JP2001151892A - 有機けい素化合物重合体 - Google Patents

有機けい素化合物重合体

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JP2001151892A
JP2001151892A JP2000362478A JP2000362478A JP2001151892A JP 2001151892 A JP2001151892 A JP 2001151892A JP 2000362478 A JP2000362478 A JP 2000362478A JP 2000362478 A JP2000362478 A JP 2000362478A JP 2001151892 A JP2001151892 A JP 2001151892A
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organosilicon compound
polymer
iii
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compound
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JP2000362478A
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Katsuhiro Uehara
克浩 上原
Akira Yamamoto
昭 山本
Mikio Endo
幹夫 遠藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応性に優れかつシランカップリング剤や樹
脂改質剤として有用な有機けい素化合物重合体を提供す
る。 【構成】有機けい素化合物重合体は、下記式〔I〕 【化1】 で示される有機けい素化合物を開環重合することにより
得られ、組成式がC5123Siであり、下記式〔I
I〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕 (O1/2(CH23SiO3/2) 〔II〕 (O1/2(CH23Si(OCH3)O2/2) 〔III〕 (O1/2(CH23Si(OCH321/2) 〔IV〕 (O1/2(CH23Si(OCH33) 〔V〕 より選ばれる構成単位を含み、各構成単位がSi−O−
C結合でのみ連結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シランカップリング剤
や樹脂改質剤として有用である新規な有機けい素化合物
重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機けい素化合物は、シランカップリン
グ剤や樹脂改質剤として使用されている。シランカップ
リング剤としての有機けい素化合物にはガラス、金属等
の無機基材と、塗料、プラスチック等の有機基材との接
着強度の改良という用途がある。樹脂改質剤としての有
機けい素化合物には樹脂の表面物性および諸物性、例え
ば耐候性、耐薬品性、機械的強度、電気特性の改質とい
う用途がある。
【0003】有機けい素化合物に求められている用途は
多様化、高度化してきており、従来のものでは対応しき
れない。一般の有機化合物と比べて、有機けい素化合物
は製造方法が複雑であり、高価格である。そのため安価
であり、容易に製造できる新規な有機けい素化合物の開
発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、反応性に優れ、かつシラ
ンカップリング剤や樹脂改質剤として有用な有機けい素
化合物重合体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の有機けい素化合物重合体は、下記
式〔I〕
【化2】 で示される有機けい素化合物を開環重合することにより
得られ、組成式がC5123Siであり、下記式〔I
I〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕 (O1/2(CH23SiO3/2) 〔II〕 (O1/2(CH23Si(OCH3)O2/2) 〔III〕 (O1/2(CH23Si(OCH321/2) 〔IV〕 (O1/2(CH23Si(OCH33) 〔V〕 より選ばれる構成単位を含み、各構成単位がSi−O−
C結合でのみ連結される。
【0006】前記式〔I〕の有機けい素化合物の製造方
法は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
または(および)γ−アクリロキシプロピルトリメトキ
シシランの(メタ)アクリルシラン化合物をアルカリの
存在下で分解させるものである。γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランとγ−アクリロキシプロピル
トリメトキシシランは、安価で工業的に入手できる(メ
タ)アクリルシラン化合物である。(メタ)アクリルシ
ラン化合物が分解すると、目的物として〔I〕式で示さ
れる有機けい素化合物、および副生成物として(メタ)
アクリル酸エステルが生成する。
【0007】(メタ)アクリルシラン化合物としてγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用する
