JP2001114863A - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JP2001114863A JP29682299A JP29682299A JP2001114863A JP 2001114863 A JP2001114863 A JP 2001114863A JP 29682299 A JP29682299 A JP 29682299A JP 29682299 A JP29682299 A JP 29682299A JP 2001114863 A JP2001114863 A JP 2001114863A
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aralkyl
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Hiroyuki Yano
博之 矢野
Hisafumi Yamada
尚史 山田
Kazuhiko Nakahara
和彦 中原
Masashi Kaji
正史 梶
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品封止用等に適した成形性、耐熱性、
低吸湿性、半田リフロ−性、難燃性等に優れた硬化物を
与えるエポキシ樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂として下記一般式(1) 【化1】 で表されるアラルキル型エポキシ樹脂(A)を、硬化剤
として下記一般式(2) 【化2】 で表され、且つ軟化点が100〜150℃であり、15
0℃における溶融粘度が1〜20Pa・sであるアラル
キル型多価ヒドロキシ樹脂(B)を使用してなるエポキ
シ樹脂組成物。(式中、Aは置換されていてもよいベン
ゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環を、Bはナフタ
レン環を示し、R1〜R4は水素又は炭素数1〜6の炭化
水素基を、Gはグリシジル基を、l及びmは1又は2の整
数を、n及びpは1〜15の数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化性、耐熱
性、低吸湿性、半田リフロ−性等に優れ、特に難燃性に
優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物及びこれを硬
化して得られる硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂を主剤とする樹脂組成物
は、注型、封止、積層板等の電気・電子分野に広く使用
されている。特に、半導体の分野においては、プリント
基板への部品の実装の方法として、従来のピン挿入方式
から表面実装方式への移行が進展しているため、特に半
田リフロ−性に優れた電子部品封止用材料、プリント基
板用材料が望まれている。すなわち、表面実装方式にお
いては、パッケージ全体、プリント基板全体が半田温度
まで加熱されるため、熱衝撃によるパッケージクラッ
ク、プリント基板の信頼性不良が大きな問題点となって
きている。更に、近年、半導体素子の高集積化、素子サ
イズの大型化、配線幅の微細化も急速に進展しており、
これらの問題が一層深刻化してきている。
【0003】また電気・電子分野に使用されるエポキシ
樹脂組成物は、火災に対する安全性確保の観点から、世
界各国において難燃性に関する規格が定められており、
この難燃規格を満足するために、多種多様の難燃剤が使
用されている。昨今は、環境、安全面、更には材料とし
ての信頼性向上の観点から、ハロゲン系難燃剤及びアン
チモン化合物を用いない難燃化の手法、すなわち難燃剤
が望まれている。
【0004】例えば、電子部品封止用材料では、半田リ
フロ−性向上の観点からフィラー高充填率化が指向さ
れ、低粘度型の二官能性エポキシ樹脂が広く検討されて
いる。そこで、特公平4−7365号にはビフェニル系
エポキシ樹脂、特開平6−345850号にはビスフェ
ノールF型固形エポキシ樹脂を主剤としたエポキシ樹脂
組成物が提案されているが、低硬化性、低ガラス転移点
の問題がある。近年、半導体パッケージの大面積化とB
GAパッケージ等の進展により、パッケージの反りの問
題が強く指摘されてきており、半田リフロ−性に優れ、
且つ高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂組成物が望
まれている。
【0005】高いガラス転移点を有するエポキシ樹脂と
して本発明に関わる一般式(1)に示されるエポキシ樹
脂は、特開平4-255714号において既に知られて
いるが、フェノールノボラックに代表される通常の硬化
剤を用いて硬化させると吸水率が高くなる欠点があり、
半田リフロ−性の向上は期待できない。また、硬化剤と
してアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂も公知であるが、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂等の通常のエポキシ樹脂と組み合わ
せた場合には、高いガラス転移点は期待できず、半田リ
フロ−性の向上も望めない。更に、硬化剤としてアラル
キル型多価ヒドロキシ樹脂を、本発明に関わる一般式
(1)に示されるエポキシ樹脂と組み合わせた例は、特
開平10−292032に示されてはいるが、耐熱性、
低吸湿性の両立、特に、ハロゲン系難燃剤及びアンチモ
ン化合物を用いない際の難燃性の点では、必ずしも十分
とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、速硬化性、流動性等の成形性、耐熱性、低吸湿性、
半田リフロ−性に優れ、特に、難燃性に優れた硬化物を
与えるエポキシ樹脂組成物を提供すること、特に表面実
装型の半導体素子等の電子部品封止用、プリント基板用
等に適したエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、特定の多官能エポキシ樹脂
とアラルキル型の特定の硬化剤とを組み合わせることに
より、上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、エポキシ樹脂として
