、高低差は0.13μm、最大傾斜角は
1.6゜で、実施例1と同様に液晶表示装置を作成し、
観察した結果、表示不良はないことがわかった。
【0090】(実施例4)実施例1で得られたビニルト
リメトキシシランの加水分解縮合物9.6gに、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量180〜1
90)9.6g、セロキサイド2021P(ダイセル化
学製)6.4g、スチレンオキサイド(ダイセル化学
製)12.8gとプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート 48g、アルミニウムトリスアセチル
アセトネート0.32g、アセチルアセトン0.96g
を加えてカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物
(A4)を得た。実施例1と同様に粘度を測定すると、
3.1cpsから7日後3.19cpsに変化した。粘
度変化率は2.9%/7日であった。A4を透明保護膜
として実施例1と同様にカラーフィルターを作成した。
実施例1と同様に得られたカラーフィルターの表面形状
を観察した結果、高低差は0.11μm、最大傾斜角は
1.3゜で、実施例1と同様に液晶表示装置を作成し、
観察した結果、表示不良はないことがわかった。
【0091】(実施例5)実施例1で得られたビニルト
リメトキシシランの加水分解縮合物9.6gに、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物(エポキシ当量180〜1
90)9.6g、セロキサイド2021P(ダイセル化
学製)6.4g、固形分濃度30%のSb25メタノー
ルゾル溶液21.3gとプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート 33.1g、アルミニウムトリ
スアセチルアセトネート0.32g、エチルアセトアセ
テート0.96gを加えてカラーフィルター用熱硬化性
樹脂溶液組成物(A5)を得た。実施例1と同様に粘度
を測定すると、4.20cpsから7日後4.31cp
sに変化した。粘度変化率は2.6%/7日であった。
A5を透明保護膜として実施例1と同様にカラーフィル
ターを作成した。実施例1と同様に得られたカラーフィ
ルターの表面形状を観察した結果、高低差は0.08μ
m、最大傾斜角は1.2゜であった。
【0092】(透明電極層の作成)さらにこの後、スパ
ッタリング法により、透明保護膜上にITOを製膜した
ところ、膜厚が1400オングストロームで、表面抵抗
が15Ω/□のITOが得られた。
【0093】また、得られたカラーフィルターを使用し
て、実施例1と同様の手順により、液晶表示装置を作成
したが、表示不良はなかった。
【0094】(比較例3)エチルアセトアセテートを添
加しない以外は実施例5と同様に行った。実施例1と同
様に粘度を測定すると4.20cpsから0.5日後に
はゲル化した。一液で保存することはできなかった。
【0095】(実施例6)γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン 20gを15℃に冷却し、0.
01Nの塩酸水溶液2.91gを加え、30分間攪拌し
た。得られた溶液に、ビスフェノールA型エポキシ化合
物(エポキシ当量180〜190)133.6gと、フ
ェノールノボラック型エポキシ化合物(エポキシ当量1
72〜178)133.6gとプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート 572.6g、アルミニ
ウムトリスアセチルアセトネート1.0gにエチルアセ
トアセテート11.4gを加えて溶解し、カラーフィル
ター用熱硬化性樹脂溶液組成物(A6)を得た。実施例
1と同様に粘度を測定すると、7.40cpsから7日
後7.53cpsに変化した。粘度変化率は1.76%
/7日であった。A6を透明保護膜として実施例1と同
様にカラーフィルターを作成した。実施例1と同様に得
られたカラーフィルターの表面形状を観察した結果、高
低差は0.14μm、最大傾斜角は1.7゜で、実施例
5と同様に液晶表示装置を作成し、観察した結果、表示
不良はないことがわかった。
【0096】(比較例4)エチルアセトアセテートを添
加しない以外は実施例6と同様に行った。実施例1と同
様に粘度を測定すると、7.40cpsから7日後には
8.73cpsになった。粘度変化率は18%/7日で
あった。
【0097】(実施例7)エチルアセトアセテートの代
わりにメチルアセトアセテートを添加する(A7)以外
は実施例6と同様に行った。実施例1と同様に粘度を測
定すると、7.3cpsから7.43cpsに変化し
た。粘度変化率は1.81%/7日であった。A7を透
明保護膜として実施例1と同様にカラーフィルターを作
成した。実施例1と同様に得られたカラーフィルターの
表面形状を観察した結果、高低差は0.13μm、最大
傾斜角は1.6゜で、実施例5と同様に液晶表示装置を
作成し、観察した結果、表示不良はないことがわかっ
た。
【0098】(実施例8)チタンアセチルアセトネート
2gを実施例6で得られた溶液に添加する(A8)以外
は同様に行った。粘度を測定すると、6.80cpsか
ら7日後6.92cpsに変化した。粘度変化率は1.