と、下記反応式〔VI〕に示すように、目的物としての有
機けい素化合物、および副生成物としてメタクリル酸メ
チルを生成する。
【0008】
【化3】
【0009】γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを使用すると、目的物としての有機けい素化合物、
および副生成物としてアクリル酸メチルが生成する。触
媒であるアルカリには、例えばナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられるが、入
手しやすい、取り扱いやすい、反応性が高い、不純物が
できない等の点でナトリウムメトキシドが最も好まし
い。アルカリ添加量は(メタ)アクリルシラン化合物に
対して0.1〜10重量%が望ましい。反応温度は10
〜250℃、好ましくは50〜200℃がよい。反応
後、減圧蒸留により化合物〔I〕を単離精製することが
できる。
【0010】この反応では、(メタ)アクリルシラン化
合物が自己重合しないように、フェノール系の安定剤、
例えばメトキシハイドロキノン、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−ter
t−ブチル−ハイドロキノン、2,2’−メチレン−ビ
ス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−
tert−ブチルフェノール)などや、N原子含有もし
くはS原子含有の安定剤、例えばフェノチアジン、2−
メルカプトベンゾイミダゾール、ジフェニレンジアミ
ン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、N,N’−ジフェ
ニルチオ尿素などを任意の量で存在させる。溶剤類の使
用は不用であり、水分の混入のない不活性ガス(N
アルゴン)中で操作することが好ましい。
【0011】前記の製造方法で得られた〔I〕式で示さ
れる有機けい素化合物から、開環重合させ組成式がC5
123Siであり、構成単位がSi−O−C結合での
み連結されている有機けい素化合物重合体が得られる。
各構成単位は前記式〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕
に示される通りである。開環重合は、下記反応式〔VI
I〕に示される1種のエステル交換反応であり、無溶
媒、無触媒で比較的容易に室温放置下でも進行するが、
加熱処理によりその進行をさらに加速させることができ
る。
【0012】
【化4】
【0013】加熱処理(高分子量化工程)については、
通常10〜200℃、好ましくは50〜150℃で1〜
50時間反応させるのが望ましいが、得られる重合体の
分子量は、100〜110℃、10〜20時間の加熱処
理によりエステル交換反応がほぼ平衡に達し、約500
00となる。この工程は常圧下または加圧下のいずれで
も実施できる。溶剤類の使用は不用であり、水分の混入
のない不活性ガス(N 、アルゴン)中で操作すること
が好ましい。
【0014】加熱処理の際、他の官能基を有するメトキ
シシラン類、例えば3−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシランなどを目的に応じて単
独でもしくは複合で添加すれば、有機けい素化合物はそ
れらのメトキシシラン類をとり込んだ形で高分子量化
し、新たな種々の用途に対応することが可能となる。
【0015】本発明の有機けい素化合物重合体を使用す
る際、基材への塗布様式、塗布手段および樹脂への添加
方法などは特に限定されるものではない。例えば、この
重合体を直接各種基材に塗布するのはもとより、溶剤に
溶解して塗布してもよく、適当な乳化剤を用いてエマル
ジョンのようにして使用することもできる。さらには、
他の有機けい素化合物と併用してもよい。樹脂に添加す
る方法として、直接添加法や、マスターバッチ法などの
インテグラルブレンドを適用することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の有機けい素化合物重合体は、反
応基材に対するシラン処理時間を短縮することができ
る。したがって、シランカップリング剤や樹脂改質剤と
してより有効である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0018】還流冷却器、分留頭、蒸留塔、冷却トラッ
プ、温度計を備えた1リットルの蒸留用ガラス製三口フ
ラスコに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン700g、ナトリウムメトキシドの28%メタノー
ル溶液7g、ジメチルジチオカルバミン酸銅2.5g、
2,2−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−
ブチルフェノール)2.5gを一括に仕込み、減圧下で
徐々に加熱した。しだいに、冷却トラップに無色透明の
留分が捕集されていった。これはほとんどがメタクリル
酸メチルであった。捕集量が約300gになった時点で
圧力を1〜2mmHgに調整し、温度を120℃程度に
すると、塔頂温度約60度を示す無色透明の留分が得ら
れた。さらに160℃になるまで加熱を続け、塔頂温度
60〜80℃の留分を381g留去させた。得られた化
