JP2001110969A - 電子素子の放熱構造 - Google Patents

電子素子の放熱構造

Info

Publication number
JP2001110969A
JP2001110969A JP29023799A JP29023799A JP2001110969A JP 2001110969 A JP2001110969 A JP 2001110969A JP 29023799 A JP29023799 A JP 29023799A JP 29023799 A JP29023799 A JP 29023799A JP 2001110969 A JP2001110969 A JP 2001110969A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
receiving block
electronic element
heat pipe
diffusion plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29023799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Goto
和彦 後藤
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Yuji Saito
祐士 斎藤
Koichi Masuko
耕一 益子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP29023799A priority Critical patent/JP2001110969A/ja
Publication of JP2001110969A publication Critical patent/JP2001110969A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子素子から金属板を介して放熱させる構造
であって、電子素子と確実に密着する構造を提供する。 【解決手段】 ヒートパイプ2の一部が、放熱用金属板
1に添わせた状態で取り付けられている。またヒートパ
イプ2の他の部分には、放熱用金属板1の厚さ方向に突
出しかつ電子素子9との接触部位となる受熱ブロック6
が熱授受可能に取り付けられている。更に受熱ブロック
6と放熱用金属板1との間には、弾性体7が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、中央演算処理装
置(CPU)などの電子素子を冷却するための放熱構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、CPUなどの電子素子の高速
化、大容量化によってその発熱量が多くなってきてお
り、それに伴って温度上昇による誤動作や破損などを回
避するために、より効果的に放熱・冷却することが求め
られるようになってきている。コンピュータやサーバー
などは、可及的に小型であることが要求されるので、電
子素子の温度上昇を防ぐためには、冷却よりもむしろ放
熱の手段が採用されている。例えばCPUなどの電子素
子にヒートシンクを重ねて取り付け、更には空冷ファン
を取り付けて熱放散を積極化している。
【0003】後者の構造は、電力の消費や騒音などの問
題があり、これに対して前者の自然空冷を行なう構造で
はそのような不都合が生じない。しかしながら最近で
は、その自然空冷による放熱量を超える発熱量の電子素
子が使用されるようになってきている。そこで各種の部
品を取り付けるベースを兼ねる金属板にそれよりも厚い
金属ブロックを取り付け、その金属ブロックを電子素子
に対して密着させる構成の放熱構造が開発されている。
その一例としては、ヒートパイプの一端部を金属ブロッ
クに連結させるとともに、そのヒートパイプの他方の端
部を金属板に添わせた状態に取り付けた構造がある。
【0004】この放熱構造は、例えば基盤に設けられた
電子素子に対して金属ブロックを接触させた状態でパー
ソナルコンピュータ(以下、パソコンと記す)等のケー
ス内部に組み込まれる。したがって電子素子から熱が生
じると、その熱が金属ブロックを介してヒートパイプに
伝達され、更にそのヒートパイプによって金属板の面方
向に運ばれつつ、金属板の反対面から外部に向けて放散
され、その結果、電子素子の温度上昇が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの種の放熱
構造が組み込まれるパソコン等の電子機器では、通常、
同じ品番の製品であってもケース内における電子素子の
配置には公差があり、すなわち電子素子の配置には個体
差がある。
