JP2001126147A - 販売時点顧客対応個別情報提供装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品を購入した顧客に、その商品に関する詳
細な情報や他の有益な情報をその場で渡すことにより、
顧客満足度を向上させる。 【解決手段】 顧客が持参した顧客カードを読取／書込
部１４で読み取り、顧客属性ファイル１２１及び購入履
歴ファイル１２２を検索して、氏名等のデータと過去の
購入履歴データとを読み出す。また購入商品のバーコー
ドを読取部１６で読取り、商品属性ファイル１２３を検
索して商品データを読み出す。主制御部１１は、これら
データを基にメッセージＤＢ１２４から適当な定型文を
読み出してきて組合せ、更には必要に応じて氏名等のデ
ータの差込を行い、該顧客に特化したメッセージを作成
して、プリンタ１８に印字出力させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、商品を購入したり
サービスの提供を受けたりした顧客に対して、購入した
商品やサービスに関する情報等をタイムリーに提供し、
顧客満足度を上げて販売促進につなげると共に、効果的
な宣伝・広告を行うための販売時点顧客対応個別情報提
供装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】店舗等において確実に売上げを確保する
には、新規顧客の開拓と共に、従来からの顧客の回帰率
を高めることが重要である。このような目的のために、
例えばその店舗でのみ利用できる顧客カードを発行し、
当該店舗での買い物額に応じてサービスポイントを付与
し、そのポイント数に応じて現金の代わりに使用できる
商品券を顧客に提供するようなシステムが実用化されて
いる。また、来店した顧客に対して特定の商品の値引き
を行うディスカウントクーポンを発行したり、特別な安
売りを行う旨の印刷物（いわゆるチラシ）を手渡したり
することも一般に行われている。このような宣伝・広告
手法は、その店舗に来店した又はその店舗を利用した顧
客に対してのみ行われるという点において、新聞の折り
込み広告等により特定地域に居住する人に無差別に宣伝
を行うよりもかなり有効であることは確かである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように配布される印刷物は全ての顧客に対し同一の内容
のものであるから、単発的な安売り等の宣伝には有効で
あっても、特定の店舗に対していわゆる「馴染み」感を
向上させ顧客満足度を高める、というものではなかっ
た。そのため、一時的に顧客増加を図って売上げを高め
ることはできたとしても、例えば同種の他店舗で同様の
安売りを行えばすぐに顧客は減少してしまうことにな
る。即ち、いわゆる顧客の囲い込みを行って、安定した
売上げを確保するには従来の方法は十分とは言えないも
のであった。

【０００４】なお、顧客が商品を購入した際に、販売員
が客層コードを入力すると、その客層に応じたメッセー
ジが選択されて売上明細と共にレシートに印刷される、
という情報提供機能を有するＰＯＳシステムが特開平５
−１８２０７７号公報に開示されている。このようなシ
ステムによれば、顧客が商品を購入したその場で、その
顧客の客層に応じた商品の宣伝・広告を行うことができ
る。しかしながら、このような情報提供方法では、顧客
は単に客層毎に区別された情報を入手できるだけである
から、上述したように来店時にチラシ等を配布するのと
あまり変わらず、必ずしも顧客満足度を高めるのには寄
与しないものであった。

【０００５】本発明はこのような点に鑑みて成されたも
のであり、その主たる目的は、商品を購入したりサービ
スの提供を受けたりした顧客に対して、購入商品又は提
供サービスに関する情報や顧客が必要とする個別の情報
を的確に提供することにより、その店舗や企業体、組織
等に対する顧客満足度を高め、ひいては固定顧客を確実
に確保することができる販売時点顧客対応個別情報提供
装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、例えば顧客が
来店して商品を購入したりサービスの提供を受けたりし
た際に、その場でその顧客に特化した情報を顧客に手渡
すための販売時点顧客対応個別情報提供装置を提供す
る。ここでいう販売時点とは、例えば顧客が或る店舗又
は施設に来店又は来所して商品を購入したりサービスの
提供を受けたりした場合には、その顧客が当該店舗又は
施設を出るまでの期間である。このときに提供されるサ
ービスは有料であるとは限らず、公共施設等が提供する
無料のサービスであってもよい。また、顧客が電話やイ
ンターネット等で商品を注文した場合には、その注文か
ら実際にその商品が顧客に届けられる時点までの期間を
いう。この場合、商品が届けられた時点で支払いが完了
しているとは限らないから、販売時点とは必ずしも支払
いが完了していることを意味しない。