下記一般式(1)
【化3】 (式中、Aは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
てもよいベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環を
示し、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水
素基を示し、Gはグリシジル基を示す。lは1又は2の
整数、nは1〜15の数を示す。)で表されるアラルキル
型エポキシ樹脂(A)を、硬化剤として下記一般式
(2)
【化4】 (式中、Bは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
てもよいナフタレン環を示し、R3及びR4は水素原子又
は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、l及びmは1又は2
の整数、pは1〜15の数を示す。)で表され、且つ軟化
点が100〜150℃であり、150℃における溶融粘
度が1〜20Pa・sであるアラルキル型多価ヒドロキ
シ樹脂(B)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂
組成物である。アラルキル型エポキシ樹脂(A)100
重量部に対し、アラルキル型多価ヒドロキシ樹脂(B)
は、40〜150重量部含有することが好ましい。ま
た、アラルキル型エポキシ樹脂(A)が全エポキシ樹脂
の10〜100重量%であり、アラルキル型多価ヒドロ
キシ樹脂(B)が全硬化剤の10〜100重量%である
ことが好ましい。更に、アラルキル型エポキシ樹脂
(A)が全エポキシ樹脂の80〜100重量%であり、
アラルキル型多価ヒドロキシ樹脂(B)が全硬化剤の8
0〜100重量%であることがより好ましい。また、本
発明は、前記エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬
化物である。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のエポキシ樹脂組成物の必須成分である、上記一般
式(1)で表されるエポキシ樹脂(A)は、下記一般式
(a)で表される多価ヒドロキシ樹脂とエピクロロヒド
リンとを反応させることにより製造することができる。
そして、この多価ヒドロキシ樹脂は、二官能フェノ−ル
性化合物と芳香族架橋剤とを反応させることにより製造
することができる。
【化5】 (式中、Aは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
てもよいベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環を
示す。また、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜6の
炭化水素基を示す。lは1又は2の整数、nは1〜15の
数を示す。)
【0010】多価ヒドロキシ樹脂の合成原料の二官能フ
ェノール性化合物としては、例えば、カテコール、レゾ
ルシン、ヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、
1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオ
ール、1,6−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレ
ンジオール、2,6−ナフタレンジオール、2,7−ナ
フタレンジオール等のジヒドロキシナフタレン類、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキ
シビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類などが挙げ
られる。これらの二官能フェノール性化合物は炭素数1
〜6の炭化水素基で置換されていてもよい。置換基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ア
リル基、ターシャリーブチル基、アミル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基などが挙げられ、その数は1〜2程
度である。また、これらの二官能フェノール性化合物
は、単独でもよいし、2種類以上を併用してもよい。必
要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール等の単官能フェノール
類を二官能フェノール性化合物と併用してもよい。この
場合、単官能フェノール類の使用量は、フェノール性化
合物全体に対して50重量%以下であることが好まし
い。
【0011】また、芳香族架橋剤としては、例えば、下
記一般式(b)で表されるジグリコ−ル類又はジアルコ
キシ化合物や、下記一般式(c)で表されるジアルケニ
ル化合物がある。
【化6】
【化7】 (式中、R1、R2、R5、R6及びR7は水素原子又は炭
素数1〜6の炭化水素基を示し、lは1又は2の整数を
示す。)
【0012】芳香族架橋剤としては、ベンゼン骨格を有
するものとビフェニル骨格を有するものがある。ベンゼ
ン骨格を有するものとしては、o−体、m−体、p−体
のいずれでもよいが、好ましくは、m−体、p−体であ
る。具体的には、p−キシリレングリコール、α,α’
−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−
p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−p−キシ
レン、α,α’−ジブトキシ−p−キシレン、m−キシ
リレングリコール、α,α’−ジメトキシ−m−キシレ
ン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−
ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジブトキ
シ−m−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−
エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−エ