【0006】また一方、上記従来の放熱構造は、アルミ
ニウムや銅等の比較的軟質の金属からなるとしても、結
局、いわゆる剛体であり、特に金属ブロックを備えた部
位が最も厚肉となっていて厚さ方向への可撓性に乏しい
構成であるから、ケース内の所期の位置に組み付けたと
しても前述の公差に基づく微小な隙間が受熱ブロックと
電子素子との間に形成されるおそれが多分にあった。つ
まり上記従来の放熱構造では、位置決めされた状態の電
子素子に対して金属ブロックを必ずしも密着させること
ができず、その場合には、ケース内での配置の微調整を
余儀なくされる不都合があった。
【0007】この発明は、上記の事情を背景にして成さ
れたものであり、電子素子との接触性に優れる放熱構造
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1に記載した発明は、電子
素子から発生する熱を放熱用金属板に伝達するととも
に、この放熱用金属板から放散させる電子素子の放熱構
造において、密閉金属管の内部に非凝縮性ガスを脱気し
た状態で凝縮性流体を封入したヒートパイプの一部が、
前記放熱用金属板に添わせた状態で取り付けられるとと
もに、前記放熱用金属板の厚さ方向に突出しかつ前記電
子素子との接触部位となる受熱ブロックが、前記ヒート
パイプの他の部分に熱授受可能に取り付けられ、更に前
記受熱ブロックと前記放熱用金属板との間に弾性体が設
けられていることを特徴とするものである。
【0009】したがって請求項1に記載した発明によれ
ば、例えば固定された状態の電子素子に対して受熱ブロ
ックの頂面部が接触させられる。すると弾性体がその厚
さを減少するように変形し、受熱ブロックが電子素子に
よって放熱用金属板側に押圧された状態となる。その場
合、弾性体に厚さを増大させるような反力が作用するか
ら、受熱ブロックと電子素子とが互いに密着した状態に
保持される。すなわち電子素子の配置の公差を受熱ブロ
ックの厚さ方向での変位によって吸収し得る構成となっ
ている。
【0010】また請求項1に記載した発明によれば、電
子素子から発した熱が受熱ブロックに対して良好に伝達
される。受熱ブロックに供給された熱の一部は、弾性体
を介して放熱用金属板の片面に伝達され、その反対面か
ら外部に向けて放散される。また熱の一部が、受熱ブロ
ックからヒートパイプに伝達され、それに伴ってヒート
パイプ動作が開始する。すなわちコンテナにおける受熱
ブロックに保持された範囲内において作動流体が加熱さ
れて蒸発し、その作動流体蒸気がコンテナにおける内部
圧力の低い部分に向けて流動するとともに、放熱用金属
板に片面に放熱して凝縮する。そしてその熱が、放熱用
金属板の反対面から外部に向けて放散される。その結
果、電子素子の温度上昇が抑制される。
【0011】また請求項2に記載した発明は、請求項1
の発明に加えて、前記ヒートパイプにおける長さ方向で
の前記受熱ブロックとの境界部分に、そのヒートパイプ
における他の部分よりも可撓性に富む可撓性部分が形成
されていることを特徴とするものである。
【0012】したがって請求項2に記載した発明によれ
ば、受熱ブロックが電子素子によって放熱用金属板側に
押圧された際に、可撓性部分がコンテナの他の部分に先
行して変形するから、受熱ブロックの移動が促進され、
それに伴って特にヒートパイプにおける放熱用金属板と
の取り付け部分に対して過度の応力が作用しなくなる。
そのため、その連結部分の損傷が未然に防止される。
【0013】更に請求項3に記載した発明は、請求項1
の発明に加えて、前記ヒートパイプにおける前記熱拡散
板に添わせた部分が、円形断面に形成されるとともに、
その中心軸線を中心とした回動が可能な状態に保持され
ていることを特徴とするものである。
【0014】したがって請求項1に記載した発明によれ
ば、受熱ブロックが電子素子によって放熱用金属板側に
押圧された際に、ヒートパイプにおける熱拡散板に添わ
せた部分が中心軸線を中心として回動するから、受熱ブ
ロックの移動が促進され、それに伴ってヒートパイプに
おける放熱用金属板との取り付け部分に対して過度の応
力が作用しなくなる。したがって連結部分の損傷が未然
に防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に示す具体
例に基づいて説明する。図1および図2において符号1
は、アルミニウムもしくはその合金などの金属からなる
熱拡散板(この発明の金属板に相当する)を示し、この
熱拡散板1は方形状もしくは矩形状の薄い平板材であ
り、特には図示していないが、周縁部に必要な切欠き部
を設け、あるいはねじ孔や貫通孔または切り起こし片な
どを適宜に形成することができる。
【0016】熱拡散板1の片面(図1での下面部)に