【０００７】即ち、本発明に係る第１の販売時点顧客対
応個別情報提供装置は、 a)顧客に関する情報を取得する顧客情報取得手段と、 b)顧客が商品を購入又はサービスを受けた際に、その商
品又はサービスに関する情報を取得する商品情報取得手
段と、 c)予め複数の定型文を記憶しておき、上記顧客情報及び
商品情報に基づいて適当な定型文を選択すると共に、該
定型文中にデータを差込む必要がある場合には該顧客情
報又は商品情報に含まれる適宜のデータを挿入すること
によりメッセージを作成するメッセージ作成手段と、 d) 作成されたメッセージを顧客に手渡し可能な形態で
出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。

【０００８】また、この発明に係る第２の販売時点顧客
対応個別情報提供装置では、前記顧客情報取得手段a)
は、 a1)顧客に関する情報を蓄積しておく顧客情報記憶手段
と、 a2)顧客が商品を購入又はサービスを受けた際に、当該
顧客を特定するための識別情報を入力する顧客識別情報
入力手段と、 a3)入力された顧客識別情報に基づいて、前記顧客情報
記憶手段から当該顧客に関する情報を検索する顧客情報
検索手段と、から成り、前記商品情報取得手段b)は、 b1)商品又はサービスに関する情報を蓄積しておく商品
情報記憶手段と、 b2)顧客が商品を購入又はサービスを受けた際に、その
商品又はサービスを特定するための識別情報を入力する
商品識別情報入力手段と、 b3)入力された商品識別情報に基づいて、前記商品情報
記憶手段から当該商品に関する情報を検索する商品情報
検索手段と、から成ることを特徴としている。

【０００９】また、この発明に係る第３の販売時点顧客
対応個別情報提供装置では、前記顧客情報取得手段、商
品情報取得手段、メッセージ作成手段及び出力手段はＰ
ＯＳ連動レジスタに一体化され、該出力手段により売上
げ計算結果を記したレシートに前記メッセージが印刷さ
れる構成とすることを特徴としている。

【００１０】

【発明の実施の形態】この発明に係る販売時点顧客対応
個別情報提供装置において、顧客情報とは、例えば、氏
名、住所、生年月日、年齢、性別などの顧客個人に関す
る一般的な情報（顧客属性データ）と、当該店舗におけ
る顧客毎の購入履歴（例えば購入年月日、購入した商品
の種類、商品名、購入金額など）に関する情報（購入履
歴データ）とを含むことができる。一方、商品情報と
は、その商品名やメーカ名などのほか、例えば、その商
品の詳細説明などに関するデータを含むことができる。

【００１１】店舗側で顧客情報を蓄積すると共に来店し
た顧客の識別情報を入力するために好適な方法として
は、来店した各顧客に顧客カードを配布することが考え
られる。更に、この顧客カードを持参して商品を購入し
た際に、所定金額の購入毎にポイントを付与し、そのポ
イントの累計に応じて割引等の特典を付加すれば、顧客
カードの利用率が向上するので、顧客情報を一層確実に
収集することができ本装置の運用にも有利である。この
ような顧客カードには、最低限、その顧客カードを識別
するデータ又は顧客を識別するデータ、具体的には例え
ばバーコード形式で表現された会員番号等を保持させて
おけばよい。顧客識別情報入力手段によりこの顧客識別
データを読み取り、その顧客識別データと顧客情報記憶
手段に格納されているデータとを照合すれば、詳細なデ
ータを取得することができる。勿論、半導体メモリを用
いたＩＣカードのような大容量メモリカードを顧客カー
ドとして用いれば、カード自体に詳細な顧客情報を格納
させておき、来店時にこのカードの記憶内容を顧客対応
個別情報提供装置側に転送することもできる。何れにし
ても顧客が商品を購入した時点で、この顧客対応個別情
報提供装置には当該顧客の顧客データが保持されてい
る。

【００１２】一方、商品情報は商品情報記憶手段に格納
されており、例えば販売員はその顧客が購入した商品に
添付されているバーコード（つまり商品識別情報）をバ
ーコードリーダ（商品識別情報入力手段）で読み取るこ
とにより、商品識別情報を入力する。例えば上記第３の
販売時点顧客対応個別情報提供装置のようにＰＯＳ連動
レジスタによる構成又はＰＯＳ端末機と連動した構成で
は、購入金額を計算するために商品識別情報を入力する
操作と兼ねることができるので、販売員の手間が少なく
て済む。このような商品識別情報が入力されると、商品
情報検索手段は商品情報記憶手段に格納されているデー
タと照合し、該当する商品に関する情報を読み出す。