チル)ベンゼン、1,4−ジ(2−エトキシ−2−エチ
ル)ベンゼン、1,4−ジ(2−イソプロポキシ−2−
エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−
プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−
プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−エトキシ−2−
プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−イソプロポキシ
−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキ
シ−2−エチル)ベンゼン、1,3−ジ(2−メトキシ
−2−エチル)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−メトキシ
−2−プロピル)ベンゼン、1,2−ジビニルベンゼ
ン、1,3−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルベン
ゼン、1,2−ジ(2-プロペニル)ベンゼン、1,3
−ジ(2-プロペニル)ベンゼン、1,4−ジ(2-プロ
ペニル)ベンゼン等が挙げられる。
【0013】また、ビフェニル骨格を有するものとして
は、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニル、2,
4’−ジヒドロキシメチルビフェニル、2,2’−ジヒ
ドロキシメチルビフェニル、4,4’−ジメトキシメチ
ルビフェニル、2,4’−ジメトキシメチルビフェニ
ル、2,2’−ジメトキシメチルビフェニル、4,4’
−ジイソプロポキシメチルビフェニル、2,4’−ジイ
ソプロポキシメチルビフェニル、2,2’−ジイソプロ
ポキシメチルビフェニル、4,4’−ジブトキシメチル
ビフェニル、2,4’−ジブトキシメチルビフェニル、
2,2’−ジブトキシメチルビフェニル、4,4’−ジ
(2−ヒドロキシ−2−エチル)ビフェニル、4,4’
−ジ(2−メトキシ−2−エチル)ビフェニル、4,
4’−ジ(2−エトキシ−2−エチル)ビフェニル、
4,4’−ジ(2−イソプロポキシ−2−エチル)ビフ
ェニル、4,4’−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ビフェニル、4,4’−ジ(2−メトキシ−2−プ
ロピル)ビフェニル、4,4’−ジ(2−エトキシ−2
−プロピル)ビフェニル、4,4’−ジ(2−イソプロ
ポキシ−2−プロピル)ビフェニル、2,4’−ジ(2
−ヒドロキシ−2−エチル)ビフェニル、2,4’−ジ
(2−メトキシ−2−エチル)ビフェニル、2,4’−
ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ビフェニル、2,
4’−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ビフェニル、
2,4’−ジビニルビフェニル、2,2’−ジビニルビ
フェニル、4,4’−ジビニルビフェニル、2,4’−
ジ(2-プロペニル)ビフェニル、2,2’−ジ(2-プ
ロペニル)ビフェニル、4,4’−ジ(2-プロペニ
ル)ビフェニル等が挙げられる。メチロール基等の官能
基のビフェニルに対する置換位置は、4,4’−位、
2,4’−位、又は2,2’−位のいずれでもよいが、
芳香族架橋剤として好ましい化合物は4,4’−体であ
り、全架橋剤中に4,4’−体が50重量%以上含まれ
たものが特に好ましい。これより少ないとエポキシ樹脂
を硬化させる際の硬化速度が低下したり、得られた硬化
物が脆くなるなどの欠点がある。
【0014】二官能フェノール性化合物と芳香族架橋剤
との反応には、芳香族架橋剤に対して過剰量の二官能フ
ェノール性化合物を使用する。芳香族架橋剤の使用量
は、二官能フェノール性化合物1モルに対して0.1〜
0.9モル、好ましくは0.2〜0.7モルである。芳
香族架橋剤の使用量が0.9モルより多いと樹脂の軟化
点が高くなって成形作業性に支障をきたし、0.1モル
より少ないと反応終了後、過剰の二官能フェノール性化
合物の除く量が多くなり、工業的に好ましくない。
【0015】通常、この反応は、公知の無機酸、有機酸
等の酸触媒の存在下に行う。このような酸触媒として
は、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュ
ウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フ
ッ化ホウ素等のルイス酸や、活性白土、シリカ−アルミ
ナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられる。
【0016】通常、この反応は10〜250℃で1〜2
0時間行う。更に、反応の際に溶媒として、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エ
チレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ジグライム、トリグライム等のアルコール類や、ベ
ンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン
等の芳香族化合物などを使用することがよい。結晶性の
高い4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ナフ
タレンジオール、2,6−ナフタレンジオールを用いる
ときの溶媒としては、エチルセロソルブ、ジグライム、
トリグライムなどが好ましい。反応終了後、得られた多
価ヒドロキシ樹脂は、減圧留去、水洗又は貧溶媒中での
再沈殿等の方法により溶媒を除去してもよいが、溶媒を
残したままエポキシ化反応の原料として用いてもよい。
【0017】このようにして製造される多価ヒドロキシ
樹脂は、上記一般式(a)で表されるものであるが、好
ましくは、Aは無置換若しくはメチル基で置換されたベ
ンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環であり、平均