は、ヒートパイプ2の一端部が添わされた状態で取り付
けられている。なおその取り付け手段としては、図2に
示す金属バンド3をリベット4で止める手段には限定さ
れず、例えばエポキシ系接着剤によってコンテナ5を直
接接着させる手段あるいは熱拡散板1に形成した溝に嵌
め込む手段などが挙げられる。
【0017】これに対してヒートパイプ2の他端部は、
熱拡散板1から平行に離隔するように折り曲げられてお
り、その先端箇所には立方体あるいは直方体を成す受熱
ブロック6が取り付けられている。すなわち1本のヒー
トパイプ2が、いわゆる片持ち状態で熱拡散板1に保持
されている。なお受熱ブロック6は、銅あるいはアルミ
ニウム等の金属からなるものであり、その側面部に形成
された直線状の貫通孔にヒートパイプ2の一端部を挿入
して一体に保持する構造となっている。
【0018】ここでヒートパイプ2としては、例えば円
形断面の銅製コンテナ5の内部に作動流体として純水を
封入したものが採用されている。なおこのヒートパイプ
2は、熱拡散板1の面方向において直線状を成してい
る。そのヒートパイプ2のコンテナ5のうち熱拡散板1
から離隔し、かつ受熱ブロック6から露出した範囲が、
焼きなまし処理によってコンテナ5における他の部分よ
りも可撓性に富んだ構造となっている。そしてこの範囲
が可撓性部分7となっている。
【0019】また焼きなまし処理に替わる可撓性部分7
の形成手段としては、特には図示しないが、例えば動作
に支障のない程度にコンテナ5の壁面の肉厚を部分的に
薄く形成したり、あるいは熱拡散板1と平行な方向にコ
ンテナ5を圧潰して部分的な扁平箇所を形成したり、ま
たは部分的にコルゲート構造とすることなどが挙げられ
る。
【0020】受熱ブロック6の図1での上面部には、サ
ーマルパッド8が密着した状態に配置されていて、この
サーマルパッド8の上面部が、熱拡散板1の下面部に対
して密着している。またサーマルパッド8は、熱拡散板
1あるいは受熱ブロック6の少なくとも一方に対して適
宜手段によって取り付けられている。つまり受熱ブロッ
ク6と熱拡散板1とが、サーマルパッド8を介して熱授
受可能に連結されている。またこのサーマルパッド8を
介して受熱ブロック6が、熱拡散板1と接近・離隔自在
に連結されている。一例としてサーマルパッド8は、熱
伝導性エラストマーからなるものであり、受熱ブロック
6の形状および大きさに倣った矩形状あるいは方形状を
成している。なおサーマルパッド8とヒートパイプ2と
熱拡散板1と受熱ブロック6とによって1個の放熱ユニ
ット20が構成されている。
【0021】ここでサーマルパッド8の具体的な成分組
成および構成としては、酸化アルミニウムの粒子を充填
したシリコンエラストマーのシートに、熱伝導性を備え
た強化材(カプトン)を貼り合わせて耐久性を向上させ
た第1の構成と、酸化アルミニウムを充填したシリコン
エラストマーのシートの表面に、アルミ箔を被覆した第
2の構成と、低硬度の放熱シリコーンゴムと放熱シリコ
ーンゴムとを重合して一体成形した第3の構成と、低硬
度放熱シリコーンゴムの単体をシート状に成形した第4
の構成とが挙げられる。
【0022】第1の構成ないし第4の構成は、高い熱伝
導性(熱伝導率:1W/m・k〜8W/m・k程度)お
よび柔軟性を備え、かつ電気的には絶縁性を備え、更に
は優れた熱拡散機能を備えている。また第1の構成ない
し第4の構成は、柔軟性および粘着性に富んでいるか
ら、受熱ブロック6および熱拡散板1に対する密着性が
良好である。
【0023】そして放熱ユニット20は、受熱ブロック
6をCPU9の上面部に載せた状態で図示しないパソコ
ンケースの内部に組み込まれている。またこの発明の電
子素子に相当するCPU9が、例えば基盤(図示せず)
の上面部に取り付けられていて、その基盤と共にパソコ
ンケースの内部における所期の位置に組み込まれてい
る。なおCPU9の高さ方向での配置の公差よりも受熱
ブロック6の厚さ方向への変位量が若干大きく設定され
ている。
【0024】したがって図1に示す構造によれば、例え
ばCPU9が公差の範囲内で図1での上側に配置されて
いることに起因して受熱ブロック6がCPU9と当接す
ると、受熱ブロック6が図1での上方に押圧されて、サ
ーマルパッド8がその厚さを減少するように変形すると
ともに、可撓性部分7を基点としてヒートパイプ2のい
わゆる自由端が熱拡散板1に向けて接近し、受熱ブロッ
ク6と熱拡散板1との間隔が狭められる。その場合、サ
ーマルパッド8にCPU9側への反力が作用するため
に、受熱ブロック6とCPU9とが互いに密着した状態
に保持される。なお可撓性部分7がコンテナ5の両端部
によりも率先して変形するから、ヒートパイプ2のうち
金属バンド3に保持された部分に対して応力が過度には