【００１３】メッセージ作成手段は、予め複数の定型文
を選択可能に備えており、顧客情報や商品情報で規定さ
れる条件に従って、定型文を選択する。例えば、複数の
挨拶文が用意されている場合、顧客の年齢、性別、住
所、来店回数、購入金額の累計などの情報に応じて、最
も適当な挨拶文を選択する。更に、その文中において例
えば顧客の氏名など、データ差込が必要な箇所がある場
合には該当データを挿入して文を完成させる。また、例
えば、商品毎にそれぞれ商品説明文が用意されており、
その商品に応じた説明文を選択する。そして、幾つかの
文を組み合わせてメッセージを完成させる。このように
して作成されたメッセージは出力手段により例えば紙に
印刷され、その場で顧客に手渡される。従って、そのメ
ッセージを受け取った顧客は、その商品に関する詳細情
報を即座に知ることができる。勿論、メッセージには文
章のみでなく画像を含むようにすることもできる。ま
た、紙に印刷する代わりに電子的なデータの形式で、例
えばＩＣカードやフロッピーディスクなどの記憶媒体に
保持した状態で顧客に手渡され、顧客が自宅に帰ったあ
とに適宜の装置で読むことができるようにしてもよい。

【００１４】また、上記第３の販売時点顧客対応個別情
報提供装置の構成では、出力手段は購入金額等を記載し
たレシートに上記メッセージを印刷出力するものとする
ことができる。この構成によれば、レシートとメッセー
ジを印刷した紙という２枚の印刷物を顧客に渡す必要が
ないので、店員等の手間が省けると共に運用コストも下
げることができる。

【００１５】ところで、この販売時点顧客対応情報提供
装置を備えた店舗では、逐次、新商品が入荷することが
想定されるから、例えば新商品が入荷される際に、商品
情報記憶手段にはその新商品の商品情報が追加記憶又は
書き換えられることが好ましい。そのためには、この顧
客対応情報提供装置は、複数の店舗を集中的に管理する
ホスト装置と通信回線等を介して接続される構成である
ことが好ましい。店舗がチェーン店や支店である場合に
は、ホスト装置は一般に本店、チェーン店本部、外部委
託業者等に設置されるので、通常、商品情報はホスト装
置から各情報提供装置に対して一斉に送信され、各店舗
の商品情報記憶手段がほぼ同時に書き換えられる。勿
論、商品情報のみならず、メッセージに含まれる定型文
のデータなどもホスト装置から転送する構成としておけ
ば、時節等に応じた一層適切なメッセージを作成するこ
とができる。

【００１６】このような構成では、ホスト装置から各情
報提供装置への商品情報の送信は様々な方法によること
ができるが、公衆電話回線又は専用回線を用いたデータ
通信、インターネットや商用ネットワークサービス（例
えば、商標名ニフティサーブ）を用いるのが便利であ
る。また、通信回線を介した接続に依らず、例えばフロ
ッピー（登録商標）ディスクやＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒
体を送付することにより商品情報を送るようにしてもよ
い。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の一実施例として、この発明を
酒類販売店舗に適用した販売時点顧客対応個別情報提供
システムを例に挙げて、図面を参照して説明する。な
お、以下の説明では、この販売時点顧客対応個別情報提
供システムをワン・ツー・ワン（One-to-One）メッセー
ジシステム（「ＯＴＯメッセージシステム」と略す）と
呼ぶこととする。本例のＯＴＯメッセージシステムは、
顧客が酒類販売店舗に来店して、例えばワインを購入し
た際に、そのワインに関する詳細情報を含むメッセージ
を当該顧客に特定した形式で即座に作成し、販売員が直
接的に顧客に手渡しできるようにしたものである。

【００１８】図１はこのＯＴＯメッセージシステム全体
の略構成図である。本システムは、図１に示すように、
来店した顧客２に対し商品を販売する店舗１と、データ
処理センタ４とを含む。店舗１には端末装置（情報提供
装置）１０が設置され、この端末装置１０は、データ処
理センタ４に備えられた高速処理能力を有するホストコ
ンピュータ５と、公衆又は専用の電話回線３を介して接
続されている。なお、図１では店舗１は一つのみである
が、実際には、一つのデータ処理センタ４に電話回線３
を介して多数の店舗が接続されている。