の繰り返し数nは1〜5である。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂は、上記多価ヒドロキシ樹脂とエピクロルヒド
リンとを反応させることにより製造することができる。
この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことが
できる。例えば、多価ヒドロキシ樹脂を過剰のエピクロ
ルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に50〜15
0℃、好ましくは、60〜120℃で1〜10時間反応
させる方法が挙げられる。この際、アルカリ金属水酸化
物の使用量は、多価ヒドロキシ化合物中の水酸基1モル
に対し、0.8〜1.2モル、好ましくは0.9〜1.
0モルである。また、エピクロルヒドリンは多価ヒドロ
キシ樹脂中の水酸基に対して過剰に用いられるが、通
常、多価ヒドロキシ化合物中の水酸基1モルに対し、
1.5〜15モル、好ましくは、2〜8モルである。反
応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物
をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解
し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留
去することにより、一般式(1)で表されるエポキシ樹
脂(A)を得ることができる。なお、一般式(1)、
(2)、(a)、(b)及び(c)において、同一式中
に同一の記号が2以上ある場合、それは定義された基又
は原子である限り、同一の基又は原子であっても、異な
った基又は原子であってもよい。
【0019】このエポキシ樹脂の純度、特に加水分解性
塩素量は、封止する電子部品の信頼性向上の観点より少
ないものがよい。特に限定するものではないが、100
0ppm以下がよい。なお、本発明でいう加水分解性塩
素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわ
ち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解させ、1
N−KOH水溶液10mlを加え30分間煮沸還流した
後、室温まで冷却し、更に80%アセトン水100ml
を加え、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定
を行い、得られる値である。
【0020】また、このエポキシ樹脂の粘度及び軟化点
は、エポキシ樹脂原料である多価ヒドロキシ樹脂を合成
する際の二官能フェノール性化合物と架橋剤のモル比を
変えることにより容易に調整可能であるが、好ましい軟
化点範囲は60〜150℃である。軟化点範囲が60℃
より低いとエポキシ樹脂組成物としての耐熱性の低下を
招き、150℃より高いと粘度上昇により作業性の低下
を招く。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必須成
分である上記エポキシ樹脂(A)以外に分子中にエポキ
シ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂を配合しても
よい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、
2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン
等の2価のフェノール類、トリス−(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o
−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類、
テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェ
ノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物などが
挙げられる。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上
を併用してもよいが、一般式(1)のエポキシ樹脂
(A)の配合割合は、全エポキシ樹脂中、10〜100
重量%、好ましくは50重量%以上、より好ましくは8
0重量%以上であることがよい。
【0022】次に、上記一般式(2)で表されるアラル
キル型多価ヒドロキシ樹脂(B)は、アルキル置換若し
くは未置換のナフタレン環を有するフェノール性水酸基
含有化合物と芳香族架橋剤とを反応させることにより製
造できる。
【0023】このアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂の合
成原料であるフェノール性水酸基含有化合物としては、
例えば、1-ナフトール、2-ナフトール、ナフタレンジ
オール類などが挙げられる。また、芳香族架橋剤は、前
記の多価ヒドロキシ樹脂の合成原料として用いる芳香族
架橋剤と同じもの、すなわち前記一般式(b)又は
(c)で表されるベンゼン骨格又はビフェニル骨格を有
するものを用いることができる。
【0024】このアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂
(B)は、一般式(2)において、平均の繰り返し数p
が1〜15、好ましくは1〜5である。pの値は、フェノ
ール性水酸基含有化合物と芳香族架橋剤とを反応させる
際の両者のモル比を変えることにより容易に調整でき
る。すなわち、フェノール性水酸基含有化合物を芳香族
架橋剤に対して、過剰に用いるほどpの値は小さくコン
トロールできる。pの値が大きいほど得られた樹脂の軟
化点及び粘度が高くなり、成形性が低下する。また、p
の値が小さいほど粘度が低下し成形性は向上するが、合
成時の未反応フェノール性水酸基含有化合物が多くな
り、樹脂の生産効率が低下する。両者のモル比は、実用
上、フェノール性水酸基含有化合物1モルに対し芳香族
架橋剤が1モル以下、好ましくは、0.1〜0.9モル
である。0.1モルより少ないと未反応のフェノール性
水酸基含有化合物量が多くなり、0.9モルを超えると
樹脂の軟化点が高くなり、成形作業性に支障をきたす。