作用せず、したがって変形あるいは損傷などが未然に防
止される。
【0025】また一方、図1に示す構造によれば、CP
U9から熱が生じると、その熱が受熱ブロック6の下面
部に伝達される。受熱ブロック6に供給された熱の一部
が、サーマルパッド8に伝達され、更に熱拡散板1にお
ける接触面に伝達される。その熱は、熱拡散板1中を伝
導してその反対面から外部に向けて放散される。受熱ブ
ロック6の上面部が全面に亘ってサーマルパッド8と接
触しているために、受熱ブロック6と熱拡散板1との間
での熱伝達が効率よく行なわれる。
【0026】また受熱ブロック6に供給された熱の一部
が、ヒートパイプ2の一端部に伝達される。この状態で
ヒートパイプ2の両端部に温度差が生じるため、ヒート
パイプ動作が自動的に開始される。すなわちコンテナ5
内における受熱ブロック6に保持された範囲で作動流体
が蒸発し、その作動流体蒸気が熱拡散板1に添わされた
端部に向けて流動するとともに、熱拡散板1の下面部に
放熱して凝縮する。その熱は、熱拡散板1の面方向に伝
導されつつ、熱拡散板1の上面部から外部に向けて放散
される。その結果、CPU9の温度上昇が抑制あるいは
防止される。
【0027】このように図1に示す構造によれば、受熱
ブロック6の熱拡散板1側への変位によって、CPU9
の高さ方向での配置の公差が吸収されるから、放熱ユニ
ット20をパソコンケース内の所期の位置に組み付けて
も受熱ブロック6をCPU9に対して確実に密着させる
ことができる。換言すれば、放熱ユニット20の高さ方
向での配置の微調整が不要となる。
【0028】つぎに図3を参照してこの発明の他の具体
例について説明する。ここに示す例は、ヒートパイプ2
をいわゆる両持ち状態で熱拡散板1に保持させた例であ
る。なおここでは、図1に示す具体例との相違箇所につ
いて詳細に説明し、共通の構成についてはその説明を省
略する。熱拡散板1における一部の範囲が、図3での上
方に向けて矩形状あるいは方形状に窪まされていて、こ
こが窪み部10となっている。この窪み部10の平面図
上での大きさは、対象とする受熱ブロック6の平面図上
での大きさよりも若干大きく設定されている。窪み部1
0の底面は、熱拡散板1と平行な平坦面を成していて、
ここにサーマルパッド8が取り付けられている。なお窪
み部10は、例えばプレス加工によって簡単に形成する
ことが可能である。
【0029】サーマルパッド8の下面部側には、受熱ブ
ロック6が密着した状態で設けられている。この受熱ブ
ロック6には、図3での左右の側面部に貫通する円形の
取り付け孔が形成されていて、その取り付け孔の内部に
はヒートパイプ2の中間部が挿入されて保持されてい
る。つまりヒートパイプ2の中間部に受熱ブロック6が
配置されている。このヒートパイプ2のコンテナ5は、
直線状を成していて、その両端部が熱拡散板1の表面に
添わされた状態で取り付けられている。
【0030】すなわち受熱ブロック6におけるサーマル
パッド8側の部分が、窪み部10の内側に入り込んだ状
態となっている。またヒートパイプ2のうち受熱ブロッ
ク6から露出し、かつ窪み部10の側壁部との境界箇所
までの範囲が、可撓性部分7となっている。つまり受熱
ブロック6の図3での左右両側に可撓性部分7が備えら
れている。
【0031】したがって図3に示す構造によれば、CP
U9が公差の範囲内で図3での上側に配置されているこ
とに起因して受熱ブロック6がCPU9と当接すると、
サーマルパッド8がその厚さを減少させるように変形
し、またコンテナ5における可撓性部分7が窪み部10
の内側に入り込むように撓む。上述の通り、可撓性部分
7が受熱ブロック6を挟んだ両側に形成されているか
ら、受熱ブロック6が熱拡散板1と平行な姿勢を保持し
たまま図3での上方に移動する。それに伴ってサーマル
パッド8に図3での下側に向けた反力が作用するため、
CPU9の上面部と受熱ブロック6の下面部とが密着す
る。
【0032】このように図3に示す構造によれば、図1
に示す具体例と同様に放熱ユニット20の高さ方向での
配置の微調整を行なうことなく受熱ブロック6をCPU
9に対して密着させることができる。そのうえコンテナ
5が直線状を成す一般的なヒートパイプ2を採用でき、
換言すれば、コンテナ5の曲げ加工が不要となる利点が
ある。また窪み部10を備えているために、熱拡散板1
におけるサーマルパッド8の取付位置が明確になり、そ
れに伴って生産性が良好になる。
【0033】つぎに図4を参照してこの発明の更に他の
具体例について説明する。ここに示す例は、サーマルパ
ッド8に替えてコイルスプリング11を採用した例であ
る。平板状を成す熱拡散板1の下面部には、ヒートパイ
プ2の一端部が添わされた状態で取り付けられている。