合物は、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンに対して91.2%の収率をとり、ガスクロマトグラ
フィーによって分析したところ99.43%の単一成分
であった。この化合物の質量スペクトル測定を行なっ
た。
【0019】・質量スペクトル:(m/e) 148(M+) 147((M−H)+) 120((M−C24+) 以上の分析結果から、得られた化合物が分子量148で
あり、〔I〕式で示される有機けい素化合物であること
が確認された。このものは室温下でも容易に高分子量化
していくため、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペク
トルなどの分析が難しいが、残存するモノマーをガスク
ロマトグラフィー、質量スペクトルにより分析すること
は可能であった。
【0020】前記化合物をN雰囲気下にて110℃で
20時間加熱したところ、化合物は高粘度のオイル状物
質に変化した。テトラヒドロフランを展開溶媒としてオ
イル状物質をゲルパーミェイションクロマトグラフィー
で分析したところ、オイル状物質の分子量は約5000
0であった。
【0021】このオイル状物質の赤外吸収スペクトル、
H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペ
クトル、29Si−核磁気共鳴スペクトル測定を重水素
化したクロロホルム(CDCl3)中で行なった。ま
た、元素分析を行なった。
【0022】・赤外吸収スペクトル:(cm-1) 1084(SiOCH3) 2493(C−H) 2840(SiOCH3) 前記の赤外吸収スペクトルの測定結果は、スペクトルチ
ャートとして図1に示されている。
【0023】・H−核磁気共鳴スペクトル:δ(pp
m) 0.55(2H、C−C−CH2−Si) 1.58(2H、C−CH2−Si) 3.45〜3.48(6H、SiOCH3) 3.62(2H、CH2−C−C−Si) 前記のH−核磁気共鳴スペクトルの測定結果は、スペ
クトルチャートとして図2に示されている。
【0024】・13C−核磁気共鳴スペクトル:δ(p
pm) 4.83〜5.58(Ca、O1/2CH2CH2a2
i) 25.53〜2569(Cb、O1/2CH2b2CH2
i) 50.35(Cc、SiOCc) 64.77〜64.93(Cd、O1/2d2CH2CH2
Si) 前記の13C−核磁気共鳴スペクトルの測定結果は、ス
ペクトルチャートとして図3に示されている。
【0025】 ・29Si−核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm) −41.90(O1/2(CH23Si(OCH33) 〔V〕 −43.15(O1/2(CH23Si(OCH321/2)〔IV〕 −44.39(O1/2(CH23Si(OCH3)O2/2) 〔III〕 −45.60(O1/2(CH23SiO3/2) 〔II〕 前記の29Si−核磁気共鳴スペクトルの測定結果は、
スペクトルチャートとして図4に示されている。また、
各シグナルのピーク高より、各構成単位の比は〔II〕:
〔III 〕:〔IV〕:〔V〕=1:5:5:3と概算され
た。
【0026】また、元素分析の結果もほぼ理論値(組成
式C5123Si)通りであった。
【0027】 以上の分析結果から、得られた化合物が下記式〔II〕、
〔III〕、〔IV〕、〔V〕 (O1/2(CH23SiO3/2) 〔II〕 (O1/2(CH23Si(OCH3)O2/2) 〔III〕 (O1/2(CH23Si(OCH321/2) 〔IV〕 (O1/2(CH23Si(OCH33) 〔V〕 で示される構成単位を含む有機けい素化合物重合体であ
ることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する実施例で得られた有機けい素
化合物重合体の赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図2】本発明を適用する実施例で得られた有機けい素
化合物重合体のH−核磁気共鳴スペクトルを示す図で
ある。
【図3】本発明を適用する実施例で得られた有機けい素
化合物重合体の13C−核磁気共鳴スペクトルを示す図
である。
【図4】本発明を適用する実施例で得られた有機けい素
化合物重合体の29Si−核磁気共鳴スペクトルを示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幹夫 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔I〕 【化1】 で示される有機けい素化合物を開環重合することにより
    得られ、組成式がC5123Siであり、下記式〔I
    I〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕 (O1/2(CH23SiO3/2) 〔II〕 (O1/2(CH23Si(OCH3)O2/2) 〔III〕 (O1/2(CH23Si(OCH321/2) 〔IV〕 (O1/2(CH23Si(OCH33) 〔V〕 より選ばれる構成単位を含み、各構成単位がSi−O−
    C結合でのみ連結される有機けい素化合物重合体。
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