【0025】このアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂
(B)の軟化点は100〜150℃であり、好ましくは
110〜130℃である。軟化点が100℃より低いと
エポキシ樹脂組成物としての耐熱性の低下を招き、更に
難燃性の向上効果も小さい。150℃より高いと粘度上
昇により作業性の低下を招く。
【0026】また、アラルキル型多価ヒドロキシ樹脂
(B)は、前記軟化点の範囲を具備すると共に、150
℃における溶融粘度が1〜20Pa・sであることが必
要である。この溶融粘度が1Pa・sより低いとエポキ
シ樹脂組成物としての耐熱性の低下を招き、更に難燃性
の向上効果も小さい。20Pa・sより高いと粘度上昇
により作業性の低下を招く。
【0027】本発明に用いるアラルキル型多価ヒドロキ
シ樹脂(B)の好ましい例としては、ナフトール類と、
p−キシリレングリコール又はα,α’−ジメトキシ−
p−キシレンとを縮合して得られるナフトールアラルキ
ル型樹脂があり、具体例としては、新日鐵化学(株)製
SN-4115、SN-3120などが挙げられる。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物には、アラル
キル型多価ヒドロキシ樹脂(B)以外に、エポキシ樹脂
硬化剤として公知のフェノール性水酸基含有物質を配合
してもよい。このような硬化剤としては、例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、
2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシ
ン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類や、ト
リス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,
2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラッ
ク、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に
代表される3価以上のフェノール類や、フェノール類、
ナフトール類又はビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、
4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハ
イドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2
価のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド、ジシクロペンタジエン等の縮合剤により合成され
る多価ヒドロキシ性化合物などが挙げられる。これらの
硬化剤は1種又は2種以上を併用してもよいが、一般式
(2)のアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂(B)の配合
割合は、全硬化剤中、10〜100重量%、好ましくは
50重量%以上、より好ましくは80重量%以上であ
る。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂と硬化剤を含有するが、組成物中のエポキシ樹脂と
硬化剤の好ましい割合は、当量比が0.8〜1.2であ
り、より好ましくは0.9〜1.1である。この当量比
を外れると、本発明の目的とする耐熱性、低吸湿性、半
田リフロー性、難燃性、速硬化性、流動性を同時に発現
しづらくなる。また、アラルキル型エポキシ樹脂(A)
とアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂(B)の重量比
(B)/(A)は、0.4〜1.8であることが好まし
く、より好ましくは0.4〜1.50である。
【0030】本発明の樹脂組成物には、従来より公知の
硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミ
ン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等
があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジ
メチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノ
エタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ルなどの三級アミン、2一メチルイミダゾール、2−フェ
ニルイミダゾール、2一フェニルー4一メチルイミダゾー
ル、2一へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール
類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイ
ン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、
フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフ
ェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ
フェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、
テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなど
のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2一
エチル一4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレ
ート、N一メチルモルホリン・テトラフェニルボレート
などのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量とし
ては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.