【００１９】図２は端末装置１０の標準的な構成図であ
る。この端末装置１０は、ＣＰＵ等を備える主制御部１
１と、主制御部１１に接続される記憶部１２と、磁気カ
ード６の磁気記録帯から磁気データを読み出す又は書き
込むカード読取／書込部１４と、文字や数値情報を入力
するためのキーボードやマウス等のポインティングデバ
イスから成る入力部１５と、商品に添付されているバー
コードを読み取るバーコード読取部１６と、文字や数値
情報を表示する表示部１７と、文字や数値情報を紙に印
字するプリンタ１８と、電話回線３を介してデータを送
受する回線接続部（例えばターミナルアダプタ、モデム
等）１９と、主制御部１１と上記各部との間のデータの
送受を制御する入出力制御部１３と、を含んで構成され
ている。この端末装置１０は、実質的に、いわゆる汎用
のパーソナルコンピュータと、バーコードリーダと、カ
ードリードライタとで具現化することができる。

【００２０】主制御部１１は、周知のＯＳ等の制御プロ
グラム、後述のような情報提供処理を行う手順を記述し
たプログラム、及び、各種処理の過程で一時的にデータ
を格納するための内部メモリなどを含んでいる。記憶部
１２はハードディスク等の読み書き自在の記憶手段であ
って、顧客属性ファイル１２１と、購入履歴ファイル１
２２と、商品属性ファイル１２３と、定型メッセージデ
ータベース（以下「メッセージＤＢ」と称す）１２４
と、店舗データ１２５とが格納されている。

【００２１】個々の顧客属性ファイル１２１には、図３
に示すように、各顧客の会員番号、氏名、住所、電話番
号、生年月日、年齢、性別、職業などの個人データを記
憶するエリアが確保されている。必ずしもこれら全ての
データが揃っている必要はないが、少なくとも会員番号
は付されていて該会員番号によって顧客を特定すること
ができるようになっている。勿論、会員番号の代わりに
電話番号などを利用してもよいが、各顧客毎に確実に異
なる識別データが付与されていることが望ましい。

【００２２】購入履歴ファイル１２２は当該店舗におけ
る各顧客毎の商品購入履歴が格納されているファイルで
あって、個々の購入履歴ファイル１２２には、図４に示
すように、カード発行店舗識別コード、顧客の会員番
号、利用店舗識別コード、その利用店舗への来店回数、
過去の商品（ワイン）購入年月日、購入商品（ワイン）
の識別コード、価格などのデータを記憶するエリアが確
保されている。ここで、カード発行店舗とは後述の如く
各顧客に対して発行される顧客カードを発行した店舗で
あり、利用店舗とは実際に顧客が買物を行った店舗であ
る。従って、カード発行店舗で顧客が買物を行った場合
には、その店舗の端末装置１０の購入履歴ファイル１２
２に格納されているカード発行店舗識別コードと利用店
舗識別コードとは同一であり、カード発行店舗とは異な
るが同一顧客カードが使用可能な他の店舗で顧客が買物
を行った場合には、その利用店舗の端末装置１０の購入
履歴ファイル１２２に格納されているカード発行店舗識
別コードと利用店舗識別コードとは異なるものとなる。
また、本実施例のように購入金額に応じてポイントが付
与される場合には、そのポイント累計も購入履歴ファイ
ル１２２に格納される。なお、この顧客属性ファイル１
２１と購入履歴ファイル１２２とは一体化したものであ
ってもよい。

【００２３】商品属性ファイル１２３はその店舗で取り
扱う商品（ワイン）に関するデータが格納されるファイ
ルであり、個々の商品属性ファイル１２３には、図５に
示すように、その商品の識別コード（バーコード）、商
品名、メーカ名、価格、更には、後述のようなメッセー
ジを作成するために必要な商品説明データと関連商品デ
ータとが格納されている。

【００２４】メッセージＤＢ１２４は、後述のようにメ
ッセージを作成する際に基本となるレイアウトや定型文
などを含むもので、個々の商品とは無関係な一般的な情
報（例えばイベントの告知等）などを提供する定型文な
ども含んでいる。また、店舗データ１２５は、その店舗
名、住所、電話番号、店長氏名などのその店舗に固有の
データである。

【００２５】商品属性ファイル１２３はその店舗で販売
されている商品に関するデータであるから、新商品が入
荷した際にはその新商品に対応するデータを追加する必
要がある。そのため、データ処理センタ４から各端末装
置１０に対して、定期的又は不定期に最新の商品属性デ
ータが送出され、端末装置１０ではこのようなデータが
受信されると、記憶部１２の商品属性ファイル１２３に
格納されていたデータに追加記憶を行うか、或いはデー
タを書き換えて、常に最新の商品属性ファイル１２３を
保持するようにしている。