このヒートパイプ2の他端部は、熱拡散板1から平行に
離隔していて、受熱ブロック6に連結されている。
【0034】受熱ブロック6と熱拡散板1との間には、
複数のコイルスプリング11が設けられている。より具
体的には、熱拡散板1の図4での下面部には、備えるべ
きコイルスプリング11と同じ数の環状の細溝12が形
成されている。そして各細溝12には各コイルスプリン
グ11の上端部が嵌め込まれている。これに対して受熱
ブロック6の上面部における各細溝12と対向した位置
には、環状の細溝12がそれぞれ形成されている。そし
て各細溝12には、各コイルスプリング11の下端部が
嵌め込まれている。
【0035】したがって図4に示す構造によれば、CP
U9が公差の範囲内で図1での上側に配置されているこ
とに起因して受熱ブロック6がCPU9と当接すると、
各コイルスプリング11が圧縮されるとともに、コンテ
ナ5における可撓性部分7が熱拡散板1側に傾倒するよ
うに撓む。それに伴って各コイルスプリング11に図4
での下側に向けた反力が作用するから、CPU9の上面
部と受熱ブロック6の下面部とが密着状態に保持され
る。
【0036】このように図4に示す構造によれば、図1
の具体例と同様の効果を奏することに加えて、部材とし
てのコイルスプリング11の重量がサーマルパッド8よ
りも軽いために、図1に示す具体例よりも放熱ユニット
20が軽量になる利点が生じる。
【0037】以下、図5を参照してこの発明の更に他の
具体例について説明する。ここに示す例は、コイルスプ
リング11用のガイド機構を備えた例である。平板状を
成す熱拡散板1の図2での下面部には、鉛直下方に突出
したガイドピン13が2本形成されている。各ガイドピ
ン13は、円柱状を成していて熱拡散板1と一体に形成
されている。
【0038】これに対して受熱ブロック6における各ガ
イドピン13と対向する部分には、円形の凹部14がそ
れぞれ形成されている。各凹部14の径は、各ガイドピ
ン13の径よりも大きく設定されている。また一方、各
凹部14の深さは、各ガイドピン13の長さよりも若干
大きく設定されている。更に各凹部14の内部には、コ
イルスプリング11の一端部がそれぞれ嵌め込まれてい
る。また一方、各コイルスプリング11の他端部が、各
ガイドピン13の外周部に嵌め込まれている。なお各ガ
イドピン13の先端部が、各凹部14の内部に非接触状
態で僅かに入り込んでいる。
【0039】したがって図5に示す構造によれば、図4
に示す具体例と同じ効果を奏することに加えて、受熱ブ
ロック6に対して横方向(熱拡散板1における面方向)
の力が作用しても、各ガイドピン13が各凹部14の側
壁面に当接してそれ以上の移動が規制されるから、受熱
ブロック6がCPU9の接触面から面方向にズレること
が未然に防止される。その結果、CPU9との接触性を
より向上させることができる。
【0040】以下、図6を参照してこの発明の更に他の
具体例について説明する。ここに示す例は、弾性体とし
て皿バネ15を採用した例である。熱拡散板1の一部に
は、窪み部10が形成されていて、この窪み部10の底
面には、大径側の開口縁を下側に向けた姿勢で複数個の
皿バネ15が取り付けられている。なお各皿バネ15の
厚さが、窪み部10の深さと同じに設定されており、つ
まり各皿バネ15の下縁部(大径側の開口縁)と熱拡散
板1の下面部とがほぼ面一となっている。
【0041】更に各皿バネ15の下縁部は、受熱ブロッ
ク6の上面部と接触している。受熱ブロック6には、直
線状を成すヒートパイプ2の一端部が挿入されて保持さ
れている。このヒートパイプ2の他端部が、熱拡散板1
の下側面に添って取り付けられている。またヒートパイ
プ2のうち受熱ブロック6から露出し、かつ窪み部10
の側壁部との境界箇所までの範囲が可撓性部分7となっ
ている。
【0042】したがって図6に示す構造によれば、CP
U9が公差の範囲内で図6での上側に配置されているこ
とに起因して受熱ブロック6がCPU9と当接すると、
各皿バネ15が潰れるように変形し、またコンテナ5に
おける可撓性部分7が熱拡散板1側に傾倒するように撓
む。それにともなって各皿バネ15に図6での下側に向
けた反力が作用するから、CPU9の上面部と受熱ブロ
ック6の下面部とが密着し、更にその状態が保持され
る。
【0043】このように図6に示す構造では、図1に示
す具体例と同様の効果を得ることができる。そのうえい
わゆる一体物である皿バネ15の熱伝導性が、長さ方向
に隙間を有する構造のコイルスプリング11に比べて高
いために、図4に示す具体例に比べて受熱ブロック6か
ら熱拡散板1への直接の熱伝達がより効率よく行なわれ
る利点がある。
【0044】つぎに図7を参照してこの発明の他の具体
例について説明する。ここに示す例は、皿バネ15用の