2〜10重量部の範囲である。
【0031】本発明の樹脂組成物には、目的に応じて無
機充填剤を用いることができる。使用する無機充填材と
しては、シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、ス
ピネル、ムライト、チタニアなどの粉体、又はこれらを
球形化したビーズなどが挙げられ、これらを単独で若し
くは2種類以上併用して用いることができる。
【0032】本発明の目的の1つに、表面実装型の半導
体素子等の電子部品封止用途があるが、その場合には無
機充填材を高含有量含有させることが望ましい。無機充
填材の高充填化の観点からは、球状の溶融シリカが好適
に使用される。通常、シリカは、数種類の粒径分布を持
ったものを組み合わせて使用される。組み合わせるシリ
カの好ましい平均粒径は、0.5〜100ミクロン、更
に好ましくは、10〜50ミクロンの範囲である。エポ
キシ樹脂組成物中の無機充填材の配合量としては70wt
%以上が好ましく、更に好ましくは80wt%以上である。
これより少ないと、低吸湿性、半田リフロ−性、難燃性
の向上効果が小さい。
【0033】また、本発明の樹脂組成物には、成形時の
流動性改良及びリードフレーム、銅箔等、との密着性向
上の観点より、熱可塑性のオリゴマー類を添加すること
ができる。熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系及
びC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、イ
ンデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フ
ェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、
インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示され
る。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部
に対して、2〜30重量部の範囲である。更に必要に応
じて、本発明の樹脂組成物には、カルナバワックス、エ
ステル系ワックス等の離型剤、エポキシシラン、アミノ
シラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラ
ン、有機チタネート、アルミニウムアルコレート等のカ
ップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコン
オイル等の低応力化剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩
等の滑剤等を使用できる。
【0034】以上のような原材料を、一般的には、所定
の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した
後、ミキシングロール、押し出し機などによって混練
し、冷却、粉砕することによって、成形材料を調製する
ことができる。そして、本発明で得られる成形材料を用
いて、電子部品を封止するための方法としては、低圧ト
ランスファー成形法が最も一般的であるが、射出成形
法、圧縮成形法によっても可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。なお、参考例1、2はエポキシ樹脂(A)の合
成例であり、参考例3〜4は硬化剤となるアラルキル型
多価ヒドロキシ樹脂(B)の合成例であり、参考例5は
本発明の多価ヒドロキシ樹脂(B)には該当しないアラ
ルキル型多価ヒドロキシ樹脂の合成例である。
【0036】参考例1 500mlの4口フラスコに、4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニル186g(1.0モル)、p-キシリレングリ
コール41.4g(0.3モル)、ジグライム60ml
及びp−トルエンスルホン酸2.5gを仕込み、窒素気
流下に攪拌しながら160℃で4時間反応させた。その
間に生成する水は系外に除いた。反応後、反応液を4口
フラスコに移し、100℃以下に冷却後、エピクロロヒ
ドリン830gを加えた。その後、減圧下(約140m
mHg)65℃で48%水酸化ナトリウム水溶液163
gを4時間かけて滴下した。この間、水はエピクロルヒ
ドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロロ
ヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、更に30分間反
応を継続した。その後、系内に残存するジグライム及び
過剰のエピクロロヒドリンを減圧留去し、メチルイソブ
チルケトン1500mlに溶解した後、濾過により生成
した塩を除いた。その後、10%水酸化ナトリウム水溶
液15gを加え、80℃で2時間反応させた。更に水