【００２６】以下、このＯＴＯメッセージシステムの運
用及び動作を図６のフローチャートに沿って詳細に説明
する。或る顧客が初めて来店したときには（必ずしも商
品を購入しなくともよい）、店舗側では顧客登録処理を
実行し、該顧客に対して顧客カードの発行を行う。即
ち、販売員は未使用の磁気カードをカード読取／書込部
１４のカードスロットに挿入し、例えば顧客に記入して
もらった会員申込書の記入内容に基づいて、バーコード
読取部１６による読取操作或いは入力部１５の入力操作
により、顧客の名前等の最低限必要な情報を入力した上
で、カード発行操作を行う（ステップＳ１ａ）。このよ
うな登録操作が行われると、その顧客に対し新規の会員
番号が付与され、入力されたデータと共に主制御部１１
の内部メモリに一時的に保持され、更に、記憶部１２に
顧客属性ファイル１２１及び購入履歴ファイル１２２と
して格納される（ステップＳ２ａ）。また、カード読取
／書込部１４により磁気カード６の該当記録箇所にも会
員番号などのデータが記録される。これにより、該顧客
専用の顧客用カードとして使用できるようになる。印字
可能なカードである場合には、会員番号や氏名などをカ
ード上に印字するようにしてもよい。なお、このような
カードとしては、本出願人が特願平１０−１７９２４号
（特開平１１−２０３５６１号公報）で提案しているよ
うな磁気カードを利用すると便利である。

【００２７】一方、既に登録されている顧客が店舗１を
訪れて商品を購入した場合には、販売員は、顧客が持参
した顧客カード６をカード読取／書込部１４のカードス
ロットに差し込む。すると、カード読取／書込部１４に
より、該顧客カード６に記録されている顧客識別データ
としての会員番号が読み出される（ステップＳ１ｂ）。
主制御部１１では、この会員番号を参照して、顧客属性
ファイル１２１及び購入履歴ファイル１２２から当該顧
客のデータを読み出してきて一時的に記憶する（ステッ
プＳ２ｂ）。これにより、当該顧客の氏名、住所、性
別、年齢は勿論のこと、過去にその店舗で購入した商品
の種類などが認識可能となる。

【００２８】販売員は、その顧客が購入した商品に付さ
れているバーコードをバーコード読取部１６でもって読
み取る（ステップＳ３）。主制御部１１は、その商品識
別コードに対応する商品データを商品属性ファイル１２
３から読み出してきて一時的に記憶する（ステップＳ
４）。そのあと、主制御部１１はメッセージの作成を開
始する（ステップＳ５）。

【００２９】まず、所定の大きさ（例えば、最終的に印
刷した状態でＡ４版程度の大きさ）の枠内において宛
名、挨拶文、商品説明文等の配置が定められたレイアウ
トを決定する（ステップＳ６）。このようなレイアウト
を定めたデータはメッセージＤＢ１２４に含まれる。レ
イアウトデータが一種類のみしか存在しない場合には、
選択の余地はなく、そのレイアウトデータに従ってレイ
アウトが確定する。他方、レイアウトデータが複数種類
存在する場合には、顧客属性データ、購入履歴データな
どの条件の下に適切なレイアウトを選択する。

【００３０】図７は、このようなレイアウトの一例であ
って、枠Ｐ０内に、宛名Ｐ１、挨拶文Ｐ２、個別商品の
説明Ｐ３、産地の説明Ｐ４、関連情報Ｐ５、過去の購入
商品リストＰ６、他のお勧め商品の説明Ｐ７、他のお知
らせＰ８、今日の運勢Ｐ９、店舗情報Ｐ１０を記述する
領域が確保されている。このようなレイアウトが決まっ
たならば、上記各領域に挿入する文を一つ一つ決めてゆ
く（ステップＳ７）。メッセージＤＢ１２４には、各領
域に挿入すべき文の候補が１つ以上用意されている。例
えば、挨拶文Ｐ２に対しては、図８に示すように、Ｐ２
Ａ、Ｐ２Ｂ、Ｐ２Ｃ…というように複数の文の候補が用
意されており、その文毎に選択可能な条件が定められて
いる。その条件は、顧客属性データ、購入履歴データ、
商品属性データ、或いはそのほかの付帯的なデータ（販
売年月日、時刻、天候など）に基づいたものであって、
例えば、図８におけるＰ２Ｂは、来店回数がゼロ、つま
り今回が初めての来店である、という条件と、顧客の住
所が所定地域（その店舗から所定距離範囲内の地域）以
外の住所である、という条件を満たした場合に選択され
る。