ガイド機構を備えた例である。熱拡散板1における受熱
ブロック6と対向する範囲が、図7での上方に向けて矩
形状あるいは方形状に窪まされていて、ここが窪み部1
0となっている。窪み部10の底面には、図7での上方
に向けて小径となるテーパの付けられた円形の窪み16
が2個形成されており、各窪み16には、皿バネ15が
下側に向けた姿勢でそれぞれ取り付けられている。
【0045】これに対して受熱ブロック6における各皿
バネ15と対向した部分には、深さの小さい円形の凹部
14がそれぞれ形成されている。各凹部14の径は、皿
バネ15の外径よりも若干大きく設定されている。そし
て各凹部14の内部には、各皿バネ15が開口端を凹部
14の底部と接触させた状態で入り込んでいる。つまり
各凹部14が、皿バネ15と受熱ブロック6とを位置決
めするガイドとなる。なお熱拡散板1と受熱ブロック6
とが隙間をおいて配置されている。
【0046】したがって図7に示す構造によれば、図6
に示す具体例と同じ効果を奏することに加えて、受熱ブ
ロック6に対して横方向(熱拡散板1における面方向)
の力が作用しても、各皿バネ15の開口縁が各凹部14
の側壁面に当接してそれ以上の移動が規制されるから、
受熱ブロック6がCPU9の接触面から面方向にズレる
ことが未然に防止され、その結果、CPU9との接触性
をより向上させることができる。
【0047】つぎに図8を参照してこの発明の更に他の
例について説明する。ここに示す例は、コンテナ5に可
撓性部分7を備えない例である。平板状を成す熱拡散板
1の片面(上面部)には、コンテナ5の全体形状が平面
図上でコ字状を成すヒートパイプ2が設けられている。
より詳細には、このヒートパイプ2は、コンテナ5が円
形断面を成すものであり、その一端部が添わされた状態
で熱拡散板1に対して取り付けられている。その取付手
段としては、一例として金属バンド3をリベット4によ
って熱拡散板1に固定する手段が採られており、この手
段によってヒートパイプ2はコンテナ5の中心軸線を中
心とした回動が可能な状態に保持されている。
【0048】更にヒートパイプ2の長さ方向での中間部
が、金属バンド3によって保持された端部に対してほぼ
直角に屈曲している。更にヒートパイプ2の他端部が、
中間部に対してほぼ直角に屈曲している。つまりヒート
パイプ2は、両端部同士が平面図上で平行に対向する構
成となっている。ヒートパイプ2の先端部は、熱拡散板
1から平行に離隔するように折り曲げられていて、そこ
には受熱ブロック6が取り付けられている。そしてこの
放熱ユニットは20は、一例として受熱ブロック6の上
面部をパソコンケースの内部に備えられたCPU9の下
面部に対して接触させるようになっている。なお上記各
具体例で挙げた可撓性部分7は、このヒートパイプ2に
は備えられておらず、つまりコンテナ5の可撓性が全長
に亘って実質的に等しい構造となっている。
【0049】また受熱ブロック6と熱拡散板との間に
は、サーマルパッド8が設けられている。このサーマル
パッド8としては、図1に示す具体例と同じ構成のもの
を採用でき、受熱ブロック6あるいは熱拡散板1の少な
くとも一方に対して取り付けられている。すなわちヒー
トパイプ2が、金属バンド3によって保持された端部を
回動中心として回動することに伴って、受熱ブロック6
が熱拡散板1と接近・離隔する構成となっている。
【0050】したがって図8に示す構造によれば、例え
ばパソコンケースの内部でのCPU9と熱拡散板1との
間隔が所期の値よりも狭い場合に、受熱ブロック6がC
PU9によって図8での下側部に押圧されることによっ
て、ヒートパイプ2が金属バンド3に保持された端部の
中心軸線を中心として回動し、またサーマルパッド8が
その厚さを減少させるように変形する。それに伴ってサ
ーマルパッド8に図8での上側に向けた反力が作用する
から、CPU9の下面部と受熱ブロック6の上面部とが
密着状態に保持される。
【0051】このように図8に示す構造によれば、放熱
ユニット20の高さ方向での配置の微調整を行なうこと
なく受熱ブロック6をCPU9に対して密着させること
ができる。また更にコンテナ5が全体としてコ字状を成
していて、熱拡散板1の面方向でのヒートパイプ2の広
がりが大きいから、コンテナ5が直線状を成すヒートパ
イプ2を採用する各具体例よりも受熱ブロック6の横方
向へのズレが抑制される利点がある。また可撓性部分を
備えた特殊な構造のヒートパイプに替えて、一般的なヒ
ートパイプ2を採用しているから、コストの低廉化を図
ることができる。
【0052】なお上述した各具体例では、電子素子やヒ
ートパイプあるいは受熱ブロックなどを直接熱拡散板に
取り付けるように構成したが、この発明における「直