74%/7日であった。A8を透明保護膜として実施例
1と同様にカラーフィルターを作成した。実施例1と同
様に得られたカラーフィルターの表面形状を観察した結
果、高低差は0.14μm、最大傾斜角は1.7゜で、
実施例5と同様に液晶表示装置を作成し、観察した結
果、表示不良はないことがわかった。
【0099】(実施例9)ジルコニウムベンゾイルアセ
トネート2gを実施例6で得られた溶液に添加する(A
9)以外は同様に行った。粘度を測定すると、6.72
cpsから7日後6.83cpsに変化した。粘度変化
率は1.68%/7日であった。A9を透明保護膜とし
て実施例1と同様にカラーフィルターを作成した。実施
例1と同様に得られたカラーフィルターの表面形状を観
察した結果、高低差は0.14μm、最大傾斜角は1.
7゜で、実施例5と同様に液晶表示装置を作成し、観察
した結果、表示不良はないことがわかった。
【0100】(実施例10)実施例9で作製したA9を
用いて透明保護膜を形成し、実施例1と同様にしてカラ
ーフィルターを作成した。この時、着色層の膜厚をすべ
て1.8μmとし、さらに、各着色層の形成と同時に樹
脂ブラックマトリクス上にスペーサーを形成した。な
お、形成したスペーサーは3原色が積層された形態をと
っている。実施例1と同様に得られたカラーフィルター
の表面形状を観察した結果、高低差は0.13μm、最
大傾斜角は1.6゜で、実施例5と同様に液晶表示装置
を作成し、観察した結果、表示不良はないことがわかっ
た。
【0101】
【発明の効果】本発明のカラーフィルター用熱硬化性樹
脂溶液組成物は、密閉した容器内で、101.325k
Pa、20℃の条件で7日間保存した場合の粘度変化率
が0〜3%の範囲にあることを特徴とするものであるた
め、極めて保存安定性が良好で、1液化することが可能
であり、該カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物
を用いて得られるカラーフィルターは表面の平坦性に優
れ、該カラーフィルターを用いた液晶表示装置は表示品
位に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のカラーフィルターの一例を示す
平面図、(b)上記平面図のA−A’断面図である。
【符号の説明】
1:ブラックマトリクス 2:着色層 3:開口部 4:ガラス 5:透明保護膜 6:高低差 7:最大傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA47 BB42 2H091 FA02Y FA35Y FB03 FB12 FB13 GA06 GA08 GA11 GA13 GA16 LA12 LA13 4J002 CD021 CD031 DE147 DE237 EC076 EE037 EE047 EH027 EV296 EX036 EX046 EX066 FD010 FD156 FD207 FD310 GQ00 4J036 AC02 AD08 AF06 AF08 AJ08 DA10 DB16 DB18 DC05 DC41 DD07 FA10 FA13 GA03 GA09 GA15 GA16 GA19 JA15

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉した容器内で、101.325kP
    a、20℃の条件で7日間保存した場合の粘度変化率が
    0〜3%の範囲にあることを特徴とするカラーフィルタ
    ー用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  2. 【請求項2】 一液であることを特徴とする請求項1に
    記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物と、硬化促進剤と、硬化
    抑制剤とからなることを特徴とする請求項1または2に
    記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物として、脂環式エポキシ
    化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載のカ
    ラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  5. 【請求項5】 脂環式エポキシ化合物の硬化反応が、カ
    チオン開環重合であることを特徴とする請求項4に記載
    のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  6. 【請求項6】 硬化促進剤として、酸発生剤を含有する
    ことを特徴とする請求項3〜5いずれか1項に記載のカ
    ラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  7. 【請求項7】 硬化促進剤として、スルホニウム塩類、
    シラノール類、金属キレート化合物の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする請求項3〜5いずれか1項に
    記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  8. 【請求項8】 硬化促進剤を、エポキシ化合物100重
    量部に対して、0.1〜20重量部含有することを特徴
    とする請求項7に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹
    脂溶液組成物。
  9. 【請求項9】 硬化促進剤が、次の一般式(1)で表さ
    れるオルガノアルコキシシラン類あるいは該オルガノア
    ルコキシシラン類の加水分解物、および/または、加水
    分解縮合物と金属キレート化合物の組合せであることを
    特徴とする請求項3〜8いずれか1項に記載のカラーフ
    ィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。 R1 nSi(OR24-n (1) (ここで、R1 は、アルキル基、ビニル基、フェニル
    基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
    あり、R2 は、水素、アルキル基から選ばれる有機基で
    あり、nは1〜3の整数を示す。)
  10. 【請求項10】 硬化促進剤が、次の一般式(1)で表
    されるオルガノアルコキシシラン類あるいは該オルガノ
    アルコキシシラン類の加水分解物、および/または、加
    水分解縮合物100重量部、金属キレート化合物0.1
    〜20重量部の組み合わせからなることを特徴とする請
    求項8に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組
    成物。 R1 nSi(OR24-n (1) (ここで、R1 は、アルキル基、ビニル基、フェニル
    基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
    あり、R2 は、水素、アルキル基から選ばれる有機基で
    あり、nは1〜3の整数を示す。)
  11. 【請求項11】 硬化抑制剤として、β−ジケトン、β
    −ケト酸エステル類、塩基性化合物の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする請求項3〜10いずれか1項
    に記載のカラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物。
  12. 【請求項12】 硬化促進剤が、一般式(1) R1 nSi(OR24-n (1) (ここで、R1 は、アルキル基、ビニル基、フェニル
    基、γ−グリシドキシプロピル基から選ばれる有機基で
    あり、R2 は、水素、アルキル基から選ばれる有機基で
    あり、nは1〜3の整数を示す。)で表されるオルガノ
    アルコキシシラン類あるいは該オルガノアルコキシシラ
    ン類の加水分解物、および/または、加水分解縮合物と
    金属キレート剤の組合せであり、硬化促進剤1重量部に
    対し硬化抑制剤を0.09〜10重量部含むことを特徴
    とする請求項11に記載のカラーフィルター用熱硬化性
    樹脂溶液組成物。
  13. 【請求項13】 少なくとも、遮光部となるブラックマ
    トリクスと、開口部に画素を形成する3原色の着色層お
    よび透明保護膜から構成されるカラーフィルターにおい
    て、透明保護膜が、密閉した容器内で、101.325
    kPa、20℃の条件で7日間保存した場合の粘度変化
    率が0〜3%の範囲にあるカラーフィルター用熱硬化性
    樹脂溶液組成物を用いて形成されたものであることを特
    徴とするカラーフィルター。
  14. 【請求項14】 ブラックマトリクス上の一部に3原色
    のすべて、あるいは、一部からなる着色層の積層により
    形成された複数個のドット状スペーサーを有することを
    特徴とする請求項13に記載のカラーフィルター。
  15. 【請求項15】 透明電極層が透明保護膜を介して着色
    層上に設けられたことを特徴とする請求項13または1
    4に記載のカラーフィルター。
  16. 【請求項16】 配向膜が最上層に設けられたことを特
    徴とする請求項13〜15いずれか1項に記載のカラー
    フィルター。
  17. 【請求項17】 画素の長軸方向の中心部において、着
    色層がブラックマトリックスと重なった部分と、開口部
    の最も低い部分との高低差が0.15μm以下で、かつ
    着色層がブラックマトリクスと重なった部分から開口部
    へ向かう傾斜の最大角度が2゜以下であることを特徴と
    する請求項13〜16いずれか1項に記載のカラーフィ
    ルター。
  18. 【請求項18】 カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液
    組成物がエポキシ化合物と、硬化促進剤と、硬化抑制剤
    とからなり、エポキシ化合物として用いられる脂環式エ
    ポキシ化合物の硬化反応がカチオン開環重合であり、画
    素の長軸方向の中心部において、着色層がブラックマト
    リックスと重なった部分と、開口部の最も低い部分との
    高低差が0.12μm以下で、かつ着色層がブラックマ
    トリクスと重なった部分から開口部へ向かう傾斜の最大
    角度が1.5゜以下であることを特徴とする請求項13
    〜16いずれか1項に記載のカラーフィルター。
  19. 【請求項19】 ブラックマトリクスが、遮光剤を樹脂
    中に分散したものであることを特徴とする請求項13〜
    18いずれか1項に記載のカラーフィルター。
  20. 【請求項20】 ブラックマトリクスあるいは着色層の
    樹脂成分がポリイミドからなることを特徴とする請求項
    13〜19いずれか1項に記載のカラーフィルター。
  21. 【請求項21】 少なくとも、遮光部となるブラックマ
    トリクスと、開口部に画素を形成する3原色の着色層お
    よび透明保護膜から構成されるカラーフィルターにおい
    て、透明保護膜が、密閉した容器内で、101.325
    kPa、20℃の条件で7日間保存した場合の粘度変化
    率が0〜3%の範囲にあるカラーフィルター用熱硬化性
    樹脂溶液組成物を用いて形成されたカラーフィルターか
    らなることを特徴とする液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 薄膜トランジスタにより液晶を駆動す
    ることを特徴とする請求項21に記載の液晶表示装置。
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