洗、中和したのちメチルイソブチルケトンを留去し、エ
ポキシ樹脂274gを得た。エポキシ当量は173、融
点は110〜142℃であった。また、加水分解性塩素
は310ppmであった。
【0037】参考例2 500mlの4口フラスコに、1,6−ナフタレンジオ
ール160g(1.0モル)、p−キシリレングリコー
ル69.0g(0.5モル)及びシュウ酸1.6gを仕
込み、窒素気流下に攪拌しながら150℃で4時間反応
させた。この間に生成する水は系外に除き、OH当量1
10の褐色状樹脂203gを得た。この樹脂100gを
4口フラスコに移し、エピクロルヒドリン400gに溶
解し、減圧下(約140mmHg)65℃で48%水酸
化ナトリウム水溶液73gを4時間かけて滴下した。こ
の間、水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除
き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下
終了後、更に30分間反応を継続した。その後、系内に
残存する過剰のエピクロロヒドリンを減圧留去し、メチ
ルイソブチルケトン700mlに溶解した後、濾過によ
り生成した塩を除いた。その後、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液7.5gを加え、80℃で2時間反応させた。
更に水洗,中和したのちメチルイソブチルケトンを留去
し、エポキシ樹脂129gを得た。このエポキシ樹脂の
エポキシ当量は171、軟化点は78℃であった。ま
た、加水分解性塩素は、490ppmであった。
【0038】参考例3 4口フラスコに、1−ナフトール288g(2.0モ
ル)、p−キシリレングリコールジメチルエーテル16
6g(1.0モル)及び48%硫酸0.23gを仕込
み、窒素気流下に攪拌しながら180℃で2時間反応さ
せた。この間に生成するメタノールは系外に除いた。そ
の後、水洗により硫酸を除去した。更に水蒸気蒸留によ
り未反応の1−ナフトールを除去し、褐色状樹脂304
gを得た。得られた樹脂のOH当量は235、軟化点は
115℃、150℃における溶融粘度は、4Pa・sで
あった。
【0039】参考例4 4口フラスコに、1,6−ナフタレンジオール160g
(1.0モル)、p−キシリレングリコールジメチルエ
ーテル83g(0.5モル)及び50%p−トルエンス
ルホン酸0.73gを仕込み、窒素気流下に攪拌しなが
ら150℃で3時間反応させた。この間に生成するメタ
ノールは系外に除いた。その後、メチルイソブチルケト
ンに溶解した後、水洗をしてp−トルエンスルホン酸を
除去した。更に、減圧留去によりメチルイソブチルケト
ンを除去し、褐色状樹脂194gを得た。得られた樹脂
のOH当量は112、軟化点は121℃、150℃にお
ける溶融粘度は、6.5Pa・sであった。
【0040】参考例5 4口フラスコに、1−ナフトール288g(2.0モ
ル)、p−キシリレングリコールジメチルエーテル11
6.2g(0.7モル)及び48%硫酸0.20gを仕
込み、窒素気流下に攪拌しながら180℃で2時間反応
させた。この間に生成するメタノールは系外に除いた。
その後、水洗により硫酸を除去した。更に水蒸気蒸留に
より未反応の1−ナフトールを除去し、褐色状樹脂24
0gを得た。得られた樹脂のOH当量は208、軟化点
は87℃、150℃における溶融粘度は、0.2Pa・
sであった。
【0041】実施例1〜5及び比較例1〜5 電子部品等の用途でのエポキシ樹脂組成物としての特性
を評価するために、電子部品封止材料用の配合、評価に
より以下に示した評価を行った。エポキシ樹脂成分とし
て、参考例1、2のエポキシ樹脂、及びo−クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂(ECN:日本化薬製、EOCN
-1020-80;エポキシ当量200、加水分解性塩素 400ppm、
軟化点 80℃)を用い、硬化剤として、参考例3、4、
5のナフト−ルアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂、及び
フェノ−ルアラルキル型多価ヒドロキシ樹脂(PA:三
井化学製、ミレックスXL-225-L;OH当量180、軟化点 85
℃、150℃溶融粘度 1Pa・s)フェノールノボラック(P
N:群栄化学製、PSM-4324;OH当量103、軟化点 100
℃、150℃溶融粘度 0.9Pa・s)を用いた。更に、充填剤
として球状シリカ(平均粒径 18μm)、硬化促進剤と
してトリフェニルホスフィン、着色剤としてカ−ボンブ
ラック、離型剤としてカルナバワックスを用い、表1に
示す配合で混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエ
ポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形し、175
℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物試験片を得
た後、各種物性測定に供した。結果を表2に示す。な
お、表2中の各種物性測定は以下の評価方法によるもの
である。
【0042】(熱時硬度)熱時硬度は175℃にて90
秒成形を行った試験片を、バ−コル硬度計にて測定を行
った。 (ガラス転移点)ガラス転移点は、熱機械測定装置によ
り、昇温速度10℃/分の条件で求めた。 (吸水率)吸水率は、本エポキシ樹脂組成物を用いて5
0mmΦ×3mmの円盤を成形し、ポストキュア後85℃、
85%RHの条件で100時間吸湿させた時のものであ
る。 (難燃性)難燃性は、厚さ1/16インチの試験片を成
形し、UL94V−0規格によって評価した。また定量
的にはn=5の試験での合計フレ−ミング時間を指標と
して示した。 (クラック発生率)クラック発生率は、QFP−80p
in(14×20×2.5mm)を成形し、ポストキュア後、吸
水率と同条件の85℃、85%RHの条件で所定の時間
吸湿後、260℃の半田浴に10秒間浸漬させた後、パ
ッケージの状態を観察し求めた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】本発明で規定した条件を満たす実施例1〜
5はすべて、速硬化性、流動性等の成形性に優れ、特
に、耐熱性、低吸湿性、半田リフロ−性、難燃性等に優
れた硬化物を与えることがわかる。一方、本発明で規定
した条件を満たしていない比較例1〜5は、実施例ほど
これらの特性が同時には優れてはいない。
【0046】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、速硬化
性、流動性等の成形性に優れ、耐熱性、低吸湿性、半田
リフロ−性、難燃性等に優れ、特に、難燃性に優れた硬
化物を与え、これを表面実装型の半導体素子等の電子部
品の封止、又はプリント基板等に応用した場合、優れた
耐熱性、低吸湿性、半田リフロ−性、難燃性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 和彦 千葉県木更津市築地1番地 新日鐵化学株 式会社電子材料開発センター内 (72)発明者 梶 正史 千葉県木更津市築地1番地 新日鐵化学株 式会社電子材料開発センター内 Fターム(参考) 4J036 AE05 AJ08 FB08 JA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂として下記一般式(1) 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
    てもよいベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環を
    示し、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水
    素基を示し、Gはグリシジル基を示す。lは1又は2の
    整数、nは1〜15の数を示す。)で表されるアラルキル
    型エポキシ樹脂(A)を、硬化剤として下記一般式
    (2) 【化2】 (式中、Bは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
    てもよいナフタレン環を示し、R3及びR4は水素原子又
    は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、l及びmは1又は2
    の整数、pは1〜15の数を示す。)で表され、且つ軟化
    点が100〜150℃であり、150℃における溶融粘
    度が1〜20Pa・sであるアラルキル型多価ヒドロキ
    シ樹脂(B)を含有することを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 アラルキル型エポキシ樹脂(A)100
    重量部に対し、アラルキル型多価ヒドロキシ樹脂(B)
    を40〜150重量部含有するエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アラルキル型エポキシ樹脂(A)が全エ
    ポキシ樹脂の10〜100重量%であり、アラルキル型
    多価ヒドロキシ樹脂(B)が全硬化剤の10〜100重
    量%である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アラルキル型エポキシ樹脂(A)が全エ
    ポキシ樹脂の80〜100重量%であり、アラルキル型
    多価ヒドロキシ樹脂(B)が全硬化剤の80〜100重
    量%である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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