接」とは、いわゆるサーマルジョイントなどの熱伝達を
媒介する充填材を介在させてもよいことも含むのであ
り、従来一般に行なわれているこの種の介在物の存在を
排除するものではない。またこの発明で対象とする電子
素子は、CPUに限定されないのであって、通電して動
作することにより発熱する広く一般の電子部品を含む。
更に上記各具体例では、1個の受熱ブロックに対して1
本の単管型ヒートパイプを連結させるように構成した
が、これには限定されず、例えば1個の受熱ブロックに
対して2本の単管型ヒートパイプを並列させて連結させ
てもよく、あるいはループ型ヒートパイプを採用するこ
ともできる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項3のいずれの発明においても、ヒートパイプの一部が
放熱用金属板に添わせた状態で取り付けられ、その放熱
用金属板の厚さ方向に突出しかつ電子素子との接触部位
となる受熱ブロックがヒートパイプの他の部分に取り付
けられ、更に受熱ブロックと放熱用金属板との間に弾性
体が設けられていて、組み込むべき装置内での電子素子
の配置の公差を受熱ブロックの厚さ方向での変位によっ
て吸収することが可能であるから、受熱ブロックを電子
素子に対して確実に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一具体例を示す概略図である。
【図2】 その具体例における各部材の配置関係を示す
概略図である。
【図3】 直線状のヒートパイプが採用された具体例を
示す概略図である。
【図4】 コイルスプリングが弾性体として採用された
具体例を示す概略図である。
【図5】 コイルスプリング用のガイド機構が備えられ
た具体例を示す概略図である。
【図6】 皿バネが弾性体として採用された具体例を示
す概略図である。
【図7】 皿バネ用のガイド機構が備えられた具体例を
示す概略図である。
【図8】 ヒートパイプが中心軸線を中心に回動自在に
保持された具体例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…熱拡散板、 2…ヒートパイプ、 5…コンテナ、
6…受熱ブロック、7…可撓性部分、 8…サーマル
パッド、 9…CPU、 11…コイルスプリング、
15…皿バネ、 20…放熱ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 益子 耕一 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 5F036 AA01 BB21 BB43 BB60 BC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子素子から発生する熱を放熱用金属板
    に伝達するとともに、この放熱用金属板から放散させる
    電子素子の放熱構造において、 密閉金属管の内部に非凝縮性ガスを脱気した状態で凝縮
    性流体を封入したヒートパイプの一部が、前記放熱用金
    属板に添わせた状態で取り付けられるとともに、前記放
    熱用金属板の厚さ方向に突出しかつ前記電子素子との接
    触部位となる受熱ブロックが、前記ヒートパイプの他の
    部分に熱授受可能に取り付けられ、更に前記受熱ブロッ
    クと前記放熱用金属板との間に弾性体が設けられている
    ことを特徴とする電子素子の放熱構造。
  2. 【請求項2】 前記ヒートパイプにおける長さ方向での
    前記受熱ブロックとの境界部分に、そのヒートパイプに
    おける他の部分よりも可撓性に富む可撓性部分が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載した電子素子
    の放熱構造。
  3. 【請求項3】 前記ヒートパイプにおける前記熱拡散板
    に添わせた部分が、円形断面に形成されるとともに、そ
    の中心軸線を中心とした回動が可能な状態に保持されて
    いることを特徴とする請求項1に記載した電子素子の放
    熱構造。
JP29023799A 1999-10-12 1999-10-12 電子素子の放熱構造 Pending JP2001110969A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29023799A JP2001110969A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 電子素子の放熱構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29023799A JP2001110969A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 電子素子の放熱構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001110969A true JP2001110969A (ja) 2001-04-20