【００３１】いま、ここでＰ２Ｂの文「わざわざ遠くか
らお越し頂き、…、今後ともよろしくお願い致しま
す。」を選択した場合、その文中には差込指定を意味す
る「＃」が存在しない。そこで、その場合には差込不要
であるからステップＳ８からＳ１０へと進む。一方、Ｐ
２Ａの文「〔＃１〕度目のご来店、誠に…思っておりま
す。」を選択した場合には、この文には＃１、＃２の二
箇所に差込指定が含まれている。このような文には、図
９に示すように各差込指定の定義を示すデータが付帯し
ており、このデータを基に差込データを呼び出してくる
ことができるようになっている。例えば、図９の例で
は、差込指定＃１は、来店回数に１を加算した数であ
り、＃２は顧客の氏名が定義されている。そこで、購入
履歴データ及び顧客属性データからそれぞれ来店回数と
氏名とを呼出し、該当する箇所に挿入する（ステップＳ
９）。これにより、例えば来店回数が３である場合に
は、「４度目のご来店、誠に有難うございます。」とい
うような文が完成する。

【００３２】もう一つ例を挙げると、個別商品の説明Ｐ
３に対しては、図１０に示すような複数の文が用意され
ている。Ｐ３Ａの文が選択されると、その文中には差込
指定＃１〜＃７が含まれているので、各差込指定の定義
に従って商品属性ファイル１２３の商品説明データから
単語又は文が選択される。このようにして、上記レイア
ウトに示されている各領域Ｐ１〜Ｐ１０に配置される文
が決定される。メッセージが確定すると（ステップＳ１
１）、主制御部１１はプリンタ１８からメッセージを印
刷出力する（ステップＳ１２）。図１１は最終的に顧客
に手渡されるメッセージの概略図である。販売員は、商
品やレシートと共にこのメッセージを顧客に手渡す。

【００３３】このようにして、顧客属性、購入履歴、購
入商品の種類、購入金額等に応じて文の組合せが変わる
から、メッセージの種類は膨大なものとなる。例えば同
一顧客が同一商品を購入した場合であっても、来店回数
等に応じて商品説明文を変えるようにすれば、常に相違
するメッセージを顧客に提供することができる。また、
上記構成において、例えば、メッセージ発行履歴ファイ
ルを作成し、各顧客に発行したメッセージの文の組合せ
などを記憶させておき、同一商品を購入した場合でも商
品説明の内容が同一とならないようにしてもよい。

【００３４】以上説明したように、実際には予め決めら
れている文章や文言の組合せでもってメッセージが構成
されているにも拘わらず、各顧客にとっては自分に対し
て特に発行されたものだと感じ、その店の「馴染み客」
であるという意識がきわめて高くなる。そのため、同店
舗への回帰率が高くなり、販売促進に大きく寄与する。

【００３５】なお、上記実施例の説明では、顧客カード
６は磁気的にデータを読み書き可能なカードを利用する
こととし、端末装置１０にはそのデータを読み書きする
ことが可能なカード読取／書込部１４を備えるようにし
ていたが、顧客カード６は最低限その顧客を識別可能な
データを保持していさえすればよい。従って、例えばプ
ラスチック製のカードの表面に顧客毎の識別番号を示す
バーコードのシールを貼付したような簡単な構成のもの
でもよい。このようなカードを使用する場合、バーコー
ド読取部１６でもってカードに貼付されたバーコードを
読み込むことができるから、カード読取／書込部１４は
不要になる。

【００３６】また上記実施例の構成で、端末装置１０が
購入商品の細目や金額等を印刷するレシートを発行する
レシート発行機を備えている場合には、そのレシート発
行機から上述したようなメッセージを印刷出力するよう
にしてもよい。勿論、この場合には、レシートの大きさ
に合わせたレイアウトが用意される。

【００３７】また、上記実施例の端末装置１０はパーソ
ナルコンピュータを中心に構成されているが、これに限
るものではなく、例えば図１２に示すようなＰＯＳ連動
レジスタ２０を利用することもできる。この場合、図２
に示した構成の中のプリンタ１８は、ＰＯＳ連動レジス
タ２０に含まれるレシート印刷用のプリンタ１８を利用
することができる。つまり、各顧客に対して発行するレ
シート上に、購入商品や購入金額等と共に上記メッセー
ジを印刷すればよい。

【００３８】実際上、現在市販されているＰＯＳ連動レ
ジスタ２０は、機能を特化したパーソナルコンピュータ
であると言うことができる。つまり、ＰＯＳ連動レジス
タとしての機能は、内部に組み込まれたプログラムをＣ
ＰＵ等で実行することにより具現化されていることが多
い。従って、この場合には、主としてそのプログラムを
書き換えることにより既存のＰＯＳ連動レジスタで本発
明によるＯＴＯメッセージシステムを構成することがで
きる。

【００３９】図１３〜図１５は、このようなＰＯＳ連動
レジスタ２０を利用したＯＴＯメッセージシステムにお
いて顧客に手渡されるメッセージの一例を示す図であ
る。図１３は薬局、図１４は書店、図１５は録画済みビ
デオ賃貸店（いわゆるレンタルビデオ店）におけるメッ
セージの例である。

【００４０】図１３に示した例では、Ｑ１〜Ｑ８が顧客
属性、購入履歴、購入商品の種類等に応じて適宜に変更
され得る文、又は差込み指定箇所であり、Ｑ１は店舗
名、Ｑ２は購入商品のポイント数及び累計のポイント
数、Ｑ３は顧客の氏名、Ｑ４は前回購入商品の利用伺
い、Ｑ５は今回購入商品の説明、Ｑ６は購入商品と近い
範疇の他のお勧め商品の説明、Ｑ７は前回購入商品に対
する割引クーポン、Ｑ８は購入商品と近い範疇の他のお
勧め商品（Ｑ６で記載の商品）に対する割引クーポンで
ある。また、ｑ１は従来発行されるレシートに記載され
る、購入商品の種類、購入金額等を記載した売上げ記載
領域であり、ｑ２が本システムに特有のメッセージ領域
である。

【００４１】図１４に示した例では、Ｒ１〜Ｒ５が顧客
属性、購入履歴、購入商品の種類等に応じて適宜に変更
され得る文、又は差込み指定箇所であり、Ｒ１は店舗
名、Ｒ２は顧客の氏名、Ｒ３は今回購入商品（本）の著
作者名、Ｒ４はＲ３の著作者の代表作（但し、今回購入
したものは除外する）、Ｒ５は予めアンケートなどで調
査した好みの分野の新刊本の紹介である。

【００４２】図１５に示した例では、Ｔ１〜Ｔ８が顧客
属性、購入履歴、購入商品の種類等に応じて適宜に変更
され得る文、又は差込み指定箇所であり、Ｔ１は店舗
名、Ｔ２は今回借りたビデオの題名、Ｔ３は顧客の氏
名、Ｔ４は過去の利用頻度の多い分野、Ｔ５はＴ４の分
野又はそれに近い分野のお勧めビデオの説明、Ｔ６は予
めアンケートなどで調査した他の好みの分野、Ｔ７はＴ
６の分野のお勧めビデオの説明、Ｔ８はＴ５で紹介した
ビデオに対する割引クーポンである。

【００４３】このように、このＯＴＯメッセージシステ
ムで顧客に提供するメッセージの種類や内容は、それを
導入する業種、分野等に応じて適宜に変更することがで
きる。勿論、本発明の適用範囲は上述したものに限るも
のでなく、各種商品販売店のほか、ホテル、レストラン
等の宿泊・飲食施設、銀行、証券会社等の金融機関、保
険会社、ガソリンスタンド、理容・美容室などのサービ
ス提供店舗、医療機関、通信販売などの無店舗販売、更
には、図書館、市町村役場等の公共的なサービス提供施
設に至るまで、幅広い適用が可能である。即ち、何らか
の形態で顧客（又は利用者）に対し商品を販売又はサー
ビスを提供する形態であれば、それに適合した形で本発
明を適用することが可能である。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る販売
時点顧客対応個別情報提供装置では、店舗において商品
を購入した又はサービスの提供を受けた顧客に対し、そ
の場で、その顧客の性別や年齢などの属性、購入履歴、
購入した商品などに応じて特化した形式で作成されたメ
ッセージが手渡される。そのため、顧客はその商品やサ
ービスに関する知識等の有益な情報を即座に得ることが
できる。また、そのメッセージは顧客個人宛の私信に近
い形態となっているので、当該店舗に対して「馴染み」
感を抱くこととなり、同店舗への回帰率が高まる。従っ
て、大きな販売促進効果を得ることができる。また、メ
ッセージ中にお勧め商品等の適宜の宣伝・広告や商品購
入の際の割引クーポンを含めることにより、一層効果的
な販売促進が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例である販売時点顧客対応個
別情報提供システムの全体構成図。