Family

ID=17753542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29023799A Pending JP2001110969A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 電子素子の放熱構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001110969A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204844A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Toyoda Gosei Co Ltd 車両用ヘッドライト
US7602610B2 (en) 2006-11-28 2009-10-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic device
JP2017037979A (ja) * 2015-08-11 2017-02-16 三菱電機株式会社 半導体装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7602610B2 (en) 2006-11-28 2009-10-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic device
JP2008204844A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Toyoda Gosei Co Ltd 車両用ヘッドライト
JP2017037979A (ja) * 2015-08-11 2017-02-16 三菱電機株式会社 半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7140422B2 (en) Heat sink with heat pipe in direct contact with component
US7742295B2 (en) Cooling device and electronic device
US7391617B2 (en) Cooling arrangement for a computer system
JP2001110967A (ja) 電子素子の放熱構造
US20080068797A1 (en) Mounting assembly and electronic device with the mounting assembly
JPH08222671A (ja) 回路モジュールの冷却装置
US20040050535A1 (en) Heat sink with angled heat pipe
JP4822855B2 (ja) 電子装置の放熱構造
JP2001110969A (ja) 電子素子の放熱構造
JPH1168360A (ja) 半導体素子の冷却構造
WO2016095508A1 (zh) 一种导热垫、散热器和散热组件
JPH1195871A (ja) 電子機器の放熱構造
US12027444B2 (en) Electronic device
US11109514B1 (en) Electronic device with a heat dissipating function and heat dissipating module thereof
JP3378174B2 (ja) 高発熱素子の放熱構造
JP2007173318A (ja) 放熱構造および情報装置
JP4006115B2 (ja) 電子素子の放熱構造
JP3680349B2 (ja) 放熱構造
JP2010251357A (ja) 半導体モジュール装置
JP4380061B2 (ja) 発熱部品の放熱構造
WO2024034578A1 (ja) 基板固定構造
JP2000332169A (ja) 発熱体の放熱構造及びこれを有する電子機器
JPH10335860A (ja) ヒートシンク
JP4451752B2 (ja) 放熱部材および半導体部品
JP3156561U (ja) チャンバーヒートシンク構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090106