【図２】 上記システムに含まれる端末装置の標準的な
構成図。

【図３】 顧客属性ファイルの一例を示す模式図。

【図４】 購入履歴ファイルの一例を示す模式図。

【図５】 商品属性ファイルの一例を示す模式図。

【図６】 本実施例の販売時点顧客対応個別情報提供シ
ステムの運用及び動作を示すフローチャート。

【図７】 本実施例で作成されるメッセージのレイアウ
トの一例を示す図。

【図８】 図７中の挨拶文の選択肢の一例を示す図。

【図９】 図８中の差込データの一例を示す図。

【図１０】 図７中の商品説明文の選択肢の一例を示す
図。

【図１１】 本実施例により作成されるメッセージの一
例を示す図。

【図１２】 本発明の端末装置として利用できるＰＯＳ
連動レジスタの略外観図。

【図１３】 ＰＯＳ連動レジスタを利用した販売時点顧
客対応個別情報提供システムにおいて印刷されるメッセ
ージの一例を示す図。

【図１４】 ＰＯＳ連動レジスタを利用した販売時点顧
客対応個別情報提供システムにおいて印刷されるメッセ
ージの他の例を示す図。

【図１５】 ＰＯＳ連動レジスタを利用した販売時点顧
客対応個別情報提供システムにおいて印刷されるメッセ
ージの他の例を示す図。

【符号の説明】

１…店舗 ２…顧客 ３…電話回線 ４…データ処理センタ ５…ホストコンピュータ ６…顧客カード ７…顧客自宅 １０…端末装置 １１…主制御部 １２…記憶部 １２１…顧客属性ファイル １２２…購入履歴ファイル １２３…商品属性ファイル １２４…定型メッセージデータベース １２５…店舗データ １３…入出力制御部 １４…カード読取／書込部 １５…入力部 １６…バーコード読取部 １７…表示部 １８…プリンタ １９…回線接続部 ２０…ＰＯＳ連動レジスタ

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E042 BA07 CC04 CC06 CD04 CE03 CE04 CE05 EA01 5B049 AA02 BB11 CC02 CC08 DD02 DD04 DD05 EE05 FF02 GG01 GG02

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 a)顧客に関する情報を取得する顧客情報
   取得手段と、 b)顧客が商品を購入又はサービスを受けた際に、その商
   品又はサービスに関する情報を取得する商品情報取得手
   段と、 c)予め複数の定型文を記憶しておき、上記顧客情報及び
   商品情報に基づいて適当な定型文を選択すると共に、該
   定型文中にデータを差込む必要がある場合には該顧客情
   報又は商品情報に含まれる適宜のデータを挿入すること
   によりメッセージを作成するメッセージ作成手段と、 d) 作成されたメッセージを顧客に手渡し可能な形態で
   出力する出力手段と、 を備えることを特徴とする販売時点顧客対応個別情報提
   供装置。
2. 【請求項２】 前記顧客情報取得手段a)は、 a1)顧客に関する情報を蓄積しておく顧客情報記憶手段
   と、 a2)顧客が商品を購入又はサービスを受けた際に、当該
   顧客を特定するための識別情報を入力する顧客識別情報
   入力手段と、 a3)入力された顧客識別情報に基づいて、前記顧客情報
   記憶手段から当該顧客に関する情報を検索する顧客情報
   検索手段と、 から成り、前記商品情報取得手段b)は、 b1)商品又はサービスに関する情報を蓄積しておく商品
   情報記憶手段と、 b2)顧客が商品を購入又はサービスを受けた際に、その
   商品又はサービスを特定するための識別情報を入力する
   商品識別情報入力手段と、 b3)入力された商品識別情報に基づいて、前記商品情報
   記憶手段から当該商品に関する情報を検索する商品情報
   検索手段と、 から成ることを特徴とする請求項１に記載の販売時点顧
   客対応個別情報提供装置。
3. 【請求項３】 前記顧客情報取得手段、商品情報取得手
   段、メッセージ作成手段及び出力手段はＰＯＳ連動レジ
   スタに一体化され、該出力手段により売上げ計算結果を
   記したレシートに前記メッセージが印刷されることを特
   徴とする請求項１又は２に記載の販売時点顧客対応個別
   情報提供装置。